JP6347088B2 - コンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版 - Google Patents

コンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版 Download PDF

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Description

本願発明は、コンクリート床版に関する技術であり、より具体的には、排水溝を兼ねた管理用通路を有するコンクリート床版に関する技術である。
我が国は、国土の大半が山間部で占められ、しかも急峻な地形であることから、地方に整備される道路は多くの橋梁に頼っている。一方、都市部では無数の構造物が密集しており、そこへ新たな道路を計画するとなれば、跨道橋、跨線橋、高架橋など、やはり多くの橋梁が必要となる。
橋梁は、損壊時における社会的影響を考えるまでもなく極めて重要な構造物であり、そのため古くから「道路橋示方書・同解説」といった設計基準を整備して厳格に設計され、そして高い品質をもって施工されている。また、近年の改定では同時に維持管理の容易さに加え、維持管理の確実性についても求められるようになった。このように高い品質が求められる一方で、社会的要請と技術力の向上から、維持管理に優れた構造物をより経済的に、より短い工期で、施工されることも求められるようになってきた。
橋梁の上部工を構成する床版は、新設時に設置されるのは当然のことながら、既設橋の改修時にも設置される。近年、既設橋の改修工事が頻繁に行われるようになり、これに伴って高付加価値床版への取替の機会も増加している。前述のとおり橋梁工事は急速施工が要請されるところであり、既設橋の改修工事の場合は特に工期短縮が求められている。例えば高速道路など自動車専用道路の高架橋は、膨大な交通量を確保し、我が国の流通産業を支えており、供用停止による経済的損失を考えると一日でも早く工事を完成することが必要である。
以上のような背景から、橋梁の床版にはプレキャストによるコンクリート床版が多用されるようになってきた。ここで「プレキャスト」とは、工場や製造ヤードなど現場とは異なる場所で、あらかじめコンクリート部材を製作しておくことであり、このプレキャストによって製作されたコンクリート床版は「プレキャストコンクリート床版」と呼ばれる。従来から採用されている場所打ちコンクリート工法では、型枠設置からコンクート打設、さらには養生期間と、長い施工期間を必要としていたが、プレキャストコンクリート床版は工場で製作され、しかも容易に設置できるため、現場を占有する期間が極めて短くなる。しかも技術の進歩によりプレキャストコンクリート床版の適用範囲が大幅に広がってきたことも、プレキャストコンクリート床版の採用を後押ししている。
ところで、高速道路の高架橋をはじめとする道路橋は、一般的に路面排水用の側溝が設けられる。通常、この側溝は、車道の横断面を見たときの両端部に、しかも縦断方向に連続して設置される。なお、縦断方向とは橋梁の延長方向(つまり、橋軸方向)を差し、横断方向とは車道の幅員方向(つまり、橋軸直角方向)を意味する。また側溝の途中には、縦断方向に間隔をあけて桝が設置される。従来ではこの側溝や桝を、車道に極めて近い位置に設置していたが、この場合いくつかの問題を指摘することができる。ひとつは、プレキャストコンクリート床版の製作に係る問題である。側溝や桝を設置するためには、あらかじめプレキャストコンクリート床版に配置スペースを設ける必要がある。その結果、プレキャストコンクリート床版の形状は複雑となり、この枡の部位では横断方向にPC鋼線や鉄筋が分断されるため、その配置を変更する必要があり、また箱抜きを行うなど補強のための配筋や型枠といった製作に掛かる手間とコストが増大する。このため、排水枡のある床版は他の床版とは別に製作せねばならなかった。一方、枡の設置も配水管と取り合うことから精度面での要求も厳しかった。さらに、完成後も排水枡周りからの漏水が報告され耐久性上好ましい構造ではなかった。
