JP6339890B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサを用いて電流を検出する電流センサに係り、特に、検出可能な電流の範囲が異なる複数の測定レンジを切り換えることが可能な電流センサに関するものである。
電流センサの測定レンジを広げる方法として、検出可能な電流の範囲が異なる複数の測定レンジを切り換える方法が一般的に知られている。下記の特許文献には、被検出体であるバスバーから受ける磁気の強度が異なるように配設された複数の磁気検出素子を、バスバーの電流の大小に応じて切り換えつつ、バスバーに流れる電流を検出するようにした電流センサが記載されている。
特開2006−266738号公報
被検出電流に応じて磁気センサから出力される検出信号には、様々な原因でノイズが含まれている。被検出電流が所定の電流を超えているか否かを判定するために、コンパレータ回路などを用いて検出信号を一定の閾値と比較すると、閾値付近のノイズの影響によって比較結果が頻繁に反転する現象が生じる。この比較結果に基づいて測定レンジの切り換えが行われると、被検出電流が閾値付近にある場合に、測定レンジが不必要に切り換ってしまう。そこで、上記特許文献1の電流センサでは、被測定電流が増加するときにレンジ切り換えの判定に用いる閾値と、被測定電流が減少するときにレンジ切り換えの判定に用いる閾値とが別の値に設定されている。これにより、閾値付近に多少のノイズが生じていても、測定レンジが不必要に切り換わらなくなる。
しかしながら、上記のように2つの閾値を用いて測定レンジの切り換えを行う方法であっても、2つの閾値の差を超える振幅のノイズが検出信号に混入した場合には、測定レンジが切り換わる。そのため、被測定電流が2つの閾値の近くにあるときに比較的振幅の大きいノイズが混入すると、測定レンジが不必要に切り換わってしまい、測定結果が不安定になるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、測定レンジを切り換えることができるダイナミックレンジの広い電流センサにおいて、ノイズ等の影響による測定レンジの不必要な切り換えを抑制することである。
上述した従来技術の問題を解決し、上述した目的を達成するために、第1の本発明の電流センサは、被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、前記被測定電流に応じて生じる磁場を前記第1の磁気センサよりも高い感度で測定する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力のうち、何れか一方の出力を選択する選択部と、前記第1の磁気センサの出力、及び、前記第2の磁気センサの出力の少なくとも一方を入力し、当該入力した信号を所定の閾値と比較し、当該比較の結果に応じて、前記選択部を制御する第1の制御信号を出力する比較部と、前記比較部への前記入力信号が通過する少なくとも1つのローパスフィルタとを備える。
上記の構成によれば、前記第1の磁気センサの出力や前記第2の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、前記ローパスフィルタによって前記比較部に入力される信号のノイズが減衰するため、前記比較部における前記比較動作がノイズの影響を受け難くなる。これにより、前記選択部における前記選択動作がノイズの影響を受け難くなり、ノイズの影響による測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
好適に、前記比較部は、前記第1の磁気センサからの入力信号と第1の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた前記第1の制御信号を出力してよい。前記ローパスフィルタは、前記第1の磁気センサから前記比較部への前記入力信号が通過する第1のローパスフィルタを含んでよい。
上記の構成によれば、前記第1の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
好適に、前記比較部は、前記第2の磁気センサからの入力信号と第2の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた前記第1の制御信号を出力してよい。前記ローパスフィルタは、前記第2の磁気センサから前記比較部への前記入力信号が通過する第2のローパスフィルタを含んでよい。
上記の構成によれば、前記第2の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
好適に、前記比較部は、前記第1の磁気センサからの入力信号と第1の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第1の比較器と、前記第2の磁気センサからの入力信号と第2の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第2の比較器と、前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力との論理和を演算し、当該演算結果に応じた前記第1の制御信号を出力する論理ゲートとを含んでよい。前記ローパスフィルタは、前記第1の磁気センサから前記第1の比較器への前記入力信号が通過する第1のローパスフィルタと、前記第2の磁気センサから前記第2の比較器への前記入力信号が通過する第2のローパスフィルタとを含んでよい。
上記の構成によれば、前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
好適に、前記比較部は、前記第1の磁気センサからの入力信号と第1の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第1の比較器と、前記第2の磁気センサからの入力信号と第2の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第2の比較器と、前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力との論理積を演算し、当該演算結果に応じた前記第1の制御信号を出力する論理ゲートとを含んでよい。前記ローパスフィルタは、前記第1の磁気センサから前記第1の比較器への前記入力信号が通過する第1のローパスフィルタと、前記第2の磁気センサから前記第2の比較器への前記入力信号が通過する第2のローパスフィルタとを含んでよい。
上記の構成によれば、前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
好適に、上記第1の本発明の電流センサは、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅する増幅部であって、前記第2の磁気センサにおいて磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値よりも前記被測定電流が小さい場合に、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅した信号と前記第2の磁気センサの出力信号とが等しくなるように設定された増幅率を有する増幅部と、前記第2の磁気センサの出力信号と、前記増幅部において増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内であるか否かを判定する一致判定部と、前記被測定電流の前記最大値よりも小さい所定の閾電流に比べて前記被測定電流が小さいか否かを、前記第1の磁気センサの出力信号、前記第2の磁気センサの出力信号、又は、前記選択部の出力信号に基づいて判定し、前記被測定電流が前記閾電流に比べて小さいときに、前記第2の磁気センサの出力信号と前記増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が前記所定の範囲から外れたことを前記一致判定部が判定した場合、故障の検出を示す信号を出力する故障検出部とを備える。
上記の構成によれば、前記被測定電流が前記閾電流に比べて小さい場合、前記被測定電流は、前記第2の磁気センサにおいて磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値よりも小さくなる。この場合、故障のない正常な状態であれば、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅した信号と前記第2の磁気センサの出力信号とが等しくなる。そのため、前記一致判定部では、前記第2の磁気センサの出力信号と前記増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との前記差が前記所定の範囲に含まれると判定される。他方、前記被測定電流が前記閾電流に比べて小さい場合に、前記差が前記所定の範囲から外れたと前記一致判定部において判定されると、前記故障検出部において故障の検出を示す信号が出力される。
好適に、上記第1の本発明の電流センサは、前記選択部において選択された信号が通過する第3のローパスフィルタを備えてよい。
これにより、前記選択部から出力される信号に含まれたノイズ成分が減衰する。
好適に、上記第1の本発明の電流センサは、前記選択部へ入力される前記第1の磁気センサの出力が通過する第4のローパスフィルタと、前記選択部へ入力される前記第2の磁気センサの出力が通過する第5のローパスフィルタと、前記第1の制御信号に応じた第2の制御信号を前記選択部に出力するオフディレイタイマとを備えてよい。前記比較部は、前記第4のローパスフィルタを通過する前の前記第1の磁気センサの出力、及び、前記第5のローパスフィルタを通過する前の前記第2の磁気センサの出力の少なくとも一方を入力して前記閾値と比較し、当該比較の結果に応じて、前記被測定電流が所定の閾電流を超えたか否かを示す前記第1の制御信号を出力してよい。前記オフディレイタイマは、前記被測定電流が前記閾電流を超えたことを示す前記第1の制御信号を入力すると、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力してよく、前記被測定電流が前記閾電流を超えていないことを示す前記第1の制御信号の入力が一定時間続いた場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力してよい。
上記の構成によれば、前記被測定電流が前記閾電流を超えた場合、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力が選択される。そして、前記被測定電流が前記閾電流を超えていない状態が一定時間続いた場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力が選択される。そのため、前記第2の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
第2の本発明の電流センサは、被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、前記被測定電流に応じて生じる磁場を前記第1の磁気センサよりも高い感度で測定する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力のうち、何れか一方の出力を選択する選択部と、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅する増幅部であって、前記第2の磁気センサにおいて磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値よりも前記被測定電流が小さい場合に、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅した信号と前記第2の磁気センサの出力信号とが等しくなるように設定された増幅率を有する増幅部と、前記第2の磁気センサの出力信号と、前記増幅部において増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内であるか否かを判定し、当該判定の結果に応じて、前記選択部を制御する第1の制御信号を出力する一致判定部と、前記一致判定部に入力される前記第1の磁気センサの出力信号が通過する第1のローパスフィルタと、前記一致判定部に入力される前記第2の磁気センサの出力信号が通過する第2のローパスフィルタとを備える。
