JP6346745B2 - 鍛造加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、棒状素材に対し、筒部と、筒部に軸方向に沿って設けられる切欠部とを形成する鍛造加工方法に関する。
下記特許文献1には、中実柱状の棒状素材に対し、スリットを有する筒状部品を成形する技術が開示されている。特許文献1の技術は、多段式の圧造成形装置を用いており、棒状素材に対し筒部を成形し、さらにスリットとなる切欠部を成形する際に、複数の成形工程が必要となっている。
実開平7−33430号公報
特許文献1の技術では、筒部及び切欠部を成形する際に、複数の成形工程が必要となっているので、加工作業が煩雑であり加工コストの上昇を招いている。
そこで、本発明は、筒部及び軸方向に沿って形成される切欠部を一つの成形工程で加工できるようにすることを目的としている。
本発明は、鍛造加工用工具を、棒状素材の軸方向端部に押し付けることで、棒状素材に対し、先端筒成形部によって筒部を形成するとともに、突起部によって軸方向に沿って半径方向に貫通する切欠部を前記筒部の形成と同時に形成することを特徴とする。
本発明によれば、鍛造加工用工具を棒状素材の軸方向端部に押し付けるという一つの成形工程によって、筒部及び半径方向に貫通する切欠部を成形することができる。これにより、複数の成形工程を必要とする場合に比較して加工工程を削減でき、加工作業が容易となって加工コストを低減することができる。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係わるパンチの外観図、図1(b)は図1(a)のA矢視図、図1(c)は図1(a)のB−B断面図である。 図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係わる端子部品の外観図、図2(b)は図2(a)のC−C断面図である。 図3(a)は、図2の端子部品の素材であるブランク材を示す外観図、図3(b)は図3(a)のD矢視図である。 図4は、図2の端子部品を鍛造成形する鍛造金型のブランク材がセットされた状態の断面図である。 図5は、図4に対して上型が下降し、上型の押圧スリーブの下端がブランク材の上端に接触した状態を示す動作説明図である。 図6は、図5に対して上型がさら下降し、上型本体が下型本体に接触した状態を示す動作説明図である。 図7は、図6に対して上型がさら下降し、下型本体を押し下げてパンチの先端がブランク材の凹部に入り込んだ状態を示す動作説明図である。 図8は、図7に対して上型が下型本体とともにさら下降し、端子部品が鍛造成形された状態を示す動作説明図である。 図9は、パンチ先端の円錐形状部の傾斜角度に対する、鍛造成形時にパンチが受ける荷重を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
本発明の第1の実施形態では、図1に示す鍛造加工用工具としてのパンチ1を使用して、図2に示すような鍛造部品である端子部品3を鍛造加工する。ここでの端子部品3は、例えば電気自動車に搭載されるバッテリを充填する充電装置の端子に使用される。パンチ1は、棒状部分としての軸部5の外周部に、軸部5の軸方向に沿って延在する突起部としての羽根部7を備えている。羽根部7は、軸部5の周方向に沿って等間隔に複数(ここでは8個)設けている。
軸部5は、小径部5aと、小径部5aよりも直径が大きい大径部5bとを備え、小径部5aに羽根部7を設けている。羽根部7の外周側の端部7aは、大径部5bの外周面と同一面となるように凸状の曲面としている。したがって、羽根部7は、大径部5bと同径の軸部の外周部に、軸方向に延在する凹溝9を設けることで形成されているともいえる。
羽根部7は、全体として軸方向に沿って長い板状であり、大径部5bと反対側の先端側の端部に、図1(a)中で上側の先端側ほど小径部5aの外表面に近づくように傾斜する傾斜部7bを備えている。この傾斜部7bは、表面が平坦面ではなく、鋭利で尖った刃部を構成している。
パンチ1は、軸部5における大径部5bの小径部5aと反対側の端部に、大径部5bよりもさらに直径が大きい基部11を備え、基部11と反対側の先端部には、先細のテーパ形状となる円錐形状部13を設けている。円錐形状部13は、軸方向(図1(a)中で上下方向)と直交する面に対する傾斜角度θを30度〜60度とする傾斜面を構成しており、その先端側の端部に軸方向に直交する平坦面13aを備えている。また、円錐形状部13と羽根部7との間には円柱部15を設けてあり、この円柱部15と円錐形状部13とで先端筒成形部16を構成している。
