JP2022141563A - 薬剤取扱装置、及び薬剤払出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】カセット棚からのカセットの取出し、又はカセット棚へのカセットの保管に対する作業効率及び処理効率を向上させる。【解決手段】ピッキングユニット(3)は、薬剤授受部(32)と、ピッキングユニットからカセットを取出す、又はピッキングユニットにカセットを投入することが可能なカセット授受部(41)と、薬剤授受部又はカセット授受部と、カセット棚との間で、カセットを移送する本体カセット移送部及びピッキングカセット移送部と、を備える。【選択図】図16
Description
本発明は、薬剤取扱装置等に関する。
従来から、薬剤の払出しを行う薬剤払出装置が開発されている。その一例が、特許文献1~3に開示されている。
特許文献1には、カセット棚から受渡部へと搬送した薬剤収容カセットから薬剤シートを取出し、当該薬剤シートを薬剤トレイが受取り可能なように、薬剤トレイを移動させる薬剤払出装置が開示されている。この薬剤払出装置によれば、薬剤シートを払出すのに必要とされるトータルの時間を短縮できる。
また、特許文献2には、カセット棚から搬送された薬剤収容カセットが配膳される複数の配膳部を有する薬剤ピッキング部を備える自動薬剤供給装置が開示されている。複数の配膳部はそれぞれ、薬剤を出し入れする薬剤取出口と、薬剤取出口を開閉可能な開閉カバーとを有する。この自動薬剤供給装置では、薬剤収容カセットが配膳された配膳部の開閉カバーのみが開状態となるように制御されることにより、薬剤ピッキング部に複数の薬剤収容カセットが配膳された場合であっても、所望の薬剤を間違いなく取出すことが可能となる。
また、特許文献3の方法では、医療品パックを、オペレータユニットのアクセス領域内にある第1の受承場所から、オペレータのアクセス領域内にある排出場所に輸送する。また、当該方法では、オペレータのアクセス領域内にある補充場所から、オペレータユニットのアクセス領域内にある第2の受承場所に輸送する。
作業者がカセット棚に保管されたカセットを取出したり、カセット棚にカセットを保管したりする作業を行う場合を考える。特許文献1及び2には、作業者がカセット棚に直接アクセスせずに、薬剤払出装置又は自動薬剤供給装置が自動的に、取出し又は投入対象のカセットにアクセスすることを可能する構成についての開示は無い。
また、特許文献3には、作業者が薬剤を医薬品パックから取出す排出場所、又は、薬剤を医薬品パックに補充する補充場所以外に、以下に示す場所の開示は無い。すなわち、特許文献3には、作業者が、装置に保管され、装置により自動的に搬送された医薬品パックを取出す場所、又は、装置が自動的に搬送し、装置に保管する医薬品パックを補充する場所についての開示は無い。なお、特許文献3の方法における輸送対象は医薬品パックであって、医薬品パックを収容可能なカセットではない。
従って、特許文献1~3の技術では、カセット棚からのカセットの取出し、又はカセット棚へのカセットの保管に対する作業効率及び処理効率を向上させることができない可能性がある。
また、特許文献1~3には、同種の薬剤を収容するカセット群をカセット棚に保管している場合に、当該カセット群に含まれるカセットの移送方法についての開示は無い。従って、特許文献1~3の技術では、当該カセット群のそれぞれにおける薬剤シートの収容状況に応じて、作業者に薬剤の取出し方を決定させることができない可能性がある。
本発明の一態様は、カセット棚からのカセットの取出し、又はカセット棚へのカセットの保管に対する作業効率及び処理効率を向上させることが可能な薬剤取扱装置を実現することを目的とする。
また、本発明の一態様は、同種の薬剤を収容する複数のカセットのそれぞれにおける薬剤シートの収容状況に応じて、作業者に薬剤の取出し方を決定させることが可能な薬剤払出装置を実現することを目的とする。
(1)上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬剤取扱装置は、薬剤が収容されるカセットから前記薬剤を取出すこと、又は前記カセットに前記薬剤を投入することが可能な薬剤授受部と、前記薬剤取扱装置から前記カセットを取出す、又は前記薬剤取扱装置に前記カセットを投入することが可能なカセット授受部と、前記薬剤授受部及び前記カセット授受部の少なくとも一方と、前記カセットを複数個保管可能なカセット棚との間で、前記カセットを移送するカセット移送部と、を備える。
(2)上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る薬剤払出装置は、複数の薬剤を含む薬剤シートが収容されるカセットから前記薬剤シートの全体若しくはその一部を取出すこと、又は前記カセットに前記薬剤シートの全体若しくはその一部を投入することが可能な薬剤取扱装置と、前記カセットを複数個保管可能なカセット棚と、を備える薬剤払出装置であって、同種の薬剤を収容対象とする複数のカセットから構成される少なくとも1つのカセット群が前記カセット棚に保管されている状態において、前記カセット群のうちの1つのカセット群を構成する複数のカセットの少なくとも2つのカセットに収容された薬剤が取出対象となった場合に、前記複数のカセットのそれぞれにおける収容薬剤数に依らず、前記1つのカセット群に含まれる2つ以上のカセットを、前記カセット棚から前記薬剤取扱装置に移送する移送制御部、を備える。
上記(1)に示す本発明の一態様に係る薬剤取扱装置によれば、カセット棚からのカセットの取出し、又はカセット棚へのカセットの保管に対する作業効率及び処理効率を向上させることができる。
また、上記(2)に示す本発明の別の一態様に係る薬剤払出装置によれば、同種の薬剤を収容する複数のカセットのそれぞれにおける薬剤シートの収容状況に応じて、作業者に薬剤の取出し方を決定させることが可能となる。
〔基本構成〕
<薬剤払出システム>
本実施様態に係る薬剤払出システム100について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る薬剤払出システム100の構成例を示すブロック図である。
<薬剤払出システム>
本実施様態に係る薬剤払出システム100について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る薬剤払出システム100の構成例を示すブロック図である。
薬剤払出システム100は、処方データに基づき薬剤の払出しを行うシステムである。薬剤払出システム100は、処方データに基づく調剤に用いる装置として、例えば、ドラッグステーション1、処方入力装置200、錠剤分包機300、散薬分包機400、PTP払出装置500、払出補助装置600、及び払出制御装置800を備える。その他、薬剤払出システム100は、薬剤棚700を備える。以下の説明において、錠剤分包機300、散薬分包機400、PTP払出装置500、及び払出補助装置600を各種装置と称する場合がある。ドラッグステーション1、各種装置、及び薬剤棚700は、例えば、病院又は薬局に設置されている。
処方入力装置200は、医師により患者に処方された薬剤に関する情報(例:当該薬剤の種類(例:薬剤名、薬剤識別情報)、服用量(当該薬剤の数)、及び服用方法)の入力を受付ける装置である。処方入力装置200は、処方された薬剤に関する情報を、処方データとして、払出制御装置800に送信する。また、処方入力装置200は、処方された薬剤に関する情報を印字した処方箋を発行してもよい。なお、処方箋は、後述する払出制御装置800により発行されてもよい。また、処方入力装置200及び払出制御装置800は、処方箋に代えて、ドラッグステーション1及び上記各種装置のそれぞれに対応する調剤指示箋を発行してもよい。調剤指示箋は、払出制御装置800が作成する後述の払出データに含まれる情報を印字したものである。
上記処方データは、複数の患者のそれぞれに処方された薬剤に関する情報を含んでいてよく、この場合、当該情報が複数の患者単位で纏められていてもよい。また、処方入力装置200は、処方された薬剤に関する情報を所定処方期間(例:1日)で区切り、所定処方期間毎に処方データを生成してもよい。
払出制御装置800は、薬剤払出システム100における薬剤の払出しを制御する。例えば、払出制御装置800は、ドラッグステーション1及び上記各種装置のうちの何れの装置を用いて、処方入力装置200から受信した処方データに示された薬剤を払出すかを決定する。処方データに示された薬剤は、上記患者に処方された薬剤であって、処方薬剤と称してもよい。払出制御装置800は、制御部801及び記憶部802を備える。
制御部801は、払出制御装置800が備える各部を統括して制御する。制御部801は、決定部811及び送受信部812を備える。決定部811は、処方データに示された薬剤を、何れの装置を用いて払出すかを決定する。送受信部812は、処方入力装置200からの処方データ、又は、ドラッグステーション1若しくは各種装置からの通知等を受信する。また、送受信部812は、決定部811が決定した結果に基づき、払出す薬剤に関する情報(薬剤の種類等を示す情報)を含む払出データを、ドラッグステーション1又は各種装置に送信する。払出データは、ドラッグステーション1又は各種装置に送信される処方データともいえる。
記憶部802は、例えば、制御部801が使用する各種プログラム、及び、ドラッグステーション1に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベース(薬剤マスタ)を記憶している。当該薬剤に関する情報としては、例えば、薬剤の種類(例:薬剤名、薬剤識別情報)、使用期限及びロット番号が挙げられる。また、記憶部802は、例えば、錠剤分包機300に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベース、及び、散薬分包機400に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベースを記憶している。ドラッグステーション1、錠剤分包機300及び散薬分包機400もまた、それぞれの薬剤データベースを記憶している。
払出制御装置800は、ドラッグステーション1の記憶部に記憶した薬剤データベースの更新時に、記憶部802に記憶した薬剤データベースを更新する。具体的には、払出制御装置800は、ドラッグステーション1において、ドラッグステーション1が保管する薬剤の種類に変更があった場合に、変更内容を示す情報を、ドラッグステーション1から受信する。払出制御装置800は、この情報に基づき、記憶部802に記憶するドラッグステーション1の薬剤データベースを更新する。払出制御装置800は、ドラッグステーション1の起動時において、記憶部802に記憶した薬剤データベースの更新を行ってもよい。また、払出制御装置800は、錠剤分包機300及び散薬分包機400についても同様に、錠剤分包機300の薬剤データベース又は散薬分包機400薬剤データベースを更新する。
ドラッグステーション1は、ドラッグステーション1内に保管している薬剤を払出す装置(第1薬剤払出装置、薬剤払出装置)である。ドラッグステーション1の具体的な構成については後述する。
錠剤分包機300、散薬分包機400及びPTP払出装置500は、薬剤を払出す第2薬剤払出装置(調剤機器)の一例である。錠剤分包機300は、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤、すなわち錠剤分包機300内に保管している錠剤を払出す装置である。散薬分包機400は、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤、すなわち散薬分包機400内に保管している散薬(散剤)を払出す装置である。PTP払出装置500は、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤、すなわちPTP払出装置500内に保管している、当該薬剤を含むPTP(Press Through Package)シート(薬剤シート)を払出す装置である。
払出補助装置600は、薬剤を保管する薬剤棚700からの薬剤の払出しを補助する装置である。払出補助装置600は、例えば、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤の種類等の情報を提示する。これにより、薬剤師、看護師又は医師等の医療従事者、及び、ドラッグステーション1の作業者は、薬剤棚700から薬剤を取出すことができる。ドラッグステーション1の作業者は、ドラッグステーション1から薬剤を取出すものであり、薬剤師、看護師又は医師等の資格を有さない無資格者である。但し、作業者は、当該資格を有する有資格者であってもよい。なお、以下の説明において、薬剤師、看護師又は医師等の有資格者である医療従事者を、単にユーザと称する場合がある。
<ドラッグステーション>
図2及び図3は、ドラッグステーション1の構成例を示す斜視図である。図2は本体ユニット2を前面側から見た図であり、図3は本体ユニット2を背面側から見た図である。図4は、ドラッグステーション1の主要構成の一例を示すブロック図である。
図2及び図3は、ドラッグステーション1の構成例を示す斜視図である。図2は本体ユニット2を前面側から見た図であり、図3は本体ユニット2を背面側から見た図である。図4は、ドラッグステーション1の主要構成の一例を示すブロック図である。
ドラッグステーション1は、薬剤の保管、並びに、薬剤の充填及び払出しを行うための装置である。図2~4に示すように、ドラッグステーション1は、本体ユニット2及びピッキングユニット3を備えている。
(本体ユニット)
本体ユニット2は、薬剤を保管するユニットである。具体的には、本体ユニット2は、薬剤を収容する複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚として機能する。本体ユニット2は、本体カセット移送部22(図6の符号6001及び6002に示す22a及び22b)を用いることにより、保管されているカセットCaをピッキングユニット3に移送する装置である。また、本体ユニット2は、ピッキングユニット3から返却されたカセットCaを元の保管位置に移送する装置である。換言すれば、本体ユニット2は、カセットCaを複数個保管し、ピッキングユニット3に対して、カセットCaの受渡し及び受取りを行うカセット取扱装置として機能する。
本体ユニット2は、薬剤を保管するユニットである。具体的には、本体ユニット2は、薬剤を収容する複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚として機能する。本体ユニット2は、本体カセット移送部22(図6の符号6001及び6002に示す22a及び22b)を用いることにより、保管されているカセットCaをピッキングユニット3に移送する装置である。また、本体ユニット2は、ピッキングユニット3から返却されたカセットCaを元の保管位置に移送する装置である。換言すれば、本体ユニット2は、カセットCaを複数個保管し、ピッキングユニット3に対して、カセットCaの受渡し及び受取りを行うカセット取扱装置として機能する。
本体ユニット2には、病院又は薬局等の1施設での使用が想定されている種類(例:約1500~2000種類)の薬剤を保管することが可能である。本実施形態では、本体ユニット2は、薬剤として、例えば、薬剤シート(例:PTPシート)、軟膏若しくは目薬等の外用薬、又は散薬を保管する。また、本体ユニット2は、例えば、薬剤を収容するアンプル又はバイアルを保管してもよい。本明細書では、薬剤シートではない薬剤(薬剤シート以外の形体の薬剤)には、軟膏若しくは目薬等の外用薬、及び散薬の他、薬剤を収容するアンプル又はバイアルが含まれる。本体ユニット2は、本体ユニット2で保管可能な薬剤であれば、どのような薬剤を保管しても構わない。
本体ユニット2は、カセット棚21、本体カセット移送部22及びカセット保持部23を備える。
カセット棚21は、複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚である。本実施形態では、カセット棚21は、大きさ(種類)の異なるカセットCaを保管可能となっている。図5は、カセット棚21に保管可能なカセットCaの構造例を示す図であり、符号5001は大型カセットCa1の一例を示す斜視図であり、符号5002は中型カセットCa2の一例を示す斜視図であり、符号5003は小型カセットCa3の一例を示す斜視図である。また、図5の符号5004は大型カセットCa1の一例を示す断面図である。
符号5001では、大型カセットCa1に、薬剤を収容できる箇所を複数形成する仕切部Ca11が設けられている。これにより、1つの大型カセットCa1に複数種類の薬剤を収容できる。本実施形態では、大型カセットCa1には仕切部Ca11が4箇所に設けられ、薬剤の収容領域(収容位置)が5箇所形成されている。中型カセットCa2は、大型カセットCa1の幅(短手方向の長さ)よりも小さく、かつ小型カセットCa3の幅よりも大きいカセットである。また、符号5002では、中型カセットCa2にも仕切部Ca21が設けられている(本実施形態では2箇所の収容領域が形成されている)。
なお、小型カセットCa3にも仕切部が設けられ、複数の収容領域が形成されても構わない。また、大型カセットCa1及び中型カセットCa2に仕切部が設けられず、大型カセットCa1及び中型カセットCa2が1種類の薬剤シートを収容可能なカセットとして機能しても構わない。また、仕切部Ca11はカセットCaに対して取外し可能である。そのため、大型カセットCa1においては、収容領域の大きさ及び数を任意に設定できる。また、カセットCaの種類は3種類に限られず、幅が異なる2種類又は4種類以上のカセットが準備されても構わないし、1種類であっても構わない。
このように、複数種類のカセットCaのそれぞれに仕切部を設けることにより、カセットCaに薬剤を収容する複数の収容領域を形成できる。
また、大型カセットCa1の短手方向に延伸する側壁(長手方向の端部)には、爪受部Ca12が設けられている。爪受部Ca12は、本体カセット移送部22の爪部2212(図8参照)、及び、ピッキングカセット移送部35の突起部351a(図12の符号12002参照)と引っ掛かるものである。爪受部Ca12が爪部2212又は突起部351aに引っ掛かることで、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35による、カセット棚21又はカセット保持部23に対するカセットCaの取出し又は載置が可能となる。
また、爪受部Ca12には切欠部Ca13が設けられている。切欠部Ca13の位置を位置センサ2214(図8参照)が検出することにより、本体カセット移送部22は、カセット把持部221(図8参照)を、移送対象の大型カセットCa1の真正面に移送できる。そのため、確実に当該大型カセットCa1を取出すことができる。
また、大型カセットCa1の長手方向の両端部に設けられた2つの爪受部Ca12にはそれぞれ、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ(不図示)が設けられている。各RFIDタグには、各爪受部Ca12を識別するための爪受部識別情報が記録されている。
一方の爪受部Ca12側からカセットCaを取出した場合と、他方の爪受部Ca12側からカセットCaを取出した場合とでは、薬剤授受部32に載置されるときのカセットCaの向きが異なる。大型カセットCa1のように、1つのカセットCaに複数種類の薬剤を収容している場合、その載置される向きによって、薬剤授受部32に対する薬剤の位置関係が変わってしまう。そのため、制御装置10が、載置される向きを認識できない場合には、取出すべき薬剤の収容位置にあわせてシャッター322を開くことができない可能性がある。
上記のように爪受部識別情報を記録しておき、本体カセット移送部22(例:カセット引出部2211(図8参照))に、RFIDリーダ(不図示)を設けておくことで、制御装置10は、カセット棚21からカセットCaが取出されるときに、RFIDリーダがRFIDタグから読取った爪受部識別情報に基づき、カセットCaの向きを判定できる。従って、制御装置10は、薬剤授受部32において、取出すべき薬剤シートの収容位置にあわせてシャッター322を開くことができる。
なお、爪受部Ca12、切欠部Ca13及びRFIDタグは、中型カセットCa2及び小型カセットCa3にも設けられている。つまり、カセット棚21に保管される全てのカセットCaに設けられている。
また、RFIDリーダは、ピッキングカセット移送部35(例:突起部351a)に設けられていても構わない。この場合、制御装置10は、受渡カセット保持部231からカセットCaが取出されるときに(図13の符号13003の状態)、上記と同様、RFIDリーダがRFIDタグから読取った爪受部識別情報に基づき、カセットCaの向きを判定できる。
また、カセットCaには、バーコードCa14が設けられている。バーコードCa14には、例えば、カセットCaを識別するためのカセット識別情報、及び、カセットCaの大きさ(種類)を示すサイズ情報(大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3の何れかを示す情報)が含まれる。バーコードCa14は一例であって、上記情報をカセット把持部221等に設けられたバーコードリーダ(不図示)により読出すことが可能なように、個々のカセットCaに上記情報が付与されていればよい。バーコードCa14の情報を読出すことにより、制御装置10は、当該情報と、記憶部15が記憶するデータ(後述)との照合を行うことができる。そのため、例えば、本体カセット移送部22は、払出対象の薬剤が収容されたカセットCa、又は充填対象の薬剤を収容するカセットCaを、確実に取出すことができる。また、例えば、制御装置10は、上記の照合結果、上記情報と上記データとが一致した場合に、シャッター322を開状態とすることができる。
本体カセット移送部22は、カセット棚21とカセット保持部23との間において、カセットCaを移送するものである。本体カセット移送部22は、薬剤の払出し時には、例えば、払出データに含まれる薬剤を収容するカセットCaをカセット棚21から取出し、カセット保持部23へ移送する。そして、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCa(ピッキングユニット3において指定数の薬剤が取出され、ピッキングユニット3から返却されたカセットCa)を、カセット棚21へ移送する。また、本体カセット移送部22は、薬剤の充填時には、バーコードリーダ34で読取った薬剤識別情報が示す種類の薬剤が収容対象となるカセットCaをカセット棚21から取出し、カセット保持部23へ移送する。そして、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCa(ピッキングユニット3において薬剤が充填され、ピッキングユニット3から返却されたカセットCa)を、カセット棚21へ移送する。
本体カセット移送部22を備えることにより、カセット棚21からカセットCaを取出してピッキングユニット3へと移送すると共に、当該カセットCaをカセット棚21へ返却できる。
カセット保持部23は、カセット棚21又はピッキングユニット3から移送されたカセットCaを一時的に保持するもの(バッファ)である。カセット保持部23は、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232を備えている。受渡カセット保持部231は、カセット棚21から取出され、ピッキングユニット3の薬剤授受部32へ受け渡されるカセットCaを、一時的に保持するものである。受取カセット保持部232は、薬剤授受部32から受取りカセット棚21へ返却されるカセットCaを、一時的に保持するものである。つまり、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232はそれぞれ、カセットCaを一時的に載置する載置台として機能する。
また、本体ユニット2には、第1タッチパネル5が設けられている。第1タッチパネル5は、ドラッグステーション1に関する各種情報を表示する表示装置であると共に、作業者による入力操作を受付ける入力装置としても機能する。但し、第1タッチパネル5は、表示装置としてのみ機能しても構わない。
また、本体ユニット2には、前面及び背面のそれぞれに複数の扉25(開閉扉)が設けられている。ユーザは、扉25を開けることにより、カセット棚21へ直接アクセスできる。図3では、背面の一部に設けられた扉25が開いている状態を示している。扉25は、本体ユニット2の外部からカセット棚21を視認できるように、透明又は半透明であってよい。
図2及び図3では、本体ユニット2の前面側に1台のピッキングユニット3が設けられた構成となっているが、これに限らず、複数台のピッキングユニット3が設けられても構わない。図示していないが、本明細書では、2つのピッキングユニット3が設けられているものとして説明する。
(ピッキングユニット)
ピッキングユニット3は、本体ユニット2に保管された薬剤を払出す装置である。薬剤の払出しを実現するために、ピッキングユニット3は、作業者が薬剤を取出すピッキング作業を行うための装置として機能する。また、ピッキングユニット3は、作業者が薬剤を本体ユニット2に充填するための充填作業を行うための装置として機能する。換言すれば、ピッキングユニット3は、作業者が、本体ユニット2に保管されるカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うための装置(作業者による薬剤の取扱いを可能とする薬剤取扱装置)として機能する。
ピッキングユニット3は、本体ユニット2に保管された薬剤を払出す装置である。薬剤の払出しを実現するために、ピッキングユニット3は、作業者が薬剤を取出すピッキング作業を行うための装置として機能する。また、ピッキングユニット3は、作業者が薬剤を本体ユニット2に充填するための充填作業を行うための装置として機能する。換言すれば、ピッキングユニット3は、作業者が、本体ユニット2に保管されるカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うための装置(作業者による薬剤の取扱いを可能とする薬剤取扱装置)として機能する。
ピッキングユニット3は、第2タッチパネル31、薬剤授受部32、バーコードリーダ34、ピッキングカセット移送部35、プリンタ36、薬剤載置台37、トレイ載置台38及びトレイ閉ボタン39を備える。これらの部材は、作業者が薬剤を取扱う作業台40に設けられている。
ピッキングユニット3は、本体ユニット2から移送されたカセットCaを、ピッキングカセット移送部35を用いて薬剤授受部32へ移送する。作業者は、第2タッチパネル31の表示内容を確認しながら、薬剤授受部32に移送されたカセットCaから薬剤を取出し、薬剤載置台37、又はトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrへ投入する。薬剤載置台37に載置された薬剤は、最終的には、搬送トレイTrへ投入される。
ユーザは、薬剤が収容された搬送トレイTrを鑑査ユニットに運搬する。鑑査ユニットは、本体ユニット2から払出された薬剤に対する最終鑑査をユーザが行うためのユニットである。ドラッグステーション1は、本体ユニット2及びピッキングユニット3の他、鑑査ユニットを備えてもよい。なお、薬剤をカセットCaに充填する作業は、ユーザにより行われる。
第2タッチパネル31は、第1タッチパネル5と同様、ドラッグステーション1に関する種々の情報を表示すると共に、作業者による入力操作を受付ける。第2タッチパネル31は、カセットCaからの薬剤の取出し時(薬剤の払出し時)に、例えば、作業者が薬剤授受部32から取出すべき薬剤の種類及び数量を表示する。また、第2タッチパネル31は、薬剤のカセットCaへの充填時に、例えば、充填対象の薬剤の種類、又は当該薬剤を収容しているカセットCaを指定する入力操作を受け付ける。
薬剤授受部32は、カセットCaから作業者が薬剤を取出すこと、又はカセットCaに作業者が薬剤を投入することを可能とする(作業者による薬剤の授受を可能とする)ものである。カセットCaに複数の薬剤を含む薬剤シートが収容される場合、薬剤授受部32は、カセットCaから薬剤シートの全体若しくはその一部を取出すこと、又はカセットCaに薬剤シートの全体若しくはその一部を投入することを可能とする。
以降の説明において、特に断りがない限り、端数シートは、規定された数量の薬剤を含む薬剤シートの全体(フルシート)から切り欠いた薬剤シートを指すものとして説明する。薬剤シートは、薬剤シートの全体を指すか、又は、薬剤シートの全体若しくはその一部(端数シート)の総称を指すものとして説明する。
本実施形態では、薬剤授受部32は、開口部321、及びシャッター322を備えている。開口部321は、薬剤授受部32に移送されたカセットCaへの作業者のアクセス(薬剤の取出し又は充填(投入))を可能とする開口部である。シャッター322は、開口部321に設けられ、当該カセットCaへの作業者のアクセスを制御する。シャッター322は、開口部321を開閉する開閉部である。シャッター322は、通常閉状態であり、カセットCaが薬剤授受部32に移送された状態において開状態となる。シャッター322は、薬剤の取出し又は充填対象(投入対象)となるカセットCaに応じて、開口幅を変更可能である。
シャッター322は、第1シャッター322a及び第2シャッター322bを備えている。第1シャッター322aはY軸方向に開閉動作を行い、第2シャッター322bは、第1シャッター322aとは略垂直方向(X軸方向)に開閉動作を行う。第1シャッター322aは、図15を用いて後述するように、カセットCaの収容領域の大きさに対応するように開閉制御される。このように開閉制御されることにより、作業者が払出対象の薬剤を含む収容領域にのみアクセスすることを可能にする。また、第2シャッター322bは、様々な幅のカセットCa(例:大型カセットCa1、中型カセットCa2、小型カセットCa3)の大きさに対応するように開閉制御される。このように開閉制御されることにより、カセットCaと第1シャッター322aとの間の、X軸方向(薬剤授受部32の短手方向)に形成される隙間から、作業者がカセットCaから取出した薬剤が落下する可能性を低減できる。なお、第1シャッター322a及び第2シャッター322bの開閉動作は同時に行ってもよいし、どちらか一方が先に行われてもよい。
バーコードリーダ34は、薬剤をカセットCaに充填する充填作業が行われるときに、薬剤に付与されたバーコードを読取る装置である。バーコードは、例えば、薬剤シート自体、複数個単位で薬剤シートを包装(ピロー包装)した包装物、包装した散薬を複数個単位でピロー包装した包装物、又は、当該包装物が収容された箱、に付与されたGS1コードを含む。また、バーコードは、例えば、薬剤シートではない薬剤(例:軟膏、目薬)が収容された箱に付与されたGS1コードを含んでもよい。バーコードには、薬剤を識別するための薬剤識別情報が含まれていればよく、GS1コードはその一例である。つまり、ピッキングユニット3には、薬剤識別情報を読取ることが可能な読取装置が設けられていればよい。なお、本実施形態では、バーコードリーダ34は、作業台40における作業者による薬剤の取出し又は充填作業を阻害しないように、作業台40の角部に取付けられている。
ピッキングカセット移送部35は、本体ユニット2とピッキングユニット3との間(具体的には、カセット保持部23と薬剤授受部32との間)で、カセットCaを移送するものである。これにより、本体ユニット2からカセットCaを取出して薬剤授受部32に移送すると共に、当該カセットCaを本体ユニット2へ返却できる。
例えば、薬剤を払出す場合、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32において薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCa(受渡カセット保持部231に載置されたカセットCa)を、薬剤授受部32の薬剤授受位置P1(図13参照)に移送する。また、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受位置P1にカセットCaが位置している場合には、当該カセットCaの次に薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCaを、薬剤授受部32の近傍に設けられた待機位置P2(図13参照)に移送して待機させる。また、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32で薬剤が取出されたカセットCaを、受取カセット保持部232に移送する。
プリンタ36は、カセットCaから取出された薬剤に関する情報(例:薬剤の種類、取出された薬剤の数)を印字したジャーナル等の印刷物を出力する。
薬剤載置台37は、薬剤の数を計数するために、薬剤が載置される載置部である。薬剤載置台37は、端数シートに含まれる薬剤の数を計数するために、端数シートが載置される端数載置部として機能してよい。端数シートは、薬剤授受部32においてカセットCaから取出された薬剤シートから切り欠いたものであっても、カセットCaから取出されたものであってもよい。なお、薬剤載置台37に薬剤シート(フルシート)が載置されてもよい。この場合、薬剤載置台37は、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数するために、薬剤シートが載置される端数載置部として機能する。薬剤載置台37には、1つの端数シートが載置されても、複数の端数シートが載置されてもよい。同様に、薬剤載置台37には、1つの薬剤シートが載置されても、複数の薬剤シートが載置されてもよい。
本実施形態では、薬剤載置台37の上方に、薬剤載置台37に載置された端数シート、薬剤シート、又は、端数シート及び薬剤シートの組合せ、を撮像する撮像部371が設けられている。また、薬剤載置台37の下方には、薬剤載置台37を照明するバックライト372(照明部)が設けられている。撮像部371が薬剤載置台37に載置された薬剤シート又は端数シートを撮像するときに、バックライト372が点灯し、撮像部371による薬剤の撮像方向とは反対側から、当該薬剤シート又は端数シートを照明する。
なお、薬剤載置台37の下方に撮像部371を設け、薬剤載置台37の上方に照明部を設けてもよい。この場合、撮像部371が薬剤の形状を取得できるように、薬剤載置台37において薬剤が載置される領域は、透明又は半透明であってよい。
制御装置10は、例えば、ドラッグステーション1の起動時に、バックライト372を点灯状態とし、撮像部371を撮像状態とする。すなわちこの場合、ドラッグステーション1の起動中、撮像部371は、薬剤載置台37に端数シート(又は薬剤シート(フルシート))が載置されているかどうかに依らず、薬剤載置台37を撮像し続ける。薬剤載置台37に端数シートが載置されていない場合には、撮像部371が薬剤の像を取得しないため、制御装置10は、撮像した画像に基づく薬剤の計数処理を実行しない。すなわち、制御装置10は、薬剤載置台37に端数シートが載置され、撮像部371が端数シートの像を取得した場合にのみ、撮像した画像に基づく薬剤の計数処理を実行する。
但し、制御装置10は、例えば、指定数の取出しを完了した旨の入力操作を受付けた場合に(例:トレイ閉ボタン39の押下を検出した場合に)、バックライト372を点灯させ、撮像部371により少なくとも端数シートを撮像してもよい。すなわちこの場合、制御装置10は、上記入力操作を受付けた場合にのみ、バックライト372を点灯状態とし、撮像部371を撮像状態とする。なお、指定数とは、本体ユニット2から薬剤授受部32に移送されたカセットCaから取出すべき薬剤の数量として指定された数である。各薬剤の指定数は、例えば、払出制御装置800から受信した払出データにおいて規定されている。その他、取出すべき薬剤の指定数は、作業者による入力操作によって規定されてもよい。
