JP6347152B2 - 整列装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、積層セラミックコンデンサなどの電子部品の製造工程において、セラミック積層体のような被整列部材(チップ)を整列させるために用いられる整列装置に関する。
代表的な積層セラミック電子部品の一つである積層セラミックコンデンサは、例えば、図8に正面断面図、図9に要部平面図を示すように、誘電体層であるセラミック層151を介して複数の内部電極152(152a,152b)が積層されたセラミック積層体(セラミック素体)160の互いに対向する端面153a,153bに、内部電極152(152a,152b)と導通するように外部電極155(155a,155b)が配設された構造を有している。
そして、このような構造を有する積層セラミックコンデンサにおいては、小型化および大容量化を実現するため、図9に示すように、セラミック積層体(セラミック素体)160を積層方向からみた場合における、セラミック積層体(セラミック素体)160の平面面積に対する内部電極152aと内部電極152bの重なり部分(ハッチングを付した領域)Rの平面面積の割合を大きくすることが求められている。
そして、そのために、図10に示すように、外部電極との接続のために内部電極が引き出された端面153a,153bのみではなく、側面にも内部電極152(152a,152b)が露出した構造を有する積層体170を形成するとともに、図11に示すように、内部電極152(152a,152b)が露出した側面154a,154bに厚みの薄いセラミックシート171を貼り付けることにより、サイドギャップGの寸法の小さいセラミック積層体(セラミック素体)160aを形成することができるようにした積層セラミックコンデンサの製造方法が知られている。
ところで、上述のようなこのようなセラミック積層体(セラミック素体)160aを形成するにあたって、例えば、マザー積層体の上面側から切断刃を進入させてカットすることにより、各積層体170に分割した後、図12に示すように、ホルダ126の貫通孔126aに、積層体170を90°回転させて挿入し、内部電極152(152a,152b)が露出した側面154a,154bが上下面となるような姿勢とした状態で、側面154a,154bにセラミックシート171を貼り付けるようにした方法が特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された方法の場合、内部電極152(152a,152b)が積層体170の側面154a,154bに露出した状態であり、内部電極152aと152bの間に介在するセラミックグリーンシートの厚みが、近年、例えば数μmにまで薄層化され、内部電極152aと152bの間隔(距離)が近接しているため、ホルダ126の貫通孔126aに、積層体170を、互いに対向する端面153a,153bを結ぶ線を回転軸として90°回転させて挿入する際に、積層体170どうしの接触や、積層体170とホルダ126の接触などにより、内部電極152aと内部電極152bとの間で短絡が生じるおそれがある。
したがって、このような積層体170をホルダ126の貫通孔126aに挿入するにあたっては、慎重に積層体170の挿入を行うことが必要になるため、思うように生産性の向上を図ることができないという問題点がある。
また、複数のホルダ126を準備し、大量の積層体170を振り込む方式も考えられるが、露出している内部電極152aと内部電極152bとが短絡するおそれがあり、製品の信頼性が不十分になるという問題点がある。
特開平06−349669号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、側面に内部電極が露出した構造を有する被整列部材を、その側面に露出している内部電極どうしが短絡することを防止しつつ、被整列部材を、上記側面に直交し、互いに対向する一対の端面を結ぶ線を回転軸として90°回転させた状態で効率よく整列させることが可能な整列装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の整列装置は、
整列すべき複数の被整列部材を保持する保持プレートであって、主面に前記被整列部材を保持した状態で、前記主面が水平の状態から垂直の状態になるように、姿勢を変えることができるように構成された保持プレートと、
前記主面が垂直になった前記保持プレートの、前記被整列部材が保持された前記主面と対向して、前記保持プレートの前記主面との間に、前記被整列部材が上方から下方に向かって通過する搬送路が形成されるように構成された対向プレートと、