また、管理上の問題も指摘できる。側溝や桝は、定期的にあるいは豪雨後など必要に応じて、点検や異物の除去といったメンテナンスが行われる。しかしながら、側溝等が車道付近に設置されていると、メンテナンスを行う者(以下、「管理者」という。)は走行車両に近接した作業を強いられることとなる。現場状況によっては、管理者の安全を確保するためメンテナンスを行う際に道路の一部を規制するケースもある。つまり車道付近に設置された側溝等は、そのメンテナンスにおいて、管理者の安全性の問題、あるいは通行規制による経済的損失という問題を抱えている。
路面排水用の側溝のメンテナンスについては、これまでもいくつかの視点で問題視されてきた。特許文献1では、経年劣化や事故損傷によって側溝の取替えというメンテナンスが必要となるが、その作業を行う人員の不足や高齢化を問題として捉えており、このメンテナンス作業が容易となる技術に関して提案を行っている。
特開平06−146220号公報
特許文献1は、車道部を構成するプレキャスト製の床版部材と、オープンタイプのプレキャスト製路面排水樋を、それぞれ別体として製作することで路面排水樋の取替え作業の容易化を図るものである。また、別体にすることによって、床版部材の形状が複雑になることはなく、すなわち製作に掛かる手間とコストが増大する問題を回避している。しかしながら、点検や異物の除去などいわば日常的なメンテナンス作業を行うためには、やはり管理者が走行車両に近い位置を歩かなければならない。つまり、メンテナンスにおける管理者の安全性の問題、あるいは通行規制による経済的損失という問題に関しては、特許文献1の技術では解消することができない。
本願発明の課題は、従来の問題を解決することであり、すなわち、プレキャストコンクリート床版の形状を複雑にすることなく、しかもメンテナンスの際に車両規制を伴わずに管理者の安全を確保することができるコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版を提供することである。
本願発明は、メンテナンス時に管理者が歩くことができる管理用通路を設けることとし、さらにこの管理用通路が側溝としての機能も併せ持つ、というこれまでにない発想に基づいて行われたものである。
本願発明のコンクリート床版構造は、車道部と、この車道部の両側(あるいは片側)に配置される管理用通路、そして車道部と管理用通路との間に配置されるコンクリート防護柵を備えた構造である。車道部には基層及び表層からなる舗装が敷設され、車道部の横断方向における両側(あるいは片側)端部には縦断方向に連続する導水帯が設けられる。また、コンクリート防護柵には、導水帯から管理用通路に通じる通水孔が設けられる。なお、車道部と管理用通路、そしてコンクリート防護柵は、一体のコンクリート構造として構築される。
本願発明のコンクリート床版構造は、車道部と、この車道部の両側(あるいは片側)に配置される管理用通路、そして車道部と管理用通路との間に配置される防護柵を備えた構造とすることもできる。この場合も、車道部には基層及び表層からなる舗装が敷設され、車道部の横断方向における両側(あるいは片側)端部には縦断方向に連続する導水帯が設けられる。防護柵は、コンクリート製の防護柵基礎と、防護柵基礎に固定される上部柵(鋼製やアルミ製、鋳物製やコンクリート製のもの)を有するもので、この防護柵基礎には導水帯から管理用通路に通じる通水孔が設けられる。車道部と管理用通路、そして防護柵基礎は、一体のコンクリート構造として構築される。
本願発明のコンクリート床版構造は、歩路体が管理用通路に設置された構造とすることもできる。この歩路体は、複数の小孔を有する有孔板と、有孔板を支持する支持体からなるもので、管理用通路に歩路体を設置すると有孔板の下方に排水路が形成される。支持体は、有孔板の下方に固定される支持脚、又は管理用通路に設けられるコンクリート製の台座である。
本願発明のコンクリート床版構造は、基層及び導水帯の上面に一連の(一面の)表層が形成された構造とすることもできる。この場合の基層は、基層と防護柵基礎との間に導水帯のスペースが確保されるように敷設される。つまり道路中心から見たとき、防護柵基礎に当接するまで基層を敷設するのではなく、所定幅を残した手前側で基層の敷設を止める。なお、導水帯上面にも表層を形成することから、導水帯には縦断方向への排水機能を有する表層支持治具(表層を支持するための治具)が配置される。
本願発明のコンクリート床版構造は、管理用通路に電線又は通信線を収容するケーブルラックが設置される構造とすることもできる。
