JP6340306B2 - 繊維強化複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂発泡体と、該樹脂発泡体の表面に積層された繊維強化樹脂層とを備えた繊維強化複合体に関する。
従来、樹脂発泡体は、軽量性に優れるばかりでなく、強度、緩衝性、断熱性などに優れることから各種の用途に利用されている。
この樹脂発泡体としては、発泡剤を含む樹脂組成物をサーキュラーダイから押出発泡させた発泡シートや、該発泡シートを熱成形等の手法で賦形したシート成形体や、発泡剤を含む樹脂ビーズを型内成形して所定形状に賦形したビーズ発泡成形体などが知られている。
近年、繊維と樹脂とを含む繊維強化樹脂層を樹脂発泡体の表面に積層し、該繊維強化樹脂層によって高い強度を発揮させるようにした繊維強化複合体が、車両、船舶、航空機などの移動体のボディーや内装材、風力発電用の風車の翼、電子機器の筺体などに利用されている。
この繊維強化複合体の繊維強化樹脂層の形成には、下記特許文献1に記載されているように短繊維を含んだ樹脂組成物が利用されている。
特開2011−224873号公報
上記のような繊維強化複合体は、繊維強化樹脂層と樹脂発泡体との間に優れた接着強度を有することが要望されている。
しかしながら、従来の繊維強化複合体は、そのような要望を十分に満足させるに至っていない。
本発明は、このような問題を解決することを課題としており、繊維強化樹脂層と樹脂発泡体との間の接着性に優れた繊維強化複合体を提供することを課題としている。
上記課題を解決すべく、本発明は、樹脂発泡体と、該樹脂発泡体の表面に積層された繊維強化樹脂層とを備えた繊維強化複合体であって、前記繊維強化樹脂層が短繊維を含む樹脂組成物で形成されており、且つ、前記樹脂発泡体は、前記繊維強化樹脂層が積層されている表面に50μm以上700μm以下の凹凸を有している繊維強化複合体を提供する。
本発明によれば、繊維強化樹脂層と樹脂発泡体との間の接着性に優れた繊維強化複合体が提供され得る。
一態様の繊維強化複合体を示した概略斜視図である。 型内成形用の樹脂ビーズの製造装置の一例を示した模式断面図である。 図2の装置のマルチノズル金型を正面から見た模式図である。 繊維強化複合体の製造要領を示した模式断面図である。 樹脂発泡体の表面の凹凸を測定する方法を示した模式断面図である。
本発明の実施の形態について、繊維強化複合体が扁平な直方体である場合を例にして以下に説明する。
本実施形態の繊維強化複合体は、図1に示すように扁平な直方体の芯材100と該芯材100の上下両面に積層された繊維強化樹脂層200とを備えている。
前記繊維強化複合体は、前記芯材1が樹脂発泡体からなり、前記繊維強化樹脂層が短繊維を含む樹脂組成物からなるものである。
前記繊維強化複合体は、前記樹脂発泡体が繊維強化樹脂層との積層界面において50μm以上700μm以下の凹凸を有している。
以下に前記芯材を構成するための樹脂発泡体について説明する。
前記樹脂発泡体は、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリルイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエステル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂などの反応硬化性樹脂を主成分とするものが含むものが挙げられる。
前記樹脂発泡体に含有させる樹脂は、1種単独である必要はなく、二種類以上であっても良い。
前記樹脂発泡体の主成分となる樹脂は、作製する繊維強化複合体に優れた機械的強度及び衝撃吸収性を発揮させる上においてアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
なかでも樹脂発泡体に含まれる熱可塑性樹脂は、成形工程において、樹脂発泡体の結晶化度を上昇させて耐熱性を有する芯材とすることができるので、結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
なお、ここで「主成分」とは、樹脂発泡体に最も高い質量割合で含まれる樹脂を意味する。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸と多価アルコールとが、縮合反応を行った結果得られた高分子量の線状ポリエステルを採用することができる。
該ポリエステル樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸系樹脂などの脂肪族ポリエステル樹脂が挙げられる。
芳香族ポリエステル樹脂は、通常、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分とを含むポリエステルであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂などが挙げられる。
本実施形態の樹脂発泡体に含有させる芳香族ポリエステル樹脂は、ポリエチレンテレフタレート樹脂であることが好ましい。
なお、芳香族ポリエステル樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸成分及びジオール成分以外に、例えば、トリメリット酸などのトリカルボン酸、ピロメリット酸などのテトラカルボン酸などの三価以上の多価カルボン酸やその無水物、グリセリンなどのトリオール、ペンタエリスリトールなどのテトラオールなどの三価以上の多価アルコールなどを構成成分として含有していてもよい。
また、樹脂発泡体に含有させる芳香族ポリエステル樹脂は、使用済のペットボトルなどから回収、再生したリサイクル材料でもよい。
樹脂発泡体に含有させる芳香族ポリエステル樹脂は、部分架橋が施されていても良い。
ポリエチレンテレフタレート樹脂などの芳香族ポリエステル樹脂を架橋するための架橋剤としては、例えば、無水ピロメリット酸などの酸二無水物、多官能エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物などが挙げられる。
なお、架橋剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂を架橋剤によって架橋する場合には、押出機にポリエチレンテレフタレート樹脂と共に架橋剤を供給し該押出機内で動的架橋すればよい。
押出機に供給する架橋剤の量は、少なすぎると、ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶融粘度を不足させるおそれがある。
即ち、架橋剤の量が少なすぎると架橋後のポリエチレンテレフタレート樹脂の溶融粘度が低すぎて樹脂発泡体の形成時において破泡が生じ易くなるおそれがある。
一方で、架橋剤の量が多すぎると、ポリエチレンテレフタレート樹脂の溶融粘度が高くなりすぎて、樹脂発泡体を押出発泡によって製造することが困難になるおそれがある。
従って、前記芯材を構成するための樹脂発泡体のベース樹脂を架橋ポリエチレンテレフタレート樹脂とする場合、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して架橋剤を0.01〜5質量部の割合で用いて架橋させたものを採用することが好ましい。
また、前記割合は、0.1〜1質量部であることがより好ましい。
樹脂発泡体は、その見掛け密度が0.01〜0.7g/cmであることが好ましく、0.03〜0.7g/cmであることがより好ましい。
なお、樹脂発泡体の密度は、JIS K7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の測定」に準拠して測定される値をいう。
樹脂発泡体は、その連続気泡率が30%未満であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、10%以下であることが特に好ましい。
ここで、樹脂発泡体の連続気泡率はASTM D−2856に記載の測定方法に準拠して下記の要領で測定される値をいう。
先ず、樹脂発泡体の見掛け上の体積を測って見掛け体積V(cm)とする。
次に、樹脂発泡体の実際試料体積V(cm)を体積測定空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定する。
なお、体積測定空気比較式比重計は、例えば、東京サイエンス社から商品名「1000型」にて市販されているものを用いることができる。
そして、樹脂発泡体の見掛け体積V(cm)と、樹脂発泡体の実際試料体積V(cm)に基づいて下記式により発泡体の連続気泡率を算出することができる。
連続気泡率(%)=100×(V−V)/V
樹脂発泡体は、その製造方法が、特に限定されることなく、公知の製造方法を用いることができる。
具体的には、樹脂発泡体の製造方法としては、例えば、(1)発泡剤を含む樹脂ビーズを成形型内に充填し、熱水や水蒸気などの熱媒体によって樹脂ビーズを加熱して発泡させ、樹脂ビーズの発泡圧によって当該樹脂ビーズどうしを融着一体化させて所望形状を有するビーズ発泡成形体を製造する方法(型内発泡成形法)、(2)熱可塑性樹脂を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練し押出機から押出発泡させて樹脂発泡体を製造する方法(押出発泡法)、(3)熱可塑性樹脂及び化学発泡剤を押出機に供給して化学発泡剤の分解温度未満にて溶融混練して発泡性樹脂成形体を製造し、この発泡性樹脂成形体を発泡させて樹脂発泡体を製造する方法、(4)化学発泡剤を含有した塊状重合体を製造した後、加熱発泡させて樹脂発泡体を製造する方法(バルク発泡法)、(5)ミキシングヘッドなどで単量体と発泡剤とを混ぜて混合物を作製した後、混合物を吐出し重合させながら発泡を行い、型内に混合物を注入し発泡体を製造し、重合反応、発泡工程が終了した後、型から取出して樹脂発泡体を製造する方法などが挙げられる。
