JP6218159B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、磁気センサを用いて電流を検出する電流センサに係り、特に、検出可能な電流の範囲が異なる複数の測定レンジを切り換えることが可能な電流センサに関するものである。
電流センサの測定レンジを広げる方法として、検出可能な電流の範囲が異なる複数の測定レンジを切り換える方法が一般的に知られている。下記の特許文献に記載される感度切換型センサ回路では、シャント抵抗の電圧が高ゲインの小電流用アンプと低ゲインの大電流用アンプとにおいてそれぞれ増幅される。各アンプの出力信号は、ローパスフィルタによって低周波成分を抽出された後、A/Dコンバータにおいてそれぞれデジタル値の検出データx,yに変換されて、マイクロコンピュータに取り込まれる。マイクロコンピュータでは、小電流用アンプの検出データxがしきい値iLより小さい場合、検出データxに基づいて電流値が算出され、大電流用アンプの検出データyがしきい値iH(>iL)より大きい場合、データyに基づいて電流値が算出される。
特開2006−266738号公報
上記特許文献1では、電流検出素子としてシャント抵抗が使用されているが、磁電変換素子やカレントトランスなどの磁気センサを用いても、同様な回路を実現可能である。磁気センサは、特に測定系を被測定系から絶縁することが要求される用途、例えば電気自動車・ハイブリッド自動車等の高電圧回路において多く使用されている。
一般に磁気センサは磁性材料を含んでおり、大電流による高い磁場を受けると磁性材料が磁気飽和を生じるため、検出結果に誤差が生じる。図12は、磁気式の電流センサの特性を示す図である。横軸は電流Iを示し、縦軸は磁気センサの出力信号Soutを示す。図12の例では、電流値Isを超える電流が流れると、磁気センサの感度が磁気飽和によって低下し、電流Iに対する出力信号Soutのリニアリティが劣化する。通常は、感度(出力信号レベル/電流)が大きいほど小さな電流で磁気飽和が生じるので、大電流用には低感度の磁気センサ、小電流用には高感度の磁気センサを用いることが好ましい。
従って、上記特許文献1と同様な回路を磁気センサで実現する場合、低感度の磁気センサと高感度の磁気センサを2つ用意して、小電流用アンプに高感度の磁気センサを接続し、大電流用アンプに低感度の磁気センサを接続する方式が考えられる。これにより、大電流用アンプと小電流用アンプを同一の磁気センサに接続する方式に比べて、小電流の測定レンジにおけるS/N比やリニアリティを向上できる。
ところで、上記特許文献1の回路では、ローパスフィルタで高周波成分を除去した検出データx,yに基づいて測定レンジ(大電流/小電流)の切り換えが行われている。すなわち、高周波成分が除去された検出データx,yを適当なしきい値と比較することにより、レンジ切り換えの判定が行われている。電流検出素子として低感度と高感度の磁気センサを用いる場合、このしきい値は、高感度の磁気センサにおいて磁気飽和が始まる値「Vs」より若干小さい値「Vr」に設定される(図12)。もし検出対象の高周波成分が充分小さければ、高感度の磁気センサにおいて磁気飽和が始まる前の「Vr」において、測定レンジを確実に低感度の磁気センサへ切り換えることが可能である。
しかしながら、例えば電気自動車等の用途では、インバータ等によって発生する大きな高周波ノイズが検出対象の電流に重畳する。大きなノイズが重畳すると、磁気飽和によって磁気センサの検出結果の波形に歪みが生じるため、次に述べるように、測定レンジの切り換えが適切に行われない場合がある。
図13は、図12に示す磁気飽和特性を有した高感度の磁気センサを用いてノイズが重畳された電流を測定した場合における、磁気センサの出力信号の波形を示す図である。
図13において、「Sout1」は高感度の磁気センサの出力信号を示し、「Sout2」は、低感度の磁気センサの出力信号を示す。ただし図13の例では、波形の比較を容易にするため、同一レベルの電流に対する出力信号Sout1と出力信号Sout2の信号レベルが等しくなるように図解している。また図13において、「CV1」は出力信号Sout1のローパスフィルタ通過後の波形を示し、「CV2」は出力信号Sout2のローパスフィルタ通過後の波形を示す。更に図13において、「Sout1’」は磁気飽和を生じない理想的な磁気センサの出力信号を示し、「CV1’」はその理想的な出力信号Sout1’がローパスフィルタを通過した後の波形を示す。
図13における出力信号Sout1と出力信号Sout1’の波形を比較して分かるように、高感度の磁気センサの出力信号Sout1は、「Vs」を超えると磁気飽和によって歪んだ波形となる。磁気飽和によって歪んだ出力信号Sout1の波形は、「Vs」より高い範囲において、実際の電流に対応するレベルよりも低くなる。その結果、「CV1」と「CV1’」の波形を比較して分かるように、ローパスフィルタを通過した後の出力信号Sout1の波形(CV1)も、磁気飽和の影響によって、実際の電流に対応するレベルより低くなる。
「CV1」に示すローパスフィルタ通過後の出力信号Sout1と「Vr」との比較に基づいて測定レンジの切り換えが行われると、出力信号Sout1が「Vr」を超える時刻t2において測定レンジが切り換わる。ところが、既に時刻t1以降、出力信号Sout1はしばしば歪んでいる。この為、時刻t1から時刻t2までの間、「CV1」に示すローパスフィルタ通過後の出力信号Sout1は、実際の電流から高周波成分を除去した値に比べて低くなる。
このように、「CV1」に示すローパスフィルタ通過後の出力信号Sout1と「Vr」とを比較した結果に基づいて測定レンジを切り換える方法では、測定対象の電流に大きなノイズ成分が重畳している場合に磁気センサの磁気飽和によって生じ得る測定誤差が考慮されていないため、測定レンジの切り換えが適切に行われていないという問題がある。
上記の問題を避けるため、例えば、測定レンジの切り換えを行う「Vr」を磁気飽和が始まる「Vs」に比べて十分に低く設定することにより、ノイズのピークが「Vs」を超えないようにする方法が考えられる。しかしながら、「Vr」をあまり低く設定してしまうと、特にノイズの少ない期間において、小電流の測定レンジが不必要に狭くなり、小電流における測定感度が低下してしまうという問題が生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小電流時の測定感度が高く、ダイナミックレンジの広い電流センサにおいて、検出対象の電流にノイズ成分が重畳している場合でも適切に測定レンジを切り換えることである。
上述した従来技術の問題を解決し、上述した目的を達成するために、第1の本発明の電流センサは、被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、前記被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサの出力が通過する第1のローパスフィルタと、前記第2の磁気センサの出力が通過する第2のローパスフィルタと、前記第1のローパスフィルタの出力及び前記第2のローパスフィルタの出力のうち、何れか一方の出力を通過させる選択部と、前記第1の磁気センサの出力、又は、前記第2の磁気センサの出力と閾値とを比較する比較器と、前記被測定電流のレベルが前記閾値に対応する閾電流を上回ったことを前記比較器が検出した直後から、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を下回ったことを前記比較器が検出してから一定時間経過するまで、検出信号を出力するオフディレイタイマと、を有し、前記第1の磁気センサは、磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値が前記第2の磁気センサよりも大きく、前記第2の磁気センサは、前記被測定電流に応じて生じる磁場の測定感度が前記第1の磁気センサよりも高く、前記選択部は、前記オフディレイタイマから前記検出信号が出力されている間、前記第1磁気センサの出力を通過させ、前記選択部は、前記オフディレイタイマから前記検出信号が出力されていない間、前記第2磁気センサの出力を通過させることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を上回ったことが前記比較器において検出された場合、その直後から、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を下回ったことが前記比較器において検出されて一定時間が経過するまでの間、前記オフディレイタイマにおいて前記検出信号が出力される。そして、前記オフディレイタイマから前記検出信号が出力される間は、前記選択部において前記第1磁気センサの出力が通過する。前記オフディレイタイマから前記検出信号が出力されていない間は、前記選択部において前記第2磁気センサの出力が通過する。
