JP6347734B2 - 茶由来シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤 - Google Patents
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Description
しかしながら、前記茶カテキン類のCOX-2阻害活性は決して高いとはいえず、通常の方法で製造された茶飲料を摂取することで十分なCOX-2阻害効果を得ることは困難と思われる。そこで、特許文献3では、緑茶葉の温水抽出物からカテキン類の生理活性を増強する組成物を分離し、カテキンとともに摂取することで該生理活性を亢進する方法を示しているが、COX-2阻害活性については検討されていない。
[1] ヒドロキシオクタデカジエン酸及び/又はヒドロキシオクタデカトリエン酸を有効成分として含むシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤。
[2] 前記ヒドロキシオクタデカジエン酸が、(10E,12E)-9-ヒドロキシ-10,12-オクタデカジエン酸、(9E,11E)-13-ヒドロキシ-9,11-オクタデカジエン酸、(10E,12Z)-9-ヒドロキシ-10,12-オクタデカジエン酸、又は(9Z,11E)-13-ヒドロキシ-9,11-オクタデカジエン酸、或いはこれらの1以上の混合物である、[1]に記載のシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤。
[3] 前記ヒドロキシオクタデカトリエン酸が、(10E,12Z,15Z)-9-ヒドロキシ-10,12,15-オクタデカトリエン酸である、[1]に記載のシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤。
[4] 前記[1]−[3]のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤を含有する食品。
[5]前記[1]−[3]のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤を含有する茶飲料。
[6]前記[1]−[3]のいずれかに記載のシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤を含有する医薬部外品。
[7] 茶葉を、40−100℃に保温したpH12.5以上の水性溶媒中で抽出する工程を含む、茶葉からシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤を製造する方法。
[8] 茶葉を、40−100℃に保温したpH12.5以上の水性溶媒中で抽出する工程を含む、茶葉からシクロオキシゲナーゼ−2阻害活性が亢進した茶飲料を製造する方法。
[9] 前記茶葉が、pH12.0以下の水性溶媒で加熱抽出された茶葉である、前記[7]又は[8]に記載の方法。
本発明におけるCOX-2阻害剤は、COX-2が有する酵素活性、すなわち、脂肪酸シクロオキシダーゼ活性及びヒドロペルオキシダーセ活性の少なくとも1以上の活性を阻害し得る化合物を指す。広義のCOX-2阻害剤としてCOX-2の転写誘導を阻害し得る化合物を含める場合が知られるが、本書におけるCOX-2阻害剤は当該酵素活性の阻害剤を意味する。なお、当該COX-2阻害活性は、市販のキット(例として、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman Chemical社製))を用いて簡便且つ高感度に評価することが可能である。