トレイ載置台38は、薬剤授受部32から取出された薬剤が投入される搬送トレイTrを載置する台である。また、トレイ載置台38は、薬剤授受部32から取出された薬剤の数を計数するために、薬剤を載置する薬剤載置部として機能する。薬剤授受部32から薬剤シートが取出される場合、トレイ載置台38は、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数するために、薬剤シートを載置するシート載置部として機能する。トレイ載置台38は、センサ381及び計量部382を備える。
センサ381は、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrを検出する。本実施形態では、センサ381は、一方が光源で、他方が光源から出射された光を検出する光検出部である透過型のセンサである。透過型のセンサを用いた場合、搬送トレイTrの有無を精度よく認識できる。但し、光源から出射され、載置された搬送トレイTrにより反射した光検出する反射型のセンサを用いてもよい。また本実施形態では、センサ381は、トレイ載置台38の両側壁に設けられている。
計量部382は、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入された薬剤を計量する。計量部382は、例えば、薬剤シート、又は、薬剤シート及び端数シートの組合せを計量してよい。計量部382は、トレイ載置台38の底部の下方に設けられている。計量部382としては、例えばロードセルが用いられる。
なお、記憶部15に、1つの搬送トレイTr当たりの重量を記憶せず、計量部382が、風袋引きを行うことによって、トレイ載置台38に投入された薬剤の重量を算出してもよい。具体的には、トレイ載置台38に搬送トレイTrが載置された後、計量部382は風袋引きを行う。その後作業者が搬送トレイTrに薬剤を投入することにより、計量部382は当該薬剤の重量のみを計量できる。
トレイ閉ボタン39は、作業者により押下されることにより、第1シャッター322a及び第2シャッター322bを開状態から閉状態へと切り替える機械的な操作ボタンである。トレイ閉ボタン39は点灯機能を有しており、開状態から閉状態へと切り替えるタイミングで点灯してもよい。
また、作業台40の上面部は、水平面に対して傾斜している。作業者によるカセットCaに対する薬剤の取出し又は充填作業を行い易くするために、上面部は、本体ユニット2側から作業者の立ち位置側へ向けて(-Y軸方向に向けて)低くなるように傾斜している。
なお、本実施形態のドラッグステーション1では、薬剤が収容された搬送トレイTrをユーザが鑑査ユニットへ運搬するが、これに限らず、ドラッグステーション1にトレイ搬送部を設け、ピッキングユニット3から当該搬送トレイTrを自動搬送してもよい。
(制御装置)
制御装置10は、ドラッグステーション1の各ユニットを統括して制御する。制御装置10は、本体ユニット制御部11、ピッキングユニット制御部12、タッチパネル制御部14、及び記憶部15を備えている。
制御装置10は、ドラッグステーション1の各ユニットを統括して制御する。制御装置10は、本体ユニット制御部11、ピッキングユニット制御部12、タッチパネル制御部14、及び記憶部15を備えている。
本体ユニット制御部11は、本体ユニット2の各部を統括して制御する。本体ユニット制御部11は、例えば、カセット特定部111、及び本体カセット移送制御部112(移送制御部)を備えている。
カセット特定部111は、払出データ、第1タッチパネル5若しくは第2タッチパネル31への作業者による入力操作、又はバーコードリーダ34の読取結果に基づき、カセット棚21から取出すカセットCaを特定する。また、カセット特定部111は、RFIDリーダが読取った爪受部識別情報に基づき、当該カセットCaの向きを特定する。
本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22の駆動を制御する。具体的には、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御することにより、カセット特定部111が特定したカセットCaを受渡カセット保持部231へと移送させる。また、本体カセット移送制御部112は、受取カセット保持部232に載置されたカセットCaを、当該カセットCaの保管位置(元の位置)へと移送させる。
払出データに基づき本体カセット移送部22を制御する場合、本体カセット移送制御部112は、カセット特定部111により特定された、払出データに含まれる薬剤が収容されたカセットCaを、受渡カセット保持部231へと移送させる。その後、ピッキングユニット3のピッキングカセット移送部35により薬剤授受部32から受取カセット保持部232へと移送されたカセットCaを、当該カセットCaの保管位置へと移送させる。
ピッキングユニット制御部12は、ピッキングユニット3の各部を統括して制御する。ピッキングユニット制御部12は、例えば、ピッキングカセット移送制御部121(移送制御部)、シャッター制御部122、及び薬剤判定部124を備えている。
ピッキングカセット移送制御部121は、払出データ、第1タッチパネル5若しくは第2タッチパネル31への作業者による入力操作、又はバーコードリーダ34の読取結果に基づき、ピッキングカセット移送部35の駆動を制御する。払出データに基づきピッキングカセット移送部35を制御する場合、ピッキングカセット移送制御部121は、処方データに含まれる薬剤の取出対象となるカセットCaを、薬剤授受位置P1又は待機位置P2へと移送する。
シャッター制御部122は、シャッター322の開閉動作を制御する。シャッター制御部122は、第1シャッター322a及び第2シャッター322bを独立して制御する。
薬剤判定部124は、撮像部371が撮像した薬剤の画像に基づき、払出データにより規定された指定数の薬剤が薬剤載置台37に載置されているか否かを判定する。薬剤シートの場合、薬剤判定部124は、撮像部371が撮像した端数シートの画像に基づき、上記指定数のうち端数シートとして払出すべき数量分の薬剤が薬剤載置台37に載置されているか否かを判定する。また、薬剤判定部124は、計量部382が計量した薬剤の重量に基づき、払出データにより規定された指定数の薬剤がトレイ載置台38に載置されているか否かを判定する。薬剤シートの場合、薬剤判定部124は、計量部382が計量した薬剤シート(フルシート)の重量に基づき、上記指定数のうち薬剤シート(フルシート)として払出すべき数量分の薬剤がトレイ載置台38に載置されているか否かを判定する。すなわち、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された薬剤、及び/又は、トレイ載置台38に載置された薬剤の数を計数する計数部として機能する。
払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤である場合、薬剤判定部124は、例えば、上記画像を解析して、薬剤載置台37に載置された端数シートの形状を特定する。薬剤判定部124は、当該形状と、記憶部15に薬種毎に記憶された1つの薬剤当たりの端数シートサイズ(1錠の薬剤のみを含む端数シートのサイズ)とに基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。この場合の計数手法の一例は、実施形態2で説明する。
また、薬剤判定部124は、例えば、上記形状と、記憶部15に薬種毎に記憶された1つの薬剤シート(フルシート)に含まれるシート薬剤数と、記憶部15に薬種毎に記憶された1つの薬剤シートの面積と、に基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。シート薬剤数は、1つの薬剤シートに含まれる薬剤の数として規定された数(薬剤シートの縦方向に含まれる薬剤の数と、薬剤シートの横方向に含まれる薬剤の数とを乗じた数)である。この場合例えば、薬剤判定部124は、上記薬剤シートの面積に対する上記形状の面積の割合を算出し、当該割合をシート薬剤数に乗じることにより、端数シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。
また、記憶部15には、耳部分ER(図19参照)の長さを示す情報、及び、耳部分ERの長さと、耳部分ERに隣接する1つの薬剤を含む端数シートの長さとの合計値(図19の符号「ERA」)を示す情報が記憶されていてもよい。薬剤判定部124は、これらの情報を用いることにより、耳部分ERを考慮して、端数シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、記憶部15には、1つの薬剤シートにおいて隣接する所定数の薬剤を含む端数シートの長さ(縦方向の長さ、又は横方向の長さ)を示す情報が記憶されていてもよい。この場合、薬剤判定部124は、上記形状と、当該端数シートの長さとに基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、薬剤判定部124は、計量部382により計測された薬剤シートの重量と、記憶部15に記憶された薬種毎の薬剤シート1枚当たりの重量とに基づき、トレイ載置台38に投入された薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数する。例えば、薬剤判定部124は、計測された薬剤シートの重量を当該薬剤シート1枚当たりの重量で除した値に、当該薬剤シートのシート薬剤数を乗じることにより、薬剤の数を計数してよい。
なお、薬剤判定部124は、薬剤シート(フルシート)が薬剤載置台37に載置された場合、上記画像に基づき、当該薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。薬剤判定部124は、上記画像を解析して特定した薬剤シートの形状と、当該薬剤のシート薬剤数と、に基づき、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。薬剤判定部124は、例えば、上記画像を解析して特定した薬剤シートの形状と、端数シートサイズとに基づき、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してよい。
また、記憶部15には、薬剤判定部124による上記の計数手法に応じて必要となる情報のみが記憶されていればよい。
また、薬剤シートではない薬剤(例:軟膏、目薬)の場合については、薬剤判定部124は、例えば以下のように薬剤の数を計数できる。薬剤判定部124は、例えば、計量部382により計測された薬剤の重量と、記憶部15に記憶された薬種毎の薬剤1つ当たりの重量とに基づき、トレイ載置台38に投入された薬剤の数を計数してよい。
薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された薬剤の数、トレイ載置台38に載置された薬剤の数、又は、その合計数が指定数に一致すると判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたと判定する。
ここで、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数するモードとして、例えば、第1計数モードと第2計数モードとがある。
第1計数モードに設定されている場合、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された端数シートについては、撮像部371の撮像結果に基づき薬剤の数を計数する。薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置された薬剤シートについては、計量部382が計測した薬剤シートの重量に基づき、薬剤の数を計数する。薬剤判定部124は、それぞれの計数結果が、それぞれに載置すべき薬剤の数と一致する場合、作業者が取出した薬剤の数が指定数と一致すると判定する。一致したとの判定結果をタッチパネル制御部14が第2タッチパネル31に表示すると、作業者は、この表示を確認後、薬剤シート及び端数シートを輪ゴムで纏め、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入する。なお、薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置する複数の薬剤シートを輪ゴムで纏める仕様の場合には、薬剤シートから輪ゴム1つ当たりの重量を減算した重量を、搬送トレイTrに投入された薬剤シートの重量として算出する。
また、第2計数モードに設定されている場合、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された端数シートについては、撮像部371の撮像結果に基づき薬剤の数を計数する。薬剤判定部124が端数シートに含まれる薬剤の数が、薬剤載置台37に載置すべき薬剤の数と一致する場合、タッチパネル制御部14は、一致したとの判定結果を第2タッチパネル31に表示する。作業者は、この表示を確認後、カセットCaから取出した薬剤シートと、薬剤載置台37から取出した端数シートとを輪ゴムで纏め、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入する。計量部382は、トレイ載置台38に投入後の、輪ゴムで纏められた薬剤シート及び端数シートの合計重量を計測する。薬剤判定部124は、計量部382の計測結果に基づき、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたか否かを判定する。
薬剤判定部124は、例えば、計測した重量から、輪ゴム1つ当たりの重量と、払出対象の薬剤1つ当たりの重量(1つの薬剤を含む端数シートの重量)に、端数シートとして払出す薬剤の数を乗じた値と、を減じた重量を算出する。これにより、薬剤判定部124は、搬送トレイTrに投入された薬剤シートの重量を算出する。薬剤判定部124は、この薬剤シートの重量が、薬剤シート1枚当たりの重量に、払出す薬剤シートの数を乗じた値と略一致している(一致又は誤差の範囲内である)場合に、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたと判定する。なお、薬剤判定部124は、計量した重量が、記憶部15に記憶された、払出対象の薬剤に対応する薬剤シート重量及び端数シートの重量と、記憶部15に記憶された輪ゴム1つ当たりの重量との合計重量と、略一致するか否かを判定してもよい。
第1計数モードの場合、薬剤判定部124は、薬剤授受部32から取出された薬剤シートの数と端数シートの数の適否を、それぞれ計量部382の計量結果及び撮像部371の撮像結果に基づき判定する。そのため、薬剤判定部124は、上記適否を精度よく判定できる。但し、第1計数モードの場合、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入する前に薬剤判定部124による判定結果が出力される。そのため、上記数が適切であるとの判定結果を確認した後、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入するという作業を失念せずに行うことは、作業者に委ねられる。
第2計数モードの場合、薬剤判定部124は、作業者が薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入後に、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたか否かを判定する。そのため、作業者が、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入するという作業を失念する可能性を低減できる。但し、計量部382での計量は、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めた状態で行われる。そのため、第1計数モードの場合(計量部382の計量前に薬剤シートのみが搬送トレイTrに投入される場合)に比べ、計量に基づく計数精度が低下する可能性がある。
第1計数モード及び第2計数モードは、ドラッグステーション1の搬入先となる病院等において適宜選択されればよい。搬入先において、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入する作業の確実性と、計量部382の計量に基づく計数精度の確実性と、の何れを重視するかによって、第1計数モード及び第2計数モードの何れを設定するかが決定されてもよい。
なお、第1計数モードの場合、計量部382が、トレイ載置台38に投入後の、輪ゴムで纏められた薬剤シート及び端数シートの重量を計測し、薬剤判定部124は、その計測結果に基づき、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたか否かを判定してもよい。
タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5及び第2タッチパネル31の表示を制御する。
例えば、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、作業者が取出す薬剤の数を表示する。タッチパネル制御部14は、薬剤シートではない薬剤については、作業者が取出す薬剤の数として、指定数を表示する。タッチパネル制御部14は、薬剤シートについては、作業者が取出す薬剤の数として、薬剤シート(フルシート)の数と、端数シートとして払出す薬剤の数とを表示する。また、タッチパネル制御部14は、薬剤シートの数と端数シートとして払出す薬剤の数との合計数(すなわち指定数)を表示してもよい。このような表示により、作業者は、指定数の薬剤を、薬剤載置台37及び/又はトレイ載置台38に載置できる。例えば、作業者は、所定数の薬剤シートをトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入し、所定数の薬剤を含む端数シートを薬剤載置台37に載置できる。
ここで、制御装置10は、記憶部15に薬種毎に記憶された、薬剤が薬剤シートに含まれているか否かを示す情報に基づき、払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤であるか、又は薬剤シートではない薬剤であるかについて判定している。
制御装置10は、払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤である場合、指定数と、例えば記憶部15に薬種毎に記憶された端数シートサイズ又はシート薬剤数とに基づき、払出す薬剤シート及び端数シートの数を算出する。例えば、1つの薬剤シートに規定された薬剤の数が10個であり、指定数が32個である場合、制御装置10は、払出す薬剤シートが3つであり、端数シートとして払出す薬剤の数が2つであると算出する。タッチパネル制御部14は、この算出結果を第2タッチパネル31に表示する。その後、薬剤判定部124は、作業者により薬剤載置台37に載置された薬剤の数と、作業者によりトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入された薬剤の数との合計が、指定数に一致するか否かを判定する。
薬剤判定部124は、一致すると判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたと判定する。この場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31を介して、適切に取出された旨の表示を行う。作業者は、この表示を視認した後、トレイ閉ボタン39を押下してシャッター322を閉じる。これにより、制御装置10は、次の払出対象の薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受部32に搬送する。一方、薬剤判定部124が一致しないと判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されていないと判定する。この場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31を介して、適切に取出されていない旨のエラー表示を行う。なお、これらの制御は、払出対象の薬剤が薬剤シートではない薬剤である場合についても同様である。
ここで、ドラッグステーション1の起動中、撮像部371が、薬剤載置台37に端数シートが載置されているかどうかに依らず、薬剤載置台37を撮像し続ける場合を考える。この場合、撮像部371は、端数シートが薬剤載置台37に載置されるたびに、端数シートを撮像し、薬剤判定部124は、撮像した画像に基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数する。端数シートとして払出すべき数量未満の薬剤を含む端数シートが薬剤載置台37に載置された場合、薬剤判定部124は、計数した薬剤の数が、当該払出すべき数量と不一致であると判定する。しかし、タッチパネル制御部14は、この判定結果を第2タッチパネル31に表示しない。すなわちこの場合、作業者に対して、上記払出すべき数量分の薬剤が適切に取出されていない旨の通知(エラー表示)は行われない。一方、上記払出すべき数量分の薬剤を含む端数シートが薬剤載置台37に載置された場合、薬剤判定部124は、計数した薬剤の数が上記払出すべき数量分の薬剤と一致すると判定し、タッチパネル制御部14は、この判定結果を第2タッチパネル31に表示する。すなわちこの場合、作業者に対して、上記払出すべき数量分の薬剤が適切に取出されている旨の通知が行われる。そして、制御装置10は、上記判定結果の表示後、自動的に次の処理(工程)に移行する。また、薬剤判定部124は、上記払出すべき数量分を超えた薬剤を含む端数シートが薬剤載置台37に載置された場合には、薬剤判定部124は、計数した薬剤の数が上記払出すべき数量分の薬剤と不一致であると判定し、タッチパネル制御部14は、この判定結果を第2タッチパネル31に表示する。すなわちこの場合、作業者に対して、上記払出すべき数量分の薬剤が適切に取出されていない旨の通知(エラー表示)が行われる。
また、制御装置10は、ユーザの入力操作により、1つの薬剤のみを含む端数シートが薬剤載置台37に載置されることを許容する許容モードと、許容しない非許容モードとを設定できてよい。この場合、制御装置10は、許容モードと非許容モードとによって、薬剤の数の計数方法を変更してもよい。
記憶部15は、制御装置10が必要とする種々のデータを記憶している。記憶部15には、例えば、上述した端数シートサイズ又はシート薬剤数を薬種毎に規定した基準データ、薬剤1つ当たりの重量を示すデータ、及び、薬剤シートの1枚当たりの重量を示すデータを、薬種毎に記憶している。また、記憶部15には、輪ゴム1つ当たりの重量を示すデータを記憶している。薬剤が薬剤シートに含まれている場合には、薬剤1つ当たりの重量として、1つの薬剤を含む端数シートの重量を示すデータが薬種毎に記憶されていてよい。また、記憶部15には、例えば、薬種毎に規定された、薬剤が薬剤シートに含まれているか否かを示す情報が記憶されている。その他、記憶部15は、例えば、
(1)カセット識別情報と、カセット棚21におけるカセットCaの保管位置とを対応付けたデータ、
(2)カセットCaのカセット識別情報(又はカセットCaにおける収容位置を示す収容位置情報)と、薬剤識別情報とを対応付けたデータ、
(3)各カセットCaの種類を示す種類情報、
を記憶している。
(1)カセット識別情報と、カセット棚21におけるカセットCaの保管位置とを対応付けたデータ、
(2)カセットCaのカセット識別情報(又はカセットCaにおける収容位置を示す収容位置情報)と、薬剤識別情報とを対応付けたデータ、
(3)各カセットCaの種類を示す種類情報、
を記憶している。
なお、種類情報としては、例えば、大型カセットCa1、中型カセットCa2又は小型カセットCa3を示す情報が挙げられる。また、収容位置情報は、例えば、カセットCaの一方の端部からの収容位置(例:当該端部からの距離)を規定するものである。
また、記憶部15には、撮像部371が撮像した画像が蓄積される。これにより、ピッキング作業に対するエビデンスを残すことができる。
(ドラッグステーション1の動作例)
以下、本実施形態に係るドラッグステーション1の動作例について説明する。
以下、本実施形態に係るドラッグステーション1の動作例について説明する。
(薬剤払出時の動作)
まず、ドラッグステーション1に払出データが読み込まれると、本体ユニット2の本体カセット移送部22は、本体ユニット2に保管されたカセットCaの中から、処方対象(払出対象、取出対象)となる薬剤を収容しているカセットCaを把持し、カセット保持部23に載置する。
まず、ドラッグステーション1に払出データが読み込まれると、本体ユニット2の本体カセット移送部22は、本体ユニット2に保管されたカセットCaの中から、処方対象(払出対象、取出対象)となる薬剤を収容しているカセットCaを把持し、カセット保持部23に載置する。
カセット保持部23に載置されたカセットCaは、ピッキングカセット移送部35によって、薬剤授受部32へ移送される。作業者は、第2タッチパネル31を確認することで、薬剤授受部32でカセットCaから指定数の薬剤を取出す。作業者は、取出した薬剤を、薬剤載置台37、及び/又はトレイ載置台38に載置された搬送トレイに投入する。その後、制御装置10は、撮像部371の撮像結果に加え、計量部382による薬剤の計量結果に基づき、指定数の薬剤が薬剤載置台37又は搬送トレイTrに投入されたか否かの判定を行う。
なお、払出対象の薬剤が薬剤シートの場合、輪ゴムで所定形状に纏めてトレイ載置台38に載置された搬送トレイに投入する。所定形状は、例えば以下のような形状を指す。
(1)薬剤シートが1枚又は複数枚の場合には、所定形状は、当該薬剤シートの平面形状を指す。
(2)端数シートのみである場合には、所定形状は、端数シートの平面形状を指す。
(3)1枚又は複数枚の薬剤シートと端数シートとを纏める場合には、所定形状は、1枚又は複数枚の薬剤シートの上に、1枚又は複数枚の端数シートを載置したときの平面形状を指す。例えば1枚の薬剤シートが10錠で構成されている薬剤22錠分を払出す場合、所定形状は、薬剤シートを2枚重ね、2錠分の端数シートをその上に置いた形状となる。
1つの搬送トレイに収容すべき薬剤の全てが収容されると、ユーザは、搬送トレイTrを鑑査ユニットに運搬し、鑑査ユニットにて最終鑑査を行う。1つの搬送トレイTrに収容すべき薬剤の数は、例えば、払出データにおいて規定されていてよいし、服用量及び服用方法等に基づき、制御装置10が決定してもよい。当該薬剤の数は、例えば、患者に処方された薬剤の数(すなわち、患者単位の薬剤の数)として規定されていてよい。
(薬剤充填時の動作)
まず、ユーザは、バーコードリーダ34を用いて、本体ユニット2に充填する薬剤の薬剤識別情報を、ドラッグステーション1に入力する。この薬剤識別情報の入力を受付けると、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、薬剤識別情報に基づいて、充填対象であるカセットCaをカセット保持部23に移送する。
まず、ユーザは、バーコードリーダ34を用いて、本体ユニット2に充填する薬剤の薬剤識別情報を、ドラッグステーション1に入力する。この薬剤識別情報の入力を受付けると、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、薬剤識別情報に基づいて、充填対象であるカセットCaをカセット保持部23に移送する。
ピッキングユニット3では、ピッキングカセット移送部35は、カセット保持部23に載置されたカセットCaを薬剤授受部32へ移送する。ユーザは、薬剤授受部32に移送されたカセットCaに薬剤を投入する。カセットCaへの薬剤の投入が完了すると(例えば、第2タッチパネル31で完了操作を受け付けると)、ピッキングカセット移送部35は、カセット保持部23にカセットCaを移送する。その後、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCaを、カセット棚21へと返却する。
<本体ユニットの構造>
次に、図6~図10を用いて、本体ユニット2の具体的構造について説明する。図6の符号6001は本体ユニット2の一例を示す斜視図であり、符号6002は本体カセット移送部22の概略的な構成の一例を示す図である。図7は、カセットCaの保管例を示す図である。
次に、図6~図10を用いて、本体ユニット2の具体的構造について説明する。図6の符号6001は本体ユニット2の一例を示す斜視図であり、符号6002は本体カセット移送部22の概略的な構成の一例を示す図である。図7は、カセットCaの保管例を示す図である。
(カセット棚及びカセット移送部)
図6の符号6001及び符号6002に示すように、カセット棚21は、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管できる。本実施形態では、図7に示すように、カセット棚21は、カセットCaが載置される複数のカセット載置板211と、各カセット載置板211を支持する載置板支持部212とを備えている。
図6の符号6001及び符号6002に示すように、カセット棚21は、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管できる。本実施形態では、図7に示すように、カセット棚21は、カセットCaが載置される複数のカセット載置板211と、各カセット載置板211を支持する載置板支持部212とを備えている。
本実施形態では、図7に示すように、各カセット載置板211には、同種のカセットCaが載置されている。つまり、各カセット載置板211に同種のカセットCaを載置可能なように、カセット載置板211の幅(X軸方向の長さ)と、大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3の幅とが規定されている。図7の例では各カセット載置板211に同種のカセットCaが載置されているが、これに限らず、異なる種類のカセットCaが載置可能なように、上記2つの幅が規定されていても構わない。
また、符号6001に示すように、カセット棚21として、第1カセット棚21aと第2カセット棚21bとが対面するように設けられている。そして、第1カセット棚21aと第2カセット棚21bとの間に本体カセット移送部22が設けられている。同図では、本体カセット移送部22として、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bが設けられている例を示している。
本体カセット移送部22は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bに保管されたカセットCaを引き出した後、カセット保持部23(具体的には、受渡カセット保持部231)に載置する。また、本体カセット移送部22は、カセット保持部23(具体的には、受取カセット保持部232)に載置されたカセットCaを引き出した後、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bに返却する。これにより、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管するカセット棚21に対して、カセットCaの取出し又は返却を実現できる。なお、本体カセット移送制御部112は、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bをそれぞれ独立に制御する。
また、符号6001及び符号6002に示すように、第1本体カセット移送部22aは、第1カセット把持部221a及び第1カセット移送機構222aを備えている。同様に、第2本体カセット移送部22bは、第2カセット把持部221b及び第2カセット移送機構222bを備えている。
第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21又はカセット保持部23(具体的には、受取カセット保持部232)からカセットCaを引き出して把持する。また、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、鉛直及び/又は水平方向に移動することにより、把持したカセットCaをカセット棚21又はカセット保持部23(具体的には、受渡カセット保持部231)まで移送して、カセット棚21又は受渡カセット保持部231に載置する。
図8は、カセット把持部221(第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221b)の構成例を示す斜視図である。また、図9の符号9001~9003は、カセット把持部221の動作例を示す図である。図8に示すように、カセット把持部221は、カセット引出部2211、爪部2212、カセット支持部2213、位置センサ2214、及び回転駆動部2215を備えている。
図8に示すように、カセット引出部2211は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21又はカセット保持部23に載置されたカセットCaをカセット把持部221の内部へと引き込むものである。カセット引出部2211は、カセット把持部221の下方において、カセット把持部221の奥行方向に延伸して設けられたレール(不図示)にスライド可能に支持されていることにより、当該奥行方向に移動する。これにより、カセット棚21又はカセット保持部23からのカセットCaの引出し、及び、カセット棚21又はカセット保持部23へのカセットCaの受渡しを行うことができる。
爪部2212は、カセットCaに設けられた爪受部Ca12に引っ掛けるための部材である。図9の符号9001に示すように、カセット把持部221が移動対象のカセットCaの正面に位置づけられると、本体カセット移送制御部112は、図9の符号9002に示すように、爪部2212が爪受部Ca12の下方に位置するように、カセット引出部2211を移動させる。その後、本体カセット移送制御部112は、カセット把持部221を上昇させる。これにより、爪部2212が爪受部Ca12に一時的に係止される。この状態において、本体カセット移送制御部112は、図9の符号9003に示すように、カセット引出部2211を元の位置へと移動させることにより、カセットCaをカセット把持部221の内部へと引き込む。
なお、把持したカセットCaをカセット棚21又はカセット保持部23に載置する場合は、カセットCaを引き込む場合と逆の動作が行われる。つまり、本体カセット移送制御部112は、符号9003の状態において、カセットCaを載置すべき位置にカセット把持部221を移動させた後、符号9002に示すように、カセット引出部2211をカセット把持部221の前方に移動させる。その後、本体カセット移送制御部112は、カセット把持部221を下降させることで、爪部2212と爪受部Ca12との一時的な係止が解除される。その後、本体カセット移送制御部112は、符号9001に示すように、カセット引出部2211を元の位置まで移動させる。
図8に戻り、カセット支持部2213は、カセット引出部2211により引き出されたカセットCaを支持するものである。
位置センサ2214は、移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出するものである。位置センサ2214は、例えば、光を発する発光部と、当該光を受光する受光部とを備えている。カセットCaには、上述のように、切欠部Ca13が設けられている。移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置している状態において、位置センサ2214から出射された光が切欠部Ca13に照射されるように、カセット把持部221の停止位置と、カセットCaの保管位置(載置位置)とが位置決めされている。