上記の構成によれば、前記第2の磁気センサの出力にノイズが混入している場合でも、前記第1のローパスフィルタによって前記一致判定部に入力される信号のノイズが減衰するため、前記一致判定部における前記判定動作がノイズの影響を受け難くなる。これにより、前記選択部における前記選択動作がノイズの影響を受け難くなり、ノイズの影響による測定レンジの不必要な切り換えが生じ難くなる。
好適に、前記増幅部は、前記選択部に入力される前記第1の磁気センサの出力信号を増幅してよい。
これにより、前記第1の磁気センサからの出力及び前記第2の磁気センサからの出力のどちらが前記選択部において選択されても、前記選択部から出力される信号の前記被測定電流に対する比率は同じになる。
好適に、上記第2の本発明の電流センサは、前記選択部へ入力される前記第1の磁気センサの出力が通過する第4のローパスフィルタと、前記選択部へ入力される前記第2の磁気センサの出力が通過する第5のローパスフィルタと、前記第1の制御信号に応じた第2の制御信号を前記選択部に出力するオフディレイタイマとを備えてよい。前記オフディレイタイマは、前記差が所定の範囲内から外れたことを示す前記第1の制御信号を入力すると、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力してよく、前記差が所定の範囲にあることを示す前記第1の制御信号の入力が一定時間続いた場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力してよい。
上記の構成によれば、前記第2の磁気センサの出力信号と、前記増幅部において増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内を外れた場合、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力が選択される。そのため、前記被測定電流が急速に増大した場合でも、前記被測定電流が前記最大値を超えている状態で前記第2の磁気センサの出力が前記選択部により選択されることが起こり難くなる。
また、前記第2の磁気センサの出力信号と、前記増幅部において増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲にある状態が一定時間続いた場合に、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力が選択される。そのため、前記被測定電流が前記最大値を超えた状態における前記第2の磁気センサの出力の影響が前記第5のローパスフィルタに残っている間は、前記選択部において前記第1の磁気センサの出力が選択され、当該影響が減少した後、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力が選択される。
好適に、前記比較部は、2つの閾値を持つシュミットトリガ回路を含んでよい。
好適に、前記第2の磁気センサは、磁気抵抗効果素子を含んでよい。
本発明によれば、測定レンジを切り換えることができるダイナミックレンジの広い電流センサにおいて、ノイズ等の影響によって測定レンジが不必要に切り換わることを抑制できる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図2は、電流センサに用いられる磁気センサの構成の一例を示す図である。図2Aは大電流用の第1の磁気センサの構成例を示し、図2Bは小電流用の第2の磁気センサの構成例を示す。 図3は、比較部の構成の一例を示す図である。 図4は、第2の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図5は、第3の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図6は、第4の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図7は、第5の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図8は、一致判定部の構成の一例を示す図である。 図9は、故障検知回路の構成の一例を示す図である。 図10は、第6の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図11は、第7の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図12は、第8の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図13は、第9の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図14は、オフディレイタイマの構成の一例を示す図である。 図15は、第10の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図16は、第11の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図17は、第12の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図18は、第13の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図19は、第14の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図20は、第15の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る電流センサについて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。この電流センサは、電流路9に流れる被測定電流Iに応じて生じる磁場を磁気センサ(1,2)によって検出する磁気式の電流センサであり、電流Iに対する感度が異なる2つの磁気センサ(1,2)を測定レンジに応じて切り換えて使用する。
図1に示す電流センサは、被測定電流Iに応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2と、第1の磁気センサ1の出力S1及び第2の磁気センサ2の出力S2のうち何れか一方の出力を第1の制御信号S3に応じて選択して通過させる選択部4と、第1の磁気センサ1の出力と第1の閾値Vref1とを比較し、当該比較の結果に応じて、選択部4を制御する第1の制御信号S3を出力する比較部3と、第1の磁気センサ1から比較部3への入力信号が通過する第1のローパスフィルタ11とを有する。
[第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2]
第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2は、電流路9に流れる被測定電流Iに応じて生じる磁場を測定するセンサであり、例えばホール素子や磁気抵抗効果素子(GMR素子,TMR等)、カレントトランスなど、磁場を電気的な信号に変換する種々のセンサ素子の何れかを含んで構成される。第1の磁気センサ1は、磁場の測定が可能な被測定電流Iの最大値(例えば、被測定電流Iの磁場によって磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値)が第2の磁気センサ2に比べて大きい。また、第2の磁気センサ2は、被測定電流Iに応じて生じる磁場の測定感度が第1の磁気センサ1よりも高い。
本実施形態では、例えば図1に示すように、電流路9から第1の磁気センサ1までの距離に比べて、電流路9から第2の磁気センサ2までの距離が短い。すなわち、第2の磁気センサ2は、第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iによる磁場が大きい位置に配置される。また、第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2とは、同一特性を持った素子である。
第2の磁気センサ2は、第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iによる磁場が大きい位置にあるため、第1の磁気センサ1と同一の特性を有していても、第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iに対する測定感度が高くなるとともに、磁気飽和を生じ始める被測定電流Iの電流値が第1の磁気センサ1より小さくなる。
第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2を同一特性の素子にすることで、部品の種類を少なくすることができる。
なお、本実施形態の他の例においては、第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2とが同一特性の素子でなくとも良い。例えば、図2は、感度の異なる2つの磁気センサの例である。図2Aは第1の磁気センサ1の構成例を示し、図2Bは第2の磁気センサ2の構成例を示す。図2Aに示す第1の磁気センサ1は、基板1Bに配置された磁気抵抗効果素子1Aの上に絶縁層1Dを介して磁気シールド1Eが設けられ、磁気シールド1Eの上に絶縁層1Cが形成されている。他方、図2Bに示す第2の磁気センサ2は、基板2Bに配置された磁気抵抗効果素子2Aの上に絶縁層2Cが形成されているが、磁気シールドは設けられていない。磁気シールド1Eを有する第1の磁気センサ1は磁場に対する感度が相対的に低く、磁気シールドを持たない第2の磁気センサ2は磁場に対する感度が相対的に高い。このような感度の違いがある場合、電流路9から第1の磁気センサ1までの距離と電流路9から第2の磁気センサ2までの距離とが同じでもよい。
第2の磁気センサ2は、第1の磁気センサ1に比べて同一の磁界強度に対する感度が高いため、電流路9からの距離が第1の磁気センサ1と同じであっても、被測定電流Iに対する測定感度は第1の磁気センサ1より高くなるとともに、磁気飽和を生じ始める被測定電流Iの電流値が第1の磁気センサ1より小さくなる。
電流路9から第1の磁気センサ1までの距離と電流路9から第2の磁気センサ2までの距離を同じにすることで、装置サイズを小型化できる。
また、電流路9の磁場の方向に対する感度軸の角度を変えることにより、被測定電流Iの磁場に対する第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2の感度が異なるようにすることも可能である。
[第1のローパスフィルタ11]
第1のローパスフィルタ11は、第1の磁気センサ1の出力S1に含まれる高周波成分を減衰させる。第1のローパスフィルタ11は、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
[比較部3]
比較部3は、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力と第1の閾値Vref1とを比較し、その比較結果に応じて、選択部4を制御する第1の制御信号S3を出力する。比較部3は、一般的なコンパレータを用いても良いし、2つの閾値を持つシュミットトリガ回路(ヒステリシスコンパレータ)を用いてもよい。比較部3は、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
図3は、比較部3の構成の一例を示す図であり、2つの閾値を持つシュミットトリガ回路(ヒステリシスコンパレータ)を用いる場合の構成例を示す。
図3に示す比較部3は、比較器31と、抵抗R31及びR32を有する。抵抗R31の一方の端子は比較器31の非反転入力に接続され、他方の端子は第1のローパスフィルタ11に接続される。抵抗R32の一方の端子は比較器31の非反転入力に接続され、他方の端子はコンパレータ32の出力に接続される。比較器31の反転入力には第1の閾値Vref1が入力される。抵抗R32は抵抗R31に比べて大きな抵抗値を有する。