ヒドロキシオクタデカジエン酸には複数の立体異性体が存在し得るが、生体内でリノール酸がフリーラジカル又は酵素によって酸化された場合には、9位又は13位に水酸基を有する4種類の異性体(化合物1:(10E,12Z)-9-ヒドロキシ-10,12-オクタデカジエン酸)、化合物2:(9Z,11E)-13-ヒドロキシ-9,11-オクタデカジエン酸)、化合物3:(10E,12E)-9-ヒドロキシ-10,12-オクタデカジエン酸)、化合物4:(9E,11E)-13-ヒドロキシ-9,11-オクタデカジエン酸)が生じる。各々の異性体の化学式を以下に示す(化1−4)。
なお、上記すべての化合物には(R)体と(S)体の光学異性体が存在し得るが、本発明のCOX-2阻害剤に含まれるヒドロキシオクタデカジエン酸は(R)体と(S)体のいずれでもよく、また、両者の混合物でもよい。
α−リノレン酸から生じ得るヒドロキシオクタデカトリエン酸としては、(10E,12Z,15Z)-9-ヒドロキシ-10,12,15-オクタデカトリエン酸、(10Z,12Z,15Z)-9-ヒドロキシ-10,12,15-オクタデカトリエン酸、(9Z,12Z,14E)-16-ヒドロキシ-9,12,14-オクタデカトリエン酸、(9Z,12Z,14Z)-16-ヒドロキシ-9,12,14-オクタデカトリエン酸、(9Z,11E,15Z)-13-ヒドロキシ-9,11,15-オクタデカトリエン酸、(9Z,11Z,15Z)-13-ヒドロキシ-9,11,15-オクタデカトリエン酸の6種類の立体異性体が挙げられ、本発明のCOX-2阻害剤の有効成分としては、これらの立体異性体を区別する必要はなく、いずれの異性体及びそれらの混合物を用いることができる。このうち、下記化学式(化5)で示される(10E,12Z,15Z)-9-ヒドロキシ-10,12,15-オクタデカトリエン酸を含むことが特に好ましい。
本発明によれば、茶葉を、40−100℃に保温したpH12.5以上の水性溶媒を用いて抽出することにより、COX-2阻害活性が顕著に亢進した茶飲料を簡便に製造することができる。
なお、本書では、本発明に係るpH12.5以上のアルカリ性の水性溶媒を用いる抽出方法を“アルカリ性抽出法”と呼ぶ場合があり、これと対比して、中性付近のpH(通常、pH4.5-8.0)の水性溶媒を用いる通常の抽出方法を“中性抽出法”と呼ぶ場合がある。
本発明に用いることができる茶葉としては、チャノキ(Cemellia sinensis)を原料としたものであれば良く、例えば、不発酵茶である緑茶及び焙じ茶用茶葉(例として、からべに茶、やぶきた茶等)、半発酵茶であるウーロン茶用茶葉(例として、武夷水仙、鳳凰水仙、水仙等)、発酵茶である紅茶用茶葉(例として、キーモン等)、及び後発酵茶であるプーアル茶用茶葉(例として、雲南大葉種等)等を好適に用いることができる。このうち、特に好ましくは不発酵茶用又は半発酵茶用茶葉であり、最も好ましくは不発酵茶用茶葉である。
茶飲料の抽出には、乾燥茶葉を好適に用いることができ、荒茶や仕上茶等が例示される。なお、本書における“乾燥茶葉”とは、“水分含有量が1−10重量%の茶葉”の意である。
茶葉を抽出する溶媒としては、pH12.5以上の水性溶媒が好ましく、さらに好ましくはpH13.0以上、最も好ましくはpH13.5以上の水性溶媒である。COX-2阻害活性の亢進という観点からは当該抽出溶媒のpHの上限を定める必要はないが、飲料として供すること(後に、中和を行うこと)を考慮すると、pH14.0程度までが適切である。当該pHの水性溶媒は、水に、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素カルシウム、及び炭酸カルシウムから選ばれる1以上の化合物を溶解することで好適に調整することができる。このうち、好ましくは、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、或いは、炭酸ナトリウムと炭酸カリウムの混合物である。また、当該水性溶媒の調整に用いる水としては、天然水、精製水(例として、イオン交換水)等を用いることができる。
