JP6342682B2 - 包装ケース - Google Patents
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Description
この開口操作の際、各凹凸部101c,102c及び101d,102dは、一つずつ個別に分離するのではなく、例えば一つの凹凸部101c,102cを分離させようとしてケース本体101とカバー体102間を開くと、重なり合ったシート面101a,102a同士が徐々に離れるのに従って、シート面101a,102aの周辺に配置された各凹凸部101c,102c及び101d,102dの嵌合が徐々に浅くなり、結局、前記一つの凹凸部101c,102cが分離するのと同時に他の各凹凸部101c,102c及び101d,102dが分離して、ケース内部が一気に開放するようになっている。
つまり、ケースを開口するには、嵌合した全ての凹凸部101c,102c及び101d,102dを一斉に分離させるだけの力をケース本体101とカバー体102との間に加える必要があり、しかも全ての凹凸部が同時に分離してケース内部が一気に開放されるため、開放時に収納されていた物品が包装ケース100から飛び出てしまったり、複数個の物品を収納していたときには包装ケース100の周辺にバラバラに飛散してしまったりすることがあった。
また、陳列棚に吊り下げられていた包装ケース100が床面に落下するなど、展示や保管、輸送中に包装ケース100に大きな衝撃が加わると、嵌合していた各凹凸部101c,102c及び101d,102dが一気に分離してケースが開き、物品が包装ケース100から抜け落ちて表面に傷が付いたり破損したりすることがある。そのため、衝撃を受けても包装ケース100が開かないように、ケース本体101とカバー体102の重なった部分にラベルや粘着テープなどの封止部材を貼り付けておくことが不可欠であった。
しかし、この包装容器200も前記包装ケース100と同様に、例えば包装容器200の四隅部の内の一つの隅部から、或いは四側辺の内の一の側辺に沿って容器を開口するべく、容器本体201を片手で支えながら、蓋体202の前記隅部又は側辺部の縁部を摘んで上方へ引き上げると、蓋体202の各辺の嵌合部202が容器本体201の各辺の被嵌合部201から分離して、容器内部が一気に開放する構成のものである。
この包装容器200では、前記蓋体202が容器本体201に強固に取り付けられていることと相俟って、容器を開ける際に極めて大きな力を必要とし、容器が一気に開口するときの衝撃で容器本体201が傾くなどして、収納された食品を容器の外にこぼれ落としてしまう危険が高く、また、テーブルから床上に包装容器200が落下するなどして大きな衝撃が加わると、蓋体202が容器本体201から取り外れてしまうことがあった。
ケース本体の堤部上にカバー体の堤部を重ねてケース本体にカバー体が被さり、且つ両体の薄板平面部が上下に重なり合い、当該重なり合った薄板平面部内の前記物品収納部に物品が収納される包装ケースであって、
前記ケース本体の堤部に、堤部の上部を堤部の上面から堤部の内外側面に亘って下方へ凹ませてなる凹面部が堤部の形成方向に沿って互いに間隔を開けて複数設けられているとともに、各凹面部を挟む位置の堤部の内側面と外側面にはそれぞれ内方へ凹んだ嵌合凹部が各々設けられ、
前記カバー体の堤部に、堤部の上部を堤部の上面から堤部の内外側面に亘って下方へ凹んだ前記ケース本体の凹面部に重合する凹面部が、前記ケース本体に設けられた複数の凹面部に位置対応させての複数設けられているとともに、各凹面部を挟む位置の堤部の内側面と外側面にはそれぞれカバー体の裏面側で内方へ突出した嵌合凸部が各々設けられた構成を有することを特徴とする。
ケース本体にカバー体を取り付けることにより、両体の上下に重なり合った薄板平面部の間に物品が挟まれて収納され、収納した物品を保管や運搬、展示販売に供することができる。
すなわち、ケース本体の堤部上面にカバー体の堤部下面を嵌め込むと、ケース本体の堤部に設けられた各凹面部上にカバー体の堤部に設けられた各凹面部が重ね合わさるとともに、ケース本体の堤部の内外側面に設けられた各嵌合凹部にカバー体の堤部の内外側面に設けられた各嵌合凸部が嵌合し、カバー体の堤部がケース本体の堤部に重なってカバー体がケース本体上に固定される。
