JP6341197B2 - 薬剤調剤システム - Google Patents

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Description

薬剤の調剤業務を全般の効率化を図れる薬剤調剤システムの提供を目的とした。
従来、下記特許文献2に開示されている薬剤供給装置や、下記特許文献1に開示されているような薬箱払出装置が、患者等への調剤を行うための薬剤調剤システムを構成するものとして、外来薬局等において導入されている。特許文献2に開示されている薬剤供給装置は、上位制御装置から出力された処方データに基づき、薬剤を一錠ずつ払い出すことが可能とされている。また、特許文献1に開示されている薬箱払出装置は、薬剤を一錠ずつ払い出すのではなく、複数の薬剤が収容された箱(薬箱)単位で払い出しを行う装置である。薬箱払出装置は、例えばHIS(Hospital Information System)と称されるような上位制御装置から指示される処方に基づき、処方に応じて薬箱を払い出し可能とされている。
特開2012−085892号公報 特開2007−75178号公報
上述した薬箱払出装置を採用した場合においても、薬箱払出装置に準備されていない在庫対象外である薬箱を処方すべき場合が想定される。このような場合を想定し、薬剤師等が必要に応じて取り揃え可能なように薬箱を準備しておくための薬品棚が別途設けられることがある。また、薬箱の払い出し効率を向上させる等の目的で、薬箱払出装置を複数台設置して使用されることもある。
ここで、上述した薬品棚から薬箱を取り揃える作業は、手間を要するばかりか、薬箱の取り間違え等が生じる可能性が高まる。そのため、薬箱払出装置を採用した薬剤調剤システムを導入する場合においては、いかに薬箱を取り揃える作業を少なくし、調剤に要する手間及び調剤ミスを抑制するかが課題とされている。
そこで、本発明は、薬剤払出装置を採用しつつ、薬箱の取り揃え作業等の調剤に要する手間、及び調剤ミスを回避可能な薬剤調剤システムの提供を目的とした。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤調剤システムは、払い出し用の薬剤を予め準備しておき、上位制御装置側から出力された処方データに則って薬剤を払い出し可能な薬剤払出装置を複数台接続可能であり、当該薬剤払出装置から払い出された薬剤を集めることにより患者に処方すべき薬剤を調剤する薬剤調剤システムであって、各薬剤払出装置において在庫されている薬剤の種類が、前記上位制御装置側において把握されており、処方すべき薬剤の種類と前記薬剤払出装置に在庫されている薬剤種類の合致率に基づいて、当該処方に係る薬剤を払い出すための薬剤払出装置選択されることを特徴とするものである。
本発明の薬剤調剤システムでは、上位制御装置側(上位制御装置、あるいは上位制御装置と薬剤払出装置とを連携する中間装置や中間テーブル)において、複数設けられた薬剤払出装置のそれぞれにおいて在庫されている薬剤の種類が把握されている。また、複数の薬剤払出装置のうち処方すべき薬剤の種類と在庫されている薬剤の種類との合致率が最も高い薬剤払出装置が、調剤しようとしている処方に係る薬剤を払い出すための薬剤払出装置として優先的に選択される。これにより、薬剤払出装置を採用した薬剤調剤システムにおいて、薬剤払出装置による払い出しでは不足する分の薬剤を取り揃える作業等の調剤に要する手間を最小限に抑制しつつ、調剤ミスを抑制することができる。
また、本発明の薬剤調剤システムは、払い出し用の薬剤を予め準備しておき、上位制御装置側から出力された処方データに則って薬剤を払い出し可能な薬剤払出装置を複数台接続可能であり、当該薬剤払出装置から払い出された薬剤を集めることにより患者に処方すべき薬剤を調剤する薬剤調剤システムであって、前記複数の薬剤払出装置の稼働率に基づき、前記上位制御装置側において調剤用の薬剤払出装置が選択されることを特徴とするものである。
本発明の薬剤調剤システムは、上位制御装置側において複数設けられた薬剤払出装置のそれぞれについての稼働率が把握されており、稼働率に基づいて調剤用に用いる薬剤払出装置の選択がなされる。これにより、稼働率が高くて調剤用の薬剤を準備するために相応の時間が必要となると想定される薬剤払出装置ではなく、稼働率が低くて迅速に薬剤を準備可能な薬剤払出装置を逐次選択して当該処方の調剤用として採用するといった運用が可能となる。また、稼働率が高い薬剤払出装置は、薬剤の在庫数が少なくなっている可能性が高い。そのため、稼働率が低い他の薬剤払出装置を用いて調剤用の薬剤を払い出させるように運用することにより、薬箱を取り揃える作業に要する手間を最小限に抑制し、調剤ミスを回避することが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、各薬剤払出装置に準備されている薬剤の種類及び在庫数が、前記上位制御装置側において把握されており、調剤すべき薬剤についての、処方すべき薬剤の種類と在庫されている薬剤種類の合致率が同一であることを条件として、稼働率に基づく薬剤払出装置の選択がなされるものであることが好ましい。
かかる構成とすることにより、各薬剤払出装置における薬剤の種類についての合致率に起因する薬箱を取り揃える作業等の手間を最小限に抑制しつつ、各薬剤払出装置の稼働率を考慮して調剤に要するスピードを向上させることが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、薬剤を必要に応じて取り出されるべく準備可能な薬品棚が、前記薬剤払出装置とは別に設けられており、処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口を有し、前記受渡窓口が、前記薬剤払出装置による払い出しのみで処方された薬剤の全てを集めることが可能な処方に係る薬剤の受渡を行う完結処方用受渡窓口と、前記薬剤払出装置により払い出された薬剤に対して前記薬品棚から別途集めた薬剤を加えることで受け渡すべき薬剤を集めることが可能な処方に係る薬剤の受渡を行う非完結処方用受渡窓口とを有することを特徴とするものであっても良い。
本発明の薬剤調剤システムでは、完結処方用受渡窓口と非完結処方用受渡窓口とが別々に設けられている。これにより、薬剤払出装置による払い出しのみで完結する処方と、薬剤払出装置による払い出しでは完結せずに薬品棚から別途集めた薬剤を加える必要がある処方とを区別して受け渡すことが可能となり、薬剤払出装置と作業者との共同連携作業をスムーズに遂行させることが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、薬剤を必要に応じて取り出されるべく準備可能な薬品棚が、前記薬剤払出装置とは別に設けられており、処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、薬剤を前記受渡窓口に搬送する搬送装置とを有し、前記薬剤払出装置による払い出しのみで処方された薬剤の全てを集めることが可能な場合には、前記薬剤払出装置から前記受渡窓口に向かう搬送経路で前記搬送装置によって薬剤が搬送され、前記薬剤払出装置により払い出された薬剤に対して前記薬品棚から別途集めた薬剤を加えることで処方された薬剤を集めることが可能な場合には、前記薬品棚が配置された領域を経由して前記受渡窓口に向けて薬剤を搬送する搬送経路で、前記搬送装置によって薬剤が搬送されるものであっても良い。
本発明の薬剤調剤システムでは、薬剤払出装置による払い出しのみで処方された薬剤の全てを集めることが可能な場合には、薬品棚が配置された領域を経由することなく前記薬剤払出装置から前記受渡窓口に向かう搬送経路で薬剤が搬送される。これにより、ピッキングの必要がない場合の調剤を迅速に処理することが可能となる。また、薬剤払出装置により払い出された薬剤に対し、薬品棚から別途集めた薬剤を加えることにより処方された薬剤を集めることが可能な場合には、薬品棚が配置された領域を経由する搬送経路で薬剤が搬送される。このような搬送経路で搬送することにより、ピッキング作業が必要とされる場合についても、ピッキング作業者が薬剤払出装置からる払い出された薬剤やこれを収容したトレイやカゴ等の収容容器を取りに行く必要がなくなり、その分だけ作業効率を向上させうる。
上述した薬剤調剤システムは、薬剤を必要に応じて取り出されるべく準備可能な薬品棚が、前記薬剤払出装置とは別に設けられており、前記薬品棚から集めた薬剤を用いることで受け渡すべき薬剤を集めることができる非完結処方に係る処方データを前記上位制御装置側から取得し、前記処方データを確認可能なように出力する非完結調剤処理部を有し、前記非完結調剤処理部において、前記非完結処方に関する処方データに加えて、前記薬剤払出装置による払い出しのみで処方された薬剤の全てを集めることが可能な完結処方に係る処方データを前記上位制御装置側から必要に応じて取得し、前記処方データを確認可能なように出力可能なものであっても良い。
本発明の薬剤調剤システムでは、非完結処方に係る処方データを上位制御装置側から取得し、処方データを確認可能なように出力する非完結調剤処理部が設けられている。そのため、薬剤師等の作業者が非完結調剤処理部を利用することにより、非完結処方に関する処方データを非完結調剤処理部において確認し、必要な薬剤を取り揃える業務をスムーズに行うことができる。
また、本発明の薬剤調剤システムでは、非完結調剤処理部において、完結処方に関する処方データを必要に応じて取得し、確認することができる。そのため、完結処方による処理が可能な処方についても、薬剤払出装置を利用せずに薬品棚から取り揃えて準備するように処理方法を変更することが可能となる。従って、本発明の薬剤調剤システムによれば、調剤業務の迅速化のために非完結調剤処理部をより一層有効利用することが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、薬剤を必要に応じて取り出されるべく準備可能な薬品棚が、前記薬剤払出装置とは別に設けられており、処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器に、前記収容容器と処方データとの対応関係を特定可能なように関連づけた識別情報を記憶させることが可能な記憶媒体が設けられており、前記薬品棚から集めた薬剤を用いることで受け渡すべき薬剤を集めることができる非完結処方に係る処方データを前記上位制御装置側から取得し、前記薬品棚から準備すべき薬剤の種類及び数量に関する情報を少なくとも記した指示箋を出力可能な指示箋出力端末と、前記記憶媒体との通信により前記識別情報を取得可能な識別情報処理端末とを有し、前記指示箋の出力後に前記識別情報処理端末において前記識別情報が取得されることを条件として、取得された前記識別情報に対応する前記処方データに基づく前記指示箋を、前記指示箋出力端末において発行可能となるものとすることも可能である。
かかる構成とした場合、指示箋を紛失や破損等しても、識別情報処理端末と収容容器に設けられた記憶媒体との通信により収容容器に対応する処方に係る識別情報を認識させ、この処方に対応する指示箋を発行させることができる。そのため、本発明によれば、指示箋を紛失や破損といった事態にもスムーズに対応することが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器に、当該収容容器に付与された識別情報を記憶する記憶媒体が設けられており、前記処方データと、前記識別情報との関連づけがなされるものであっても良い。
本発明の薬剤調剤システムにおいては、収容容器に設けられた記憶媒体に記憶された識別情報と、処方データとが関連づけられているため、混乱を来すことなく薬剤払出装置によって次々と薬剤の払い出しを行うことができる。また、薬剤の払い出しが完了した収容容器が大量に存在している場合であっても、これらの収容容器と患者との関係を取り違えることなく特定し、薬剤を供給することができる。従って、本発明の薬剤調剤システムによれば、調剤業務の迅速性及び安全性を格段に向上させることが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、前記受渡窓口において前記収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚とを有し、前記収容容器貯留棚に、前記記憶媒体とのデータ通信により前記収容容器の識別情報を認識可能な通信手段が設けられているものであっても良い。
本発明の薬剤調剤システムにおいては、調剤済みの収容容器が収容容器貯留棚の任意の場所に配置されたとしても、その位置を特定することが可能となる。これにより、所定の収容容器貯留棚において任意の位置に収容容器を配置可能とする、いわゆるフリーアドレス型の運用が可能となり、調剤業務における利便性及び迅速性が向上する。
また、本発明の薬剤調剤システムにおいては、前記通信手段による通信に基づき、前記収容容器貯留棚に前記収容容器が配置されたことが認識されることを条件として、前記上位制御装置側において調剤完了と認識されるものであっても良い。
かかる構成によれば、受渡窓口に設けられた収容容器貯留棚まで収容容器が到達し、調剤が完了したことを上位制御装置側において確実に認識することができる。そのため、一連の調剤業務を上位制御装置側において正確に把握し、制御することが可能となる。これにより、薬剤の取り揃えが完了した処方と、未完了の処方とを区別して把握し、例えば薬剤払出装置等が故障したとしても、その処方についての調剤のやり直し位置を把握しやすくなる。
ここで、処方に係る薬剤が大量である場合等には、一処方分の薬剤を集めるために複数の収容容器が用いられる場合がある。このような場合であっても、一連の調剤業務の中途において薬剤師等が複数の収容容器に集められていた薬剤を取り纏められてしまうことが想定される。このような取り纏め作業がなされた場合、一処方分に用いられるものとして準備された収容容器の全てが収容容器貯留棚に配置されなければ処方完了とみなさないような運用としてしまうと、上位制御装置側において処方完了と認識できず、調剤業務が滞ってしまう可能性がある。
そこで、上述したようなケースを想定して提供される本発明の薬剤調剤システムは、単一の処方に係る薬剤を集めるために複数の収容容器が用いられる処方である場合に、前記通信手段による通信に基づき、前記収容容器貯留棚に前記複数の収容容器のうちの少なくとも一つが前記収容容器貯留棚に配置されたことが認識されることを条件として、前記上位制御装置側において調剤完了と認識されるものである。
本発明の薬剤調剤システムでは、一処方分の薬剤を集めるために複数の収容容器が割り当てられていたにもかかわらず、一連の調剤業務の中途において薬剤師等によって割り当てられていた収容容器の一部に薬剤を取り纏められてしまうような作業がなされた場合であっても、少なくとも一つの収容容器が収容容器貯留棚に到達したことが認識されることを条件として上位制御装置側において調剤完了と認識される。従って、仮に薬剤師等によって前述したような取り纏め作業がなされた場合であっても、調剤が完了したことを上位制御装置側において認識させ、調剤業務が滞ることを防止できる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、前記受渡窓口において、処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚と、前記上位制御装置側に通信可能に接続されると共に、前記受渡窓口において操作可能とされた窓口端末とを有し、前記窓口端末に、薬剤の受渡対象である患者を特定する患者特定情報が表示され、前記患者特定情報を選択することにより、前記収容容器貯留棚において当該患者に受け渡すべき薬剤が収容された収容容器が配置された位置が報知されることを特徴とするものであっても良い。