従って、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置している場合には、切欠部Ca13に光が照射されるため、受光部で光を受光しない。この場合、位置センサ2214は、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出する。一方、カセットCaの真正面からずれた位置にカセット把持部221が位置している場合には、切欠部Ca13には光が照射されず、爪受部Ca12の壁面に光が照射されるため、当該壁面で反射した光を受光部で受光することになる。この場合、位置センサ2214は、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出できない。そのため、本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214がカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出するように、カセット把持部221を移動させる。つまり、本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214が出射した光が切欠部Ca13に照射され、光を受光しない位置となるように、カセット把持部221の位置を微調整する。これにより、カセット把持部221は、カセットCaを確実に引き出すことができる。
回転駆動部2215は、第1カセット棚21a、第2カセット棚21b又はカセット保持部23へのカセット把持部221(具体的にはカセット引出部2211)の移動が可能なように、鉛直方向を回転軸としてカセット把持部221を回転させるものである。
具体的には、回転駆動部2215は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット把持部221がカセットCaの載置位置に移動する間又は移動した後に、カセット引出部2211が当該載置位置と対向するように、カセット把持部221を回転させる。これにより、当該載置位置からのカセットCaの取出し、又は当該載置位置へのカセットCaの載置が可能となる。
例えば、回転駆動部2215は、カセット引出部2211が、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bにおける取出し対象のカセットCaの保管位置と対向するように、カセット把持部221を回転させた後、当該保管位置からカセットCaを引き出す。これにより、異なる鉛直面に沿って配置された第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bの何れからもカセットCaを取出すことが可能となる。
図6の符号6001及び符号6002に戻り、第1カセット移送機構222aは、第1梁部223a及び第1支柱部224aを備えている。同様に、第2カセット移送機構222bは、第2梁部223b及び第2支柱部224bを備えている。
第1梁部223a及び第2梁部223bはそれぞれ、カセット棚21の幅方向(X軸方向)に延伸し、第1支柱部224a及び第2支柱部224bをスライド可能に支持する。第1支柱部224a及び第2支柱部224bはそれぞれ、カセット棚21の高さ方向(Z軸方向)に延伸し、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bをスライド可能に支持する。
また、第1梁部223aと第2梁部223bとは、所定幅離隔して設けられている。この所定幅は、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bがそれぞれカセット棚21の幅方向に沿って移動できる程度の幅に設定されている。また、上記所定幅は、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bがそれぞれ鉛直方向を回転軸として回転しても、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bと衝突しない程度の幅に設定されている。なお、所定幅をできるだけ小さく設定することで、本体ユニット2の小型化を図ることができる。
そして、本体カセット移送制御部112は、第1梁部223aに沿って第1支柱部224aを移動させると共に、第1支柱部224aに沿って第1カセット把持部221aを移動させる(第2カセット移送機構222bについても同様)。そのため、カセット棚21とカセット保持部23との間で所望のカセットCaを移動させることができる。
また、本体カセット移送制御部112は、第1カセット把持部221aと第2カセット把持部221bとが互いに衝突しないように、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bの移動(位置)を制御する。
具体的には、上述のように所定幅離隔して設けられた第1梁部223a及び第2梁部223bのそれぞれに、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bが片持ちの状態で支持されている。そして、第1カセット移送機構222a及び第2カセット移送機構222bは、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bの可動領域(第1梁部223a及び第2梁部223bの間の領域)において干渉しないように制御される。そのため、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、カセット棚21(カセットCaの保管位置)とカセット保持部23との間で互いに衝突しないように移動できる。
従って、複数のカセット把持部221により、カセット棚21及びカセット保持部23の間でのカセットCaの移送が可能となるため、カセットCaの移送効率を向上させることが可能となる。
なお、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bは、対面するように設けられている必要は必ずしもなく、カセットCaを保管する鉛直面が互いに異なるように配置されていればよい。このように配置することで、多数のカセットCaの保管場所の省スペース化を図ることが可能となる。但し、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bを対面配置とすることにより、より省スペース化を図りつつ高密度にカセットCaを保管できる。なお、カセット棚21の個数は1個であっても構わない。あるいは3個以上であっても構わない。
また、本体カセット移送部22の個数も2個に限られず、1個であっても、3個以上であっても構わない。但し、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bを設け、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bが互いに衝突しないように移動することで、大容量化かつ小型化された本体ユニット2において、カセットCaの移送を効率良く行うことが可能となる。
(カセット保持部)
図6の符号6001に示すように、カセット保持部23として、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dを備えている。本実施形態では、本体ユニット2にピッキングユニット3が2つ設けられている。また、ピッキングユニット3には、それぞれ2つの薬剤授受部32(計4つ)が設けられている。第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dは、4つの薬剤授受部32のそれぞれと対応するように設けられている。このように、1つの薬剤授受部32に対して1つのカセット保持部23が設けられていればよい。
図6の符号6001に示すように、カセット保持部23として、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dを備えている。本実施形態では、本体ユニット2にピッキングユニット3が2つ設けられている。また、ピッキングユニット3には、それぞれ2つの薬剤授受部32(計4つ)が設けられている。第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dは、4つの薬剤授受部32のそれぞれと対応するように設けられている。このように、1つの薬剤授受部32に対して1つのカセット保持部23が設けられていればよい。
また、図10に示すように、カセット保持部23は、薬剤授受部32との間でのカセットCaの移送が可能となるように、ピッキングユニット3が備えるピッキングカセット移送部35と対応するように設けられる。具体的には、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dのそれぞれに対して、ピッキングカセット移送部35が設けられている。図10は、本体ユニット2及びピッキングユニット3の概略的な構成を示す断面図である。
また、図10に示すように、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dのそれぞれは、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232を備えている。図10の例では、1つの薬剤授受部32と対応して設けられた1つのカセット保持部23において、鉛直方向に沿って、2つの受渡カセット保持部231と2つの受取カセット保持部232とが交互になるように設けられている。なお、1つのカセット保持部23において、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232はそれぞれ3つ以上設けられていても構わない。
このように、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232は、1つの薬剤授受部32に対して、それぞれ複数個設けられていてよい。受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ複数設けた場合、薬剤授受部32に移送するカセットCaを、薬剤授受部32の近くにおいてより多く保持しておくことが可能となる。そのため、薬剤授受部32への効率の良いカセットCaの移送が実現可能となる。但し、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232は、1つの薬剤授受部32に対して、それぞれ1つずつ設けられる構成であっても構わない。
なお、本明細書では、カセット保持部23は、本体ユニット2が備えているものとして説明しているが、ピッキングユニット3が備えていても構わない。ピッキングユニット3に設けられている場合、図6の符号6001に示す本体ユニット2のカセット保持部23が設けられる箇所が、ピッキングユニット3に設けられたカセット保持部23が挿入される挿入部として機能する。つまり、カセット棚21、本体カセット移送部22、及びカセット保持部23によって、上述のカセット取扱装置の基本構成が実現されていればよい。
<ピッキングユニットの構造>
次に、図11~図15を用いて、ピッキングユニット3の具体的構造について説明する。図11は、ピッキングユニット3の一例を示す斜視図である。なお、図11では、ピッキングユニット3のうち、薬剤授受部32が設けられた部分のみを例示している。
次に、図11~図15を用いて、ピッキングユニット3の具体的構造について説明する。図11は、ピッキングユニット3の一例を示す斜視図である。なお、図11では、ピッキングユニット3のうち、薬剤授受部32が設けられた部分のみを例示している。
図11に示すように、薬剤授受部32の下方に、ピッキングカセット移送部35が設けられている。具体的には、1つの薬剤授受部32(1つの開口部321と、当該開口部321に対応して設けられたシャッター322(図2参照))に対して、1つのピッキングカセット移送部35が設けられている。
本実施形態では、ピッキングユニット3には、薬剤授受部32として、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bが設けられている。第1薬剤授受部32aの下方には、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bを備えるピッキングカセット移送部35が設けられている。第2薬剤授受部32bの下方には、第1ピッキングカセット移送部35aを備えるピッキングカセット移送部35が設けられている。
本実施形態では、例えば払出データに基づく薬剤の払出しを行う場合、ピッキングユニット3においては、第1薬剤授受部32a、及び、第1薬剤授受部32aの下方に設けられたピッキングカセット移送部35が用いられる。すなわち、本実施形態では、第1薬剤授受部32aは、払出データに基づく払出対象の薬剤が収容されるカセットCaが移送される薬剤授受部である。なお、本体ユニット2においては、当該ピッキングカセット移送部35に対応して設けられた第1カセット保持部23aが用いられる。
上述のように、このピッキングカセット移送部35には、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bが設けられている。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355(図12参照)が互いに衝突しないで移動するように、ピッキングカセット移送制御部121によりそれぞれ独立に制御される。そのため、ピッキングカセット移送部35が1つのピッキングカセット移送部で構成される場合に比べ、払出データに基づく薬剤の払出しを効率良く行うことが可能となる。
一方、第2薬剤授受部32b、第2薬剤授受部32bの下方に設けられたピッキングカセット移送部35、及び、第2カセット保持部23bは、払出データに含まれない薬剤の払出しを行う場合に用いられる。つまり、第2薬剤授受部32b側は、個別の薬剤の払出しを行う場合(例えば、払出データに対する割込み処理を行う場合)に用いられるため、第1ピッキングカセット移送部35aのみを備えていればよい。すなわち、第2薬剤授受部32bは、第1薬剤授受部32aに移送されるカセットCa以外のカセットCaが移送される薬剤授受部である。
但し、払出データに基づく薬剤の払出しを行う場合に、第2薬剤授受部32b側を用いても構わないし、個別の薬剤の払出しを行う場合に、第1薬剤授受部32a側を用いても構わない。また、第2薬剤授受部32b側に、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bが設けられても構わないし、第1薬剤授受部32a側が、第1ピッキングカセット移送部35aのみを備える構成であっても構わない。1つの薬剤授受部32に対して複数のピッキングカセット移送部を設けた場合、薬剤の払出しを効率良く行うことが可能となる。
また、充填作業が行われる場合、第1薬剤授受部32a側が用いられても、第2薬剤授受部32b側が用いられても構わない。
また、ピッキングユニット3に薬剤授受部32を複数設けている必要は必ずしもなく、ピッキングユニット3に1つの薬剤授受部32が設けられていても構わない。さらに、本体ユニット2に対して1つのピッキングユニット3が設けられてもよい。この場合、1つのピッキングユニット3に対応するカセット保持部23だけが本体ユニット2に設けられても構わない。
(ピッキングカセット移送部の構造)
ピッキングカセット移送部35の具体的な構造について、図12を用いて説明する。図12は、ピッキングカセット移送部35の一例を示す図である。図12の符号12001は、本体ユニット2側から見たときのピッキングカセット移送部35の一例を示す斜視図である。図12の符号12002は、ピッキングカセット移送部35を構成する第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す斜視図である。図12の符号12003は、作業台40側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す平面図である。図12の符号12004は、本体ユニット2側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す図である。なお、図12では、説明の便宜上、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35のみを示している。また、図12の符号12001では、ピッキングユニット3のうち、薬剤授受部32が設けられた部分のみを例示している。
ピッキングカセット移送部35の具体的な構造について、図12を用いて説明する。図12は、ピッキングカセット移送部35の一例を示す図である。図12の符号12001は、本体ユニット2側から見たときのピッキングカセット移送部35の一例を示す斜視図である。図12の符号12002は、ピッキングカセット移送部35を構成する第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す斜視図である。図12の符号12003は、作業台40側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す平面図である。図12の符号12004は、本体ユニット2側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す図である。なお、図12では、説明の便宜上、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35のみを示している。また、図12の符号12001では、ピッキングユニット3のうち、薬剤授受部32が設けられた部分のみを例示している。
符号12001及び符号12002に示すように、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bを備えている。
第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bはそれぞれ、受渡カセット保持部231に載置されたカセットCaを受け取り、第1薬剤授受部32a側へと移送する移送機構である。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bはそれぞれ、第1薬剤授受部32a側に存在するカセットCaを受取カセット保持部232へと移送する移送機構である。
符号12002に示すように、第1ピッキングカセット移送部35aは、第1カセット把持部351、及び第1カセット移送機構352を備えている。
第1カセット把持部351は、カセットCaを把持する部材である。本実施形態では、第1カセット把持部351は枠体で構成されており、枠体の短手方向(X軸方向)に延伸する側壁(長手方向の端部)に、カセットCaの爪受部Ca12(図5参照)に引っ掛かる突起部351aが設けられている。枠体は、第1カセット把持部351が鉛直方向に移動したときに、カセットCaの底部及びカセット保持部23(ここでは第1カセット保持部23a)が通過可能であって、突起部351aに引っ掛かる程度の大きさの中空部を有している。カセット保持部23において第1カセット把持部351が鉛直上向きに移動したときに、突起部351aがカセット保持部23に載置された爪受部Ca12に引っ掛かることで、カセットCaが第1カセット把持部351に把持される。
第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を移動させるものである。第1カセット移送機構352は、第1梁部353及び第1支柱部354を備えている。第1梁部353は、ピッキングユニット3の奥行方向(Y軸方向)に延伸し、第1カセット把持部351をスライド可能に支持する。また、第1支柱部354は、ピッキングユニット3の高さ方向(Z軸方向)に延伸し、第1梁部353をスライド可能に支持する。ピッキングカセット移送制御部121は、第1支柱部354に沿って第1梁部353を移動させると共に、第1梁部353に沿って第1カセット把持部351を移動させる。これにより、カセット保持部23と薬剤授受部32との間で所望のカセットCaを移動させることができる。
また、符号12002に示すように、第2ピッキングカセット移送部35bは、第2カセット把持部355、及び第2カセット移送機構356を備えている。第2カセット把持部355の短手方向に延伸する側壁には、第1カセット把持部351と同様、カセットCaの爪受部Ca12に引っ掛かる突起部が設けられている。また、第2カセット移送機構356は、第2梁部357及び第2支柱部358を備えている。第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356の構造及び機能はそれぞれ、第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352と同様である。
また、符号12003及び符号12004に示すように、第1梁部353と第2梁部357とは、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355がピッキングユニット3の奥行方向に沿って移動できる程度に離隔して設けられている。
また、ピッキングカセット移送制御部121は、第1カセット把持部351と第2カセット把持部355とが互いに衝突しないように、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355の移動(位置)を制御する。
具体的には、上述のように離隔して設けられた第1梁部353及び第2梁部357のそれぞれに、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355が片持ちの状態で支持されている。そして、第1カセット移送機構352及び第2カセット移送機構356は、第1カセット移送機構352及び第2カセット移送機構356の可動領域(第1梁部353及び第2梁部357の間の領域)において干渉しないように制御される。そのため、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、カセット保持部23と薬剤授受部32との間で互いに衝突しないように移動できる。
従って、複数のカセット把持部によりカセット保持部23及び薬剤授受部32の間でのカセットCaの移送が可能となる。そのため、カセットCaの移送効率を向上させることが可能となる。
次に、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの把持動作について、図13を用いて説明する。図13の符号13001~符号13005は、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの把持動作を示す図である。
まず、カセットCaが受渡カセット保持部231に載置されている状態において、第1梁部353は、当該受渡カセット保持部231の直下に第1カセット把持部351を移動させることができるように、第1支柱部354に沿って鉛直方向に移動する。その後、図13の符号13001に示すように、第1カセット把持部351は、受渡カセット保持部231へと水平方向に移動し、図13の符号13002に示すように、受渡カセット保持部231の直下の位置において停止する。
次に、図13の符号13003に示すように、第1梁部353が、第1支柱部354に沿って鉛直上向きに移動していくことで、第1カセット把持部351の中空部を受渡カセット保持部231が通過した後、第1カセット把持部351の突起部351aが、カセットCaの爪受部Ca12に引っ掛かり一時的に係止する。これにより、第1カセット把持部351はカセットCaを把持できる。
なお、本基本構成では、第1カセット把持部351には、第1カセット把持部351がカセットCaに対向して位置するときに2つの爪受部Ca12と対向する2つの突起部351aが設けられている。しかし、第1カセット把持部351は、突起部351aが1つだけ設けられた構成であってもよい。この場合であっても、何れか一方の爪受部Ca12を一時的に係止することにより、第1カセット把持部351はカセットCaを把持できる。すなわち、第1カセット把持部351は、カセットCaの対向する2つの部分(両側)を把持する構成であってもよいし、カセットCaの片側を把持する構成であってもよい。第2カセット把持部355についても同様である。
次に、第1カセット把持部351は、カセットCaを把持した状態で、開口部321の下方に位置するように、第1梁部353に沿って移動する。この移動と共に、第1梁部353は、第1カセット把持部351が開口部321の直下に位置するように、第1支柱部354に沿って鉛直上向きに移動する。これにより、図13の符号13004に示すように、第1カセット把持部351は、開口部321の直下にカセットCaを移送できる。そして、作業者は、第1カセット把持部351が把持するカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うことが可能となる。
なお、開口部321の直下の位置(つまり、作業者がカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うことが可能な位置)を、薬剤授受位置P1と称する。
薬剤授受位置P1での作業者による作業が完了した後、第1梁部353は、受取カセット保持部232の直上に第1カセット把持部351を移動させることができるように、第1支柱部354に沿って鉛直下向きに移動する。また、第1カセット把持部351は、受取カセット保持部232へ向けて、第1梁部353に沿って移動する。その後、図13の符号13003での動作と逆の動作が行われる。つまり、第1梁部353が、第1支柱部354に沿って鉛直下向きに移動していくことで、受取カセット保持部232にカセットCaが載置される。またこのとき、突起部351aが爪受部Ca12から離れ、一時的な係止状態が解除される。その後、第1カセット把持部351の中空部を受取カセット保持部232が通過することで、第1カセット把持部351は、受渡カセット保持部231へと移動することが可能となる。
一方、第2ピッキングカセット移送部35bについても、第1ピッキングカセット移送部35aと同様に移動することが可能である。例えば、第2ピッキングカセット移送部35bは、第1カセット把持部351が把持したカセットCaの次に取出し又は充填対象となる薬剤を収容したカセットCaを把持し、当該カセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。
但し、図13の符号13005に示すように、第1カセット把持部351が薬剤授受位置P1に位置しているときには、第2カセット把持部355は、薬剤授受部32の近傍(具体的には薬剤授受位置P1の近傍)に設けられた待機位置P2に移動する。その後、第1カセット把持部351が受取カセット保持部232へ向けて移動した後、第2カセット把持部355は、薬剤授受位置P1まで移動する。第1カセット把持部351は、受取カセット保持部232にカセットCaを返却した後、受渡カセット保持部231に載置された新たなカセットCaを把持し、待機位置P2へと移動する。この動作が繰り返し行われる。
図13の符号13005に示すように、本実施形態では、待機位置P2は、薬剤授受位置P1よりも下方であって、ピッキングユニット3の奥行方向において、薬剤授受位置P1よりも本体ユニット2から離れた位置に設けられている。これにより、薬剤授受位置P1に位置するカセット把持部が受取カセット保持部232に向けて移動するときに、待機位置P2に位置するカセット把持部と衝突しないようにすることができる。
(ピッキングカセット移送部の動作例)
次に、ピッキングカセット移送部35の動作例について、図14を用いて説明する。図14の符号14001~符号14008は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの動作例を示す図である。図14に示す網掛けの矢印は第1カセット把持部351の移動方向、黒塗りの矢印は第2カセット把持部355の移動方向、白抜きの矢印は本体カセット移送部22によるカセットCaの移動方向を示している。またここでは、第1カセット把持部351がカセットCaを把持して薬剤授受位置P1に位置しており、第2カセット把持部355がカセットCaを把持して待機位置P2に位置している状態からの動作例について説明する。
次に、ピッキングカセット移送部35の動作例について、図14を用いて説明する。図14の符号14001~符号14008は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの動作例を示す図である。図14に示す網掛けの矢印は第1カセット把持部351の移動方向、黒塗りの矢印は第2カセット把持部355の移動方向、白抜きの矢印は本体カセット移送部22によるカセットCaの移動方向を示している。またここでは、第1カセット把持部351がカセットCaを把持して薬剤授受位置P1に位置しており、第2カセット把持部355がカセットCaを把持して待機位置P2に位置している状態からの動作例について説明する。
本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35a(第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352)は、符号14003~符号14006に示すように、上段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232にアクセス可能となっている。また、第2ピッキングカセット移送部35b(第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356)は、符号14003及び符号14006~符号14008に示すように、下段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232にアクセス可能となっている。図14では、上段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ、受渡カセット保持部231a及び受取カセット保持部232aとしている。同様に、下段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ、受渡カセット保持部231b及び受取カセット保持部232bとしている。
なお、カセット保持部23における受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232の配置位置は自由に設定されてよい。換言すれば、カセット保持部23のどの位置を、受渡カセット保持部231又は受取カセット保持部232として機能させるかについては、自由に設定されてよい。また、この設定は、本体ユニット2を含むドラッグステーション1の動作状況(例:薬剤の払出状況)に応じて、制御装置10によって随時切替えられても構わない。
つまり、カセット保持部23を構成するカセットCaの載置台は、制御装置10の制御を受けて、上記動作状況に応じて、受渡カセット保持部231として機能するか、又は受取カセット保持部232として機能するかが切替えられてよい。この場合、上記動作状況に応じて、上記載置台を受渡カセット保持部231又は受取カセット保持部232として機能させることができる。そのため、カセット保持部23は、上記動作状況に応じて効率良くカセットCaを保持することが可能となる。なお、上記載置台は、上記動作状況を考慮せずに(例えば入力操作に基づき)、受渡カセット保持部231として機能するか、又は受取カセット保持部232として機能するかが切替えられても構わない。
また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bのカセット保持部23に対するアクセス位置についても、自由に設定されてよい。この設定についても、上記動作状況に応じて、制御装置10によって随時切替えられても構わない。
まず、符号14001に示すように、上述のように、第1ピッキングカセット移送部35aの第1カセット移送機構352は、カセットCaを把持した第1カセット把持部351を薬剤授受位置P1に移送している。この状態においてシャッター322が開くことで、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われる。また、第2ピッキングカセット移送部35bの第2カセット移送機構356は、カセットCaを把持した第2カセット把持部355を待機位置P2に移送している。つまり、第2カセット把持部355は、カセットCaを把持した状態で、待機位置P2で待機している。
また、上記ピッキング作業が行われている間に、符号14002に示すように、本体カセット移送部22は、受渡カセット保持部231aに新たなカセットCaを載置する。
第1カセット把持部351が把持するカセットCaに対するピッキング作業が終了し、例えばトレイ閉ボタン39が押下されると、シャッター322が閉鎖する。シャッター322が閉鎖すると、符号14003に示すように、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を受取カセット保持部232aへ移動させた後、第1カセット把持部351が把持していたカセットCaを受取カセット保持部232aに載置する。また、第1カセット把持部351が移動することで薬剤授受位置P1が空いた後、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を薬剤授受位置P1へ移動させる。この状態において、シャッター322が開くことで、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われる。
次に、符号14004に示すように、本体カセット移送部22は、第1カセット移送機構352により受取カセット保持部232aに載置されたカセットCaを、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置に返却する。また、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を、受取カセット保持部232aから受渡カセット保持部231aへ移動させる。その後、第1カセット移送機構352は、受渡カセット保持部231aに載置されたカセットCaを、第1カセット把持部351に把持させる。
次に、符号14005に示すように、第1カセット移送機構352は、カセットCaを把持した第1カセット把持部351を、待機位置P2へ移動させ、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が完了するまで待機する。また、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われている間に、本体カセット移送部22は、受渡カセット保持部231bに新たなカセットCaを載置する。
第2カセット把持部355が把持するカセットCaに対するピッキング作業が終了し、例えばトレイ閉ボタン39が押下されると、シャッター322が閉鎖する。シャッター322が閉鎖すると、符号14006に示すように、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を受取カセット保持部232bへ移動させた後、第2カセット把持部355が把持していたカセットCaを受取カセット保持部232bに載置する。また、第2カセット把持部355が移動することで薬剤授受位置P1が空いた後、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を薬剤授受位置P1へ移動させる。この状態において、シャッター322が開くことで、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業可能な状態になる。
次に、符号14007に示すように、本体カセット移送部22は、第2カセット移送機構356により受取カセット保持部232bに載置されたカセットCaを、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置に返却する。また、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を、受取カセット保持部232bから受渡カセット保持部231bへ移動させる。その後、第2カセット移送機構356は、受渡カセット保持部231bに載置されたカセットCaを、第2カセット把持部355に把持させる。