前記保持プレートと前記対向プレートの間の前記搬送路に位置する前記被整列部材を上方から付勢して、前記搬送路を下方に通過させる押し出し部材と、
前記押し出し部材により押し出された前記被整列部材を受け取り、所定の位置に保持する保持力を備える整列シートと、前記整列シートを所定の方向に搬送する搬送手段とを備え、前記被整列部材を保持させた前記整列シートを、所定の方向に搬送することにより、順次押し出される前記被整列部材を前記整列シート上に整列させる整列機構と
を備え、
前記保持プレートおよび前記対向プレートは、前記被整列部材を保持する保持手段を有しているとともに、前記対向プレートが有する前記保持手段の方が、前記保持プレートが有する前記保持手段よりも、前記被整列部材を保持する力が大きく、前記搬送路に前記被整列部材を位置させた場合に、前記保持プレートの主面に保持されていた被整列部材が、前記対向プレートの主面に移行し、前記対向プレートの前記主面に摺動可能に保持されるように構成されていること
を特徴としている。
また、本発明の整列装置においては、前記被整列部材が磁性を有しており、かつ、前記被整列部材を保持する前記保持手段が、磁力により前記被整列部材を保持するように構成されていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、被整列部材を確実に保持しつつ、上記押し出し部材により被整列部材を、上方から下方に向かって通過させることが可能になり、本発明を実効あらしめることができる。
また、前記整列シートが備える前記保持力が、粘着力によって前記被整列部材を所定の位置に保持するものであることが好ましい。
整列シートとして、粘着力によって被整列部材を所定の位置に保持するものを用いることにより、コストのかかる整列シートを用いることなく、経済性に優れ、かつ、信頼性の高い整列装置を提供することが可能になる。
ただし、整列シートとしては、粘着力により被整列部材を保持するものに限らず、例えば、磁力により被整列部材を所定の位置に保持するものなど、他の構成のものを用いることも可能である。
また、前記被整列部材が前記整列シート上に載置されるまで、前記被整列部材が前記対向プレートの前記保持手段により保持されるように、前記対向プレートの前記保持手段の下端から前記整列シートの表面までの距離を、前記被整列部材の前記整列シートへの載置姿勢における高さ寸法よりも小さくなるように調整するクリアランス調整手段をさらに備えていることが好ましい。
上述のように、クリアランス調整手段を設け、対向プレートの保持手段の下端から整列シートの表面までの距離を、クリアランス調整手段により、被整列部材の整列シートへの載置姿勢における高さ寸法よりも小さくなるように調整することにより、被整列部材が整列シート上に載置されるまで、被整列部材を対向プレートの保持手段により保持した状態に保つことが可能になり、より確実に被整列部材を整列シート上に整列させることが可能になる。
また、前記被整列部材が、内部電極を備えたマザーブロックを、所定の位置で分割してなる複数の個片である場合に本発明を適用することにより、本発明を特に意義あらしめることができる。
すなわち、被整列部材が、内部電極を備えたセラミック誘電体からなるマザーブロックを分割してなる複数の個片である場合、保持プレート上で整列した状態のまま被整列部材を取り扱い、整列シート上に整列させることが可能になる。
また、本発明においては、前記被整列部材が、内部電極を備えたセラミック積層体であり、かつ、前記保持プレート上に保持されている状態においては、前記保持プレートの前記主面に対して垂直な面であって、前記整列シート上に整列させた状態においては、前記整列シートの主面に対して平行な面である上面が、前記内部電極が露出する面であり、セラミックシートを貼り付けるか、または、セラミックスラリーを塗布することにより封止されるべき面であるような部材であることが好ましい。
上記構成を備えることにより、貼り付けられたセラミックシートあるいはセラミックスラリーを塗布することにより形成されたセラミック層を、内部電極が露出したセラミック積層体の側面を封止する絶縁層、すなわち、サイドギャップとして機能させることが可能になる。
その結果、サイドギャップの寸法が小さい(厚みが薄い)積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になり、例えば積層セラミックコンデンサの場合には、小型大容量の積層セラミックコンデンサを実現することができる。
