JP6102270B2 - カット装置 - Google Patents

カット装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6102270B2
JP6102270B2 JP2013006506A JP2013006506A JP6102270B2 JP 6102270 B2 JP6102270 B2 JP 6102270B2 JP 2013006506 A JP2013006506 A JP 2013006506A JP 2013006506 A JP2013006506 A JP 2013006506A JP 6102270 B2 JP6102270 B2 JP 6102270B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cut
base
axis direction
axis
cutting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013006506A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014138115A (ja
Inventor
佳世 道上
佳世 道上
清和 直井
清和 直井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2013006506A priority Critical patent/JP6102270B2/ja
Publication of JP2014138115A publication Critical patent/JP2014138115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6102270B2 publication Critical patent/JP6102270B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Description

本発明は、例えば、積層セラミックコンデンサ、多層セラミック基板、積層インダクタなどの積層セラミック電子部品の製造工程で、積層体(マザー積層体)を、個々の積層体チップに分割する際に用いられるカット装置に関する。
積層セラミックコンデンサ、多層セラミック基板、積層インダクタなどの積層セラミック電子部品は、未焼成の積層体(マザー積層体)を個々の積層体チップに分割する工程を経て製造される。
そして、特許文献1には、以下に説明するような積層セラミックコンデンサの製造方法が開示されている。
すなわち、特許文献1には、下記の工程を経て積層セラミックコンデンサを製造する方法が開示されている。
(1)セラミック成分と有機バインダ成分を含むセラミック生シートを準備する。
(2)セラミック生シートに帯状パターンの内部導体を形成する。
(3)内部導体がセラミック生シートを挟んで対向するようにセラミック生シートを複数積層して未焼成の積層体を得る。
(4)積層体を分割(切断)し、第1の内部導体が第1の端面と第1および第2の側面とに露出し、第2の内部導体が第2の端面と第1および第2の側面とに露出する積層体チップ(個々のセラミックコンデンサ素子)を得る。
(5)積層体チップの第1の内部導体と第2の内部導体がともに露出した第1および第2の側面に、セラミック粒子を含むセラミックペーストを塗布し、乾燥させる。
(6)積層体チップを焼成し、焼成体チップを得る。
(7)焼成体チップの第1の端面に第1の内部導体と接続する第1の外部電極を形成し、第2の端面に第2の内部導体と接続する第2の外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得る。
そして、上記(1)〜(7)の工程のうち、(4)の工程で積層体を切断して、個々の積層体チップに分割(切断)するのに用いられる方法として、特許文献2に開示されているような方法が知られている。
すなわち、特許文献2には、熱が加えられることでシート積層体との接着力が低下する熱剥離シートからなる支持体が、下面に接着された構造を有するシート積層体(切断対象物)を、位置決めテーブル上に載置し、制御部の指示によりカット刃(ナイフ)を上下動させて、シート積層体を切断する方法が開示されている。
なお、特許文献2におけるシート積層体は、例えば、内部導体などが形成された複数のグリーンシートを積層した後、加圧して、各グリーンシートを圧着させることにより形成されるシート状の構造体である。
そして、この特許文献2の方法では、シート積層体を切断する際に、カット刃(ナイフ)を、シート積層体を経て、その下面側に接着された支持体に食い込む程度まで下降させ、シート積層体を確実に切断(押切)する一方、シート積層体の下面側に接着された支持体を切断してしまわないようにすることで、分割された各チップのそれぞれを、粘着性を有する支持体(粘着シート)上に集合状態のまま粘着保持して、その後の工程において良好な取り扱い性を確保することができるようにしている。