かかる構成とすることにより、受渡窓口において調剤済みの薬剤を患者に対して受け渡す受渡作業を間違えることなく、迅速に行うことが可能となる。これにより、受渡窓口における業務の確実性及び業務速度を向上させることができる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記収容容器貯留棚から収容容器が取り除かれると共に、前記窓口端末において当該収容容器に準備された薬剤を患者に受渡た旨の入力がなされることを条件として、前記収容容器の、当該収容容器に付与された識別情報を記憶する記憶媒体に記憶された識別情報が消去可能となるものであっても良い。
本発明の薬剤調剤システムでは、収容容器貯留棚から収容容器が取り除かれること、及び窓口端末において収容容器に準備された薬剤を患者に受渡た旨の入力がなされることの少なくとも2条件が識別情報を消去するための条件とされている。そのため、予期せず識別情報が消去されてしまうことによる調剤業務のトラブルを確実に回避することができる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、前記受渡窓口において、処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚と、薬剤を受け渡す患者を特定する患者特定情報を表示する表示装置とを有し、前記収容容器貯留棚に配置された収容容器に関連づけられた患者に係る患者特定情報が、後に前記受渡窓口において薬剤の受渡を受ける患者の特定用として表示されることを特徴とするものであっても良い。
かかる構成とすることにより、受渡窓口における薬剤の受渡待機中である患者を特定する患者特定情報を表示し、当該患者に予告することが可能となる。
本発明の薬剤調剤システムは、処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、前記受渡窓口において前記収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚と、所定の条件を満足することを条件として、前記収容容器貯留棚に配置されている前記収容容器を移載させることが可能な収容容器滞留棚とが設けられており、前記受渡窓口において受け渡すべき薬剤が、前記収容容器貯留棚から前記収容容器滞留棚に移載されている前記収容容器に係る処方であることを条件として、前記収容容器滞留棚において当該患者に受け渡すべき薬剤が収容された収容容器が配置された位置が報知されるものとすることが可能である。
本発明の薬剤調剤システムにおいては、収容容器滞留棚が設けられており、所定の条件を満足することを条件として収容容器貯留棚に配置されている収容容器を収容容器滞留棚に移載させることが可能とされている。そのため、薬剤の受渡が完了していない収容容器によって収容容器貯留棚が満載になり、利用できない状態になることを抑制できる。また、収容容器滞留棚に移載させた収容容器に収容されている薬剤を受渡窓口において受け渡すべき状況になったとしても、収容容器滞留棚のどこに受け渡すべき薬剤が入った収容容器が存在しているかを報知することができる。そのため、収容容器を収容容器貯留棚から収容容器滞留棚に移載させたとしても、受渡窓口における薬剤の受渡業務に支障が生じることを抑制できる。
また、上述した本発明の薬剤調剤システムは、調剤完了の時点から所定時間が経過することを条件として、前記収容容器貯留棚から前記収容容器滞留棚への前記収容容器の移載条件を満足するものであっても良い。
かかる構成によれば、収容容器貯留棚に準備された収容容器が、調剤完了の時点から長期間に亘って滞留してしまうことを防止できる。これにより、収容容器貯留棚をより一層有効利用することが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記収容容器を前記収容容器貯留棚の所定位置まで移動させる移動装置を有し、前記移動装置の作動に伴い前記収容容器が前記所定位置に到達することを条件として、調剤完了とされるものであっても良い。
かかる構成によれば、収容容器貯留棚における収容容器の滞留時間を正確に把握することが可能となり、長期間に亘って収容容器貯留棚に滞留している収容容器を適切なタイミングで収容容器滞留棚に移載させることが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記薬剤払出装置が、薬剤が収容された薬箱を多数収容し、処方毎に薬箱を収集して払出可能な薬箱収容部を有し、前記薬箱収容部には、通路幅の異なる複数種の薬剤通路が並べて設けられており、各薬剤通路に薬箱を一列に並べて収容し、順次送り出すことが可能であり、上位制御装置側から出力された処方データに則って、調剤すべき薬剤を前記薬箱収容部から払い出し可能なものであることを特徴とするものであっても良い。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、薬剤払出装置において処方に基づいて準備された薬剤を、通常時の払い出し経路とは異なる経路で払い出す緊急払い出しモードにより払い出し可能であることを特徴とするものであっても良い。
かかる構成とすることにより、薬剤払出装置やこの下流側において不具合が発生した場合等に、緊急払い出しモードによる払い出しを実施し、調剤が完全に停滞してしまうことを回避しうる。
また、上述した本発明の薬剤調剤システムは、処方に係る薬剤を前記薬剤払出装置による払い出しのみで準備可能な完結処方、及び処方に係る薬剤を前記薬剤払出装置による払い出しに加えて別途準備すべきである非完結処方について、前記薬剤払出装置において払い出された薬剤を受け入れる収容容器を振り分け可能な収容容器振分装置が設けられていることを特徴とするものであっても良い。
かかる構成によれば、完結処方に係る収容容器と、非完結処方に係る収容容器とを確実かつスムーズに振り分けることができる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記収容容器振分装置が、薬剤払出装置の排出口に臨む位置に収容容器を設置し、当該収容容器への薬剤の投入後に収容容器を下流側に払い出し可能な払出口と、前記払出口を開閉するシャッターとを有し、前記薬剤払出装置から前記収容容器への薬剤の投入時に、前記払出口の開口領域であって前記収容容器の高さよりも上方側の開口領域が、前記シャッターにより閉塞されることを特徴とするものであることが好ましい。
かかる構成とすることにより、収容容器に払い出された薬剤が収容容器の上端よりも上方まで盛り上がるように収容されている場合であっても、払出口からスムーズに排出可能としつつ、収容容器に対する薬剤の払い出し時に払出口から外部に薬剤がこぼれ落ちることを防止できる。
また、上述した本発明の薬剤調剤システムは、完結処方用の隣接する二つの受渡窓口A,B間に配置され、完結処方用の収容容器を前記受渡窓口A,Bの双方から取り出し可能なように保管する収容容器保管装置を有し、前記収容容器保管装置に保管されている収容容器の保管状況を報知する報知手段が設けられており、前記収容容器保管装置から一旦取り出された後に戻された収容容器について、前記報知手段により警告がなされることを特徴とするものであっても良い。
収容容器保管装置から一旦取り出された後に戻された収容容器については、当該処方とは違う薬剤等が混入している可能性がある。本発明の薬剤調剤システムにおいてはかかる可能性を考慮したものであり、収容容器保管装置から一旦取り出された後に戻された収容容器については、前述したような当該処方外の薬剤等が混入している可能性があることを報知することができる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の払い出しを行うサブコンベアとを備えており、前記サブコンベアが薬剤の払い出しを行っている間に、次の処方に係る薬剤を前記メインコンベアによって前記サブコンベア側に集める薬剤集積動作を実施可能であることを特徴とするものであることが好ましい。
本発明の薬剤調剤システムにおいては、メインコンベアとサブコンベアとの連携により、薬剤集積動作を実施可能であることから、薬剤払出装置における薬剤の払い出し速度を高速化することができる。
また、上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記薬剤集積動作の実施時間に応じて、前記薬剤集積動作後に前記サブコンベアへの移載用として前記メインコンベアを作動させる時間を変動させるものであることが望ましい。
かかる構成とすることにより、薬剤集積動作を実施し、薬剤を取り集めた後にサブコンベアに移載する場合におけるメインコンベアの作動時間を最小限に抑制することができる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の払い出しを行うサブコンベアとを備えており、前記メインコンベアから前記サブコンベアへの薬剤の移載後、前記メインコンベアを停止させつつ、前記サブコンベアを薬剤を搭載した状態で往復動させるものであることが望ましい。
かかる構成とすることにより、メインコンベアからサブコンベアに移載された薬剤を、サブコンベア上において分散させ、サブコンベアによる薬剤の搬送能力を最大限活用することが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、処方された薬剤の容積が、薬剤をとりまとめるために準備される収容容器の容積に対して所定の割合を超えることを条件として、複数の収容容器に薬剤が分割して準備されることが望ましい。
かかる構成とすることにより、収容容器に薬剤が過剰に投入されてしまうことを回避することが可能となる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の払い出しを行うサブコンベアとを備えており、処方された薬剤の搬送時に前記サブコンベアの搬送面と接触する面の総面積が、前記サブコンベアの搬送面の面積に対して所定の割合を超えることを条件として、前記サブコンベアによる搬送回数が複数回に設定されるものであってもよい。
かかる構成とすることにより、サブコンベアに薬剤が過剰に搭載されることを回避し、薬剤の搬送及び払い出しの確実性を向上させうる。
上述した本発明の薬剤調剤システムは、前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の収容容器への払い出しを行うサブコンベアとを備えており、一処方分の薬剤を前記コンベア上に配置したと仮定した場合に前記サブコンベアと接触する接触面積の総面積が前記収容容器の大きさを基準として設定される所定の面積上限を超えること、及び一処方分の薬剤の総体積が前記収容容器の大きさを基準として設定される所定の体積上限を超えることのいずれか一方又は双方を満たすことを条件として、前記サブコンベアに対して一度に搭載される薬剤の前記接触面積が前記面積上限を下回る搭載条件、及び前記サブコンベアに対して一度に搭載される薬剤の体積が前記体積上限を下回る搭載条件のいずれか一方又は双方の搭載条件を満足するよう、一処方分の薬剤を複数回に分けて前記サブコンベアに搭載させつつ、前記サブコンベアに薬剤が搭載される毎に前記収容容器への払い出し動作を実施することを特徴とするものであっても良い。
かかる構成とすることにより、収容容器における薬剤の収容能力に対してサブコンベアに搭載可能な薬箱が多い場合であっても、収容容器から薬剤が溢れ出してしまうことを防止できる。すなわち、本発明の薬剤調剤システムにおいては、収容容器の収容能力を考慮しつつ、サブコンベアへの薬箱の搭載動作、及びサブコンベアに搭載された薬剤の収容容器への払い出し動作を複数回に分けて実施することが可能である。そのため、一処方分の薬剤の量が収容容器の収容能力を超える量であったとしても、複数の収容容器に分けて薬剤を準備することができ、収容容器から薬剤が溢れ出してしまうことを防止できる。
本発明によれば、薬剤払出装置を採用しつつ、薬箱を取り揃える作業等の調剤に要する手間、及び調剤ミスを回避可能な薬剤調剤システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る薬剤調剤システムを利用した調剤業務の流れを模式的に示した説明図である。 本発明の一実施形態に係る薬剤調剤システムの構成例を示した説明図である。 図2に示した薬剤調剤システムのシステム構成図である。 図2に示した薬剤調剤システムを構成する薬箱払出装置の一例を示した斜視図である。 図4に示した薬箱払出装置の内部構成を示した側面図である。 トレイの一例を示した斜視図である。 収容容器貯留棚の構成を示した説明図である。 図2に示した薬剤調剤システムの動作を示したメインルーチンに係るフローチャートである。 図2に示した薬剤調剤システムの動作を示したサブルーチンに係るフローチャートである。 図2に示した薬剤調剤システムの動作を示したサブルーチンに係るフローチャートである。 図2に示した薬剤調剤システムの動作を示したサブルーチンに係るフローチャートである。 図2に示した薬剤調剤システムの動作を示したサブルーチンに係るフローチャートである。 (a)は窓口端末における表示例を示した説明図、(b)は表示装置における表示例を示した説明図である。 変形例に係る薬箱払出装置を示した斜視図である。 図14に示した薬箱払出装置の非常用払出部近傍を拡大した斜視図であり、(a)は非常扉を閉じた状態、(b)は非常扉を開いた状態、(c)は非常扉を開いてトレイを配置した状態を示す。 図14に示した薬箱払出装置の非常用払出部近傍を拡大して示した説明図である。 トレイ供給装置及びトレイ振分装置の概略構成を示した斜視図である。 トレイの供給後に薬剤払出口から薬箱を払い出す前におけるトレイ振分装置の下部近傍の状態を示した斜視図である。 トレイ振分装置からトレイを送り出す際におけるトレイ振分装置の下部近傍の状態を示した斜視図である。 (a)はトレイ振分装置におけるリフターの爪部材近傍を示した拡大図であり、(b)は薬箱との関係で支障が生じうる形状の爪部材をリフターに設けた場合の拡大図であり、(c),(d)は(a)に示した爪部材がトレイ配置空間側に突出した状態及び跳ね上げられた状態を示す斜視図である。 トレイ保管装置の概略構成を示した斜視図である。 メインコンベア及び昇降コンベアを備えた薬剤収集手段の概略構成を示した説明図である。 処方分割の実施方法に係るフローチャートである。 非完結調剤処理部の一例を示した斜視図である。 非完結調剤処理部における調剤処理を示すフローチャートである。 収容容器滞留棚を設けた場合のレイアウト例を示した説明図である。 収容容器滞留棚の構成の一例を示した説明図である。 収容容器貯留棚の変形例を示した説明図である。 収容容器滞留棚を採用した場合の滞留処方への対応方法の一例を示したフローチャートである。 指示箋の一例を示した説明図である。 会計終了後における処方変更時の処理方法の一例を示したフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態にかかる薬剤調剤システム10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、薬剤調剤システム10を用いた調剤業務の流れについて、図1を参照しつつ説明する。
≪薬剤調剤システム10による調剤業務の流れについて≫
薬剤調剤システム10は、総合病院等の医療機関、薬局等に設置されるシステムである。薬剤調剤システム10は、患者が受付12にて受け付けを行った後、医師による診察を経て作成された処方データに基づいて動作する。処方データは、医師等が操作する処方データ入力端末14から会計業務の担当者が操作する会計端末16、及び薬剤調剤システム10の上位制御装置20側(上位制御装置20そのもの、あるいは上位制御装置20と後に詳述する薬箱払出装置30とを連携する中間装置や中間テーブル)に向けて送信される。会計端末16において患者が精算を済ませた旨の入力がなされると、別途設けられた受付機18において、薬剤との引き替えに用いるための引換券17が発券される。