円柱部15に対して羽根部7側で、かつ羽根部7の軸方向先端部に対応する部分の小径部5aは、円柱部15よりも小径の逃げ部5a1を構成している。つまり、先端筒成形部16における円柱部15の羽根部7側に、円柱部15の外周面よりも径方向内側に位置する逃げ部5a1が設けられている。
また、パンチ1は、軸方向に沿って貫通する貫通孔1aを備え、この貫通孔1aにノックアウトピン17を軸方向に移動可能に挿入配置している。ノックアウトピン17を貫通孔1aに挿入配置した状態では、ノックアウトピン17の平坦な先端面17aは、前述した円錐形状部13の平坦面13aに対応している。すなわち、ノックアウトピン17は、パンチ1の一部を構成している。
パンチ1の周方向に沿って互いに隣接する複数の羽根部7相互間には、前述した凹溝9が形成されており、凹溝9の底部における大径部5b側の端部は、大径部5bに近づくほど軸部5の中心から径方向外側に向けて離れるように傾斜する後端傾斜面9aとなっている。すなわち、複数の羽根部7相互間における軸部5の外周面の先端筒成形部16と反対側の後端部に、先端筒成形部16側が、該先端筒成形部16と軸方向反対側に対して径方向内側となるよう傾斜する後端傾斜面9aが設けられている。後端傾斜面9aの先端筒成形部16と反対側の端縁部は、大径部5bの外周面につながっている。
パンチ1は、図1(a)に示すように、羽根部7の軸方向に延在する側面7cの基端部と軸部5の小径部5aの外周面との間の先端筒成形部16側の端部に斜面75を設けている。斜面75は、先端筒成形部16側に対し大径部5b側が径方向外側となるよう傾斜しており、図1(b)に示すように円柱部15より径方向外側に位置している。この斜面75は、端子部品3の後述する図2(b)に示す端子爪67の内周角部の面取部67bを形成する面取成形部を構成している。面取部67bは、端子爪67相互間のスリット69の側縁の内周側角部に形成されている。
斜面75の大径部5b側の端部は、羽根部7の側面7cの基端部と軸部5の小径部5aの外周面との間に形成される後方傾斜面77につながっている。後方傾斜面77は、斜面75とは逆に、大径部5b側に対し、先端筒成形部16側が径方向外側となるよう傾斜しており、後端傾斜面9aまで連続している。つまり、斜面75と後方傾斜面77とは、側方から見ると山形形状となっている。なお、端子部品3の面取部67bを成形するには、少なくとも斜面75があればよく、後方傾斜面77はなくてもよく、また後方傾斜面77に代えて、後端傾斜面9aまで連続する平坦面を設けてもよい。
このようなパンチ1によって鍛造成形する図2の端子部品3は、図3に示す棒状素材となるブランク材19を用いる。ブランク材19は、軸方向ほぼ中央にフランジ部21を有し、フランジ部21の軸方向一端側に基部23が形成され、フランジ部21の軸方向他端側に被成形部25が形成されている。基部23及び被成形部25の外径は、互いにほぼ同等でありかつフランジ部21の外径より小さい。
基部23には、フランジ部21と反対側の端部にコネクタ嵌合穴23aを設けている。コネクタ嵌合穴23aは、鍛造後の図2の端子部品3となった状態で図示しないコネクタが嵌合接続される。被成形部25は、フランジ部21と反対側の端部に凹部27を備えている。凹部27は、図1に示すパンチ1の円錐形状部13及び円柱部15に対し、それぞれ整合してほぼ同形状の円錐空間27a及び円柱空間27bを備えている。すなわち、パンチ1の円錐形状部13及び円柱部15を有する先端筒成形部16の形状は、ブランク材19の軸方向端部に設けられる凹部27に整合するように該凹部27と同形状である。
ここで、パンチ1の円柱部15の直径(外径)をP、ブランク材19の円柱空間27bの直径(内径)をpとすると、p≧P+0.02mmである。また、パンチ1の円柱部15の軸方向長さをQ、円柱空間27bの軸方向長さをqとすると、p=P≧1.5mmである。なお、p=Pでなくてもよい。このようなブランク材19は、あらかじめフォーマーなどによって図3に示す形状に成形しておく。