前記抽出溶媒を40℃以上100℃以下、好ましくは50℃以上100℃以下、より好ましくは60℃以上100℃以下、最も好ましくは70℃以上100℃以下に加熱し、乾燥茶葉を添加して抽出を行う。抽出工程では、前記抽出溶媒と茶葉の混合物を攪拌することが好ましく、また、加圧して抽出を行ってもよい。茶葉に添加する前記抽出溶媒の量は特に限定されないが、乾燥茶葉の重量に対し、5−50倍程度の重量の抽出溶媒が適切である。前記抽出溶媒中ではCOX-2阻害活性を有する成分は茶葉から速やかに抽出されるため、特に抽出時間を定める必要はないが、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、さらに好ましくは5分以上、最も好ましくは10分以上である。なお、1時間以上の抽出によるCOX-2阻害活性の増加分は非常に少ないことから、抽出時間の上限は1時間程度が好ましい。
前記抽出工程の後、定法(例として、濾過又は遠心操作)に従って茶葉を除去し、得られた抽出液のpHを中性付近(好ましくは、PH5−7程度)に調整して茶飲料を得ることができる。pHの調整は、例えば、アスコルビン酸、塩酸、又は食用酸(例として、酢酸、クエン酸等)等を添加することで好適に行うことができる。前記抽出液は必要に応じて希釈することができ、また、糖類(デキストリンを含む)、(人工)甘味料、増粘剤、乳化剤、塩類、アミノ酸、香料、着色料、酸味料、抗酸化剤、保存料等を添加してもよい。さらに、加熱殺菌を行い、容器詰飲料としてもよい。
上記アルカリ性抽出法を用いることにより、中性抽出法で得られる茶飲料と比較して、COX-2阻害活性が約1.5−7.0倍増加した茶飲料を得ることができる。特に、不発酵茶用又は半発酵茶用茶葉を用いた場合には、約4.5−7.0倍も増加した茶飲料を得ることも可能である。
本発明に係る方法で得られる茶飲料のCOX-2阻害活性は、カテキン類ではなく、主にα−リノレン酸、リノール酸、没食子酸、ヒドロキシオクタデカジエン酸、及びヒドロキシオクタデカトリエン酸によるものである。本発明のアルカリ性抽出溶媒を用いた抽出工程において、カテキン類は分解し(一部が没食子酸となり)、α−リノレン酸及びリノール酸が新たに生成し、さらにこれらの脂肪酸からヒドロキシオクタデカジエン酸及びヒドロキシオクタデカトリエン酸が生じたと考えられる。前記脂肪酸のアルカリ処理によってヒドロキシオクタデカジエン酸及びヒドロキシオクタデカトリエン酸が生じることは知られていなく、本発明によって初めて明らかにされた機構である。
ヒドロキシオクタデカジエン酸及びヒドロキシオクタデカトリエン酸は、茶葉をpH12.5以上の水溶液中で40−100℃に加熱処理することにより簡便に製造することができる。よって、本発明に係るCOX-2阻害剤は、前述の“COX-2阻害活性が亢進した茶飲料の製造方法”に従って、茶葉から簡便に製造することが可能である。さらに、風味が求められる茶飲料と異なり、COX-2阻害剤の製造を目的とする場合には、より広い条件で抽出を行ってもよい。以下に、茶飲料の製造方法から拡大可能な要件について説明する。
茶飲料の製造方法と同様に、使用する茶葉の種類を特定する必要はなく、不発酵茶用又は半発酵茶用茶葉が特に好ましく、不発酵茶用茶葉が最も好ましい点も同じである。しかしながら、COX-2阻害剤の製造を目的とする場合には、乾燥茶葉だけでなく、生茶や、通常の茶飲料の抽出(すなわち、中性抽出法)によって生じる抽出残渣(茶殻)を用いることができる。乾燥茶葉や生茶を用いる場合には、細かく細断されていることが好ましい。また、未利用資源の有効活用という観点からは、抽出残渣を原料とすることが好ましい。