本願発明のプレキャストコンクリート床版は、車道部と、この車道部の両側(あるいは片側)に配置される管理用通路、そして車道部と管理用通路との間に配置されるコンクリート防護柵を備えたものである。車道部の横断方向における両側(あるいは片側)端部には縦断方向に連続する導水帯が設けられ、コンクリート防護柵には、導水帯から管理用通路に通じる通水孔が設けられる。なお、車道部と管理用通路、そしてコンクリート防護柵は、一体のコンクリート構造体として製作される。
本願発明のプレキャストコンクリート床版は、車道部と、この車道部の両側(あるいは片側)に配置される管理用通路、そして車道部と管理用通路との間に配置される防護柵を備えたものである。この場合も、車道部の横断方向における両側(あるいは片側)端部には縦断方向に連続する導水帯が設けられる。防護柵は、コンクリート製の防護柵基礎と、防護柵基礎に固定される上部柵を有するものであり、このうち防護柵基礎には導水帯から管理用通路に通じる通水孔が設けられる。車道部と管理用通路、そして防護柵基礎は、一体のコンクリート構造体として製作される。上部柵には、鋼製やアルミ製、鋳物製やコンクリート製のものが用いられる。
本願発明のコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版には、次のような効果がある。
(1)本願発明のプレキャストコンクリート床版は、排水機能を持つ管理用通路と、車道部が、概ね一連のフラット面として形成されているので、比較的単純な形状であって、従来は排水枡がある床版の製作は特別となったことに比して製作手間やコストを軽減することができる。
(2)いわば管理用通路が側溝を兼用しているため、点検等のメンテナンス時に側溝上を歩くことができる。つまり管理者は、極めて容易にメンテナンス作業を実施することができる。
(3)管理用通路を車道部(車両が走行する領域)の外側(横断方向)に配置しており、しかも車道部と管理用通路との間に防護柵が配置されているため、管理者は安全にメンテナンスを実施することができ、そのための車両規制を行う必要もない。
(4)従来のプレキャストコンクリート床版における排水構造は、排水枡を埋め込むことが一般的であったが、埋め込んだ排水枡周りから漏水等の不具合が報告されていた。本願発明による構造は、排水枡用の孔を床版にあける必要がなく、耐久性の向上が期待できる。
(5)一般的には、防護柵の内側の路肩の一部も通水幅とみなす。本願発明の場合、防護柵の外側にある排水溝も通水帯とみなすことができるため、路肩の通水幅を減少することができる。つまり、実際は通水帯が防護柵の外に移動したと考えられることから、橋梁全体の幅員を変えずに対応することも可能となる。
本願発明のコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版を示す断面図。 コンクリート製の防護柵を備えたコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版を示す部分断面図。 底面を基層とし、側面を表層端部と防護柵壁面とした導水帯を示す部分断面図。 底面を車道部上面とし、側面を基層と防護柵壁面で形成し、さらに上面に蓋を載せるように表層を配置する構成とした導水帯を示す部分断面図。 上部構造と下部構造からなる防護柵を示す部分断面図。 コンクリート防護柵を道路中心側から見た正面図。 (a)は歩路体を設置した管理用通路を示す部分断面図、(b)は歩路体の有孔板を示す平面図。 有孔板とコンクリート製の台座からなる歩路体を、管理用通路に設置した状態を示す部分断面図。 ケーブルラックを有孔板上に載置した管理用通路を示す部分断面図。 ケーブルラックが柵基礎に係止された管理用通路を示す部分断面図。
本願発明のコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版の一例を、図に基づいて説明する。
1.全体概要
図1は、本願発明のコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版を示す断面図であり、概ねこの断面形状が縦断方向に連続することで橋梁全体が構成される。なおこの図では、道路橋を横断方向に切断した断面図を示しているが、本願発明は道路橋に限らず鉄道橋や管路橋など他の様々な橋梁に適用することができる。