好適に、前記オフディレイタイマの前記検出信号を前記電流センサの外側に出力してよい。
これにより、前記電流センサの外側の機器等において、前記第1のセンサの出力又は前記第2のセンサの出力のどちらが前記選択部において選択されているかが把握可能となる。
好適に、前記オフディレイタイマは、集積回路からなるものでもよい。また、前記オフディレイタイマは、パルスストレッチャ回路からなるものでもよい。
好適に、前記比較器は、前記第1の磁気センサの出力と前記閾値とを比較してよい。あるいは、前記比較器は、前記第2の磁気センサの出力と前記閾値とを比較してもよい。
また、前記比較器は、負帰還をかけない1つのオペアンプからなるものでもよい。
好適に、前記閾値は、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値であってよい。
これにより、前記第2の磁気センサの歪んだ出力が前記選択部において選択され難くなる。
好適に、前記比較器は、前記第1の磁気センサの出力と第1の閾値とを比較する第1の比較器と、前記第2の磁気センサの出力と第2の閾値とを比較する第2の比較器と、前記第1の比較器の出力及び前記第2の比較器の出力が入力される論理ゲートとを含んでよい。前記論理ゲートは、論理和ゲート又は論理積ゲートのどちらかであってよい。この場合、前記第1の閾値と、前記第2の閾値とは、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値であってよい。
好適に、前記被測定電流が流れる電流路から前記第1の磁気センサ迄の距離より、前記電流路から前記第2の磁気センサ迄の距離が短くてもよい。
これにより、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサとを同一特性の素子にすることが可能となる。
好適に、前記第1の磁気センサの感度より、前記第2の磁気センサの感度が高くてもよい。
これにより、前記被測定電流が流れる電流路から、前記第1の磁気センサ迄の距離と、前記電流路から前記第2の磁気センサ迄の距離を同じにすることが可能となる。
第2の本発明の電流センサは、被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、前記被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第2の磁気センサと、前記第1の磁気センサの後段に設けられる増幅器と、前記増幅器の出力、又は、前記第2の磁気センサの出力と閾値とを比較する比較器と、前記増幅器の出力及び前記第2の磁気センサの出力の内、何れか一方の出力を前記比較器の比較結果に応じて通過させる選択部と、前記選択部の出力端に接続されたローパスフィルタと、を有し、前記第1の磁気センサは、磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値が前記第2の磁気センサよりも大きく、前記第2の磁気センサは、前記被測定電流に応じて生じる磁場の測定感度が前記第1の磁気センサよりも高く、前記選択部は、前記被測定電流のレベルが前記閾値に対応する閾電流を上回ったことを前記比較器が検出した場合に前記増幅器の出力を通過させ、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を下回ったことを前記比較器が検出した場合に前記第2の磁気センサの出力を通過させ、前記増幅器は、前記第2の磁気センサの出力が歪まない正常状態において、前記増幅器の出力と前記第2の磁気センサの出力とが同一となるように設定された増幅率を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を上回ったことが前記比較器において検出された場合、前記選択部において前記増幅器の出力が通過し、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を下回ったことが前記比較器において検出された場合、前記選択部において前記第2の磁気センサの出力が通過する。前記選択部を通過した前記増幅器の出力又は前記第2の磁気センサの出力は、前記ローパスフィルタに入力される。前記第2の磁気センサの出力が歪まない正常状態において、前記増幅器の出力及び前記第2の磁気センサの出力は前記増幅率の設定により同一となっているため、前記選択部の選択が切り換わっても、前記ローパスフィルタに入力される信号のレベルは同一となる。
好適に、前記比較器は、前記増幅器の出力と前記閾値とを比較してもよい。あるいは、前記比較器は、前記第2の磁気センサの出力と前記閾値とを比較してもよい。
また、前記比較器は、負帰還をかけない1つのオペアンプからなるものでもよい。
前記閾値は、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値であってよい。
これにより、前記第2の磁気センサの歪んだ出力が前記選択部において選択され難くなる。
好適に、前記比較器は、前記第1の磁気センサの出力と第1の閾値とを比較する第1の比較器と、前記第2の磁気センサの出力と第2の閾値とを比較する第2の比較器と、前記第1の比較器の出力及び前記第2の比較器の出力とが入力される論理ゲートとを含んでよい。前記論理ゲートは、論理和ゲート又は論理積ゲートのどちらかであってよい。この場合、前記第1の閾値と、前記第2の閾値とは、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値であってよい。
好適に、前記第2の磁気センサは増幅器を内蔵してよい。
これにより、微弱な電流に対する測定の感度が高められる。
好適に、前記増幅器の出力と前記第2の磁気センサの出力とのレベル差が所定のレベル差以下であるかを判定する一致判定回路を有しよい。また、前記一致判定回路の出力を前記電流センサの外側に出力してよい。
これにより、前記一致判定回路の出力に基づいて、前記電流センサの内部に異常(前記第1の磁気センサや前記第2の磁気センサの故障など)が発生したか否か判定可能となる。
好適に、前記一致判定回路は、第1の差動増幅器と、第2の差動増幅器と、前記第1の差動増幅器の出力レベルと第1の閾値とを比較する第1の比較器と、前記第2の差動増幅器の出力レベルと第2の閾値とを比較する第2の比較器と、前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力とを論理演算する論理ゲートとを有し、前記論理ゲートは、否定論理和ゲート又は論理和ゲートであって、前記第1の差動増幅器の反転入力端子に前記増幅器の出力端が接続され、前記第1の差動増幅器の非反転入力端子に前記第2の磁気センサの出力端が接続され、前記第2の差動増幅器の反転入力端子に前記第2の磁気センサの出力端が接続され、前記第2の差動増幅器の非反転入力端子に前記増幅器の出力端が接続されてよい。
好適に、前記被測定電流が流れる電流路から前記第1の磁気センサ迄の距離より、前記電流路から前記第2の磁気センサ迄の距離が短くてよい。
これにより、前記第1の磁気センサと前記第2の磁気センサとを同一特性の素子にすることが可能となる。
好適に、前記第1の磁気センサの感度より、前記第2の磁気センサの感度が高くてよい。
これにより、前記被測定電流が流れる電流路から、前記第1の磁気センサ迄の距離と、前記電流路から前記第2の磁気センサ迄の距離を同じにすることが可能となる。
本発明によれば、小電流時の測定感度が高く、ダイナミックレンジの広い電流センサにおいて、検出対象の電流にノイズ成分が重畳している場合でも適切に測定レンジを切り換えることができる。