比較器31の出力がハイレベルの場合、比較器31の非反転入力は抵抗R32を介してハイレベル側にバイアスされるため、比較器31の出力がハイレベルからローレベルへ反転する閾値は、第1の閾値Vref1より僅かに低くなる。一方、比較器31の出力がローレベルの場合、比較器31の非反転入力は抵抗R32を介してローレベル側にバイアスされるため、比較器31の出力がローレベルからハイレベルへ反転する閾値は、第1の閾値Vref1より僅かに高くなる。
比較部3がこのようなヒステリシス特性を持つことにより、ノイズの影響による比較部3の比較結果の反転を生じ難くすることができる。
第1の閾値Vref1は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されており、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。比較部3は、第1の磁気センサ1の出力が第1の閾値Vref1を超える場合、被測定電流Iが当該最大値を超えていることを示すハイレベルの第1の制御信号S3を出力する。他方、第1の磁気センサ1の出力が第1の閾値Vref1を超えない場合、比較部3は、被測定電流Iが当該最大値を超えていないことを示すローレベルの第1の制御信号S3を出力する。
[選択部4]
選択部4は、比較部3からハイレベルの第1の制御信号S3が出力されている場合、第1の磁気センサ1の出力を選択して通過させ、比較部3からローレベルの第1の制御信号S3が出力されている場合、第2の磁気センサ2の出力を選択して通過させる。選択部4は、例えばSPDT(Single Pole, Dual Throw;単極双投)スイッチにより構成される。
上述した構成を有する電流センサの動作を説明する。
被測定電流Iが比較部3の第1の閾値Vref1に対応する電流よりも小さい場合、比較部3において出力される第1の制御信号S3はローレベルとなり、選択部4において第2の磁気センサ2の出力S2が選択される。他方、被測定電流Iが比較部3の第1の閾値Vref1に対応する電流よりも大きい場合、比較部3において出力される第1の制御信号S3はハイレベルとなり、選択部4において第1の磁気センサ1の出力S1が選択される。
図示しない後段の回路では、第1の制御信号S3に応じて、選択部4から出力される信号Soutを被測定電流Iの電流値に換算する処理における換算比率が切り換えられる。
例えば、第1の磁気センサ1の感度が第2の磁気センサ2の感度に対して1/3になっているとすると、後段の回路では、第1の磁気センサ1からの出力が選択部4において選択された場合の出力信号Sout(若しくは、これをAD変換した後のデータ)に3倍のゲインが乗ぜられる。これにより、第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2の感度の違いによる出力信号Soutの違いが補正される。第1の制御信号S3は、このような処理において、選択部4の選択状態を示す信号として使用される。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサによれば、第1の磁気センサ1から比較部3へ入力される信号が第1のローパスフィルタ11を通過するため、第1の磁気センサ1の出力S1にノイズが混入している場合でも、当該ノイズが第1のローパスフィルタ11によって除去される。これにより、比較部3の比較動作がノイズの影響を受け難くなり、比較部3の比較結果に応じた選択部4の選択動作もノイズの影響を受け難くなるため、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
また、本実施形態に係る電流センサによれば、比較部3の第1の閾値Vref1が、磁気飽和によって第2の磁気センサ2の出力に歪みが生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されている。これにより、第2の磁気センサ2に磁気飽和が生じている状態でその出力が選択部4を通過することがないため、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因した出力信号Soutの精度の低下を有効に防止できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が低い第1の磁気センサ1の出力と第1の閾値Vref1とを比較した結果に応じて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が高い第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2とを比較した結果に応じて選択部4が制御される。
図4は、第2の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図4に示す電流センサは、図1に示す電流センサにおける比較部3を比較部3Aに置き換え、第1のローパスフィルタ11を第2のローパスフィルタ12に置き換えたものであり、他の構成は図1に示す電流センサと同じである。
第2のローパスフィルタ12は、第2の磁気センサ2の出力S2に含まれる高周波成分を減衰させる。第2のローパスフィルタ12は、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
比較部3Aは、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2とを比較し、当該比較の結果に応じて、選択部4を制御する第1の制御信号S3を出力する。比較部3は、一般的なコンパレータを用いても良いし、図3に示すようなシュミットトリガ回路(ヒステリシスコンパレータ)を用いてもよい。比較部3Aは、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
第2の閾値Vref2は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されており、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。比較部3Aは、第2の磁気センサ2の出力がこの第2の閾値Vref2を超える場合、被測定電流Iが当該最大値を超えていることを示すハイレベルの信号S3を出力する。他方、比較部3Aは、第2の磁気センサ2の出力が第2の閾値Vref2を超えない場合、被測定電流Iが当該最大値を超えていないことを示すローレベルの信号S3を出力する。
第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2とを比較する比較部3Aを設けた図4に示す電流センサにおいても、図1に示す電流センサと同様に、被測定電流Iの電流値に応じて測定レンジを切り換えることが可能である。
本実施形態に係る電流センサによれば、第2の磁気センサ2から比較部3Aへ入力される信号が第2のローパスフィルタ12を通過するため、第2の磁気センサ2の出力S2にノイズが混入している場合でも、当該ノイズが第2のローパスフィルタ12によって除去される。これにより、比較部3の比較動作がノイズの影響を受け難くなるため、図1に示す電流センサと同様に、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
また、第2の磁気センサ2は第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iに対する感度が高いことから、被測定電流Iの同一の電流値について比べた場合、比較部3Aの第2の閾値Vref2は比較部3の第1の閾値Vref1に比べて大きな値となる。そのため、図4に示す電流センサでは、比較部3Aにおいて第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2との比較を精度良く行うことができる。また、比較部3Aの比較動作の精度が高いことから、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を、比較部3に比べて高い値に設定することが可能である。これにより、図4に示す電流センサでは、第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることができる。
また、非常に短い単発的なノイズ電流によって第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じるレベルまで被測定電流Iが大きくなった場合、第2の磁気センサ2の出力の変化は、磁気飽和の影響によって実際の電流の変化よりも小さくなる。そのため、第2のローパスフィルタ12を経て比較部3Aに入力される信号のレベルの変化が小さくなり、比較部3Aにおいて比較結果の反転が生じ難くなる。従って、非常に短い単発的なノイズが被測定電流Iに重畳した場合における選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第1,第2の実施形態に係る電流センサでは、2つの磁気センサにおける一方の出力と閾値とを比較した結果に基づいて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、2つの磁気センサにおける両方の出力と閾値とをそれぞれ比較した結果に基づいて選択部4が制御される。
図5は、第3の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図5に示す電流センサは、図1に示す電流センサにおける比較部3を比較部3Bに置き換えて、第2のローパスフィルタ12を追加したものであり、他の構成は図1に示す電流センサと同じである。
比較部3Bは、第1の比較器31と、第2の比較器32と、論理ゲート33とを有する。
第1の比較器31は、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力と第1の閾値Vref1とを比較する。第1の比較器31とその第1の閾値Vref1は、図1における比較部3とその第1の閾値Vref1に相当する。
第2の比較器32は、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2とを比較する。第2の比較器32とその第1の閾値Vref2は、図4における比較部3Aとその第2の閾値Vref2に相当する。
論理ゲート33は、第1の比較器31の出力と第2の比較器32の出力との論理和演算を行う。論理ゲート33は、第1の比較器31及び第2の比較器32の何れか一方の出力がハイレベルの場合にハイレベルの第1の制御信号S3を出力し、第1の比較器31及び第1の比較器31の出力が共にローレベルの場合はローレベルの第1の制御信号S3を出力する。
図5に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の何れか一方において被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合、選択部4において第1の磁気センサ1の出力S1が選択される。そのため、第1の比較器31及び第2の比較器32のそれぞれにおいて閾値とセンサ出力との比較精度にばらつきが存在する場合でも、磁気飽和による歪みが生じた第2の磁気センサ2の出力が選択部4において選択されることをより確実に防止できる。
また、第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12によって第1の比較器31及び第2の比較器における比較動作がノイズの影響を受け難くなるため、図1及び図4に示す電流センサと同様に、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図6は、第4の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図6に示す電流センサは、図5に示す電流センサにおける比較部3Bにおいて論理和演算を行う論理ゲート33を、論理積演算を行う論理ゲート34に置き換えたものであり、その他の構成は図5に示す電流センサと同じである。