しかしながら、この特許文献2のシート積層体の切断方法には、次のような問題点がある。
(1)シート積層体を構成するグリーンシートと内部導体との間の密着性が弱いことから、カット刃(ナイフ)を上下動させてシート積層体を押し切りカットする際の応力によって層間剥離が生じ、層間剥離が生じた積層電子部品は、剥離箇所から水分が侵入することによるショートなどの不良が生じやすい。
(2)内部導体が露出する切断面では、シート積層体を押し切りカットする際に内部導体が延びて、セラミック層を介して積層方向に隣り合う、互いに極性の異なる、短絡すべきでない内部導体どうしが接続してしまう場合があり、このようなチップを焼成して得られる積層電子部品にはショート不良が生じるおそれがある。
なお、積層体を切断することにより切断面に同じ極性の複数の内部導体が露出するような場合に、上記(1)の層間剥離およびそれに由来する不具合が問題になる。
また、例えば、特許文献1の図4に示されているように、積層体を切断することによって、一つの側面に、異なる端面に引き出される極性の異なる内部導体が露出するような場合には、上記(2)の極性の異なる、短絡させてはならない内部導体どうしの接続やそれに由来する不具合が問題となる。
特開2011−3846号公報 特開2006−278546号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、積層体をカット刃を用いてカット(切断)する場合に、層間剥離による絶縁抵抗の低下などの特性不良や、内部導体が延びて、セラミック層を介して積層方向に隣り合う、互いに極性の異なる、短絡すべきでない内部導体どうしが接続してしまうことによるショート不良などの発生を抑制することが可能なカット装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のカット装置は、
セラミック層と内部導体とが交互に積層された領域を備え、個々の積層体チップに分割されるべきマザー積層体を被カット物とし、この被カット物をカットするためのカット装置であって、
前記被カット物を押し切りカットするためのカット刃と、
前記被カット物を載置するテーブルと、
前記カット刃を保持、固定する第1のベースと、
前記第1のベースに備えられ、前記第1のベース上でスライドする第2のベースと、
前記第1のベースを第1の方向に動作させる第1の駆動手段と、
前記第2のベースを第2の方向に動作させる第2の駆動手段と、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段が設置された本体ベースと
を備え、
前記テーブルの前記被カット物が載置される主面に平行なX軸方向と、前記テーブルの前記被カット物が載置される主面に直交するZ軸方向のうち、一方が前記第1の方向で、他方が前記第2の方向であり、
前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段は前記本体ベースに固定され、
前記第1の駆動手段は、前記第1のベースの一部を、前記第1の方向において両側から挟持する挟持機構を備えており、前記第1のベースが、前記挟持機構との関係においては、前記第2の方向にのみ移動することができるように構成されていること
を特徴としている。
また、本発明のカット装置においては、前記挟持機構は、ローラにより前記第1のベースの一部を、前記第1の方向において両側から挟持するように構成されていることが好ましい。
ローラにより、第1のベースの一部を第1の方向において両側から挟持するようにした場合、第1のベースの第2の方向への動作をより円滑なものとすることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
また、本発明のカット装置においては、
前記テーブルを、前記X軸方向および前記Z軸方向に垂直なY軸方向へ移動させる第3の駆動手段をさらに備え、
前記Z軸方向のうちの前記テーブルに載置された前記被カット物に向かう方向を+Z軸方向、その反対方向を−Z軸方向とし、
前記X軸方向のうちの一方の方向を+X軸方向、その反対方向を−X軸方向とした場合に、
+Z軸方向に前記カット刃を動作させるとともに、+X軸方向に前記カット刃を動作させて、前記被カット物を引き切り、
前記カット刃を−Z軸方向に動作させることにより、前記被カット物から前記カット刃を引き抜き、
Y軸方向へ前記テーブルを移動させ、
+Z軸方向に前記カット刃を動作させるとともに、−X軸方向に前記カット刃を動作させて、前記被カット物を引き切ること
ができるように構成されていることが好ましい。
上記構成を備えることにより、被カット物を多数個のチップに分割するような場合に、効率よく被カット物をカットして、個々のチップに分割することが可能になり、特に有意義である。