これらのなかでも樹脂発泡体の製造方法は、所望形状のものを容易に製造することができることから、上記(1)の型内発泡成形法が好ましい。
上記(1)の型内発泡成形法で用いられる樹脂ビーズの製造方法としては、(1)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から熱可塑性樹脂押出物を押出発泡させながら切断した後に冷却する方法、(2)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けたノズル金型から押出発泡してストランドを製造し、このストランドを所定間隔毎に切断する方法、(3)熱可塑性樹脂を押出機内に供給して物理発泡剤の存在下にて溶融混練して押出機に取り付けた環状ダイ又はTダイから押出発泡して発泡シートを製造し、この発泡シートを切断する方法、(4)懸濁重合などで熱可塑性樹脂粒子を作製し、オートクレーブなどで発泡剤を含浸させた後、水蒸気などの熱媒体を供給できる予備発泡機を用いて予備発泡させる方法などが挙げられる。
次に、樹脂ビーズの好ましい製造方法の一例について説明する。
先ず、熱可塑性樹脂発泡粒子を押出発泡で製造する場合に用いられる製造装置の一例について図を参照しつつ説明する。
ここで、図2は、発泡剤を含むポリエステル系樹脂ビーズを、押出機と、該押出機の前端に取り付けられたノズル金型1とを用いて作製する様子を示したものである。
図3に示したように、ノズル金型1の前端面10には、ノズルの出口部11、11・・・が複数個、同一仮想円A上に等間隔毎に形成されている。
そして、ノズル金型1の前端面10におけるノズルの出口部11、11・・・で囲まれた部分には、回転軸2が前方に向かって突出した状態に配設されており、この回転軸2は、後述する冷却部材4を構成する冷却ドラム41の前部41aを貫通してモータなどの駆動部材3に連結されている。
更に、上記回転軸2の後端部の外周面には一枚又は複数枚の回転刃5、5・・・が一体的に設けられており、全ての回転刃5は、その回転時には、ノズル金型1の前端面10に常時、接触した状態となる。
なお、回転軸2に複数枚の回転刃5、5・・・が一体的に設けられている場合には、複数枚の回転刃5、5・・・は回転軸2の周方向に等間隔毎に配列されている。
又、図3では、一例として、四個の回転刃5、5・・・を回転軸2の外周面に一体的に設けた場合を示した。
そして、回転軸2が回転することによって回転刃5、5・・・は、ノズル金型1の前端面10に常時、接触しながら、ノズルの出口部11、11・・・が形成されている仮想円A上を移動し、ノズルの出口部11、11・・・から押出されたポリエステル系樹脂押出発泡物を順次、連続的に切断可能に構成されている。
又、ノズル金型1の少なくとも前端部と、回転軸2とを包囲するように冷却部材4が配設されている。
この冷却部材4は、ノズル金型1よりも大径な正面円形状の前部41aと、この前部41aの外周縁から後方に向かって延設された円筒状の周壁部41bとを有する有底円筒状の冷却ドラム41とを備えている。
更に、冷却部材4は、冷却ドラム41の周壁部41bにおけるノズル金型1の外方に対応する部分に、冷却液42を供給するための供給口41cが備えられており、周壁部41bの内外周面間に亘って貫通した状態となって前記供給口41cが備えられている。
冷却ドラム41の供給口41cの外側開口部は、冷却液42を冷却ドラム41内に供給するための供給管41dが接続されている。
冷却部材4は、冷却液42が、供給管41dを通じて、冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に沿って斜め前方に向かって供給されるように構成されている。
そして、冷却部材4は、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給される際に与えられる付勢力と、それに伴う遠心力とによって、冷却液42が冷却ドラム41の周壁部41b内周面に沿って螺旋を描いて前方に進むように形成されている。
そして、冷却部材4は、冷却液42が周壁部41bの内周面に沿って進行中に徐々に進行方向に直交する方向に広がり、その結果、冷却ドラム41の供給口41cより前方の周壁部41bの内周面が冷却液42によって全面的に被覆された状態となるように構成されている。
なお、冷却液42としては、ポリエステル系樹脂発泡粒子を冷却することができれば、特に限定されず、例えば、水、アルコールなどが挙げられるが、使用後の処理を考慮すると、水が好ましい。
そして、冷却部材4は、冷却ドラム41の周壁部41bの前端部下面に排出口41eが備えられており、周壁部41bの内外周面間に亘って貫通した状態となるように前記排出口41eが備えられている。
排出口41eの外側開口部には排出管41fが接続されている。
ポリエステル系樹脂発泡粒子及び冷却液42を連続的に排出口41eを通じて排出できるように構成されている。