図1は、第1の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図2は、電流センサに用いられる磁気センサの構成の一例を示す図である。図2Aは第1の磁気センサの構成例を示し、図2Bは第2の磁気センサの構成例を示す。 図3は、オフディレイタイマの構成の一例を示す図である。 図4は、第2の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図5は、第3の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図6は、第3の実施形態に係る電流センサの他の構成例を示す図である。 図7は、第4の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図8は、一致判定回路の構成の一例を示す図である。 図9は、第5の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図10は、第6の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。 図11は、第6の実施形態に係る電流センサの他の構成例を示す図である。 図12は、磁気式の電流センサの特性を示す図である。 図13は、図12に示す磁気飽和特性を有した高感度の磁気センサを用いてノイズが重畳された電流を測定した場合における、磁気センサの出力信号の波形を示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る電流センサについて説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。この電流センサは、電流路9に流れる被測定電流Iに応じて生じる磁場を磁気センサ(1,2)によって検出する磁気式の電流センサであり、電流Iに対する感度が異なる2つの磁気センサ(1,2)を測定レンジに応じて切り換えて使用する。
図1に示す電流センサは、被測定電流Iに応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2と、第1の磁気センサ1の出力が通過する第1のローパスフィルタ11と、第2の磁気センサ2の出力が通過する第2のローパスフィルタ12と、第1の磁気センサ1の出力と閾値とを比較する比較器3と、比較器3の出力信号S3に応じた検出信号S5を出力するオフディレイタイマ5と、第1のローパスフィルタ11の出力及び第2のローパスフィルタ12の出力のうち何れか一方を検出信号S5に応じて選択して通過させる選択部4とを有する。
[第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2]
第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2は、電流路9に流れる被測定電流Iに応じて生じる磁場を測定するセンサであり、例えばホール素子や磁気抵抗効果素子(GMR素子,TMR等)、カレントトランスなど、磁場を電気的な信号に変換する種々のセンサ素子の何れかを含んで構成される。第1の磁気センサ1は、磁場の測定が可能な被測定電流Iの最大値が第2の磁気センサ2に比べて大きい。第2の磁気センサ2は、被測定電流Iに応じて生じる磁場の測定感度が第1の磁気センサ1よりも高い。
本実施形態では、例えば図1に示すように、電流路9から第1の磁気センサ1迄の距離に比べて、電流路9から第2の磁気センサ2迄の距離が短い。すなわち、第2の磁気センサ2は、第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iによる磁場が大きい位置に配置される。また、第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2とは、同一特性を持った素子である。
第2の磁気センサ2は、第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iによる磁場が大きい位置にあるため、第1の磁気センサ1と同一の特性を有していても、第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iに対する測定感度が高くなるとともに、磁気飽和を生じ始める被測定電流Iの電流値が第1の磁気センサ1より小さくなる。
第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2を同一特性の素子にすることで、部品の種類を少なくすることができる。
なお、本実施形態の他の例においては、第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2とが同一特性の素子でなくとも良い。例えば、図2は、感度の異なる2つの磁気センサの例である。図2Aは第1の磁気センサ1の構成例を示し、図2Bは第2の磁気センサ2の構成例を示す。図2Aに示す第1の磁気センサ1は、基板1Bに配置された磁気抵抗効果素子1Aの上に絶縁層1Dを介して磁気シールド1Eが設けられ、磁気シールド1Eの上に絶縁層1Cが形成されている。他方、図2Bに示す第2の磁気センサ2は、基板2Bに配置された磁気抵抗効果素子2Aの上に絶縁層2Cが形成されているが、磁気シールドは設けられていない。磁気シールド1Eを有する第1の磁気センサ1は磁場に対する感度が相対的に低く、磁気シールドを持たない第2の磁気センサ2は磁場に対する感度が相対的に高い。この場合、電流路9から第1の磁気センサ1までの距離と電流路9から第2の磁気センサ2までの距離とが同じでもよい。
第2の磁気センサ2は、第1の磁気センサ1に比べて同一の磁界強度に対する感度が高いため、電流路9からの距離が第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2とで同じであっても、被測定電流Iに対する測定感度が高くなるとともに、磁気飽和を生じ始める被測定電流Iの電流値が第1の磁気センサ1よりも小さくなる。
電流路9から第1の磁気センサ1までの距離と電流路9から第2の磁気センサ2までの距離を同じにすることで、装置サイズを小型化できる。
また、電流路9の磁場の方向に対する感度軸の角度を変えることにより、被測定電流Iの磁場に対する第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2の感度が異なるようにすることも可能である。
[第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12]
第1のローパスフィルタ11は、第1の磁気センサ1の出力に含まれる高周波成分を減衰させる。第2のローパスフィルタ12は、第2の磁気センサ2の出力に含まれる高周波成分を減衰させる。第1のローパスフィルタ11及び第2のローパスフィルタ12は、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
[比較器3]
比較器3は、第1の磁気センサ1の出力と閾値Vref1とを比較し、その比較結果を示す信号S3を出力する。比較器3は、一般的なコンパレータを用いても良いし、負帰還をかけない1つのオペアンプを用いてもよい。負帰還をかけない1つのオペアンプを用いることにより、簡単な構成で比較器を構成でき、回路のサイズを小型化できる。また、比較器3としてヒステリシスコンパレータを用いることにより、第1の閾値Vref1付近の微小なノイズによる制御信号S3の頻繁な変化を抑えることができる。比較器3は、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
閾値Vref1は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されている。例えば、閾値Vref1に対応する被測定電流Iの閾電流は、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。比較器3は、第1の磁気センサ1の出力が閾値Vref1を超える場合、被測定電流Iが当該閾電流を超えていることを示すハイレベルの信号S3を出力する。他方、第1の磁気センサ1の出力が閾値Vref1を超えない場合、比較器3は、被測定電流Iが当該閾電流を超えていないことを示すローレベルの信号S3を出力する。
[オフディレイタイマ5]
オフディレイタイマ5は、被測定電流Iのレベルが閾値Vref1に対応する閾電流を上回ったことを比較器3が検出した直後から、被測定電流Iのレベルが当該閾電流を下回ったことを比較器3が検出してから一定時間経過するまで、検出信号S5を出力する。前記「一定時間」の時間は、第2のローパスフィルタ12の時定数に応じて決められる。
