JP6340628B2 - フィンチューブ式熱交換器の洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

フィンチューブ式熱交換器の洗浄方法及び洗浄装置 Download PDF

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Description

本発明は、フィンチューブ式熱交換器における塵埃等の付着物を、短時間で除去することのできるフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法及び洗浄装置に関する。
流体間の熱交換により、流体の加熱又は冷却を行う装置である熱交換器の一種として、フィンチューブ式熱交換器が知られている。図1に示すように、フィンチューブ式熱交換器(以下、単に「熱交換器」と称することもある。)1は、平行に複数並んだ管状の伝熱チューブ2と、チューブ2の外面に多数並べられた板状のフィン3とを備える。熱交換を行う際には、チューブ2に一方の流体を流すとともに、隣り合うフィン3の間に設けられた間隙4に他方の流体を流すことで、流体間の熱交換が行われる。フィンチューブ式熱交換器1は、多数のフィン3によって伝熱面積を増大させることができ、熱交換能に優れている。フィンチューブ式熱交換器1は、特に液体(ガス)と気体との熱交換に適しており、チューブ2に液体を通し、フィン3間の間隙4にガスを通して熱交換が行われる。
フィンチューブ式熱交換器1を長期間使用していると、ガスに接するフィン3の表面(ガス側)に、塵埃等が付着・堆積等して付着物が蓄積される。これにより、フィン3及び伝熱チューブ2を形成する熱伝導率の高い金属材料が、熱伝導率の低い付着物によって被覆されてしまい、熱交換器1の熱伝導効率が低下してしまう。また、付着物の蓄積により、ガス流路の閉塞が引き起こされ、熱交換用ガスの差圧上昇及びこれに伴う熱伝導効率の低下という問題も起こる。よって、安定して熱交換を行うためには、フィンチューブ式熱交換器1のフィン3の表面に溜まった付着物を定期的に清掃し、除去する必要がある。
一方で、フィンチューブ式熱交換器1では、伝熱面積を稼ぐ目的から、間隙4を狭くしてフィン3が多数配置されている。具体的に、隣り合うフィン3とフィン3との距離は、2mm〜10mm程度である。よって、間隙4に溜まった付着物を除去することは容易ではない。
また、熱交換器1の洗浄作業を行う際は、熱交換器1を備えた装置・設備を停止させなければならず、これら装置・設備を早期に運転再開するために、熱交換器1の洗浄時間を短縮することが求められている。以上のような事情から、様々に工夫したフィンチューブ式熱交換器1の洗浄方法が従来行われている。
フィンチューブ式熱交換器のガス側の洗浄方法として、ブラッシング洗浄法、シャワー洗浄法、及び化学洗浄法等が広く知られている。ブラッシング洗浄法は、フィンの表面をブラシで擦って、付着物を除去する方法である。シャワー洗浄法は、高圧水や高圧蒸気等の流体をフィンの表面に向けて噴射し、これら高圧流体の力で付着物を除去する方法である。化学洗浄法は、界面活性剤と酸又はアルカリ等とを含んだ洗浄液をフィンに散布し、洗浄液との化学反応により付着物を溶解、除去する方法である。
その他、フィンチューブ式熱交換器のガス側の洗浄方法を開示した文献として、以下の特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
特許文献1には、フィンに付着したスケールを洗浄助剤に浸漬させた状態で、高圧水等の機械的剥離操作を施す方法が開示されている。
特許文献2には、フィンプレート付熱交換器を洗浄タンク中の洗浄液に浸漬させた状態で、水中ポンプを洗浄タンクの長手方向両端に対向状態で設置し、これら水中ポンプからの吐出によって形成した上昇液流を用いて、洗浄時間を短縮しようとする方法が開示されている。
特開昭54−8207号公報 特開2002−98497号公報