抽出に用いる溶媒は、前述した茶飲料の製造方法と同様に、pH12.5以上、さらに好ましくはpH13.0以上、最も好ましくはpH13.5以上の水性溶媒である。当該抽出溶媒のpHの上限は特に定める必要はないが、pH15.0程度が適切である。なお、当該抽出溶媒は、前記茶飲料の製造方法で例示したpH調整用化合物及び水を用いて好適に作製することができる。
前記茶飲料の製造方法と同じ抽出温度及び抽出時間が好適である。また、攪拌しながらの抽出が好ましい点、加圧して抽出してよい点も同じである。茶葉に添加する前記抽出溶媒の量は、乾燥茶葉に対しては同様(乾燥茶葉の重量に対し、約5−50倍(重量/重量))で、生茶葉に対しては約10−100倍(重量/重量)、抽出残渣に対しては約5−50倍(重量/重量)が好ましい。
本発明では、前記抽出工程で得られた抽出液から定法(例として、濾過又は遠心処理)に従って茶葉又は茶殻を除去したものを、茶葉由来COX-2阻害剤として用いることができる。なお、当該抽出液は、必要に応じて前述の中和処理、乾燥処理、濃縮処理等を行ってもよく、さらに、当業者に周知の方法を用いて、ヒドロキシオクタデカジエン酸及び/又はヒドロキシオクタデカトリエン酸を(粗)精製してもよい。
前記抽出液からのヒドロキシオクタデカジエン酸又はヒドロキシオクタデカトリエン酸の(粗)精製は、例えば、前記抽出液を濾過して得られる濾液を高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)を用いて分画し、得られた分画からCOX-2阻害活性を有する分画を選択し、さらに該分画から既知のCOX-2阻害活性成分(例として、カテキン類、没食子酸、リノール酸、リノレン酸等)を含む分画を除外して得ることが可能である。
COX-2は、シクロオキシダーゼ活性によってアラキドン酸からPGG2を産生し、ヒドロペルオキシダーセ活性によって前記PGG2からPGH2を産生する酵素である。本願実施例では、COX Inhibitor Screening Assay Kit(Cayman Chemical社製)を用いて、COX-2、アラキドン酸、及び被験物質の存在下で生じるPGH2量(厳密には当該還元産物量)を測定した。被験物質としては、茶葉抽出物又はその(粗)精製物を凍結乾燥し、500マイクログラム/mlとなるようにジメチルスルホキシドに溶解したものを用いた。そして、陰性コントロール(ジメチルスルホキシドのみ)を添加した場合に生じる前記PGH2量を100%(=COX-2活性が100%の状態)として、各被験物質を添加した場合に生じる前記PGH2量との差分をCOX-2活性阻害率(%)とした。
茶葉からCOX-2阻害活性が亢進した茶飲料及びCOX-2阻害剤を抽出する工程で用いる水性溶媒のpHについて、検討を行った。
市販の緑茶(仕上茶)を粉末化したものを、該茶葉の10倍量(重量/重量)のイオン交換水(pH7.0)又は水酸化ナトリウム水溶液(pH10.0-pH14.5)に懸濁し、80℃で30分間抽出を行った。その後、当該茶葉と抽出溶媒の混合物を濾過し、得られた濾液を塩酸で中和して抽出液を得た。各抽出液を凍結乾燥し、得られた乾燥抽出物に対し、前述の方法に従ってCOX-2活性阻害率を測定した。各試験例で得られたCOX-2活性阻害率を、イオン交換水で抽出した場合に得られたCOX-2活性阻害率(比較例1)に対する相対値で表した。
この結果より、pH12.5以上の水性溶媒を用いて茶葉の抽出を行うと、COX-2活性を阻害し得る成分が茶葉から抽出できることが明らかとなった。
次に、抽出温度について検討した。
前記市販の緑茶を粉末化したものを、該茶葉の10倍量(重量/重量)の150mM水酸化ナトリウム水溶液(pH13.5)に懸濁し、室温(25℃)、40℃、60℃、又は80℃で30分間抽出を行った。その後濾過を行い、得られた濾液を塩酸で中和して抽出液を得た。各抽出液を凍結乾燥し、前述の方法に従ってCOX-2活性阻害率を測定した。結果を表2に示す。