熱可塑性樹脂と、好ましくは架橋剤とを押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練して熱可塑性樹脂を好ましくは架橋剤によって架橋した後、押出機の前端に取り付けたノズル金型1から熱可塑性樹脂を押出発泡させて得られた押出発泡物を回転刃5によって切断し熱可塑性樹脂粒子を製造することができる。
このとき用いられ得る前記化学発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
なお、化学発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
また、前記物理発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。
なお、物理発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
上記のような樹脂発泡体に対し、前記のような凹凸を表面に形成させる方法としては、例えば、(1)表面が平滑な樹脂発泡体を一旦作製し、その後、この樹脂発泡体の表面に凹凸形成する方法、(2)樹脂発泡体がビーズ発泡成形体やシート成形体である場合、成形面に凹凸を有する成形型を用いて賦形を行い、成形面の凹凸に対応した表面を有する樹脂発泡体を作製する方法などが挙げられる。
このうち、一旦作製した樹脂発泡体の表面を後から粗化する方法について、具体例を挙げると、例えば、(1)サンドブラスト、ショットブラストなどの方法、(2)樹脂発泡体の表面を加熱し、表面を形成している気泡を膨化させるなどの熱処理、(3)樹脂発泡体の表面被膜を切削除去するなどして表面を破泡状態にさせる方法が挙げられる。
樹脂発泡体の表面の凹凸は、繊維強化樹脂層との間にアンカー効果を発揮させ、当該樹脂発泡体と繊維強化樹脂層との間に優れた接着性を発揮させる上において適度な大きさを有していることが好ましい。
このことから当該凹凸は、本実施形態において50μm以上700μm以下の大きさを有している。
前記のように本実施形態の繊維強化樹脂層200は、樹脂発泡体からなる芯材100の上下両面に備えられている。
該樹脂発泡体は、上面側の繊維強化樹脂層200aと下面側の繊維強化樹脂層200bとの両方の界面において凹凸の大きさを共通させる必要はなく、上面側と下面側とで凹凸の大きさを異ならせていてもよい。
また、本実施形態の樹脂発泡体は、上面側の凹凸と下面側の凹凸との両方が50μm以上700μm以下の大きさを有していることが好ましい。
本実施形態の樹脂発泡体は、より好ましくは、上面側の凹凸と下面側の凹凸との両方が100μm以上600μm以下であり、さらに好ましくはこれらが200μm以上600μm以下である。
なお、繊維強化樹脂層が積層されている樹脂発泡体の表面の凹凸は、芯材100と繊維強化樹脂層200との積層界面に対して直交する平面に沿って繊維強化複合体を切断し、その断面をマイクロスコープ(例えば、キーエンス社製、型名「VHX−1000」)によって観察することによって求めることができる。
この点について図5を参照しつつより詳しく説明すると、樹脂発泡体の表面の凹凸(X)の値は、繊維強化樹脂層200との積層界面と平行するベースライン(BL)を設定して求めることができる。
即ち、ベースライン(BL)を、当該積層界面が前記断面において描くうねり曲線(CL)と並行し、且つ、うねり曲線に交差する任意の位置に設定し、該ベースラインから表面側(繊維強化樹脂層側)に向けてのうねり曲線の最大高さ(Y1)と、該ベースラインから内側(樹脂発泡体側)に向けてのうねり曲線の最大深さ(Y2)とを合計(X=Y1+Y2)して求めることができる。
なお、繊維強化複合体における前記凹凸は、通常、当該繊維強化複合体の複数箇所(例えば、5箇所)において凹凸を求めた算術平均値として求められる。
また、各箇所において最大高さ(Y1)及び最大深さ(Y2)を求める範囲は、通常、10mm程度とする。
このような樹脂発泡体の表面に積層された前記繊維強化樹脂層200は、含有される短繊維が特に限定されるものではなく、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、チラノ繊維、玄武岩繊維、セラミックス繊維などの無機繊維;ステンレス繊維やスチール繊維などの金属繊維;アラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサドール(PBO)繊維などの有機繊維;ボロン繊維などが挙げられる。
なかでも繊維強化樹脂層200に含有される短繊維は、優れた機械的強度及び耐熱性を有していることから、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましく、炭素繊維、ガラス繊維がより好ましい。
短繊維は、繊維径が細過ぎると、取り扱い性に劣り、また、一般に極細の炭素繊維は高コストであるため、製品コストを押し上げる原因となる。
また、短繊維の繊維径が太過ぎると、繊維強度が低下し、折れ易くなるため、好ましくない。