本願発明のプレキャストコンクリート床版CSは、車道部10と、管理用通路20、防護柵30を含んで構成される。管理用通路20は、車道部10の外側(横断方向において道路中心を内側としている)に配置され、防護柵30は車道部10と管理用通路20の間に配置されている。そして、車道部10と、管理用通路20、そして防護柵30が一体となるように、プレキャストコンクリート床版CSは工場等で製作される。なお図1に示すプレキャストコンクリート床版CSには、車道部10の両側に管理用通路20及び防護柵30が設けられているが、どちらか一方のみに管理用通路20及び防護柵30を設けたプレキャストコンクリート床版CSとすることもできる。
本願発明のコンクリート床版構造は、本願発明のプレキャストコンクリート床版CSを用いた構造であり、車道部10の上面に舗装40が敷設され、防護柵30の内側(道路中心側)に導水帯50が設けられた構造である。この導水帯50は、車道部10のうち舗装40と防護柵30の間に設けられ、つまり車道部10上面の大部分に舗装40が敷設され、残った一部に導水帯50が設けられる。もちろん舗装40と導水帯50も、橋梁全体にわたって縦断方向に連続して形成される。
以下、本願発明のコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版を構成する主な要素ごとに詳しく説明する。
2.車道部
図2は、コンクリート製の防護柵を備えたコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版を示す部分断面図である。この図に示すように、車道部10の上面には舗装40が敷設される。舗装40は、アスファルトに代表される舗装材で形成される表層41と、高さを調整するためのレベリング層とも呼ばれる基層42の2層構造で構成される。もちろん、必要に応じて基層のさらに下に第3層(例えば、路盤など)を設けることもできる。
既述のとおり、車道部10の端部には導水帯50が設けられる。具体的には、舗装40の側面と防護柵30の壁面の一部、そして車道部10上面の一部によって、上部開口の溝形状が形成される。導水帯50は、縦断方向に連続しており、路面排水の一部を構成することから、底面(つまり車道部10の上面)には防水層を敷設するとよい。この防水層は、防水シートを敷設することにより、あるいはウレタンなどを吹き付けによる方法で形成される。一般的に防水層は舗装40下部にも敷設されることから、この場合は車道部10全体に一連の防水層が形成されることとなる。
図2では、導水帯50の底面を車道部10上面とし、側面を表層41と基層42からなる舗装40端部としたが、図3に示すように、導水帯50の底面を基層42とし、側面を表層41の端部とすることもできる。この場合、基層42は防護柵30の壁面に当接するまで敷設し、一方の表層41は導水帯50の有効幅員だけ残して敷設される。この形式の導水帯50を採用すると、車道部10全面に基層42を敷設することから、比較的施工が容易となる。
あるいは図4に示すように、導水帯50の底面を車道部10上面とし、側面を基層42と防護柵30壁面で形成し、さらに上面に蓋を載せるように表層41を配置する構成とすることもできる。この場合、表層41は防護柵30の壁面に当接するまで敷設し、一方の基層42は導水帯50の有効幅員だけ残して敷設される。排水空間を確保した状態で表層41を敷設することから、導水帯50には縦断方向に排水機能を有する表層支持治具70が設置される。この表層支持治具70は、スプリングや門型形状の治具のように、内部に排水空間が設けられ、しかも上部の表層41を支えることができるものであり、縦断方向に連続して、あるいは所定の間隔をもって断続的に配置される。なお、路面排水を導水帯50内に円滑に導くために、表層41は透水機能を有するアスファルト(舗装材)によって形成されることが望ましい。この形式の導水帯50を採用すると、車道部10全面に表層41が敷設されるため、より広く走行領域が確保されるように感じ、安心して車両を運転することができる。
3.防護柵