図2に示した端子部品3は、図1に示したパンチ1を含む図4に示す鍛造金型29によって鍛造成形する。鍛造金型29は、上記したパンチ1と、パンチ1がセットされる下型31と、下型31に対して図4中で上下方向に接近離反移動可能な上型33と、を備えている。なお、図4は成形前の状態である。下型31は、ベース35の中心部の上に台座37を配置し、台座37上にパンチ支持ブロック39を設けている。パンチ支持ブロック39は、中心部に上下方向に貫通する貫通孔39aを備え、貫通孔39aにパンチ支持台41を収容配置している。
パンチ支持台41は、上端面がパンチ支持ブロック39の上端面よりも低い位置にある。このため、パンチ支持台41の上部に、周囲がパンチ支持ブロック39によって囲まれる凹所43が形成される。この凹所43に、パンチ1の下部を収容配置している。凹所43は貫通孔39aの一部を構成しており、貫通孔39aは、内径がパンチ1の大径部5bの外径より大きく、パンチ1の基部11が嵌合された状態となる。パンチ1は、下端部の基部11及び、大径部5bの軸方向ほぼ半分が凹所43に収容され、残りの先端側がパンチ支持ブロック39から上方に突出した状態となる。
台座37の周囲のベース35上には、例えば周方向等間隔に6個のばね45を配置している。ばね45の上には、環状の型受け部材47を介して下型本体49を配置し、これら型受け部材47及び下型本体49をばね45が弾性支持している。下型本体49は、外周側の下部に切欠49aを形成してあり、この切欠49aに型受け部材47の上部内側の角部を嵌合固定している。
下型本体49の中心部には、パンチ支持ブロック39の貫通孔39aに対応する貫通孔49bを設けている。これら貫通孔39a及び貫通孔49bの中心軸は互いに一致している。下型本体49の貫通孔49bの下部には、パンチ1の羽根部7の一部を含むようにしてパンチ1の先端側を軸方向に移動可能に挿入している。
一方、下型本体49の貫通孔49bの上部には、図3に示したブランク材19を挿入セットしている。ブランク材19は、貫通孔49bに対し被成形部25及びフランジ部21が挿入され、フランジ部21より上部の基部23が下型本体49から上方に突出している。したがって、貫通孔49bは、上端部にパンチ1や被成形部25が挿入される部分よりも大径なフランジ挿入部49b1が形成されている。また、貫通孔49bに挿入されるパンチ1の複数の羽根部7の端部7aを含む円の直径と、ブランク材19の被成形部25の直径(外径)とは互いに同等である。
上型33は、下型本体49に対向する上型本体51が、ベース35とほぼ同形状の上型ベース53の下部中央に取り付けられ、上型ベース53の上部中央には、ノックピンガイド55を取り付けてある。上型ベース53の下部中央には切欠凹部53aが形成され、この切欠凹部53aに上型本体51の上部を嵌合固定している。
上型ベース53及びノックピンガイド55には、これらを上下方向に貫通し、ノックピン57が上下方向に移動可能に挿入されるノックピン挿入孔53b及び55aをそれぞれ設けている。ノックピン57の先端(下端)には膨大部57aが形成され、この膨大部57aが収容可能な凹み部53cが、上型ベース53の下部中央のノックピン挿入孔53bに連続して形成されている。
上型本体51には、上下方向に貫通する貫通孔51aを形成しており、貫通孔51aは、上部側から下部側に向けて内径が徐々に小さくなる、大径孔51a1、中径孔51a2、小径孔51a3をそれぞれ有している。大径孔51a1の上下方向中央よりやや下部側には、円板形状のガイド部材59を固定してある。ガイド部材59には、周方向等間隔に複数の連接ピン挿入孔59aを設けてあり、この連接ピン挿入孔59aに連接ピン61を上下方向に移動可能に挿入してある。連接ピン61の下部は、中径孔51a2の外周側に挿入されている。
一方、小径孔51a3には、押圧スリーブ63を上下方向に移動可能に挿入してある。押圧スリーブ63は、円筒部63aの上端にフランジ部63bを備えており、図4の成形前の状態では、フランジ部63bが中径孔51a2の底部に接している。このとき、円筒部63aの下端は、下型本体49の下端から下方に僅かに突出している。また、フランジ部63bの上面には連接ピン61の下端が接触している。なお、押圧スリーブ63の円筒部63aの外径は、ブランク材19の基部23の外径と同等である。連接ピン61は、ノックピン57と押圧スリーブ63との間に配置されており、ノックピン57は、図示しない油圧や空圧機構によって下方に押し付けることができるように構成されている。