本発明のカット装置は、上述のような構成を備えているので、カット刃を第1および第2の方向に同時に移動させる(カット刃を被カット物が載置されるテーブルの主面に対して斜め方向に移動させる)ことが可能になり、被カット物を引き切りすることができるようになる。
そして、その結果として、例えば、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品を製造する場合に、
(1)被カット物であるマザー積層体をカットする際の応力により層間剥離が発生することを防止して、特性不良(例えば、侵入した水分を介して外部電極間が導通することによる絶縁抵抗低下)の発生を抑制することが可能になるとともに、
(2)内部導体が引き延ばされにくくなり、被カット物をカットする際に、内部導体が延びて、セラミック層を介して積層方向に隣り合う、互いに極性の異なる、短絡すべきでない内部導体どうしが接続してしまい、分割された積層体チップを焼成して得られる積層セラミック電子部品にショート不良が生じるというような問題の発生を抑制することが可能になる
というような効果を得ることができる。
また、本発明のカット装置においては、前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段は前記本体ベースに固定され、前記第1の駆動手段は、前記第1のベースの一部を、前記第1の方向において両側から挟持する挟持機構を備えており、前記第1のベースが、前記挟持機構との関係においては、前記第2の方向にのみ移動することができるように構成されているので、カット刃が配設された上記第1のベースが、第1の駆動手段によって第1の方向に動作(移動)し、第2の駆動手段によって、第2の方向に動作(移動)する結果、カット刃を斜め下方に移動させて、いわゆる引き切りによる積層体のカットを確実に行うことが可能になり、積層体を効率よく、所定の位置で確実にカットして、個々の積層体チップに分割することが可能になる。
すなわち、第1のベースは、第1の駆動手段との関係では、第1の方向にのみ動作するが、その一方で、第1の駆動手段と第1のベースの係合部(接触部)には挟持機構が設けられていることから、第2の方向にも動作(移動)することができる。そして、第2の駆動手段により第2のベースが第2の方向に動作(移動)することにより、第1のベースも、第2のベースの第2の方向への動作に伴って、第2の方向に動作(移動)する。その結果、第1のベースおよびそれに保持させたカット刃を斜めに移動させることが可能になる。
本発明の一実施形態にかかるカット装置の要部構成を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかるカット装置の要部構成を示す側面図である。 本発明の実施形態の一工程で用意した、内部導体(内部導体パターン)を配設したセラミックグリーンシートを示す図である。 図2のセラミックグリーンシートを積層して、被カット物である積層体を形成する際のセラミックグリーンシートの積層態様を説明する図である。 本発明の実施形態の一工程で作製した積層体の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態にかかるカット装置を用いて被カット物をカットする方法を説明する図であって、テーブル上に被カット物を載置した状態を示す図である。 (a),(b)本発明の実施形態にかかるカット装置を用いて被カット物をカットする方法を説明する図であって、テーブル上に載置された被カット物をカットしている状態を示す図である。 本発明の実施形態にかかるカット装置を用いて被カット物をカットする方法を説明する図であって、被カット物をカットした後、カット刃を被カット物から引き抜いた状態を示す図である。 (a),(b)本発明の実施形態にかかるカット装置を用いて被カット物をカットする方法を説明する図であって、カット装置とテーブル上に載置された被カット物との位置関係を所定量だけずらして、所定の位置で被カット物をカットしている状態を示す図である。 本発明の実施形態にかかるカット装置を用いて被カット物をカットする方法を説明する図であって、被カット物をカットした後、カット刃を被カット物から引き抜いた状態を示す図である。 本発明の実施形態において積層体を切断分割して得た積層体チップの構成を示す斜視図である。 図10の積層体チップの、内部導体が露出した側面にセラミックペーストを塗布して、露出した内部導体を被覆した状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態において作製した積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[1]カット装置の構成