本願発明に用いられる防護柵30は、2種類に大別することができる。第1の防護柵30は、図に示すようなコンクリート製の防護柵(以下、単に「コンクリート防護柵31」という。)であり、壁高欄や地覆といったものが例示できる。第2の防護柵30は、図5に示すように2つの部材からなる防護柵(以下、「セパレート防護柵32」という。)である。セパレート防護柵32は、例えば地覆を兼ねたコンクリート製の防護柵基礎32Lと、この防護柵基礎32Lに支持されて立ち上がる上部柵32Uによって構成される。上部柵32Uは、図5に示すようにガードレールなどの鋼製柵やアルミや鋳物、さらにコンクリート製の柵のものを採用するとよい。なお、コンクリート防護柵31を採用した場合、本願発明のプレキャストコンクリート床版CSは、車道部10と、管理用通路20、そしてコンクリート防護柵31が一体となるように製作されるが、セパレート防護柵32を採用した場合は、車道部10と、管理用通路20、そして防護柵基礎32Lが一体となるように製作される。
防護柵30の下部には、導水帯50から管理用通路20に通じる通水孔60が設けられる。コンクリート防護柵31の場合はコンクリート防護柵31本体に、そしてセパレート防護柵32の場合は防護柵基礎32Lに設けられる。図6は、コンクリート防護柵31を道路中心側から見た正面図である。この図に示すように通水孔60は、縦断方向に間隔をあけて断続的に配置される。通常は、一定の間隔をもって配置されるが、他の設備との位置関係から支障になるといったケースでは異なる間隔をもって配置してもよい。
図6の通水孔60は、長方形と扇形(1/4円)を組み合わせた断面形状であるが、もちろんこれに限らず円形や楕円形、矩形など種々の断面形状とすることができる。また、コンクリート防護柵31や防護柵基礎32Lの一部を箱抜きすることで、通水孔60を形成することもできるし、塩化ビニル管や鋼管といったパイプを埋設することで通水孔60を形成することもできる。なお、後述するように管理用通路20は車道部10より低い位置に配置されるため、路面排水が車道部10から管理用通路20に流れるように、つまり内側から外側に向けた下り勾配(図5では左下がり勾配)となるように通水孔60は配置される。なお、通水孔60には防水層を設けてもよい。
4.管理用通路
図2や図5に示すように管理用通路20は、通路空間21と、安全柵22、柵基礎23で構成され、管理者など人が通行する空間を確保する機能と、車道部10からの路面排水を縦断方向に流すという機能を兼ね備えている。通行空間を確保するため、通路空間21は相当の幅員で構築される。例えば40cm以上、望ましくは60cm以上の幅員が設けられるとよい。
また、橋梁は通常高い位置に設置されることから、通路空間21を通行するのはいわゆる高所作業となり、したがって横断方向外側(図2や図5では左側)には安全柵22と、この安全柵22を支持するコンクリート製の柵基礎23が設けられる。安全柵22、柵基礎23ともに、縦断方向に連続して配置され、このうち柵基礎23は本願発明のプレキャストコンクリート床版CSの一部として他の部材と一体となるように形成されてもよい。一方の安全柵22は、市販の物を取り寄せて工場で取り付けてもよいし、鋼管(例えば単管)を現場で組み立てて取り付けてもよい。
車道部10から通水孔60を通じて流入してくる路面排水は、通路空間21を流れる。したがって、通路空間21を構成する底面(つまりコンクリート上面)は、車道部10の上面よりも低い位置に形成される。そのため、既述したように通水孔60は、車道部10から管理用通路20に向けた下り勾配で配置される。また、導水帯50と同様、通路空間21の底面には防水層を敷設するとよい。
ところで、管理用通路20が通行機能と排水機能を兼ね備えることから、管理者等が通路空間21を歩くときは、流水がある状況というケースもある。もちろん、長靴等で歩けばそれほど苦にはならないが、通常の靴で来た者にとっては歓迎すべき状況ではない。そこで、通常の靴でも歩けるように通路空間21に歩路体を設けるとよい。図7は、歩路体80を設置した管理用通路20を示す部分断面図である。この歩路体80は、有孔板81と支持体によって構成されるもので、支持体によって持ち上げられた有孔板81上を歩くことができるので、通常の靴で来た者でも足が濡れることがないわけである。
図7(b)は、歩路体80の有孔板81を示す平面図である。この図に示すように有孔板81は、多数の小孔を持ち、人の自重を支えることができる程度の強度を備えた板材である。支持体を設けた効果で、有孔板81の下方には水を流すことができる空間(排水路)が形成され、この排水路に通水孔60からの排水や降雨時の雨水を流すため、有孔板81には多数の小孔が設けられるわけである。有孔板81をとしては、図7(b)に示すようなグレーチングを用いるとよいが、これに限らず鉄板に穴を設けたもの、所定の強度を有する樹脂製の板などを採用することもできる。なお、歩路体80は縦断方向に連続して設置することもできるし、人が跨げる程度に間隔をあけて断続的に設置することもできる。