前述したように、フィンチューブ式熱交換器は、フィン間の間隙が非常に狭いことに加えて、伝熱チューブ2が平面視で千鳥状に配置されている。これにより、前述のブラッシング洗浄法を用いても、熱交換器1の内側までブラシが到達できず、実際に付着物を除去できるのは熱交換器1の外面近傍に限られ、フィンの内側の付着物はほとんど除去することができないという問題がある。
前述のシャワー洗浄法では、高圧の流体がフィンの内側まで到達することができるが、高圧流体によってフィン自体が変形・破損してしまうという問題が発生しうる。尚、前述の特許文献1においても高圧水を用いる際に、フィンの変形・破損を生じうるという問題が生じうる。
前述の化学洗浄法では、熱交換器の内部までフィンを破損せずに洗浄することが可能であるが、洗浄を完了するまでに多大な時間を要するという問題がある。
前述の特許文献2では、熱交換器の長手方向中央部では上昇液流によって付着物を除去しやすいが、長手方向端部では上昇液流が起こりにくく付着物が除去されにくいという問題がある。また、特許文献2に開示された方法では、フィンの内側まで十分に付着物を除去するまでに、多大な浸漬時間を要するという問題もある。
本発明は、前記問題点を解決し、フィンの変形・破損を起こさず、短時間でフィンの内側まで付着物を除去することのできるフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法及び洗浄装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
[1]洗浄槽内の洗浄液に、フィンチューブ式熱交換器を浸漬させ、フィンチューブ式熱交換器の下方より、フィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って気泡を発生させ、洗浄槽内の洗浄液を攪拌し、洗浄槽内の洗浄液を加熱することを特徴とするフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法。
[2]洗浄液の温度は、40℃以上であることを特徴とする前記[1]に記載のフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法。
[3]前記気泡は、前記洗浄槽の底部において、洗浄槽の底部において、フィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って設けられた散気管における散気孔から発生させられることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載のフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法。
[4]フィンチューブ式熱交換器を洗浄液に浸漬させる洗浄槽と、洗浄槽の底部においてフィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って配置され、かつ気泡を洗浄液に供給する散気孔を備えた散気管と、洗浄槽内の洗浄液を攪拌する攪拌手段と、洗浄槽内の洗浄液を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とするフィンチューブ式熱交換機の洗浄装置。
本発明によって、フィンの変形及び損傷を生じさせることなく、短時間でフィンの内側まで付着物を除去することができる。
図1は、フィンチューブ式熱交換器の斜視図である。 図2は、フィンチューブ式熱交換器における付着物の付着態様を示す説明図である。 図3は、フィンチューブ式熱交換器を洗浄する態様を示す側面図である。 図4は、図3のA−A断面図である。 図5は、実施例におけるフィンチューブ式熱交換器の洗浄時の機器平面図である。