この実施形態では、積層セラミック電子部品を製造する工程で形成される、セラミック層と内部導体とが交互に積層された領域を備え、個々の積層体チップに分割されるべきマザー積層体(被カット物)をカットするために用いられるカット装置を例にとって説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかるカット装置の構成を示す図である。
ここでは、装置の構成を説明する前に、本発明で用いているZ軸、X軸、およびY軸(座標)について説明する。
(a)Z軸:被カット物が載置されているテーブルの主面に直交する方向(刃先が向いている方向)である。なお、図1においては、上側をプラス(+)方向、下側をマイナス(−)方向とする。
(b)X軸:被カット物が載置されているテーブルの主面に平行な方向(刃先に沿う方向)である。なお、図1において、右側をプラス(+)方向、左側をマイナス(−)方向とする。
(c)Y軸:上述のX軸およびZ軸に垂直な方向である。
次に、本発明に実施形態にかかるカット装置の構成について、図1A、図1Bを参照しつつ説明する。この実施形態にかかるカット装置は、図1A、図1Bに示すように、
(a)本体ベース11と、
(b)本体ベース11に備えられ、図示しない吸着機構により被カット物(以下に説明するマザー積層体)3を保持するテーブル(ステージ)12と、
(c)本体ベース11に固定され、Z軸方向(本発明における第2の方向)に伸びる、Z軸直線運動用のガイド13Zと、
ガイド13Zに沿ってZ軸方向に直線運動するZ軸ベース(本発明における第2のベース)14Zと
を備えてなるZ軸可動機構15Zと、
(d)Z軸ベース14Zに固定され、X軸方向(本発明における第1の方向)に伸びる、X軸直線運動用のガイド23Xと、
ガイド23Xに沿ってX軸方向に直線運動するX軸ベース24X(本発明における第1のベース)(このX軸ベース24XはZ軸ベース14に連動してZ軸方向にも動作する)と
を備えてなるX軸可動機構25Xと、
(e)本体ベース11に備えられ、Z軸ベース14ZをZ軸方向に動作させるZ軸駆動手段(第2の駆動手段)(この実施形態では、偏心カム)30Zと、
(f)本体ベース11に備えられ、X軸ベース24XをX軸方向に動作させるX軸駆動手段(第1の駆動手段)(この実施形態では、サーボモータ26およびボールねじ27から構成されている)30Xと、
(g)上述のX軸ベース24Xに、チャック機構(図示せず)を介して固定された、長方形の薄板状の部材であって、長辺の一つに刃が形成されたカット刃20と
を備えている。
そして、カット刃20が保持されるX軸ベース24Xが、上述のように、X軸駆動手段(第1の駆動手段)によりX軸方向に動作するとともに、Z軸ベース14に連動してZ軸方向にも動作することから、カット刃20が斜め方向に動作するように構成されており、斜め方向に動作するカット刃20により、被カット物3を引き切りカットすることができるように構成されている。
また、上記X軸駆動手段(第1の駆動手段)30XのX軸ベース24Xとの係合部(接触部)は、X軸方向(第1の方向)において、X軸ベース24Xの一部(L字状連結板)24Xaを両側から挟持する挟持機構29を備えており、X軸ベース24Xに対してX軸方向の駆動力を伝えるが、X軸ベース24Xは、X軸駆動手段(第1の駆動手段)30XによるX軸方向への動作とは独立して、Z軸駆動手段(第2の駆動手段)(この実施形態では、偏心カム)30ZによるZ軸ベース14のZ軸方向(第2の方向)への動作に連動してZ軸方向にも動作するように構成されている。
具体的には、L字状連結板24XaがX軸ガイド23Xから伸び、このL字状連結板24Xaが、X軸方向とZ軸方向とにより規定されるXZ面に垂直な軸心回りに回転する一対のローラ29a,29bを備えた挟持機構29により挟持されるように構成されている。これにより、X軸ベース24Xは、挟持機構29との関係においては、Z軸方向(第2の方向)にのみ移動することができるように構成されている。
なお、上述の挟持機構29は、X軸ベース24Xの一部(L字状連結板24Xa)をローラ29a,29bにより挟持する構成のものに限らず、例えば、Z軸方向に伸びる一対の板により挟持する構成とすることも可能である。
上述のように構成されたカット装置においては、X軸駆動手段(第1の駆動手段)(サーボモータ+ボールねじ)30X、Z軸駆動手段(第2の駆動手段)(偏心カム)30Zは、それぞれ、本体ベース11に配設されており、それぞれの駆動力を、独立してX軸ベース(第1のベース)24XおよびZ軸ベース(第2のベース)14Zに伝えることができるように構成されている。
この実施形態のカット装置は上述のように構成されていることから、各駆動手段などがもたらす細かな振動が、各直線運動部で吸収されるため、振動に強く、安定したカットを行うことができる。したがって、小型の積層セラミック電子部品を製造するにあたって、マザー積層体を微細な個々の積層体チップに分割することが必要な場合に、特に有意義である。
[2]上記カット装置を用いた被カット物のカット方法
次に、このカット装置を用いて、以下に示すような被カット物(マザー積層体を被カット物として、カットする方法について説明する。