一方、処方データが上位制御装置20に向けて出力されると、別途設けられた薬箱払出装置30(薬剤払出装置)に向けて薬剤の払い出しに関する指令信号が出力される。薬箱払出装置30は、後述する薬品棚50や受渡窓口60、収容容器貯留棚70等と共に、薬剤の調剤から受渡までを行う薬局エリアα内に配置されている。薬箱払出装置30は、調剤用として予め保管されている薬剤を指令信号に基づいて払い出す。薬箱払出装置30から払い出された薬剤は、処方に応じて割り当てられたトレイ40(収容容器)に払い出される。
また、薬箱払出装置30において欠品がある場合や、薬箱払出装置30に準備されていない等して別途設けられた薬品棚50から準備すべき薬剤が処方されている場合には、その薬剤の種類及び数量を指示する指示箋42が薬箱払出装置30等から出力され、トレイ40に収容される。指示箋42が出力されている場合には、薬剤師等の調剤担当者により、薬品棚50から薬剤が取り出され、トレイ40に投入される。このようにして処方された薬剤が準備されると、トレイ40が複数設けられた受渡窓口60毎に設置されている収容容器貯留棚70に配置される。トレイ40が収容容器貯留棚70に準備された状態になり、各受渡窓口60に設けられた窓口端末90を操作すると、患者の呼び出し用として設けられた表示装置92に患者名等を表示することにより患者が呼び出される。その後、呼び出された窓口において、引換券17の照合作業がなされた上で薬剤が受け渡される。
≪薬局エリアα内における構成例について≫
続いて、薬剤調剤システム10において薬局エリアα内に配置される構成例について、図2を参照しつつ説明する。図2に示した薬剤調剤システム10においては、図中において左右に2台の薬箱払出装置30が配置されており、両者の間に設けられた空間に薬品棚50が多数(図示の例では16台)配置されている。また、受渡窓口60と、薬箱払出装置30及び薬品棚50が配置された領域との間には、各受渡窓口60に対応するように収容容器貯留棚70が配置されている。
図2において左右方向に複数(図示例では10個)設けられた受渡窓口60(それぞれを、受渡窓口60a〜60j)のうち、中間部分に設けられた受渡窓口60c〜60hは、薬箱払出装置30による払い出しに加えて薬品棚50から薬箱を取り揃える作業を伴って調剤がなされたものを患者に対して受け渡すための窓口(非完結処方窓口)とされている。また、受渡窓口60c〜60hよりも各薬箱払出装置30,30のそれぞれに近い位置にある受渡窓口60a,60b,60i,60jについては、薬箱払出装置30,30による払い出しのみで処方された薬剤の全てを調剤可能な場合に用いられる窓口(完結処方窓口)とされている。完結処方窓口である受渡窓口60a,60b,60i,60jには、薬箱払出装置30から直接トレイ40を搬送する搬送経路で搬送可能な搬送装置80が設置されている。
≪薬剤調剤システム10のシステム構成について≫
続いて、図3を参照しつつ、薬剤調剤システム10のシステム構成について概説する。薬剤調剤システム10は、上位制御装置20と受付機18、窓口端末90、及び表示装置92が情報通信可能なように接続されている。また、上位制御装置20側の通信網とは別に、薬箱払出装置30の制御端末22や、収容容器貯留棚70を統括する棚管理端末72が通信可能なように接続されている。また、収容容器貯留棚70には、トレイ40の存否を検知するためのセンサ73(図28参照)に加え、後に詳述するように情報通信装置74が設けられている。情報通信装置74を介し、トレイ40に設けられた記憶媒体44と棚管理端末72とが通信可能とされている。
≪薬箱払出装置30について≫
続いて、薬箱払出装置30の構成について概略を説明する。薬箱払出装置30は、薬剤が収容された薬箱を多数、予め準備しておき、準備されている薬箱を処方に応じて適宜選択し、払い出すための装置である。具体的には、薬箱払出装置30は、収容払出装置120、装填装置130、及び補充装置170を備えており、制御端末22からの制御信号に則って動作可能とされている。薬箱払出装置30は、補充装置170に補充された薬箱を装填装置130によって収容払出装置120に装填することにより準備しておき、準備されている薬箱を処方に応じて収容払出装置120から払い出しすることができるものである。図4及び図5に示すように、薬箱払出装置30は、正面側から背面側に向けて収容払出装置120、装填装置130、補充装置170の順で配置されている。以下、収容払出装置120、装填装置130、及び補充装置170についてさらに具体的に説明する。
≪収容払出装置120について≫
収容払出装置120は、薬箱を多数、種類毎に分類した状態で収容しておき、処方に応じて適切な薬箱を払い出すことが可能な装置である。収容払出装置120は、正面視した状態において上下方向および左右方向に複数の薬剤通路122が設けられた構成とされている。薬剤通路122は、いわゆるチャンネル材のように樋状であって、長手方向両端部が開放された形状の部材によって構成されている。
図5に示すように、薬剤通路122は、長手方向が薬箱払出装置30の奥行き方向、すなわち正面側から背面側に向けて延びるように配置されている。薬剤通路122は、背面側に位置する開放部分が薬箱を装填するための入口122dとして機能し、正面側に位置する開放部分が薬箱を払い出すための出口122eとして機能する。薬剤通路122は、入口122d側から出口122e側に向けて下り勾配がつくよう、斜めに設置されている。また、薬剤通路122の通路幅は、準備しておく薬箱の厚みと同等あるいは僅かに大きい程度である。従って、薬剤通路122は、薬箱を入口122d側から出口122e側に向けて自由落下によってスムーズに移動させることが可能である。
図5に示すように、薬剤通路122の出口122e側には、排出規制手段126が取り付けられている。排出規制手段126は、常時は薬剤通路122に準備された薬箱を出口122e側においてせき止めておき、薬箱を払い出すべき状態になったときに薬箱を薬剤通路122の底側から上方に向けて跳ね上げ、排出させることが可能なものである。
図5に示すように、収容払出装置120は、上述した薬剤通路122に対して正面側に薬剤収集手段128を有する。薬剤収集手段128は、薬剤通路122から排出された薬箱をとりまとめ、収容払出装置120の外に払い出すためのものである。薬剤収集手段128は、ベルトコンベアによって構成されており、薬剤通路122から払い出された薬箱を搬送面128aの上に集め、収容払出装置120の側面に設けられた排出口から排出させることが可能とされている。
≪装填装置130について≫
装填装置130は、各薬剤通路122に対して入口122d側から薬箱を装填するためのものである。図5に示すように、装填装置130は、収容払出装置120を構成する多数の薬剤通路122に対して入口122d側に隣接する位置に設けられている。装填装置130は、装填ラック132と、駆動装置134とを有する。装填装置130は、駆動装置134を作動させることにより、装填ラック132を各薬剤通路122を入口122d側の領域において上下左右方向に向けて自由に移動させうる。また、装填装置130には、図示しない送出機構が設けられており、この送出機構により装填ラック132に準備された薬箱を一箱ずつ、入口122dから薬剤通路122に向けて送り出すことができる。そのため、装填装置130は、薬箱を装填すべき薬剤通路122の位置まで装填ラック132を移動させ、送出機構を作動させることにより、薬箱を薬剤通路122に装填することができる。
≪補充装置170について≫
補充装置170は、上述した装填装置130に対して薬箱を補充するための装置である。図4及び図5に示すように、補充装置170は、薬箱払出装置30をなす筐体112の背面112a側に複数設けられている。具体的には、図4に示すように、背面112aの左側及び右側の領域に、補充装置170がそれぞれ3基ずつ上下に並べて設置されている。補充装置170に薬箱を準備することにより、補充装置170が備えている移載機構(図示せず)により薬箱を装填装置130に移載させることができる。
≪トレイ40について≫
薬剤調剤システム10においては、上述した薬箱払出装置30によって払い出された薬箱をとりまとめるための収容容器として、トレイ40が用いられる。図6に示すように、トレイ40はカゴ状のものとされており、底面にトレイ40毎に付与された識別情報を記録(記憶)する記憶媒体44が取り付けられている。記憶媒体44は、識別情報を記録可能なものであれば例えばバーコード等、いかなるものであっても良いが、本実施形態においてはRF−IDが用いられている。
≪薬品棚50について≫
薬品棚50は、上述した薬箱払出装置30において欠品が生じている場合や、薬箱払出装置30に準備されていない等して薬剤師等によって調剤されるべき薬箱を、必要に応じて取り出されるべく準備しておくための棚である。薬品棚50は、薬箱を準備しておくことができる棚であればいかなるものであっても良い。薬品棚50は、いかなる場所に配置されても良いが、調剤業務をスムーズに進めるとの観点からすると、図2に示すレイアウト等のように薬箱払出装置30の近隣に配置されることが望ましい。
また、薬品棚50から取り出した薬剤を調剤する場合、すなわち非完結処方である場合には、その薬剤をとりまとめたトレイ40は、非完結処方用に設けられた受渡窓口60c〜60hの収容容器貯留棚70に配置される。そのため、薬品棚50は、薬箱払出装置30から受渡窓口60c〜60hの収容容器貯留棚70に至る搬送経路の中途に配置されることになる。従って、調剤業務を迅速に行うためには、非完結処方時の搬送経路が短くなるように薬品棚50が配置されることが望ましい。
≪収容容器貯留棚70について≫
図2に示すように、収容容器貯留棚70(収容容器貯留棚70a〜70j(図7参照))は、受渡窓口60a〜60jのそれぞれに対応して設けられている。図7に示すように、収容容器貯留棚70には、調剤が完了したトレイ40を配置するための配置部76が複数設けられている。また、各配置部76には、トレイ40の底面に設けられた記憶媒体44から情報を読み取るためのリーダとして、情報通信装置74が設けられている。また、上述したように、情報通信装置74は、棚管理端末72に対して情報通信可能なように接続されている。
また、収容容器貯留棚70には、各配置部76毎に報知装置78が設けられている。報知装置78は、窓口において受け渡すべき薬剤が入ったトレイ40を窓口担当者に報知するためのものである。本実施形態では、報知装置78として発光ダイオード(LED)等の発光装置が用いられている。
≪薬剤調剤システム10における処理フローについて≫
続いて、薬剤調剤システム10における処理フローについて、図8に示すフローチャートを参照しつつ、詳細に説明する。薬剤調剤システム10においては、先ずステップ1−1において、医師等により処方データ入力端末14を介して入力された処方データが上位制御装置20において受信されると、ステップ1−2において当該処方データに対応する患者が会計を済ましているか否かの確認がなされる。具体的には、上位制御装置20は、会計端末16から上位制御装置20に対して、会計済みである旨のデータが入力されているか否かを確認する。
ステップ1−2において会計済みであることが確認された場合には、制御フローがステップ1−3に進み、患者が薬局における受付を済ましているか否かの確認がなされる。具体的には、受付済みである場合には、その旨を示す信号が受付機18から上位制御装置20に出力されている。上位制御装置20は、ステップ1−3において受付済みである旨の信号が入力されているか否かを確認する。ステップ1−3において受付済みであることが確認された場合には、制御スフローがステップ1−4に進められる。
制御フローがステップ1−4に進むと、上位制御装置20は、ステップ1−1において受け付けた処方データを参照すると共に、薬箱払出装置30,30における薬剤の在庫状況に関するデータを参照する。これにより、各薬箱払出装置30,30のうち、処方すべき薬剤の種類と在庫されている薬剤種類の合致率(ヒット率)が最も高い方の薬箱払出装置30が、当該処方に係る薬剤を払い出すための薬剤払出装置として優先的に選択される。
上述したようにして薬箱払出装置30の選定が完了すると、ステップ1−5において調剤完了後に患者に薬剤を受け渡すための受渡窓口60の振り分けが行われる。具体的には、薬箱払出装置30のみで調剤を完了できる場合(完結処方の場合)には、ステップ1−5において調剤用として選定された薬箱払出装置30に隣接する受渡窓口60(受渡窓口60a,60b又は受渡窓口60i,60j)が選定される。また、選定された薬箱払出装置30による払い出しに加え、薬品棚50から薬剤を準備すべき場合(非完結処方の場合)には、受渡窓口60c〜60hのいずれかが、受渡用として選定される。
ステップ1−5における受渡窓口60の割り振りについてさらに詳細に説明すると、図9に示すサブルーチン(制御フロー)のようになる。すなわち、先ずステップ2−1において処方情報を取得する。その後、ステップ2−2において各薬箱払出装置30,30の情報(号機情報)を取得し、ステップ2−3において薬箱払出装置30の稼働状態を確認する。ここで、薬箱払出装置30,30をそれぞれn号機(n=自然数/本実施形態ではn=1,2)と規定した場合、ステップ2−3においては何台の薬箱払出装置30が稼働しているかが確認される。n台が稼働状態である場合には、制御フローがステップ2−4に進められ、全てが停止状態である場合には制御フローが後述するステップ2−8に進められる。
制御フローがステップ2−4に進められると、上位制御装置20により、実装マスタを未取得である薬箱払出装置30のうち、号機番号が最小であるものについて、実装されている薬箱に関するマスター情報(n号機実装マスタ)が取得される。その後、ステップ2−5においてn号機の薬箱払出装置30によって完結処方できる処方であるか否かの確認がなされる。n号機の薬箱払出装置30によって完結処方できる場合にはステップ2−6において完結処方できる薬箱払出装置30が存在する旨の情報(完結有り情報)が更新される。また、完結処方ができない場合には、ステップ2−7において完結処方できない薬箱払出装置30が存在する旨の情報(完結無し情報)が更新される。
上述したようにしてステップ2−6あるいはステップ2−7が完了すると、制御フローがステップ2−8に進められる。ステップ2−8では、上述したステップ2−3からステップ2−7までの一連の制御フローによる確認動作がなされた薬箱払出装置30の号機番号「n」が、薬剤調剤システム10に設けられている薬箱払出装置30の数量に達しているか否かの確認がなされる。すなわち、全ての薬箱払出装置30について、ステップ2−3〜ステップ2−7に係る実装マスタの取得等の作業がなされたか否かが確認される。ここで、号機番号nが最大値に達していない場合、すなわち実装マスタの取得等の作業が未実施である薬箱払出装置30が存在している場合には、次の号機番号(n+1)に係る確認作業を実施すべく、ステップ2−9において号機番号を1加える作業が行われ、その後ステップ2−3に戻される。
上述したようにして全ての薬箱払出装置30について実装マスタの取得等の作業が完了すると、制御フローがステップ2−10に進められ、当該処方が完結処方できるものであるか否かの確認がなされる。完結処方できる処方である場合、すなわちステップ2−において完結有り情報が更新されている場合には制御フローがステップ2−11に進められる。一方、非完結処方である場合、すなわちいずれの号機に係る薬箱払出装置30を用いても完結処方ができない場合には、制御フローがステップ2−13に進められる。
制御フローがステップ2−11に進められると号機毎窓口情報の取得作業がなされ、ステップ2−12において完結処方用の受渡窓口60a,60bあるいは受渡窓口60i,60jにおける未処理件数が確認される。具体的には、完結処方である場合には、複数設けられた受渡窓口60のうち、薬箱払出装置30,30に隣接する位置にある受渡窓口60a,60bあるいは受渡窓口60i,60jが受渡窓口60としての選択候補となる。また、図2において左側の薬箱払出装置30を1号機、右側の薬箱払出装置30を2号機とした場合、1号機が選択された場合には、受渡窓口60a,60bのいずれかが受渡用として割り振られ、2号機が選択された場合には、受渡窓口60i,60jのいずれかが受渡用として割り振られる。仮に1号機の薬箱払出装置30が選択されているとした場合、ステップ2−11においては、受渡窓口60a,60bにおける処理状況が確認され、ステップ2−12において未処理件数が確認される。その後、ステップ2−15において、受渡窓口60a,60bのうち未処理件数が少ない方が当該処方の受渡窓口60として選択される。薬箱払出装置30として2号機が選択されている場合も同様に、受渡窓口60i,60jにおける処理状況の確認、未処理件数の確認がなされ、未処理件数の少ない方が当該処方用の受渡窓口60として選択される。これにより、一連の制御フローが完了する。