まず、図1を用いて、フィンチューブ式熱交換器について説明する。フィンチューブ式熱交換器1は、互いに平行に配置された複数の板状体のフィン3と、フィン3の平面を垂直に貫通する伝熱チューブ2とを備える。フィン3及び伝熱チューブ2は、通常、金属材料により形成される。例えば、フィン3及び伝熱チューブ2を構成する材料として、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン、及びニッケル・銅合金等が挙げられる。尚、以下では伝熱チューブ2の内側に液体を通し、フィン3の間にガスを通す態様について説明するが、他の流体を通すフィンチューブ式熱交換器1についても同様に本発明を適用することができる。
複数配列されたフィン3の両端部には、フィン3よりも平面積が大きく、周方向に張り出したフランジ板5a、5bが設けられる。一本の伝熱チューブ2は、一方のフランジ板5aにおける開口部から他方のフランジ板5bの近傍まで直線的に延び、他方のフランジ板5bの近傍でUターンして、他方のフランジ板5bの近傍から一方のフランジ板5aにおける別の開口部まで直線的に延びる。例えば、図1における液体の流れを示す矢印のように、フランジ板5aにおける開口部から他方のフランジ板5bへと向けて送られた液体は、フランジ板5bの近傍でUターンして、再びフランジ板5aにおける開口部から取り出される。尚、伝熱チューブ2は、フランジ板5a又はフランジ板5bの近傍で2回以上Uターンする形状を備えていてもよい。また、フランジ板5aから5bへと直線状に伝熱チューブ2を配置し、一方のフランジ板側から他方のフランジ板側へと流体を一方向に流す熱交換器1であってもよい。
フィンチューブ式熱交換器1を冷凍機等の熱交換器として使用する際には、フランジ板5aの開口部と流体供給・排出用の配管とが接続される。これらの配管から伝熱チューブ2へと低温の液体(冷媒)が通され、フィン3の間には高温のガスが通されることで、熱交換によりガスが冷却される。尚、フィンチューブ式熱交換器1の洗浄の際には、予めフランジ板5aを配管等から取り外した後に、熱交換器1を洗浄液に浸漬させる。
フィンチューブ式熱交換器1は、端面がフランジ板5a、5bによって張り出した、略四角柱形状を呈する。熱交換器1のうち、伝熱チューブ2の長手方向をX方向とし、幅方向をY方向とし、高さ方向をZ方向とする。熱交換器1を使用及び洗浄等する際、熱交換器1はX−Y面を底面として載置される。本発明に係る洗浄方法を用いるのに適したフィンチューブ式熱交換器1の大きさとしては、例えば、X方向が4000mm以上5000mm以下で、Y方向が400mm以上900mm以下で、Z方向が500mm以上800mm以下であることが挙げられる。このような大型の熱交換器1では、ブラッシング洗浄法及びシャワー洗浄法等の、作業者による洗浄作業が必要となる洗浄法では過大な時間を要するところ、本発明に係る洗浄方法を用いることで洗浄液に熱交換器1を浸漬したままで短時間のうちに付着物を除去することができる。
フィン3には、複数の伝熱チューブ2が貫通する。伝熱チューブ2の開口部が形成されたフランジ板5aの平面視においては、ある高さに配列された複数の伝熱チューブ2の間に、次の高さの伝熱チューブ2が配列されるように、千鳥状に伝熱チューブ2が配される。
図1のガスの流れの矢印で示すように、隣り合うフィン3とフィン3との間の間隙4に、熱交換用のガスが通される。長期間ガスを通していると、フィン3の表面及びガスに接する伝熱チューブ2の表面には、徐々に付着物が蓄積されていく。
図2を用いて、付着物について説明する。図2(a)はフィン3に平行な面に沿って切断した伝熱チューブ2の断面図であり、図2(b)は図1における熱交換器1をガスの流れの方向から見た平面図である。熱交換器1を使用していると、まず図2(a)のように、伝熱チューブ2を形成する金属の酸化によって発生した錆7aが伝熱チューブ2の外周面に層状に形成される。また、熱交換用ガス中に含まれる塵埃7bが伝熱チューブ2及び錆7aの表面に付着し、蓄積されていく。これら錆7aと塵埃7b等によって付着物7が形成される。尚、付着物7を構成するその他の物質として、カルシウム塩等のスケールや、微生物が集合してなる膜状体等も挙げられる。