この実施形態では、上述のカット装置を用いてカットすべき被カット物として、以下の方法で作製した、帯状のパターンを有する複数の内部導体が、長辺どうしが互いに隣り合うように配設されたセラミックグリーンシートを積層してなるマザー積層体を用意した。
<1>被カット物(未焼成のマザー積層体)の作製
(1)マザー積層体を作製するにあたっては、まず、図2に示すように、セラミックグリーンシート1上に、スクリーン印刷法により所定のパターンで導電性ペーストを印刷し、複数の帯状の内部導体(内部導体パターン)2を形成する。
(2)それから、図3に示すように、第1のカットラインC1でみて1ピッチずつ交互にずらしながら、内部導体(内部導体パターン)2が印刷されたセラミックグリーンシート1を所定枚数積層する。すなわち、帯状内部導体パターン1が印刷されたセラミックグリーンシート1を、内部導体の引出し方向に対応する方向に、積層体チップ(個々の素子)の一個分に相当する距離だけ、交互に逆側にずらして積層する。
(3)さらに、上下に内部導体パターンが印刷されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層することにより、図4に示すような構造を有する、未焼成のマザー積層体(被カット物)3を作製した。なお、この実施形態における、被カット物は、平面形状が方形で、分割されるべき複数の積層体チップ10を含む未焼成のマザー積層体3である。
<2>マザー積層体(被カット物)のカット
(1)図5に示すように、マザー積層体(被カット物)3をテーブル(ステージ)12上に載置し、吸引することにより、マザー積層体3をテーブル(ステージ)12上に吸着、固定する。
(2)それから、以下に説明する方法により、マザー積層体3をカットして、個々の積層体チップに分割する。
(A)カットラインC2に沿ってのカット
(A−1)カットラインC2に沿ってマザー積層体3をカットする場合(帯状の内部導体の幅方向に沿ってカットする場合)、図6(a),(b)に示すように、カット刃20を、マザー積層体3に向かって+Z軸方向(テーブル12の主面に直交する方向)に移動させる(カット刃20を下降させる)とともに、カット刃20を+X軸方向(テーブル12の主面に沿う方向であって、図6における右側)に移動させることにより、カット刃20を斜め下方(図6における右下方向)に移動させ、マザー積層体3を引き切りする。
(A−2)次に、図7に示すように、X軸方向についてはカット刃20を固定しておき、Z軸方向にカット刃20を引き上げる(−Z軸方向にカット刃20を動作させる)ことにより、カット刃20を真上に移動させて、マザー積層体3から引き上げる。
(A−3)それから、テーブル12を、Y軸方向に1ピッチずらして、次のカット位置でのカットに備える。
(A−4)次に、図8(a),(b)に示すように、カット刃20を、マザー積層体3に向かって+Z軸方向(テーブル12の主面に直交する方向)に移動させる(カット刃20を下降させる)とともに、カット刃20を−X軸方向(テーブル12の主面に沿う方向であって、図8における左側)に移動させることにより、カット刃20を斜め下方(図8における左下方向)に移動させ、マザー積層体3を引き切りする。
(A−5)次に、図9に示すように、X軸方向についてはカット刃20を固定しておき、Z軸方向にカット刃20を引き上げる(−Z軸方向にカット刃20を動作させる)ことにより、カット刃20を真上に移動させて、マザー積層体3から引き上げる。
(A−6)それから、テーブル12を、Y軸方向に1ピッチずらして、次のカット位置でのカットに備える。
上記(A−1)〜(A−6)を工程を繰り返して実施することにより、マザー積層体3をカットラインC2に沿って、所定のピッチで繰り返してカットすることができる。
(B)カットラインC1に沿ってのカット
上述のように、その後、テーブルを12を平面的に90°回転させ、上記(A−1)〜(A−6)の各工程における操作と同様の操作を繰り返すことにより、マザー積層体3をカットラインC1に沿って、所定のピッチで繰り返してカットする。
これにより、マザー積層体3をカットラインC1,C2に沿って、カットし、個々の積層体チップに分割する。
これにより、例えば、図10に示すように、側面21,22および端面31,32に内部導体(内部電極)2が露出した積層体チップ10が得られる。
[3]積層セラミック電子部品の作製
次に、上述のようにして得た積層体チップ10を用いて積層セラミック電子部品(積層セラミックコンデンサ)を製造する方法について説明する。
(1)未焼成の積層体チップ10の側面21,22に、露出した内部導体(内部電極)2を被覆するように、セラミックペースト1p(図11参照)を塗布する。塗布されたセラミックペースト1pは、内部導体(内部電極)2と、セラミックペーストを塗布した後の積層体チップの第1の側面および第2の側面との間に位置するサイドギャップ領域を構成することになる。なお、ここで用いるセラミックペーストに含まれるセラミック材料としては、セラミックグリーンシートに含まれるものと同じセラミック材料を用いることが好ましい。