このようなことから、前記短繊維は、径が3μm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上12μm以下であることが好ましい。
また、短繊維は、その長さが短か過ぎると、繊維強化樹脂層に十分な強度を発揮させることが難しくなり、長さが長過ぎると、分散性の低下に伴う力学特性のバラツキを繊維強化樹脂層に生じさせるおそれを有する。
このようなことから、前記短繊維は、繊維長さが3mm以上50mm以下であることが好ましく、5mm以上30mm以下であることが特に好ましい。
なお、この短繊維の径や長さについての具体的な値は、無作為に選択した数十本のサンプルの平均値として求められる。
該短繊維とともに繊維強化樹脂層200を形成する樹脂は、その種類が特に限定されるわけではないが、短繊維や樹脂発泡体との間に優れた接着性が発揮されるものが好ましく用いられる。
前記樹脂発泡体の主成分が、例えば、ポリエステル系樹脂であれば、繊維強化樹脂層を形成する樹脂は、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系樹脂などであることが好ましい。
前記繊維強化樹脂層200は、芯材100の上面側(以下、「第1繊維強化樹脂層200a」ともいう)と下面側(以下「第2繊維強化樹脂層200b」ともいう)とで厚みや短繊維含有量などが一致している必要はなく、第1繊維強化樹脂層200aと第2繊維強化樹脂層200bとでこれらが異なっていてもよい。
また、第1繊維強化樹脂層200aと第2繊維強化樹脂層200bとは、樹脂の種類が異なっていてもよい。
なお、第1繊維強化樹脂層200a及び第2繊維強化樹脂層200bは、樹脂の含有量が少なすぎると芯材100との接着性が不十分となり、十分に優れた機械的強度を繊維強化複合体に発揮させることが難しくなる虞れがある。
その一方で第1繊維強化樹脂層200a及び第2繊維強化樹脂層200bは、樹脂の含有量が多すぎると、短繊維の割合を過少なものにさせてしまい、十分に優れた機械的強度を繊維強化複合体に発揮させることが難しくなる虞れがある。
このことから第1繊維強化樹脂層200a及び第2繊維強化樹脂層200bは、それぞれ、樹脂と短繊維との質量割合(樹脂/短繊維)が、20/80〜70/30の範囲内とされることが好ましく、30/70〜60/40の範囲内とされることが特に好ましい。
第1繊維強化樹脂層200a及び第2繊維強化樹脂層200bは、(1)樹脂と短繊維とを含む樹脂組成物で予めシート体を形成させておき、該シート体を樹脂発泡体に積層一体化させる方法などによって形成させることができる。
この繊維強化樹脂層200と芯材100との積層方法としては、オートクレーブ法やプレス法が好ましい。
第1繊維強化樹脂層200a及び第2繊維強化樹脂層200bをシート体によって形成する場合、用いるシート体は、それぞれ単一のものである必要はない。
即ち、第1繊維強化樹脂層200a及び第2繊維強化樹脂層200bは、それぞれ、2以上のシート体によって形成されたものであってもよい。
なお、第1繊維強化樹脂層200aや第2繊維強化樹脂層200bを、それぞれ2以上のシート体の積層構造とする場合、一のシート体と他のシート体とは、厚みや繊維含有量などが異なっていてもよい。
本実施形態においては、繊維強化複合体として上記のような特定の形状を有するものを例示しているが、本発明の繊維強化複合体は、上記例示に限定されるものではない。
即ち、本実施形態においては、芯材として外形が正方形の2次元的な樹脂発泡体(角形シート)を例示しているが、本発明においては、芯材として利用される樹脂発泡体が3次元的な構造を有するものであっても良い。
また、上記においては、芯材に優れた強度を発揮させ得る点において、芯材の形成に用いる樹脂発泡体について、ビーズ発泡成形体を主に説明しているが、本発明の繊維強化複合体は、押出発泡シートなども芯材として利用可能なものである。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(型内成形用樹脂ビーズの作製)
まず、図2及び図3に示した製造装置を用い樹脂ビーズを作製した。
該樹脂ビーズの作製にあたっては、はじめに、ポリエチレンテレフタレート(イーストマンケミカル社製 商品名「EASTER−EN099」、融点:238.5℃)100質量部、ポリエチレンテレフタレートにタルクを含有させてなるマスターバッチ(ポリエチレンテレフタレート含有量:60質量%、タルク含有量:40質量%)1.8質量部及び無水ピロメリット酸0.2質量部を含むポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を、口径が65mmで且つL/D比が35の単軸押出機に供給して290℃にて溶融混練した。
続いて、イソブタン35質量%及びノルマルブタン65質量%からなる混合ブタンをポリエチレンテレフタレート100質量部に対して0.7質量部となるように押出機の途中において圧入し、溶融状態のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物に均一分散させた。