本発明の整列装置は、上述のように構成されていることから、保持プレート上に保持された複数の被整列部材を、整列状態を保ちつつ、保持プレートと対向プレートの間に形成される、被整列部材の搬送路に位置させることが可能になる。そして、上記搬送路に位置する被整列部材を、押し出し部材により上方から下方に向かって移動させ、整列シート上に押し出すことにより、水平な状態の保持プレート上に位置している場合から、被整列部材を90°回転させた状態(すなわち、水平な状態の保持プレート上に保持されている状態においては鉛直方向の面(保持プレートの表面に対して垂直な面)が、整列シート上に整列させた状態においては、整列シートの表面に対して平行な面となるように回転させた状態)で、整列シート上に整列させることが可能になる。
そのため、例えば、整列シートの表面に対して平行な面となる上面が、内部電極の露出面(セラミック積層体の側面)であって、セラミックシートを貼り付けるか、または、セラミックスラリーを塗布することにより封止されるべき面となるようにすることにより、セラミック積層体の側面に容易にセラミックシートを貼り付けたり、セラミックスラリーを塗布したりすることが可能になり、サイドギャップの寸法が小さく、小型大容量の積層セラミックコンデンサを効率よく製造することが可能になる。
本発明の一実施形態にかかる整列装置の構成を模式的に示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかる整列装置の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態にかかる整列装置の要部構成を示す側面図である。 (a),(b),(c),(d)は本発明の整列装置の動作を説明するための図である。 本発明の実施形態における整列の対象である被整列部材の構成を示す図である。 被整列部材(積層体)の側面にセラミックシートを貼り付けて、側面を封止した状態のセラミック積層体を示す斜視図である。 図6のセラミック積層体の両端面に外部電極を形成することにより作製した積層セラミックコンデンサを示す図である。 代表的な積層セラミック電子部品の一つである積層セラミックコンデンサの構成を示す正面断面図である。 積層セラミックコンデンサを構成する内部電極の配設態様を説明するための要部平面図である。 積層セラミックコンデンサを構成する、側面に内部電極が露出した積層体を示す斜視図である。 図7の積層体の側面にセラミックシートを貼り付けてなるセラミック積層体を示す断面図である。 積層体の側面にセラミックシートを貼り付けるために積層体をホルダに保持させた状態を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態にかかる整列装置の構成を模式的に示す正面図、図2は側面図である。
また、図3は本発明の一実施形態にかかる整列装置の要部構成を示す側面図である。
この実施形態では、積層セラミックコンデンサを製造する工程で、内部電極を備えたマザーブロックを所定の位置で分割することにより得られる複数の個片(積層体)を被整列部材として、この被整列部材を整列シート上に整列させるための整列装置を例にとって説明する。
なお、この実施形態における被整列部材1は、図5に示すように、外部電極5(5a,5b)(図7参照)との接続のために内部電極2(2a,2b)が引き出された端面3(3a,3b)のみではなく、側面4(4a,4b)にも内部電極2(2a,2b)が露出した構造を有する未焼成の積層体(セラミック積層体)であり、概略寸法が、幅(W)0.5mm、高さ(T)0.5mm、長さ(L)1.0mmのものである。
この実施形態にかかる整列装置は、図1〜3に示すように、被整列部材1を保持する保持プレート10と、保持プレート10の主面10aとの間に、被整列部材1が通過する搬送路30を形成する対向プレート20と、被整列部材1を、上述の搬送路30を上方から下方に通過させる押し出し部材40と、押し出された被整列部材1を整列させるための整列機構50とを備えている。
保持プレート10は、主面10aに被整列部材1を保持することができるように構成されており、図3に示すように、保持プレート用ベース部材16と、保持プレート用ベース部材16上に配設された、磁力により被整列部材1を保持する保持プレート用保持手段15と、保持プレート用保持手段15の表面に緩衝材として配設されたウレタンゴムシート17を備えている。
なお、この実施形態では、保持プレート用保持手段15として、例えばネオジウムなどの磁性材料を含有させたシート状のラバー磁石が用いられている。