(2)それから、上記(1)の工程で側面31にセラミックペースト1pを塗布した積層体チップ10を所定の条件下で焼成する。
(3)次に、焼成された積層体チップ(積層セラミックコンデンサ素子)110(図12参照)の端面131,132に外部端子電極形成用の導電性ペーストを塗布して焼き付けることにより、外部電極(厚膜導体)35,36を形成する。
その後、必要に応じて、厚膜導体上に1層以上のめっき膜(例えば、Ni膜およびSn膜)を形成する。
これにより、図12に示すような、セラミック層(誘電体層)101と内部電極(内部導体)102とが交互に積層され、かつ、内部電極102が交互に逆側の端面131,132に引き出された構造を有する積層セラミックコンデンサ素子110の両端面に、内部導体と導通するように配設された外部電極35,36とを備えた積層セラミックコンデンサ50が得られる。
なお、この実施形態では、上述のようにしてマザー積層体3をカットすることにより得られる積層体チップ10の側面21,22および端面31,32が、上述のように引き切りカットされた切断面となることから、結果として、
(a)被カット物であるマザー積層体をカットする際の応力により層間剥離が発生することを防止して、特性不良(例えば、侵入した水分を介して外部電極間が導通することによる絶縁抵抗低下(主として、端面31,32において生じるおそれのある問題))の発生を抑制することが可能になるとともに、
(b)内部導体が引き延ばされにくくなり、被カット物をカットする際に、内部導体が延びて、セラミック層を介して積層方向に隣り合う、互いに極性の異なる、短絡すべきでない内部導体どうしが接続してしまい、分割された積層体チップを焼成して得られる積層セラミック電子部品にショート不良が生じるというような問題の発生を(主として、側面21,22において生じるおそれのある問題)の発生を抑制することが可能になり、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることが可能になる。
なお、上記実施形態では、カット装置を構成するX軸駆動手段(第1の駆動手段)30Xとしてサーボモータやボールねじなどからなるものを用い、Z軸駆動手段(第2の駆動手段)30Zとして、偏心カムを用いているが、X軸駆動手段30X、Z軸駆動手段30Zの両方を、偏心カムで構成したり、サーボモータとボールねじにより構成したりすることも可能である。また、上記実施形態の場合とは逆に、X軸駆動手段30Xとして偏心カムを用い、Z軸駆動手段30Zとしてサーボモータやボールねじなどからなるものを用いるように構成することも可能である。
また、上記実施形態では、カット刃がX軸ベースに取り付けられている場合を例示したが、カット刃が上記Z軸ベースに取り付けられている構成とすることもできる。その場合、特に図示しないが、例えば、Z軸駆動手段のZ軸ベースとの係合部(接触部)に、Z軸方向において、Z軸ベースの一部(例えば、L字状連結板)を両側から挟持する挟持機構を備え、Z軸ベースに対してZ軸方向の駆動力を伝えるが、Z軸ベースは、Z軸駆動手段ZによるZ軸方向への動作とは独立して、X軸駆動手段によるX軸ベースのX軸方向への動作に連動してX軸方向にも動作するようにして、カット刃を斜め方向に動作させるようにすることが可能である。
なお、この構成の場合、Z軸ベースが第1のベース、Z軸方向が第1の方向となり、X軸ベースが第2のベース、X軸方向が第2の方向となる。
なお、上記実施形態では、マザー積層体3を分割して、図9に示すように、側面21,22および端面31,32に内部導体2が露出した積層体チップ10が得られるようにした場合について説明したが、図9を参照しつつ説明すると、積層体を分割することにより、内部導体2が端面31,32には露出するが、側面21,22には露出しない構成、すなわち、内部導体2の側端部と積層体チップ10の側面21,22との間に内部導体が存在しない領域(サイドギャップ)が存在するような構成とすることも可能である。すなわち、本発明のカット装置は、内部導体の配設態様の異なるマザー積層体を被カット物とすることも可能である。
また、上記実施形態では積層セラミックコンデンサを製造する工程でマザー積層体をカットする場合を例にとって説明したが、本発明は、積層セラミックコンデンサに限らず、多層セラミック基板、積層インダクタなどの他の積層セラミック電子部品を製造する工程で、マザー積層体をカットする場合などに広く適用することが可能である。
本発明は、さらにその他の点においても上記実施形態に限定されるものではなく、X軸駆動手段やZ軸駆動手段の具体的な構成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 セラミックグリーンシート