このオフディレイタイマ5の検出信号S5は、電流センサの外側へ出力される。検出信号S5は、選択部4において第1のローパスフィルタ11の出力信号又は第2のローパスフィルタ12の出力信号のどちらが選択されているかを示しており、図示しない後段の回路において選択部4の出力信号Soutを処理する際に使用される。
例えば、第1の磁気センサ1の感度が第2の磁気センサ2の感度に対して1/3になっているとすると、後段の回路では、第1の磁気センサ1からの出力(第1のローパスフィルタ11の出力信号)が選択部4において選択された場合の出力信号Sout(若しくは、これをAD変換した後のデータ)に対して、3倍のゲインが乗ぜられる。これにより、第1の磁気センサ1と第2の磁気センサ2の感度の違いによる出力信号Soutの違いが補正される。検出信号S5は、このような補正処理において、選択部4の選択状態を示す信号として使用される。
図3は、オフディレイタイマ5の構成の一例を示す図であり、パルスストレッチャ回路を用いる例を示す。
図3の例において、オフディレイタイマ5(パルスストレッチャ回路)は、オペアンプOP1,OP2と、ダイオードD1と、抵抗R1,R2と、キャパシタC1と、インバータ回路51,52とを有する。オペアンプOP1の非反転入力端子には、比較器3の信号S3が入力される。キャパシタC1の一方の端子は、抵抗R1及びダイオードD1を介してオペアンプOP1の出力に接続されるとともに、オペアンプOP1の反転入力端子に接続される。キャパシタC1の他方の端子は、グランドに接続される。抵抗R2は、キャパシタC1と並列に接続される。オペアンプOP2の非反転入力端子はキャパシタC1の一方の端子に接続され、反転入力端子はオペアンプOP2の出力に接続される。インバータ回路51,52は、オペアンプOP2の後段において縦続接続される。縦続接続されたインバータ回路51,52から検出信号S5が出力される。
キャパシタC1の電圧がローレベルの状態で信号S3がハイレベルになると、オペアンプOP1の出力電圧が上昇し、抵抗R1及びダイオードD1を介してキャパシタC1に電流が流れ、キャパシタC1の電圧が上昇する。キャパシタC1の電圧が信号S3と同じハイレベルになると、オペアンプOP1の出力からキャパシタC1へ流れる電流がゼロとなり、キャパシタC1の電圧上昇が止まる。信号S3がハイレベルに留まると、キャパシタC1の電圧もハイレベルに保たれる。キャパシタC1の電圧がハイレベルの場合、オペアンプOP2の出力はハイレベルになるため、縦続接続されたインバータ回路51,52から出力される検出信号S5はハイレベルとなる。
キャパシタC1の電圧がハイレベルの状態で信号S3がローレベルになると、キャパシタC1を放電するようにオペアンプOP1の出力電圧が低下するが、このときダイオードD1には逆方向電圧が加わり、ダイオードD1はオフ状態となる。そのため、キャパシタC1の電荷はオペアンプOP1によって急速に放電されず、抵抗R2によってゆっくり放電される。この場合、キャパシタC1の電圧は、キャパシタC1の静電容量値と抵抗R2の抵抗値とに応じた一定の時定数で低下する。
オペアンプOP2は、高入力インピーダンスかつ低出力インピーダンスのバッファ回路を構成しており、キャパシタC1の電圧とほぼ同じレベルを有する信号を後段のインバータ回路51に入力する。キャパシタC1の電圧がハイレベルから一定の時定数で低下し、その電圧がインバータ回路51の論理閾値より低くなると、インバータ回路51の出力がローレベルからハイレベルに反転し、このインバータ回路51の後段に接続されるインバータ回路52の出力(すなわち検出信号S5)がハイレベルからローレベルに変化する。
図3に示すオフディレイタイマ5(パルスストレッチャ回路)によれば、比較器3の信号S3がローレベルからハイレベルへ変化した場合、その変化の直後から検出信号S5としてハイレベルの信号が出力される。比較器3の信号S3がハイレベルに維持される場合、検出信号S5としてハイレベルの信号が出力される。比較器3の信号S3がハイレベルからローレベルへ変化すると、一定時間経過後にキャパシタC1の電圧がインバータ回路51の論理閾値より低くなり、検出信号S5はハイレベルからローレベルに変化する。
なお、オフディレイタイマ5は、図3に示すようなパルスストレッチャ回路を用いた回路の他にも、例えばタイマICを用いた回路によっても実現可能である。また、オフディレイタイマ5は、デジタル回路やアナログ回路を含んだ集積回路により構成してもよい。既存の集積回路を用いることで、設計が容易になる。
[選択部4]
選択部4は、オフディレイタイマ5からハイレベルの検出信号S5が出力されている間、第1の磁気センサ1の出力(第1のローパスフィルタ11を通過した出力)を選択して通過させ、オフディレイタイマ5からハイレベルの検出信号S5が出力されていない間は(ローレベルの検出信号S5が出力されている間は)、第2の磁気センサ2の出力(第2のローパスフィルタ12を通過した出力)を選択して通過させる。選択部4は、例えばSPDT(Single Pole, Dual Throw;単極双投)スイッチにより構成される。
上述した構成を有する電流センサの動作を説明する。
被測定電流Iが比較器3の閾値Vref1に対応する閾電流よりも小さい場合、比較器3の信号S3はローレベルとなり、オフディレイタイマ5の検出信号S5もローレベルとなる。そのため、選択部4においては、第2のローパスフィルタ12を通過した第2の磁気センサ2の出力が選択され、出力信号Soutとして出力される。
他方、被測定電流Iが閾値Vref1に対応する閾電流より大きい場合、比較器3の信号S3及びオフディレイタイマ5の検出信号S5がハイレベルとなる。この場合、選択部4においては、第1のローパスフィルタ11を通過した第1の磁気センサ1の出力が選択され、出力信号Soutとして出力される。すなわち、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない最大値(閾値Vref1に対応する閾電流)に比べて被測定電流Iが大きい場合、第2の磁気センサ2の出力は磁気飽和によって歪む可能性があるため、選択部4では第1の磁気センサ1の出力が選択される。
また、被測定電流Iがノイズ成分によって閾値Vref1に対応する閾電流より一時的に大きくなった場合は、比較器3の信号S3は一時的にハイレベルとなった後で直ぐにローレベルへ戻るが、オフディレイタイマ5の検出信号S5は信号S3がローレベルへ戻った後も一定時間ハイレベルのままとなる。この場合、選択部4においては、第1の磁気センサ1の出力が一定時間選択され続けた後、第2の磁気センサ2の出力に切り換わる。そのため、第2の磁気センサ2の一時的な磁気飽和が終了した後も第2のローパスフィルタ12の出力にしばらくの間残存している誤差成分は、選択部4から出力され難くなる。また、被測定電流Iがノイズ成分によって閾値Vref1に対応する閾電流より大きくなったり小さくなったりする状態が頻繁に繰り返されても、選択部4において第1の磁気センサ1の出力と第2の磁気センサ2の出力とが頻繁に切り換わることはない。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサによれば、第1のローパスフィルタ11を通過する前の第1の磁気センサ1の出力と閾値Vref1とを比較器3において比較した結果に基づいて、第1の磁気センサ1の出力又は第2の磁気センサ2の出力の何れか一方が選択部4において選択される。
これにより、被測定電流Iに重畳するノイズ成分が瞬時的に第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じる程大きくなった場合でも、磁気飽和を生じ難い第1の磁気センサ1の出力を選択部4において適切に選択できる。従って、被測定電流Iにノイズ成分が重畳する場合でも、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因する測定誤差が生じることがないように、測定レンジを適切に切り換えることができる。
また、本実施形態に係る電流センサよれば、第1の磁気センサ1の出力が閾値Vref1を超えるほど被測定電流Iが大きくなった場合、第1の磁気センサ1の出力が閾値Vref1を下回るまで被測定電流Iが小さくなった後も、一定時間経過するまでは選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択される。これにより、第2の磁気センサ2の一時的な磁気飽和が終了した後も第2のローパスフィルタ12の出力に残存している誤差成分が十分に小さくなるまでの間、第1の磁気センサ1の出力が選択部4において選択され続ける。そのため、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因した出力信号Soutの精度の低下を有効に防止できる。