一方、非完結処方である場合、すなわち制御フローがステップ2−10からステップ2−13に進められた場合についても、同様の処理がなされる。すなわち、ステップ2−13においては、ステップ2−11と同様にして薬箱を取り揃える作業を伴う非完結処方用に割り当てられた受渡窓口60c〜60hにおける処理状況が確認される。その後、ステップ2−14においては、ステップ2−12と同様にして非完結処方用の受渡窓口60c〜60hの未処理件数が確認される。その後、ステップ2−15において、受渡窓口60c〜60hのうち、最も未処理件数が少ない窓口が、当該処方用の受渡窓口60として選択される。
上述したようにして受渡窓口60の振り分けが完了すると、制御フローが図9に係るサブルーチンから、図8に係るメインルーチンのステップ1−6に進められる。ステップ1−6においては、受付機18において患者に引換券17が発券される。引換券17には、ステップ1−において割り振られた受渡窓口60の番号等が記載される。
その後、ステップ1−7においては、上位制御装置20から制御端末22に出力された処方データに基づき、ステップ1−5において選定された薬箱払出装置30において薬箱の払い出しがなされ、トレイ40に取り纏められる。また、ステップ1−8において、処方とトレイ40とを関連づける(紐付ける)べく、トレイ40に設けられた記憶媒体44(RF−ID)に識別情報が記録される。薬箱払出装置30における薬箱の払い出しが完了すると、ステップ1−9において、払い出された薬箱についての情報を印字した紙面(払出箋)、及び欠品していた薬剤について記載した紙面が印字され、トレイ40に投入される。
その後、ステップ1−10において、当該処方が完結処方であるか否か、すなわち薬箱払出装置30による払い出しのみで処方された全ての薬箱を取りそろえることができたか否かについて確認される。ここで、完結処方であると判断された場合には、制御フローがステップ1−11に進められ、搬送装置80により、完結処方用として設けられた受渡窓口60a,60b,60i,60jのいずれかに向けてトレイ40が搬送される。その後、ステップ1−12において受渡窓口60a,60b,60i,60jのうち、トレイ40が搬送された窓口に設けられた表示装置92に調剤が完了した旨の表示がなされる。
一方、ステップ1−10において完結処方でない、すなわち薬箱払出装置30による払い出しに加えて、薬品棚50において薬箱を取り揃えて準備すべき場合には、ステップ1−15においてトレイ40が非完結処方用のものとして分類され、薬品棚50に向けて持ち運び可能な状態とされる。その後、ステップ1−16において薬品棚50から薬箱を取り揃えることにより調剤がなされる。ステップ1−16において薬箱が取り揃えられたトレイ40が非完結処方用として準備された受渡窓口60c〜60hのいずれかの収容容器貯留棚70に配置されると、ステップ1−17においてトレイ40に設けられた記憶媒体44と収容容器貯留棚70側に設けられた情報通信装置74との通信(トレイ配置情報通信)がなされる。この通信に基づき、トレイ40が配置されたことが上位制御装置20側において把握される。
ここで、上位制御装置20は、収容容器貯留棚70におけるトレイ40の管理を、図10に示すサブルーチンに則って実施している。具体的には、ステップ3−1において、トレイ40側の記憶媒体44と収容容器貯留棚70側の情報通信装置74との通信により、トレイ40に付与された識別情報の取得がなされたか否かの確認がなされる。識別情報が取得された場合、すなわちトレイ40が新たに収容容器貯留棚70に配置された場合には、制御フローがステップ3−2に進められ、収容容器貯留棚70の管理用に設けられているテーブル(収容容器貯留棚管理テーブル)が更新される。その後、ステップ3−3において収容容器貯留棚70に配置されたトレイ40に相当する処方(調剤)が完了したことが上位制御装置20により把握され、一連の制御フローが完了する。
上述したようにして上位制御装置20により調剤完了の旨が把握されると、制御フローがステップ1−12に進められる。ステップ1−12においては、上位制御装置20から表示装置92に対して信号が出力され、表示装置92において収容容器貯留棚70に配置されたトレイ40の処方(調剤)が完了した旨の表示がなされる。
具体的には、ステップ1−12においては、図11に示すサブルーチンに則り、表示装置92への表示がなされる。すなわち、先ずステップ4−1において、上述した収容容器貯留棚管理テーブルが参照され、調剤が完了したトレイ40が配置された収容容器貯留棚70、及び当該収容容器貯留棚70におけるトレイ40の位置が特定される。その後、ステップ4−2において、当該処方に係るトレイ40が配置された配置部76に設置されている報知装置78(発光ダイオード)に対し、点灯指示がなされる。その後、ステップ4−3において収容容器貯留棚管理テーブルが更新され、一連の制御フローが完了する。
上述した図11に係るサブルーチンに則り、ステップ1−12において表示装置92に処方(調剤)完了の旨が表示されると、制御フローがメインルーチンに戻り、投薬可能な状態になる。その後、ステップ1−13において投薬完了の旨が確認されると、制御フローがステップ1−14に進められ、表示装置92から処方完了の旨の表示が消去される。具体的には、ステップ1−13において受渡窓口60に設けられた窓口端末90により投薬が完了した旨の入力がなされると、上位制御装置20においてその旨が把握される。その後、ステップ1−14において、上位制御装置20からの指令に基づき、表示装置92から処方完了の旨の表示が消去される。
また、上述したステップ1−13における患者への投薬に際し、図12のサブルーチンに示すような処理がなされる。すなわち、先ずステップ5−1においては、窓口端末90において表示された患者一覧(図13(a)参照)から投薬を行う患者が選択されると、図13(b)に示すように選択された患者名(患者特定情報)が表示装置92に表示され、当該患者の呼び出しがなされる。また、表示装置92には、受渡窓口60に呼び出された患者名の下方に、収容容器貯留棚70に準備されているトレイ40に関連づけられた患者名が表示される。これにより、呼び出しを受けていないものの、収容容器貯留棚70に配置されているトレイ40に薬剤が準備されている患者に、受渡間近であることを予告することができる。
上述したステップ5−1において薬剤の受渡を行う患者が選択されると、ステップ5−2において当該患者に相当するトレイ40が配置された配置部76に設置されている報知装置78(発光ダイオード)が点灯する。これにより、患者に受け渡すべきトレイ40が示唆される。その後、窓口にて処理を行う薬剤師等により、処方通りの薬剤が準備されているか否かについて鑑査がなされた後、患者への投薬がなされた場合には、ステップ5−3において窓口端末90により投薬を行った旨の入力がなされる。これにより、投薬が完了した旨が上位制御装置20により把握される。
投薬に用いられたトレイ40の記憶媒体44に記憶されている識別情報と処方とを関連づけた情報は、投薬が完了した旨が上位制御装置20により把握された時点から消去可能とされる。そのため、窓口端末90により投薬を行った旨の入力がなされると、トレイ40の識別情報と処方との関連づけ(紐付け)が解除される。これにより、先の処方の調剤に用いたトレイ40を次の処方に係る調剤に利用することができる。
≪非常用払出部200を設けた変形例について≫
以下、薬剤調剤システム10において採用される薬箱払出装置30の変形例として、非常用払出部200を設けた例について説明する。薬箱払出装置30は、処方に基づいて払い出された薬箱を薬剤収集手段128をなすベルトコンベアによって下流側に搬送するものであるが、薬箱払出装置30の下流側において排出不良等が発生すると、薬箱を供給できなくなる懸念がある。そこで、かかる懸念を払拭すべく、必要に応じて薬剤収集手段128に集められた薬箱を収容容器貯留棚70側ではなく、反対側に排出可能とする非常用払出部200を設け、通常の払い出しモードとは異なる緊急払い出しモードに切り替えて薬箱を払い出し可能な構成としても良い。
具体的には、図14〜図16に示すように、薬箱払出装置30の後方側に非常用払出部200を設ける。非常用払出部200には非常扉202が非常用払出部200の排出口203を開閉可能なように設けられている。非常扉202を開くことにより、この上にトレイ40を配置するためのトレイ配置部204が形成される。トレイ配置部204は、非常用払出部200から排出される薬箱がトレイ40から飛び出さないように、トレイ40を排出口203側(薬剤収集手段128側)に傾いた状態で設置可能とされている。
非常扉202には、トレイ配置部204にトレイ40が配置されたことを検知するためのトレイ検知センサ206が設けられている。また、排出口203の側方には、薬品取出スイッチ207及び報知ランプ208が設けられている。報知ランプ208は、各種の報知を行う機能に加え、スイッチとしての機能も備えている。また、非常扉202を開くことにより、別途準備されたジャーナルプリンタ210を接続するための電源212及び通信ポート214が露出する。
緊急払い出しモードによる動作は、以下のようにして実施される。すなわち、薬剤収集手段128(コンベア)の上流側に設けられた緊急払い出し用の非常扉202を開き、トレイ配置部204に手動でトレイ40をセットすることで、収容払出装置120から薬剤収集手段128に払い出された薬箱がトレイ40に払い出される。また、ジャーナルプリンタ210を非常用払出部200に設けられた電源212及び通信ポート214に接続することにより、払い出し結果を示すジャーナルが印字される。
ここで、1処方分として払い出される薬箱数が多い場合には、薬箱を複数のトレイ40に分けて払い出すように処方が分割される処理がなされる(トレイ分割処方)。このようにして分割された処方があり、引き続き別のトレイ40に払い出すべき薬箱が存在する場合には、その旨を報知すべく、報知ランプ208が点灯する。報知ランプ208は、分割処方を払い出した時点で点灯し、分割処方の最終処方を払い出した時点で消灯する。
また、報知ランプ208は、薬箱払出装置30側において処方データを受信した状態において、トレイ40が未だトレイ配置部204にセットされていない場合に、トレイ40をセットするよう促すことを目的として点滅する。さらに、処方された薬箱をトレイ40に払い出した時点で報知ランプ208が点灯する。また、報知ランプ208は、処方された薬箱の払い出しが完了した後にトレイ40が取り除かれること、あるいは報知ランプ208(スイッチ)を押下することで消灯する。報知ランプ208が点灯している間に次の処方データが受信されると、報知ランプ208が点滅し、トレイ40の交換もしくは報知ランプ208(スイッチ)を押下する操作が促される。これらの操作が行われると、自動的に次処方の薬箱が払い出される。
≪トレイ供給装置230及びトレイ振分装置250を設けた変形例について≫
以下、薬箱払出装置30の変形例として、トレイ供給装置230及びトレイ振分装置250(収容容器振分装置)を設けた例について説明する。薬箱払出装置30においては、収容払出装置120から払い出された薬箱を取り纏めて搬送するために設けられた薬剤収集手段128(コンベア)により、下流側に設けられた薬剤払出口180から薬箱を払い出し可能とされている。
ここで、図17及び図18に示すように、トレイ振分装置250は薬剤払出口180に隣接する位置に配置され、トレイ供給装置230はトレイ振分装置250に隣接する位置に配置される。そして、トレイ供給装置230からトレイ振分装置250にトレイ40を供給し、供給されたトレイ40に薬剤払出口180から払い出された薬箱を投入可能とされる。
また、トレイ振分装置250は、上述した完結処方に係るトレイ40と、非完結処方に係るトレイ40とを振り分ける機能を有する。具体的には、トレイ振分装置250には、薬剤払出口180に隣接する位置に配置されたトレイ40を持ち上げることが可能なリフター252が設けられている。トレイ振分装置250は、非完結処方に係るトレイ40を持ち上げ、仮保管することができる。トレイ振分装置250は、リフター252によって上下方向に複数のトレイ40を保持しておくことができ、不足分の薬箱を薬剤師等が薬品棚50において準備すべくトレイ40を適宜持ち去ることが可能とされている。なお、図17に示す例においては、リフター252によって保持された各トレイ40に対応するように表示部(図示せず)が設けられており、この表示部(図示せず)に患者名や患者ID等の情報を表示可能とされている。これにより、薬剤師等がトレイ40を持ち去る際に、自身が担当する処方のトレイ40を取り間違えないようにすることができる。また、トレイ振分装置250は、完結処方に係るトレイ40を受渡窓口60側に排出することが可能とされている。
図17〜図19に示すように、トレイ振分装置250には、トレイ供給装置230側からトレイ40を受け入れるための受入開口254と、完結処方に係るトレイ40を排出するための排出開口256とが対向するように設けられている。そして、受入開口254が設けられた側面と、排出開口256が設けられた側面との間に、薬剤払出口180から払い出された薬箱を受け入れるためのトレイ40を配置するためのトレイ待機部258が設けられている。トレイ待機部258には、トレイ40に取り付けられている記憶媒体44と情報通信可能な情報通信端末259が設けられている。そのため、情報通信端末259と記憶媒体44との通信により、トレイ待機部258に到達したトレイ40に付与された識別情報を上位制御装置20側において把握し、処方と識別情報とを紐付けることができる。
ここで、図19に示すように、受入開口254及び排出開口256は、それぞれトレイ40の高さよりも充分高い位置まで開口している。そのため、トレイ待機部258に待機しているトレイ40に対して薬剤払出口180から薬箱を投入する際に受入開口254及び排出開口256が開いたままであると、これらの開口254,256を介してトレイ40から薬箱が飛び出してしまう懸念がある。そこで、本変形例においては、図1に示すように薬剤払出口180からトレイ40に薬箱を投入するタイミングにおいて受入開口254及び排出開口256を閉塞し、薬箱の投入後に開くシャッター260,262を設けている。これにより、トレイ待機部258におけるトレイ40の供給、及び排出を阻害することなく、薬箱が受入開口254及び排出開口256から飛び出すことを抑制することができる。
≪リフター252について≫
ここで、上述したトレイ振分装置250に設けられるリフター252について、さらに詳細に説明する。図17に示すように、リフター252は、トレイ振分装置250の左右側面に沿って設けられた一対の爪部材270,270を有し、これらによってトレイ40の縁40a(図20参照)を下方から支持することによってトレイ40を略水平に支持可能とされている。また、爪部材270,270を上方に移動させる移動機構(図示せず)が設けられている。そのため、トレイ40を両側から支持している一対の爪部材270,270を上方に移動させることにより、トレイ40を略水平に維持しつつ上方に移動させることができる。
ここで、図20(a)に示すように、爪部材270は、支軸270aを中心として回動可能に支持されている。爪部材270は、常時において先端部270bがトレイ振分装置250の側面からトレイ40が配置される空間(トレイ配置空間250a)側に向けて突出するようにバネ等(図示せず)によって付勢されている。爪部材270は、常時、すなわち爪部材270が略水平となり先端部270bがトレイ配置空間250a側に突出した状態において、基端部270cがトレイ振分装置250の内側面に当接した状態になる。