このとき、ケース本体の堤部の各嵌合凹部とカバー体の堤部の各嵌合凸部は、それぞれの堤部の各凹面部を挟む凹面部の両側の位置に設けられているので、ケース本体の凹面部にカバー体の凹面部が重なることで各嵌合凹部に各嵌合凸部がそのまま嵌合し、嵌合位置がずれるようなことはない。また、ケース本体とカバー体の両堤部は、それぞれ両体の周辺を囲うようにして設けられているので、ケース本体の堤部にカバー体の堤部を重ねて嵌めた状態で、カバー体の位置がケース本体上でずれるようなことはなく、両体の薄板平面部内に挟んだ物品を収納位置に確実に固定し保持しておくことができる。
従って、例えばケース本体にカバー体を取り付けて物品を収納した包装ケースが展示棚などから床面に落下するなどして、包装ケースに衝撃や外部からの力が加わったとしても、ケース本体及びカバー体が適宜に撓んで衝撃や外力を吸収し、ケース本体からカバー体が取りは外れることを効果的に防止することができる。
耐衝撃性に優れるため、包装した物品を保管したり運搬したりする際に大きな衝撃が加わっても、ケース本体からカバー体は分離し難く、開いたケースから物品が飛び出ることにより傷や破損が生ずる事態の発生の軽減を図ることが可能である。また、衝撃や外力が加わってもケース本体とカバー体が分離し難いので、カバー体をケース本体に取り付けた状態で、カバー体をケース本体上に留め付けておくためのラベルなどの封止部材は不要である。
この際、前記の通り、ケース本体とカバー体は、それぞれの堤部に沿って設けられた複数の嵌合凸部と嵌合凹部が互いに嵌合して接続しており、しかも、ケース本体及びカバー体は各凹面部の部分で屈曲乃至湾曲可能に形成されているので、ケース本体とカバー体の縁部をそれぞれ摘んでカバー体をケース本体から離れるように引っ張ると、重なり合ったカバー体とケース本体はそれぞれ引っ張った向きに撓みながら両体の薄板平面部間の隙間が広がり、これに伴い互い嵌合していた各嵌合凹凸部が一組毎に独立して分離し、恰も接続していた面状テープを引き剥がす如く或いは閉じ合せたジッパーを開くが如く、カバー体は引っ張る方向に沿ってその全体をケース本体上で湾曲させながら徐々にケース本体から捲れ上がり、全ての嵌合凹凸部が分離することでカバー体がケース本体から取り外れる(後述の図9参照)。
従って、従来の包装ケースの如く、カバー体をケース本体から外れる方向に力を加えたるとカバー体が一気に取り外れるようなことはなく、また、カバー体とケース本体を引っ張る際に独立した各嵌合凹凸部を一組ずつ分離させるだけの力を加えればよいので、包装ケースを開ける操作が極めて簡単でスムーズに行え、開口操作の際にケースに衝撃が加わることもない。
また、複数個の物品を収納していた場合、カバー体を半分だけケース本体から捲り上げて、収納されていた物品の一つだけを取り出すことも可能である。
また、ケース本体とカバー体が無理なく湾曲乃至屈曲するように、堤部に設ける凹面部は、堤部の形成方向に沿って堤部の上面が下向きに湾曲した湾曲凹部とすることが好ましい。
厚みのある物品を収納する場合、ケース本体とカバー体の平坦な薄板平面部内に、包装される物品の外形状に沿って薄板平面部を表面側又は裏面側へ膨出させてなる物品収納部を形成し、物品収納部内に置いた物品をケース本体とカバー体の薄板平面部内に挟んで収納することができる。
また、ケース本体とカバー体の薄板平面部内にケース吊り下げフックを通すための通孔を形成することで、包装された物品を陳列棚のフックに吊下げて展示するができる。
なお、ケース本体とカバー体の堤部に設ける凹面部と嵌合凹部及び嵌合凸部の位置や個数、配置の周期などは、収納する物品の重さや厚み、形状などに応じて設計される包装ケースの成形寸法、成形材料、成形条件、或いはケースデザインなどに応じて適宜に選定可能である。ケース本体及びカバー体の周辺の長さに対して凹面部や嵌合凹凸部の数や周期を変えることで、嵌合性能やデザイン性能を適宜に調整することができる。