よって、pH12.5以上のアルカリ性水性溶媒を用いて茶葉からCOX-2活性を阻害し得る成分を溶出させるには、40℃以上の温度が必要であることが明らかとなった。
続いて、抽出時間の検討を行った。
前記市販の緑茶を粉末化したものを、該茶葉の10倍量(重量/重量)の150mM水酸化ナトリウム水溶液(pH13.5)に懸濁し、80℃で5分−2時間抽出を行った。その後濾過を行い、得られた濾液を塩酸で中和して抽出液を得た。各抽出液を凍結乾燥し、前述の方法に従ってCOX-2活性阻害率を測定した結果を表3に示す。
よって、pH12.5以上で高温のアルカリ性水性溶媒中では、茶葉からCOX-2活性を阻害し得る成分が速やかに抽出されるため、1分間、好ましくは3分間以上の抽出により、十分量の当該成分が抽出できることが明らかとなった。
次に、茶葉の種類について検討を行った。
不発酵茶、半発酵茶、発酵茶、後発酵茶の代表として、各々、緑茶、ウーロン茶、紅茶、プーアル茶用茶葉(いずれも市販の仕上茶、粉末化せずに使用)を用いて下記3通りの抽出方法を行い、乾燥抽出物を得た。
(i)中性抽出
茶葉5gに、80℃に保温したイオン交換水(pH7.0)100ミリリットルを加え、80℃で30分間抽出を行った。その後、濾過、濃縮、凍結乾燥を行い、乾燥抽出物を得た。
(ii)中性抽出残渣のアルカリ性抽出
前記(i)で濾過後に生じる残渣(抽出残渣)に対し、80℃に保温した150mM水酸化ナトリウム水溶液(pH13.5)100ミリリットルを加え、80℃で30分間抽出を行った。その後、濾過、中和(塩酸使用)、濃縮、凍結乾燥を行い、乾燥抽出物を得た。
(iii)アルカリ性抽出
茶葉3gに、80℃に保温した150mM水酸化ナトリウム水溶液(pH13.5)100ミリリットルを加え、80℃で30分間抽出を行った。その後、濾過、濃縮、凍結乾燥を行い、乾燥抽出物を得た。
前述したように、pH12.5以上のアルカリ性条件下ではカテキン類はほぼ完全に分解するため、上記アルカリ性抽出方法で得られる抽出物のCOX-2阻害活性は、カテキン類以外の成分によるものと考えられる。そこで、当該COX-2阻害活性を担う成分の同定を試みた。
なお、化合物1及び2はNMRで測定される物性値が等しく、且つ、互変異性を有するため、化合物I(実施例21)は化合物1と2の等モル混合物と考えられる。同じ理由により、化合物II(実施例22)も化合物3と4の等モル混合物と考えられる。
以下に、前記逆相クロマトグラフィーによる分析条件と、前記NMR及びHR-MS(High resolution-mass spectrometry)の解析結果を示す。
装置:Prominence UFLCシステム(株式会社島津製作所製)、ソフトウエア:LabSolutions v.5.57、カラム:COSMOSIL 2.5Cholester(2.5μm)径3.0×100mm(ナカライテスク株式会社製)、移動相:0.1%トリフルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル=50:50、流速:0.75ml/min、カラム温度40℃、検出:UV230nm
ヒドロキシオクタデカトリエン酸(二重結合がtrans位、cis位、cis位):化合物5
1H−NMR(CD3OD)δ:0.91(3H、t、J=7.5Hz)、1.32(8H、s)、1.51(2H、m)、1.60(2H、m)、2.08(2H、q、J=6.5Hz)、2.29(2H、t、J=7.5Hz)、2.93(2H、t、J=7.5Hz)、4.01(1H、m)、5.3−5.4(3H、m)、5.64(1H、dd、J=15、6.5Hz)、5.98(1H、t、J=11Hz)、6.53(1H、dd、J=15、11Hz).HR−ESI−TOF−MS:m/z293.2116[M−H]−(calcd.forC18H29O3、293.2122)、329.1884[M+Cl]−(calcd.for C18H30O3Cl、329.1889).