また、円筒形状の押圧スリーブ63内には、押圧ピン65を上下方向に相対移動可能に挿入してある。押圧ピン65は、図6〜図8に示すように、成形時にブランク材19のコネクタ嵌合穴23aに下端が挿入されて、ブランク材19を下方に押さえ付けるもので、上端をガイド部材59の下面に取り付けてある。この状態で、押圧ピン65は、連接ピン61の内側に位置している。
次に、図1のパンチ1を含む鍛造金型29を使用して、図3のブランク材19に対して鍛造加工を行う作業について説明する。
まず、図4に示すように、ブランク材19を下型本体49の貫通孔49bの上部にセットする。このとき、ブランク材19は、基部23が上部に位置し、被成形部25が下部に位置しており、上部に位置する基部23が下型本体49から上方に突出している。また、フランジ部21が貫通孔49bのフランジ挿入部49b1に挿入されて下方への移動が規制されている。
そして、図4の状態から上型33を下降させると、図5に示すように押圧スリーブ63の先端(下端)がブランク材19の基部23の上端に接触する。さらに、上型33を下降させると、押圧スリーブ63がブランク材19に押されて上昇し、押圧ピン65の先端(下端)がブランク材19のコネクタ嵌合穴23aに挿入されて、図6の状態となる。押圧スリーブ63が上昇する際には、連接ピン61及びノックピン57も一緒に上昇する。このとき、前述した図示しない油圧や空圧機構はノックピン57を押圧しておらず、ノックピン57は上昇可能な状態となっている。
図6の状態では、押圧スリーブ63は、フランジ部63bが中径孔51a2の上端に位置し、連接ピン61はその全体が大径孔51a1内に位置している。また、ノックピン57の先端(下端)の膨大部57aは、その一部が上型ベース53の凹み部53cに入り込んでいる。
また、図6の状態で上型本体51は、その下端が下型本体49の上面に接触している。この状態から、上型33をさらに下降させると、下型本体49が上型本体51に押され、型受け部材47と共にばね45に抗して下降する。その際、図7、図8に示すように、パンチ1が下型本体49の貫通孔49bに入り込み、ブランク材19を下方から上方に向けて押し付けて鍛造加工がなされる。
鍛造加工の際には、押圧ピン65がブランク材19のコネクタ嵌合穴23aに下端が挿入されて押し付けるとともに、押圧スリーブ63の下端がブランク材19の基部23の上端を押し付けている。これらの押し付け動作は、前述したノックピン57を下方に向けて押圧可能な図示しない油圧や空圧機構によってなされる。このとき、パンチ1が、図6のブランク材19に対して相対的に上昇することで、図7に示すように、先端筒成形部16がブランク材19の被成形部25における凹部27に入り込む。
図7の状態から、上型33を下型本体49と共にさらに下降させ、パンチ1が下型本体49の貫通孔49bにさらに入り込むと、パンチ1の先端が凹部27に押し込まれる。その押し込まれた分ブランク材19の材料は、下型本体49とパンチ1との間の凹溝9に沿って流れ、凹溝9に流れ込んだ材料が図2に示した端子部品3の端子爪67となる。また、周方向に互いに隣接する端子爪67相互間には、パンチ1の羽根部7によって、軸方向に沿って延びるスリット69が形成される。このとき、羽根部7の外周側の凸状の円弧面となっている端部7aは、下型本体49の貫通孔49bの内面にほぼ接触した状態となる。
このような鍛造成形時には、円錐形状部13及び円柱部15がブランク材19の被成形部25内に入り込んで、図2に示す円筒部71を形成するとともに、複数の羽根部7が軸方向に沿って延びるスリット69を複数形成する。複数のスリット69の周方向相互間には端子爪67が円筒部71に対して軸方向に連続するようにして形成される。このとき、円筒部71のフランジ部21側には、円錐形状部13によって円錐形状の底部73が形成される。また、図1(a),(b)に示すパンチ1の斜面75によって、図2(b)に示すように、端子爪67の内周側角部に面取部67bが成形される。ここで、円筒部71は筒部を構成し、スリット69は切欠部を構成している。
パンチ1の羽根部7がスリット69を形成する際には、先端が鋭利な傾斜部7bがブランク材19の端部に喰い込みやすく、スリット69を効率よく形成することができる。パンチ1が成形完了時(図8)に対応する前進限に達すると、凹溝9の基部11側の端部に形成してある後端傾斜面9aが、端子部品3の互いに隣接するスリット69相互間の端子爪67の端部に対応する面取端部67aを形成する。面取端部67aは、外周端部が内周端部よりも円筒部71に対して軸方向に離れる側に位置するように傾斜している。