図1及び図2は本発明の一実施形態の包装ケースの外観斜視図と平面図、図3は包装ケースを構成するケース本体とカバー体の外観斜視図であり、図示されるように、本形態の包装ケース1は、シート状のPETを真空成形により成形した平面視矩形状を呈するケース本体2とカバー体3からなり、両体2,3はその平坦な薄板平面部21,31内に包装される物品(図示せず)の収納凹所である物品収納部22,32を備え、ケース本体2の上にカバー体3を重ねてケース本体2にカバー体3を被せることにより、両体2,3の重なり合った薄板平面部21,31で物品収納部22,32を閉鎖し、物品を薄板平面部21,31間に挟んで包装する構成のものである。
堤部23は、薄板平面部21の縁部を断面略下向きコ字状に屈曲し、且つその端部に薄板平面部21と平行に外方へ突出した鍔部24を連ねた形状をなし、薄板平面部21の周囲を囲うように、ケース本体2の四隅コーナー部を含む四側辺に沿って一続きに連続させて設けてある。
また、図2及び図3に示されるように、ケース本体2の四側辺に沿って形成された堤部23の内、対向する長手両辺に配置された堤部23には当該堤部23の形成方向に沿って一定の間隔を開けて8個の凹面部25を、また、対向する短手両辺に配置された堤部23には同じく当該堤部23の形成方向に沿って一定の間隔を開けて5個の凹面部25を各々設けてある。
各凹面部25は、図4及び図5に示されるように、堤部23の形成方向に沿って堤部23の上面23aが下向きに湾曲した湾曲凹部であり、ケース本体2の長手両辺と短手両辺にそれぞれ設けた凹面部25は、それぞれの対向する辺に対してケース本体2の中央を中心として点対称となる配置に設けてある。
また、図5及び図6に示されるように、堤部23の凹面部25が形成されていない部分の内側面23bと外側面23cであって、各凹面部25を挟む位置の内外側面23b,23cには、各々内方へ凹んだ(裏面側で内方へ突出した)嵌合凹部26,26を設けてある。
すなわち、カバー体3は、その平坦な薄板平面部31内に、物品の外形状に沿って薄板平面部31を表面側へ膨出させてなる物品収納部32を設け、薄板平面部31の周辺には、薄板平面部31の端部を当該薄板平面部31よりも高く屈曲させて立ち上げた堤部33を設けて形成してある。
堤部33は、薄板平面部31の縁部を断面略下向きコ字状に屈曲し、且つその端部に薄板平面部31と平行に外方へ突出した鍔部34を連ねた形状をなすとともに、ケース本体2の堤部23にその上面から嵌めて略ぴったりと重なるように、ケース本体2の堤部23に位置対応させて、カバー体3の四隅コーナー部を含む四側辺に沿って一続きに連続させて設けてある。
また、堤部33には、ケース本体2の凹面部25の上面に重なる湾曲凹部である凹面部35を、ケース本体2の長手両辺と短手両辺の堤部23に各々設けられた各凹面部25と位置対応させて、堤部33の形成方向に沿って一定の間隔を開けて複数設けてある。
さらに、図5及び図6に示されるように、堤部33の凹面部35が形成されていない部分の内側面33bと外側面33cであって、各凹面部35を挟む位置の内外側面33b,33cには、各々カバー体3の裏面側で内方へ突出した嵌合凸部36,36を設けてある。各嵌合凸部36,36は、カバー体3の堤部33をケース本体2の堤部23に重ねたときに、ケース本体2の各嵌合凹部23b,23cに嵌合する位置に設けてある(図7参照)。
また、物品を収納した包装ケース1を陳列棚に吊下げて展示できるように、ケース本体2の薄板平面部21とカバー体3の薄板平面部31には、ケース吊り下げフックを通すための通孔27、37を形成してある。
カバー体3の取り付けは、カバー体3をケース本体2側へ押し込むという簡単な操作で行うことができる。カバー体3を取り付けることで、ケース本体2とカバー体3の重なり合った薄板平面部21,31により物品収納部22,32が密閉され、物品を収納位置に確実に固定し保持される。運搬中にカバー体3や物品がずれるようなことはない。
従って、包装ケース1に衝撃や外部からの力が加わったとしても、ケース本体2及びカバー体3が適宜に撓んで衝撃や外力を吸収することが可能であり、大きな衝撃が加わってもケース本体2からカバー体3が取り外れ難く、運搬中などにケース本体2からカバー体3が分離して物品が飛び出てしまい、傷や破損が生ずる事態の発生の軽減を図ることが可能である。