しかる後、押出機の前端部において、溶融状態のポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を280℃に冷却した後、押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型10の各ノズルからポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を押出発泡させた。
なお、マルチノズル金型10は、出口部11の直径が1mmのノズルを20個有しており、ノズルの出口部11は、全て、マルチノズル金型10の前端面10aにおける仮想円A(直径:139.5mm)の上に等間隔毎に配設されたものを使用した。
そして、前記装置としては、回転軸2の後端部外周面に2枚の回転刃5が回転軸2の周方向に180°の位相差でもって一体的に設けられており、各回転刃5がマルチノズル金型1の前端面10に常時、接触した状態で仮想円A上を移動するように構成されたものを用いた。
更に、前記装置としては、冷却部材4が、正面円形状の前部41aと、この前部41aの外周縁から後方に向かって延設され且つ内径が320mmの円筒状の周壁部41bとからなる冷却ドラム41を備えているものを用いた。
そして、供給管41d及び冷却ドラム41の供給口41cを通じて冷却ドラム41内に20℃の冷却水42を供給して前記樹脂発泡粒子を作製した。
なお、冷却ドラム41内の容積は17684cmであった。
冷却水42は、供給管41dから冷却ドラム41の周壁部41bの内周面に供給し、遠心力によって冷却ドラム41の周壁部41b内周面に沿って螺旋を描いて前方に進行するように供給した。
また、該冷却水42は、周壁部41bの内周面に沿って進行する過程で、徐々に進行方向に直交する方向に広がり、その結果、冷却ドラム41の供給口41cより前方の周壁部41bの内周面を全面的に被覆させるように供給した。
マルチノズル金型1の前端面10に配設した回転刃5を2500rpmの回転数で回転させて、マルチノズル金型1の各ノズルの出口部11から押出発泡された押出物を回転刃5によって切断して略球状のポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズを製造した。
このとき押出物は、マルチノズル金型1のノズルから押出された直後の状態を維持している未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなっていた。
そして、押出物は、ノズルの出口部11の開口端において切断されており、ポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズの切断は未発泡部において行われていた。
なお、上述の型内発泡成形用のポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズの製造にあたっては、先ず、マルチノズル金型1に回転軸2を取り付けず且つ冷却部材4をマルチノズル金型1から退避させておいた。
この状態で、押出機からポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を押出発泡させ、押出物がマルチノズル金型1のノズルから押出された直後の未発泡部と、この未発泡部に連続する発泡途上の発泡部とからなることを確認した。
次に、マルチノズル金型1に回転軸2を取り付け且つ冷却部材4を所定位置に配設した後、回転軸2を回転させ、押出物をノズルの出口部11の開口端において回転刃5で切断してポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズを製造した。
このポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズは、前記押出物を回転刃5による切断応力によって外方或いは前方に向かって飛ばし、冷却部材4の冷却ドラム41の内面に沿って流れている冷却水42に対し、この冷却水42の流れの上流側から下流側に向かって冷却水42を追うように冷却水42の表面に対して斜交する方向から衝突させ、前記冷却水42中に進入させて直ちに冷却させることによって得た。
冷却されたポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズは、冷却ドラム41の排出口41eを通じて冷却水42と共に排出させた後、脱水機にて冷却水42と分離した。
なお、作製したポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズは、その連続気泡率が2%、嵩密度が0.5g/cm、結晶化度が5%であった。
また、作製したポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズは、ブタンをポリエチレンテレフタレート樹脂100質量部に対して0.5質量部の割合で含有していた。