図6に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の両方で被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合にのみ、選択部4において第1の磁気センサ1の出力S1が選択される。すなわち、被測定電流Iが最大値を超えたことがより確実となった場合に第1の磁気センサ1の出力S1が選択部4において選択される。そのため、図5に示す電流センサに比べて、第2の磁気センサ2による高感度の測定レンジを広くすることができる。
<第5の実施形態>
上述した第1乃至第4の実施形態に係る電流センサでは、第1の磁気センサ1の出力S1がそのまま選択部4に入力されているが、第5の実施形態に係る電流センサでは、第1の磁気センサ1の出力S1を増幅した信号が選択部4に入力される。また、本実施形態に係る電流センサは、磁気センサ等の故障の検知を行う。
図7は、第5の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図7に示す電流センサは、図1に示す電流センサと同様の構成に加えて、増幅部21と、第3のローパスフィルタ13と、一致判定部7と、故障検知部6を有する。また、図7に示す電流センサでは、図1に示す電流センサにおける比較部3が比較部3Cに置き換えられている。
増幅部21は、第1の磁気センサ1の出力信号S1を増幅し、増幅結果の信号S1Bを選択部4に入力する。増幅部21は、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な被測定電流Iの最大値(第2の磁気センサ2の出力S2が磁気飽和によって歪まない被測定電流Iの最大値)よりも被測定電流Iが小さい場合に、第1の磁気センサの出力信号S1を増幅した信号S1Bと第2の磁気センサ2の出力信号S2とが等しくなるように設定された増幅率を有する。
第1のローパスフィルタ11は、増幅部21において増幅された第1の磁気センサ1の出力信号S1Bに含まれる高周波成分を減衰させる。
比較部3Cは、増幅部21において増幅されて第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力信号と第1の閾値Vref1とを比較し、その比較結果を示す信号S3を出力する。比較部3Cは、上述した比較部3(図1)と同様に、一般的なコンパレータやシュミットトリガ回路(図3)などを用いて構成される。比較部3Cは、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
比較部3Cの第1の閾値Vref1は、上述した比較部3(図1)の第1の閾値Vref1と同様に、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されており、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。
第3のローパスフィルタ13は、選択部4において選択された信号に含まれる高周波成分を減衰させる。第3のローパスフィルタ13は、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
一致判定部7は、第2の磁気センサ2の出力信号S2と、増幅部21において増幅された第1の磁気センサの出力信号S1Bとの差が所定の範囲内であるか否かを判定する。
図8は、一致判定部7の構成の一例を示す図である。
図8に示す一致判定部7は、第1の差動増幅器71と、第2の差動増幅器72と、第1の比較器73と、第2の比較器74と、論理ゲート75とを有する。
第1の差動増幅器71は、非反転入力端子IN1+と反転入力端子IN1−とのレベル差を増幅する。第1の差動増幅器71の反転入力端子IN1−に増幅部21の出力端が接続され、第1の差動増幅器71の非反転入力端子IN1+に第2の磁気センサ2の出力端が接続される。
第1の差動増幅器71は、例えば図8に示すように、オペアンプOP11と抵抗R11〜R14を有する。オペアンプOP11の非反転入力端子は、抵抗R11を介して反転入力端子IN1−に接続されるとともに、抵抗R13を介してオペアンプOP11の出力端子に接続される。オペアンプOP11の反転入力端子は、抵抗R12を介して非反転入力端子IN1+に接続されるとともに、抵抗R14を介してグランドに接続される。
第2の差動増幅器72は、非反転入力端子IN2+と反転入力端子IN2−とのレベル差を増幅する。第2の差動増幅器72の反転入力端子IN2−に第2の磁気センサ2の出力端が接続され、第2の差動増幅器72の非反転入力端子IN2+に増幅部21の出力端が接続される。
第2の差動増幅器72は、例えば図8に示すように、オペアンプOP21と抵抗R21〜R24を有する。オペアンプOP21の非反転入力端子は、抵抗R21を介して反転入力端子IN2−に接続されるとともに、抵抗R23を介してオペアンプOP21の出力端子に接続される。オペアンプOP21の反転入力端子は、抵抗R22を介して非反転入力端子IN2+に接続されるとともに、抵抗R24を介してグランドに接続される。
第1の比較器73は、第1の差動増幅器71の出力レベルと第1の閾値Vref1'とを比較する。
第2の比較器74は、第2の差動増幅器72の出力レベルと第2の閾値Vref2'とを比較する。
論理ゲート75は、第1の比較器73の出力と第2の比較器74の出力との否定論理和を演算する。
第2の磁気センサ2の出力レベルが増幅部21の出力レベルより高くなり、その出力レベル差が大きくなると、第1の差動増幅器71の出力レベルが上昇する。そして、当該出力レベル差が所定のレベル差を超えると、第1の差動増幅器71の出力レベルが第1の閾値Vref1'より高くなり、第1の比較器73からハイレベルの信号が出力され、論理ゲート75の出力信号S7がローレベルとなる。
また、増幅部21の出力レベルが第2の磁気センサ2の出力レベルより高くなり、その出力レベル差が大きくなると、第2の差動増幅器72の出力レベルが上昇する。そして、当該出力レベル差が所定のレベル差を超えると、第2の差動増幅器72の出力レベルが第2の閾値Vref2'より高くなり、第2の比較器74からハイレベルの信号が出力され、論理ゲート75の出力信号S7がローレベルとなる。
このように、論理ゲート75の出力信号S7は、第2の磁気センサ2の出力レベルと増幅部21の出力レベルとのレベル差が所定のレベル差より大きくなるとローレベルになる。一方、論理ゲート75の出力信号S7は、第2の磁気センサ2の出力レベルと増幅部21の出力レベルとのレベル差が所定のレベル差より小さくなるとハイレベルとなる。
なお、図8の例では、第1の比較器73の出力と第2の比較器74の出力との否定論理和を演算する論理ゲート75を設けているが、否定論理和の代わりに論理和を演算する論理ゲート75を設けてもよい。また、差動出力を有する差動増幅器の後段に所定のヒステリシス幅を有したヒステリシスコンパレータを接続した回路でも、図8に示す一致判定部7と同様の動作を実現可能である。
以上が一致判定部7の説明である。
故障検知部6は、選択部4から第3のローパスフィルタ13を介して出力される信号Soutと、一致判定部7の判定結果を示す信号S7とに基づいて、故障の有無を検知する。
具体的には、故障検知部6は、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な被測定電流Iの最大値よりも小さい所定の閾電流に比べて被測定電流Iが小さいか否かを、選択部4から第3のローパスフィルタ13を介して出力される信号Soutに基づいて判定する。被測定電流Iが所定の閾電流に比べて小さいときに、第2の磁気センサ2の出力信号S2と増幅部21で増幅された第1の磁気センサ1の出力信号S1Bとの差が所定の範囲から外れたことを一致判定部7が判定した場合、故障検知部6は、故障の検出を示す信号S6を出力する。
図9は、故障検知部6の一例を示す図である。
図9に示す故障検知部6は、比較器61と論理ゲート63を有する。
比較器61は、第3のローパスフィルタ13の出力信号Soutと第3の閾値Vref3とを比較し、出力信号Soutが第3の閾値Vref3より高い場合にハイレベルの信号S61を出力し、出力信号Soutが第3の閾値Vref3より低い場合にローレベルの信号S61を出力する。第3の閾値Verfは、上述した所定の閾電流と等しい被測定電流Iが流れた場合の出力信号Soutのレベルに相当する。
論理ゲート63は、比較器61の出力信号S61と一致判定部7の出力信号S7との否定論理和を演算し、その演算結果を信号S6として出力する。
出力信号Soutが第3の閾値Vref3より高い場合(被測定電流Iが所定の閾電流より大きい場合)、比較器61の出力信号S61がハイレベルになるため、論理ゲート63からローレベルの信号S6が出力される。また、一致判定部7の出力信号S7がハイレベルの場合(第2の磁気センサ2の出力信号S2と増幅部21で増幅された第1の磁気センサ1の出力信号S1Bとの差が所定の範囲にある場合)も、論理ゲート63からローレベルの信号S6が出力される。
他方、出力信号Soutが第3の閾値Vref3より小さく(被測定電流Iが所定の閾電流より小さく)、かつ、一致判定部7の出力信号S7がローレベルの場合(第2の磁気センサ2の出力信号S2と増幅部21で増幅された第1の磁気センサ1の出力信号S1Bとの差が所定の範囲から外れる場合)、論理ゲート63からハイレベルの信号S6が出力される。
被測定電流Iが所定の閾電流より小さい場合、第2の磁気センサ2において磁気飽和は生じておらず、第2の磁気センサ2の出力信号S2と増幅部21で増幅された第1の磁気センサ1の出力信号S1Bとが略等しくなる。そのため、磁気センサ等が正常に動作していれば、一致判定部7の出力信号S7はハイレベルになり、論理ゲート63からローレベルの信号S6が出力される。論理ゲート63からハイレベルの信号S6が出力されることは、磁気センサ等が正常に動作していないこと、すなわち、なんらかの故障があることを示す。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサでは、第1の磁気センサ1の出力S1が増幅部21において増幅されて選択部4に入力されており、2つの磁気センサ(1,2)のどちらの出力が選択部4において選択されても、選択部4から出力される信号の被測定電流Iに対する比率が同じになる。そのため、図示しない後段の回路において信号Soutを被測定電流Iの電流値に換算する場合に、選択部4の選択状態に応じて換算比率を切り換える必要がなくなり、処理を簡略化できる。
また、本実施形態に係る電流センサによれば、選択部4の後段に第3のローパスフィルタ13が設けられているため、周波数の高いノイズの影響による測定結果の変動を抑制できるとともに、比較的低速のA/D変換器を用いて精度の高い被測定電流Iのデジタル値を得ることができる。
更に、本実施形態に係る電流センサによれば、選択部4から第3のローパスフィルタ13を介して出力される信号Soutと、一致判定部7の判定結果を示す信号S7とに基づいて、磁気センサ等における故障の有無を検知できる。これにより、図示しない外部の機器等に対して被測定電流Iの測定値の異常を通知できるため、測定システムの信頼性を向上できる。
また、第1のローパスフィルタ11によって比較部3Cにおける比較動作がノイズの影響を受け難くなるため、既に説明した各電流センサと同様に、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
上述した第5の実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が低い第1の磁気センサ1の出力端に接続される増幅部21の出力S1Bと第1の閾値Vref1とを比較した結果に応じて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が高い第2の磁気センサ2の出力S2と第2の閾値Vref2とを比較した結果に応じて選択部4が制御される。
図10は、第6の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図10に示す電流センサは、図7に示す電流センサにおける比較部3Cを比較部3Dに置き換えたものであり、他の構成は図7に示す電流センサと同じである。