図2(b)のように、付着物7は、伝熱チューブ2の外周面だけでなく、フィン3の表面にも形成される。付着物7は伝熱チューブ2やフィン3を形成する金属材料よりも熱伝導率が小さいため、付着物7の付着によって熱交換器1の熱交換能が低下する。また、付着物7の付着量が大きいと、フィン3の間におけるガスの流路が狭まってしまい、通気性の低下及びこれに伴う熱交換能の低下が引き起こされる。
次に、図3及び図4を用いて、付着物7の付着したフィンチューブ式熱交換器1の洗浄方法について説明する。
まず、本発明に係る洗浄方法に用いられる機器の構成について説明する。本発明に係る洗浄方法では、熱交換器1を収容する洗浄槽12、洗浄槽12の底部に設けられた散気管14、及び熱交換器1を嵩上げする架台15が用いられる。
洗浄槽12は、熱交換器1を収容可能な大きさを備える。洗浄槽12は、内側に収容する洗浄液13によっても変質しない材質からなることが好ましい。尚、洗浄槽12の下部には排出弁16が設けられ、排出弁16を介して洗浄槽12内における洗浄後の洗浄液が排出される。
洗浄槽12の底部には、散気管14が設けられる。散気管14は熱交換器1の長手方向に沿って設けられる。すなわち、散気管14は、散気管14の軸線方向と熱交換器1の長手方向とが平行になるように設けられる。散気管14はコンプレッサー(図示せず)等に接続されて、ガスが圧送される。圧送されたガスが洗浄液13中で気泡を発生させることで、洗浄液13には上昇液流が形成され、フィン3の間における薬液の滞留を防ぐとともに、薬液を垂直方向に攪拌して反応むらが生じるのを防ぐことができる。
また、水槽の底部に配置された散気管14の軸線方向長さは、熱交換器1の長手方向長さよりも長くすることが好ましい。これにより、熱交換器1の下部において、長手方向全体に散気管14が配置されるようになり、熱交換器1の長手方向全体に亘って上昇液流を発生させることができるようになる。
1つの熱交換器1の下部に設けられる散気管14の数は、熱交換器の幅方向(Y方向)の長さに応じて変更することができ、熱交換器の幅方向の長さが大きくなれば散気管14の数を増やし、前記幅方向の長さが小さくなれば散気管14の数を減らせばよい。尚、熱交換器1の幅方向に一様に気泡を発生させるためには、例えば、熱交換器1の幅方向に、300mm以下の長さ毎に1本の割合で、散気管14を設けることが好ましい。
尚、散気管14には、圧送ガスを洗浄液12中に放出し、気泡を発生させるための散気孔が設けられる。熱交換器1の長手方向に一様に気泡を発生させるために、散気管14に設ける散気孔間のピッチは、10mm〜300mmであることが好ましい。また、散気孔の孔径の一例として、0.5mm以上5mm以下であることが挙げられる。尚、散気孔は、長手方向に沿って一列だけ設けてもよいし、複数列設けてもよい。
散気管14におけるガス圧送時の圧力損失に関わらず、いずれの散気孔からも一様な数及び大きさの気泡が排出されるように、散気孔の数、大きさ、配列等を調節することが好ましい。例えば、ガス圧送方向の上流側(図3では左側)から下流側(図3では右側)に向かって、散気孔の数を増やしていくことができる。また、散気管14に散気孔が一列だけ設けられる場合には、前記上流側から前記下流側に向かって、徐々に孔の大きさを大きくすることもできる。各散気孔から排出される気泡の数及び大きさ等を一様とすることで、熱交換器1の長手方向において、付着物の除去効率にむらが生じることを防止することができる。
また、散気管14を跨ぐように、架台15が設けられる。架台15は、熱交換器1の長手方向とは垂直方向に延在し、その両端部に足部を有する。洗浄の際には、架台15の上に熱交換器1が載置される。熱交換器1の重量に耐えられる限りにおいて、架台15の個数及び材質等を適宜変更することができる。