支持体としては、図7(a)に示すような支持脚82を採用することができる。この支持脚82は、あらかじめ有孔板81の下面に固定されるもので、つまり歩路体80は有孔板81と支持脚82からなる完成品として用意される。そのため有孔板81が鋼製であれば、溶接固定が可能となるよう支持脚82も鋼製とするとよい。
また支持体は、図8に示すようなコンクリート製の台座(以下、単に「コンクリート台座83」という。)とすることもできる。このコンクリート台座83は、プレキャストコンクリート床版CSの一部として、より詳しくは管理用通路20に凸状部を設けるように形成される。したがってコンクリート台座83は、有孔板81とは別に用意され、現場で有孔板81をコンクリート台座83上に載置することによって、歩路体80は完成する。このとき、有孔板81をコンクリート台座83上に載せておくだけでもよいし、ズレ止めや飛散防止を目的にビス等で固定しておくこともできる。
さらに管理用通路20には、電線や通信線(例えば、光ファイバーケーブルなど)を収容するケーブルラックを設置することもできる。従来、橋梁に電線や通信線を設置する場合、桁下に添架するか、あるいは床版や壁高欄といったコンクリート構造物内に埋設していたが、いずれの場合も設置手間がかかるうえ、ケーブルの点検や取り換えといったメンテナンス作業が困難であった。本願発明によれば管理用通路20という空間が設けられることから、ここに電線等を配置することで、設置手間、メンテナンス作業ともに容易になる。
具体的には、図9に示すようにケーブルラック84を、歩路体80の有孔板81上に載置することができる。このケーブルラック84内には、複数(図では5本)の管路85が収容され、さらに管路85内には複数(図では5本)の電線や通信線(以下、「電線等86」という。)が収容される。もちろん、ケーブルラック84内に収容する管路85は1本であってもよいし、管路85内に収容する電線等86が1本であってもよい。また、歩路体80を設置しない場合は、通路空間21を構成する底面(つまりコンクリート上面)に直接ケーブルラック84を載置することもできる。なお、ケーブルラック84(管路85や電線等86を含む)は、例えば橋梁全体にわたって縦断方向に連続して設置される。
ケーブルラック84を有孔板81上に載置する手法に代えて、図10に示すようにケーブルラック84を柵基礎23に係止させることもできる。この場合、図に示すようにケーブルラック84の一部を柵基礎23の上面に載せ、さらに安全柵22に取り付けた環状の係止具とケーブルラック84を連結することで安定させる。図9や図10から分かるように、管理用通路20を利用することで、ケーブルラック84(つまり電線等86)の設置やメンテナンス作業が従来に比べ極めて容易となる。
5.プレキャストコンクリート床版の接続
複数のプレキャストコンクリート床版CSが縦断方向に並べられ、そしてプレキャストコンクリート床版CSどうしが接続されて、橋梁全体の床版が形成される。このプレキャストコンクリート床版CSどうしの接続の手法としては、ひび割れを許容する鉄筋コンクリート構造を採用することもできるが、接続部に引張力を生じさせない、つまり、ひび割れを許容しないプレストレストコンクリート構造を採用することが望ましい。
本願発明のコンクリート床版構造、及びプレキャストコンクリート床版は、道路橋、鉄道橋、管路橋といったあらゆる用途の橋梁に利用でき、河川橋、跨道橋、跨線橋など種々のものを越える橋梁に利用することができる。また、新設橋梁に使用する場合に限らず、既設橋梁の床版架け替え工事にも採用することができる。本願発明が、管理者の安全を確保し、通行規制により生じる経済的損失を回避することを考えれば、産業上利用できるばかりでなく社会的にも大きな貢献を期待し得る発明といえる。
10 車道部
20 管理用通路
21 (管理用通路の)通路空間
22 (管理用通路の)安全柵
23 (管理用通路の)柵基礎
30 防護柵
31 コンクリート防護柵
32 セパレート防護柵