比較部3Dは、第2の磁気センサ2の出力S2と第2の閾値Vref2とを比較し、その比較結果を示す信号S3を出力する。比較部3Dは、上述した比較部3(図1)と同様に、一般的なコンパレータやシュミットトリガ回路(図3)などを用いて構成される。比較部3Dは、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
比較部3Dにおける第2の閾値Vref2は、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。
第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2とを比較する比較器3Dを設けた図10に示す電流センサにおいても、図7に示す電流センサと同様の動作を実現できる。
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
上述した第5,第6の実施形態に係る電流センサでは、増幅部21の出力又は第2の磁気センサ2の出力の何れか一方と閾値とを比較した結果に基づいて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、増幅部21の出力及び第2の磁気センサ2の出力の両方と閾値とをそれぞれ比較した結果に基づいて選択部4が制御される。
図11は、第7の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図11に示す電流センサは、図7に示す電流センサにおける比較部3Cを比較部3Eに置き換えて、第2のローパスフィルタ12を追加したものであり、他の構成は図7に示す電流センサと同じである。
比較部3Eは、第1の比較器31と、第2の比較器32と、論理ゲート33とを有する。
第1の比較器31は、増幅部21において増幅されて第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力と第1の閾値Vref1とを比較する。第1の比較器31とその第1の閾値Vref1は、既に説明した図7における比較部3Cとその第1の閾値Vref1に相当する。
第2の比較器32は、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2とを比較する。第2の比較器32とその第1の閾値Vref2は、図10における比較部3Dとその第2の閾値Vref2に相当する。
論理ゲート33は、第1の比較器31の出力と第2の比較器32の出力との論理和演算を行う。論理和ゲート33の動作は、既に説明した図5における論理和ゲート33と同じである。
図11に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の何れか一方において被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合、選択部4において第1の磁気センサ1の増幅された出力S1Bが選択される。そのため、第1の比較器31及び第2の比較器32のそれぞれにおいて閾値とセンサ出力との比較精度にばらつきが存在する場合でも、磁気飽和による歪みが生じた第2の磁気センサ2の出力が選択部4において選択されることをより確実に防止できる。
また、第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12によって第1の比較器31及び第2の比較器における比較動作がノイズの影響を受け難くなるため、上述した各電流センサと同様に、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図12は、第8の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図12に示す電流センサは、図11に示す電流センサにおける比較部3Eにおいて論理和演算を行う論理ゲート33を、論理積演算を行う論理ゲート34に置き換えたものであり、その他の構成は図11に示す電流センサと同じである。
図12に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の両方で被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合にのみ、第1の磁気センサ1の増幅された出力S1Bが選択部4において選択される。すなわち、被測定電流Iが最大値を超えたことがより確実となった場合に第1の磁気センサ1の増幅された出力S1Bが選択部4において選択される。そのため、図11に示す電流センサに比べて、第2の磁気センサ2による高感度の測定レンジを広くすることができる。
<第9の実施形態>
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
図13は、第9の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図13に示す電流センサは、図1に示す電流センサ(第1の実施形態)と同様の構成に加えて、第4のローパスフィルタ14と、第5のローパスフィルタ15と、オフディレイタイマ8を有する。
第4のローパスフィルタ14は、第1の磁気センサ1の出力S1に含まれる高周波成分を減衰させるフィルタであり、選択部4へ入力される第1の磁気センサ1の出力信号が通過する。
第5のローパスフィルタ15は、第2の磁気センサ2の出力S2に含まれる高周波成分を減衰させるフィルタであり、選択部4へ入力される第2の磁気センサ2の出力信号が通過する。
第4のローパスフィルタ14及び第5のローパスフィルタ15は、それぞれアナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
比較部3は、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力であって、第4のローパスフィルタ14を通過する前の第1の磁気センサ1の出力と、第1の閾値Vref1とを比較する。比較部3は、この比較結果に応じた第1の制御信号S3をオフディレイタイマ8に出力する。
比較部3における第1の閾値Vref1は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されており、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値より小さい所定の閾電流を示す。比較部3は、第1の磁気センサ1の出力が第1の閾値Vref1を超える場合、被測定電流Iが当該所定の閾電流を超えていることを示すハイレベルの第1の制御信号S3を出力する。他方、第1の磁気センサ1の出力が第1の閾値Vref1を超えない場合、比較部3は、被測定電流Iが当該所定の閾電流を超えていないことを示すローレベルの第1の制御信号S3を出力する。
オフディレイタイマ8は、比較部3から出力される第1の制御信号S3に応じた第2の制御信号S2を選択部4に出力して、選択部4の選択動作を制御する。オフディレイタイマ8は、比較部8からハイレベルの第1の制御信号S3(被測定電流Iが所定の閾電流を超えていることを示す第1の制御信号S3)を入力すると、直ちに選択部4において第1の磁気センサ1の出力を選択させる第2の制御信号S8を出力する。他方、オフディレイタイマ8は、比較部8からローレベルの第1の制御信号S3(被測定電流Iが所定の閾電流を超えていないことを示す第1の制御信号S3)の入力が一定時間続いた場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力を選択させる第2の制御信号S8を出力する。なお、前記「一定時間」は、第5のローパスフィルタ15の時定数に応じて決められる。
図14は、オフディレイタイマ8の構成の一例を示す図であり、パルスストレッチャ回路を用いる例を示す。
図14の例において、オフディレイタイマ8(パルスストレッチャ回路)は、オペアンプOP1,OP2と、ダイオードD1と、抵抗R1,R2と、キャパシタC1と、インバータ回路81,82とを有する。オペアンプOP1の非反転入力端子には、比較器3の第1の制御信号S3が入力される。キャパシタC1の一方の端子は、抵抗R1及びダイオードD1を介してオペアンプOP1の出力に接続されるとともに、オペアンプOP1の反転入力端子に接続される。キャパシタC1の他方の端子は、グランドに接続される。抵抗R2は、キャパシタC1と並列に接続される。オペアンプOP2の非反転入力端子はキャパシタC1の一方の端子に接続され、反転入力端子はオペアンプOP2の出力に接続される。インバータ回路81,82は、オペアンプOP2の後段において縦続接続される。縦続接続されたインバータ回路81,82から第2の制御信号S8が出力される。
キャパシタC1の電圧がローレベルの状態で第1の制御信号S3がハイレベルになると、オペアンプOP1の出力電圧が上昇し、抵抗R1及びダイオードD1を介してキャパシタC1に電流が流れ、キャパシタC1の電圧が上昇する。キャパシタC1の電圧が第1の制御信号S3と同じハイレベルになると、オペアンプOP1の出力からキャパシタC1へ流れる電流がゼロとなり、キャパシタC1の電圧上昇が止まる。第1の制御信号S3がハイレベルに留まると、キャパシタC1の電圧もハイレベルに保たれる。キャパシタC1の電圧がハイレベルの場合、オペアンプOP2の出力はハイレベルになるため、縦続接続されたインバータ回路81,82から出力される第2の制御信号S8はハイレベルとなる。
キャパシタC1の電圧がハイレベルの状態で第1の制御信号S3がローレベルになると、キャパシタC1を放電するようにオペアンプOP1の出力電圧が低下するが、このときダイオードD1には逆方向電圧が加わり、ダイオードD1はオフ状態となる。そのため、キャパシタC1の電荷はオペアンプOP1によって急速に放電されず、抵抗R2によってゆっくり放電される。この場合、キャパシタC1の電圧は、キャパシタC1の静電容量値と抵抗R2の抵抗値とに応じた一定の時定数で低下する。
オペアンプOP2は、高入力インピーダンスかつ低出力インピーダンスのバッファ回路を構成しており、キャパシタC1の電圧とほぼ同じレベルを有する信号を後段のインバータ回路81に入力する。キャパシタC1の電圧がハイレベルから一定の時定数で低下し、その電圧がインバータ回路81の論理閾値より低くなると、インバータ回路81の出力がローレベルからハイレベルに反転し、このインバータ回路81の後段に接続されるインバータ回路82の出力(すなわち第2の制御信号S8)がハイレベルからローレベルに変化する。
図14に示すオフディレイタイマ8(パルスストレッチャ回路)によれば、比較部3の第1の制御信号S3がローレベルからハイレベルへ変化した場合、その変化の直後から第2の制御信号S8としてハイレベルの信号が出力される。比較部3の第1の制御信号S3がハイレベルに維持される場合、第2の制御信号S8としてハイレベルの信号が出力される。比較部3の第1の制御信号S3がハイレベルからローレベルへ変化し、そのローレベルの状態が一定時間続くと、キャパシタC1の電圧がインバータ回路81の論理閾値より低くなり、第2の制御信号S8はハイレベルからローレベルに変化する。
なお、オフディレイタイマ8は、図14に示すようなパルスストレッチャ回路の他にも、例えばタイマICを用いた回路によって実現可能である。また、オフディレイタイマ8は、デジタル回路やアナログ回路を含んだ集積回路により構成してもよい。既存の集積回路を用いることで、設計が容易になる。
上述した構成を有する図13に示す電流センサの動作を説明する。
被測定電流Iが比較部3の第1の閾値Vref1に対応する所定の閾電流より小さい場合、比較部3の第1の制御信号S3はローレベルとなり、オフディレイタイマ8の第2の制御信号S8もローレベルとなる。そのため、選択部4においては、第5のローパスフィルタ15を通過した第2の磁気センサ2の出力が選択され、出力信号Soutとして出力される。
他方、被測定電流Iが第1の閾値Vref1に対応する所定の閾電流より大きい場合、比較部3の第1の制御信号S3及びオフディレイタイマ8の第2の制御信号S8がハイレベルとなる。この場合、選択部4においては、第1の磁気センサ1を通過した第1の磁気センサ1の出力が選択され、出力信号Soutとして出力される。すなわち、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない所定の閾電流に比べて被測定電流Iが大きい場合、第2の磁気センサ2の出力は磁気飽和によって歪む可能性があるため、選択部4では第1の磁気センサ1の出力が選択される。