(型内成形:ビーズ発泡成形体の作製)
金型(雄金型と雌金型)を備えた型内発泡成形機を用意した。
雄金型と雌金型とは、型締めした状態において、内法寸法が縦30mm×横300mm×高さ300mmの直方体形状のキャビティが雌型−雄型間に形成されるものを用意した。
型内発泡成形機の金型のキャビティ内にポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズを充填して金型を型締めした。
しかる後、金型のキャビティ内に105℃の水蒸気をゲージ圧力0.13MPaにて90秒間に亘って供給してポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズを二次発泡させ、該二次発泡により得られた二次発泡粒子どうしを発泡圧力によって熱融着一体化させて縦30mm×横300mm×高さ300mmの直方体形状のビーズ発泡成形体を形成させた。
次に、金型のキャビティ内に冷却水を供給してビーズ発泡成形体を冷却した後に雄金型と雌金型とを開いてビーズ発泡成形体を取り出した。
得られたビーズ発泡成形体を大気圧下において60℃にて168時間に亘って放置(養生)して芯材の原材料となる樹脂発泡体(発泡倍率6倍)を得た。
この樹脂発泡体の表面には未発泡の表皮が形成されていた。
(芯材の作製)
樹脂発泡体から表皮を切断除去して、平面視における形状が一辺の長さが10cmの正方形で厚みが5mmのシート状の芯材を作製した。
なお、芯材は、表皮の切除により6面全てにおいて気泡断面が露出するものであった。
(繊維強化樹脂層用シート体)
炭素繊維(カーボン短繊維)と、未硬化のビニルエステル系樹脂とが含まれている市販のシート体(昭和電工株式会社製「RCS-1000」)を繊維強化樹脂層の形成用に用意した。
なお、このシート体は、縦10cm×横10cmの平面正方形状であった。
(繊維強化複合体の作製)
アルミニウム板を用意し、このアルミニウム板の上面に離型剤(ケムリースジャパン社製 商品名「ケムリース2166」)を塗布して一日放置し、アルミニウム板の上
面に離型処理を施した。
なお、アルミニウム板上面の外周縁部には、後記する封止材8やバックバルブ9を配置するため、離型処理は施さなかった。
図4に示すように、上面に離型処理を施したアルミニウム板を押圧部材APとして用い、該押圧部材APの離型処理を施した面上に、2枚のシート体SB(商品名「RCS-1000」)を重ね合わせたものを載置し、これらのシート体SBの上に樹脂発泡体FBを載置した。
上記とは別に、上記と同一のシート体SBを2枚用意し、これらを重ね合わせて樹脂発泡体FBの上に載置して積層体LBを作製した。
次に、押圧部材APの離型処理を施した面上において、積層体LBの幅方向両端部の外側に一対のスペーサSPを載置した。
なお、スペーサSPは、5mmの厚みを有するアルミニウム板を用いた。
また、スペーサSPは、後記する第2の押圧部材AP’と接触する上面に予め離型処理を施しておいた。
そして、上記と同様にして、下面に離型処理を施したアルミニウム板を第2の押圧部材AP’として用意し、積層体LB及びスペーサSPの上に当該押圧部材AP’を載置した。
しかる後、第2の押圧部材AP’の上に、この第2の押圧部材AP’を全面的に被覆するように、貫通孔を有するリリースフィルムRF(AIRTECH社製 商品名「WL5200B−P」)及びブリーザークロスBC(AIRTECH社製 商品名「AIRWEAVE N4」)を順に積層した。
なお、リリースフィルムRFは、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体フィルムから形成され、両面間に亘って貫通し且つシート体SBのビニルエステル系樹脂が通過可能な貫通孔が多数、形成されていた。
また、ブリーザークロスBCは、ポリエステル樹脂繊維から構成された不織布から形成されており、ビニルエステル系樹脂を含浸可能に構成されていた。
ブリーザークロスBCの上に、さらにバギングフィルムBF(AIRTECH社製 商品名「WL7400」)を被せ、バギングフィルムBFの外周縁部とこれに対向する押圧部材APとの間を封止材SLとしてシーラントテープ(AIRTECH社製 商品名「GS43MR」)を用いて気密的に接合して積層体LBをバギングフィルムBFによって密封した。
なお、バギングフィルムBFは、ポリアミド系樹脂フィルムから構成されていた。
バギングフィルム7の一部にバックバルブBB(AIRTECH社製 商品名「VAC VALVE 402A」)を配置して積層構造体を作製した。
次に、積層構造体をオートクレーブ内に供給し、積層構造体のバックバルブBBを真空ラインと接続し、積層体LBからこの積層体LBの側面をスペーサSPを介して被覆しているブリーザークロスBCの方向に排気してバギングフィルムBFで密封された空間部VSを真空度0.10MPaに減圧した。
なお、空間部VSの減圧はその後も継続して行った。