この開口操作の際、従来の包装ケースの如く、カバー体がケース本体からー体が一気に取り外れるようなことはなく、また、カバー体3とケース本体2を引っ張る際に独立した各嵌合凹凸部26,36を一組ずつ分離させるだけの小さな力を加えればよく、包装ケース1に大きな衝撃を加えることなく、簡易な操作でスムーズに開口させることが可能である。
また、図示した包装ケース1のように、ケース本体2とカバー体3に複数の物品収納部22,32を設けて各々に物品が収納されている場合に、カバー体3を各収納部22,32から物品を取り出せる位置までケース本体2から捲り上げれば、カバー体3全体をケース本体2から外さなくとも、その収納部22,32に収納されていた物品のみを取り出すことが可能である。つまり、複数の収納部22,32の一部のみを開口し、他は密閉した状態のままで、収納された一部の物品のみを取り出すことが可能である。
Claims (5)
- 物品収納部の周囲が平坦な薄板平面部(21,31)で囲われ、この薄板平面部(21,31)の周囲に、薄板平面部(21,31)の縁部で断面略下向きコ字状乃至U字状に屈曲していて端部に外方へ突出した鍔部(24,34)を設けてなる堤部(23,33)を、薄板平面部(21,31)の周辺に沿って連続的又は断続的に連ねて形成されたケース本体(2)及びカバー体(3)からなり、
ケース本体(2)の堤部(23)上にカバー体(3)の堤部(33)を重ねてケース本体(2)にカバー体(3)が被さり、且つ両体の薄板平面部(21,31)が上下に重なり合い、当該重なり合った薄板平面部(21,31)内の前記物品収納部に物品が収納される包装ケース(1)であって、
前記ケース本体(2)の堤部(23)に、堤部(23)の上部を堤部(23)の上面(23a)から堤部の内外側面(23b,23c)に亘って下方へ凹ませてなる凹面部(25)が堤部(23)の形成方向に沿って互いに間隔を開けて複数設けられているとともに、各凹面部(25)を挟む位置の堤部の内側面(23b)と外側面(23c)にはそれぞれ内方へ凹んだ嵌合凹部(26,26)が各々設けられ、
前記カバー体(3)の堤部(33)に、堤部(33)の上部を堤部(33)の上面(33a)から堤部(33)の内外側面(33b,33c)に亘って下方へ凹んだ前記ケース本体(2)の凹面部(25)に重合する凹面部(35)が、前記ケース本体(2)に設けられた複数の凹面部(25)に位置対応させて複数設けられているとともに、各凹面部(35)を挟む位置の堤部(33)の内側面(33b)と外側面(33c)にはそれぞれカバー体(3)の裏面側で内方へ突出した嵌合凸部(36,36)が各々設けられた構成を有することを特徴とする包装ケース(1)。 - ケース本体(2)とカバー体(3)の堤部(23,33)に設けられた凹面部(25,35)は、堤部(23,33)の形成方向に沿って堤部(23,33)の上面(23a,33a)が下向きに湾曲した湾曲凹部であることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース(1)。
- ケース本体(2)とカバー体(3)の平坦な薄板平面部(21,31)内に、包装される物品の外形状に沿って薄板平面部(21,31)を表面側又は裏面側へ膨出せてなる物品収納部(22,32)が形成された構成を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の包装ケース(1)。
- ケース本体(2)とカバー体(3)の薄板平面部(21,31)内に、ケース吊り下げフックを通すための通孔(27,37)が形成された構成を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の包装ケース(1)。
- ケース本体(2)とカバー体(3)が平面視方形状に形成された構成を有する請求項1〜4の何れかに記載の包装ケース。
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