また、被測定電流Iがノイズ等のために所定の閾電流より一時的に大きくなった場合、比較部3の第1の制御信号S3は、一時的にハイレベルとなった後で直ぐにローレベルへ戻るが、オフディレイタイマ8の第2の制御信号S8は、第1の制御信号S3がローレベルへ戻った後も一定時間ハイレベルのままとなる。この場合、選択部4においては、第1の磁気センサ1の出力が一定時間選択され続けた後、第2の磁気センサ2の出力に切り換る。そのため、第2の磁気センサ2の一時的な磁気飽和が終了した後も第2のローパスフィルタ12の出力にしばらくの間残存している誤差成分は、選択部4から出力され難くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサによれば、被測定電流Iが所定の閾電流を超えた場合、直ちに選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択され、被測定電流Iが所定の閾電流を超えていない状態が一定時間続いた場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力が選択される。そのため、被測定電流Iがノイズ成分によって所定の閾電流より大きくなったり小さくなったりする状態が頻繁に繰り返されても、選択部4において第1の磁気センサ1の出力と第2の磁気センサ2の出力とが不必要に切り換わることを有効に防止できる。
また、本実施形態に係る電流センサによれば、比較部3に入力される第1の磁気センサ1の出力S1のノイズ成分を減衰させる第1のローパスフィルタ11を設けたことによって、測定レンジが不必要に切り換わることをより効果的に防止できる。
更に、本実施形態に係る電流センサによれば、被測定電流Iに重畳するノイズ成分が一時的に第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じる程大きくなった場合、磁気飽和を生じ難い低感度の第1の磁気センサ1の出力が選択部4において速やかに選択される。これにより、第2の磁気センサ2の磁気飽和の影響で誤差を生じた信号Soutが選択部4から出力され難くなるため、測定精度を向上できる。
また、本実施形態に係る電流センサよれば、被測定電流Iに重畳するノイズ成分が一時的に第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じる程大きくなった場合、第1の磁気センサ1の出力が閾値Vref1を下回るまで被測定電流Iが小さくなった後も、選択部4において第1の磁気センサ1の出力が一定時間選択され続ける。これにより、第2の磁気センサ2の一時的な磁気飽和が終了した後も、第2のローパスフィルタ12の出力に残存している誤差成分が十分に小さくなるまでの間は、第1の磁気センサ1の出力が選択部4において選択され続ける。そのため、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因した出力信号Soutの精度の低下を有効に防止できる。
しかも、本実施形態に係る電流センサによれば、比較部3の第1の閾値Vref1が、磁気飽和によって第2の磁気センサ2の出力に歪みが生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されている。これにより、磁気飽和を生じた第2の磁気センサ2の出力が選択部4において選択され難くなるため、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因した出力信号Soutの精度の低下を更に有効に防止できる。
<第10の実施形態>
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。
図15は、第10の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図15に示す電流センサは、図4に示す電流センサ(第2の実施形態)と同様の構成に加えて、第4のローパスフィルタ14と、第5のローパスフィルタ15と、オフディレイタイマ8を有する。第4のローパスフィルタ14、第5のローパスフィルタ15及びオフディレイタイマ8は、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)における同一符号の構成要素と同じである。
図15に示す電流センサにおいても、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)と同様の動作により、比較部3Aの第1の制御信号S3に応じた第2の制御信号S8がオフディレイタイマ8によって生成され、選択部4の選択動作が制御される。すなわち、被測定電流Iが第2の閾値Vref2に対応する所定の閾電流を超えた場合、直ちに選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択され、被測定電流Iが所定の閾電流を超えていない状態が一定時間続いた場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力が選択される。そのため、被測定電流Iのノイズ成分の影響によって測定レンジが不必要に切り換わることを有効に防止できる。
また、第2の磁気センサ2は第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iに対する感度が高いため、比較部3Aにおいて第2の磁気センサ2の出力と第2の閾値Vref2との比較を精度良く行うことができる。これにより、図13に示す電流センサに比べて、第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることができる。
<第11の実施形態>
次に、本発明の第11の実施形態について説明する。
図16は、第11の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図16に示す電流センサは、図5に示す電流センサ(第3の実施形態)と同様の構成に加えて、第4のローパスフィルタ14と、第5のローパスフィルタ15と、オフディレイタイマ8を有する。第4のローパスフィルタ14、第5のローパスフィルタ15及びオフディレイタイマ8は、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)における同一符号の構成要素と同じである。
図16に示す電流センサにおいても、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)と同様の動作により、比較部3Bの第1の制御信号S3に応じた第2の制御信号S8がオフディレイタイマ8によって生成され、選択部4の選択動作が制御される。そのため、被測定電流Iのノイズ成分の影響によって測定レンジが不必要に切り換わることを有効に防止できる。
また、図16に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の何れか一方において被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力が選択部4において選択される。そのため、第1の比較器31及び第2の比較器32のそれぞれにおいて閾値とセンサ出力との比較精度にばらつきが存在する場合でも、磁気飽和による歪みが生じた第2の磁気センサ2の出力が選択部4において選択されることをより確実に防止できる。
<第12の実施形態>
次に、本発明の第12の実施形態について説明する。
図17は、第12の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図17に示す電流センサは、図6に示す電流センサ(第4の実施形態)と同様の構成に加えて、第4のローパスフィルタ14と、第5のローパスフィルタ15と、オフディレイタイマ8を有する。第4のローパスフィルタ14、第5のローパスフィルタ15及びオフディレイタイマ8は、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)における同一符号の構成要素と同じである。
図17に示す電流センサにおいても、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)と同様の動作により、比較部3Bの第1の制御信号S3に応じた第2の制御信号S8がオフディレイタイマ8によって生成され、選択部4の選択動作が制御される。そのため、被測定電流Iのノイズ成分の影響によって測定レンジが不必要に切り換わることを有効に防止できる。
また、図17に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の両方で被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合にのみ、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力が選択部4において選択される。すなわち、被測定電流Iが最大値を超えたことがより確実となった場合に第1の磁気センサ1の出力が選択部4において選択される。そのため、図16に示す電流センサ(第11の実施形態)に比べて、第2の磁気センサ2による高感度の測定レンジを広くすることができる。
<第13の実施形態>
次に、本発明の第13の実施形態について説明する。
上述した各実施形態に係る電流センサでは、磁気センサ(1,2)の出力信号と一定の閾値(Vref1,Vref2等)とを比較部により比較した結果に応じて、測定レンジの切り換えが行われる。これに対し、本実施形態に係る電流センサでは、測定感度の異なる2つの磁気センサの出力信号を比較した結果に応じて、測定レンジの切り換えが行われる。
図18は、第13の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。
図18に示す電流センサは、図5に示す電流センサ(第3の実施形態)における比較部3Bを一致判定部7Aに置き換え、増幅部22を追加したものであり、他の構成は図5に示す電流センサと同様である。
増幅部22は、第1の磁気センサ1の出力信号S1を増幅し、増幅結果の信号を第1のローパスフィルタ11に入力する。増幅部22は、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な被測定電流Iの最大値(第2の磁気センサ2の出力S2が磁気飽和によって歪まない被測定電流Iの最大値)よりも被測定電流Iが小さい場合に、第1の磁気センサの出力信号S1を増幅した信号と第2の磁気センサ2の出力信号S2とが等しくなるように設定された増幅率を有する。
一致判定部7Aは、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力信号と、増幅部22において増幅されて第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内であるか否かを判定する。一致判定部7Aは、当該判定の結果に応じて、選択部4を制御する第1の制御信号S7Aを出力する。
一致判定部7Aは、図7に示す電流センサ(第5の実施形態)における一致判定部7と同様の構成(例えば図8に示す構成において、論理ゲート75の後段にインバータ回路を設けたもの)を有する。
選択部4は、一致判定部7から出力される第1の制御信号S7Aに応じて、第1の磁気センサ1の出力S1又は第2の磁気センサ2の出力S2の一方を選択し、信号Soutとして出力する。すなわち、選択部4は、一致判定部7に入力される2つの信号が所定の範囲内にあることを示す第1の制御信号S7Aを入力した場合、第2の磁気センサ2の出力S2を選択して出力し、当該2つの信号が所定の範囲内にないことを示す第1の制御信号S7Aを入力した場合、第1の磁気センサ1の出力S1を選択して出力する。
図示しない後段の回路では、第1の制御信号S7Aが示すに選択部4の選択状態に応じて、選択部4から出力される信号Soutを被測定電流Iの電流値に換算する処理における換算比率を切り換える。
図18に示す電流センサの動作を説明する。