しかる後、積層体LBに存在している空気を吸引、除去しながら、オートクレーブ内をゲージ圧力0.8MPaに加圧して積層体LBに押圧部材AP、AP’を介して押圧力を加えると共にオートクレーブ内を昇温速度4℃/分にて130℃となるまで昇温して、積層体LBを圧縮することなくシート体SBが130℃となるように60分間に亘って加熱し(予備加熱工程)、これによりシート体SBに含まれているビニルエステル系樹脂を軟化させて繊維強化樹脂層を樹脂発泡体の両面に形成させた。
その後、オートクレーブ内を冷却してオートクレーブ内が60℃となった時点でオートクレーブ内の加圧を解除して大気圧に戻して、積層体LBを取り出し、積層体LBを室温まで冷却した。
これにより、図1に示したような芯材100と、芯材100の上下両面に形成された繊維強化樹脂層200とを有する繊維強化複合体を得た。
なお、重ね合わせた2枚のシート体SBは、これらに含まれていたビニルエステル系樹脂によって一体化されて繊維強化樹脂層200を形成していた。
なお、積層体LBへの加圧によってシート体SBの余分なビニルエステル系樹脂は、リリースフィルムRFの貫通孔及び外方を通じてブリーザークロスBCに吸収されていた。
(参考例、比較例及びその他の実施例)
先の実施例1と同様にして、繊維強化樹脂層形成用のシート体(商品名「RCS-1000」)だけを1〜3枚熱プレスしたものを参考例1〜3とした。
また、実施例2〜5は、芯材を下記の表に示すものに変更した以外は実施例1と同様に繊維強化複合体を作製した。
そして、実施例6では、芯材の両面に積層するシート体をガラス短繊維を含む市販品(昭和電工社製、商品名「MC−3129GY」)に変更したこと以外は実施例1と同様に繊維強化複合体を作製した。
また、実施例7では、芯材の両面に積層するシート体をガラス短繊維を含む市販品(昭和電工社製、商品名「ML−510」)に変更したこと以外は実施例1と同様に繊維強化複合体を作製した。
ただし、実施例3、4、6、7では、スペーサーを5mmの厚みのものに代えて、10mm(実施例3)、3.5mm(実施例4)、6.5mm(実施例6,7)の厚みのものを使用し、実施例1とは厚みの異なる繊維強化複合体を作製した。
また、参考例1として作製した成形シート(商品名「RCS-1000」1枚を単独成形したシート)を2枚用意し、これを実施例1と同じく6倍発泡の芯材の両面に接着剤を使って貼り合わせたものを比較例1の繊維強化複合体とした。
この比較例1の繊維強化複合体の芯材を構成している樹脂発泡体は、下記の表に示すように繊維強化樹脂層が積層されている表面に小さな凹凸しか形成されていなかった。
(評価)
得られた繊維強化複合体について、曲げ強度、及び、繊維強化樹脂層と樹脂発泡体との界面の凹凸を測定した。
(曲げ強度の測定)
繊維強化複合体の曲げ強度は、小型卓上試験機(日本電産シンポ社製 商品名「FGS−1000TV/1000N+FGP−100」)及び小型卓上試験機用ソフトウェア「FGS−TV Ver2」を用いて測定した。
また、冶具は日本電産シンポ社製の「FGTT-531」を用いた。
繊維強化複合体から縦100mm×横15mmの試験片(試験片の厚みは繊維強化複合体の厚み。実施例1においては5mm。)を切り出した。
この試験片についてロードセル1000N、試験速度5mm/分、支持台の先端治具5R、開き幅80mmの条件下にて最大荷重を測定し、最大荷重を試験片の質量で除して得られた値を比荷重とした。
また、この試験片が破壊に至るまでの荷重を積分して破壊エネルギーとし、該を試験片の質量で除して得られた値を比破壊エネルギーとした。
上記のように実施例の繊維強化複合体は、芯材となっている樹脂発泡体が所定の凹凸を有しており、繊維強化樹脂層との間に優れた接着性を発揮させるのに有利であると認められる。
100:芯材(樹脂発泡体)
200:繊維強化樹脂層

Claims (5)

  1. 樹脂発泡体と、該樹脂発泡体の表面に積層された繊維強化樹脂層とを備えた繊維強化複合体であって、
    前記繊維強化樹脂層が短繊維を含む樹脂組成物で形成されており、且つ、前記樹脂発泡体は、表皮の切除により気泡断面が露出した表面を有し、該表面に前記繊維強化樹脂層が積層され、前記繊維強化樹脂層が積層されている前記表面に50μm以上700μm以下の凹凸を有している繊維強化複合体。
  2. 前記樹脂発泡体がポリエチレンテレフタレート樹脂発泡シートである請求項1記載の繊維強化複合体。
  3. 前記樹脂発泡体がビーズ発泡成形体であり、ポリエチレンテレフタレート樹脂ビーズによって形成されたビーズ発泡成形体である請求項1記載の繊維強化複合体。
  4. 前記繊維強化樹脂層が、前記短繊維としてガラス繊維又は炭素繊維を含む請求項1乃至3の何れか1項に記載の繊維強化複合体。
  5. 前記樹脂発泡体の見掛け密度が0.01g/cm以上0.7g/cm以下である請求項1乃至4の何れか1項に記載の繊維強化複合体。
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