次に、符号14008に示すように、第2カセット移送機構356は、カセットCaを把持した第2カセット把持部355を、待機位置P2へ移動させ、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業が完了するまで待機する。
払出データに基づくカセットCaの移送処理が行われている場合、払出データに含まれる全ての薬剤に対するピッキング作業が終了するまで、上述した動作が繰り返し行われる。また、薬剤を順次充填する場合についても、全ての薬剤の充填作業が終了するまで、上述した動作が繰り返し行われてよい。
なお、符号14005及び符号14006において、第2カセット把持部355が薬剤授受位置P1に存在しない場合には、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を直接、薬剤授受位置P1へと移送して構わない。同様に、符号14008において、第1カセット把持部351が薬剤授受位置P1に存在しない場合には、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を直接、薬剤授受位置P1へと移送して構わない。
このように、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、薬剤シートの取出し又は充填対象となるカセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、薬剤授受位置P1にカセットCaが位置している場合には、当該カセットCaの次に薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCaを、待機位置P2に移送して待機させる。
具体的には、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、カセット保持部23から引き出したカセットCaを把持して、カセット保持部23、薬剤授受位置P1及び待機位置P2の間で移送させる。また、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、互いに衝突しないように移動する。
これにより、薬剤授受位置P1においてカセットCaに対する作業を行うことが可能になると共に、待機位置P2にて、当該カセットCaの次の作業対象であるカセットCaを、薬剤授受位置P1の近傍に待機させることができる。そのため、薬剤授受位置P1においてカセットCaに対する作業が終了した後、続けて、待機位置P2に待機させていたカセットCaを薬剤授受位置P1へと移動させることができる。そのため、複数のカセットCaに対する作業をユーザに効率良く行わせることが可能となる。
従って、ピッキングユニット3は、ユーザによる薬剤シートの取出し又は充填が行われるカセットCaを、効率良くユーザに提供できる。
(第1シャッターの動作例)
次に、第1シャッター322aの動作例について、図15を用いて説明する。図15の符号15001~符号15003は、第1シャッター322aの動作例を示す図である。
次に、第1シャッター322aの動作例について、図15を用いて説明する。図15の符号15001~符号15003は、第1シャッター322aの動作例を示す図である。
上述したように、第1シャッター322aは、シャッター制御部122の制御を受けて、開閉動作を行う。具体的には、符号15001に示すように、シャッター制御部122は、薬剤授受部32(具体的には、薬剤授受位置P1)にカセットCaが位置していない場合には、第1シャッター322aを閉鎖している。符号15002及び符号15003に示すように、シャッター制御部122は、ピッキングカセット移送部35がカセットCaを薬剤授受位置P1で停止させた後、第1シャッター322aを開く。また、シャッター制御部122は、第2シャッター322bについても、第1シャッター322aと同様に開閉制御を行う。これにより、作業者は、カセットCaに対する薬剤のピッキング又は充填作業を行うことが可能となる。
ピッキングカセット移送制御部121及びシャッター制御部122は、カセットCaの種類、及び、カセットCaのどの収容位置にどの種類の薬剤が収容対象となっているかを特定している。従って、ピッキングカセット移送制御部121及びシャッター制御部122は、仕切部が無いカセットCaの場合には、1種類の薬剤のみが収容対象となっていることを特定できる。そのため、ピッキングカセット移送制御部121が、カセットCaの中央が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送した後、符号15002に示すように、シャッター制御部122は第1シャッター322aを全開にする。このとき、シャッター制御部122は、カセットCaの幅に応じて第2シャッター322bを開く。
一方、仕切部があるカセットCaの場合には、ピッキングカセット移送制御部121は、払出又は充填対象の薬剤の収容位置が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送する。その後、シャッター制御部122は、符号15003に示すように、当該薬剤が収容されている収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。このときも、シャッター制御部122は、カセットCaの幅に応じて第2シャッター322bを開く。
このように、第1シャッター322aの開口幅は、薬剤授受位置P1に移送されたカセットCaの種類に応じて変更される。
また、次の払出し又は充填対象の薬剤が、現在払出し又は充填対象となっている薬剤と同じカセットCaに収容されている場合、カセットCaを変更することなく、カセットCaの位置を変更するだけでよい。この場合、現在払出し又は充填対象となっている薬剤の払出し又は充填が完了した後、シャッター制御部122は第1シャッター322a及び第2シャッター322bを閉鎖する。その後、ピッキングカセット移送制御部121は、次の払出し又は充填対象の薬剤の収容位置が開口部321の中央付近となるように、カセットCaを移動させる。その後、シャッター制御部122は、当該薬剤が収容されている収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。このときも、シャッター制御部122は、カセットCaの幅に応じて第2シャッター322bを開く。
従って、カセットCaに仕切部を設けて1つのカセットCaに複数の収容領域を形成することにより、例えば同時期に払出される可能性が高い薬剤を同じカセットCaに収容しておくことができる。そのため、更に効率良く薬剤シートを払出すことが可能となる。
〔実施形態1〕
本実施形態では、制御装置10の制御によって、自動的に、カセット棚21からカセットCaを取出す、又はカセット棚21にカセットCaを保管する構成について説明する。
本実施形態では、制御装置10の制御によって、自動的に、カセット棚21からカセットCaを取出す、又はカセット棚21にカセットCaを保管する構成について説明する。
<ピッキングユニット>
図16及び図17は、本実施形態のピッキングユニット3の一例を示す斜視図である。図17の符号17001は、ピッキングユニット3の前方側(作業者の立ち位置側)から見た斜視図であり、符号17002は、ピッキングユニット3の後方側(本体ユニット2側)から見た斜視図である。図17では、便宜上、ピッキングユニット3の部材のうち、カセット授受部41の説明に必要な部材のみを図示し、その他の部材については省略している。
図16及び図17は、本実施形態のピッキングユニット3の一例を示す斜視図である。図17の符号17001は、ピッキングユニット3の前方側(作業者の立ち位置側)から見た斜視図であり、符号17002は、ピッキングユニット3の後方側(本体ユニット2側)から見た斜視図である。図17では、便宜上、ピッキングユニット3の部材のうち、カセット授受部41の説明に必要な部材のみを図示し、その他の部材については省略している。
図16及び図17に示すように、本実施形態のピッキングユニット3は、作業者の立ち位置側である前面部45に、カセット授受部41を備えている。カセット授受部41は、ピッキングユニット3からカセットCaを取出す、又はピッキングユニット3にカセットCaを投入することを可能とする(作業者によるカセットCaの授受を可能とする)ものである。カセット授受部41の具体的構成については後述する。
また本実施形態では、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、上述したように、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、薬剤授受部32とカセット棚21との間でカセットCaを移送する。加えて、本実施形態では、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、カセット授受部41とカセット棚21との間でカセットCaを移送する。本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35は、カセットCaを移送するカセット移送部の一例である。
本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32とカセット棚21との間で、あるカセットCaを移送するときに、カセット授受部41とカセット棚21との間で、別のカセットCaを移送してもよい。また、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35は、上記あるカセットCaを移送する間、上記別のカセットCaの移送を行わなくてもよいし、上記別のカセットCaを移送する間、上記あるカセットCaの移送を行わなくてもよい。
取出対象のカセットCaをカセット棚21から取出す場合を考える。この場合、作業者は、例えば第1タッチパネル5を介して、取出対象のカセットCaを指定する。カセット特定部111は、作業者による入力操作に基づき、取出対象のカセットCaを特定すると共に、記憶部15を参照して、当該カセットCaの保管位置を特定する。本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御して、取出対象のカセットCaを、カセット棚21の当該カセットCaの保管位置から取出す。本体カセット移送制御部112は、取出したカセットCaを、カセット保持部23に移送し、カセット保持部23に保持させる。ピッキングカセット移送制御部121は、ピッキングカセット移送部35を制御して、カセット保持部23に保持されたカセットCaをカセット授受部41に移送する。本実施形態では、ピッキングカセット移送制御部121は、第2ピッキングカセット移送部35bの第2カセット移送機構356(第2梁部357及び第2支柱部358)を制御して、カセット保持部23に保持されたカセットCaをカセット授受部41に移送する。これにより、作業者は、取出対象のカセットCaを、カセット授受部41を介して、カセット棚21から取り出すことができる。
また、保管対象のカセットCa(新たに保管するカセットCa、又はカセット棚21から一旦取出した後、カセット棚21に返却するカセットCa)をカセット棚21に保管する場合を考える。この場合、作業者は、例えば第1タッチパネル5を介して、カセットCaを保管することを指示する入力操作を行う。ピッキングカセット移送制御部121は、ピッキングカセット移送部35(本実施形態では、第2ピッキングカセット移送部35b)を制御して、作業者がカセット授受部41に載置した保管対象のカセットCaを、カセット保持部23に移送する。本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御して、カセット保持部23に保持された保管対象のカセットCaをカセット棚21に移送し、カセット棚21に保管する。これにより、作業者は、保管対象のカセットCaを、カセット授受部41を介して、カセット棚21に保管できる。
保管対象のカセットCaには、カセット識別情報等を含むバーコードCa14(図5参照)が設けられている。本体カセット移送部22が備えるカセット把持部221、及び第2ピッキングカセット移送部35bが備える第2カセット把持部355には、バーコードリーダ(不図示)が設けられている。本実施形態では、カセット授受部41にもバーコードリーダ420(図19参照)が設けられている。保管対象のカセットCaがカセット授受部41から投入されると、カセット把持部221、第2カセット把持部355、又はカセット授受部41のバーコードリーダがバーコードCa14を読取る。カセット特定部111は、読取ったバーコードCa14に含まれるカセット識別情報と、記憶部15に記憶されたカセット識別情報と保管位置とを対応付けたデータと、に基づき、カセットCaの保管位置を特定する。新たにカセット棚21に保管されるカセットCaの場合、上記データの中に、取得したカセット識別情報に対応付けられた保管位置を示す情報は存在しない。そのため、カセット特定部111は、カセット識別情報に対応付けられていない保管位置(すなわち、カセット棚21の空きスペース)を、当該カセットCaの保管位置として特定する。カセットCaをカセット棚21に返却する場合、カセット特定部111は、上記データを参照することにより、当該カセットCaの保管位置を特定する。これにより、本体カセット移送制御部112は、保管対象のカセットCaをカセット棚21に保管できる。
なお、新たなカセットCaをカセット棚21に保管する場合、例えば、作業者は、バーコードリーダ34を介して、当該カセットCaに収容する薬剤に付されたバーコードを読取らせる。この場合、制御装置10は、取得した薬剤識別情報(すなわち、薬剤の種類)を、当該カセットCaのカセット識別情報と対応付けて、記憶部15に記憶する。
ここで、作業者(特に医療従事者)は、例えば薬剤の使用頻度に応じて、薬剤を収容するカセットCaの大きさを変更する等、使用するカセットCaの入替えを行いたい場合がある。ピッキングユニット3にカセット授受部41を備えておらず、カセット棚21とカセット授受部41との間でカセットCaの移送を行うことができない場合、作業者は、以下のような作業を行う。
作業者は、扉25を開けて、カセット棚21から取出したいカセットCaを取出し、当該カセットCaに収容されている薬剤を別のカセットCaに収容しなおす。ここで、カセット棚21には1000個以上のカセットCaを保管できる。そのため、作業者は、取出対象となるカセットCaを探すのに手間及び時間を要する可能性がある。
また、作業者は、バーコードリーダ34に、新たなカセットCaに収容する薬剤に付されたバーコードを読取らせると共に、第1タッチパネル5を介して、新たなカセットCaのカセット番号を入力する。これにより、制御装置10は、新たなカセットCaのカセット識別情報と収容した薬剤の薬剤識別情報とを対応付けて記憶部15に記憶できる。但し、作業者は、新たなカセットCaを保管するために、新たなカセットCaのカセット番号を入力する必要がある。また、制御装置10は、本体カセット移送部22を制御して、カセット棚21に保管されたカセットCaの全てのバーコード(すなわちカセット識別情報)を読取り、読取ったカセット識別情報と保管位置との対応付けを行う。但し、上述のように、カセット棚21には1000個以上のカセットCaを保管できるため、この対応付けには時間を要する可能性がある。
また、作業者がカセット棚21からカセットCaを取出したい場合、又はカセット棚21にカセットCaを保管したい場合には、カセットCaの取出し及び保管のために扉25を開ける必要がある。ここで、制御装置10は、ドラッグステーション1の動作中においては扉25をロックしており、ドラッグステーション1の動作が停止した状態において扉25のロックを解除できる。そのため、作業者が扉25を開けたい場合には、制御装置10は、ドラッグステーション1の動作を一旦停止させる必要がある。例えば、制御装置10は、払出データに基づき薬剤の払出処理を実行している場合には、払出処理を停止又は中断する必要がある。
ここで、薬剤授受部32とは別にカセット授受部41を設ける理由について説明する。図18は、薬剤授受部32とカセットCaとの大きさの関係を説明するための図である。図18の符号18001は、薬剤授受部32に大型カセットCa1が位置している場合の図である。図18の符号18002は、薬剤授受部32に中型カセットCa2が位置している場合の図である。図18の符号18003は、薬剤授受部32に小型カセットCa3が位置している場合の図である。
そもそもカセットCaを薬剤授受部32から取出すことが可能であれば、ピッキングユニット3にカセット授受部41を設ける必要は無い。しかし、図18に示すように、シャッター322(第1シャッター322a及び第2シャッター322b)が開状態となることにより開口部321に形成される開口領域Ar1の長さL1は、カセットCaの長さL2よりも小さい。開口領域Ar1の長さL1は、開口領域Ar1の長手方向(±Y軸方向)の長さである。カセットCaの長さL2は、薬剤授受部32に移送された状態のカセットCaを平面視したときのカセットCaにおける長手方向(±Y軸方向)、すなわちカセットCaにおいて開口領域Ar1の長手方向の長さに対応する長さである。符号18001~符号18003に示すように、開口領域Ar1の長さL1は、大型カセットCa1、中型カセットCa2、及び小型カセットCa3の何れの長手方向の長さL2よりも小さい。そのため、作業者は、薬剤授受部32に対してカセットCaの出入れを行うことができない。例えばドラッグステーション1の動作中において、作業者は、薬剤授受部32に対するカセットCaの出入れを行うことができない。なお、平面視とは、開口部321の上方から開口部321を見ることを意味する。また、開口領域Ar1の長手方向は、所定方向の一例である。
なお、開口領域Ar1の長さL1と、カセットCaの長さL2とは、開口領域Ar1及びカセットCaの長手方向の長さである必要は必ずしもなく、例えば、開口領域Ar1及びカセットCaの短手方向(±X軸方向)の長さであってもよい。すなわち、開口領域Ar1の長さL1と、薬剤授受部32に位置したカセットCaの長さL2とは、互いに対応する方向の長さであればよい。
本実施形態のピッキングユニット3は、払出データ(処方データ)に基づき取出すべき薬剤として指定された薬剤(払出データに基づく払出対象の薬剤)が収容されたカセットCaを、カセットCaの出入れができない薬剤授受部32に搬送する。これにより、作業者は、薬剤授受部32を通じて、カセットCaから、指定された薬剤を取出すことができる。また、カセットCaには、仕切部を設けることにより複数種類の薬剤が収容可能である。ピッキングユニット3は、複数種類の薬剤が収容されたカセットCaについても、薬剤授受部32に搬送することにより、作業者は、カセットCaから、指定された薬剤を取出すことができる。
本実施形態のピッキングユニット3は、複数種類の薬剤を収容可能なカセットCaの出入れができない薬剤授受部32とは別に、当該カセットCaの出入れを可能とするカセット授受部41を備える。そして、ピッキングユニット3において、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、カセット棚21とカセット授受部41との間でカセットCaの移送を行う。
そのため、制御装置10は、カセット棚21から取出すカセットCaを特定する入力操作を受け付けることにより、カセット棚21からのカセットCaの取出しを自動で行うことができる。また、作業者は、カセット棚21からカセットCaを取出したい場合に、カセット授受部41を介してカセットCaを取出すことができる。従って、作業者は、扉25を開けて、膨大な数のカセットCaを保管し得るカセット棚21から取出対象のカセットCaを探すための手間及び時間を削減できる。
また、制御装置10は、カセット棚21にカセットCaを保管するための入力操作を受け付けることにより、カセット棚21へのカセットCaの保管を自動で行うことができる。また、作業者は、カセット棚21にカセットCaを保管したい場合に、カセット授受部41を介してカセットCaを保管できる。従って、作業者は、扉25を開けて、カセット棚21に保管するための手間及び時間を削減できる。
その他、制御装置10は、カセット棚21からのカセットCaの取出し、又はカセット棚21へのカセットCaの保管を自動で行い、作業者は、カセット授受部41を介してカセットCaにアクセスできる。すなわち、作業者は、扉25を開けることなく、カセット棚21からカセットCaを取出したり、カセット棚21にカセットCaを保管できる。そのため、制御装置10は、ドラッグステーション1の動作中であっても、ドラッグステーション1の動作を一旦停止させなくてよい。例えば、制御装置10は、払出データに基づく薬剤の払出処理中であっても、当該払出処理を停止又は中断しなくてよい。また、制御装置10は、上述した対応付けを全てのカセットCaに対して行わなくてもよい。
また、制御装置10は、新たなカセットCaを保管する場合であっても、カセット棚21へのカセットCaの保管を自動で行う。そのため、作業者は、新たなカセットCaのカセット番号を入力する必要が無い。
このように、本実施形態のピッキングユニット3によれば、作業者は、カセット棚21からのカセットCaの取出し、又はカセット棚21へのカセットCaの保管を、容易に行うことができる。また、カセットCaの取出し又は保管に要する時間を削減できる。また、制御装置10の処理負荷を低減できる。従って、本実施形態のピッキングユニット3によれば、カセット棚21からのカセットCaの取出し、又はカセット棚21へのカセットCaの保管に対する作業効率及び処理効率を向上させることができる。
また、本実施形態のピッキングユニット3によれば、開口領域Ar1の長さL1が、カセットCaの長さL2よりも小さいため、作業者は、薬剤授受部32に対するカセットCaの出入れを行うことができない。しかし、本実施形態のピッキングユニット3によれば、作業者は、例えばドラッグステーション1の動作中であっても、カセット授受部41を通じてカセットCaの出入れを行うことができる。
なお、カセットCaを取出す例としては、カセットCaの入替え又はカセットCaの返却に限らず、例えば使用頻度から薬剤の使用を取りやめるために、当該薬剤を収容するカセットCaの使用を取りやめる場合が挙げられる。また、例えば使用頻度から薬剤の収容数を削減するため、同種の薬剤を収容対象とするカセットCaの一群(カセット群)であるグループカセットに含まれる少なくとも1つカセットCaの使用を取りやめる場合が挙げられる。
また、図17に示すように、カセット授受部41へのカセットCaの移送、又は、カセット授受部41からのカセットCaの移送は、第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356により行われる。すなわち、カセット授受部41は、第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356を備える第2ピッキングカセット移送部35b(第2カセット移送部)に対応して設けられている。
ここで、上述したように、ピッキングユニット3は、第1薬剤授受部32aに対応して設けられた第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352を備える第1ピッキングカセット移送部35a(第1カセット移送部)を備える。また、第2ピッキングカセット移送部35bは、第2薬剤授受部32bに対応して設けられている。
第1薬剤授受部32aは、払出データに基づく払出対象の薬剤が収容されるカセットCaが移送される薬剤授受部として機能してよい。また、第2薬剤授受部32bは、例えば、第1薬剤授受部32aに移送されるカセットCa以外のカセットCaが移送される薬剤授受部として機能する。当該カセットCaとしては、例えば、作業者が払出データに含まれる薬剤の払出処理に割り込んで、緊急に払出すことを希望する薬剤を収容するカセットが挙げられる。すなわち、当該カセットCaは、例えば、払出データに対する割込み処理による払出対象となった薬剤を収容するカセットCaである。なお、割込み処理は、払出データに含まれる薬剤の払出処理に割り込んで、緊急にカセットCaに薬剤を投入するための入力操作を受付けた場合に、当該薬剤を払出す処理であってもよい。
このように、払出データに基づき複数種類の薬剤が払出される場合、第1薬剤授受部32aには、払出対象の薬剤が収容されるカセットCaが順次搬送される。一方、第2薬剤授受部32bには、払出データに基づく薬剤の払出しに割込んでカセットCaから薬剤を取出す、又は当該カセットCaに薬剤を投入するときに、当該薬剤が収容されるカセットCaが移送される。そのため、制御装置10は、払出データに基づき複数種類の薬剤が払出されている場合であっても、その払出しのためのカセットCaの移送を停止することなく、第2薬剤授受部32bに対するカセットCaの移送処理を実行できる。
上述のように、カセット授受部41は、第2薬剤授受部32bに対応して設けられた第2ピッキングカセット移送部35bに対応して設けられている。そのため、払出データに基づき複数種類の薬剤が払出されている場合であっても、その払出しのためのカセットCaの移送を停止することなく、カセット授受部41に対するカセットCaの移送処理を実行できる。
また、第2ピッキングカセット移送部35bは、第2薬剤授受部32b及びカセット授受部41に共通して設けられている。この場合、カセット授受部41用にカセットCaを移送する機構を別途設けていないため、カセット授受部41を設けることによりピッキングユニット3が複雑化する可能性を低減できる。
本体ユニット2にカセット授受部41を設けた場合、カセット授受部41用のカセットCaを移送する機構を、本体ユニット2に設ける必要がある。ピッキングユニット3にカセット授受部41を設けた場合、上述のように、薬剤授受部32用のカセットCaを移送する機構を、カセット授受部41に対しても用いることができる。従って、ピッキングユニット3にカセット授受部41を設けることにより、本体ユニット2が複雑化する可能性を低減できる。
但し、上述した効果を考慮しなければ、カセット授受部41は、第1薬剤授受部32aに対応して設けられていてもよい。すなわち、カセット授受部41は、第1ピッキングカセット移送部35aに対応して設けられていてもよい。また、カセット授受部41と、第1薬剤授受部32a又は第2薬剤授受部32bと、に共通するように、カセットCaを移送する機構が設けられていなくてもよい。この場合、例えば、ピッキングユニット3には、カセット授受部41とカセット保持部23との間でカセットCaを移送する機構が、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bとは別に設けられる。
<カセット授受部>
図19は、カセット授受部41をピッキングユニット3の前方側から見たときの、カセット授受部41の一例を示す斜視図である。図19の符号19001は、カセット授受部41がピッキングユニット3から引き出されていない状態を示し、符号19002は、カセット授受部41がピッキングユニット3から引き出されている状態を示す。
図19は、カセット授受部41をピッキングユニット3の前方側から見たときの、カセット授受部41の一例を示す斜視図である。図19の符号19001は、カセット授受部41がピッキングユニット3から引き出されていない状態を示し、符号19002は、カセット授受部41がピッキングユニット3から引き出されている状態を示す。
図20の符号20001及び符号20002は、カセット授受部41をピッキングユニット3の後方側から見たときの、カセット授受部41の一例を示す斜視図である。符号20002は、説明容易化のために、カセット載置台412、バーコードリーダ420、及びミラー421を取り除いた図である。
図19及び図20に示すように、カセット授受部41は、埋込取手部411、カセット載置台412、載置台支持部413、レール部414、カセット検出部415、収容検出部416、ドグ417、ソレノイド418、及びロック部419を備える。本実施形態では、収容検出部416及びソレノイド418は、カセット載置台412の下部に設置された支持台422に配置されている。支持台422は、支持部47に固定されている。支持部47は、ピッキングユニット3の一部に固定されている。
埋込取手部411は、作業者がピッキングユニット3に対してカセット載置台412を出し入れするために手を掛ける部分である。埋込取手部411は、載置台支持部413に固定されている。
カセット載置台412は、カセット棚21から移送された取出対象のカセットCa、又は、作業者が投入した保管対象のカセットCaが載置される台である。カセット載置台412は、載置台支持部413に固定されている。
載置台支持部413は、カセット載置台412を支持する。載置台支持部413は、第1レール部414aに固定されている。
レール部414は、埋込取手部411に手を掛けた作業者の操作により、ピッキングユニット3に対してカセット載置台412を出し入れ可能なように、カセット載置台412を±Y軸方向に移動させる。本実施形態では、レール部414は、第1レール部414a、第2レール部414b、及び第3レール部414cを備える。
第1レール部414aは、載置台支持部413に固定され、第2レール部414b及び第3レール部414cに対してスライド可能なように設けられている。第2レール部414bは、第1レール部414aと第3レール部414cとの間に、第1レール部414a及び第3レール部414cに対してスライド可能なように設けられている。第3レール部414cは、支持部47に固定されている。
符号19001に示す状態において、作業者が埋込取手部411に手を掛け、作業者側に(-Y軸方向に)引っ張ると、レール部414に沿ってカセット載置台412が作業者側にスライドして移動する。具体的には、カセット載置台412が、第1レール部414aと共に、第2レール部414b及び第3レール部414cに対してスライドする。また、第2レール部414bも第3レール部414cに対してスライドする。これにより、符号19002に示すように、カセット載置台412が作業者側に引き出される。
符号19002に示す状態において、作業者が埋込取手部411に手を掛け、ピッキングユニット3側に(+Y軸方向に)押込むと、レール部414に沿ってカセット載置台412がピッキングユニット3側にスライドして移動する。具体的には、カセット載置台412が、第1レール部414aと共に、第2レール部414b及び第3レール部414cに対してスライドする。また、第2レール部414bも第3レール部414cに対してスライドする。これにより、符号19001に示すように、カセット載置台412がピッキングユニット3に収容される。
すなわち、カセット授受部41は、埋込取手部411、カセット載置台412、載置台支持部413、及びレール部414を備えることにより、カセットCaを引き出すための引出部として機能する。そのため、作業者は、簡易な構成により、カセット授受部41からのカセットCaの取出し、又はカセット授受部41へのカセットCaの投入を容易に行うことができる。
カセット検出部415は、カセット載置台412に載置されたカセットCaを検出する。カセット検出部415は、例えば、光を出射する出射部と、出射部が出射した光が対象物において反射した反射光を受光する受光部と、を備える反射型の光センサである。
カセット検出部415は、符号19001に示すように、カセット載置台412が引き出されていない状態(カセット授受部41が閉状態)であるときに、カセット載置台412に載置されているカセットCaを検出できる位置に配置されていればよい。本実施形態では、載置台支持部413に貫通孔413aが形成されている。カセット検出部415は、カセット載置台412が引き出されていない状態であるときに、カセット載置台412に載置されているカセットCaを、貫通孔413aを介して検出する。
収容検出部416は、カセット授受部41がピッキングユニット3に挿入されている状態(カセット載置台412が引き出されていない状態)であることを検出する。本実施形態では、収容検出部416は、ドグ417が挿入される略C形状の挿入部を有し、挿入部に挿入されたドグ417を検出する溝形光センサである。溝形光センサは、例えば、光を出射する出射部と、当該光を受光する受光部と、を備える透過型の光センサである。
ドグ417は、カセット載置台412の移動に連動して移動する移動部である。本実施形態では、ドグ417は、カセット載置台412が固定された載置台支持部413に固定されている。ドグ417は、カセット載置台412が引き出されていない状態において、ドグ417が収容検出部416の挿入部に挿入されることで、収容検出部416はドグ417を検出する。これにより、収容検出部416は、ピッキングユニット3に挿入されている状態であることを検出する。収容検出部416及びドグ417は、カセット載置台412が引き出されていない状態において収容検出部416がドグ417を検出できる位置に、設けられていればよい。
ソレノイド418は、カセット載置台412の移動可否を制御する。ソレノイド418は、例えば、カセット載置台412が引き出されていない状態において、カセット載置台412が引き出されないように、カセット載置台412の位置を固定する。
本実施形態では、板状のロック部419が載置台支持部413に設けられている。符号20002に示すように、ロック部419には、ソレノイド418に接続されたロックピン423が貫通可能な貫通孔419aが形成されている。ソレノイド418は、制御装置10の制御を受けて駆動し、貫通孔419aにロックピン423を挿入することにより、カセット載置台412の位置を固定する。すなわちこの場合、カセット載置台412はロックされ、作業者は、カセット載置台412を引き出すことができない。また、ソレノイド418は、制御装置10の制御を受けて駆動し、貫通孔419aからロックピン423を抜出すことにより、カセット載置台412を移動可能とする。すなわちこの場合、カセット載置台412のロックは解除され、作業者は、カセット載置台412を引き出すことが可能となる。
例えば、カセット載置台412が引き出されていない状態において、制御装置10が、第1タッチパネル5を介して、あるカセットCaの取出指示を受け付けたとする。なお、カセット載置台412が引き出されていない状態においては、貫通孔419aにロックピン423が挿入され、カセット載置台412の引出しが不可の状態となっている。
本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、取出指示を受け付けると、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、取出対象のカセットCaをカセット授受部41に移送する。ピッキングカセット移送部35がカセット載置台412にカセットCaを載置すると、カセット検出部415は、カセットCaを検出する。制御装置10は、カセット検出部415からカセットCaを検出したことを示す検出信号を受信すると、ソレノイド418を駆動して、ロックピン423を貫通孔419aから抜出す。これにより、カセット載置台412の引出しが可能となる。また、このとき、例えば、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に、カセット載置台412の引出しが可能になったことを示す画像を表示してよい。なお、制御装置10は、この画像の表示に代えて、例えば音の出力により、カセット載置台412の引出しが可能になったことを報知してもよい。
その後、作業者がカセット載置台412を引き出した後、カセット載置台412をピッキングユニット3側へと押込んでピッキングユニット3に収容すると(カセット授受部41を閉じると)、収容検出部416にドグ417が挿入される。制御装置10は、収容検出部416から、ドグ417を検出したことを示す検出信号を受信すると、ソレノイド418を駆動して、ロックピン423を貫通孔419aに挿入する。これにより、カセット載置台412の引出しが不可となる。
