JP4417673B2 - 電気測定器の信号入力回路 - Google Patents

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Description

本発明は、電圧を測定する抵抗計やデジタルマルチメータ,記録計などの電気測定器に用いられる信号入力回路に関し、さらに詳しく言えば、信号入力回路の低雑音・低バイアス電流・低オフセット化を図る技術に関するものである。
電気測定器において、その信号入力回路の性能は測定系全体の信頼性に影響をおよぼすため、特に高精度が要求される測定系では入念に設計される。まず、雑音が少ないことが条件に挙げられる。低雑音化するには通常バイポーラのオペアンプが選択されるが、バイポーラのオペアンプではバイアス電流が大きくなる。低バイアス電流化を図るにはFET(電界効果トランジスタ)入力のオペアンプが好ましいが、通常のFET入力のオペアンプではオフセット電圧が大きく、また、チョッパタイプのオペアンプの場合には雑音が大きくなる。
そこで、図9に示すように、オペアンプA1の入力段に一対のFET1,FET2を有する差動増幅回路10を追加し、この差動増幅回路10で入力信号を増幅してオペアンプA1に与えることにより、オペアンプA1の雑音を低く抑えることが知られている。この場合、FETの選択によっては雑音1nV/rt(Hz),バイアス電流1pAのアンプを実現することができる。しかしながら、実際にはFETのばらつきでオフセット電圧がきわめて大きくなることがあるためトリマ10aで調整する必要がある。
この点を解決するため、図10に示すように、入力側に抵抗R,コンデンサCの時定数回路を持ち、帰還系に抵抗R,コンデンサCの時定数回路を有する低ドリフトのチョッパ型オペアンプA2からなるオートゼロ回路を追加した信号入力回路が提案されている(下記非特許文献1参照)。
この信号入力回路では、オペアンプA2の非反転端子に入力される測定電圧Vを差動増幅回路10の一方のFET1のゲートにも加える。他方のFET2のゲートには出力用オペアンプA1の出力電圧Vを抵抗R,Rで分圧した電圧Vを印加するとともに、FET2のゲートを抵抗Rを介してオペアンプA2の反転端子に接続する。また、装置内電源の電圧VCCを抵抗Rを介して一方のFET1のドレインに加え、他方のFET2のドレインにはオペアンプA2の出力電圧を抵抗RN1〜RN3を含む抵抗分圧回路を介して印加する。
動作としては、出力用オペアンプA1の出力電圧Vが増大すると、これに伴って分圧電圧VおよびオペアンプA2の反転端子電圧も増加するため、オペアンプA2の出力電圧は減少する。これにより、出力用オペアンプA1の非反転端子電圧が減少するため、その出力電圧Vも減少に転ずる。
ここで、図11に上記信号入力回路の差動増幅回路10の等価回路を示し、その動作を数学的に解析する。なお、Rは抵抗RN1〜RN3の合成抵抗,IDPはFET1のドレインに流れ込む電流,IDNはFET2のドレインに流れ込む電流,VはFET1,FET2の電流吸い込み側(ソース側)の電圧で、オペアンプA2の出力電圧を示す式に含まれているsはjωを意味している。また、下記式中に含まれているTはR,Cの時定数,TはR,Cの時定数,gmはコンダクタンスである。
まず、FET1,FET2に対する供給電流と吸い込み電流との関係を(数1)にまとめて示す。
Figure 0004417673
次に、バイポーラの出力用オペアンプA1に入力される差電圧の展開式を(数2)に示す。
Figure 0004417673
上記(数2)において、交流領域では差電圧に含まれる交流分は0であるため、VとVは(数3)の関係となる。
Figure 0004417673
一般的に、1/T≪1/Tであるから、
(1)0Hz〜1/2πTでは
=V
(2)1/2πT〜1/2πTでは(数4)
Figure 0004417673
(3)1/2πT〜では
=V
となる。ただし、RF≪R2の条件が満たされない場合、1/2πT〜では(数5)
Figure 0004417673
となる。
ここで、gm=0.02,R=1kΩ,RN1=150Ω,RN2=8.4kΩ,RN3=800Ω(R=947Ω),T=T=1とするとT=1110となり、T=Tであるため、上記(数4)はV=Vとなる。
上記信号入力回路によれば、オペアンプA2に低ドリフトのチョッパ型オペアンプを採用していることにより、低雑音,低バイアス電流,低ドリフトのアンプが実現できるが、次のような問題がある。
すなわち、オペアンプA2がチョッパ型であるため、そのチョッパ雑音を除去するためとして、入力側に抵抗R,コンデンサCの時定数回路が入れられている。そのため、特に高抵抗測定時においては、コンデンサCにチャージされる時間分だけ応答速度が遅くなることがある。
また、交流領域での入力インピーダンスも抵抗R,コンデンサCの時定数に支配されるが、特にインピーダンスの高い場合、交流領域で誤差を生ずる確率が高くなる。これはコンデンサCに起因する。
すなわち、上記ではT=Tとしたが、一般的にコンデンサは約±5%程度の容量誤差を持っており、最悪の場合でT=0.95,T=1.05(T=1165)となる。この値を上記(数4)に代入すると、1/2πT〜1/2πTの領域で、
=1.000086V