トレイ振分装置250においてトレイ待機部258に配置されたトレイ40を持ち上げる際には、爪部材270が略水平であって先端部270bがトレイ配置空間250a側に突出した状態で爪部材270を下降させる。これにより、爪部材270は、先ずトレイ40の縁40aに上方から当接した状態になる。その後、さらに爪部材270を下降させると、爪部材270が支軸270aを中心として回動し、図20(a)に示すようにトレイ40の縁40aによって押し上げられた状態になる。この状態のまま爪部材270をさらにトレイ40の縁40aを越えて下方側の位置まで下降させると、爪部材270に作用している付勢力により、爪部材270が元の略水平姿勢になる。これにより、トレイ40の縁40aが下方から爪部材270によって支持された状態になる。
ここで、図20(b)に示すように、仮に爪部材270が押し上げられた状態において基端部270cがトレイ配置空間250a側に突出する形状である場合には、トレイ40内に収容されている薬箱(図中における黒塗りの矩形に相当)が縁40a側に突出している場合に問題が生じうる。具体的には、トレイ40を持ち上げるべく爪部材270が上方から下降してきている段階において、先ず爪部材270が縁40aではなく縁40a側に突出している薬箱に当たった場合には、薬箱によって爪部材270が押し上げられることになる。この場合、基端部270cがトレイ配置空間250a側に突出していると、基端部270cがトレイ40の縁40aと干渉してしまい、トレイ40を正常に持ち上げることができない状態になる懸念がある。そこで、かかる懸念を払拭すべく、爪部材270は、図20(d)に示すように押し上げられた状態においても基端部270cがトレイ配置空間250a側に突出しない形状とすることが望ましい。これにより、仮に薬箱がトレイ40の縁40aよりも外側に突出していたとしても、爪部材270がトレイ40の縁40aに干渉せず、トレイ40を確実に持ち上げることが可能となる。
≪完結処方用の受渡窓口60について≫
上述した薬剤調剤システム10は、完結処方用の受渡窓口60において、薬箱払出装置30側から搬送装置80によって送られてくるトレイ40を順次積み上げて保管可能とするトレイ保管装置300(収容容器保管装置)を設けた構成としても良い(図21参照)。具体的には、トレイ保管装置300には、側面に設けられた受入口302を介して搬送装置80の終端部分に連続するように設けられたトレイ到達部304が設けられている。
トレイ保管装置300には、上述したトレイ振分装置250のリフター252と同様の構成からなるリフター306が設けられており、トレイ到達部304に到達したトレイ40を順次上方に持ち上げて保管することができる。また、トレイ到達部304には、トレイ40に取り付けられている記憶媒体44と情報通信可能な情報通信端末308が設けられている。そのため、記憶媒体44と情報通信端末308との通信により、トレイ到達部304に到達したトレイ40がどの処方のものであるかを正確に把握することができる。
トレイ保管装置300は、完結処方用として設けられた隣接する2つの受渡窓口60,60の間(図2の例では受渡窓口60a,60b間、及び受渡窓口60i,60j間)に配置し、両受渡窓口60,60において共用することができる。すなわち、トレイ保管装置300は、両受渡窓口60,60側に向けて解放されており、いずれの受渡窓口60,60側からも積み上げ状態で保管されているトレイ40を取り出すことが可能とされている。
ここで、図21に示すトレイ保管装置300においては、上下方向に積み上げられる各トレイ40の保管位置毎に、当該位置に保管されているトレイ40に関する状況を報知するための報知装置310が設けられている。図21に示す例においては、報知装置310として、例えば発光ダイオード(LED)等の発光装置が用いられており、発光状態に応じてトレイ40に関する状況を区別して報知可能とされている。具体的には、報知装置310を緑色で点滅させることによりトレイ40を取り出すよう指示する報知を行い、緑色で点灯させることにより当該トレイ40に係る処方が分割処方されたものであり、分割処方された他のトレイ40を待機している状態である旨の報知を行う。
また、トレイ保管装置300においては、報知装置310を赤色に点灯させることにより、当該トレイ40が処方不明のものである等して取除くべきものである旨の報知を行うことができる。具体的には、トレイ保管装置300に保管されていたトレイ40であっても、一旦トレイ保管装置300から抜き出された後に戻されたものについては、処方とは相違する薬箱等が投入されている可能性がある。このような場合に、そのまま何らの警告も発しないままにしておくと、後から投入された薬箱等が誤って受け渡されてしまう可能性が生じる。そこで、トレイ保管装置300においては、トレイ保管装置300からトレイ40が一旦抜き出された後、何らかの処置が行われてから戻されたものと想定される場合に、報知装置310を赤色に点灯させて警告を行うこととしている。本実施形態においては、トレイ保管装置300からトレイ40が一旦抜き出された後に戻されるまでの時間が所定時間(例えば3秒)以上であることを条件として、トレイ保管装置300からトレイ40の抜き出し後に何らかの処置が行われてから戻された可能性があるとして報知装置310を赤色に点灯させることとしている。ここで、トレイ40の抜き出し後、所定時間以上経過することを報知装置310による報知の条件としたのは、トレイ40の取り間違いであると気付いてすぐにトレイ40を安全にトレイ保管装置300に戻したことが明らかな場合にまで、トレイ40が抜き出されたことについての報知がなされるのを回避するためである。
報知装置310は、各保管位置毎に両面(両受渡窓口60,60側)に設けられており、トレイ40に関する情報を各受渡窓口60,60毎に対応付けて報知可能とされている。具体的には、受渡窓口60a側において受け渡すべき薬箱を収容したトレイ40である場合には、受渡窓口60a側の報知装置310が緑色に点滅するが、隣接するもう一方の受渡窓口60b側の報知装置310においては報知装置310は点灯しない。これにより、いずれのトレイ保管装置300に保管されているトレイ40が、いずれの受渡窓口60,60において受け渡すべき薬箱を収容したものであるのかを直感的かつ確実に把握可能とされている。従って、1台のトレイ保管装置300によって2つの窓口に対応することができる。
≪薬箱集積機能について≫
上述した薬剤調剤システム10において調剤完了までの所要時間を短縮するためには、薬箱払出装置30において収容払出装置120から薬剤収集手段128に払い出された薬箱をいかに早く集めることができるかという観点においても何らかの方策を講じることが望ましい。かかる観点からすれば、上述した薬箱払出装置30の薬剤収集手段128の構成、及び動作を以下のようにすることも可能である。以下、詳細に説明する。
図22に示す例においては、薬剤収集手段128を、メインコンベア330と、メインコンベア330に隣接するように設けられた昇降コンベア332とを備えたものとしている。また、メインコンベア330と昇降コンベア332との間には、搬送シャッター334が設けられている。搬送シャッター334を開状態とすることにより、メインコンベア330側から昇降コンベア332側に薬箱を移動させることが可能とされている。
メインコンベア330は、収容払出装置120から払い出された薬箱が搭載され、略水平方向に駆動するコンベアである。昇降コンベア332は、メインコンベア330に対して下流側に隣接する位置に設けられたコンベアであり、薬箱を搭載した状態で昇降可能とされている。そのため、薬箱を受け取った昇降コンベア332を上昇させた後、昇降コンベア332の搬送面を駆動させることにより、薬箱払出装置30からトレイ40への薬箱の払い出し用としてメインコンベア330の設置位置よりも上方に設けられている薬剤払出口180から薬箱を払い出すことができる。すなわち、収容払出装置120から払い出された薬箱をメインコンベア330によって昇降コンベア332に集めた後、昇降コンベア332からトレイ40に向けて一気に払い出すことが可能とされている。
ここで、収容払出装置120からメインコンベア330に薬箱を払い出した際に、昇降コンベア332がメインコンベア330に隣接する位置に存在していない場合、すなわち、昇降コンベア332が上昇位置に存在している場合には、何ら考慮することなくメインコンベア330を駆動させると昇降コンベア332に対する薬箱の受渡不良が発生する。一方、昇降コンベア332が下降位置に到達するまでメインコンベア330の動作を完全に停止させておくこととすると、その分だけタイムロスが生じてしまう。
そこで、収容払出装置120からメインコンベア330に薬箱を払い出した際に昇降コンベア332が上昇位置に存在している場合には、予め搬送シャッター334付近まで薬箱を搬送させておく動作(薬箱集積動作)を行う。その後、昇降コンベア332の準備ができた時点、すなわち昇降コンベア332が下降位置に到達した時点で、一旦メインコンベア330を停止し、搬送シャッター334を開いた後に通常の薬搬送を開始する。
薬箱集積動作を実施する場合には、通常の薬箱搬送時よりも遅い速度でメインコンベア330の搬送面を作動させることにより、搬送シャッター334に作用する負荷を軽減する。具体的には、例えば通常搬送時の1/2〜1/3程度まで搬送速度を低減させる。また、薬箱集積動作のために実施するメインコンベア330の搬送動作は、収容払出装置120における薬箱の払い出し開始時点から開始される。これにより、収容払出装置120をなす薬剤通路122のうち下段側のものから複数個の薬箱を払い出す等したとしてもメインコンベア330上の1箇所に薬箱が積み上がってしまう現象を回避することができる。
また、薬箱集積動作を実施した後は、メインコンベア330を通常の搬送速度で作動させることによりメインコンベア330から昇降コンベア332への薬箱の受渡を行う。この際におけるメインコンベア330の駆動時間は、薬箱集積動作のためにメインコンベア330を作動させた時間(集積所要時間ts)に応じて短縮することができる。すなわち、薬箱集積動作を伴わない通常状態において昇降コンベア332に対して薬箱を受け渡すために要するメインコンベア330の作動時間を通常所要時間T1とした場合、薬箱集積動作を実施した際に薬箱を昇降コンベア332に受け渡すために要するメインコンベア330の作動時間(集積時所要時間T2)は、通常所要時間T1よりも短縮される。この短縮量を、集積所要時間tsによって調整することにより、メインコンベア330から昇降コンベア332への薬箱の受渡を確実なものとしつつ、一連の動作に要する所要時間を最小限に抑制することができる。
≪昇降コンベア上における薬箱のランダム配置化機能について≫
上述したように、薬剤調剤システム10は、薬剤収集手段128を、メインコンベア330と、メインコンベア330に隣接するように設けられた昇降コンベア332とを備えたものとすることが可能である。ここで、昇降コンベア332に移載した薬箱が搬送方向に直列に並んでしまうと、昇降コンベア332に搭載可能な薬箱の数量が極めて限定的なものになってしまう。従って、昇降コンベア332に搭載された薬箱は、ランダムに配置されることが望ましい。
かかる要望に応えるべく、薬箱をメインコンベア330から昇降コンベア332に移載させる動作を行った後、メインコンベア330を停止させつつ、昇降コンベア332の搬送面を上流側(メインコンベア330側)及び下流側に往復動させる動作を行うことにより、昇降コンベア332上において薬箱をランダムに配列させることが可能となる。また、メインコンベア330と昇降コンベア332との境界に段差や傾斜を設けること、あるいはメインコンベア330と昇降コンベア332との境界や昇降コンベア332の搬送方向中間部に薬箱に当たるようなカーテン等を吊り下げておくこと等により、薬箱をより一層ランダムに配列させることが可能となる。
≪処方分割について≫
薬剤調剤システム10においては、トレイ40の容量に応じて1処方分の薬箱を複数のトレイ40に分割して払い出す分割処方(以下、「トレイ分割処方」とも称す)を実施することができる。また、上述したように薬剤収集手段128としてメインコンベア330及び昇降コンベア332を設けた場合には、昇降コンベア332の搬送面の面積を基準としてこれに搭載可能な薬箱の量を算出し、必要に応じて複数回に分割して昇降コンベア332を作動させて払い出す分割処方(以下、「コンベア分割処方」とも称す)を実施することができる。
ここで、上述したコンベア分割処方を実施する場合に、昇降コンベア332による払い出し毎に異なるトレイ40に分けて払い出すこととすると、単一のトレイ40に薬箱を纏めてしまっても問題なく以降の処理を実行できる状態であるにもかかわらず、トレイ40の数が増えてしまう可能性がある。これに対し、コンベア分割処方により分割処方された薬箱の合計体積がトレイ40の容量を基準として設定される所定値(例えば、トレイ容量の1/4)よりも大きい場合には、トレイ40から薬箱があふれる等して以降の処理において薬箱が予期せぬ場所でトレイ40から落下してしまう等の問題が生じる可能性がある。
かかる問題に対処すべく、コンベア分割処方を実施する場合には、昇降コンベア332による払い出し回数が所定回数(例えば2回)に達すること、及び単一のトレイ40に投入される薬箱の体積合計がトレイ40の容積に対して所定の割合(例えば1/4)を超えることのいずれか一方を満足することを条件としてトレイ40を取り替えるようにすることが望ましい。
具体的には、コンベア分割処方を実施する場合には、昇降コンベア332による払い出しを2回実施する毎にトレイ40を取り替えることを原則としつつ、昇降コンベア332による払い出しが2回に到達していない(すなわち1回目)であってもトレイ40に投入されている薬箱の体積合計がトレイ40の容積の1/4を超えている場合にはトレイ40を取り替えるようにする。これにより、コンベア分割処方時にトレイ40に余剰の空間があるにもかかわらず必要以上にトレイ40が取り替えられ、各トレイ40に投入された薬箱をとりまとめる作業が発生することを抑制しつつ、トレイ40から薬箱が溢れ出す等の不具合を防止できる。
以下、上述した一連の動作について、図23に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明及び図23に示すフローチャートにおいて、Nbとはコンベア分割処方を実施する際の分割番号(コンベア分割番号)であり、Nsとはトレイ分割処方を実施する場合の分割番号(トレイ分割番号)を示す。また、Atは昇降コンベア332に搭載される全薬箱の接触面積の合計(面積合計)を示し、Vtは昇降コンベア332に搭載される全薬箱の体積(体積合計)を示す。また、箱面積(i)はi番目の薬箱の面積を示し、箱体積(i)はi番目の薬箱の体積を示す。また、昇降コンベア332に搭載可能な薬箱の面積の上限値を、昇降コンベア332をなす搬送面の面積の1/2と規定し、トレイ40に投入可能な薬箱の体積の上限値をトレイ40の容積の1/4と規定する。また、箱Nb(i)はi番目の薬箱に係る昇降コンベア332のコンベア分割番号を示し、箱Ns(i)はi番目の薬箱に係るトレイ分割番号を示す。
上述した条件の下、図23のフローチャートについて説明すると、先ずステップ5−1において初期設定がなされる。すなわち、薬箱の番号i、コンベア分割番号Nb、及びトレイ分割番号Nsがそれぞれ1に設定されると共に、面積合計At及び体積合計Vtが0に設定される。その後、ステップ5−2において、面積合計Atを、i番目の薬箱の面積を加えたと仮定した場合のもの(At+箱面積(i))に更新する演算処理がなされる。その後、ステップ5−3において、ステップ5−2で導出された面積合計At、すなわちi番目の薬箱を昇降コンベア332に搭載したとした場合の面積の合計値が、予め設定されている面積上限に達しているか否かの確認がなされる。ここで、面積合計Atが面積上限に未到達である場合には制御フローが後に詳述するステップ5−4に進められ、到達している場合にはステップ5−9に進められる。