さらに、洗浄槽12内の洗浄液13を攪拌する攪拌手段が設けられる。攪拌手段は、洗浄槽12内の洗浄液13を、特に水平方向に攪拌することが好ましい。このような攪拌手段として、例えば水中ポンプ及びホースの組み合わせが挙げられる。水中ポンプで洗浄槽12中の洗浄液13を吸い上げ、ホースの端部開口を水中ポンプと離れた位置まで延ばし、ホースの開口から洗浄液13を放出することで、洗浄槽12中において洗浄液13の攪拌がなされる。
尚、図示していないが、本発明では洗浄槽12内の洗浄液を加熱する加熱手段が設けられる。加熱手段の具体例として、チューブヒーターや高温の蒸気を洗浄液に吹込むことのできる蒸気管等が挙げられる。
次に、本発明に係る洗浄方法の手順について説明する。
本発明に係る洗浄方法を簡単に説明すると、洗浄槽12内における洗浄液13中に熱交換器1を浸漬させ、次いで散気管14による洗浄液13のバブリング、洗浄液13の攪拌、及び洗浄液13の加熱を行う。以下、詳細に説明する。
まず、熱交換器1を洗浄槽12内に予め設置しておいた架台15上に載置する。熱交換器1を載置した後に、洗浄槽12へ洗浄液13を投入し、熱交換器1を洗浄液13にて浸漬させる。尚、予め洗浄液13を溜めた洗浄槽12中に熱交換器1を載置するようにしてもよい。また、開口熱交換器1のフランジ板5aに形成される伝熱チューブ2の開口部は、塞がずにそのままとすることが好ましい。開口部を介して伝熱チューブ2の内側に洗浄液13が浸入することで、伝熱チューブ2の内壁に付着したスケール等を除去することもできる。
洗浄槽12内への洗浄液13の投入量は、後述する洗浄液のバブリング及び攪拌等を行った際にも熱交換器1全体が問題なく洗浄液13に浸漬するだけの量とすればよい。
尚、洗浄作業を行う前に、予め熱交換器1に付着した付着物7の成分を分析しておくことが好ましい。これにより、付着物7を除去するために有効な洗浄液13を選定することができる。洗浄液13としては、塩酸系や硝酸系の酸性洗浄剤、又はアルカリ洗浄剤等の従来公知の洗浄剤を、付着物7の成分に応じて適宜用いることができる。これらの洗浄剤は、副成分として、界面活性剤、分散剤等を含んでいてもよい。
本発明では、熱交換器1の全体を洗浄液13に浸漬させた状態で、洗浄液13のバブリング、洗浄液13の攪拌、及び洗浄液の加熱を行う。
まず、洗浄液13のバブリングについて説明する。散気管14の上流側(図3では紙面左側)からコンプレッサー等を用いて圧送されてきたガス(ブロアガス)は、散気孔から洗浄液13中へと供給され、多数の気泡が水面に向けて上昇する。これにより洗浄液13の上昇液流が形成され、上昇してきた洗浄液13がフィン3の間隙4に浸入することで、フィン3の内側に付着した付着物7が洗浄液13と化学反応を起こして除去される。また、洗浄液13は垂直方向に攪拌されることになる。
次に、洗浄液13の攪拌について説明する。熱交換器を洗浄液に浸漬させている間には、気泡を発生させてもなお、洗浄液の滞留及びこれに伴う薬品濃度の偏り等が生じうる。特に、水平方向にこのような偏りが生じやすい。本発明では、洗浄液を特に水平方向に攪拌することで、このような洗浄液の滞留を防止し、洗浄槽12全体の反応効率を上げることができる。一例として、図3を用いて説明する。図3では、洗浄槽12の長手方向一端の洗浄液13中に水中ポンプ17を設け、該水中ポンプ17に接続されたホース18の端部開口18aを洗浄槽12の長手方向の他端に配置する。水中ポンプ17で汲み上げられた洗浄液13が、長手方向反対側における端部開口18aから洗浄槽12中に戻されることにより、特に滞留の生じやすい長手方向端部での洗浄液13の滞留を防止することができる。また、図示していないものの、幅方向の一端部から洗浄液13を吸い上げ、他端部へと洗浄液13を戻すことで、幅方向端部での洗浄液13の滞留を防止することもできる。
さらに、熱交換器1の浸漬中には、洗浄液13の加熱を行う。洗浄液13の温度が高いほど、洗浄液の粘性が低下してフィン3とフィン3との間の狭い間隙4にも洗浄液13が浸入しやすくなることに加えて、高温条件下では化学反応の速度が向上することにより、付着物7の除去効率が一層上昇する。よって、洗浄液13の温度は40℃以上とすることが好ましい。一方で、洗浄液13の温度を上げすぎると、反応速度が過大となって、金属材料の腐食が進行し、熱交換器の穴あき等の破損を招いてしまうことがある。よって、フィン3の材質、付着物の性状等を調査した上で、熱交換器の破損を招かない程度に、洗浄液13の温度上限を管理することが好ましい。