カセット載置台412にカセットCaが載置されている場合、カセット検出部415は、カセットCaを検出する。本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、カセット検出部415からカセットCaを検出したことを示す検出信号を受信すると、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、カセットCaをカセット棚21へ移送する。これにより、カセットCaがカセット棚21に保管される。
また例えば、カセット載置台412が引き出されていない状態において、制御装置10が、第1タッチパネル5を介して、カセット棚21へのカセットCaの保管指示を受け付けたとする。この場合、制御装置10は、ソレノイド418を駆動して、ロックピン423を貫通孔419aから抜出す。これにより、カセット載置台412の引出しが可能となる。
その後、作業者は、カセット載置台412を引き出した後、カセット載置台412を保管対象のカセットCaをカセット載置台412に載置する。その後、ピッキングユニット3側へと押込んでピッキングユニット3に収容する(カセット授受部41を閉じる)。その後の処理については上述したので、説明を割愛する。
また、カセット授受部41は、バーコードリーダ420及びミラー421を備える。本実施形態では、バーコードリーダ420は、支持台422に設置されている。ミラー421は、カセット載置台412の壁部412a(すなわち、カセット載置台412に載置されたカセットCaに付されたバーコードCa14と対向する位置)に設けられている。
バーコードリーダ420は、カセット載置台412に載置されたカセットCaに付されたバーコードCa14を読取る。ミラー421は、バーコードリーダ420から出射される光、及び、バーコードCa14において反射した反射光を、反射する。具体的には、ミラー421は、バーコードリーダ420から出射される光を反射して、バーコードCa14へと伝搬すると共に、バーコードCa14において反射した反射光をバーコードリーダ420へと伝搬する。これにより、バーコードリーダ420は、ミラー421を介して、バーコードCa14を読取ることができる。
バーコードリーダ420がカセット載置台412に載置されたカセットCaに付されたバーコードCa14を読取ることが可能なように、バーコードリーダ420及びミラー421は位置決めされている。具体的には、バーコードCa14を読取ることが可能なように、バーコードリーダ420が光を出射又は反射光を受光する、バーコードリーダ420の側面部と、ミラー421の反射面と、が位置決めされている。
バーコードリーダ420がバーコードCa14を読取れるように、バーコードリーダ420は、バーコードリーダ420の読取深度(焦点距離)を考慮して所定距離、バーコードCa14と離隔して設ける必要がある。すなわち、バーコードリーダ420が出射する光、及び受光する反射光が通る光路の長さを、バーコードリーダ420がバーコードCa14を読取れる所定距離に設定する必要がある。ここで、バーコードリーダ420をカセット授受部41に設けるという制約上、バーコードリーダ420としては比較的小さいものを用いる必要があるため、読取深度は比較的長くなる。
本実施形態では、ミラー421を設けることにより、上記光又は反射光を屈曲させることができる。そのため、バーコードリーダ420を、カセット載置台412に載置されたカセットCaに付されたバーコードCa14と対向しない位置(本実施形態では支持台422)に設けることができる。
バーコードリーダ420を、ミラー421と同様、カセット載置台412に載置されたカセットCaに付されたバーコードCa14と対向する位置に設けることも考えられる。但し、この場合、上記所定距離を確保するためには、ミラー421を配置した位置よりも、カセットCaから離隔した位置に、バーコードリーダ420を設けることになる。すなわち、ミラー421を設けた場合に比べ、カセット授受部41がY軸方向に長くなる。
従って、ミラー421を設け、上記光又は反射光を屈曲させることにより、カセット授受部41が大きくなる可能性を低減できる。なお、カセット授受部41がバーコードリーダ420及びミラー421を備えている必要は必ずしもない。
<変形例>
上記では、薬剤授受部32に対するカセットCaの出入れができないために、薬剤授受部32とは別に、カセット授受部41をピッキングユニット3に設けた構成について説明した。しかし、薬剤授受部がカセット授受部41の機能を兼ね備えていてもよい。
上記では、薬剤授受部32に対するカセットCaの出入れができないために、薬剤授受部32とは別に、カセット授受部41をピッキングユニット3に設けた構成について説明した。しかし、薬剤授受部がカセット授受部41の機能を兼ね備えていてもよい。
図31は、カセット授受部41の機能も兼ね備えた薬剤授受部320の一例を示す。薬剤授受部320の、開口部321を規定する側部(開口部321の4辺)は、第1可動部325a及び第2可動部325bによって構成されている。第1可動部325aは、作業台40に対して+Y軸方向にスライド可能に設けられ、第2可動部325bは、作業台40に対して-Y軸方向にスライド可能に設けられている。
図31の符号31001の状態は、薬剤授受部320を通じてカセットCaから薬剤の出入れを行うことが可能な状態である。このときの開口部321の長手方向の長さL1は、薬剤授受部32と同様、カセットCaの長手方向の長さL2よりも小さいため、カセットCaの出入れを行うことができない。
一方、図31の符号31002の状態は、符号31001の状態から、第1可動部325aを+Y軸方向にスライドさせ、第2可動部325bを-Y軸方向にスライドさせた状態である。このときの開口領域Ar1の長さL1は最大となり、カセットCaの長手方向の長さL2よりも大きい。そのため、この状態において、薬剤授受部320を通じてカセットCaの出入れを行うことが可能となる。
薬剤授受部320は、初期状態においては、符号31001の状態であってよい。制御装置10は、例えば、カセットCaの取出し又は保管するための入力操作を受付けた場合、シャッター322を開状態とする。制御装置10は、これと共に、第1可動部325a及び第2可動部325bを駆動させ、開口領域Ar1の大きさを符号31001の状態から符号31002の状態へと変更する。
また、制御装置10は、例えば作業者の認証チェック後に、第1可動部325a及び第2可動部325bを駆動させ、符号31002の状態へと変更してよい。制御装置10は、ドラッグステーション1において作業者が作業を行う前に、作業者の認証を行っている。例えば、制御装置10は、作業者の認証の結果、作業者が医療従事者であると判定した場合に限り、カセットCaの取出し又は保管を許可してもよい。カセット授受部41においてカセットCaの出入れを行う場合も同様であってよい。
制御装置10は、符号31002の状態から符号31001の状態に戻すための入力操作を受付けた場合、第1可動部325a及び第2可動部325bを駆動させ、開口領域Ar1の大きさを符号31002の状態から符号31001の状態へと変更してよい。制御装置10は、例えばトレイ閉ボタン39が押下された場合に、シャッター322を閉じると共に、開口領域Ar1の大きさを符号31002の状態から符号31001の状態へと変更してよい。
このように、薬剤授受部320は、開口部321の長手方向の長さL1が、カセットCaの長手方向の長さL2よりも大きくなるように、開口部321の開口幅を変更できる幅変更機構を有する。そのため、作業者は、薬剤授受部320を通じてカセットCaの出入れを行うことが可能となる。なお、図31の構成は一例であって、薬剤授受部320において、上記のように開口幅を変更できる構成であればよい。なお、ピッキングユニット3に設けられた複数の薬剤授受部32のうちの1つが、薬剤授受部320であってもよい。
〔実施形態2〕
本実施形態では、カセット棚21からカセットCaが飛び出している場合に、制御装置10の制御によって、自動的にカセットCaをカセット棚21へと押戻す構成について説明する。図21は、カセット把持部221の動作の一例を示す図である。本実施形態では、第1カセット把持部221a及び第1支柱部224aを例に挙げて説明するが、第2カセット把持部221b及び第2支柱部224bについても同様に説明できる。
本実施形態では、カセット棚21からカセットCaが飛び出している場合に、制御装置10の制御によって、自動的にカセットCaをカセット棚21へと押戻す構成について説明する。図21は、カセット把持部221の動作の一例を示す図である。本実施形態では、第1カセット把持部221a及び第1支柱部224aを例に挙げて説明するが、第2カセット把持部221b及び第2支柱部224bについても同様に説明できる。
また、図21では、第1カセット把持部221aと第1支柱部224aとが離隔しているように図示している。しかし実際には、第1カセット把持部221aが第1支柱部224aの周りを旋回し、かつ、第1支柱部224aに沿ってスライド可能なように、第1カセット把持部221aは第1支柱部224aに接続されている。
図21に示すように、第1カセット把持部221aは、カセットCaを検出する第1カセット検出部2216を備えている。第1カセット検出部2216は、第1カセット把持部221aの、第1支柱部224aとは反対側の角部に設けられている。これにより、第1カセット把持部221aが-X軸方向に移動しているときに、第1カセット検出部2216により、カセット棚21から飛び出したカセットCaを検出できる。
第1カセット検出部2216は、第1カセット検出部2216から所定距離の範囲内に位置する対象物を検出できるセンサであればよい。これにより、第1カセット把持部221aが、カセット棚21から飛び出したカセットCaと衝突する前に、第1支柱部224aの-X軸方向の移動を停止できる。
また、第1支柱部224aは、カセットCaを検出する第2カセット検出部2242を備えている。第1支柱部224aには、第1カセット把持部221aが接続され、第1支柱部224aに沿って±Z軸方向(上下方向)にスライドするスライド部2241が設けられており、第2カセット検出部2242はスライド部2241の角部に設けられている。これにより、第1カセット把持部221aが+X軸方向に移動しているときに、第2カセット検出部2242により、カセット棚21から飛び出したカセットCaを検出できる。なお、第2カセット検出部2242は、スライド部2241の、第1カセット把持部221aとは反対側の角部にのみ設けられていてもよい。
第2カセット検出部2242は、第2カセット検出部2242から所定距離の範囲内に位置する対象物を検出できるセンサであればよい。これにより、第1支柱部224aが、カセット棚21から飛び出したカセットCaと衝突する前に、第1支柱部224aの+X軸方向の移動を停止できる。
図21に示すように、カセットCaがカセット棚21から飛び出しており、第1支柱部224a(すなわち第1カセット把持部221a)が-X軸方向に移動している場合を考える。この場合、符号21001に示すように、第1カセット把持部221aが、飛び出したカセットCaに接近し、カセットCaが第1カセット検出部2216から所定距離の範囲内に入ると、第1カセット検出部2216は、カセットCaを検出する。本体カセット移送制御部112は、第1カセット検出部2216がカセットCaを検出したことを示す検出信号を受信すると、本体カセット移送部22を制御して、第1支柱部224aの-X軸方向の移動を停止する。
次に、符号21002に示すように、本体カセット移送制御部112は、回転駆動部2215を制御して、第1カセット把持部221aをカセットCa側に、第1所定角度、旋回させる。これにより、カセットCaを、カセット棚21へと押戻すことができる。また、本体カセット移送制御部112は、第1カセット把持部221aをカセットCa側(+Y軸方向)に、所定移動距離、移動させてもよい。この場合、カセットCaを、カセット棚21へスムーズに押戻すことができる。
次に、符号21003に示すように、本体カセット移送制御部112は、回転駆動部2215を制御して、第1カセット把持部221aをカセットCaとは反対側に、第1所定角度、旋回させる。すなわち、第1カセット把持部221aを移動時の状態に戻す。この状態において、第1カセット検出部2216は、カセットCaを検出すると、カセットCaを検出したことを示す検出信号を、本体カセット移送制御部112に送信する。
本体カセット移送制御部112は、当該検出信号を受信すると、符号21004に示すように、第1カセット把持部221aをカセットCa側に、第1所定角度よりも大きい第2所定角度、旋回させる。これにより、カセットCaを再度、カセット棚21へと押戻すことができる。また、上述したように、本体カセット移送制御部112は、第1カセット把持部221aをカセットCa側に、所定移動距離、移動させてもよい。上記第1所定角度、上記第2所定角度、及び、上記所定移動距離は、実験等により、カセットCaを押戻すことが可能な程度に設定されていればよい。
その後、本体カセット移送制御部112は、回転駆動部2215を制御して、第1カセット把持部221aをカセットCaとは反対側に、第2所定角度、旋回させる。すなわち、第1カセット把持部221aを移動時の状態に戻す。この状態において、第1カセット検出部2216がカセットCaを検出しない場合、本体カセット移送制御部112は、カセットCaがカセット棚21に戻ったものと判定し、第1カセット把持部221aによるカセットCaの押戻し動作を終了する。そして、本体カセット移送制御部112は、第1支柱部224a(すなわち第1カセット把持部221a)の-X軸方向の移動を再開する。
一方、第1カセット検出部2216がカセットCaを検出した場合には、第1カセット検出部2216がカセットCaを検出しなくなるまで、上述した動作が繰返し実行される。すなわち、第1カセット把持部221aによるカセットCaの押込み動作、及び、その後の第1カセット検出部2216によるカセット検出動作が繰返し実行される。カセットCaを確実にカセット棚21に押込むことが可能なように、第1カセット把持部221aの旋回角度は、押込み動作を実行するたびに大きくなる。
なお、第1支柱部224a(すなわち第1カセット把持部221a)が+X軸方向に移動している場合は、第1カセット検出部2216の代わりに、第2カセット検出部2242が、飛び出したカセットCaを検出してもよい。符号21005に示すように、この場合も上述した動作と同様に、カセットCaをカセット棚21に押戻すことができる。
但し、第1カセット把持部221aは、回転駆動部2215により、180度回転することが可能である。そのため、第1カセット把持部221aは、第1カセット検出部2216を+X軸方向に向けた状態で、+X軸方向に移動することも可能である。従ってこの場合、第1カセット把持部221aが+X軸方向に移動している間、第1カセット検出部2216が、飛び出したカセットCaを検出することとなる。また、第1カセット把持部221aは、第1カセット検出部2216を+X軸方向に向けた状態で、-X軸方向に移動することも可能である。この場合には、第2カセット検出部2242が、飛び出したカセットCaを検出してもよい。
ドラッグステーション1がカセット棚21から飛び出したカセットCaを押戻す機能を備えていない場合を考える。押戻す機能を備えていないため、第1カセット検出部2216又は第2カセット検出部2242が、飛び出したカセットCaを検出した場合、制御装置10は、ドラッグステーション1による払出動作全体を停止し、エラー通知を行う。カセットCaが1つでも、また、少しでもカセット棚21から飛び出している場合には、制御装置10は払出動作を停止する。そしてこの場合、作業者は、扉25を開き、飛び出したカセットCaをカセット棚21に戻した後に、エラーを解除して払出動作を再開させることになる。
上述したように、ドラッグステーション1が押戻す機能を備えている場合、飛び出したカセットCaを自動的にカセット棚21に押戻すことができる。そのため、飛び出したカセットCaが存在する場合であっても、払出動作を停止することなく、払出動作を続行することができる。すなわち、エラーの発生を低減できる。また、作業者が、飛び出したカセットCaをカセット棚21に戻す等の手間の発生を低減できる。
〔実施形態3〕
本実施形態では、第1カセット把持部351が突起部351aを1つのみ有し、カセットCaの片側を把持する構成例について説明する。また、本実施形態では、バーコードリーダ351bの配置位置について説明する。なお、本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35aを例に挙げて説明するが、第2ピッキングカセット移送部35bについても同様に説明できる。
本実施形態では、第1カセット把持部351が突起部351aを1つのみ有し、カセットCaの片側を把持する構成例について説明する。また、本実施形態では、バーコードリーダ351bの配置位置について説明する。なお、本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35aを例に挙げて説明するが、第2ピッキングカセット移送部35bについても同様に説明できる。
図22は、第1ピッキングカセット移送部35aの構成の一例を示す斜視図である。図22の符号22001は、第1カセット把持部351がカセットCaを把持している状態を示す図であり、符号22002は、第1カセット把持部351がカセットCaを把持していない状態を示す図である。
図22に示すように、第1カセット把持部351は、突起部351a、バーコードリーダ351b、及びミラー351cを備えている。突起部351aについては、基本構成として上述したので、説明を割愛する。
バーコードリーダ351bは、突起部351aにより把持されたカセットCaに付されたバーコードCa14を読取る。ミラー351cは、バーコードリーダ351bから出射される光、及び、バーコードCa14において反射した反射光を、反射する。具体的には、ミラー351cは、バーコードリーダ351bから出射される光を反射して、バーコードCa14へと伝搬すると共に、バーコードCa14において反射した反射光をバーコードリーダ351bへと伝搬する。これにより、バーコードリーダ351bは、ミラー351cを介して、バーコードCa14を読取ることができる。
バーコードリーダ351bが突起部351aにより把持されたカセットCaに付されたバーコードCa14を読取ることが可能なように、バーコードリーダ351b及びミラー351cは位置決めされている。具体的には、バーコードCa14を読取ることが可能なように、バーコードリーダ351bが光を出射又は反射光を受光する、バーコードリーダ351bの側面部と、ミラー351cの反射面と、が位置決めされている。
バーコードリーダ351bがバーコードCa14を読取れるように、バーコードリーダ351bは、バーコードリーダ351bの読取深度(焦点距離)を考慮して所定距離、バーコードCa14と離隔して設ける必要がある。すなわち、バーコードリーダ351bが出射する光、及び受光する反射光が通る光路の長さを、バーコードリーダ351bがバーコードCa14を読取れる所定距離に設定する必要がある。バーコードリーダ351bを第1カセット把持部351に設けるという制約上、バーコードリーダ351bとしては比較的小さいものを用いる必要があるため、読取深度は比較的長くなる。
本実施形態では、ミラー351cを設けることにより、上記光又は反射光を屈曲させることができる。そのため、バーコードリーダ351bを、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに付されたバーコードCa14と対向しない位置に設けることができる。従って、バーコードリーダ351bを、第1カセット把持部351に設けることができる。
本実施形態では、ミラー351cが、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに付されたバーコードCa14と対向する位置、すなわち、第1カセット把持部351の中央付近に設けられている。バーコードリーダ351bは、第1カセット把持部351の端部側であって、上記側面部がミラー351cと対向するように設けられている。また、ミラー351cを平面視したときの、第1カセット把持部351の側面に対して垂直な方向(±Y軸方向)に対するミラー351cの角度は、約45度であってよい。但し、バーコードリーダ351bの設置位置、又は、バーコードリーダ351bから出射される光の出射方向(バーコードリーダ351bの向き)によって、ミラー351cの角度は適宜調整される。
ここで、バーコードリーダ351bを、ピッキングユニット3の、第1カセット把持部351以外の箇所に設けることも考えられる。例えば、待機位置P2(図13参照)に対応する、ピッキングユニット3の前面部45の内側に、バーコードリーダ351bを設けることも考えられる。但し、この場合、カセット棚21から搬送した全てのカセットCaを待機位置P2に移送して、バーコードリーダ351bにバーコードCa14を読取らせることになる。また、バーコードリーダ351bにバーコードCa14を読取らせるために、一旦停止させる必要がある。
本実施形態では、第1カセット把持部351にバーコードリーダ351bを設けているため、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの移送中に、バーコードリーダ351bによりバーコードCa14を読取らせることができる。そのため、バーコードリーダ351bの配置位置にカセットCaを移送し、当該配置位置で一旦停止させる必要が無い。そのため、制御装置10は、薬剤の払出処理を効率良く実行できる。
なお、2つの第1カセット把持部351がカセットCaの両側を把持する構成の場合、バーコードリーダ351b及びミラー351cは、2つの第1カセット把持部351の一方に設けられていればよい。但し、バーコードリーダ351b及びミラー351cは、2つの第1カセット把持部351の両方に設けられていてもよい。
〔実施形態4〕
本実施形態では、第1カセット把持部351がカセットCaを安定して把持できる構成例について説明する。なお、本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35aを例に挙げて説明するが、第2ピッキングカセット移送部35bについても同様に説明できる。
本実施形態では、第1カセット把持部351がカセットCaを安定して把持できる構成例について説明する。なお、本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35aを例に挙げて説明するが、第2ピッキングカセット移送部35bについても同様に説明できる。
図22の符号22002に示すように、第1カセット把持部351の突起部351aには、一対のローラ351dが設けられている。一対のローラ351dは、第1カセット把持部351がカセットCaを把持するときに移動する方向(カセットCaに向かう方向)と略垂直方向に延伸する回転軸を有する。本実施形態では、一対のローラ351dは、鉛直方向(+Z軸方向)に対して略垂直方向(±X軸方向)に延伸する回転軸を有する。また、一対のローラ351dは、第1カセット把持部351がカセットCaを把持するときに最初に接触する、突起部351aの先端部に設けられている。また、一対のローラ351dは、突起部351aと共に、カセットCaの爪受部Ca12に挿入される程度の大きさに規定されている。
図23は、第1カセット把持部351によるカセットCaの把持状態を説明するための図である。図23の符号23001は、突起部351aに一対のローラ351dを設けている場合のカセットCaの把持状態を示す図であり、符号23002は、突起部351aに一対のローラ351dを設けていない場合のカセットCaの把持状態を示す図である。
上述したように、第1カセット把持部351は、カセットCaを把持するとき、カセットCaに向けて+Z軸方向に移動する。この移動により、突起部351aがカセットCaの爪受部Ca12に挿入されて爪受部Ca12に引っ掛かり、爪受部Ca12を一時的に係止する。これにより、第1カセット把持部351は、カセットCaを把持できる。なお、図22では、第1梁部353に対して1つの第1カセット把持部351が設けられた構成であるため、カセットCaは、第1カセット把持部351により片持ちの状態で支持される。この場合、薬剤授受部32及びカセット保持部23へのカセットCaの移送効率、並びに、薬剤授受部32及びカセット保持部23でのカセットCaの取出効率(把持効率)が向上する。
但し、突起部351aに一対のローラ351dを設けていない場合、符号23002に示すように、突起部351aと爪受部Ca12との位置関係によっては、突起部351aが爪受部Ca12の途中で引っ掛かってしまう可能性がある。例えば、第1カセット把持部351のカセットCaへの移動方向(+Z軸方向)から見たときに、第1カセット把持部351がカセットCaに対して僅かにずれている場合、突起部351aが爪受部Ca12の途中で引っ掛かってしまう可能性がある。
突起部351aが爪受部Ca12の途中で引っ掛かった場合、第1カセット把持部351は、カセットCaが水平面に対して傾いた状態で、カセットCaを移送することになる。そのため、カセットCaの移送中に、カセットCaがピッキングユニット3内の何れかの部材に接触してしまう可能性がある。この場合、ピッキングカセット移送制御部121は、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの移送を中断する可能性がある。
符号23001に示すように、突起部351aに一対のローラ351dを設けている場合、一対のローラ351dは、突起部351aが爪受部Ca12へと挿入されていくときに、爪受部Ca12に接触するたびに回転する。すなわち、突起部351aの爪受部Ca12への挿入時に、突起部351aが爪受部Ca12を持ち上げる方向(+Z軸方向)に、突起部351aから爪受部Ca12に対して力が印加されたとしても、その力の少なくとも一部は、一対のローラ351dの回転力に変換される。
そのため、突起部351aに一対のローラ351dを設けていない場合に比べ、突起部351aの爪受部Ca12への挿入時における、突起部351aと爪受部Ca12との間に発生する摩擦抵抗を低減できる。従って、突起部351aと爪受部Ca12との位置関係に依らず、突起部351aが爪受部Ca12の途中で引っ掛かってしまい、突起部351aの全体が爪受部Ca12に挿入されない可能性を低減できる。そのため、第1カセット把持部351はカセットCaを安定した状態で移送できるので、カセットCaの移送中に、カセットCaがピッキングユニット3内の何れかの部材に接触してしまい、カセットCaの移送が中断される可能性を低減できる。
ここで、突起部351aの大きさを、爪受部Ca12の内部領域の大きさに対してある程度小さくすることも考えられる。すなわち、突起部351aの大きさを爪受部Ca12の内部領域の大きさに対して余裕を持たせることも考えられる。この場合、突起部351aと爪受部Ca12との位置関係に依らず、突起部351aが爪受部Ca12に挿入するときに、突起部351aが爪受部Ca12に引っ掛かってしまう可能性を低減できる。
しかし、カセットCaの移送を安定して行うことができるように、第1カセット把持部351には、収納された薬剤の数量又は大きさによって重さの異なるカセットCaを略水平状態に保持して安定して把持することが要求される。突起部351aの大きさを爪受部Ca12の内部領域の大きさに対して余裕を持たせた場合、遊びが大きくなるため、カセットCaが(水平ではなく)傾斜してしまったり、カセットCaの移送時の振動が大きくなる等、カセットCaを安定して移送できない可能性が発生し得る。そのため、突起部351aの大きさは、爪受部Ca12の内部領域の大きさにあわせて(但し、爪受部Ca12に挿入できる程度に)規定される。従って、カセットCaの安定した移送を考慮した場合、突起部351aの大きさを爪受部Ca12の内部領域の大きさよりある程度小さくして、上述の引っ掛かりの発生の低減を図ることは得策とは言えない。
図22に示すように、1つの第1カセット把持部351がカセットCaの片側を把持する構成の場合には、第1カセット把持部351は、1つの突起部351aによりカセットCaを把持する。そのため、カセットCaを安定して移送できるように、突起部351aの大きさと爪受部Ca12の内部領域の大きさとは、第1カセット把持部351がカセットCaの両側を把持する構成の場合よりも、厳密に規定されることが要求される。そのため、この場合は特に、突起部351aの大きさを爪受部Ca12の内部領域の大きさよりある程度小さくして、上述の引っ掛かりの発生の低減を図ることは得策とは言えない。
従って、本実施形態では、上述の引っ掛かりの発生を低減するために、突起部351aの大きさを爪受部Ca12の内部領域の大きさよりも小さくするという手法は取らず、代わりに、突起部351aに一対のローラ351dを設けている。
なお、2つの第1カセット把持部351がカセットCaの両側を把持する構成(すなわち、各第1カセット把持部351が備える突起部351aによりカセットCaの両側を把持する構成)の場合を考える。この場合、一対のローラ351dは、2つの突起部351aの一方に設けられていればよい。但し、上述の引っ掛かりの発生を低減することを考慮すれば、一対のローラ351dは、2つの突起部351aの両方に設けられていてもよい。
また、本実施形態では、突起部351aに一対のローラ351d(すなわち、2つのローラ)が設けられているが、突起部351aに1つのローラ351dのみが設けられる構成であってもよい。この場合であっても、突起部351aにローラが設けられていない場合に比べ、上述の引っ掛かりの発生を低減できる。
〔実施形態5〕
本実施形態では、カセットCaと第1シャッター322aとの間に発生する隙間を介して、薬剤がカセットCaから落下、又は、ある収容領域から別の収容領域に薬剤が移動する可能性を低減する構成について説明する。
本実施形態では、カセットCaと第1シャッター322aとの間に発生する隙間を介して、薬剤がカセットCaから落下、又は、ある収容領域から別の収容領域に薬剤が移動する可能性を低減する構成について説明する。
図24は、第1シャッター322aの形状の一例を示す図である。図24の符号24001は、薬剤授受部32の部分的な斜視図であり、符号24002は、第1シャッター322aを、薬剤授受部32の短辺に平行なA-A’切断線で切断したときの、第1シャッター322aの断面形状を示す断面図(A-A’矢視断面図)である。図24では、中型カセットCa2が薬剤授受部32に到達している状態を示し、第1シャッター322aを構成する一対の板状部材の片側、及び第2シャッター322bの図示は省略している。
また、図25は、薬剤授受部32にカセットCaが到着したときの、ピッキングカセット移送部35の動作の一例を説明するための図である。図25は、図24において、第1シャッター322aを、薬剤授受部32の長辺に平行なB-B’切断線で切断したときの、第1シャッター322aの断面形状を示す断面図(B-B’矢視断面図)である。図25の符号25001は、第1シャッター322aとカセットCaとが離隔した状態を示し、符号25002は、第1シャッター322aとカセットCaとが接近した状態を示す。また、図25の符号25003は、符号25002で示す点線枠囲み部分を拡大した拡大図である。
符号24001に示すように、第1シャッター322aを構成する一対の板状部材の一方である第1板状部材322a1の端部には、仕切部(図24では仕切部Ca21を例示)と第1シャッター322aとの間に隙間が発生する可能性を低減する隙間防止部323が設けられている。第1板状部材322a1の端部は、一対の板状部材の他方である第2板状部材322a2(図25参照)の端部と接触する端部である。なお、図25に示すように、第2板状部材322a2の端部にも、隙間防止部323が設けられている。
図25に示すように、隙間防止部323は、延伸部323cを有している。延伸部323cは、仕切部(図25では仕切部Ca11を例示)と接触するように、第1板状部材322a1及び第2板状部材322a2の表面から略垂直かつ下方向(-Z軸方向)に延伸した板状部材である。
仕切部の上端部Edは、延伸部323cと嵌合するように凸形状を有している。本実施形態では、延伸部323cと上端部Edとが接触したときに、延伸部323cの内側面と仕切部の表面とが面一となるように、上端部Edに凸形状が形成されている。この場合、作業者が、2つの仕切部の間に形成された収容領域から薬剤を取出すとき、又は、当該収容領域に薬剤を投入するときに、仕切部又は延伸部323cに薬剤が引っ掛かってしまう可能性を低減できる。但し、第1シャッター322aが開状態となったときに、延伸部323cが仕切部の上端部Edに接触するように設けられていればよい。すなわち、上端部Edが凸形状である必要、及び、延伸部323cの内側面と仕切部の表面とが面一となるように延伸部323cと上端部Edとが接触する必要は必ずしもない。
符号25002に示すように、第1シャッター322aが開状態のとき、第1板状部材322a1及び第2板状部材322a2の延伸部323cが、それぞれ仕切部と接触する。そのため、作業者が、2つの仕切部の間に形成された収容領域から薬剤を取出すとき、又は、当該収容領域に薬剤を投入するときに、仕切部を跨いで、別の収容領域に薬剤が入込んでしまう可能性を低減できる。
また、カセットCaの短手方向に延伸する側壁(長手方向の端部)の高さは、仕切部の高さと略同一である。そのため、第1シャッター322aに隙間防止部323を設けることにより、カセットCaの長手方向の長さ(カセットCaの長さ)方向において、カセットCaから薬剤が落下してしまう可能性を低減できる。
符号24002に示すように、延伸部323cには、第1切欠部323a及び第2切欠部323bが設けられている。第1切欠部323aは、薬剤授受部32の薬剤授受位置P1(実際に、作業者がカセットCaに対して薬剤を授受できる位置)に中型カセットCa2が載置されるときに、中型カセットCa2の、長手方向に延伸する側壁の上端部が収容される空間を有する。第2切欠部323bは、薬剤授受位置P1に小型カセットCa3が載置されるときに、小型カセットCa3の、長手方向に延伸する側壁の上端部が収容される空間を有する。本実施形態では、薬剤授受位置P1は、作業者がカセットCaに対して薬剤を授受できる位置であって、符号25002のように、カセットCaが作業台40に接近したときの位置を指す。
中型カセットCa2又は小型カセットCa3の、長手方向に延伸する側壁の高さは、仕切部の高さと略同一である。そのため、第1シャッター322aに隙間防止部323を設けた場合、薬剤授受位置P1に中型カセットCa2又は小型カセットCa3を移送したときに、延伸部323cが中型カセットCa2又は小型カセットCa3の当該側壁の上端部に接触してしまう。当該上端部が延伸部323cに接触した場合、延伸部323cを仕切部の上端部Edに接触させることができず、仕切部と第1シャッター322aとの間の隙間から、隣接する収容領域に薬剤が投入されてしまう可能性がある。また、カセットCaと第1シャッター322aの間の隙間(カセットCaの長さ方向において形成される隙間)から、薬剤が落下してしまう可能性がある。すなわち、隙間防止部323の機能が発揮されなくなってしまう可能性がある。
第1切欠部323a及び第2切欠部323bを設けることにより、中型カセットCa2又は小型カセットCa3が、薬剤授受位置P1に移送されたときに、隙間防止部323に接触する可能性を低減できる。そのため、上述した隙間防止部323の機能を発揮させることが可能となる。
<動作例>
ピッキングカセット移送部35により、カセットCaが薬剤授受部32に移送されたとする。このとき、符号25001に示すように、ピッキングカセット移送部35は、第1シャッター322aが開閉動作を行っても、第1シャッター322aが仕切部に接触しない程度に、作業台40から離隔した位置に、カセットCaを移送する。この状態において、シャッター制御部122は、取出対象又は収容対象の薬剤が収容される収容領域が開口するように、第1シャッター322aを開く。