更に、本実施形態に係る電流センサによれば、比較器3の閾値Vref1が、磁気飽和によって第2の磁気センサ2の出力に歪みが生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されている。これにより、第2の磁気センサ2に磁気飽和が生じている状態でその出力が選択部4を通過することがないため、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因した出力信号Soutの精度の低下をより確実に防止できる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が低い第1の磁気センサ1の出力と閾値Vref1とを比較した結果に応じて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が高い第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2とを比較した結果に応じて選択部4が制御される。
図4は、第2の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図4に示す電流センサは、図1に示す電流センサにおける比較器3を比較器3Aに置き換えたものであり、他の構成は図1に示す電流センサと同じである。
比較器3Aは、第2の磁気センサ2の出力と閾値とを比較する。具体的には、比較器3Aは、第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2とを比較し、その比較結果を示す信号S3を出力する。比較器3Aは、上述した比較器3(図1)と同様に、一般的なコンパレータや、負帰還をかけない1つのオペアンプ、ヒステリシスコンパレータなどを用いて構成される。また、比較器3Aは、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
閾値Vref2は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されている。例えば、閾値Vref2に対応する被測定電流Iの閾電流は、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。比較器3Aは、第2の磁気センサ2の出力がこの閾値Vref2を超える場合、被測定電流Iが当該閾電流を超えていることを示すハイレベルの信号S3を出力する。他方、比較器3Aは、第2の磁気センサ2の出力が閾値Vref2を超えない場合、被測定電流Iが当該閾電流を超えていないことを示すローレベルの信号S3を出力する。
このように、第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2とを比較する比較器3Aを設けた図4に示す電流センサにおいても、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない条件における最大値(閾値Vref2に対応する被測定電流Iの閾電流)を超えた被測定電流Iが電流路9に流れているか否かを正しく判定可能であり、図1に示す電流センサと同様の動作を実現できる。
また、第2の磁気センサ2は第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iに対する感度が高いことから、被測定電流Iの同一の電流値について比べた場合、比較器3Aの閾値Vref2は比較器3の閾値Vref1に比べて大きな値となる。そのため、図4に示す電流センサでは、比較器3Aにおいて第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2との比較を精度良く行うことができる。また、比較器3Aの比較動作の精度が高いことから、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を、比較器3に比べて高い値に設定することが可能である。これにより、図4に示す電流センサでは、第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
上述した第1,第2の実施形態に係る電流センサでは、2つの磁気センサにおける一方の出力と閾値とを比較した結果に基づいて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、2つの磁気センサにおける両方の出力と閾値とをそれぞれ比較した結果に基づいて選択部4が制御される。
図5は、第3の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図5に示す電流センサは、図1に示す電流センサにおける比較器3を比較器3Bに置き換えたものであり、他の構成は図1に示す電流センサと同じである。
比較器3Bは、第1の磁気センサ1の出力と閾値Vref1(第1の閾値)とを比較する第1の比較器31と、第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2(第2の閾値)とを比較する第2の比較器32と、第1の比較器31の出力及び第2の比較器32の出力が入力される論理ゲート33とを有する。第1の比較器31とその閾値Vref1は、既に説明した図1における比較器3とその閾値Vref1に相当する。また、第2の比較器32とその閾値Vref2は、図4における比較器3Aとその閾値Vref2に相当する。論理ゲート33は、論理和演算を行う回路であり、第1の比較器31及び第2の比較器32の何れか一方の出力がハイレベルの場合にハイレベルの信号S3を出力し、第1の比較器31及び第1の比較器31の出力が共にローレベルの場合はローレベルの信号S3を出力する。
図5に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の何れか一方において被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合、選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択される。そのため、第1の比較器31及び第2の比較器32のそれぞれにおいて閾値とセンサ出力との比較精度にばらつきが存在する場合でも、磁気飽和による歪みが生じた第2の磁気センサ2の出力が選択部4において選択されることをより確実に防止できる。
なお、図5の例に示す電流センサでは、第1の比較器31及び第2の比較器32の出力に対して論理和演算が行われているが、本実施形態の他の例では、論理和演算の代わりに他の論理演算を行ってもよい。図6はその一例を示す。図6に示す電流センサは、第1の比較器31及び第2の比較器32の出力に対して論理積演算を行う論理ゲート34を設けたものである。図6に示す電流センサによれば、第1の比較器31及び第2の比較器32の両方で被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合にのみ、選択部4において第1の磁気センサ1の出力が選択される。すなわち、被測定電流Iが最大値を超えたことがより確実となった場合に第1の磁気センサ1の出力が選択部4において選択される。そのため、図5に示す電流センサに比べて、第2の磁気センサ2による高感度の測定レンジを広くすることができる。
また、本実施形態の更に他の例では、第1の比較器31及び第2の比較器32の出力に対して論理演算を行う論理ゲートとして、否定論理和や否定論理積の論理演算を行う論理ゲートを設けてもよい。これにより、論理ゲートに含まれるトランジスタの数を少なくすることができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