ただし、保持プレート用保持手段15としては電磁石を被整列部材1の全体に磁力が及ぶように保持プレート10に埋め込んで用いることも可能である。
また、真空吸引力を利用して被整列部材1を保持するような構成とすることも可能である。
さらに、粘着力を利用して被整列部材1を保持するような構成とすることも可能である。
そして、この保持プレート10は、主面10aに被整列部材1を保持させた状態で、主面10aが水平の状態から垂直の状態になるように姿勢を変えることができるように構成されている。すなわち、この実施形態では、保持プレート10を構成する保持プレート用ベース部材16を回転駆動機構13により回転させることにより、主面10aが水平の状態から垂直の状態になるように姿勢を変えることができるように構成されている。
なお、保持プレート10の姿勢を主面10aが水平または垂直になるように姿勢を変化させる(回転させる)ための回転駆動機構13の構成に特別の制約はなく、公知の種々の方法を適用することができる。
また、対向プレート20は、垂直になった保持プレート10の主面10a(被整列部材1が保持されている面)と対向して、保持プレート10の主面10aとの間に、被整列部材1が上方から下方に向かって通過する搬送路30を形成するように構成されている。すなわち、保持プレート10の主面10aと対向プレート20の主面20aの間に形成される空間が搬送路30となる。
また、対向プレート20は、駆動手段21により、保持プレート10の主面10aと対向プレート20の主面20aの間に形成される搬送路30の奥行きD(図2,3参照)を調整することができるように構成されている。
駆動手段21としては この実施形態では、エアシリンダが用いられている。ただし、本発明の整列装置においては、他の駆動手段を用いることも可能である。
また、対向プレート20は、図3に示すように、対向プレート用ベース部材26と、対向プレート用ベース部材26上に配設され、磁力により被整列部材1を保持する対向プレート用保持手段25とを備えている。
対向プレート用保持手段25としては、磁性材料を含有させたシート状のラバー磁石が用いられている。
また、対向プレート用保持手段(ラバー磁石)25の表面には、被整列部材1に及ぶ磁力を調整するための磁力調整板27が配設されている。この磁力調整板27の厚みにより、被整列部材1に及ぶ磁力が調節される。
なお、この実施形態では、磁力調整板27として、樹脂からなるシートが配設されている。
そして、対向プレート用保持手段(ラバー磁石)25としては、保持プレート用保持手段(ラバー磁石)15よりも、被整列部材1に及ぶ磁力が強いものが用いられている。
その結果、保持プレート10をその主面10aが垂直になるように姿勢を変化させたときに、保持プレート用保持手段(ラバー磁石)15により保持プレート10の主面10a上に保持されていた被整列部材1が、磁力の強い対向プレート用保持手段(ラバー磁石)25を備えた対向プレート20の主面20aに移行することになる。
なお、対向プレート用保持手段25としては電磁石を被整列部材1の全体に磁力が及ぶように対向プレート20に埋め込んで用いることも可能である。
また、真空吸引力を利用して被整列部材1を保持するような構成とすることも可能である。
なお、この実施形態の整列装置においては、被整列部材1が対向プレート20の主面20a上を摺動しながら円滑に搬送されることが必要であるため、対向プレート用保持手段として、粘着力により被整列部材1を保持するような構成のものを用いることはあまり望ましくない。
また、押し出し部材40は、保持プレート10と対向プレート10の間の搬送路30に位置する複数の被整列部材1を上方から付勢して、搬送路30を上方から下方に向かって被整列部材1を順次通過させる機能を果たす板状の部材である。
この実施形態の整列装置において、押し出し部材40は、被整列部材送り機構41を備えており、マザーブロックMが分割されてなる被整列部材1の、整列シート51への載置姿勢における高さ方向の寸法L2(図3)を1ピッチとすると、被整列部材1を1ピッチずつ、下方(鉛直方向)に送り出すことができるように構成されている。
また、上記整列機構50は、押し出し部材40により搬送路30から下方に押し出された被整列部材1を受け取り、所定の位置に保持する保持力を備える整列シート51と、整列シート51を上面に保持する整列ステージ52と、整列ステージ52を所定の方向(図2の矢印Aの方向)に搬送することにより、整列ステージ52とともに整列シート51を所定の方向に搬送する搬送手段60(図2)とを備えている。そして、被整列部材1を保持させた整列シート51を、所定の方向(図2,図4(d)の矢印Aの方向)に搬送することにより、順次押し出される被整列部材1を整列シート51上に整列させることができるように構成されている。