ヒドロキシオクタデカジエン酸(二重結合がcis位とtrans位):化合物1及び/又は化合物2
1H−NMR(CD3OD)δ:0.88(3H、t、J=6.5Hz)、1.30−1.53(16H、m)、1.59(2H、t、J=7.5Hz)、2.19(2H、dt、J=7.5、7.5Hz)、2.26(2H、t、J=7.5Hz)、4.07(1H、dt、J=6.5、6.5Hz)、5.41(1H、dt、J=11.3、7.5Hz)、5.61(1H、dd、J=15.3、7Hz)、5.97(1H、dd、J=11、11Hz)、6.49(1H、dd、J=15.5、11Hz).HR−ESI−TOF−MS:m/z295.2273[M−H]−(calcd.forC18H31O3、295.2279)、331.2041[M+Cl]−(calcd.for C18H32O3Cl、331.2045).
ヒドロキシオクタデカジエン酸(二重結合がすべてcis位):化合物3及び/又は化合物4
1H−NMR(CD3OD)δ:0.90(3H、t、J=7Hz)、1.28−1.52(16H、m)、1.59(2H、t、J=7Hz)、2.08(2H、dt、J=7、7Hz)、2.26(2H、t、J=7.5Hz)、4.01(1H、dt、J=6.5、6.5Hz)、5.51(1H、dd、J=15、7Hz)、5.68(1H、dt、J=14.5、7Hz)、6.02(1H、dd、J=15.5、10.5Hz)、6.14(1H、dd、J=15、10.5Hz).HR−ESI−TOF−MS:m/z295.2272[M−H]−(calcd.forC18H31O3、295.2279)、331.2039[M+Cl]−(calcd.for C18H32O3Cl、331.2045).
また、比較例として、前記緑茶用乾燥茶葉に対し、イオン交換水(pH7.0)を抽出溶媒とする中性抽出を行い、該中性抽出物に対し、前記アルカリ性抽出物と同じ手法で分画・精製を行い、該中性抽出物に含まれるCOX-2活性阻害成分を同定した(表5)。
成分 配合量
薄力粉 40.0
チョコレート 20.0
バター 13.0
グラニュー糖 13.0
ココアパウダー 8.0
緑茶用茶葉抽出物(実施例14の乾燥抽出物) 5.0
牛乳 残余
合計 100.0
成分 配合量
ほうじ茶エキス 0.1
ビタミンC 0.02
紅茶用茶葉抽出物(実施例18の乾燥抽出物) 0.2
香料 適量
精製水 残余
合計 100.0
成分 配合量
エタノール 8.0
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.7
安息香酸ナトリウム 0.1
ヒドロキシオクタデカジエン酸(実施例22) 0.01
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
香料 適量
精製水 残余
合計 100.0
成分 配合量
エタノール 15.0
グリセリン 3.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
緑茶用茶葉抽出物(実施例14の乾燥抽出物) 1.0
香料 適量
精製水 残余
合計 100.0
成分 配合量
カルボキシメチルセルロース 0.2
グリセリン 40.0
ウーロン茶用茶葉抽出物(実施例16の乾燥抽出物) 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
香料 適量
精製水 残余
合計 100.0
成分 配合量
第2リン酸カルシウム 30.0
グリセリン 10.0
ソルビトール 20.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 1.5
カラギーナン 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
サッカリンナトリウム 0.1
緑茶用茶葉の中性抽出残渣のアルカリ性抽出物(実施例13の乾燥抽出物) 4.0
香料 適量
安息香酸ナトリウム 適量
精製水 残余
合計 100.0
成分 配合量
エタノール 20.0
グリセリン 5.0
サッカリンナトリウム 0.2
クロルヘキシジン 0.005
ヒドロキシオクタデカトリエン酸(実施例23) 0.02
香料 適量
精製水 残余
合計 100.0
Claims (3)
- (10E,12Z,15Z)-9-ヒドロキシ-10,12,15-オクタデカトリエン酸を有効成分として含むシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤。
- 茶葉を、40−100℃に保温したpH12.5以上の水性溶媒中で抽出する工程を含む、茶葉からシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤を製造する方法。
- 前記茶葉が、pH12.0以下の水性溶媒で加熱抽出された茶葉である、請求項2に記載の方法。
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