第2の磁気センサ2の出力S2が磁気飽和によって歪まない程度に被測定電流Iが小さい場合、一致判定部7に入力される2つの信号のレベルは略等しくなる。この場合、一致判定部7は、当該2つの信号の差が所定の範囲内に含まれることを示す第1の制御信号S7Aを出力する。選択部4は、この第1の制御信号S7Aに応じて、第2の磁気センサ2の出力S2を選択する。
被測定電流Iが大きくなって第2の磁気センサ2が磁気飽和を起こすと、第2の磁気センサ2の出力に歪が生じるため、一致判定部7に入力される2つの信号にレベルの差が生じる。例えば第2の磁気センサ2が磁気抵抗効果素子の場合、第2の磁気センサ2の出力S2は磁気飽和の影響によって第1の磁気センサ1の出力S1より小さくなる。当該2つの信号のレベル差が所定の範囲内から外れるほど被測定電流Iが大きくなると、第1の制御信号S7Aの論理が反転し、選択部4において第1の磁気センサ1の出力S1が選択される。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサによれば、感度の低い第1の磁気センサ1の出力と感度の高い第2の磁気センサ2の出力とを比較することによって、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な最大値よりも被測定電流Iが大きくなったか否かが判定される。被測定電流Iが当該最大値より小さい場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力が選択され、被測定電流Iが当該最大値を超えた場合、選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択される。
一定の閾値と磁気センサの出力とを比較する方法では、磁気センサの性能の個体的なばらつきや経年的なばらつきが存在するため、第2の磁気センサ2の測定レンジを余分に狭くする必要がある。本実施形態に係る電流センサでは、このようなばらつきの影響を受けることなく、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な最大値よりも被測定電流Iが大きくなったか否かを正確に判定できる。そのため、高感度な第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることが可能となる。
また、本実施形態に係る電流センサによれば、第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12によって一致判定部7Aの判定動作がノイズの影響を受け難くなるため、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
<第14の実施形態>
次に、本発明の第14の実施形態について説明する。
上述した第13の実施形態に係る電流センサでは、第1の磁気センサ1の出力S1がそのまま選択部4に入力されているが、第14の実施形態に係る電流センサでは、第1の磁気センサ1の出力S1を増幅した信号が選択部4に入力される。
図19は、第14の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図19に示す電流センサは、図18に示す電流センサにおける増幅部22を増幅部21に置き換えて、第3のローパスフィルタ13を追加したものであり、他の構成は図18に示す電流センサと同じである。
増幅部21は、図7に示す電流センサ(第5の実施形態)における同一符号の構成要素と同じである。また、第3のローパスフィルタ13は、図7に示す電流センサ(第5の実施形態)における同一符号の構成要素と同じである。
第1のローパスフィルタ11は、増幅部21において増幅された第1の磁気センサ1の出力信号S1Bに含まれる高周波成分を減衰させる。
一致判定部7Aは、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力信号と、増幅部21において増幅されて第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内であるか否かを判定し、当該判定の結果に応じて、選択部4を制御する第1の制御信号S7Aを出力する。
図19に示す電流センサにおいても、図18に示す電流センサと同様に、感度の低い第1の磁気センサ1の出力と感度の高い第2の磁気センサ2の出力とを比較することによって、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な最大値よりも被測定電流Iが大きくなったか否かが判定される。そのため、一定の閾値と磁気センサの出力とを比較する方法に比べて、高感度な第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることが可能となる。
また、第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12によって一致判定部7Aの判定動作がノイズの影響を受け難くなるため、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
更に、図19に示す電流センサによれば、第1の磁気センサ1の出力S1が増幅部21において増幅されて選択部4に入力されており、2つの磁気センサ(1,2)のどちらの出力が選択部4において選択されても、選択部4から出力される信号の被測定電流Iに対する比率が同じになる。そのため、図示しない後段の回路において信号Soutを被測定電流Iの電流値に換算する場合に、選択部4の選択状態に応じて換算比率を切り換える必要がなくなり、処理を簡略化できる。
<第15の実施形態>
次に、本発明の第15の実施形態について説明する。
図20は、第15の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図20に示す電流センサは、図19に示す電流センサから第3のローパスフィルタ13を削除して、第4のローパスフィルタ14,第5のローパスフィルタ15及びオフディレイタイマ8を追加したものであり、他の構成は図19に示す電流センサと同じである。
第4のローパスフィルタ14,第5のローパスフィルタ15及びオフディレイタイマ8は、図13に示す電流センサ(第9の実施形態)における同一符号の構成要素と同じである。ただし、図20に示す電流センサにおけるオフディレイタイマ8は、比較部3から出力される第1の制御信号S3の代わりとして、一致判定部7Aから出力される第1の制御信号S7Aを入力する。
オフディレイタイマ8は、一致判定部7Aから出力される第1の制御信号S7Aに応じた第2の制御信号S2を選択部4に出力して、選択部4の選択動作を制御する。オフディレイタイマ8は、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力信号と、増幅部21において増幅されて第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲から外れたことを示す第1の制御信号S7Aを入力すると、直ちに選択部4において第1の磁気センサ1の出力を選択させる第2の制御信号S8を出力する。他方、オフディレイタイマ8は、当該差が所定の範囲内にあることを示す第1の制御信号S7Aの入力が一定時間続いた場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力を選択させる第2の制御信号S8を出力する。
図20に示す電流センサにおいても、図18に示す電流センサと同様に、感度の低い第1の磁気センサ1の出力と感度の高い第2の磁気センサ2の出力とを比較することによって、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な最大値よりも被測定電流Iが大きくなったか否かが判定される。そのため、一定の閾値と磁気センサの出力とを比較する方法に比べて、高感度な第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることが可能となる。
また、第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12によって一致判定部7Aの判定動作がノイズの影響を受け難くなるため、ノイズの影響による選択レンジの不必要な切り換えを生じ難くすることができる。
加えて、選択部4から出力される信号の被測定電流Iに対する比率が選択部4の選択状態に依らず一定になるため、後段の回路における処理を簡略化できる。
更に、図20に示す電流センサによれば、第2の磁気センサ2において磁場の測定が可能な最大値よりも被測定電流Iが大きくなって第2の磁気センサ2の出力が歪んだ場合、直ちに選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択される。被測定電流Iが当該最大値を超えていない状態が一定時間続いた場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力が選択される。そのため、被測定電流Iがノイズ成分によって当該最大値より大きくなったり小さくなったりする状態が頻繁に繰り返されても、選択部4において第1の磁気センサ1の出力と第2の磁気センサ2の出力とが不必要に切り換わることを有効に防止できる。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した各実施形態において、第1の磁気センサ1や第2の磁気センサ2は増幅器を内蔵していてもよい。特に第2の磁気センサ2が増幅器を内蔵することによって、微小な電流に対する測定感度を高めることができる。
図5,図6,図11,図12,図16,図17に示す電流センサでは、第1の比較器31及び第2の比較器32の出力に対して論理和演算を行う論理ゲート33や論理積演算を行う論理ゲート34の例を挙げたが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、第1の比較器31及び第2の比較器32の出力に対して否定論理和や否定論理積の論理演算を行う論理ゲートを設けてもよい。これにより、論理ゲートに含まれるトランジスタの数を少なくすることができる。
図7,図11,図12に示す電流センサでは、増幅部21において増幅された第1の磁気センサ1の出力が第1のローパスフィルタ11を介して比較部(3C,3E)に入力されているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、増幅部21において増幅される前の第1の磁気センサ1の出力が第1のローパスフィルタ11を介して比較部(3C,3E)に入力されてもよい。また、図18に示す電流センサでは、増幅部22において増幅された第1の磁気センサ1の出力が第1のローパスフィルタ11を介して一致判定部7Aに入力されているが、本発明の他の実施形態では、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力が増幅部22を介して一致判定部7Aに入力されてもよい。
図7,図10,図11,図12に示す電流センサにおける故障検知部6では、被測定電流Iが所定の閾電流に比べて小さいか否かの判定において、選択部4の出力が用いられているが、本発明はこの例に限定されない。本発明の他の実施形態では、第1の磁気センサ1の出力や第2の磁気センサ2の出力を用いて、故障検知部6による当該判定が行われてもよい。また、故障検知部6による当該判定は、ノイズによる誤判定を防止するため、ローパスフィルタを通過した信号に基づいて行われることが好ましいが、ノイズの影響を無視できる場合には、ローパスフィルタを通過する前の信号に基づいて行われてもよい。
図7,図10,図11,図12に示す電流センサにおける故障検知部6は、図1,図4〜図6,図13,図15〜図20に示す電流センサにも設けることが可能である。
図1,図4〜図6,図13,図15〜図17に示す電流センサに故障検知部6を設ける場合には、第1の磁気センサ1の出力を増幅する増幅部(増幅部21(図7)と同様の増幅率を持つもの)と、一致判定部7(図7)を更に追加すればよい。
図18〜図20に示す電流センサに故障検知部6を設ける場合には、一致判定部7Aにおいて出力される第1の制御信号S7Aを用いて故障検知部6が故障の検出を行うようにすればよい。
本発明は、車載用の電流センサ等に適用可能である。