上述した第1乃至第3の実施形態に係る電流センサでは、選択部4の入力側にローパスフィルタ(11,12)が設けられているが、本実施形態に係る電流センサでは、選択部4の出力側にローパスフィルタが設けられている。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図7に示す電流センサは、電流路9に流れる被測定電流Iに応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2と、第1の磁気センサ1の後段に設けられる増幅器6と、増幅器6の出力と閾値とを比較する比較器3Cと、増幅器6の出力及び第2の磁気センサ2の出力の内、何れか一方を比較器3Cの出力信号S3に応じて選択して通過させる選択部4と、選択部4の出力端に接続されたローパスフィルタ13と、一致判定回路7とを有する。
第1の磁気センサ1及び第2の磁気センサ2は、図1に示す電流センサにおける同一符号の構成要素と同じである。
増幅器6は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪まない正常状態において、増幅器6の出力と第2の磁気センサ2の出力とが同一となるように設定された増幅率を有する。
比較器3Cは、増幅器6において増幅された第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref1とを比較し、その比較結果を示す信号S3を出力する。比較器3Cは、上述した比較器3(図1)と同様に、一般的なコンパレータや、負帰還をかけない1つのオペアンプ、ヒステリシスコンパレータなどを用いて構成される。また、比較器3Cは、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
閾値Vref1は、上述した比較器3(図1)の閾値Vref1と同様に、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されており、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。
選択部4は、第2の磁気センサ2の出力が閾値Vref1を上回った場合、すなわち、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における最大値に比べて被測定電流Iが大きい場合に、増幅器6の出力を選択して通過させる。他方、選択部4は、第2の磁気センサ2の出力が閾値Vref1を下回った場合、すなわち、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における最大値に比べて被測定電流Iが小さい場合に、第2の磁気センサ2の出力を選択して通過させる。
ローパスフィルタ13は、選択部4の出力に含まれる高周波成分を減衰させる回路であり、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
一致判定回路7は、増幅器6の出力と第2の磁気センサ2の出力とのレベル差が所定のレベル差以下であるかを判定する回路であり、この判定結果を示す信号S7を電流センサの外側に出力する。第2の磁気センサ2の歪みが生じていない正常状態において、増幅器6の出力と第2の磁気センサ2の出力とが同一となるように増幅器6の増幅率が設定されているため、一致判定回路7の信号S7は、電流センサの異常(例えば第1の磁気センサ1や第2の磁気センサ2の故障)を表す。図示しない外部の機器等は、出力信号Soutの出力レベルが低いにもかかわらず、増幅器6の出力と第2の磁気センサ2の出力とのレベル差が所定のレベル差を超えていることを示す信号S7が電流センサから出力された場合、電流センサにおいて異常が発生したと判断することができる。
図8は、一致判定回路7の構成の一例を示す図である。
図8に示す一致判定回路7は、第1の差動増幅器71と、第2の差動増幅器72と、第1の比較器73と、第2の比較器74と、論理ゲート75とを有する。
第1の差動増幅器71は、非反転入力端子IN1+と反転入力端子IN1−とのレベル差を増幅する。第1の差動増幅器71の反転入力端子IN1−に増幅器6の出力端が接続され、第1の差動増幅器71の非反転入力端子IN1+に第2の磁気センサ2の出力端が接続される。
第1の差動増幅器71は、例えば図8に示すように、オペアンプOP11と抵抗R11〜R14を有する。オペアンプOP11の非反転入力端子は、抵抗R11を介して反転入力端子IN1−に接続されるとともに、抵抗R13を介してオペアンプOP11の出力端子に接続される。オペアンプOP11の反転入力端子は、抵抗R12を介して非反転入力端子IN1+に接続されるとともに、抵抗R14を介してグランドに接続される。
第2の差動増幅器72は、非反転入力端子IN2+と反転入力端子IN2−とのレベル差を増幅する。第2の差動増幅器72の反転入力端子IN2−に第2の磁気センサ2の出力端が接続され、第2の差動増幅器72の非反転入力端子IN2+に増幅器6の出力端が接続される。
第2の差動増幅器72は、例えば図8に示すように、オペアンプOP21と抵抗R21〜R24を有する。オペアンプOP21の非反転入力端子は、抵抗R21を介して反転入力端子IN2−に接続されるとともに、抵抗R23を介してオペアンプOP21の出力端子に接続される。オペアンプOP21の反転入力端子は、抵抗R22を介して非反転入力端子IN2+に接続されるとともに、抵抗R24を介してグランドに接続される。
第1の比較器73は、第1の差動増幅器71の出力レベルと第1の閾値Vref1’とを比較する。
第2の比較器74は、第2の差動増幅器72の出力レベルと第2の閾値Vref2’とを比較する。
論理ゲート75は、第1の比較器73の出力と第2の比較器74の出力との否定論理和を演算する。
第2の磁気センサ2の出力レベルが増幅器6の出力レベルより高くなり、その出力レベル差が大きくなると、第1の差動増幅器71の出力レベルが上昇する。そして、当該出力レベル差が所定のレベル差を超えると、第1の差動増幅器71の出力レベルが第1の閾値Vref1’より高くなり、第1の比較器73からハイレベルの信号が出力され、論理ゲート75の出力信号S7がローレベルとなる。
また、増幅器6の出力レベルが第2の磁気センサ2の出力レベルより高くなり、その出力レベル差が大きくなると、第2の差動増幅器72の出力レベルが上昇する。そして、当該出力レベル差が所定のレベル差を超えると、第2の差動増幅器72の出力レベルが第2の閾値Vref2’より高くなり、第2の比較器74からハイレベルの信号が出力され、論理ゲート75の出力信号S7がローレベルとなる。
このように、論理ゲート75の出力信号S7は、第2の磁気センサ2の出力レベルと増幅器6の出力レベルとのレベル差が所定のレベル差より大きくなるとローレベルになる。一方、論理ゲート75の出力信号S7は、第2の磁気センサ2の出力レベルと増幅器6の出力レベルとのレベル差が所定のレベル差より小さくなるとハイレベルとなる。
なお、図8の例では、第1の比較器73の出力と第2の比較器74の出力との否定論理和を演算する論理ゲート75を設けているが、否定論理和の代わりに論理和を演算する論理ゲート75を設けてもよい。また、差動出力を有する差動増幅器の後段に所定のヒステリシス幅を有したヒステリシスコンパレータを接続した回路でも、図8に示す一致判定回路7と同様の動作を実現可能である。
ここで、上述した構成を有する本実施形態に係る電流センサの動作を説明する。
被測定電流Iが比較器3Cの閾値Vref1に対応する電流より小さい場合、選択部4において第2の磁気センサ2の出力が選択されてローパスフィルタ13を通過し、出力信号Soutとして出力される。
他方、被測定電流Iが比較器3Cの閾値Vref1に対応する電流より大きい場合は、増幅器6の出力が選択されてローパスフィルタ13を通過し、出力信号Soutとして出力される。この場合、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない最大値(閾値Vref1に対応する閾電流)に比べて被測定電流Iが大きくなり、第2の磁気センサ2の出力は磁気飽和によって歪む可能性があるため、出力信号Soutとして選択部4から出力されない。
以上説明したように、本実施形態に係る電流センサによれば、ローパスフィルタ13を通過する前の第1の磁気センサ1の出力と閾値Vref1とを比較器3において比較した結果に基づいて、第1の磁気センサ1の出力又は第2の磁気センサ2の出力の何れか一方が選択部4において選択される。これにより、被測定電流Iに重畳するノイズ成分が瞬時的に第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じる程大きくなった場合でも、磁気飽和を生じ難い第1の磁気センサ1の出力を選択部4において適切に選択できる。従って、被測定電流Iにノイズ成分が重畳する場合でも、第2の磁気センサ2の磁気飽和に起因する測定誤差を生じない適切な測定レンジに切り換えることができる。