図8のようにして上型33が下降限に達して端子部品3が鍛造成形された後は、上型33が上昇する。このとき、ノックピン57に対する油圧や空圧機構による押圧力を弱めるかあるいは解除しており、ノックピン57の下方への移動によって、押圧スリーブ63は連接ピン61と共に上型本体51に対し相対的に下降して図4の位置に戻る。
上型33の上昇に伴って、下型本体49も型受け部材47と共にばね45に押されて上昇し、図4、5の位置に戻る。これに伴って、パンチ1の貫通孔1aに挿入されているノックアウトピン17が貫通孔1aに対して上昇することで、端子部品3を上型本体51から押し出すようにして取り出す。なお、ノックアウトピン17は、下型31の台座37及びパンチ支持台41内に収容してある図示しないノックアウトピン駆動機構によって上昇する。
このように、本実施形態では、パンチ1をブランク材19の軸方向端部の凹部27に入り込ませて押し付けることで、端子部品3における円筒部71及びスリット69を一つの成形工程によって加工することができる。これにより、スリット69を後加工する場合に比較して成形加工工程を削減でき、加工作業が容易となって加工コストを低減することができる。
また、本実施形態では、ブランク材19の軸方向端部に凹部27が設けられ、この凹部27の形状と先端形状を同等としたパンチ1の先端筒成形部16を、凹部27に入り込ませて押し付けるようにしている。これにより、成形時におけるパンチ1とブランク材19との軸芯が一致しやすくなってパンチ1とブランク材19との間の偏心を抑制でき、鍛造成形時の材料の流れが全体としてより均一化し、高品質な端子部品3が得られる。
また、本実施形態では、パンチ1の先端筒成形部16の先端面を、外周部が中心部に対して羽根部7側となるよう傾斜する傾斜面とし、この傾斜面を備える先端筒成形部16を、ブランク材19の凹部27に入り込ませて押し付けるようにしている。これにより、鍛造成形時の材料の流れがより円滑化し、かつ成形荷重をより低減する。
また、本実施形態では、図1に示すように、パンチ1の先端筒成形部16の羽根部7側に、先端筒成形部16の外周面よりも径方向内側に位置する逃げ部5a1が設けられている。鍛造成形時には、円柱部15がブランク材19に接触することになるが、円柱部15の円錐形状部13と反対の後端側は、逃げ部5a1によってブランク材19に接触しにくい部位が形成される。このため、パンチ1は鍛造成形時でのブランク材19との接触面積がより少なくなって、成形荷重を低減することができる。
ここで、パンチ1の円錐形状部13は、軸方向と直交する面に対する傾斜角度θを30度〜60度としている。図9は、傾斜角度θと、鍛造成形時にパンチ1が受ける荷重N(ton)との関係を示している。これによれば、傾斜角度θが、5度のように先端の傾斜面の傾斜が緩いほうが、45度のように先端の傾斜面の傾斜が急峻な場合よりも、荷重Nが高くなる。
傾斜角度θが30度を下回ると、成形荷重がより大きくなり、鍛造成形時の材料の流れが全体として均一になりにくく、端子部品3における複数のスリット69(端子爪67)相互間で軸方向の長さにばらつきが生じる。一方、傾斜角度θが60度を上回ると、パンチ1の先端形状がより尖った形状となるのでパンチ1の耐久性が低下する。したがって、パンチ1の円錐形状部13の傾斜角度θを30度〜60度とすることで、複数のスリット69(端子爪67)の長さを均一化して高精度な端子部品3を鍛造成形でき、かつパンチ1の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態では、パンチ1は、羽根部7が周方向に沿って複数設けられ、複数の羽根部7相互間における軸部5の外周面の先端筒成形部16と反対側の後端部に、先端筒成形部16側が、先端筒成形部16と軸方向反対側に対して径方向内側となるよう傾斜する後端傾斜面9aが設けられている。
そして、この後端傾斜面9aによって、端子部品3の端子爪67の先端に面取端部67aが形成される。面取端部67aは、複数の端子爪67の内側空間に図示しないピン形状の相手部品が差し込まれる際のガイドとなって、組み付け作業性が向上する。その際、本実施形態では、面取端部67aを端子部品3の鍛造成形時に形成しているので、後加工する場合に比較して、作業工程を削減できる。