本発明では、上述の洗浄液のバブリング、洗浄液の攪拌、及び洗浄液の加熱を組み合わせることで、熱交換器1を洗浄液13に浸漬させておく時間を短縮することができる。これにより、熱交換器1の洗浄に伴う装置・設備の停止を最小限にとどめることができる。
本発明では、洗浄液13に熱交換器1を一定時間浸漬させた後に、洗浄作業を終了する。熱交換器1の浸漬時間は、付着物7が可能な限り除去されるとともに、熱交換器1を構成する金属材料が溶出しない程度の時間として調節されることが好ましい。
熱交換器1の浸漬時間を調節する方法の1つとして、洗浄液13のイオン濃度、特に熱交換器1を構成する金属元素のイオン濃度を間欠的又は連続的に監視する方法が挙げられる。洗浄液13に熱交換器1を浸漬させると、当初は付着物7が洗浄液13中へと溶出していき、やがて熱交換器1を構成する金属材料が露出し、この金属材料が洗浄液13中へと溶出するようになる。洗浄液13中の金属イオンの濃度を経時的に測定し、金属イオンの濃度が急増したり、予め定めておいた閾値を金属イオンの濃度が越えたりした場合には、付着物7の除去が一定程度完了したとみなし、洗浄を終了させることができる。また、付着物に含まれる元素について、洗浄液13中のイオン濃度を測定し、このイオン濃度が飽和したところで洗浄を終了することもできる。
また、洗浄液13のpHに注目して、熱交換器1の浸漬時間を調節することもできる。例えば、酸性の洗浄液13を用いる場合、付着物7の溶出が進むにつれて、徐々に洗浄液のpHは中性へと近づいていき、やがて、付着物7と洗浄液13との反応が平衡状態に達すると、pHの変化が鈍化する。pHを経時的に測定・監視し、pHの変化が止まった時点で、系内が平衡状態に達したとみなし、洗浄を終了させることができる。
浸漬時間を調節するその他の方法として、洗浄対象となる熱交換器1のフィン3の一部を切り取ってテストピースとして用いる方法が挙げられる。このテストピースを、熱交換器1と同時に洗浄槽12の洗浄液13中に浸漬させて、熱交換器1を浸漬させている間、経時的にテストピースを洗浄槽12から引き上げてその性状を観察する。テストピースに付着した付着物の溶出が完了し、金属の母材が露出した時点で、熱交換器1における付着物7の除去が一定程度完了したとみなし、洗浄を終了させることができる。尚、テストピースを予め実機の実験条件に近い条件で洗浄液に浸漬させておき、金属の母材が露出する時間を計測しておいて、熱交換器1の洗浄液13への浸漬時間の目処を立てておくこともできる。
次に、洗浄を終了させる際の手順について説明する。まず、洗浄槽12に収容された洗浄液13について、他の薬液を用いて中和等の処理を施し、排出可能な水質とする。次いで、排出弁16を開にし、洗浄槽12中の液を排出する。排出完了後に排出弁16を閉にし、洗浄槽12に水を入れて熱交換器1の水洗を実施する。水洗完了後に、排出弁16を開にして洗浄槽12中の水を排出した後に、熱交換器1を乾燥させる。これにて、熱交換器1の洗浄作業が終了し、付着物7を除去した清浄な熱交換器1が得られる。
図5に示されるように、3つの熱交換器1を洗浄槽12の下部における架台15上に載置し、熱交換器1の洗浄を行った。3つの熱交換器の大きさ及び重量は、以下の表1の通りであった。また、図5に示される一番下側の熱交換器として、表1のNo.1の熱交換器を配置し、熱交換器の下部には、幅方向に均等に3本の散気管14を設けた。それぞれの熱交換器1のフィンは無酸素銅、伝熱チューブはキュプロ・ニッケルで構成されていた。散気管14の上部には、2mm程度の径の散気孔を100mm程度の間隔で複数、2列に設け、気泡を発生させた。