制御フローがステップ5−9に進められた場合には、昇降コンベア332の分割番号を1加える処理がなされる。すなわち、ステップ5−9においては、昇降コンベア332により分割して搬送する回数を1回増加させることとされる。また、面積合計Atを0に設定する処理がなされる。すなわち、新たに増加させた分割番号に係る昇降コンベア332への搭載条件を導出すべく、面積合計Atがリセットされる。その後、ステップ5−10において、コンベア分割番号Nbが2よりも大きくなっていないかの確認がなされる。ここで、コンベア分割番号Nbが2よりも大きい場合には、制御フローが後に詳述するステップ5−11に進められ、コンベア分割番号Nbが2以下である場合にはステップ5−4に進められる。
制御フローが上述したステップ5−3あるいはステップ5−10からステップ5−4に進められた場合には、体積合計Vtを、i番目の薬箱の体積を加えたもの(Vt+箱体積(i))に更新する演算処理がなされる。すなわち、i番目の薬箱を昇降コンベア332に搭載したと仮定した場合の合計体積を導出する演算処理がなされる。その後、ステップ5−5においてi番目の薬箱を加えた場合の体積合計Vtが体積上限を超えているか否かが確認される。ここで、体積合計Vtが体積上限以下である場合には制御フローが後に詳述するステップ5−6に進められ、体積上限を越えている場合には制御フローがステップ5−11に進められる。
ステップ5−5においてi番目の薬箱を加えることで体積上限を越えると判断された場合には、当該処方に係る薬箱を投入するためのトレイ40を1つ増やす処理(トレイ分割処方)を行う必要がある。そこで、この場合には、制御フローがステップ5−11に進められ、トレイ分割番号Nsを1つ増やす演算処理(Ns=Ns+1)に加え、コンベア分割番号を1に戻す処理、面積合計At及び体積合計Vtを0に戻す処理がなされる。その後、制御フローがステップ5−6に進められる。
制御フローが上述したステップ5−5あるいはステップ5−11からステップ5−6に進められると、i番目の薬箱についてのコンベア分割番号Nb(i)及びトレイ分割番号Ns(i)がそれぞれコンベア分割番号Nb及びトレイ分割番号Nsに設定される。その後、ステップ5−7において薬箱番号iを1増加させる処理がなされると共に、ステップ5−8においてステップ5−7で導出された薬箱番号iが処方された薬箱数を越えていないか確認される。ここで、薬箱番号iが処方された薬箱数以下である場合には、制御フローがステップ5−2に戻される。一方、薬箱番号iが処方された薬箱数を越えた場合には、一連の制御フローが完了する。
なお、上述したコンベア分割処方は、昇降コンベア332により一度に搬送可能な量の薬箱をトレイ40に投入してもなお薬箱を投入できる余裕がトレイ40にある場合に、同一処方についての残りの薬箱をトレイ40を交換することなく昇降コンベア332によって投入可能としたものである。そのため、コンベア分割処方は、トレイ40の容量に対して、昇降コンベア332により搬送可能な薬箱が少ない場合に有効な手法である。
これに対し、トレイ40の容量に対して昇降コンベア332により搬送可能な薬箱が多い場合には、昇降コンベア332に搭載できるからといって多数の薬箱を搭載し、単一のトレイ40に払い出すこととすると、トレイ40から薬箱があふれ出てしまう懸念がある。そのため、トレイ40の容量に対して、昇降コンベア332により搬送可能な薬箱が多い場合には、上述したトレイ分割処方のように、1処方分の薬箱を複数のトレイ40に分割して払出可能とすることが好ましい。具体的には、1処方分の薬箱の面積合計或いは体積合計のいずれかが所定値を超える場合には、トレイ40の体積を考慮して、昇降コンベア332に一度に搭載する薬箱の数量を制限し、トレイ40を取り替えつつ昇降コンベア332を用いて薬をトレイ40に投入するようにすることが好ましい。
さらに詳細には、一処方分の薬箱を昇降コンベア332上に配置したと仮定した場合に、下記(判定条件1)及び(判定条件2)のいずれか一方又は双方を満たすことを条件として、下記(搭載条件1)及び(搭載条件2)のいずれか一方又は双方の搭載条件を満足するよう、一処方分の薬箱を複数回に分けて昇降コンベア332に搭載させる。昇降コンベア332に薬箱が搭載される度に、トレイ40への薬箱の払い出し動作を実施する。また、昇降コンベア332から薬箱が払い出される度に、空のトレイ40を準備する。
(判定条件1)昇降コンベア332と接触する接触面積の総面積がトレイ40の大きさを基準として設定される所定の面積上限を超えること。
(判定条件2)一処方分の薬箱の総体積がトレイ40の大きさを基準として設定される所定の体積上限を超えること。
(搭載条件1)昇降コンベア332に対して一度に搭載される薬箱の接触面積が面積上限を下回る。
(搭載条件2)昇降コンベア332に対して一度に搭載される薬箱の体積が体積上限を下回る。
上述したようにしてトレイ40の体積を考慮しつつ、昇降コンベア332に一度に搭載する薬箱の数量を制限して複数回に亘ってトレイ40に対して薬を払い出すようにすれば、昇降コンベア332からトレイ40に投入された薬箱がトレイ40からあふれ出てしまうことを防止できる。
≪非完結調剤処理部400を設ける変形例について≫
ここで、上記実施形態の薬剤調剤システム10においては、薬箱払出装置30において欠品がある場合や、薬箱払出装置30に準備されていない場合等のように、別途設けられた薬品棚50に準備されている薬剤を用いる必要がある処方(非完結処方)である場合に、指示箋42等の形態で処方データを出力し、薬剤師等の調剤担当者による調剤業務を支援する例を示した。ここで、指示箋42の出力は、薬箱払出装置30等によって行われても良いが、非完結処方についての処方データの出力等を行うための非完結調剤処理部400を別途設けても良い。
非完結調剤処理部400は、図24のようなものとすることができる。具体的には、非完結調剤処理部400は、調剤情報処理端末410と、識別情報処理端末420と、指示箋出力端末430と、報知装置440と、入力装置450とを有する。調剤情報処理端末410は、上位制御装置20と通信可能なように設置されたパーソナルコンピュータ等によって構成される端末である。調剤情報処理端末410には、非完結処方についての処方データが上位制御装置20から入力される。調剤情報処理端末410は、受信した非完結処方に関する情報をモニタ412に表示することができる。また、調剤情報処理端末410においては、モニタ412に表示されているものから、薬剤師等の調剤担当者が任意の処方データを選択することができる。
これに加えて、本変形例の調剤情報処理端末410では、必要に応じて完結処方に関する処方データを上位制御装置20から呼び出し、この処方データに関する情報をモニタ412に表示することができる。調剤情報処理端末410においては、モニタ412に表示された完結処方に関する処方データから任意の処方データを選択することにより、この処方データに係る調剤を薬箱払出装置30による自動払出による調剤から、非完結調剤処理部400における調剤に切り替えることができる。
識別情報処理端末420は、別途準備されている空のトレイ40と、調剤情報処理端末410によって選択された処方(調剤)とを関連づける(紐付ける)べく、トレイ40に設けられた記憶媒体44(RF−ID)に識別情報を記録することができる端末である。また、識別情報処理端末420は、記憶媒体44に既に識別情報が記録されている場合に、記憶媒体44から識別情報を読み取ることができる端末でもある。識別情報処理端末420は、識別情報の書き込み及び読み取りの双方を実施できるものであっても良いが、用途に応じていずれか一方のみを実施可能なものであっても良い。すなわち、後に詳述する処方とトレイ40との紐付けを行う必要がある場合には、少なくとも識別情報の書き込みが可能なものであれば良く、読み取り可能なものである必然性はない。また後に詳述する指示箋42の再発行を行う必要がある場合には、少なくとも識別情報の読み取りが可能なものであれば良く、書き込みが可能なものである必然性はない。
識別情報処理端末420は、いかなるものであっても良いが、例えば図24に示すようなものとすることができる。図24に示した識別情報処理端末420は、天面にトレイ設置領域422が設けられた筐体424を有する。トレイ設置領域422の外縁にはガイド426が設けられており、トレイ設置領域422に対してトレイ40を確実に配置可能とされている。トレイ設置領域422にトレイ40を配置した場合に記憶媒体44が到来する位置(本変形例では、トレイ設置領域422の略中央部)には、記憶媒体44と情報通信可能な情報通信端末428が設けられている。情報通信端末428は、調剤情報処理端末410に対して情報通信可能なように接続されている。そのため、調剤情報処理端末410から処方とトレイ40との紐付けるための情報(紐付情報)を出力することにより、この紐付情報をトレイ設置領域422に準備された空のトレイ40が備える記憶媒体44に書き込むことができる。
また、識別情報処理端末420は、記憶媒体44に識別情報が記録されているトレイ40をトレイ設置領域422に配置すると、記憶媒体44から紐付情報を取得することができる。識別情報処理端末420は、記憶媒体44から取得した紐付情報を調剤情報処理端末410等に出力することができる。
指示箋出力端末430は、調剤情報処理端末410において選択された処方(調剤)についての調剤を調剤担当者に指示するための指示箋42を印字するためのものである。指示箋42には、薬剤の種類や数量、患者名等の調剤を行うために必要な情報が印字される。
報知装置440は、各種の情報を調剤担当者に報知するために設けられたものである。報知装置440は、発光や音、表示等の適宜の方法で報知可能なものとすることができる。本変形例では、ランプの発光により調剤担当者に必要な情報を報知可能なものとされている。報知装置440は、非完結調剤処理部400において調剤すべき処方が存在する場合に、これを調剤担当者に報知することができる。具体的には、調剤情報処理端末410に対して上位制御装置20から非完結処方についての処方データが上位制御装置20から入力された場合に報知装置440が作動し、非完結調剤処理部400において調剤すべき処方が存在することを調剤担当者に報知することができる。
入力装置450は、非完結調剤処理部400における調剤が完了した旨の情報(調剤完了情報)を調剤情報処理端末410に対して入力可能とした装置である。本変形例では、入力装置450としてバーコードリーダー等の読取装置が設けられている。指示箋42に記載されたバーコード等を入力装置450によって読み取ることで生成された情報が調剤完了情報として調剤情報処理端末410に入力される。調剤完了情報の入力により、調剤情報処理端末410に対して調剤が完了した旨の認識をさせることができる。
非完結調剤処理部400における調剤処理は、例えば図25に示すような流れで実施することができる。以下、非完結調剤処理部400を用いた調剤処理方法について説明する。
(ステップ6−1)
非完結調剤処理部400による調剤処理を行う場合には、先ずステップ6−1において調剤に用いる空のトレイ40と、処方データとの紐付けを行う。具体的には、調剤情報処理端末410において調剤を行う処方を選択すると共に、空のトレイ40を識別情報処理端末420のトレイ設置領域422に配置する。これにより、調剤情報処理端末410から出力された紐付情報がトレイ40に設けられた記憶媒体44に書き込まれる。ここで、上述したように、本変形例の調剤情報処理端末410においては、非完結処方に係る処方データだけでなく、必要に応じて完結処方に関する処方データを上位制御装置20から呼び出して選択することができる。そのため、完結処方に係る処方を非完結調剤処理部400により調剤する場合には、完結処方としてリストアップされていた処方データ群から、非完結調剤処理部400により調剤する処方データが消去される。なお、本実施形態では、完結処方に係る処方を非完結調剤処理部400により調剤可能とした例を示したが、完結処方に係る処方を調剤不可能とする場合には、前述したような完結処方の処方データ群から非完結調剤処理部400により調剤する処方データを消去する処理は必要ない。
(ステップ6−2)
ステップ6−2においては、指示箋出力端末430により指示箋42が出力される。指示箋42には、ステップ6−1において選択された処方に係る処方データに基づき、調剤担当者が準備すべき薬剤の種類や数量等が印字される。調剤担当者は、指示箋42に印字されている指示に従い、ステップ6−1で準備されたトレイ40に薬剤を準備する。
(ステップ6−3)
ステップ6−3において入力装置450を介して調剤情報処理端末410に調剤完了情報が入力されると、ステップ6−2において出力された指示箋42に基づいてステップ6−1において準備されたトレイ40に薬剤が準備されたものとされる。これにより、上位制御装置20において、ステップ6−1において選択された処方についての調剤が完了したものと認識される。
上述したように非完結調剤処理部400を別途設けた構成とすれば、非完結処方についての調剤業務をより一層スムーズなものとすることができる。なお、上述した変形例においては、完結処方に係る処方についても非完結調剤処理部400において適宜処理可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、非完結調剤処理部400においては非完結処方のみを取り扱うようにしても良い。
また、上述した変形例では、非完結調剤処理部400において薬剤師等の調剤担当者の選択により完結処方とされた処方についての調剤を非完結調剤処理部400において実施可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、処方すべき薬剤の種類と薬箱払出装置30に在庫されている薬剤種類の合致率(ヒット率)が低い場合や、薬箱払出装置30の稼働率が高い等して薬箱払出装置30での処理の滞留率が高い場合のように薬箱払出装置30を用いて調剤を行うよりも非完結調剤処理部400により調剤する方が好ましい場合がある。このような場合に、上位制御装置20等の制御の下、処方データを非完結調剤処理部400において調剤すべき処方として自動的に割り当て、処理されるようにしても良い。かかる構成とすることにより、より一層調剤業務の効率化を図ることが可能となる。
また、非完結調剤処理部400は、指示箋42の再発行を行うことができる。すなわち、上述したように、識別情報処理端末420は、記憶媒体44に識別情報が記録されているトレイ40をトレイ設置領域422に配置することにより、記憶媒体44から紐付情報を取得することができる。そのため、記憶媒体44から取得した紐付情報を、識別情報処理端末420から調剤情報処理端末410に出力し、調剤情報処理端末410での操作により取得した紐付情報に該当する指示箋42を指示箋出力端末430において再発行させるようにしても良い。指示箋42の再発行に際しては、調剤情報処理端末410において再発行の意思確認のための操作を要求しても良く、調剤情報処理端末410での操作等を伴うことなく指示箋42を指示箋出力端末430において再発行させるようにしても良い。
≪滞留処方への対応に係る変形例について≫
上述した薬剤調剤システム10のように、受渡窓口60に収容容器貯留棚70を設けた場合は、調剤完了後のトレイ40が収容容器貯留棚70に貯留されることとなる。ここで、収容容器貯留棚70に配置されたトレイ40に係る処方について、収容容器貯留棚70への配置後、間もなく患者に受け渡されれば、収容容器貯留棚70にトレイ40が長期に亘って滞留せず、効率良く受渡業務を行うことができる。しかしながら、調剤完了後、収容容器貯留棚70にトレイ40が準備された状態になっても、長期に亘って患者が薬剤の受け取りに来なければ、収容容器貯留棚70がその患者のトレイ40によって占領されてしまい、収容容器貯留棚70の有効利用ができず、受渡業務がスムーズに行えない可能性がある。