1…第1の磁気センサ、2…第2の磁気センサ、3,3A,3B,3C,3D,3E…比較部、4…選択部、11…第1のローパスフィルタ、12…第2のローパスフィルタ、13…第3のローパスフィルタ、14…第4のローパスフィルタ、15…第5のローパスフィルタ、21,22…増幅部、6…故障検知部、7…一致判定部、8…オフディレイタイマ、9…電流路、I…被測定電流、Vref1…第1の閾値、Vref2…第2の閾値、S3,S7A…第1の制御信号、S8…第2の制御信号。

Claims (14)

  1. 被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、
    前記被測定電流に応じて生じる磁場を前記第1の磁気センサよりも高い感度で測定する第2の磁気センサと、
    前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力のうち、何れか一方の出力を選択する選択部と、
    前記第1の磁気センサの出力、及び、前記第2の磁気センサの出力の少なくとも一方を入力し、当該入力した信号を所定の閾値と比較し、当該比較の結果に応じて、前記選択部を制御する第1の制御信号を出力する比較部と、
    前記第1の磁気センサの出力信号を増幅する増幅部であって、前記第2の磁気センサにおいて磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値よりも前記被測定電流が小さい場合に、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅した信号と前記第2の磁気センサの出力信号とが等しくなるように設定された増幅率を有する増幅部と、
    前記第2の磁気センサの出力信号と、前記増幅部において増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内であるか否かを判定する一致判定部と、
    前記被測定電流の前記最大値よりも小さい所定の閾電流に比べて前記被測定電流が小さいか否かを、前記第1の磁気センサの出力信号、前記第2の磁気センサの出力信号、又は、前記選択部の出力信号に基づいて判定し、前記被測定電流が前記閾電流に比べて小さいときに、前記第2の磁気センサの出力信号と前記増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が前記所定の範囲から外れたことを前記一致判定部が判定した場合、故障の検出を示す信号を出力する故障検出部と
    を備えたことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記比較部への前記入力信号が通過する少なくとも1つのローパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記比較部は、前記第1の磁気センサからの入力信号と第1の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた前記第1の制御信号を出力し、
    前記ローパスフィルタは、前記第1の磁気センサから前記比較部への前記入力信号が通過する第1のローパスフィルタを含む
    ことを特徴とする請求項に記載の電流センサ。
  4. 前記比較部は、前記第2の磁気センサからの入力信号と第2の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた前記第1の制御信号を出力し、
    前記ローパスフィルタは、前記第2の磁気センサから前記比較部への前記入力信号が通過する第2のローパスフィルタを含む
    ことを特徴とする請求項に記載の電流センサ。
  5. 前記比較部は、
    前記第1の磁気センサからの入力信号と第1の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第1の比較器と、
    前記第2の磁気センサからの入力信号と第2の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第2の比較器と、
    前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力との論理和を演算し、当該演算結果に応じた前記第1の制御信号を出力する論理ゲートとを含み、
    前記ローパスフィルタは、
    前記第1の磁気センサから前記第1の比較器への前記入力信号が通過する第1のローパスフィルタと、
    前記第2の磁気センサから前記第2の比較器への前記入力信号が通過する第2のローパスフィルタとを含む
    ことを特徴とする請求項に記載の電流センサ。
  6. 前記比較部は、
    前記第1の磁気センサからの入力信号と第1の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第1の比較器と、
    前記第2の磁気センサからの入力信号と第2の閾値とを比較して、当該比較結果に応じた信号を出力する第2の比較器と、
    前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力との論理積を演算し、当該演算結果に応じた前記第1の制御信号を出力する論理ゲートとを含み、
    前記ローパスフィルタは、
    前記第1の磁気センサから前記第1の比較器への前記入力信号が通過する第1のローパスフィルタと、
    前記第2の磁気センサから前記第2の比較器への前記入力信号が通過する第2のローパスフィルタとを含む
    ことを特徴とする請求項に記載の電流センサ。
  7. 前記選択部において選択された信号が通過する第3のローパスフィルタを備える
    ことを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の電流センサ。
  8. 前記選択部へ入力される前記第1の磁気センサの出力が通過する第4のローパスフィルタと、
    前記選択部へ入力される前記第2の磁気センサの出力が通過する第5のローパスフィルタと、
    前記第1の制御信号に応じた第2の制御信号を前記選択部に出力するオフディレイタイマとを備え、
    前記比較部は、前記第4のローパスフィルタを通過する前の前記第1の磁気センサの出力、及び、前記第5のローパスフィルタを通過する前の前記第2の磁気センサの出力の少なくとも一方を入力して前記閾値と比較し、当該比較の結果に応じて、前記被測定電流が所定の閾電流を超えたか否かを示す前記第1の制御信号を出力し、
    前記オフディレイタイマは、
    前記被測定電流が前記閾電流を超えたことを示す前記第1の制御信号を入力すると、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力し、
    前記被測定電流が前記閾電流を超えていないことを示す前記第1の制御信号の入力が一定時間続いた場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力する
    ことを特徴とする請求項乃至の何れか一項に記載の電流センサ。
  9. 被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、
    前記被測定電流に応じて生じる磁場を前記第1の磁気センサよりも高い感度で測定する第2の磁気センサと、
    前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力のうち、何れか一方の出力を選択する選択部と、
    前記第1の磁気センサの出力、及び、前記第2の磁気センサの出力の少なくとも一方を入力し、当該入力した信号を所定の閾値と比較し、当該比較の結果に応じて、前記選択部を制御する第1の制御信号を出力する比較部と、
    前記比較部への前記入力信号が通過する少なくとも1つのローパスフィルタと、
    前記選択部へ入力される前記第1の磁気センサの出力が通過する第4のローパスフィルタと、
    前記選択部へ入力される前記第2の磁気センサの出力が通過する第5のローパスフィルタと、
    前記第1の制御信号に応じた第2の制御信号を前記選択部に出力するオフディレイタイマとを備え、
    前記比較部は、前記第4のローパスフィルタを通過する前の前記第1の磁気センサの出力、及び、前記第5のローパスフィルタを通過する前の前記第2の磁気センサの出力の少なくとも一方を入力して前記閾値と比較し、当該比較の結果に応じて、前記被測定電流が所定の閾電流を超えたか否かを示す前記第1の制御信号を出力し、
    前記オフディレイタイマは、
    前記被測定電流が前記閾電流を超えたことを示す前記第1の制御信号を入力すると、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力し、
    前記被測定電流が前記閾電流を超えていないことを示す前記第1の制御信号の入力が一定時間続いた場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力する
    ことを特徴とする電流センサ。
  10. 前記比較部が、2つの閾値を持つシュミットトリガ回路を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の電流センサ。
  11. 被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、
    前記被測定電流に応じて生じる磁場を前記第1の磁気センサよりも高い感度で測定する第2の磁気センサと、
    前記第1の磁気センサの出力及び前記第2の磁気センサの出力のうち、何れか一方の出力を選択する選択部と、
    前記第1の磁気センサの出力信号を増幅する増幅部であって、前記第2の磁気センサにおいて磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値よりも前記被測定電流が小さい場合に、前記第1の磁気センサの出力信号を増幅した信号と前記第2の磁気センサの出力信号とが等しくなるように設定された増幅率を有する増幅部と、
    前記第2の磁気センサの出力信号と、前記増幅部において増幅された前記第1の磁気センサの出力信号との差が所定の範囲内であるか否かを判定し、当該判定の結果に応じて、前記選択部を制御する第1の制御信号を出力する一致判定部と、
    前記一致判定部に入力される前記第1の磁気センサの出力信号が通過する第1のローパスフィルタと、
    前記一致判定部に入力される前記第2の磁気センサの出力信号が通過する第2のローパスフィルタと
    を備えたことを特徴とする電流センサ。
  12. 前記増幅部は、前記選択部に入力される前記第1の磁気センサの出力信号を増幅する
    ことを特徴とする請求項11に記載の電流センサ。
  13. 前記選択部へ入力される前記第1の磁気センサの出力が通過する第4のローパスフィルタと、
    前記選択部へ入力される前記第2の磁気センサの出力が通過する第5のローパスフィルタと、
    前記第1の制御信号に応じた第2の制御信号を前記選択部に出力するオフディレイタイマとを備え、
    前記オフディレイタイマは、
    前記差が所定の範囲内から外れたことを示す前記第1の制御信号を入力すると、直ちに前記選択部において前記第1の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力し、
    前記差が所定の範囲にあることを示す前記第1の制御信号の入力が一定時間続いた場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力を選択させる前記第2の制御信号を出力する
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の電流センサ。
  14. 前記第2の磁気センサが、磁気抵抗効果素子を含む
    ことを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の電流センサ。
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