この実施形態では、整列シート51として、粘着力により被整列部材1を保持するシート状材料が用いられている。ただし、整列シート51として、磁力により被整列部材1を保持するタイプのものや、真空吸引力により被整列部材1を保持するタイプのものを用いることも可能である。
なお、粘着力により被整列部材1を保持する整列シート51としては、例えば、熱により粘着力を消失する発泡剥離シートや、熱により粘着力を発現する冷間剥離シートなどを用いることが可能である。
整列ステージ52は、整列シート51が粘着力により被整列部材1を保持するものである場合、粘着力を発現もしくは消失させるための温度調整手段(例えばヒータなど)を備えることが望ましい。また、整列シート51を真空吸引により整列ステージ52上に保持する場合には、吸引機構を備えていることが必要になる。
また、整列シート51として、磁力により被整列部材1を保持するものを用いる場合、磁力の発生をコントロールすることが可能な電磁石を用いることが望ましい。
なお、この実施形態の整列装置において用いられている整列ステージ52は、整列シート51が載置、保持される上面が平坦なステージで、ヒータと吸引機構を備えている。そして、ヒータにより加熱された整列ステージ52の上面に整列シート51がセットされた後、吸引することにより、整列シート51が整列ステージ52上に固定されるように構成されている。
さらに、この実施形態の整列装置は、対向プレート20を上下方向に移動させて、対向プレート20の下端20a(詳しくは、対向プレート用保持手段(ラバー磁石)25の下端25a)と、整列シート51との間の距離(クリアランス)L1(図3)を調整するためのクリアランス調整手段28(図2)をさらに備えている。
このクリアランス調整手段28は、対向プレート用保持手段25の高さ方向の位置を調整することにより、被整列部材1を、順次整列シート51上に整列させる際に、被整列部材1が整列シート51上に載置される時点まで、被整列部材1を対向プレート用保持手段25により確実に保持できるようにする機能を果たすものである。
なお、この実施形態では、クリアランス調整手段28の駆動手段としてはエアシリンダが用いられている。ただし、クリアランス調整手段28の駆動手段はこれに限らず、例えば、モータなどを用いた直動機構などを用いることも可能である。
クリアランス調整手段28により、対向プレートの高さ方向の位置を調整する場合、被整列部材の姿勢を安定させるために対向プレート用保持手段25の下端25aから整列シート51までの距離L1(図3)を、上述のように、被整列部材1の整列シート51への載置姿勢における高さ方向の寸法L2(図3)より小さくすることが望ましい。また、保持プレート10の下端10bから整列シート51までの距離L3(図3)は、保持プレート10および保持プレート用保持手段15の磁力が、被整列部材1の整列シート51への受け渡しの際に、被整列部材1の動作に悪影響を与えないようにする見地から、被整列部材1の整列シート51への載置姿勢における高さ方向の寸法L2より、大きいほうが好ましい。
また、この整列装置は、被整列部材1を対向プレート20の主面20a側に移行させた後、図1に示すように、対向プレート20の両サイド側からマトリックス状の複数の被整列部材1の端部を揃えるための揃えガイド31a,31b、および揃えガイド31a,31bを駆動させるための揃えガイド駆動手段32a,32bを備えている。
さらに、この整列装置は、整列ステージ52上に配設された整列シート51の上方に、整列シート51と対向するように配置され 整列シート51上に整列させた被整列部材1を所定の位置で上方から整列シート51に押圧することにより、確実に被整列部材1を整列シート51に粘着保持させるための押圧手段53を備えている。
次に、この整列装置を用いて被整列部材の整列を行う際の動作について説明する。
(1)マザーブロックMを個片に分割してなる複数の被整列部材1を、保持プレート10の主面10a上に、整列した状態で保持させる。
(2)それから、保持プレート10を、その主面10aが水平の状態から垂直の状態になるように90度回転させ、保持プレート10の主面10a上の被整列部材1と、対向プレート20(の主面20a)とを対向させる。
(3)次に、対向プレート20と、被整列部材1とを相対的に近接もしくは密着させる。この実施形態では、対向プレート20を保持プレート10に保持された被整列部材1に近接させる。