また、本実施形態に係る電流センサによれば、1つのローパスフィルタ13を2つの測定レンジにおいて共用できるため、上述した各実施形態に係る電流センサに比べて部品点数を削減し、装置サイズを小型化できる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
上述した第4の実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が低い第1の磁気センサ1の出力端に接続される増幅器6の出力と閾値Vref1とを比較した結果に応じて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、被測定電流Iに対する感度が高い第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2とを比較した結果に応じて選択部4が制御される。
図9は、第5の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図9に示す電流センサは、図7に示す電流センサにおける比較器3Cを比較器3Dに置き換えたものであり、他の構成は図7に示す電流センサと同じである。
比較器3Dは、第2の磁気センサ2の出力と閾値とを比較する。具体的には、比較器3Dは、第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2とを比較し、その比較結果を示す信号S3を出力する。比較器3Dは、上述した比較器3(図1)と同様に、一般的なコンパレータや、負帰還をかけない1つのオペアンプ、ヒステリシスコンパレータなどを用いて構成される。また、比較器3Dは、アナログ回路でもデジタル回路でも実現可能である。
閾値Vref2は、第2の磁気センサ2の出力が磁気飽和によって歪みを生じる磁場よりも小さい磁場を示す値に設定されており、第2の磁気センサ2において磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を示す。
このように、第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2とを比較する比較器3Dを設けた図9に示す電流センサにおいても、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない条件における最大値を超えた被測定電流Iが電流路9に流れているか否かを正しく判定可能であり、図7に示す電流センサと同様の動作を実現できる。
また、第2の磁気センサ2が第1の磁気センサ1に比べて被測定電流Iに対する感度が高いことから、比較器3Dにおいて第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2との比較を精度良く行うことが可能である。これにより、第2の磁気センサ2の磁気飽和を生じない条件における被測定電流Iの最大値を比較器3Cに比べて高い値に設定できるため、第2の磁気センサ2の測定レンジを広げることができる。
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
上述した第4,第5の実施形態に係る電流センサでは、増幅器6の出力又は第2の磁気センサ2の出力の何れか一方と閾値とを比較した結果に基づいて選択部4が制御されるが、本実施形態に係る電流センサでは、増幅器6の出力及び第2の磁気センサ2の出力の両方と閾値とをそれぞれ比較した結果に基づいて選択部4が制御される。
図10は、第6の実施形態に係る電流センサの構成の一例を示す図である。図10に示す電流センサは、図7に示す電流センサにおける比較器3Cを比較器3Eに置き換えたものであり、他の構成は図7に示す電流センサと同じである。
比較器3Eは、増幅器6の出力と閾値Vref1(第1の閾値)とを比較する第1の比較器35と、第2の磁気センサ2の出力と閾値Vref2(第2の閾値)とを比較する第2の比較器36と、第1の比較器31の出力及び第2の比較器32の出力が入力される論理ゲート37とを有する。第1の比較器35とその閾値Vref1は、既に説明した図7における比較器3Cとその閾値Vref1に相当する。また、第2の比較器36とその閾値Vref2は、図9における比較器3Dとその閾値Vref2に相当する。論理ゲート37は、論理和演算を行う回路であり、第1の比較器35及び第2の比較器36の何れか一方の出力がハイレベルの場合にハイレベルの信号S3を出力し、第1の比較器35及び第1の比較器36の出力が共にローレベルの場合はローレベルの信号S3を出力する。
図10に示す電流センサによれば、第1の比較器35及び第2の比較器36の何れか一方において被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合、選択部4において増幅器6の出力が選択される。そのため、第1の比較器35及び第2の比較器36のそれぞれにおいて閾値とセンサ出力との比較精度にばらつきが存在する場合でも、磁気飽和による歪みが生じた第2の磁気センサ2の出力が選択部4において選択されることをより確実に防止できる。
なお、図10の例に示す電流センサでは、第1の比較器35及び第2の比較器36の出力に対して論理和演算が行われているが、本実施形態の他の例では、論理和演算の代わりに他の論理演算を行ってもよい。図11はその一例を示す。図11に示す電流センサは、第1の比較器35及び第2の比較器36の出力に対して論理積演算を行う論理ゲート38を設けたものである。図11に示す電流センサによれば、第1の比較器35及び第2の比較器36の両方で被測定電流Iが最大値(第2の磁気センサ2において磁気飽和が生じない条件における被測定電流Iの最大値)を超えたとの比較結果が得られた場合にのみ、選択部4において増幅器6の出力が選択される。すなわち、被測定電流Iが最大値を超えたことがより確実となった場合に増幅器6の出力が選択部4において選択される。そのため、図10に示す電流センサに比べて、第2の磁気センサ2による高感度の測定レンジを広くすることができる。
また、本実施形態の更に他の例では、第1の比較器35及び第2の比較器36の出力に対して論理演算を行う論理ゲートとして、否定論理和や否定論理積の論理演算を行う論理ゲートを設けてもよい。これにより、論理ゲートに含まれるトランジスタの数を少なくすることができる。
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
例えば、上述した各実施形態において、第1の磁気センサ1や第2の磁気センサ2は増幅器を内蔵していてもよい。特に第2の磁気センサ2が増幅器を内蔵することによって、微小な電流に対する測定感度を高めることができる。
本発明は、車載用の電流センサ等に適用可能である。
1…第1の磁気センサ、2…第2の磁気センサ、3…比較器、31…第1の比較器、32…第2の比較器、33,34…論理ゲート、35…第1の比較器、36…第2の比較器、37,38…論理ゲート、4…選択部、5…オフディレイタイマ、6…増幅器、7…一致判定回路、71…第1の差動増幅器、72…第2の差動増幅器、73…第1の比較器、74…第2の比較器、75…論理ゲート、11…第1のローパスフィルタ、12…第2のローパスフィルタ、13…ローパスフィルタ、9…電流路。

Claims (24)

  1. 被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、
    前記被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第2の磁気センサと、
    前記第1の磁気センサの出力が通過する第1のローパスフィルタと、
    前記第2の磁気センサの出力が通過する第2のローパスフィルタと、
    前記第1のローパスフィルタの出力及び前記第2のローパスフィルタの出力のうち、何れか一方の出力を通過させる選択部と、
    前記第1の磁気センサの出力、又は、前記第2の磁気センサの出力と閾値とを比較する比較器と、
    前記被測定電流のレベルが前記閾値に対応する閾電流を上回ったことを前記比較器が検出した直後から、前記被測定電流のレベルが前記閾電流を下回ったことを前記比較器が検出してから一定時間経過するまで、検出信号を出力するオフディレイタイマと、を有し、