散気管14には、約7kg/cm、300m/minの圧縮空気をコンプレッサーによって圧入し、発生した気泡が各熱交換器1の底部に均一に当たるように調節した。また、水中ポンプ12を6台、洗浄槽12の長手方向一端部の洗浄液中に設け、それぞれの水中ポンプ12から6本のホース18を伸ばし、ホース18の端部開口18aを洗浄槽の長手方向他端部に配置し、長手方向に沿って洗浄液が循環するようにした。廃蒸気を洗浄液内に吹き込み、洗浄液の温度を50℃に維持した。使用した化学薬品は、予め成分分析した付着物(C:13.35%、O:24.70%、Mg:0.87%、Al:0.90%、Si:2.21%、S:5.82%、Cl:1.15%、K:0.78%、Ca:4.70%、Fe:6.72%、及びCu:38.59%、いずれも質量%)を剥離する効果のある洗浄液として、蟻酸、カルボン酸等を主成分とするpH:2.3の薬液を使用した。
尚、浸漬時間は、フィンの一部を切り取ったテストピースを洗浄液中に浸漬させることにより行った。テストピースの付着物が除去されて金属材料が全面に露出した際を、洗浄終了時点とした。
実験の結果、3日間の洗浄液への浸漬で熱交換器1の洗浄が完了した。洗浄前の熱交換器1は付着物により灰色を呈していたが、洗浄後には地金である無酸素銅(フィン)、及びキュプロ・ニッケル(チューブ)の光沢が観察されるに到った。尚、同様の洗浄液に熱交換器を浸漬させるだけの従来法では、洗浄に6日間を必要としていた。これにより、本発明に係る洗浄方法を適用することで、熱交換器の洗浄に要する期間を短縮できることが示された。
Figure 0006340628
1 フィンチューブ式熱交換器
2 伝熱チューブ
3 フィン
4 間隙
5a、5b フランジ板
7 付着物
7a 錆
7b 塵埃
12 洗浄槽
13 洗浄液
14 散気管
15 架台
16 排出弁
17 水中ポンプ
18 ホース
18a 端部開口

Claims (5)

  1. 洗浄槽内の洗浄液に、フィンチューブ式熱交換器を浸漬させ、
    フィンチューブ式熱交換器の下方より、フィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って気泡を発生させ、
    洗浄槽内の洗浄液を垂直方向に攪拌し、
    さらに、洗浄槽の長手方向の一端部から他端部に洗浄液を循環させて洗浄槽内の洗浄液を水平方向に撹拌し、
    洗浄槽内の洗浄液を加熱することを特徴とするフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法。
  2. 洗浄液の温度は、40℃以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法。
  3. 前記気泡は、洗浄槽の底部において、フィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って平行に設けられた散気管における散気孔から発生させられることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィンチューブ式熱交換器の洗浄方法。
  4. フィンチューブ式熱交換器を洗浄液に浸漬させる洗浄槽と、
    洗浄槽の底部においてフィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って配置され、かつ気泡を洗浄液に垂直方向に供給する散気孔を備えた散気管と、
    洗浄槽の長手方向の一端部から他端部に洗浄液を循環させて洗浄槽内の洗浄液を水平方向に攪拌する攪拌手段と、
    洗浄槽内の洗浄液を加熱する加熱手段と、を有することを特徴とするフィンチューブ式熱交換の洗浄装置。
  5. 前記散気管は、フィンチューブ式熱交換器の長手方向に沿って、平行に配置されたことを特徴とする請求項4に記載のフィンチューブ式熱交換器の洗浄装置。
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