1p セラミックペースト
2 内部導体(内部導体パターン)
3 被カット物(マザー積層体)
11 本体ベース
12 テーブル(ステージ)
13Z Z軸直線運動用のガイド
14Z Z軸ベース(本発明における第2のベース)
15Z Z軸可動機構
21,22 積層体チップの側面
23X X軸直線運動用のガイド
24X X軸ベース(本発明における第1のベース)
24Xa X軸ベースの一部(L字状連結板)
25X X軸可動機構
26 サーボモータ
27 ボールねじ
29 挟持機構
29a,29b 一対のローラ
30X X軸駆動手段(第1の駆動手段)(サーボモータ+ボールねじ)
30Z Z軸駆動手段(第2の駆動手段)(偏心カム)
31,32 積層体チップの端面
35,36 外部電極
101 積層セラミックコンデンサを構成するセラミック層(誘電体層)
102 積層セラミックコンデンサを構成する内部電極(内部導体)
110 積層セラミックコンデンサ素子
131,132 積層セラミックコンデンサ素子の端面
C1 第1のカットライン
C2 第2のカットライン

Claims (3)

  1. セラミック層と内部導体とが交互に積層された領域を備え、個々の積層体チップに分割されるべきマザー積層体を被カット物とし、この被カット物をカットするためのカット装置であって、
    前記被カット物を押し切りカットするためのカット刃と、
    前記被カット物を載置するテーブルと、
    前記カット刃を保持、固定する第1のベースと、
    前記第1のベースに備えられ、前記第1のベース上でスライドする第2のベースと、
    前記第1のベースを第1の方向に動作させる第1の駆動手段と、
    前記第2のベースを第2の方向に動作させる第2の駆動手段と、
    前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段が設置された本体ベースと
    を備え、
    前記テーブルの前記被カット物が載置される主面に平行なX軸方向と、前記テーブルの前記被カット物が載置される主面に直交するZ軸方向のうち、一方が前記第1の方向で、他方が前記第2の方向であり、
    前記第1の駆動手段および前記第2の駆動手段は前記本体ベースに固定され、
    前記第1の駆動手段は、前記第1のベースの一部を、前記第1の方向において両側から挟持する挟持機構を備えており、前記第1のベースが、前記挟持機構との関係においては、前記第2の方向にのみ移動することができるように構成されていること
    を特徴とするカット装置。
  2. 前記挟持機構は、ローラにより前記第1のベースの一部を、前記第1の方向において両側から挟持するように構成されていることを特徴とする請求項記載のカット装置。
  3. 前記テーブルを、前記X軸方向および前記Z軸方向に垂直なY軸方向へ移動させる第3の駆動手段をさらに備え、
    前記Z軸方向のうちの前記テーブルに載置された前記被カット物に向かう方向を+Z軸方向、その反対方向を−Z軸方向とし、
    前記X軸方向のうちの一方の方向を+X軸方向、その反対方向を−X軸方向とした場合に、
    +Z軸方向に前記カット刃を動作させるとともに、+X軸方向に前記カット刃を動作させて、前記被カット物を引き切り、
    前記カット刃を−Z軸方向に動作させることにより、前記被カット物から前記カット刃を引き抜き、
    Y軸方向へ前記テーブルを移動させ、
    +Z軸方向に前記カット刃を動作させるとともに、−X軸方向に前記カット刃を動作させて、前記被カット物を引き切ること
    ができるように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のカット装置。
JP2013006506A 2013-01-17 2013-01-17 カット装置 Active JP6102270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006506A JP6102270B2 (ja) 2013-01-17 2013-01-17 カット装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013006506A JP6102270B2 (ja) 2013-01-17 2013-01-17 カット装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014138115A JP2014138115A (ja) 2014-07-28
JP6102270B2 true JP6102270B2 (ja) 2017-03-29

Family

ID=51415452