ピッキングカセット移送部35により、カセットCaが薬剤授受部32に移送されたとする。このとき、符号25001に示すように、ピッキングカセット移送部35は、第1シャッター322aが開閉動作を行っても、第1シャッター322aが仕切部に接触しない程度に、作業台40から離隔した位置に、カセットCaを移送する。この状態において、シャッター制御部122は、取出対象又は収容対象の薬剤が収容される収容領域が開口するように、第1シャッター322aを開く。
次に、符号25002に示すように、ピッキングカセット移送部35は、カセットCaを作業台40側へと上昇させ、カセットCaを薬剤授受位置P1に載置する。このとき、延伸部323cは、仕切部の上端部Edに嵌合する。これにより、仕切部と第1シャッター322aとの間に隙間が発生する可能性を低減でき、取出対象又は収容対象の薬剤が、隣接する収容領域に入込んでしまう可能性を低減できる。
〔実施形態6〕
図26は、第1シャッター322aの動作例を説明するための側面図である。図26の符号26001は、カセットCaの1つの収容領域の幅分、第1シャッター322aを開いた状態の例を示す。図26の符号26002は、カセットCaの2つの収容領域の幅分、第1シャッター322aを開いた状態の例を示す。図26の符号26003は、カセットCaの2つの収容領域の幅分、第1シャッター322aを開いた状態の別の例を示す。
図26は、第1シャッター322aの動作例を説明するための側面図である。図26の符号26001は、カセットCaの1つの収容領域の幅分、第1シャッター322aを開いた状態の例を示す。図26の符号26002は、カセットCaの2つの収容領域の幅分、第1シャッター322aを開いた状態の例を示す。図26の符号26003は、カセットCaの2つの収容領域の幅分、第1シャッター322aを開いた状態の別の例を示す。
上述したように、第1シャッター322aは、シャッター制御部122の制御を受けて開閉動作を行う。特に、仕切部があるカセットCaの場合には、ピッキングカセット移送制御部121は、払出又は充填対象の薬剤の収容位置が薬剤授受部32の中央付近となるようにカセットCaを移送する。
一例として、図26の符号26001に示すように、カセットCaには、5つの収容領域Ar11、Ar12、Ar13、Ar14、及びAr15が設けられ、それぞれの収容領域には、薬剤MDA、MDB、MDC、MDD、及びMDEが収容されている。薬剤MDCが払出対象である場合、ピッキングカセット移送制御部121は、薬剤MDCを収容するカセットCaの収容領域Ar13が薬剤授受部32の中央付近となるようにカセットCaを移送する。その後、図26の符号26001に示すように、シャッター制御部122は、当該薬剤MDCが収容されている収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。
ところで、薬剤には、説明書又は遮光袋など、薬剤に対応する付属品が存在することがある。カセットCaには、薬剤と、当該薬剤に対応する付属品と、が同一の収容領域に収容されていてもよい。シャッター制御部122は、当該薬剤を払出す場合、当該収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。
具体的には、図26の符号26001に示すように、カセットCaには、薬剤MDCと、薬剤MDCに対応する付属品Atと、が同一の収容領域Ar13に収容されていてもよい。薬剤MDCを払出す場合、シャッター制御部122は、収容領域Ar13の幅分、第1シャッター322aを開く。これにより、作業者は、払出対象の薬剤MDCと、当該薬剤に対応する付属品Atとを取出すことができる。
但し、薬剤と当該薬剤に対応する付属品とは、隣接する2つ以上の収容領域に収容されていてもよい。この場合、記憶部15には、薬剤の収容位置情報に、当該薬剤に対応する付属品の収容位置情報が対応付けられて記憶されている。シャッター制御部122は、薬剤の収容位置を特定する際、記憶部15を参照し、当該薬剤の収容位置情報を取得する。ここで、シャッター制御部122は、当該薬剤の収容位置情報に、当該薬剤に対応する付属品の収容位置情報が対応付けられているか否かを判定する。
当該薬剤の収容位置情報に、当該薬剤に対応する付属品の収容位置情報が対応付けられている場合、シャッター制御部122は、当該薬剤を収容する収容領域の幅に加えて、付属品を収容する収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。
一例として、図26の符号26002に示すように、薬剤MDCと薬剤MDCに対応する付属品Atとは、隣接する収容領域Ar13及びAr14に収容されていてもよい。薬剤MDCを払出す場合、ピッキングカセット移送制御部121は、収容領域Ar13と収容領域Ar14との間の仕切部が薬剤授受部32の中央付近となるようにカセットCaを移送する。シャッター制御部122は、薬剤MDCを収容する収容領域Ar14の幅に加えて、付属品Atを収容する収容領域Ar13の幅分、第1シャッター322aを開く。
また、別の例として、図26の符号26003に示すように、薬剤MDBと薬剤MDBに対応する付属品Atとは、隣接する収容領域Ar12及びAr13に収容されていてもよい。薬剤MDBを払出す場合、ピッキングカセット移送制御部121は、収容領域Ar12と収容領域Ar13との間の仕切部が薬剤授受部32の中央付近となるようにカセットCaを移送する。また、シャッター制御部122は、薬剤MDBを収容する収容領域Ar12の幅に加えて、付属品Atを収容する収容領域Ar13の幅分、第1シャッター322aを開く。
上記構成によると、第1シャッター322aを一度開くだけで、作業者が、払出対象の薬剤と、当該薬剤に対応する付属品とを取出すことができる。すなわち、作業者は、薬剤を取出すときに付属品を取忘れてしまう可能性の発生を低減できる。また、符号26002及び26003に示す構成によると、薬剤と付属品とは異なる収容領域に収容されているため、符号26001の構成のように薬剤と付属品とを選り分けて取出す必要がない。そのため、薬剤と付属品とを取出すときの作業性が向上する。
なお、上述の例では、ピッキングカセット移送制御部121は、払出対象の薬剤及び付属品の収容位置の中心が薬剤授受部32の中央付近となるようカセットCaの位置を調節している。また、シャッター制御部122は、必要な幅分、第1シャッター322aを開くことにより、作業者による薬剤及び付属品の取出しを可能としている。
但し、薬剤及び付属品の取出しを可能とする構成はこれに限られない。例えば、ピッキングカセット移送制御部121は、上述のようにカセットCaの位置を調節せず、薬剤授受部32の所定の位置にカセットCaを移送してもよい。この場合、シャッター制御部122は、払出対象の薬剤及び付属品の収容位置情報に基づき、第1シャッター322aを開く位置を適宜調節する。
また、2種類の薬剤に対して同一の付属品が対応する場合、これらの薬剤について、1つの収容領域に収容される付属品を共用できる。例えば、当該付属品としては、2種類の目薬のいずれをも収容できる袋が挙げられる。
この場合、付属品を1つの収容領域に収容し、かつ、当該収容領域の両隣の収容領域に、当該付属品が対応する2種類の薬剤をそれぞれ収容してもよい。また、記憶部15において、それぞれの薬剤の収容位置情報には、当該付属品の収容位置情報が対応付けられる。シャッター制御部122は、2種類の薬剤のうちいずれかが払出される場合、当該薬剤を収容する収容領域の幅に加えて、付属品を収容する収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。当該構成によると、それぞれの薬剤に対応する付属品を異なる収容領域に収容しなくともよいため、カセットCaの収容領域を有効活用することができる。
〔実施形態7〕
図27は、薬剤載置台37の別の例である薬剤載置台37Aを示す図である。図27の符号27001は、薬剤載置台37Aの斜視図を示し、図27の符号27002は、薬剤載置台37Aを、薬剤載置台37Aの短辺に平行なC-C’切断線で切断したときの、薬剤載置台37Aの断面形状を示す断面図(C-C’矢視断面図)である。
図27は、薬剤載置台37の別の例である薬剤載置台37Aを示す図である。図27の符号27001は、薬剤載置台37Aの斜視図を示し、図27の符号27002は、薬剤載置台37Aを、薬剤載置台37Aの短辺に平行なC-C’切断線で切断したときの、薬剤載置台37Aの断面形状を示す断面図(C-C’矢視断面図)である。
薬剤載置台37Aは、薬剤シート(端数シートを含む)を載置する載置面が、薬剤載置台37Aの長手方向(+Y軸方向)において中央部に向けて滑らかに傾斜している凹部を形成する底部37btを備えている。本実施形態では、図27に示すように、上記載置面の断面形状は略楕円形状である。なお、上記中央部とは、短辺に平行な切断線で切断したときの薬剤載置台37Aの各断面において、薬剤載置台37Aの短手方向における底部37btの中央部である。
ドラッグステーション1では、撮像部371によって薬剤シートを撮像し、薬剤判定部124が画像解析を行うことで薬剤の数を計数する。薬剤載置台37において薬剤シートが長手方向に対して斜めに載置された場合、撮像部371が薬剤シートを撮像すると、薬剤シートの像が黒くなり、薬剤判定部124が正しく薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数できない可能性がある。
上記のように、上記載置面が上記中央部に向けて滑らかに傾斜する凹部を形成している場合、作業者が薬剤シートをどのように薬剤載置台37Aに載置したとしても、薬剤シートは、上記載置面に沿って滑り、底部37btの上記中央部に位置する。また、薬剤シートは、上記載置面の形状に沿って移動するため、薬剤シートの一辺が薬剤載置台37Aの長手方向に沿って略平行に位置する。換言すると、薬剤シートを、薬剤載置台37Aの長手方向に沿って真っ直ぐに位置させることができる。
従って、薬剤載置台37Aを備える構成では、作業者が薬剤載置台37Aにどのように薬剤シートを投入したとしても、撮像部371は、薬剤シートの像を精度よく取得できる。そのため、薬剤判定部124は、薬剤載置台37Aに載置された薬剤シートに含まれる薬剤の数を、安定して計数できる。また、撮像部371が薬剤シートの像を精度よく取得できるように、作業者が薬剤シートの方向を調節する、という手間が発生する可能性を低減できる。
〔実施形態8〕
タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、薬剤の払出作業に関する情報(例:カセットCaから取出す薬剤の数、薬剤シート及び端数シートの数、薬剤判定部124による判定結果(取出した薬剤の数の適否))を表示する。第2タッチパネル31は、図2に示すように、作業者の立ち位置側から見て、薬剤授受部32の奥側(本体ユニット2側)に設けられているが、作業台40の上面部に配置されてもよい。例えば、図2の例でいえば、作業台40の上面部の、2つの薬剤授受部32の間に、第2タッチパネル31が設けられてもよい。
タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、薬剤の払出作業に関する情報(例:カセットCaから取出す薬剤の数、薬剤シート及び端数シートの数、薬剤判定部124による判定結果(取出した薬剤の数の適否))を表示する。第2タッチパネル31は、図2に示すように、作業者の立ち位置側から見て、薬剤授受部32の奥側(本体ユニット2側)に設けられているが、作業台40の上面部に配置されてもよい。例えば、図2の例でいえば、作業台40の上面部の、2つの薬剤授受部32の間に、第2タッチパネル31が設けられてもよい。
この場合、作業者が薬剤授受部32から目を離さずに、又は、目を離す場合でもその時間をより短くして、カセットCaから薬剤を取出すことができる。そのため、作業者は、より薬剤授受部32に、すなわち薬剤をカセットCaから取出す作業に集中しやすくなる。
〔実施形態9〕
制御装置10は、払出対象の薬剤を収容するカセットCaが薬剤授受部32に到着し、シャッター322を開状態としたときに計時を開始してもよい。制御装置10は、計時を開始してから所定時間経過したときに、シャッター322が閉状態となっていないと判定した場合、所定時間が経過したことを報知してもよい。タッチパネル制御部14は、例えば第2タッチパネル31に、所定時間が経過したことを示す画像を表示させてよい。タッチパネル制御部14は、所定時間が経過したことを、ブザー音等の音出力によって報知してもよい。
制御装置10は、払出対象の薬剤を収容するカセットCaが薬剤授受部32に到着し、シャッター322を開状態としたときに計時を開始してもよい。制御装置10は、計時を開始してから所定時間経過したときに、シャッター322が閉状態となっていないと判定した場合、所定時間が経過したことを報知してもよい。タッチパネル制御部14は、例えば第2タッチパネル31に、所定時間が経過したことを示す画像を表示させてよい。タッチパネル制御部14は、所定時間が経過したことを、ブザー音等の音出力によって報知してもよい。
ドラッグステーション1では、作業者によって各種薬剤の払出作業が行われる。そのため、ドラッグステーション1における薬剤の払出処理に要する総時間は、作業者の各種薬剤の払出作業に要する時間に大きく依存する。上記のような報知を行うことにより、作業者に、払出作業のスピードを意識させ、円滑な払出作業を促すことができる。また、作業者によって払出作業の効率がばらつく可能性を低減できる。そのため、ある作業者の遅延により、次の作業者がその遅延を待機するといった無駄な時間が発生する可能性を低減できる。
ここで、カセットCaから薬剤を取出すのに要する作業時間(払出時間)は、処方内容、すなわち取出す薬剤の数又は端数シートの有無により異なってくる。そのため、制御装置10は、処方内容、すなわちカセットCaから取出す薬剤の数又は端数シートの有無に基づき、所定時間を算出してよい。
例えば、記憶部15には、薬剤、箱、又は包装物を1つ取出すのに要する標準作業時間を示す情報が記憶されている。制御装置10は、取出す薬剤、箱、又は包装物の個数と、上記標準作業時間に基づき、所定時間を算出する。また、薬剤シートについては、記憶部15には、例えば、薬剤シート1枚を取出すのに要する標準作業時間、及び、薬剤シートを切り欠いて端数シートを作成するのに要する標準作業時間が記憶されている。制御装置10は、薬剤シート及び端数シートの数と上記標準作業時間とに基づき、上記所定時間を算出する。
また、制御装置10は、作業者が各種薬剤を取出すのに要した作業時間を、作業者毎に管理してもよい。制御装置10は、例えば、カセットCaが薬剤授受部32に到着し、シャッター322を開状態としてから、トレイ閉ボタン39が押下され、シャッター322が閉状態となるまでの時間を、作業時間として計時する。制御装置10は、計時した作業時間を、払出した薬剤の種類毎に、記憶部15に記憶する。
ここで、タッチパネル制御部14は、薬剤の払出処理開始時に、第2タッチパネル31にログイン画像を表示する。制御装置10は、作業者によるログイン画像への入力操作(ログイン情報の入力)を受け付け、入力されたログイン情報が、記憶部15に登録されている作業者のログイン情報と一致した場合に、薬剤の払出処理を開始する。このようにして薬剤の払出処理を開始するため、制御装置10は、作業時間を作業者毎に管理できる。
これにより、制御装置10は、例えば、作業者毎に、所定期間(例:1ヶ月)における平均作業時間(平均作業スピード)、又は、当該所定期間において対応した処方の数を算出できる。当該処方の数としては、例えば、払出した薬剤の数、払出した薬剤の種類の数、及び、払出した薬剤が処方された患者の数が挙げられる。タッチパネル制御部14は、算出結果(分析結果)を、例えば第1タッチパネル5に表示することにより、ドラッグステーション1の管理者が、作業者毎の払出作業の実績を把握できる。
なお、上記の作業者毎の作業時間の管理、平均作業時間又は処方の数の算出、及び算出結果の表示は、例えば、ドラッグステーション1に接続される管理者用の情報処理装置(例:PC(Personal Computer))により実行されてもよい。
〔実施形態10〕
図28は、カセットCa4の構造例を示す図である。図28の符号28001は、収容容器Ca41を備えるカセットCa4の一例を示す斜視図である。図28の符号28002は、収容容器Ca41を備えるカセットCa4を、カセットCa4の長辺に平行なD-D’切断線で切断したときの、当該カセットCa4の断面形状を示す断面図(D-D’矢視断面図)である。また、図28の符号28003は、符号28002で示す点線枠囲み部分を拡大した拡大図である。
図28は、カセットCa4の構造例を示す図である。図28の符号28001は、収容容器Ca41を備えるカセットCa4の一例を示す斜視図である。図28の符号28002は、収容容器Ca41を備えるカセットCa4を、カセットCa4の長辺に平行なD-D’切断線で切断したときの、当該カセットCa4の断面形状を示す断面図(D-D’矢視断面図)である。また、図28の符号28003は、符号28002で示す点線枠囲み部分を拡大した拡大図である。
図28に示すように、カセットCa4は、凸部Ca40及び収容容器Ca41を備える点で、大型カセットCa1と異なる。凸部Ca40は、カセットCa4の長辺側の側面に沿って設けられている凸形状の部分であり、カセットCa4の長辺側の両側面にそれぞれ1つずつ設けられてもよいし、それぞれ複数設けられていてもよい。
図28に示すように、カセットCa4の両側面のそれぞれに凸部Ca40が複数設けられている場合、隣接する凸部Ca40の間には隙間Ca45が形成される。この隙間Ca45が形成されることにより、図28に示すように、カセットCa4の内部に仕切部Ca44を挿入できる。この場合、図5を用いて説明した場合と同様、カセットCa4の内部に、薬剤シートを収容する収容領域を複数設けることができる。なお、図5の仕切部Ca11は、仕切部Ca44と同形状であっても構わない。
収容容器Ca41は、端数シートを収容するための容器であり、図28に示すように、周辺部Ca411、少なくとも1つの収容部Ca412、及び傾斜部Ca413を備えている。収容容器Ca41は、カセットCa4の一方の短辺に固定されていてもよいし、取り外し可能な状態であってもよい。ユーザが端数シートを取出すときに、収容容器Ca41は、収容容器Ca41の長辺の一方がカセットCa4の長手方向の端部に接していることが好ましい。
周辺部Ca411は、収容容器Ca41の短辺に沿って設けられている板状の部分である。収容容器Ca41が取り外し可能である場合、周辺部Ca411がカセットCa4の凸部Ca40上に載置されることによって、収容容器Ca41はカセットCa4に支持される。
収容部Ca412は、端数シートを収容可能な領域である。収容部Ca412は、当該端数シートを収容可能な程度の大きさであればよい。また、収容部Ca412は、収容容器Ca41の短手方向において傾斜している。具体的には、収容部Ca412の底部Ca4121は、収容容器Ca41の短手方向において傾斜している。また、収容部Ca412の、カセットCa4の短辺に当接可能な側の側壁Ca4122もまた、収容容器Ca41の短手方向において傾斜している。
傾斜部Ca413は、収容容器Ca41の、カセットCa4の短辺とは当接しない方の長辺側に設けられており、側壁Ca4122と共に収容部Ca412を規定すると共に、収容容器Ca41の短手方向に傾斜する傾斜構造を有する。作業者は、カセットCa4の本体から薬剤シートを取り出すとき、傾斜部Ca413に沿って当該薬剤シートを滑らせることにより、当該薬剤シートを容易に掻き出すことが可能となる。
図28に示すように、仕切部Ca44は、傾斜部Ca441を備えていてもよい。傾斜部Ca441は、仕切部Ca44の、カセットCa4と当接する長辺側に設けられ、カセットCaに取り付けられた状態において、カセットCaの長辺方向に傾斜する傾斜構造を有する。また、傾斜部Ca441は、仕切部Ca44の長辺方向に沿って延伸している。作業者は、カセットCa4の本体から薬剤シートを取り出すとき、傾斜部Ca441に沿って当該薬剤シートを滑らせることにより、当該薬剤シートを容易に掻き出すことが可能となる。
図28に示すように、カセットCa4にはリブCa46が設けられていてもよい。リブCa46は、カセットCa4の底面から突出し、カセットCa4の短手方向に延伸する構造物である。リブCa46は、収容容器Ca41の傾斜部Ca413又は仕切部Ca44の傾斜部Ca441の、カセットCa4の底面に近接する側の長辺に沿うように形成される。
上記構成によると、傾斜部Ca413又は傾斜部Ca441とカセットCa4の底面との間の隙間はリブCa46によって塞がれる。そのため、収容容器Ca41又は仕切部Ca44の下に薬剤シートが入込み、傾斜部Ca413又は傾斜部Ca441とカセットCa4の底面との間に薬剤シートが挟まる可能性が低減される。これにより、作業者が当該薬剤シートを掻き出す際に当該薬剤シートが破れてしまう可能性を低減できる。
なお、リブCa46は、傾斜部Ca413又は傾斜部Ca441を利用したカセットCa4からの薬剤シートの取り出しを阻害しない程度の高さとなるように設けられる。また、リブCa46は、カセットCa4の底面において、傾斜部Ca413又は傾斜部Ca441の上記長辺が近接する場所であればどこに設けられていてもよい。
また、図28に示すように、リブCa46の側面は、カセットCaの長辺方向において傾斜していてもよい。これにより、作業者が傾斜部Ca413又は傾斜部Ca441を利用してカセットCa4から薬剤シートを掻き出すときに、リブCa46が薬剤シートの移動を阻害する可能性が低減される。
なお、図28のカセットCa4は、大型カセットCa1と同じ大きさであるが、中型カセットCa2及び小型カセットCa3についても、カセットCa4の構成が採用されてよい。すなわち、中型カセットCa2及び小型カセットCa3に対して、収容容器Ca41及び仕切部Ca44と同様の機能を有する収容容器及び仕切部が設置可能であってよい。
〔実施形態11〕
本実施形態では、グループカセットがカセット棚21に保管されている場合の、当該グループカセットの移送方法の一例について説明する。グループカセットは、同種の薬剤を収容対象とする複数のカセットCaから構成されるカセット群を指す。
本実施形態では、グループカセットがカセット棚21に保管されている場合の、当該グループカセットの移送方法の一例について説明する。グループカセットは、同種の薬剤を収容対象とする複数のカセットCaから構成されるカセット群を指す。
カセット棚21には、少なくとも1つのグループカセット(カセット群)が保管されてよい。すなわち、カセット棚21には、ある種類の薬剤を収容対象とする複数のカセットCaから構成されるグループカセット(カセット群)が1つだけ保管されてもよい。また、カセット棚21には、互いに異なる種類の薬剤をそれぞれ収容対象とする複数のグループカセット(カセット群)が保管されてもよい。後者の場合、各グループカセットを構成する複数のカセットCaには同種の薬剤が収容されるが、あるグループカセットを構成する複数のカセットCaと、別のグループカセットを構成する複数のカセットCaとには、互いに異なる種類の薬剤が収容される。例えば、種類「A」の薬剤、種類「B」の薬剤、及び種類「C」の薬剤がそれぞれ複数のカセットCaに収容される場合、カセット棚21には、下記のような3つのグループカセットが保管されることとなる。
・種類「A」の薬剤(A薬剤とも称する)を収容対象とする複数のカセットCaを構成するグループカセット。
・種類「B」の薬剤(B薬剤とも称する)を収容対象とする複数のカセットCaを構成するグループカセット。
・種類「C」の薬剤(C薬剤とも称する)を収容対象とする複数のカセットCaを構成するグループカセット。
・種類「A」の薬剤(A薬剤とも称する)を収容対象とする複数のカセットCaを構成するグループカセット。
・種類「B」の薬剤(B薬剤とも称する)を収容対象とする複数のカセットCaを構成するグループカセット。
・種類「C」の薬剤(C薬剤とも称する)を収容対象とする複数のカセットCaを構成するグループカセット。
また、カセットCaに仕切部が設けられることにより、カセットCaに薬剤の収容領域が複数形成される場合もある。あるカセットCaの収容領域の何れかに収容される薬剤と、別のカセットCaの収容領域の何れかに収容される薬剤と、が同種の薬剤である場合、これら2つのカセットCaは、当該薬剤を収容対象とするグループカセットを構成する。
例えば、あるカセットCaの1つの収容領域にA薬剤が収容され、当該カセットCaの別の収容領域にB薬剤が収容されているものとする。また、別のカセットCaの1つの収容領域にB薬剤が収容され、当該カセットCaの別の収容領域にC薬剤が収容されているものとする。また、さらに別のカセットCaの1つの収容領域にC薬剤が収容され、当該カセットCaの別の収容領域に種類「D」の薬剤(D薬剤とも称する)が収容されているものとする。この場合、B薬剤が収容されている2つのカセットCaは、B薬剤を収容するグループカセットを構成することとなる。また、C薬剤が収容されている2つのカセットCaは、C薬剤を収容するグループカセットを構成することとなる。
また例えば、あるカセットCaの1つの収容領域にA薬剤が収容され、当該カセットCaの別の収容領域にC薬剤が収容されているものとする。別のカセットCaにおいても同様に、1つの収容領域にA薬剤が収容され、別の収容領域にC薬剤が収容されているものとする。この場合、これら2つのカセットCaにはA薬剤が収容されているため、当該2つのカセットCaは、A薬剤を収容するグループカセットを構成することとなる。また、これら2つのカセットCaにはC薬剤が収容されているため、当該2つのカセットCaは、C薬剤を収容するグループカセットを構成することにもなる。
また、あるカセットCaの収容領域の何れかに収容される薬剤と、仕切部が設けられていない別のカセットCaに収容される薬剤と、が同種の薬剤である場合、これら2つのカセットCaは、当該薬剤を収容対象とするグループカセットを構成する。例えば、あるカセットCaの1つの収容領域にA薬剤が収容され、当該カセットCaの別の収容領域にB薬剤が収容されており、別のカセットCaにA薬剤が収容されているものとする。この場合、これら2つのカセットCaにはA薬剤が収容されているため、当該2つのカセットCaは、A薬剤を収容するグループカセットを構成することとなる。
このように、複数のカセットCaのそれぞれの少なくとも一部の領域において同種の薬剤が収容対象となる場合、当該複数のカセットCaは、当該薬剤を収容対象とするグループカセットを構成する。なお、あるカセットCaに形成された複数の収容領域に同種の薬剤が収容されるとしても、当該複数の収容領域はグループカセットを構成しない。すなわち、グループカセットは、同種の薬剤を収容対象とする複数のカセットCaにより構成されるのであって、1つのカセットCaにより構成されるものでない。
なお、本実施形態では、複数のグループカセット(カセット群)がカセット棚21に保管されているものとして説明する。また、本実施形態では、薬剤授受部32から取出され、搬送トレイTrに投入される薬剤(すなわち払出対象の薬剤)が、薬剤シート(薬剤シートの全体又は端数シート)であるものとして説明する。
カセット特定部111は、例えば払出データに基づき、カセット棚21から取出すカセットCaを特定する。具体的には、カセット特定部111は、記憶部15を参照することにより、払出データに含まれる払出対象の薬剤を収容するカセットCaを特定する。このとき、カセット特定部111は、払出対象の薬剤が、複数のカセットCaに収容されている場合には、払出対象の薬剤を収容する全てのカセットCaを特定する。すなわち、カセット特定部111は、払出対象の薬剤が、複数のグループカセットのうちの何れかのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容されているか否かを判定する。換言すれば、カセット特定部111は、払出対象の薬剤が、複数のグループカセットのうちの何れかのグループカセットを構成する複数のカセットCaのうちの2つ以上のカセットCaに収容されているか否かを判定する。
カセット特定部111が、払出対象の薬剤が上記何れかのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容されていると判定した場合、制御装置10は、以下の処理を行う。すなわち、制御装置10は、カセット棚21に保管された複数のグループカセットのうちの1つのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容された薬剤が取出対象となった場合、以下の処理を行う。
制御装置10は、払出対象の薬剤の数と、上記複数のカセットCaの何れかのカセットCaに収容された薬剤(取出すべき薬剤と同種の薬剤)の数を示す収容薬剤数と、を比較する。上記払出対象の薬剤の数は、払出対象の薬剤を収容対象とするグループカセットに含まれる1つのカセットCaから取出すべき薬剤の数量として指定された指定数であってよい。例えば、制御装置10は、上記複数のカセットCaの収容薬剤数のうち、最大の収容薬剤数を、上記指定数と比較する。
制御装置10が、上記指定数が上記収容薬剤数を超えていると判定した場合、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御して、払出対象の薬剤が収容された複数のカセットCaのうちの2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する。例えば、上記指定数が42錠である場合であって、かつ上記最大の収容薬剤数が40錠である場合、1つのカセットCaから上記指定数分の薬剤を払出すことができない。そのため、同種の薬剤を収容する他のカセットCaもあわせて、ピッキングユニット3に移送することにより、複数のカセットCaから上記指定数分の薬剤を払出すことが可能となる。払出対象の薬剤を収容するグループカセットに含まれるどのカセットCaを移送するかについては、例えば、上記指定数、各カセットCaの収容薬剤数、又は、取決め(例:収容薬剤数が多いカセットCaから移送対象として特定する)によって決められていてよい。
ピッキングカセット移送制御部121は、ピッキングカセット移送部35を制御して、カセット棚21から移送されたカセットCaを順次、薬剤授受部32に移送する。これにより、グループカセットが存在する場合、作業者は、グループカセットに含まれる複数のカセットCaにおける薬剤の収容状態を順次確認できる。ピッキングユニット3に移送されてきた、グループカセットに含まれる複数のカセットCa(カセット保持部23に移送されてきた複数のカセットCa)のうち、どのカセットCaを優先して薬剤授受部32に移送するかについては、以下のように決められていてよい。例えば、制御装置10は、払出データにおいて規定された払出対象の薬剤の数(当該薬剤の数から算出される端数シートの数)と、カセットCaに収容された端数シートの数とに基づき、薬剤授受部32に移送するカセットCaの順序を決定してよい。
本実施形態では、カセット特定部111が、払出対象の薬剤が上記何れかのグループカセットに収容されていると判定した場合、制御装置10は、以下の処理も行う。すなわち、制御装置10が、上記指定数が上記収容薬剤数以下であると判定した場合であっても、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御して、上記2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する。例えば、上記指定数が42錠である場合に、あるカセットCaの収容薬剤数が50錠である場合であっても、本体カセット移送制御部112は、払出対象の薬剤を収容する2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する。
つまり、制御装置10は、複数のグループカセットのうちの1つのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容された薬剤が取出対象となった場合に、以下の処理を実行する。すなわち、制御装置10は、当該複数のカセットCaのそれぞれにおける収容薬剤数に依らず、上記1つのグループカセットに含まれる複数のカセットCaのうちの2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する。なお、制御装置10は、上記1つのグループカセットを構成する全てのカセットCaを、ピッキングユニット3に移送してもよい。但し、制御装置10は、欠品状態のカセットCaについては搬送対象としなくてもよい。
ここで、一般に、上記指定数が上記収容薬剤数以下、すなわち1つのカセットCaに上記指定数以上の薬剤が収容されている場合、当該1つのカセットCaから薬剤を取出すことができる。そのため、同種の薬剤を収容する複数のカセットCaを、カセット棚21からピッキングユニット3に移送する必要は無い。
しかし、薬剤の取出し方の取決めが存在する場合、上記指定数が上記収容薬剤数以下であっても、薬剤シートの収容状況によっては、当該取決めに従って上記1つのカセットから薬剤を取出すことができない可能性がある。
上記取決めとしては、例えば、以下に示す誤飲防止の観点から、1つの薬剤のみを含む端数シート(1錠分の端数シート)での払出しは行わないとの取決めが挙げられる。例えば、上記指定数が41錠であり、1つの薬剤シート(フルシート)に含まれる薬剤が10錠であり、かつ、カセットCaに4枚の薬剤シートと1錠分の端数シートとが収容されている場合を考える。この場合、カセットCaから41錠分を取出すことはできるが、上記取決めに違反した取出し方となってしまう。
また、上記取決めとしては、許容範囲内の分割数で端数シートを取出すとの取決めが挙げられる。例えば、許容範囲内の分割数が2であり、カセットCaに9錠分の端数シートが収容されており、かつ、9錠払出す場合を考える。この場合、取決めによれば、9錠分の薬剤を、1つの端数シートにより払出すか、2つの端数シート(例:4錠分の端数シート、及び5錠分の端数シート)により払出すことができる。しかし、薬剤授受部32に移送されたカセットCaに、3錠分の端数シートが3つのみ収容されている場合には、9錠分の端数シートを取出すことはできるが、上記取決めに違反した取出し方となってしまう。
本実施形態では、本体カセット移送制御部112は、上記指定数が上記収容薬剤数以下の場合であっても、同種の薬剤を収容する2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する。そのため、制御装置10は、同種の薬剤を収容する複数のカセットCaのそれぞれにおける薬剤シートの収容状況に応じて、作業者に上記指定数の薬剤の取出し方を決定させることができる。従って、上記取決めが存在する場合であっても、作業者が当該取決めに従って薬剤を取出すことができる可能性を高めることができる。
なお、本体カセット移送制御部112は、上記指定数が上記収容薬剤数を超えている場合も、同種の薬剤を収容する2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する。従ってこの場合も、薬剤シートの収容状況に応じて、作業者に上記指定数の薬剤の取出し方を決定させることができる。
また、上記指定数が上記収容薬剤数以下であり、払出データにおいて1錠分の端数シートが発生する処方内容が規定されており、かつ、当該処方内容に示された薬剤を払出す場合を考える。この場合も、本体カセット移送制御部112は、同種の薬剤を収容する2つ以上のカセットを、カセット棚21からピッキングユニット3に移送する。例えば、本体カセット移送制御部112は、上記指定数が上記収容薬剤数以下であり、かつ、上記収容薬剤数から上記指定数を減算した数が1である場合を考える。この場合、本体カセット移送制御部112は、上記1つのグループカセットに含まれる複数のカセットCaのうちの2つ以上のカセットCaを、カセット棚21からピッキングユニット3に移送する。