そこで、上述した課題を解決すべく、図26に示したレイアウト例(本図においては、薬箱払出装置30等は図示せず省略)のように、受渡窓口60において薬剤の受渡用として準備されたトレイ40を保管しておくための収容容器貯留棚70に加えて、収容容器貯留棚70に配置されているトレイ40を移載可能な収容容器滞留棚500を設け、所定の条件を満足することを条件として収容容器貯留棚70から収容容器滞留棚500に移載させるようにすることが可能である。これにより、収容容器貯留棚70の利用効率を向上させ、受渡窓口60における薬剤の受渡業務の効率をより一層向上させることが可能となる。また、各受渡窓口60あるいは各収容容器貯留棚70に対応するように収容容器滞留棚500を設けることも可能であるが、図示例のように各受渡窓口60あるいは各収容容器貯留棚70に対応付けることなく収容容器滞留棚500を一又は複数設け、滞留処方に係るトレイ40を集合させるようにしても良い。
収容容器滞留棚500は、トレイ40を単に配置可能な棚によって構成されていても良いが、収容容器貯留棚70と同様の構成を備えたものであることが望ましい。具体的には、収容容器滞留棚500は、図27に示すように、収容容器貯留棚70が備えているセンサ73や情報通信装置74、配置部76、報知装置78に相当する機器類として、トレイ40の存否を検知するためのセンサ510や、情報通信装置512、配置部514、報知装置516を備えたものであることが好ましい。また、収容容器滞留棚500を設ける場合には、収容容器滞留棚500を管理するための棚管理端末520を別途設けることが望ましい。
収容容器貯留棚70から収容容器滞留棚500にトレイ40を移載させるための条件(移載条件)はいかなるものであっても良いが、例えば調剤完了の時点から所定時間が経過することを移載条件の一又は全部とすることが可能である。さらに詳細には、収容容器貯留棚70にトレイ40が配置された時点で調剤が完了したこととし、この調剤完了の時点から所定時間が経過することを条件として、収容容器貯留棚70から収容容器滞留棚500にトレイ40を移載させるようにしても良い。
また、上述したように薬箱払出装置30が薬品棚50や受渡窓口60、収容容器貯留棚70等と共に薬局エリアα内に配置されている場合だけでなく、薬箱払出装置30が薬局エリアαの外に配置されている場合が想定される。具体的には、薬箱払出装置30が薬局エリアαとは同一階あるいは別の階に設けられた部屋に設けられ、調剤済みのトレイ40が別室から薬局エリアαにコンベアやリフターなどを用いて移送されてくるケースが想定される。このような場合には、図28に示すように、収容容器貯留棚70にコンベア530を設け、図中に矢印で示すようにこのコンベア530により薬局エリアαの外から移送されてきたトレイ40を所定位置まで引き込むようにすることが可能である。図28の例においては、コンベア530により収容容器貯留棚70の所定位置(図示例では最下段の最も奥の位置)まで到達した時点を調剤完了の時点とし、この時点から所定時間が経過することを条件として、収容容器貯留棚70から収容容器滞留棚500にトレイ40を移載させるようにしても良い。具体的には、図28に示すように、前記所定位置にセンサ73と同様のセンサ532を設けておき、このセンサ532によりトレイ40が検出された時点を調剤完了の時点として収容容器滞留棚500への移載タイミングを導出することが可能である。なお、収容容器貯留棚70にコンベア530を設ける例は、本発明の一例を示したものに過ぎず、必ずしもコンベア530を設ける必要はない。
収容容器滞留棚500を採用した場合の滞留処方への対応は、例えば図29に示すような流れで実施することができる。以下、収容容器滞留棚500を用いた滞留処方への対応方法について説明する。
(ステップ7−1)
収容容器滞留棚500を採用した場合は、先ずステップ7−1において調剤が完了したか否かの確認が制御端末22によってなされる。具体的には、収容容器貯留棚70に設けられたセンサ73とトレイ40に設けられた記憶媒体44との通信により特定された処方について、収容容器貯留棚70に到達した状態、すなわち調剤が完了した状態になったか否かの認識がなされる。上述したように収容容器貯留棚70にコンベア530を設けた場合には、トレイ40がコンベア530によって所定位置まで到達したことが確認された時点で、調剤が完了したものとされる。
(ステップ7−2)
ステップ7−1において調剤が完了したことが制御端末22によって認識されると、制御端末22に設けられた計時手段(図示せず)により調剤完了時点からの経過時間の計測が開始される。その後、制御フローがステップ7−3に進められる。
(ステップ7−3)
ステップ7−3においては、制御端末22から上位制御装置20に対し、収容容器貯留棚70に配置されたトレイ40に係る処方につき、調剤が完了した旨を通知するための情報(調剤完了通知情報)が発信される。これにより、上位制御装置20側において、調剤が完了したことが把握される。
(ステップ7−4)
ステップ7−4においては、ステップ7−3において上位制御装置20によって取得された調剤完了通知情報が、この処方の薬剤についての受渡用として割り当てられている受渡窓口60の窓口端末90に送信される。窓口端末90には、上位制御装置20から受信した調剤完了通知情報に基づき、調剤が完了した処方を特定する情報(調剤完了処方特定情報)が窓口担当者である薬剤師等が確認できるように表示される。調剤完了処方特定情報としては、患者に割り当てられたID番号や患者名等、適宜のものを採用することができるが、本変形例では患者名が採用され、窓口端末90において選択可能なように表示される。
(ステップ7−5)
ステップ7−5においては、受渡窓口60において窓口担当者が受け渡そうとしている患者の呼び出しに関する呼出処理が行われる。具体的には、患者を呼び出すための呼出案内と、呼出案内実施時点からの経過時間(呼出案内後経過時間t)の計測とが呼出処理として実行される。さらに詳細には、窓口端末90において表示されている一又は複数の調剤完了処方特定情報から、窓口担当者が受け渡そうとしている患者に該当する調剤完了処方特定情報が選択されると、この患者を呼び出すための呼出案内が表示装置92を用いた表示や、音声案内等によって行われる。また、呼出案内後経過時間tの計測は、別途設けられた計時装置(図示せず)により実施される。
(ステップ7−6)
ステップ7−6においては、上述したステップ7−5で計測が開始された呼出案内後経過時間tが所定時間Xを越えたか否かが確認される。ここで、呼出案内後経過時間tが所定時間X以上である場合には、制御フローがステップ7−7に進められる。また、呼出案内後経過時間tが所定時間X未満である場合には、制御フローがステップ7−9に進められる。
(ステップ7−7)
ステップ7−7においては、上述したステップ7−6において呼出案内後経過時間tが所定時間X以上であると判定されたトレイ40を収容容器貯留棚70から収容容器滞留棚500に移載するよう指示(移載指示)がなされる。移載指示の方法については、いかなるものであっても良いが、例えば収容容器貯留棚70に設けられた報知装置78を用いて報知する方法が考えられる。さらに詳細には、報知装置78として発光ダイオード(LED)等の発光装置を用いた場合には、この発光装置を発光させることにより移載指示を出すことができる。
なお、移載指示については、音声による報知や別途設けた表示装置等によって表示する等、いかなる方法で実施されても良い。また、報知装置78は、上述したように受渡窓口60に患者が受け取りに来た薬剤が入ったトレイ40を報知するために使用される。そのため、報知装置78によって移載指示を行う場合には、患者に受け渡すためのトレイ40の報知と明確に区別できるようにすることが好ましい。具体的には、報知装置78の発光色や発光パターンを相違させる等することが好ましい。
(ステップ7−8)
ステップ7−8においては、ステップ7−7において移載指示がなされたトレイ40について、収容容器貯留棚70から収容容器滞留棚500への移載がなされたかの確認がなされる。具体的には、収容容器滞留棚500に設けられたセンサ510により、移載指示がなされたトレイ40が検出されることを条件として、上位制御装置20において移載完了と認識される。トレイ40の移載が完了するまでステップ7−8が継続され、移載が完了すると制御フローがステップ7−9に進められる。
(ステップ7−9)
ステップ7−9では、ステップ7−5で呼出案内を行った処方に係る患者が受渡窓口60に薬剤を受け取りに来たか否かの判定が行われる。具体的には、患者が薬剤の受け取りに来た時に入力される情報(受取情報)が窓口端末90において入力されたか否かにより、ステップ7−における判定が行われる。受取情報は、薬剤師等の窓口担当者が手動により窓口端末90に入力するもの等、適宜のものとすることが可能であるが、本変形例では受渡窓口60に来た患者が持っている引換券17を窓口端末90が備えている読取装置(図示せず)で読み取り、自動入力するものとされている。さらに詳細には、引換券17に処方を特定するためのバーコード等の識別標識を発券時に印字しておき、窓口端末90が備えている識別標識の読取装置(図示せず)で読み取り、自動入力するものとされている。患者が受渡窓口60に薬剤を受け取りに来たことが確認されるまでステップ7−9が継続され、受け取りに来たことが確認されると制御フローがステップ7−10に進められる。
(ステップ7−10)
ステップ7−9において患者が受渡窓口60に薬剤を受け取りに来たと判定された場合には、患者に受け渡す薬剤を収容したトレイ40(以下、「受渡用トレイ40」とも称す)の所在について報知がなされる。具体的には、受渡用トレイ40が収容容器貯留棚70に存在している場合には、報知装置78により受渡用トレイ40の所在が報知される。
一方、受渡用トレイ40がステップ7−5における呼出処理から所定時間X以上経過しているものである場合には、収容容器貯留棚70に存在せず、収容容器滞留棚500に移載されている。そのため、この場合には収容容器滞留棚500のどこに受渡用トレイ40が準備されているかが報知される。
ここで、収容容器滞留棚500における受渡用トレイ40の位置を報知する方法としては様々な方法を採用することができる。具体的には、ステップ7−9において受渡窓口60に患者が薬剤を取りに来たとの判定がなされた時点で、上位制御装置20からの指令に基づき収容容器滞留棚500に設けられた報知装置51を用いてどの配置部514にトレイ40が準備されているのかの報知を行うようにすることができる。
ここで、多数の受渡窓口60が設けられている場合には、収容容器滞留棚500に移載されているトレイ40に係る処方についての受渡業務が一度に複数の受渡窓口60において発生する可能性がある。この場合において、前述したように上位制御装置20からの指令により直接的に報知装置51を作動させることとすると、複数の報知装置51が作動してしまい、混乱が生じることが想定される。このような場合には、収容容器滞留棚500に受渡用トレイ40を取りに来た担当者が棚管理端末520において処方に関する情報を入力することにより、報知装置51を作動させるようにすれば、前述したような混乱を生じることなく、報知装置51を用いて適確に受渡用トレイ40の所在を報知することができる。また、報知装置51を用いるだけではなく、例えば受渡窓口60に設けられた窓口端末90により収容容器滞留棚500のどこに受渡用トレイ40が存在しているかを報知するようにしても良い。
(ステップ7−11)
ステップ7−11においては、受渡窓口60において薬剤が患者に受け渡されたことの確認が行われる。具体的には、患者に薬剤を受け渡す際に、窓口端末90を介して窓口担当者が薬剤の受渡を完了した旨の情報(受渡完了情報)を入力する。受渡完了情報は、窓口端末90から上位制御装置20に送信される。上位制御装置20は、受渡完了情報を受信することにより、この処方について薬剤の受渡が完了したものと把握する。薬剤が患者に受け渡されたことが確認されると、一連のフローが完了する。
上述したように収容容器滞留棚500を設けた構成とすることにより、調剤完了後に長期に亘って薬剤の受け取りに来ない患者がいたとしても、収容容器貯留棚70がその患者のトレイ40によって占領されてしまうことを防止し、収容容器貯留棚70を有効利用することができる。これにより、受渡窓口60における受渡業務をより一層スムーズなものとすることができる。
≪払出箋の変形例≫
上述したように、薬箱払出装置30における薬箱の払い出し完了時に、払い出された薬箱についての情報や、薬品棚50から薬剤師等が別途準備すべき薬剤についての情報を印字した紙面(払出箋)が出力される。払出箋はいかなるものであっても良いが、例えば図30に示す払出箋540のようなものとすることができる。具体的には、払出箋540は、タイトル540a、受渡窓口60の窓口番号540b、患者名540c、性別・年齢540d、診療科540e、診療科540eを示すマーク540f、各種のコメント540g、バーコード540h、薬品棚50の位置540i、薬品名540j、払出数量540k、規格量540l、服用方法540m、用法名540n、処方量540o(一回服用量)等の情報を印字したものとすることができる。また、診療科540eが相違する処方が含まれている場合には、処方内容が診療科毎に分かるように区別して記載することが好ましい。具体的には、図30に示す例においては、破線により払出箋540を上下の領域に分け、領域毎に診療科540eを相違させている。また、注意を喚起する必要がある薬剤等が存在する場合には、注意喚起を行うための文字や印を付記するようにすることが望ましい。具体的には、図30に示す例においては、薬箱払出装置30を用いずに調剤担当者が薬品棚50から準備する薬剤が存在する場合に、手を模式化したマークを該当する薬剤名の横に付すようにしている。また、注意喚起が必要な薬剤の例としては、前述した調剤担当者が薬品棚50から準備する薬剤の他、欠品している薬剤、小児や高齢者等に対して受渡窓口60等において服用指導を行わねばならない薬剤、冷所等の特定の環境での保存が必要な薬剤等が想定される。
≪会計終了後における処方変更時の処理について≫
上述した薬剤調剤システム10においては、会計が完了してから薬剤の調剤を行われるが、会計の終了後に処方が変更される場合が想定される。このような処方(以下、「キャンセル処方」とも称す)については、可能である限り調剤をキャンセルすることが好ましく、調剤のキャンセルが不可能あるいは困難である場合には処方が変更されたものであることが明確に分かるようにすることが好ましい。このようなケースに対応するための方策として、例えば図31に示したフローチャートに則った処理が考えられる。以下、図31のフローチャートに即して説明する。
(ステップ8−1)
キャンセル処方が発生した場合には、先ずステップ8−1において、上位制御装置20が薬剤調剤システム10において処理している多数の処方データから、キャンセル処方に係る処方についての処方データを検索により特定する。処方データの特定が完了すると、制御フローがステップ8−2に進められる。
(ステップ8−2)
ステップ8−2においては、キャンセル処方に係る調剤につき、薬箱払出装置30による調剤が開始されているか否かの確認がなされる。ここで、薬箱払出装置30による調剤が開始されていない場合には、制御フローがステップ8−3に進められ、開始されている場合には制御フローがステップ8−4に進められる。
(ステップ8−3)
ステップ8−3においては、上位制御装置20から薬箱払出装置30の制御端末22に対し、キャンセル処方についての薬箱払出装置30による調剤を行わないよう指令が出される。これにより、薬箱払出装置30におけるキャンセル処方についての調剤が中止される。
(ステップ8−4)