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013006506A Active JP6102270B2 (ja) 2013-01-17 2013-01-17 カット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6102270B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2145546T3 (es) * 1996-10-17 2000-07-01 Daimler Chrysler Ag Procedimiento para la separacion de laminas protectoras dentro de la zona de junturas y de acanaladuras de carroceria tapadas por laminas y dispositivo para la realizacion del mismo.
JP4348764B2 (ja) * 1999-03-11 2009-10-21 株式会社村田製作所 グリーンシートの切断方法
JP3835479B1 (ja) * 2005-05-23 2006-10-18 株式会社村田製作所 セラミックグリーンブロックのカット装置およびカット方法
JP2013000826A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Murata Mfg Co Ltd カット刃、電子部品の製造方法、及び電子部品の製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014138115A (ja) 2014-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101486979B1 (ko) 적층 세라믹 전자부품의 제조방법
JP5971447B2 (ja) セラミック基板およびモジュール部品の製造方法
KR101812475B1 (ko) 적층 세라믹 콘덴서
JP2014187216A (ja) 積層セラミックコンデンサの製造方法
WO2018146990A1 (ja) 積層セラミック電子部品
KR20180065917A (ko) 적층 세라믹 전자 부품의 제조 방법
JP2015037175A (ja) 積層セラミック電子部品、その製造方法及びその実装基板
JP6102270B2 (ja) カット装置
JP6531489B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2019117817A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP5994657B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
US20140376151A1 (en) Method of manufacturing multilayer ceramic electronic component and multilayer ceramic electronic component manufactured thereby
JP2005259964A (ja) セラミック積層体の製造方法
JP5810501B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP7312809B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
WO2023243504A1 (ja) 積層セラミック電子部品
WO2006109466A1 (ja) 内部電極パターンの形成方法とこれを用いた積層セラミック電子部品の製造方法
JPH0563007B2 (ja)
JP4134729B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2014060259A (ja) セラミック積層体のカット方法、セラミック積層体のカット装置、および積層セラミック電子部品の製造方法
JPH09115765A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JPH0324074B2 (ja)
JP2011066308A (ja) セラミック電子部品およびその製造方法
JP2009252783A (ja) セラミック多層基板の製造方法及びセラミック多層基板の反り量の調整方法
JPH08244019A (ja) セラミックグリーンシートの積層方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151002

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6102270

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150