例えば、上記指定数が41錠であって、かつ、上記収容薬剤数が42錠である場合を考える。この場合、41錠分の薬剤をカセットCaから取出した場合、カセットCaには、1錠分の端数シートが収容されることになる。従って、次回、このカセットCaから薬剤を取出す場合には、1錠分の端数シートを取出すことになってしまう。
ここで、例えば、1錠分の端数シートが患者に処方された場合、患者が当該端数シートから薬剤を取出さず、当該端数シートが薬剤であると勘違いしてそのまま(すなわちシートごと)誤飲してしまう可能性がある。従って、1錠分の端数シートが搬送トレイTrに投入されると、当該端数シートを誤飲してしまう可能性がある。
上記のように、本体カセット移送制御部112は、上記収容薬剤数から上記指定数を減算した数が1である場合に、同種の薬剤を収容する2つ以上のカセットCaを、カセット棚21からピッキングユニット3に移送する。これにより、作業者は、上記指定数分の薬剤を、複数のカセットCaから取出すことができる。そのため、作業者は、1錠分の端数シートをカセットCaから取出したり、1錠分の端数シートをカセットCaに収容したりすることなく、上記指定数分の薬剤を取出すことができる。すなわち、1錠分の端数シートを発生させてしまう可能性を低減できる。従って、1錠分の端数シートを払出す可能性を低減できるので、安全性を考慮した薬剤シートの払出しを実現できる。また、作業者は、1錠分の端数シートをカセットCaから取出したり、1錠分の端数シートをカセットCaに収容したりしないように、端数シートの切取り作業を行うことができる。すなわち、作業者は、端数シートの切取り作業を円滑に行うことができる。
なお、制御装置10は、上記1つのグループカセットに含まれる1つのカセットCaを薬剤授受部32に搬送した後、カセットCaを入替えるための入力操作を受付けた場合、当該グループカセットに含まれる別のカセットCaを薬剤授受部32に搬送してもよい。これにより、作業者は、同種の薬剤を収容する複数のカセットCaにおける薬剤の収容状況を確認した上で、複数のカセットCaのどのカセットCaから薬剤を取出すかを決定できる。また、制御装置10は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaからの薬剤の取出しが未完了であっても、別のカセットCaを薬剤授受部32に搬送できる。
例えば、1つのカセットCaには、端数シートが複数収容されている場合もある。そのため、「収容薬剤数/1つの薬剤シート(フルシート)に規定された薬剤の数」により算出された余りの数分の薬剤が、1つの端数シートに含まれた状態で、1つのカセットCaに収容されているとは限らない。例えば、1つの薬剤シート(フルシート)に規定された薬剤の数が10錠であり、収容薬剤数が15錠であり、かつ指定数が15錠である場合を考える。この場合、上記余りを示す5錠分の薬剤が、1つの端数シートではなく、複数の端数シート(例:2錠分の端数シートと3錠分の端数シート)として、カセットCaに収容されている可能性がある。取決め等によって、5錠分の薬剤を1つの端数シートとして取出したい場合であって、かつ、5錠分の薬剤が複数の端数シートとして収容されたカセットCaが薬剤授受部32に搬送されてきた場合には、作業者はこのカセットCaから薬剤を取出すことができない。このような場合に、上述したように、同一グループカセット内でのカセットCaの入替えを許容することにより、作業者は、取決め等に従って、カセットCaから薬剤を取出すことが可能となる。
<処理例>
図29は、制御装置10の処理の一例を示すフローチャートである。カセット特定部111は、払出対象の薬剤が、複数のグループカセットの何れかのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容されているか否かを判定する(S1)。カセット特定部111が、払出対象の薬剤が何れのグループカセットにも収容されていないと判定した場合(S1でNO)、本処理は終了となる。すなわち、払出対象の薬剤は、カセット特定部111が特定した1つのカセットCaから払出される。また、払出対象の薬剤を収容対象とするグループカセットを構成する複数のカセットCaにおいて、当該薬剤が1つのカセットCaにのみ収容され、その他のカセットCaが欠品状態である場合についても、本処理は終了されてよい。
図29は、制御装置10の処理の一例を示すフローチャートである。カセット特定部111は、払出対象の薬剤が、複数のグループカセットの何れかのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容されているか否かを判定する(S1)。カセット特定部111が、払出対象の薬剤が何れのグループカセットにも収容されていないと判定した場合(S1でNO)、本処理は終了となる。すなわち、払出対象の薬剤は、カセット特定部111が特定した1つのカセットCaから払出される。また、払出対象の薬剤を収容対象とするグループカセットを構成する複数のカセットCaにおいて、当該薬剤が1つのカセットCaにのみ収容され、その他のカセットCaが欠品状態である場合についても、本処理は終了されてよい。
カセット特定部111が、払出対象の薬剤が何れかのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容されていると判定した場合(S1でYES)、制御装置10は、上記指定数が上記収容薬剤数以下であるか否かを判定する(S2)。制御装置10は、例えば、払出対象の薬剤を収容するグループカセットを構成する複数のカセットCaの収容薬剤数のうち、最大の収容薬剤数を、上記指定数と比較することにより、上記指定数が上記収容薬剤数以下であるか否かを判定する。
制御装置10が、上記指定数が上記収容薬剤数を超えていると判定した場合(S2でNO)、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御して、上記グループカセットに含まれる、薬剤が収容された2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する(S4)。これにより、作業者は、薬剤授受部32に移送される、同種の薬剤を収容する2つ以上のカセットCaから、上記指定数分の薬剤を取出すことができる。
制御装置10は、上記指定数が上記収容薬剤数以下であると判定した場合(S2でYES)、上記収容薬剤数から上記指定数を減算した数が1であるか否かを判定する(S3)。制御装置10が、上記収容薬剤数から上記指定数を減算した数が1であると判定した場合(S3でYES)、本体カセット移送制御部112は、上記グループカセットに含まれる、薬剤が収容された2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送する(S4)。これにより、上述したように、1錠分の端数シートを発生させる可能性を低減できる。
制御装置10が、上記収容薬剤数から上記指定数を減算した数が1ではないと判定した場合(S3でNO)、本処理は終了となる。すなわち、払出対象の薬剤は、カセット特定部111が特定した1つのカセットCaから払出される。
但し、制御装置10は、上記指定数が上記収容薬剤数以下である場合であっても、S3の処理を実行せずに、上記グループカセットに含まれる、薬剤が収容された2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送してよい。すなわち、制御装置10は、上記指定数が上記収容薬剤数以下である場合であっても、上記指定数が上記収容薬剤数を超える場合と同様、上記2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送してよい。また、制御装置10は、S2の処理も実行しなくてもよい。この場合、制御装置10は、払出対象の薬剤が複数のグループカセットの何れかのグループカセットに含まれる複数のカセットCaに収容されていると判定した場合、当該グループカセットに含まれる、薬剤が収容された2つ以上のカセットCaを、ピッキングユニット3に移送してよい。
〔実施形態12〕
上述したように、薬剤判定部124は、払出対象の薬剤が適切に払出されたか否かを判定する。例えば、薬剤判定部124は、作業者により薬剤載置台37に載置された薬剤の撮像画像に基づき、当該薬剤の数を計数する。また、薬剤判定部124は、作業者によりトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入された薬剤の重量に基づき、当該薬剤の数を計数する。そして、薬剤判定部124は、当該計数の結果に基づき、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたか否かを判定する。
上述したように、薬剤判定部124は、払出対象の薬剤が適切に払出されたか否かを判定する。例えば、薬剤判定部124は、作業者により薬剤載置台37に載置された薬剤の撮像画像に基づき、当該薬剤の数を計数する。また、薬剤判定部124は、作業者によりトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入された薬剤の重量に基づき、当該薬剤の数を計数する。そして、薬剤判定部124は、当該計数の結果に基づき、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたか否かを判定する。
例えば、薬剤判定部124は、薬剤載置台37及び/又はトレイ載置台38に載置されるたびに、載置された薬剤の数を計数し、計数した薬剤の数が、カセットCaから取出すべき薬剤の数量として指定された指定数と一致するか否かを判定する。薬剤判定部124は、載置された薬剤の数が指定数以下である場合、指定数と同数の薬剤が載置されるか、又は、指定数を超えた数の薬剤が載置されるまで、載置された薬剤の数を記憶部15に記憶していく。薬剤判定部124は、載置された薬剤の数(すなわち、記憶部15に記憶し続けた薬剤の数)が指定数と一致したと判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたと判定する。一方、薬剤判定部124は、載置された薬剤の数が指定数を超えたと判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されなかったと判定する。
なお、薬剤判定部124は、薬剤載置台37及びトレイ載置台38の両方に薬剤が載置された場合、薬剤載置台37に載置された薬剤が適切な数量であるか、トレイ載置台38に載置された薬剤が適切な数量であるかを、別々に判定してもよい。この場合例えば、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された端数シートに含まれる薬剤の数が、端数シートとして払出すべき数量と一致するか否かを判定する。また例えば、薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置された薬剤シート(フルシート)に含まれる薬剤の数が、薬剤シートとして払出すべき数量と一致するか否かを判定する。薬剤判定部124は、これら2つの判定において、払出すべき数量がカセットCaから取出されたと判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたと判定する。一方、薬剤判定部124は、これら2つの判定の少なくとも一方において、払出すべき数量が取出されなかったと判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されなかったと判定する。
薬剤判定部124は、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたか否かを示す判定の結果を、払出対象の薬剤の種類を示す情報(例:薬剤識別情報)に対応付けた情報を、判定ログ情報として記憶部15に記憶する。以下、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されなかったことを示す情報をNG情報と称する。
制御装置10は、払出データを受信すると、記憶部15の判定ログ情報を参照し、払出データに含まれる薬剤と同じ種類の薬剤について、以前行われた判定の結果を示す情報を取得する。判定ログ情報において、当該薬剤の種類を示す情報に、NG情報が対応付けられている場合、制御装置10は、払出対象の薬剤が、取出しミスを誘発しやすい薬剤であることを作業者に報知する。これにより、払出対象の薬剤を取出す前に、作業者に、当該薬剤の取出しに注意を要することを促すことができる。
一例として、タッチパネル制御部14は、上記の報知を行うために、例えば第2タッチパネル31に、払出対象の薬剤が、取出しミスを誘発しやすい薬剤であることを示す情報を表示させてもよい。また別の例として、制御装置10は、不図示のLED(light-Emitting Device)を点灯させてもよいし、音によって報知してもよい。
なお、制御装置10は、判定ログ情報において、払出対象の薬剤の種類を示す情報に対して、NG情報が所定の数以上存在する場合にのみ、取出しミスを誘発しやすい薬剤であることを作業者に報知してもよい。
また、判定ログ情報において、上記判定の結果を示す情報に、払出作業を行った作業者を示す情報がさらに対応付けられていてもよい。当該構成によると、制御装置10は、作業者別に取出しミスを誘発しやすい薬剤を特定できるため、作業者別に注意喚起を行うことができる。
〔実施形態13〕
図30は、ホルダー6の構造例を示す図である。ドラッグステーション1は、カセットCaから取出した薬剤シートを束ねるための輪ゴムXを保持するホルダー6を備える。ホルダー6は、ドラッグステーション1の任意の位置に設けられてよい。一例として、ホルダー6は、薬剤を取出す作業中の作業者から手の届きやすい位置、例えば作業台40の上面部に設けられてよい。図30に示すように、ホルダー6は、基部60、支持部61、及び輪ゴム保持部62を備えている。
図30は、ホルダー6の構造例を示す図である。ドラッグステーション1は、カセットCaから取出した薬剤シートを束ねるための輪ゴムXを保持するホルダー6を備える。ホルダー6は、ドラッグステーション1の任意の位置に設けられてよい。一例として、ホルダー6は、薬剤を取出す作業中の作業者から手の届きやすい位置、例えば作業台40の上面部に設けられてよい。図30に示すように、ホルダー6は、基部60、支持部61、及び輪ゴム保持部62を備えている。
基部60は、支持部61及び輪ゴム保持部62を支持する部分であり、かつ、ドラッグステーション1に取付けられる、又は載置される部分である。具体的には、支持部61は基部60に支持され、輪ゴム保持部62は支持部61に支持される。本実施形態では、支持部61は、基部60から突出する棒状部材であり、輪ゴム保持部62は、支持部61の、基部60との接続端部とは反対側の端部において支持される棒状部材である。
輪ゴム保持部62は、1つ又は複数の輪ゴムXを掛けることが可能な棒状部材である。これにより、ホルダー6は、1つ又は複数の輪ゴムXを保持できる。本実施形態では、作業者は、輪ゴム保持部62の、支持部61との接続端部とは反対側の端部(開放端)側から、輪ゴムXを取出すことができる。
また、輪ゴム保持部62には、複数の溝部63が設けられている。複数の溝部63は、輪ゴム保持部62の表面であって、かつ、輪ゴム保持部62が延伸する方向に平行な中心軸621の周方向に延在する表面において、中心軸621に向けて凹むように設けられている。本実施形態では、複数の溝部63は、輪ゴム保持部62の、支持部61との接続端部とは反対側の端部側(輪ゴムXが取り出される側)に設けられている。
例えば、作業者が、カセットCaから取出した薬剤シートを束ねるために、複数の輪ゴムXを収容する箱などの収容容器から1つの輪ゴムXを取出す場合を考える。この場合、取出対象の輪ゴムXに他の輪ゴムXが絡まり、取出対象の輪ゴムXのみを簡単に取出すことができない可能性がある。これに対して、ホルダー6から輪ゴムXを取出す場合、取出対象の輪ゴムX以外の輪ゴムXは、複数の溝部63の何れかに引っ掛かるため、ホルダー6から外れにくい。従って、作業者は、1本の輪ゴムXのみ、簡単に取出すことができる。
また、輪ゴム保持部62は、支持部61との接続端部において、回転軸622を介して回動可能に支持されている。そのため、作業者は、輪ゴム保持部62を、輪ゴムXを取出しやすい方向に向けることができる。そのため、輪ゴムXの取出作業をより効率よく行うことが可能となる。
〔実施形態14〕
本実施形態では、複数種類の薬剤を予め一包化した予製薬剤をカセットCaに収容し、当該カセットCaをカセット棚21に保管する場合の、ドラッグステーション1の動作例について説明する。予製薬剤は、カセットCaの保管前の予め作成されている。予製薬剤の作成は、専用の装置(例:錠剤分包機300)を用いて行ってもよい。
本実施形態では、複数種類の薬剤を予め一包化した予製薬剤をカセットCaに収容し、当該カセットCaをカセット棚21に保管する場合の、ドラッグステーション1の動作例について説明する。予製薬剤は、カセットCaの保管前の予め作成されている。予製薬剤の作成は、専用の装置(例:錠剤分包機300)を用いて行ってもよい。
予製薬剤には、包装された薬剤の種類及び数に応じた識別情報が付される。また、予製薬剤のパッケージには、当該予製薬剤の識別情報を含むバーコードが印字される。記憶部15には、予製薬剤の識別情報と、当該予製薬剤に含まれる薬剤の種類及び数を示す情報と、当該予製薬剤全体の重量を示す情報と、当該予製薬剤を収容するカセットCaのカセット識別情報(又は収容位置情報)と、が対応付けられて記憶されている。
予製薬剤の充填時におけるドラッグステーション1の動作例について説明する。まず、作業者は、バーコードリーダ34を用いて、充填対象の予製薬剤のパッケージに付されたバーコードから識別情報を入力する。制御装置10は、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、バーコードリーダ34が読取った当該識別情報に基づき、充填対象の予製薬剤を収容するカセットCaをカセット棚21から取出し、薬剤授受部32へ移送させる。その後、作業者が再度バーコードリーダ34を用いて当該予製薬剤の識別情報を入力すると、制御装置10はシャッター322を開く。これにより、ユーザは、当該予製薬剤を、当該予製薬剤を収容するカセットCaに充填することが可能となる。
次に、予製薬剤の払出時におけるドラッグステーション1の動作例について説明する。まず、制御装置10は、払出データを受信すると、当該払出データに含まれる払出対象の薬剤を収容するカセットCaを特定する。ここで、制御装置10は、払出データに含まれる複数種類の薬剤であって、かつ、ある服用時期(例:朝)の服用対象である複数種類の薬剤を含む予製薬剤が、カセット棚21に保管されているか否かを判定する。制御装置10は、例えば、当該複数種類の薬剤のそれぞれの種類を示す情報と、予製薬剤に含まれる複数種類の薬剤のそれぞれの種類を示す情報とが一致するか否かを、予製薬剤毎に判定する。これにより、制御装置10は、払出データに含まれる上記複数種類の薬剤が、予製薬剤として、カセット棚21に保管されているか否かを判定する。当該複数種類の薬剤を含む予製薬剤がカセット棚21に保管されていると判定した場合、制御装置10は、当該予製薬剤を払出対象の薬剤として特定すると共に、当該予製薬剤を収容するカセットCaを特定する。
その後、制御装置10は、特定したカセットCaを薬剤授受部32へ移送し、シャッター322を開く。これにより、作業者が予製薬剤をカセットCaから取出すことが可能となる。作業者が必要数の予製薬剤を取出すことにより、上記複数種類の薬剤の取出作業が完了する。なお、薬剤判定部124は、計量部382が計量した薬剤の重量に基づき、払出データにより規定された指定数の薬剤がトレイ載置台38に載置されているか否かを判定する。ここで、予製薬剤が取出されたときには、薬剤判定部124は、記憶部15に記憶された予製薬剤全体の重量を示す情報に基づいて判定を行う。
本実施形態において、予製される薬剤の組は、例えば、特定の疾患の患者に対して高い確率で処方される薬剤の組、又は特定の患者に対して定期的に処方される薬剤の組である。具体的には、インフルエンザの患者に対して処方される薬剤の組、又は、慢性疾患の患者に対して定期的に処方される薬剤の組である。
上記構成によると、例えば特定の疾患の患者に対して処方される薬剤の組が予め一包化され、予製薬剤がカセットCaに収容される。制御装置10は、当該予製薬剤に対応する、一包化される複数種類の薬剤が払出データに含まれるときには、当該予製薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受部32に移送できる。そのため、作業者は、1つのカセットCaから予製薬剤を取出すだけで、当該複数種類の薬剤を纏めて取出すことができる。
すなわち、本実施形態では、制御装置10は、予製薬剤として纏めることが可能な複数種類の薬剤について、これらの薬剤を収容する複数のカセットCaを、順に薬剤授受部32に移送する必要が無い。そのため、払出作業の作業効率を向上させることができる。
〔実施形態15〕
例えば、払出頻度が比較的多い薬剤を小型カセットCa3に収容している場合、大型カセットCa1又は中型カセットCa2に収容している場合に比べ、当該薬剤を充填する回数が増加する。払出頻度が比較的少ない薬剤であれば、カセットCaへの収容数をそれほど多くする必要は無い。このような薬剤を大型カセットCa1に収容した場合には、空き領域が多くなり、カセットCaの使用効率(収容率)が悪化する可能性がある。また、このような薬剤を空き領域がなるべくできないように収容した場合には、当該薬剤が使用期限前に払出されない可能性がある。このように、払出頻度に応じてカセットCaの種類を選択しない場合、上記のような不都合が生じる可能性がある。
例えば、払出頻度が比較的多い薬剤を小型カセットCa3に収容している場合、大型カセットCa1又は中型カセットCa2に収容している場合に比べ、当該薬剤を充填する回数が増加する。払出頻度が比較的少ない薬剤であれば、カセットCaへの収容数をそれほど多くする必要は無い。このような薬剤を大型カセットCa1に収容した場合には、空き領域が多くなり、カセットCaの使用効率(収容率)が悪化する可能性がある。また、このような薬剤を空き領域がなるべくできないように収容した場合には、当該薬剤が使用期限前に払出されない可能性がある。このように、払出頻度に応じてカセットCaの種類を選択しない場合、上記のような不都合が生じる可能性がある。
本実施形態では、制御装置10は、薬剤の払出頻度に応じて、薬剤を収容するカセットCaの種類(例:大型カセットCa1、中型カセットCa2、小型カセットCa3)を決定する。また、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に、決定したカセットCaの種類を表示してもよい。
記憶部15には、例えば、薬剤の払出数(薬剤の取出数)が薬剤の種類毎に記憶されている。制御装置10は、例えば、払出対象の薬剤がカセットCaから取出され、トレイ閉ボタン39が押下されたときに、今回の薬剤の払出数を、記憶部15に記憶されている当該薬剤の払出数に加算する。
制御装置10は、例えば、薬剤を収容するカセットCaの適否を確認するための入力操作を受け付けた場合、薬剤の累計払出数を、薬剤の種類毎に算出する。累積払出数は、入力操作を受け付けた時点までの所定期間における累積払出数であってもよいし、初めて薬剤を払出したときから入力操作を受け付けた時点までの累積払出数であってもよい。制御装置10は、累計払出数と予め設定された閾値とを比較し、その比較結果に基づき、薬剤の種類毎に、使用すべきカセットCaの種類を決定する。
例えば、制御装置10は、累計払出数が第1閾値未満である薬剤については、当該薬剤の薬剤識別情報に小型カセットCa3を示す種類情報を割り当てる。制御装置10は、累計払出数が第1閾値以上かつ第2閾値(>第1閾値)未満である薬剤については、当該薬剤の薬剤識別情報に中型カセットCa2を示す種類情報を割り当てる。制御装置10は、累計払出数が第2閾値以上である薬剤については、当該薬剤の薬剤識別情報に大型カセットCa1を示す種類情報を割り当てる。
制御装置10は、薬剤の種類毎に割り当てた種類情報と、記憶部15に記憶された、薬剤の種類毎に対応付けられた種類情報とが一致しているか否かを判定する。2つの種類情報が不一致である場合、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5を介して、当該薬剤を収容するのに適した種類情報(割り当てた種類情報)が示すカセットCaの種類を表示する。これにより、作業者は、払出頻度に応じたカセットCaに薬剤を収容できる。そのため、上述した不都合が発生する可能性を低減できる。
なお、記憶部15には、箱に含まれる薬剤の数、ピロー包装した包装物に含まれる薬剤の数、及び、薬剤シート(フルシート)1枚に含まれる薬剤の数を示す情報が、薬剤の種類毎に記憶されていてよい。この場合、制御装置10は、1回毎の薬剤の払出数に基づき、箱、包装物、及び薬剤シート(端数シートを含む)の何れの形態で、薬剤が払出されるかを特定できる。そのため、制御装置10は、1回毎の薬剤の払出しにおいて、何れの形態で、かつ、何回目の払出しであるかを特定できる。
制御装置10は、例えば、カセットCaに収容すべき形態の適否を確認するための入力操作を受け付けた場合、払出回数が最も多い形態を、カセットCaに収容すべき形態であると特定する。記憶部15には、カセット識別情報と、薬剤の収容形態(例:箱、包装物、薬剤シート)を示す情報と、が対応付けて記憶されていてよい。そのため、制御装置10が、特定した形態と、記憶部15に記憶された収容形態とが一致しているか否かを判定できる。制御装置10が、特定した形態と、記憶部15に記憶された収容形態とが一致していないと判定した場合、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5を介して、当該薬剤を収容するのに適した形態を表示する。これにより、作業者は、払出される形態の頻度に応じて、カセットCaに薬剤を収容できる。
〔実施形態16〕
制御装置10は、カセットCaに薬剤が充填されるときにバーコードリーダ34によって読取られたバーコードの情報(例:GS1コード)から、当該薬剤のロット番号及び有効期限(使用期限)を取得する。ロット番号は、薬剤の製造場所及び製造日を特定可能な番号である。ここで、カセットCaに仕切部を設けた場合、仕切部で仕切られた収容領域毎に異なる種類の薬剤を収容できる。すなわち、収容領域のそれぞれには同種の薬剤が収容される。一方、カセットCaに仕切部が設けられていない場合、カセットCaには同一種類の薬剤が収容される。そのため、制御装置10は、記憶部15において、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域毎に(すなわち、カセット識別情報又は収容位置情報に対応付けて)、取得した薬剤のロット番号及び有効期限を管理する。なお、ロット番号及び有効期限は、例えば第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31を介して入力されてもよい。
制御装置10は、カセットCaに薬剤が充填されるときにバーコードリーダ34によって読取られたバーコードの情報(例:GS1コード)から、当該薬剤のロット番号及び有効期限(使用期限)を取得する。ロット番号は、薬剤の製造場所及び製造日を特定可能な番号である。ここで、カセットCaに仕切部を設けた場合、仕切部で仕切られた収容領域毎に異なる種類の薬剤を収容できる。すなわち、収容領域のそれぞれには同種の薬剤が収容される。一方、カセットCaに仕切部が設けられていない場合、カセットCaには同一種類の薬剤が収容される。そのため、制御装置10は、記憶部15において、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域毎に(すなわち、カセット識別情報又は収容位置情報に対応付けて)、取得した薬剤のロット番号及び有効期限を管理する。なお、ロット番号及び有効期限は、例えば第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31を介して入力されてもよい。
<ロットリスト>
本実施形態では、制御装置10は、同種の薬剤が収容されるカセットCa又は収容領域毎に、複数のロット番号及び有効期限の組合せを管理できる。図32は、同種の薬剤が収容されるカセットCa又は収容領域毎に管理されるロットリストLI1の一例である。ロットリストLI1は、記憶部15において管理される。本実施形態では、ロットリストLI1においてロット番号及び有効期限の組合せが管理される例について説明するが、当該組合せが記憶部15においてリスト形式で管理される必要は必ずしもない。
本実施形態では、制御装置10は、同種の薬剤が収容されるカセットCa又は収容領域毎に、複数のロット番号及び有効期限の組合せを管理できる。図32は、同種の薬剤が収容されるカセットCa又は収容領域毎に管理されるロットリストLI1の一例である。ロットリストLI1は、記憶部15において管理される。本実施形態では、ロットリストLI1においてロット番号及び有効期限の組合せが管理される例について説明するが、当該組合せが記憶部15においてリスト形式で管理される必要は必ずしもない。
図32に示すロットリストLI1では、ロット番号及び有効期限の組合せが最大5つまで管理できる。すなわち、同種の薬剤が収容されるカセットCa又は収容領域に、ロット番号及び有効期限が異なる薬剤を最大5つまで収容できる。なお、ロットリストLI1が管理可能なロット番号及び有効期限の組合せの最大数は5つに限定されず、複数であればよい。また本実施形態では、ロットリストLI1が複数のロット番号及び有効期限の組合せを管理可能なものとして説明するが、他の実施形態においては、1つのカセットCa又は収容領域に対して1つのロット番号及び有効期限の組合せのみを管理してもよい。
また、図32に示すように、制御装置10は、ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限の組合せを、ロット番号が小さい順、すなわち有効期限が現時点に近い順(有効期限が古い順)に管理してよい。すなわち、ロットリストLI1において、参照番号が小さい方から、小さいロット番号、及び現時点に近い有効期限の組合せが割り当てられてよい。
図32では、カセットCa又は収容領域に、同種の薬剤ではあるが、ロット番号及び有効期限が異なる3つの薬剤が収容されているときのロットリストLI1の一例が示されている。図32に示すように、制御装置10は、参照番号「1」に、最も小さいロット番号「0001」、及び有効期限「2021年10月」の組合せを割り当てている。制御装置10は、参照番号「2」に、ロット番号「0001」の次に大きいロット番号「0002」、及び有効期限「2021年11月」の組合せを割り当てている。制御装置10は、参照番号「3」に、ロット番号「0002」の次に大きいロット番号「0003」、及び有効期限「2021年12月」の組合せを割り当てている。但し、ロットリストLI1におけるロット番号及び有効期限の組合せの管理順はこれに限られず、制御装置10は、ロットリストLI1において、ロット番号が大きい順に管理してもよいし、ロット番号を取得した順に管理してもよい。
ここで、薬剤が製造販売された後に不良であると認定される場合がある。不良と認定された薬剤とは、厚生労働省から発表される緊急安全性情報(イエローレター)又は安全性速報(ブルーレター)によって、回収が必要になった薬剤を指す。ドラッグステーション1では、カセットCa又は収容領域に収容されている薬剤の種類とロット番号とを対応付けて管理している。そのため、薬剤が不良であると認定された場合に、薬剤師等は、不良と認定された薬剤がドラッグステーション1から払出されたのか、また、どのカセットCa又は収容領域から払出されたのかを特定できる。さらに、薬剤の払出履歴を管理しておくことにより、薬剤師等は、不良と認定された薬剤がどの患者に渡されたのかを追跡することもできる。払出履歴では、例えば、薬剤が処方された患者毎に、ドラッグステーション1から払出した薬剤の種類、払出日時等を対応付けて管理している。払出履歴は、例えば、ドラッグステーション1又は払出制御装置800(図1参照)により管理されてよい。
<ロットリストの表示>
制御装置10は、作業者がカセットCaに薬剤を充填するときに、第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31に、ロットリストLI1を表示できる。ロットリストLI1の表示方法について、図33~図36を用いて説明する。図33は、第1タッチパネル5に表示される充填画像(充填画面)IM11の一例を示す図である。図34は、充填画像IM11に、ロットリストLI1の情報を含むロットリスト画像3401が表示された例を示す図である。図35は、第1タッチパネル5に表示される個別払出画像(個別払出画面)IM12の一例を示す図である。図36の符号36001は、第2タッチパネル31に表示される充填作業画像(充填作業画面)IM13の一例を示す図である。図36の符号36002は、第2タッチパネル31に表示されるロットリスト画像(ロットリスト画面)IM14の一例を示す図である。
制御装置10は、作業者がカセットCaに薬剤を充填するときに、第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31に、ロットリストLI1を表示できる。ロットリストLI1の表示方法について、図33~図36を用いて説明する。図33は、第1タッチパネル5に表示される充填画像(充填画面)IM11の一例を示す図である。図34は、充填画像IM11に、ロットリストLI1の情報を含むロットリスト画像3401が表示された例を示す図である。図35は、第1タッチパネル5に表示される個別払出画像(個別払出画面)IM12の一例を示す図である。図36の符号36001は、第2タッチパネル31に表示される充填作業画像(充填作業画面)IM13の一例を示す図である。図36の符号36002は、第2タッチパネル31に表示されるロットリスト画像(ロットリスト画面)IM14の一例を示す図である。
図33に示す充填画像IM11は、制御装置10のタッチパネル制御部14により、充填モードにおいて第1タッチパネル5に表示される。充填モードは、作業者がドラッグステーション1に薬剤の充填を行うことが可能なモードであり、作業者による入力操作により選択される。図33に示すように、充填画像IM11は、例えば、充填薬剤リスト3301、トレイ移動ボタン3302、ロットリストボタン3303、期限表示領域3304、及び確認ボタン3305を含む。
充填薬剤リスト3301は、充填対象として選択された薬剤に関する各種情報が対応付けられたレコードの一覧である。充填薬剤リスト3301には、カセット番号及び枝番号に対応付けて、薬品名、在庫数、ロット番号及び有効期限等の情報が含まれている。枝番号は、カセットCaが仕切部で仕切られている場合の、カセットCaにおける各収容領域を示すものである。なお、カセットCaが仕切部で仕切られていない場合、枝番号として「1」が付与される。充填画像IM11に表示されるロット番号及び有効期限は、制御装置10により、カセットCa又は収容領域毎に対応付けて管理されたロットリストLI1の中から1つのロット番号及び有効期限が選択される。制御装置10は、例えば、ロットリストLI1において最も現時点に近い有効期限(最も古い有効期限)と、当該有効期限に対応するロット番号とを、表示対象の有効期限及びロット番号として選択する。ロットリストLI1の中からどのロット番号及び有効期限をデフォルトで表示するかは、適宜設定可能である。