このとき、磁力の弱い保持プレート用保持手段(ラバー磁石)15により保持プレート10の主面10a上に保持されていた被整列部材1が、磁力の強い対向プレート用保持手段(ラバー磁石)25を備えた対向プレート20の主面20a側に移行する。
(4)次に、クリアランス調整手段28(図2)により、対向プレート20を下方に移動させ、図4(a)に示すように、対向プレート20の対向プレート用保持手段25の下端部(この実施形態では対向プレート20の下端部と同じ)25aと整列シート51までの距離(クリアランス)L1が、被整列部材1の整列シート51への載置姿勢における高さ方向の寸法L2よりも小さくなる所定の位置に、対向プレート20を位置させる。
このとき、複数の被整列部材1のうち、下端に位置する被整列部材1の下側端部が対向プレート20の下端部と同じ位置になるように、押し出し部材40により押し下げられている。
(5)それから、図4(b)に示すように、押し出し部材40により上方から被整列部材1を押し下げ、被整列部材1の下面を粘着性を有する整列シート51に当接させて、粘着保持させる。このとき、被整列部材1が、その上部が対向プレート20を構成する対向プレート用保持手段25の磁力によって保持された状態で、整列シート51に受け渡されるため、被整列部材1の整列シート51上への移行が確実に行われる。
(6)次に、図4(c)に示すように、クリアランス調整手段28(図2)により対向プレート20を上昇(退避)させ、整列シート51上に粘着保持された被整列部材1と、他の被整列部材1とを分離させる。
(7)それから、図4(d)に示すように、整列ステージ52を所定の方向(ここでは、図4(d)の矢印Aの方向)に搬送することにより、整列シート51上に粘着保持された被整列部材1を矢印Aの方向に搬送する。そして、所定の位置で、押圧手段53により被整列部材1を整列シート51に押し付けることにより、被整列部材1がより確実に整列シート51に粘着保持された状態で搬送される。
その後、上記(4)〜(7)の工程を繰り返すことにより、被整列部材1が順次整列シート51上に整列される。
その結果、主面10aが水平な状態の保持プレート10上に被整列部材1が保持されているときには保持プレート10の表面に対して垂直な面(鉛直な面)を、整列シート51上に整列させた状態においては、整列シートの表面に対して平行な面となるような姿勢(90°回転させた状態)で、整列シート51上に確実に整列させることが可能になる。
したがって、例えば、整列シート51上に整列させたときに、被整列部材(=図5の積層体)1の、整列シート51の表面に対して平行な面(ここでは上面という)が、内部電極2(2a)が露出した被整列部材1の側面4(4a)(図5参照)であって、セラミックシートを貼り付けるか、または、セラミックスラリーを塗布することにより封止されるべき面である場合には、その上面(側面4(4a)に、上方からセラミックシートを貼り付け、あるいは、セラミックスラリーを塗布することにより、サイドギャップの寸法Gが小さいセラミック積層体1aを効率よく形成することができる。
なお、図6は、被整列部材(積層体)1の上記側面4(4a,4b)にセラミックシートSを貼り付けて、側面4(4a,4b)を封止した状態のセラミック積層体1aを示す斜視図である。
そして、このセラミック積層体1aの両端面端面3(3a,3b)に外部電極5(5a,5b)を形成することにより、図7に示すような、サイドギャップの寸法Gが小さく、小型大容量の積層セラミックコンデンサを得ることができる。
なお、上記実施形態では、内部電極を備えたマザーブロックを所定の位置でカットして、個々の個片に分割した場合の各個片を被整列部材とした場合について説明したが、本発明は、例えば、マザーブロックを複数個の個片(素子)を含む、短冊片(半個片)にカットした部材を被整列部材とする場合にも適用することが可能である。
また、上記実施形態では、被整列部材が、積層セラミックコンデンサの製造工程で形成される、未焼成の積層体(セラミック積層体)である場合を例にとって説明したが、本発明は、被整列部材の種類に特別の制約はなく、チップインダクタや、チップ抵抗など他の電子部品の製造工程で形成されるチップ状の部材をはじめ、種々の部材を被整列部材として整列させる場合に広く適用することが可能である。
また、上記実施形態では、被整列部材が未焼成のセラミック積層体である場合を例にとって説明したが、被整列部材は焼成済みのものであってもよい。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、被整列部材の具体的な構造や寸法、構成材料などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 被整列部材