ところで、端子部品3は、素材が導電性を有する銅であり、複数の端子爪67に囲まれた内側空間に、図示しないピン形状の相手部品の抜き差しが繰り返しなされると、端子爪67の内周面が摺動により摩耗が進む。そのため、端子部品3は、摩耗を抑えるために表面処理として硬度の比較的高いニッケルメッキを施している。
しかし、ニッケルメッキを施した場合には、端子爪67の内側角部に面取部67bを形成していないと、端子爪67の内側角部のニッケルメッキが剥がれる恐れがある。ところが、本実施形態のように、端子爪67の内側角部に面取部67bを形成することで、端子部品3に対し、ピン形状の相手部品の抜き差しが繰り返しなされても、ニッケルメッキが剥がれにくくなり、ニッケルメッキの耐久性が向上する。その結果、ニッケルメッキの皮膜厚さをより薄くでき、コスト低下に寄与することができる。このような面取部67bは、機械加工では、端子爪67の特に奥側の狭い領域での加工が困難であり、本実施形態のように鍛造加工により行うことで容易に形成できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は本発明の理解を容易にするために記載された単なる例示に過ぎず、本発明は当該実施形態に限定されるものではない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態で開示した具体的な技術事項に限らず、そこから容易に導きうる様々な変形、変更、代替技術なども含む。
例えば、上記した実施形態では、端子部品3が、電気自動車に搭載されるバッテリを充填する充電装置に使用される場合を説明したが、他の電気部品の端子に使用される場合であっても構わない。また、電気部品の端子に限らず、筒部及び軸方向に沿って形成される切欠部を備える部品であれば、本発明を適用できる。
また、上記した実施形態では、パンチ1の羽根部7を周方向に8個設けた例を示したが、8個に限ることはなく、8個以外の複数、あるいは1個でもよい。したがって、端子部品3のスリット69も羽根部7に対応して8個以外の複数、あるいは1個の場合がある。また、端子部品3は軸方向に直交する断面の外周側の形状を全体として円形として説明しているが、円形に限らず楕円形や多角形でもよい。これに対応してパンチ1の形状も、軸方向に直交する断面の外周側の形状が全体として円形に限らず楕円形や多角形でもよい。
さらに、図1(a)に示すパンチ1の先端は、平坦面13aとなっているが、平坦面13aとせずに、尖った形状としてもよい。この場合には、図3(a)に示すブランク材の凹部27の円錐空間27aの形状も、尖った形状のパンチ1に合わせる。
1 パンチ(鍛造加工用工具)
3 端子部品(鍛造部品)
5 パンチの軸部(棒状部分)
5a1 パンチの逃げ部
7 パンチの羽根部(突起部)
7c 羽根部の側面(突起部の側面)
9a パンチの後端傾斜面
13 先端筒成形部の円錐形状部(傾斜面)
16 パンチの先端筒成形部
19 ブランク材(棒状素材)
27 ブランク材の凹部
67b 端子部品の面取部
69 端子部品のスリット(切欠部)
71 端子部品の円筒部(筒部)
75 パンチの斜面(面取成形部)

Claims (3)

  1. 先端側に設けられて棒状素材に対して筒部を形成する先端筒成形部と、該先端筒成形部に対して軸方向に連続するように軸方向に沿って延在する突起部と、を備える鍛造加工用工具を、
    前記棒状素材の軸方向端部に押し付けることで、前記棒状素材に対し、前記先端筒成形部によって前記筒部を形成するとともに、前記突起部によって軸方向に沿って半径方向に貫通する切欠部を前記筒部の形成と同時に形成することを特徴とする鍛造加工方法。
  2. 前記棒状素材の軸方向端部に凹部が設けられ、この凹部の形状と先端形状を同等とした前記鍛造加工用工具の先端筒成形部を、前記凹部に入り込ませて押し付けることを特徴とする請求項1に記載の鍛造加工方法。
  3. 前記鍛造加工用工具の先端筒成形部の先端面を、外周部が中心部に対して前記突起部側となるよう傾斜する傾斜面とし、この傾斜面を備える先端筒成形部を、前記棒状素材の軸方向端部に押し付けることを特徴とする請求項1または2に記載の鍛造加工方法。
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