    前記第1の磁気センサは、磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値が前記第2の磁気センサよりも大きく、
    前記第2の磁気センサは、前記被測定電流に応じて生じる磁場の測定感度が前記第1の磁気センサよりも高く、
    前記選択部は、前記オフディレイタイマから前記検出信号が出力されている間、前記第1磁気センサの出力を通過させ、
    前記選択部は、前記オフディレイタイマから前記検出信号が出力されていない間、前記第2磁気センサの出力を通過させる
    ことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記オフディレイタイマの前記検出信号を前記電流センサの外側に出力する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記オフディレイタイマが集積回路からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電流センサ。
  4. 前記オフディレイタイマがパルスストレッチャ回路からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電流センサ。
  5. 前記比較器は、前記第1の磁気センサの出力と前記閾値とを比較する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電流センサ。
  6. 前記比較器は、前記第2の磁気センサの出力と前記閾値とを比較する
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電流センサ。
  7. 前記比較器は、負帰還をかけない1つのオペアンプからなる
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電流センサ。
  8. 前記閾値は、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値である
    ことを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電流センサ。
  9. 前記比較器は、
    前記第1の磁気センサの出力と第1の閾値とを比較する第1の比較器と、
    前記第2の磁気センサの出力と第2の閾値とを比較する第2の比較器と、
    前記第1の比較器の出力及び前記第2の比較器の出力が入力される論理ゲートと
    を含み、
    前記論理ゲートは、論理和ゲート又は論理積ゲートのどちらかである
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電流センサ。
  10. 前記第1の閾値と、前記第2の閾値とは、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値である
    ことを特徴とする請求項9に記載の電流センサ。
  11. 前記被測定電流が流れる電流路から前記第1の磁気センサ迄の距離より、前記電流路から前記第2の磁気センサ迄の距離が短い
    ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の電流センサ。
  12. 前記第1の磁気センサの感度より、前記第2の磁気センサの感度が高い
    ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の電流センサ。
  13. 被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第1の磁気センサと、
    前記被測定電流に応じて生じる磁場を測定する第2の磁気センサと、
    前記第1の磁気センサの後段に設けられる増幅器と、
    前記増幅器の出力、又は、前記第2の磁気センサの出力と閾値とを比較する比較器と、
    前記増幅器の出力及び前記第2の磁気センサの出力の内、何れか一方の出力を前記比較器の比較結果に応じて通過させる選択部と、
    前記選択部の出力端に接続されたローパスフィルタと、を有し、
    前記第1の磁気センサは、磁場の測定が可能な前記被測定電流の最大値が前記第2の磁気センサよりも大きく、
    前記第2の磁気センサは、前記被測定電流に応じて生じる磁場の測定感度が前記第1の磁気センサよりも高く、
    前記選択部は、
    前記被測定電流のレベルが前記閾値に対応する閾電流を上回ったことを前記比較器が検出した場合に前記増幅器の出力を通過させ、
    前記被測定電流のレベルが前記閾電流を下回ったことを前記比較器が検出した場合に前記第2の磁気センサの出力を通過させ、
    前記増幅器は、前記第2の磁気センサの出力が歪まない正常状態において、前記増幅器の出力と前記第2の磁気センサの出力とが同一となるように設定された増幅率を有する
    ことを特徴とする電流センサ。
  14. 前記比較器は、前記増幅器の出力と前記閾値とを比較する
    ことを特徴とする請求項13に記載の電流センサ。
  15. 前記比較器は、前記第2の磁気センサの出力と前記閾値とを比較する
    ことを特徴とする請求項13に記載の電流センサ。
  16. 前記比較器は、負帰還をかけない1つのオペアンプからなる
    ことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の電流センサ。
  17. 前記閾値は、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値である
    ことを特徴とする請求項13乃至16の何れか一項に記載の電流センサ。
  18. 前記比較器は、
    前記第1の磁気センサの出力と第1の閾値とを比較する第1の比較器と、
    前記第2の磁気センサの出力と第2の閾値とを比較する第2の比較器と、
    前記第1の比較器の出力及び前記第2の比較器の出力とが入力される論理ゲートと
    を含み、
    前記論理ゲートは、論理和ゲート又は論理積ゲートのどちらかである
    ことを特徴とする請求項13に記載の電流センサ。
  19. 前記第1の閾値と、前記第2の閾値とは、前記第2の磁気センサの出力が歪む磁場よりも小さい磁場を示す値である
    ことを特徴とする請求項18に記載の電流センサ。
  20. 前記第2の磁気センサは、増幅器を内蔵している
    ことを特徴とする請求項13乃至19の何れか一項に記載の電流センサ。
  21. 前記増幅器の出力と前記第2の磁気センサの出力とのレベル差が所定のレベル差以下であるかを判定する一致判定回路を有し、
    前記一致判定回路の出力を前記電流センサの外側に出力する
    ことを特徴とする請求項13乃至20の何れか一項に記載の電流センサ。
  22. 前記一致判定回路は、
    第1の差動増幅器と、
    第2の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器の出力レベルと第1の閾値とを比較する第1の比較器と、
    前記第2の差動増幅器の出力レベルと第2の閾値とを比較する第2の比較器と、
    前記第1の比較器の出力と前記第2の比較器の出力とを論理演算する論理ゲートと
    を有し、
    前記論理ゲートは、否定論理和ゲート又は論理和ゲートであって、
    前記第1の差動増幅器の反転入力端子に前記増幅器の出力端が接続され、
    前記第1の差動増幅器の非反転入力端子に前記第2の磁気センサの出力端が接続され、
    前記第2の差動増幅器の反転入力端子に前記第2の磁気センサの出力端が接続され、
    前記第2の差動増幅器の非反転入力端子に前記増幅器の出力端が接続される
    ことを特徴とする請求項21に記載の電流センサ。
  23. 前記被測定電流が流れる電流路から前記第1の磁気センサ迄の距離より、前記電流路から前記第2の磁気センサ迄の距離が短い
    ことを特徴とする請求項13乃至22の何れか一項に記載の電流センサ。
  24. 前記第1の磁気センサの感度より、前記第2の磁気センサの感度が高い
    ことを特徴とする請求項13乃至22の何れか一項に記載の電流センサ。
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