2(2a,2b) 内部電極
3(3a,3b) 端面
4(4a,4b) 側面
10 保持プレート
10a 保持プレートの主面
10b 保持プレートの下端
13 回転駆動機構
15 保持プレート用保持手段(ラバー磁石)
16 保持プレート用ベース部材
17 緩衝材(ウレタンゴムシート)
20 対向プレート
20a 対向プレートの主面
21 駆動手段
25 対向プレート用保持手段
25a 対向プレート用保持手段の下端
26 対向プレート用ベース部材
27 磁力調整板
28 クリアランス調整手段
30 被整列部材の搬送路
31a,31b 揃えガイド
32a,32b 揃えガイド駆動手段
40 押し出し部材
41 被整列部材送り機構
50 整列機構
51 整列シート
52 整列ステージ
53 押圧手段
60 搬送手段
D 搬送路の奥行き
L1 対向プレート用保持手段の下端から整列シートまでの間の距離
L2 被整列部材の整列シートへの載置姿勢における高さ方向寸法
L3 保持プレートの下端位置と整列シートの間の距離
M マザーブロック
S セラミックシート

Claims (6)

  1. 整列すべき複数の被整列部材を保持する保持プレートであって、主面に前記被整列部材を保持した状態で、前記主面が水平の状態から垂直の状態になるように、姿勢を変えることができるように構成された保持プレートと、
    前記主面が垂直になった前記保持プレートの、前記被整列部材が保持された前記主面と対向して、前記保持プレートの前記主面との間に、前記被整列部材が上方から下方に向かって通過する搬送路が形成されるように構成された対向プレートと、
    前記保持プレートと前記対向プレートの間の前記搬送路に位置する前記被整列部材を上方から付勢して、前記搬送路を下方に通過させる押し出し部材と、
    前記押し出し部材により押し出された前記被整列部材を受け取り、所定の位置に保持する保持力を備える整列シートと、前記整列シートを所定の方向に搬送する搬送手段とを備え、前記被整列部材を保持させた前記整列シートを、所定の方向に搬送することにより、順次押し出される前記被整列部材を前記整列シート上に整列させる整列機構と
    を備え、
    前記保持プレートおよび前記対向プレートは、前記被整列部材を保持する保持手段を有しているとともに、前記対向プレートが有する前記保持手段の方が、前記保持プレートが有する前記保持手段よりも、前記被整列部材を保持する力が大きく、前記搬送路に前記被整列部材を位置させた場合に、前記保持プレートの主面に保持されていた被整列部材が、前記対向プレートの主面に移行し、前記対向プレートの前記主面に摺動可能に保持されるように構成されていること
    を特徴とする整列装置。
  2. 前記被整列部材が磁性を有しており、かつ、前記被整列部材を保持する前記保持手段が、磁力により前記被整列部材を保持するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の整列装置。
  3. 前記整列シートが備える前記保持力が、粘着力によって前記被整列部材を所定の位置に保持するものであることを特徴とする請求項1または2記載の整列装置。
  4. 前記被整列部材が前記整列シート上に載置されるまで、前記被整列部材が前記対向プレートの前記保持手段により保持されるように、前記対向プレートの前記保持手段の下端から前記整列シートの表面までの距離を、前記被整列部材の前記整列シートへの載置姿勢における高さ寸法よりも小さくなるように調整するクリアランス調整手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の整列装置。
  5. 前記被整列部材が、内部電極を備えたマザーブロックを、所定の位置で分割してなる複数の個片であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の整列装置。
  6. 前記被整列部材が、内部電極を備えたセラミック積層体であり、かつ、前記保持プレート上に保持されている状態においては、前記保持プレートの前記主面に対して垂直な面であって、前記整列シート上に整列させた状態においては、前記整列シートの主面に対して平行な面である上面が、前記内部電極が露出する面であり、セラミックシートを貼り付けるか、または、セラミックスラリーを塗布することにより封止されるべき面である部材であることを特徴とする請求項5記載の整列装置。
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