32U (セパレート防護柵の)上部柵
32L (セパレート防護柵の)防護柵基礎
40 舗装
41 (舗装の)表層
42 (舗装の)基層
50 導水帯
60 通水孔
70 縦断方向への排水機能を有する表層支持治具
80 歩路体
81 (歩路体の)有孔板
82 (歩路体の)支持脚
83 (歩路体の)コンクリート台座
84 ケーブルラック
85 管路
86 電線等
CS プレキャストコンクリート床版

Claims (7)

  1. 車道部と、該車道部の片側又は両側に配置される管理用通路と、該車道部と該管理用通路との間に配置されるコンクリート製の防護柵と、を備えたコンクリート床版構造であって、
    前記車道部には、基層及び表層からなる舗装が敷設されるとともに、該車道部の横断方向における片側又は両側端部には、縦断方向に連続する導水帯が設けられ、
    前記防護柵には、前記導水帯から前記管理用通路に通じる通水孔が設けられ、
    前記車道部と前記管理用通路と前記防護柵が、一体のコンクリート構造として構築された、ことを特徴とするコンクリート床版構造。
  2. 車道部と、該車道部の片側又は両側に配置される管理用通路と、該車道部と該管理用通路との間に配置される防護柵と、を備えたコンクリート床版構造であって、
    前記防護柵は、コンクリート製の防護柵基礎と、該防護柵基礎に固定される上部柵と、を有し、
    前記車道部には、基層及び表層からなる舗装が敷設されるとともに、該車道部の横断方向における片側又は両側端部には、縦断方向に連続する導水帯が設けられ、
    前記防護柵基礎には、前記導水帯から前記管理用通路に通じる通水孔が設けられ、
    前記車道部と前記管理用通路と前記防護柵基礎が、一体のコンクリート構造として構築された、ことを特徴とするコンクリート床版構造。
  3. 複数の小孔を有する有孔板と、該有孔板を支持する支持体と、からなる歩路体が、前記管理用通路に設置され、
    前記支持体は、前記有孔板の下方に固定される支持脚、又は前記管理用通路に設けられるコンクリート製の台座であり、
    前記有孔板の下方に排水路が形成される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート床版構造。
  4. 前記基層は、該基層と前記防護柵との間に前記導水帯が設けられるように敷設され、
    前記導水帯には、縦断方向に排水機能を有する表層支持治具が配置され、
    透水機能を有する舗装材によって、前記基層及び前記導水帯の上面に一連の前記表層を形成する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンクリート床版構造。
  5. 前記管理用通路に、電線又は通信線を収容するケーブルラックが設置された、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコンクリート床版構造。
  6. 車道部と、該車道部の片側又は両側に配置される管理用通路と、該車道部と該管理用通路との間に配置されるコンクリート防護柵と、を備えたプレキャストコンクリート床版であって、
    前記車道部の横断方向における片側又は両側端部には、縦断方向に連続する導水帯が設けられ、
    前記コンクリート防護柵には、前記導水帯から前記管理用通路に通じる通水孔が設けられ、
    前記車道部と前記管理用通路と前記コンクリート防護柵が、一体のコンクリート構造体として製作された、ことを特徴とするプレキャストコンクリート床版。
  7. 車道部と、該車道部の片側又は両側に配置される管理用通路と、該車道部と該管理用通路との間に配置される防護柵と、を備えたプレキャストコンクリート床版であって、
    前記防護柵は、コンクリート製の防護柵基礎と、該防護柵基礎に固定される上部柵と、を有し、
    前記車道部の横断方向における片側又は両側端部には、縦断方向に連続する導水帯が設けられ、
    前記防護柵基礎には、前記導水帯から前記管理用通路に通じる通水孔が設けられ、
    前記車道部と前記管理用通路と前記防護柵基礎が、一体のコンクリート構造体として製作された、ことを特徴とするプレキャストコンクリート床版。
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