一方、キャンセル処方についての調剤が薬箱払出装置30において既に開始されている場合には、薬箱払出装置30による調剤を中止することが困難あるいは不可能である。そのため、ステップ8−4においては、薬箱払出装置30での調剤後、トレイ40が収容容器貯留棚70に配置された時点で、キャンセル処方に係る薬剤を収容したトレイ40である旨を報知する。キャンセル処方に係るトレイ40である旨の報知は、種々の方法によって行うことが可能であるが、例えば報知装置78により報知する方法等、適宜のものとすることができる。
上述したようにしてキャンセル処方に対応することとすれば、薬箱払出装置30による調剤を可能である限りにおいてキャンセルし、調剤業務の迅速化に資することができる。また、薬箱払出装置30による調剤のキャンセルが不可能あるいは困難である場合であっても、キャンセル処方であることを明確に作業者に伝達し、適確に処理することが可能となる。
≪完結処方率向上のための変形例≫
薬剤調剤システム10においては、一般的に、調剤業務を行う全ての処方のうち薬箱払出装置30による払い出しのみで処方された薬剤の全てを集めることが可能な処方(完結処方)が占める割合(完結処方率)が高い方が調剤業務の効率化を図ることができる。そのため、完結処方率を向上させるためには、所定の期間(例えば1ヶ月)に亘って処方に用いられた薬剤の種類や数量についての統計データを導出し、この統計データに基づいて薬箱払出装置30に準備する薬剤の種類や数量等を調整することが好ましい。
≪トレイ振分装置250の変形例について≫
上述した薬剤調剤システム10においては、薬箱払出装置30により調剤すべき薬剤の一部が薬箱払出装置30による調剤では準備できない処方(非完結処方)についてのトレイ40を、トレイ振分装置250のリフター252により保管している。また、薬箱払出装置30により調剤すべき薬剤を全て集めることができる処方(完結処方)に係るトレイ40については、トレイ振分装置250からトレイ保管装置300に移送して保管することとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、トレイ振分装置250において非完結処方のトレイ40だけでなく、完結処方のトレイ40についても保管可能なようにしても良い。
ここで、上述したような構成とした場合、トレイ振分装置250に保管されているトレイ40が非完結処方に係るものであるのか、あるいは完結処方に係るものであるかの区別を作業者が瞬時に行えない可能性がある。かかる問題に対処すべく、トレイ振分装置250に保管されているトレイ40が、それぞれ完結処方あるいは非完結処方のいずれに係るトレイであるかを容易に特定可能とすることが望ましい。かかる構成の一例として、例えば完結処方及び非完結処方のいずれであるかによって、トレイ振分装置250に設けられた表示部(図示せず)の表示形態を明らかに相違するものとすることが可能である。具体的には、完結処方及び非完結処方を明示する方法や、完結処方及び非完結処方に応じて表示色を反転させる等の方法を採用することや、これらの方法を複数組み合わせて採用することが可能である。これにより、トレイ振分装置250によって非完結処方及び完結処方の双方のトレイ40を取り扱う場合であっても、作業者が混乱等することなく、スムーズに調剤業務を行うことが可能となる。
≪薬箱払出装置30における薬剤回収機能について≫
上述した薬箱払出装置30は、収容払出装置120に設けられた複数の薬剤通路122から選ばれた一又は複数の薬剤通路122に準備されている薬剤を回収できる機能を備えていることが望ましい。また、薬箱払出装置30に薬剤回収機能を設ける場合には、各薬剤通路122に付与された通路番号により薬剤の回収を行う薬剤通路122を指定できるようにすることが好ましい。また、処方される頻度の高い薬剤については、多数の薬剤を収容払出装置120に準備しておくべく、複数の薬剤通路122を単一種の薬剤に割り当てる運用が考えられる。そのため、前述したように通路番号等により薬剤の回収を行う薬剤通路122を指定できるようにするだけの構成である場合には、単一種の薬剤が複数の薬剤通路122に亘って準備されている場合に薬剤通路122を一つずつ指定する必要があり、作業効率が良くない。
上述したような問題を解消するべく、薬剤の名称やコード番号等によって薬剤を特定することにより、指定された薬剤が準備されている複数の薬剤通路122について薬剤を回収できるようにすることが望ましい。具体的には、薬箱払出装置30の制御端末22を用いて薬剤の回収指示を薬箱払出装置30に出力可能とする場合には、通路番号等により薬剤の回収を行う薬剤通路122を指定するメニューの他に、名称やコード番号によって回収する薬剤を指定し、指定された薬剤に係る各薬剤通路122に準備されている薬剤を回収可能とすることが可能である。
≪在庫量導出時における動作の変形例について≫
薬箱払出装置30においては、薬剤の欠品を最小限に抑制するべく、薬局等の業務完了後等の適宜のタイミングで各薬剤通路122に準備されている薬剤の在庫量を導出することが望ましい。また、薬箱払出装置30においては、薬剤の在庫量を導出する作業を自動化、あるいは半自動化することが好ましい。また、薬剤の在庫量の導出作業を自動化あるは半自動化した場合には、在庫量の導出作業の完了後に薬箱払出装置30の制御端末22等をシャットダウンする動作についても自動化できるようにすることが望ましい。かかる構成とすることにより、制御端末22のシャットダウンのために在庫量の導出作業が完了するのを待つ必要がなくなる。これにより、一連の業務の省力化等を図ることが可能となる。
なお、上述した制御端末22等のシャットダウン動作の自動化あるいは半自動化に加えて、あるいはシャットダウン動作の自動化あるいは半自動化に代えて、在庫量の導出作業が完了するまでの予測時間を数値表示すること、あるいは予想時間に応じて長さが変化するバーを用いた表示を行うこと、予想時間をグラフ表示すること等の手法により、管理・作業者に対して在庫量の導出作業が完了するまでの時間が分かるように表示するこことでもよい。
≪その他の変形例≫
上述した薬剤調剤システム10及び薬箱払出装置30において取り扱われる薬箱は、直方体あるいは立方体の箱以外の様々な形状の箱やケースを採用することができる。具体的には、円筒状のボトルとすることも可能である。また、薬箱は、必ずしも紙製である必要はなく、樹脂製等であっても良い。
また、薬箱払出装置30は、収容払出装置120をなす全ての薬剤通路122に対し装填装置130により装填可能なものであっても良いが、本発明はこれに限定されるものではなく、収容払出装置120の一部の薬剤通路122において、手動により薬箱を準備可能なものとしても良い。具体的には、例えば樹脂製のボトル等からなる薬箱に割り当てられた薬剤通路122には、手動により薬箱を準備可能なものとしても良い。
薬剤調剤システム10においては、同一種の薬箱を所定数以上調剤する処方するよう処方データが入力される可能性がある。このような場合には、薬箱払出装置30を用いて薬箱を払い出すと、薬箱払出装置30の在庫が一気に減少してしまい、在庫の補充等を頻繁に行わねばならない可能性がある。そこで、業者等からの納入状態等において予めパッケージされている数量(パッケージ数量)を規定しておき、同一種の薬箱を当該パッケージ数量以上の調剤せねばならない処方については、薬箱払出装置30を用いず、薬品棚50等から別途準備して調剤するような処理を行うようにしても良い。
本発明は上述した各実施形態及び変形例として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明の薬剤調剤システムは、大量の処方について調剤を行う病院や薬局等において好適に利用することができる。
10 薬剤調剤システム
20 上位制御装置
22 制御端末
30 薬箱払出装置
40 トレイ
44 記憶媒体
50 薬品棚
60 受渡窓口
70 収容容器貯留棚
74 情報通信装置
76 配置部
78 報知装置
80 搬送装置
90 窓口端末
92 表示装置
128 薬剤収集手段
200 非常用払出部
203 排出口
230 トレイ供給装置
250 トレイ振分装置
252 リフター
254 受入開口
256 排出開口
260 シャッター
270 爪部材
300 トレイ保管装置
310 報知装置
330 メインコンベア
332 昇降コンベア
334 搬送シャッター

Claims (14)

  1. 払い出し用の薬剤を予め準備しておき、上位制御装置側から出力された処方データに則って薬剤を払い出し可能な薬剤払出装置を複数台接続可能であり、当該薬剤払出装置から払い出された薬剤を集めることにより患者に処方すべき薬剤を調剤する薬剤調剤システムであって、
    各薬剤払出装置において在庫されている薬剤の種類が、前記上位制御装置側において把握されており、
    処方すべき薬剤の種類と、在庫されている薬剤種類との合致率が高い前記薬剤払出装置が、当該処方に係る薬剤を払い出すための薬剤払出装置として優先的に選択されることを特徴とする薬剤調剤システム。
  2. 記複数の薬剤払出装置のうち稼働率の低いものが、前記上位制御装置側において調剤用の薬剤払出装置として優先的に選択されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤調剤システム。
  3. 各薬剤払出装置に準備されている薬剤の種類及び在庫数が、前記上位制御装置側において把握されており、
    調剤すべき薬剤についての、処方すべき薬剤の種類と在庫されている薬剤の種類の合致率が同一であることを条件として、前記複数の薬剤払出装置のうち稼働率の低いものが、前記上位制御装置側において調剤用の薬剤払出装置として優先的に選択されることを特徴とする請求項1に記載の薬剤調剤システム。
  4. 処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器に、当該収容容器に付与された識別情報を記憶する記憶媒体が設けられており、
    前記処方データと、前記識別情報との関連づけがなされることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  5. 処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、
    前記受渡窓口において前記収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚とを有し、
    前記収容容器貯留棚に、前記記憶媒体とのデータ通信により前記収容容器の識別情報を認識可能な通信手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の薬剤調剤システム。
  6. 前記通信手段による通信に基づき、前記収容容器貯留棚に前記収容容器が配置されたことが認識されることを条件として、前記上位制御装置側において調剤完了と認識されることを特徴とする請求項5に記載の薬剤調剤システム。
  7. 処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、
    前記受渡窓口において、処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚と、
    前記上位制御装置側に通信可能に接続されると共に、前記受渡窓口において操作可能とされた窓口端末とを有し、
    前記窓口端末に、薬剤の受渡対象である患者を特定する患者特定情報が表示され、
    前記患者特定情報を選択することにより、前記収容容器貯留棚において当該患者に受け渡すべき薬剤が収容された収容容器が配置された位置が報知されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  8. 前記収容容器貯留棚から収容容器が取り除かれると共に、前記窓口端末において当該収容容器に準備された薬剤を患者に受渡した旨の入力がなされることを条件として、前記収容容器の、当該収容容器に付与された識別情報を記憶する記憶媒体に記憶された識別情報が消去可能となることを特徴とする請求項7に記載の薬剤調剤システム。
  9. 処方に則って準備された薬剤を患者に対して受け渡す受渡窓口と、
    前記受渡窓口において、処方データに則って集められた薬剤を収容する収容容器を複数配置可能な収容容器貯留棚と、
    薬剤を受け渡す患者を特定する患者特定情報を表示する表示装置とを有し、
    前記収容容器貯留棚に配置された収容容器に関連づけられた患者に係る患者特定情報が、後に前記受渡窓口において薬剤の受渡を受ける患者の特定用として表示されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  10. 前記薬剤払出装置が、
    薬剤を多数収容し、方毎に薬剤を収集して払出可能な薬剤収容部を有し、
    前記薬剤収容部には、通路幅の異なる複数種の薬剤通路が並べて設けられており、各薬剤通路に薬剤を一列に並べて収容し、順次送り出すことが可能であり、
    上位制御装置側から出力された処方データに則って、調剤すべき薬剤を前記薬剤収容部から払い出し可能なものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  11. 前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、
    前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の払い出しを行うサブコンベアとを備えており、
    前記サブコンベアが薬剤の払い出しを行っている間に、次の処方に係る薬剤を前記メインコンベアによって前記サブコンベア側に集める薬剤集積動作を実施可能であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  12. 処方された薬剤の容積が、薬剤をとりまとめるために準備される収容容器の容積に対して所定の割合を超えることを条件として、複数の収容容器に薬剤が分割して準備されることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  13. 前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、
    前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の払い出しを行うサブコンベアとを備えており、
    処方された薬剤の搬送時に前記サブコンベアの搬送面と接触する面の総面積が、前記サブコンベアの搬送面の面積に対して所定の割合を超えることを条件として、前記サブコンベアによる搬送回数が複数回に設定されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
  14. 前記薬剤払出装置が、払い出し用として準備された薬剤を収集して搬送するコンベアを備えており、
    前記コンベアが、処方に基づいて払い出し用として準備された薬剤を集めるメインコンベアと、当該メインコンベアから移載された薬剤の収容容器への払い出しを行うサブコンベアとを備えており、
    一処方分の薬剤を前記コンベア上に配置したと仮定した場合に前記サブコンベアと接触する接触面積の総面積が前記収容容器の大きさを基準として設定される所定の面積上限を超えること、及び一処方分の薬剤の総体積が前記収容容器の大きさを基準として設定される所定の体積上限を超えることのいずれか一方又は双方を満たすことを条件として、前記サブコンベアに対して一度に搭載される薬剤の前記接触面積が前記面積上限を下回る搭載条件、及び前記サブコンベアに対して一度に搭載される薬剤の体積が前記体積上限を下回る搭載条件のいずれか一方又は双方の搭載条件を満足するよう、一処方分の薬剤を複数回に分けて前記サブコンベアに搭載させつつ、前記サブコンベアに薬剤が搭載される毎に前記収容容器への払い出し動作を実施することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の薬剤調剤システム。
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