トレイ移動ボタン3302は、充填薬剤リスト3301において選択されたカセットCaの搬送を開始するための入力操作を受付可能なボタンである。制御装置10のカセット特定部111は、トレイ移動ボタン3302に対する入力操作を受け付けると、以下の処理を実行する。すなわち、カセット特定部111は、バーコードリーダ34によって読取られたバーコードの情報に含まれる薬剤識別情報(薬剤の種類を示す情報)に基づき、薬剤の充填先となるカセットCa、又は薬剤の充填先となる収容領域を有するカセットCaを特定する。そして、制御装置10の本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35を制御して、特定されたカセットCaを、カセット棚21から薬剤授受部32へと搬送する。また、制御装置10は、バーコードリーダ34により再度バーコードの情報を読取らせ、当該情報に含まれる薬剤識別情報と、特定したカセットCa又は収容領域に対応付けられた薬剤識別情報とが一致するか否かを判定する。制御装置10のシャッター制御部122は、これら2つの薬剤識別情報が一致した場合に、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域の幅にあわせてシャッター322を開く。これにより、作業者によるカセットCa又は収容領域への薬剤の充填が可能となる。
ロットリストボタン3303は、ロットリストLI1を第1タッチパネル5に表示させるための入力操作を受付可能なボタンである。ロットリストボタン3303は、バーコードリーダ34で読取られた、薬剤に付されたバーコードの情報に含まれる薬剤識別情報と、カセットCa又は収容領域の収容対象として管理される薬剤の薬剤識別情報とが一致した場合、入力操作が受付可能な状態となる。またこのとき、制御装置10は、薬剤の充填先となるカセットCaを、カセット棚21から薬剤授受部32に搬送する。タッチパネル制御部14は、ロットリストボタン3303に対する入力操作を取得した場合、当該カセットCa、又は当該カセットCaの収容領域に対応付けて管理されているロットリストLI1を、第1タッチパネル5に表示する。タッチパネル制御部14は、例えば図34に示すロットリスト画像3401を、第1タッチパネル5に表示する。
期限表示領域3304は、薬剤授受部32への搬送対象であるカセットCa、又は当該カセットCaの収容領域に収容されている薬剤のロット番号及び有効期限が表示される領域である。制御装置10は、例えば、第1タッチパネル5への表示対象となっているロットリストLI1において最も現時点に近い有効期限と、当該有効期限に対応するロット番号とを、期限表示領域3304に表示する有効期限及びロット番号として選択する。ロットリストLI1の中からどのロット番号及び有効期限をデフォルトで表示するかは、適宜設定可能である。
確認ボタン3305は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaを、カセット棚21に搬送するための入力操作を受付可能なボタンである。制御装置10は、確認ボタン3305に対する入力操作を取得した場合、当該カセットCaをカセット棚21に搬送すると共に、バーコードリーダ34で読取られたロット番号及び有効期限をロットリストLI1に追加する。
図35に示す個別払出画像IM12は、処方データに基づく薬剤の順次払出しとは別に薬剤を個別に払出すための入力操作を受付可能な画像であり、制御装置10により、第1タッチパネル5に表示される。
個別払出画像IM12は、例えば、抽出結果表示領域3501、払出リスト追加ボタン3502、充填リスト表示領域3503、トレイ移動ボタン3504、ロットリストボタン3505、及び確認ボタン3506を含む。
抽出結果表示領域3501は、作業者により薬剤データベースから抽出(選択)された個別払出対象の薬剤に関する各種情報が対応付けられたレコードの一覧である。抽出結果表示領域3501には、カセット番号及び枝番号に対応付けて、薬品名、在庫数、ロット番号及び有効期限等の情報が含まれている。抽出結果表示領域3501においても、図33の充填画像IM11と同様、例えば、ロットリストLI1の中から選択された最も現時点に近いロット番号及び有効期限が表示されてよい。
払出リスト追加ボタン3502は、抽出結果表示領域3501に表示された情報の中から、作業者により選択された情報を、充填リスト表示領域3503に追加するための入力操作を受付可能なボタンである。
充填リスト表示領域3503は、薬剤の充填先となるカセットCaのリストを表示する領域である。トレイ移動ボタン3504は、薬剤の充填先となるカセットCaを薬剤授受部32に搬送するための入力操作を受付可能なボタンである。充填リスト表示領域3503において1つのカセットCaが選択された状態で、トレイ移動ボタン3504に対する入力操作を取得した場合、制御装置10は、カセット棚21から薬剤授受部32にカセットCaを搬送する処理を実行する。また、制御装置10は、薬剤授受部32にカセットCaを搬送後、シャッター322を開く処理を実行する。これらの処理は、制御装置10がトレイ移動ボタン3302に対する入力操作を取得したときと同様である。
ロットリストボタン3505は、図33に示すロットリストボタン3303と同一の機能を有する。すなわち、タッチパネル制御部14は、個別払出画像IM12の表示中に(薬剤の個別払出を実行するときに)、ロットリストボタン3505への入力操作を取得した場合に、図34に示すロットリスト画像3401を表示できる。また、確認ボタン3506は、図33に示す確認ボタン3305と同一の機能を有する。
図36の符号36001に示す充填作業画像IM13は、処方データに基づく薬剤の順次払出中に薬剤授受部32に配置されたカセットCaに対するピッキング作業中に、当該カセットCaに対する薬剤の充填作業を可能とする画像である。充填作業画像IM13は、薬剤授受部32にカセットCaが配置された状態において、第2タッチパネル31を介してカセットCaへの充填作業を可能とするための入力操作を取得した場合に、タッチパネル制御部14により、第2タッチパネル31に表示される。またこの入力操作を取得した場合、制御装置10は、バーコードリーダ34によりバーコードの情報を読取らせ、当該情報に含まれる薬剤識別情報と、充填先として特定したカセットCa又は収容領域に対応付けられた薬剤識別情報とが一致するか否かを判定する。制御装置10は、これら2つの薬剤識別情報が一致した場合に、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域への薬剤の充填を許可する。例えば、制御装置10のシャッター制御部122は、上記2つの薬剤識別情報が一致しない場合には、開状態のシャッター322を閉じる。
充填作業画像IM13にも、図33のロットリストボタン3303と同一の機能を有するロットリストボタン3601が含まれる。そのため、タッチパネル制御部14は、ピッキング作業中にロットリストボタン3601に対する入力操作を取得した場合に、図36の符号36002に示すロットリスト画像IM14を表示できる。
また、充填作業画像IM13は、充填作業画像IM13において入力された充填数、ロット番号及び有効期限を確定させるための入力操作を受付ける充填ボタン3602を含む。制御装置10は、充填ボタン3602に対する入力操作を取得した場合、充填先のカセットCa又は収容領域に対応付けて管理している充填数を更新する。また、制御装置10は、充填先のカセットCa又は収容領域に対応付けて管理しているロットリストLI1に、ロット番号及び有効期限を追加する。
<ロットリストからの情報削除>
図34に示すように、ロットリスト画像3401は、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域に対応付けて管理されたロットリストLI1の情報と、削除ボタン3402とを含む。削除ボタン3402は、ロットリストLI1で管理しているロット番号及び有効期限の組合せ毎に設けられ、ロット番号及び有効期限の組合せをロットリストLI1から削除するための入力操作を受付可能なボタンである。制御装置10は、削除ボタン3402に対する入力操作を取得した場合、削除ボタン3402に対応するロット番号及び有効期限の組合せを、ロットリストLI1から削除する。
図34に示すように、ロットリスト画像3401は、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域に対応付けて管理されたロットリストLI1の情報と、削除ボタン3402とを含む。削除ボタン3402は、ロットリストLI1で管理しているロット番号及び有効期限の組合せ毎に設けられ、ロット番号及び有効期限の組合せをロットリストLI1から削除するための入力操作を受付可能なボタンである。制御装置10は、削除ボタン3402に対する入力操作を取得した場合、削除ボタン3402に対応するロット番号及び有効期限の組合せを、ロットリストLI1から削除する。
ロットリスト画像3401は、キャンセルボタン3403及び承認ボタン3404を含む。キャンセルボタン3403及び承認ボタン3404は、元の画像を表示するための入力操作を受付可能なボタンである。但し、キャンセルボタン3403に対する入力操作を取得した場合、制御装置10は、削除ボタン3402に対する入力操作を無効にし、削除したロット番号及び有効期限の組合せを、再度ロットリストLI1に追加する。
また、図36の符号36002に示すロットリスト画像IM14は、図34の削除ボタン3402と同一の機能を有する削除ボタン3603を含む。そのため、制御装置10は、削除ボタン3603に対する入力操作を取得した場合、削除ボタン3603に対応するロット番号及び有効期限の組合せを、ロットリストLI1から削除できる。
さらに、ロットリスト画像IM14は、図34のキャンセルボタン3403及び承認ボタン3404のそれぞれと同一の機能を有するキャンセルボタン3604及び承認ボタン3605を含む。そのため、制御装置10は、キャンセルボタン3604又は承認ボタン3605に対する入力操作を取得した場合、充填作業画像IM13へと表示を切替える。但し、制御装置10は、キャンセルボタン3604に対する入力操作を取得した場合には、削除ボタン3603に対する入力操作を無効にし、削除したロット番号及び有効期限の組合せを、再度ロットリストLI1に追加する。
<ロットリストへの情報追加>
制御装置10は、ロットリストLI1に、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加することも可能である。ロットリストLI1への新たなロット番号及び有効期限の組合せの追加に関し、図37~図39を用いて説明する。図37は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する場合の処理の一例を示すフローチャートである。図38は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する場合のロットリストLI1の一例を示す図である。図39は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する場合のロットリストLI1の別例を示す図である。なお、図37では、ロット番号及び有効期限の組合せを「ロット番号」と略記する。
制御装置10は、ロットリストLI1に、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加することも可能である。ロットリストLI1への新たなロット番号及び有効期限の組合せの追加に関し、図37~図39を用いて説明する。図37は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する場合の処理の一例を示すフローチャートである。図38は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する場合のロットリストLI1の一例を示す図である。図39は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する場合のロットリストLI1の別例を示す図である。なお、図37では、ロット番号及び有効期限の組合せを「ロット番号」と略記する。
図37に示すように、図33の充填画像IM11が表示されている状態において、制御装置10は、確認ボタン3305に対する入力操作を取得したか否かを判定する(S11)。S11において、図35の個別払出画像IM12が表示されている状態では、制御装置10は、確認ボタン3506に対する入力操作を取得したか否かを判定する。また、図36の符号36001の充填作業画像IM13が表示されている状態では、制御装置10は、充填ボタン3602に対する入力操作を取得したか否かを判定する。
制御装置10は、確認ボタン3305、確認ボタン3506、又は充填ボタン3602に対する入力操作を取得した場合(S11でYES)、以下の処理を実行する。すなわち、制御装置10は、バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せが、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せの何れかと一致するか否かを判定する(S12)。なお、制御装置10は、充填作業画像IM13において入力されたロット番号及び有効期限が、上記ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せの何れかと一致するか否かを判定してもよい。制御装置10は、確認ボタン3305、確認ボタン3506、又は充填ボタン3602に対する入力操作を取得しない場合(S11でNO)、当該入力操作の取得を待機する。
バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せが、上記ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せの何れかと一致する、と制御装置10が判定した場合(S12でYES)を考える。この場合、バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せは既に上記ロットリストLI1において管理されているため、制御装置10は、当該組合せを、新たなロット番号及び有効期限の組合せとして上記ロットリストLI1に記憶しない。
一方、バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せが、上記ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せの何れとも一致しない、と制御装置10が判定した場合(S12でNO)を考える。この場合、制御装置10は、バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せを、新たなロット番号及び有効期限の組合せとして上記ロットリストLI1において管理可能か否かを判定する。すなわち、制御装置10は、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限の組合せが最大数(本実施形態では5つ)管理されているか否かを判定する(S13)。
上記ロットリストLI1において管理されているロット番号及び有効期限の組合せが最大数未満である場合、上記ロットリストLI1には、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加可能な空き領域が存在する。そのため、制御装置10は、上記ロットリストLI1においてロット番号及び有効期限の組合せが最大数管理されていないと判定した場合(S13でNO)、バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せを、上記ロットリストLI1に追加する。
本実施形態では、制御装置10は、上記ロットリストLI1において管理されているロット番号及び有効期限の組合せが4つ以下である場合、新たなロット番号及び有効期限の組合せを上記ロットリストLI1に追加可能であると判定する。図38に示す例では、ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せが3つである。そのため、制御装置10は、バーコードリーダ34で読取ったロット番号「0004」及び有効期限「2022年1月」の組合せを、新たなロット番号及び有効期限の組合せとして上記ロットリストLI1に追加する。
なお本実施形態では、ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限の組合せを、ロット番号が小さい順に管理している。そのため、制御装置10は、ロットリストLI1に新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加するときに、当該組合せと、ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せとを比較する。制御装置10は、比較した結果に基づき、ロットリストLI1において、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加する位置を決定する。図38の例では、バーコードリーダ34で読取ったロット番号「0004」は、ロットリストLI1で管理されている何れのロット番号よりも大きい。そのため、制御装置10は、参照番号「4」に、バーコードリーダ34で読取ったロット番号「0004」及び有効期限「2022年1月」の組合せを割り当てている。
S13において、制御装置10は、上記ロットリストLI1においてロット番号及び有効期限の組合せが最大数管理されていると判定した場合(S13でYES)、作業者に対してその旨を通知する。また、制御装置10は、上記ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せのうちの1つを削除するよう作業者に要請する(S14)。上記ロットリストLI1において管理されているロット番号及び有効期限の組合せが最大数である場合、上記ロットリストLI1に新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加可能な空き領域が存在しないため、制御装置10は上記の要請を行う。上記の通知及び要請は、例えば、タッチパネル制御部14が第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31に画像を表示することにより行われる。このとき、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31に上記ロットリストLI1を表示してもよい。これにより、作業者は、表示された上記ロットリストLI1からロット番号及び有効期限の組合せを1つ削除できる。
ここで、作業者は、削除するロット番号及び有効期限の組合せを任意に選択できる。作業者は、例えば、薬剤の充填先となるカセットCa又は収容領域に収容された薬剤に付されたロット番号及び有効期限を確認(目検)した後に、削除するロット番号及び有効期限の組合せを決定してよい。例えば、作業者は、確認した結果、カセットCa又は収容領域において欠品となった薬剤のロット番号及び有効期限を特定できた場合、そのロット番号及び有効期限の組合せを削除対象として決定してよい。作業者は、収容されている薬剤のロット番号及び有効期限の組合せを上記ロットリストLI1から削除することも可能である。但しこの場合、作業者は、当該薬剤を、カセットCa又は収容領域から取出す。
作業者が、表示された上記ロットリストLI1からロット番号及び有効期限の組合せを1つ削除した場合、制御装置10は、記憶部15で管理している上記ロットリストLI1から当該組合せを削除する。すなわち、制御装置10は、ユーザ入力に従って、上記ロットリストLI1から当該組合せを削除する(S15)。これにより、上記ロットリストLI1に、新たなロット番号及び有効期限の組合せを追加可能な空き領域が生成される。S15の処理後、制御装置10は、バーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せを、上記ロットリストLI1に追加する(S16)。
ここで、作業者がカセットCa又は収容領域に薬剤を充填する場合、制御装置10は、当該薬剤からバーコードリーダ34で読取ったロット番号及び有効期限の組合せを、ロットリストLI1において管理する必要がある。本実施形態では、上述のように、ロットリストLI1でロット番号及び有効期限の組合せが最大数管理されている場合、制御装置10は、ユーザ入力に基づき、ロットリストLI1からロット番号及び有効期限の組合せを1つ削除する。そのため、制御装置10は、ロットリストLI1でロット番号及び有効期限の組合せが最大数管理されている場合であっても、新たに充填される薬剤のロット番号及び有効期限の組合せを、当該ロットリストLI1において管理可能とすることができる。
なお、ロットリストLI1でロット番号及び有効期限の組合せが最大数管理されている場合、制御装置10が、ロットリストLI1から当該組合せの何れか1つを自動的に選択し、新たなロット番号及び有効期限の組合せを上書きする処理を行うことも考えられる。しかしこの場合、作業者が、カセットCa又は収容領域に収容された薬剤に付されたロット番号及び有効期限を確認することなく、上記上書き処理が行われる。そのため、実際にはカセットCa又は収容領域に収容されている薬剤のロット番号及び有効期限であるにもかかわらず、ロットリストLI1から当該ロット番号及び有効期限が削除されてしまう可能性もあり得る。カセットCa又は収容領域に収容されている薬剤のロット番号及び有効期限がロットリストLI1から削除された場合、薬剤師等が薬剤の払出元を特定できない可能性がある。
そのため、制御装置10は、上述したように、ロットリストLI1からロット番号及び有効期限の組合せを削除する場合、作業者に削除対象とする組合せを選択させる。これにより、作業者にカセットCa又は収容領域における薬剤の収容状況を確認させた後に、ロットリストLI1からロット番号及び有効期限の組合せを削除できるので、ロットリストLI1の情報を実際の薬剤の収容状況に対応させることが可能となる。
図39に示す例では、上記ロットリストLI1にロット番号及び有効期限の組合せが5つ記憶されているため、制御装置10は、上記の通知及び要請を行うための画像を、第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31に表示する。作業者は、新たなロット番号及び有効期限の組合せを上記ロットリストLI1に記憶させるために、当該ロットリストLI1で管理されているロット番号及び有効期限の組合せの1つを削除する。ここでは、作業者は、ロット番号「0001」及び有効期限「2021年10月」の組合せを選択し、確認ボタン3305、確認ボタン3506、又は充填ボタン3602に触れる。これにより、制御装置10は、上記ロットリストLI1からロット番号「0001」及び有効期限「2021年10月」の組合せを削除して、上記ロットリストLI1を、新たなロット番号及び有効期限の組合せが追加入力可能な状態とする。制御装置10は、空き領域を生成した上記ロットリストLI1に、バーコードリーダ34で読取ったロット番号「0006」及び有効期限「2022年4月」の組合せを、新たなロット番号及び有効期限の組合せとして追加する。
<欠品時のロットリスト管理>
制御装置10において、以下の削除モードが設定可能であってもよい。削除モードは、カセットCa又は収容領域における薬剤の収容数が0となった場合に(カセットCa又は収容領域が欠品状態となった場合に)、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を全て削除するモードである。制御装置10において削除モードが設定されている場合、制御装置10は、カセットCa又は収容領域が欠品状態となったときに、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を全て削除する。削除モードは、ユーザ入力により設定又は解除できる。
制御装置10において、以下の削除モードが設定可能であってもよい。削除モードは、カセットCa又は収容領域における薬剤の収容数が0となった場合に(カセットCa又は収容領域が欠品状態となった場合に)、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を全て削除するモードである。制御装置10において削除モードが設定されている場合、制御装置10は、カセットCa又は収容領域が欠品状態となったときに、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を全て削除する。削除モードは、ユーザ入力により設定又は解除できる。
カセットCa又は収容領域が欠品状態となった場合、カセットCa又は収容領域に薬剤が存在しないため、ロットリストLI1においても、管理すべきロット番号及び有効期限が存在しない。そのため、制御装置10は、カセットCa又は収容領域が欠品状態となった場合に、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を自動的に全て削除する。これにより、欠品状態となった場合に、作業者に、ロットリストLI1で管理する情報の確認を行わせることなく、ロットリストLI1を、欠品状態を反映した状態とすることができる。
一方、制御装置10において削除モードが設定されていない場合、制御装置10は、カセットCa又は収容領域が欠品状態となったときであっても、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を削除せず、そのまま維持する。作業者は、例えば、制御装置10による欠品状態となったことを示す通知を契機として、上記ロットリストLI1の情報の削除可否を判断する。
ここで、実施形態1で説明したように、ドラッグステーション1では、制御装置10は、薬剤載置台37に載置された薬剤の数を、当該薬剤を撮像した画像に基づき計数する。また、制御装置10は、トレイ載置台38に載置された薬剤の数を、当該薬剤を計量した結果に基づき計数する。制御装置10は、その計数結果がカセットCa又は収容領域から取出された薬剤の数を示すものとして、薬剤を取出した後のカセットCa又は収容領域に収容されている薬剤の数を管理できる。また、制御装置10は、カセットCa又は収容領域に薬剤が充填されるときに作業者により入力される充填数を、充填前のカセットCa又は収容領域に収容されている薬剤の数に加算することにより、充填後のカセットCa又は収容領域に収容されている薬剤の数を管理できる。
このように、制御装置10は、現状の収容数から取出数を減算、又は現状の収容数に充填数を加算することにより、カセットCa又は収容領域に収容されている薬剤の数を推定しているといえる。すなわち、カセットCa又は収容領域内の薬剤を検出する検出部(例:撮像部)を設け、制御装置10が、当該検出部の検出結果を解析して、当該カセットCa又は収容領域内の薬剤の数を管理しているわけではない。換言すれば、制御装置10は、実際に収容されている薬剤の数を直接計数しているわけではない。従って、例えば、作業者が、取出すぎた薬剤を元のカセットCa又は収容領域に戻さなかった場合、又は、作業者が、実際の充填数とは異なる数を入力した場合には、実際の収容数と、制御装置10が管理している収容数とが相違する可能性が多少なりとも存在する。ユーザによっては、この可能性に留意し、欠品時の自動削除を希望しない場合もある。
そのため、ユーザ入力に基づき削除モードが設定されている場合に限り、制御装置10は、カセットCa又は収容領域が欠品状態となった場合に、当該カセットCa又は収容領域に対応するロットリストLI1の情報を自動的に削除する。
<ロット番号及び有効期限について>
なお本実施形態では、ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限が管理されるものとして説明したが、これに限られない。ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限の何れか一方が管理されてもよい。すなわち、ロットリストLI1からの削除対象、ロットリストLI1への追加対象は、ロット番号及び有効期限の何れか一方であってもよい。
なお本実施形態では、ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限が管理されるものとして説明したが、これに限られない。ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限の何れか一方が管理されてもよい。すなわち、ロットリストLI1からの削除対象、ロットリストLI1への追加対象は、ロット番号及び有効期限の何れか一方であってもよい。
また、制御装置10は、取得したロット番号から有効期限を算出するか、取得した有効期限からロット番号を算出することにより、ロットリストLI1において、ロット番号及び有効期限の組合せを管理してもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
ドラッグステーション1の制御装置10が備える制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。また、払出制御装置800の制御部801が備える制御ブロックは、集積回路等に形成された論理回路によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
ドラッグステーション1の制御装置10が備える制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。また、払出制御装置800の制御部801が備える制御ブロックは、集積回路等に形成された論理回路によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、ドラッグステーション1、及び払出制御装置800は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 ドラッグステーション(薬剤払出装置)
3 ピッキングユニット(薬剤取扱装置)
21 カセット棚
22 本体カセット移送部(カセット移送部)
32 薬剤授受部
32a 第1薬剤授受部
32b 第2薬剤授受部
35a 第1ピッキングカセット移送部(第1カセット移送部)
351 第1カセット把持部(第1カセット移送部)
352 第1カセット移送機構(第1カセット移送部)
35b 第2ピッキングカセット移送部(第2カセット移送部)
355 第2カセット把持部(第2カセット移送部)
356 第2カセット移送機構(第2カセット移送部)
41 カセット授受部(引出部)
35 ピッキングカセット移送部(カセット移送部)
112 本体カセット移送制御部(移送制御部)
321 開口部
322 シャッター(開閉部)
Ar1 開口領域
Ca カセット
MDA~MDE 薬剤
3 ピッキングユニット(薬剤取扱装置)
21 カセット棚
22 本体カセット移送部(カセット移送部)
32 薬剤授受部
32a 第1薬剤授受部
32b 第2薬剤授受部
35a 第1ピッキングカセット移送部(第1カセット移送部)
351 第1カセット把持部(第1カセット移送部)
352 第1カセット移送機構(第1カセット移送部)
35b 第2ピッキングカセット移送部(第2カセット移送部)
355 第2カセット把持部(第2カセット移送部)
356 第2カセット移送機構(第2カセット移送部)
41 カセット授受部(引出部)
35 ピッキングカセット移送部(カセット移送部)
112 本体カセット移送制御部(移送制御部)
321 開口部
322 シャッター(開閉部)
Ar1 開口領域
Ca カセット
MDA~MDE 薬剤
Claims (8)
- 薬剤取扱装置であって、
薬剤が収容されるカセットから前記薬剤を取出すこと、又は前記カセットに前記薬剤を投入することが可能な薬剤授受部と、
前記薬剤取扱装置から前記カセットを取出す、又は前記薬剤取扱装置に前記カセットを投入することが可能なカセット授受部と、
前記薬剤授受部及び前記カセット授受部の少なくとも一方と、前記カセットを複数個保管可能なカセット棚との間で、前記カセットを移送するカセット移送部と、を備える、薬剤取扱装置。 - 前記薬剤授受部は、
前記薬剤の取出し又は投入を可能とする開口部と、
前記開口部を開閉する開閉部と、を備え、
前記開閉部が開状態となることにより前記開口部に形成される開口領域における所定方向の長さは、前記薬剤授受部に移送された状態のカセットを平面視したときの前記カセットにおいて前記所定方向の長さに対応する長さよりも小さい、請求項1に記載の薬剤取扱装置。 - 前記カセット授受部は、前記薬剤取扱装置の前面部に、引出部として設けられている、請求項1又は2に記載の薬剤取扱装置。
- 前記カセット移送部は、前記薬剤授受部及び前記カセット授受部に対して共通に設けられている、請求項1から3の何れか1項に記載の薬剤取扱装置。
- 前記薬剤授受部は、
処方データに基づく払出対象の薬剤が収容されるカセットが移送される第1薬剤授受部と、
前記第1薬剤授受部に移送されるカセット以外のカセットが移送される第2薬剤授受部と、を備え、
前記カセット移送部は、
前記第1薬剤授受部に対応して設けられた第1カセット移送部と、
前記第2薬剤授受部に対応して設けられた第2カセット移送部と、を備え、
前記カセット授受部は、前記第2カセット移送部に対応して設けられている、請求項4に記載の薬剤取扱装置。 - 複数の薬剤を含む薬剤シートが収容されるカセットから前記薬剤シートの全体若しくはその一部を取出すこと、又は前記カセットに前記薬剤シートの全体若しくはその一部を投入することが可能な薬剤取扱装置と、前記カセットを複数個保管可能なカセット棚と、を備える薬剤払出装置であって、
同種の薬剤を収容対象とする複数のカセットから構成される少なくとも1つのカセット群が前記カセット棚に保管されている状態において、
前記カセット群のうちの1つのカセット群に含まれる複数のカセットに収容された薬剤が取出対象となった場合に、前記1つのカセット群に含まれる複数のカセットのそれぞれにおける収容薬剤数に依らず、前記1つのカセット群に含まれる複数のカセットのうちの2つ以上のカセットを、前記カセット棚から前記薬剤取扱装置に移送する移送制御部、を備える、薬剤払出装置。 - 前記移送制御部は、前記1つのカセット群に含まれる1つのカセットから取出すべき薬剤の数量として指定された指定数が、前記1つのカセット群に含まれる複数のカセットの何れかのカセットに収容された収容薬剤数以下である場合であっても、前記1つのカセット群に含まれる複数のカセットのうちの2つ以上のカセットを、前記カセット棚から前記薬剤取扱装置に移送する、請求項6に記載の薬剤払出装置。
- 前記移送制御部は、前記収容薬剤数から前記指定数を減算した数が1である場合に、前記1つのカセット群に含まれる複数のカセットのうちの2つ以上のカセットを、前記カセット棚から前記薬剤取扱装置に移送する、請求項7に記載の薬剤払出装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021041718 | 2021-03-15 | ||
JP2021041718 | 2021-03-15 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022141563A true JP2022141563A (ja) | 2022-09-29 |
JP2022141563A5 JP2022141563A5 (ja) | 2024-03-27 |
Family
ID=83403012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021085518A Pending JP2022141563A (ja) | 2021-03-15 | 2021-05-20 | 薬剤取扱装置、及び薬剤払出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022141563A (ja) |
-
2021
- 2021-05-20 JP JP2021085518A patent/JP2022141563A/ja active Pending
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