となる。これは例えば1000000カウントで最大86カウントの誤差が生ずることに相当し、図11に示すように、1/2πT〜1/2πTの領域でゲインに段差(オーバーシュートもしくはアンダーシュート)ができ、一定に達するまでにかなりの時間を要することを意味する。
LINEAR TECHNOLOGY社,Application Note61(AN61−13)
したがって、本発明の課題は、直流領域から交流領域にかけてほぼ一定のゲインを示す低雑音・低バイアス電流・低オフセットである信号入力回路を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の信号入力回路は、ボルテージフォロワの非反転型である第1オペアンプと第2オペアンプとをそれらの出力端子間をCR時定数回路を介して接続してなり、少なくとも上記第1オペアンプに測定信号が入力されるオフセット補償回路(DCサーボ回路)と、上記第1および第2オペアンプからの出力信号を受けて動作する第1および第2の2つの電界効果トランジスタを有する差動増幅回路と、上記差動増幅回路に接続された出力用の第3オペアンプとを含み、上記第1電界効果トランジスタのゲートが上記第1オペアンプの非反転入力端子に接続され、上記第2電界効果トランジスタのゲートが上記第2オペアンプの非反転入力端子に接続されていることを特徴としている。
本発明の好ましい態様によれば、上記第2電界効果トランジスタのゲートには上記第3オペアンプの出力電圧を所定に分圧した分圧電圧が印加される。なお、この信号入力回路は、上記第1オペアンプ自体が非反転入力端子もしくは反転入力端子のいずれか一方の入力端子で、上記第2オペアンプ自体がいずれか他方の入力端子であるオペアンプ回路としても用いることができる。
低オフセット化を図るうえで、上記第1オペアンプと上記第2オペアンプとにチョッパ型オペアンプを用いることが好ましい。また、雑音を低減するうえで、上記第1電界効果トランジスタと上記第2オペアンプ間および上記第2電界効果トランジスタと上記第1オペアンプ間には、それぞれ抵抗値の等しい抵抗素子が接続されてることが好ましい。
本発明には、上記第1オペアンプの非反転入力端子が接地され、上記第3オペアンプの出力側に測定信号の入力端子が接続される態様も含まれる。また、上記第1オペアンプと上記第2オペアンプの各出力信号が入力される差動オペアンプを備え、上記差動オペアンプの出力信号が所定の分圧抵抗回路を介して上記差動増幅回路に与えられる態様も本発明に含まれる。
上記オフセット補償回路に規定以上の電圧が入力されないように、当該信号入力回路の測定信号入力ラインに理想リミッタとローパスフィルタとを含ませることが好ましい。さらに好ましくは、上記ローパスフィルタに高抵抗と小容量コンデンサの組み合わせからなる第1時定数回路と、低抵抗と大容量コンデンサの組み合わせからなる第2時定数回路とを含ませ、測定レンジに応じていずれか一方の時定数回路を選択するとよい。
また、上記第3オペアンプの出力段にレンジ切替回路が設けられている場合、上記第1オペアンプと上記第2オペアンプの各反転端子間に上記CR時定数回路に対して並列的に常開スイッチと抵抗とを直列に接続し、レンジ切替時には上記常開スイッチを一時的に閉じて上記CR時定数回路をキャンセルすることにより、上記第2オペアンプを短時間で安定させることができる。
本発明によれば、測定信号の入力側からコンデンサを排除し、その代わりに上記第1オペアンプと上記第2オペアンプとを含むオフセット補償回路を設けたことにより、直流領域から交流領域にかけてのゲインがほぼ一定であるとともに、低雑音・低バイアス電流・低オフセットの信号入力回路を実現することができる。
次に、図1ないし図7により、本発明のいくつかの実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、この実施形態の説明において、先の図9により説明した従来例と同一もしくは同一とみなされてよい構成要素には、それと同じ参照符号を用いる。
まず、図1を参照して、本発明による信号入力回路において、出力用のオペアンプA1には広帯域のバイポーラオペアンプが用いられ、また、一対のFET1,FET2を含む差動増幅回路10についても、その抵抗分圧回路を除いて基本的には上記従来例と同じであってよい。なお、この実施形態の説明において、出力用のオペアンプA1を第3オペアンプという。
本発明は信号入力側にオフセット補償回路20を用いることを特徴としている。このオフセット補償回路20は、第1オペアンA21と第2オペアンA22とを備え、それらの各出力端子間は高周波領域での雑音を抑圧するための抵抗RとコンデンサCの時定数回路を介して接続されている。
この例において、第1オペアンA21はボルテージフォロワの非反転型であり、第オペアンA22はその帰還回路内にコンデンサCを含むため、直流領域においては積分器として動作し、交流領域においてはボルテージフォロワとして動作する。
なお、コンデンサCを第2オペアンA22側でなく、第1オペアンA21側に入れてもよい。なお、この例においては、第1オペアンA21の非反転端子に図示しないセンサからの測定電圧Vが入力される。
差動増幅回路10の一方のFET1のゲートは第1オペアンA21の非反転端子に接続されており、したがってFET1のゲートにも測定電圧Vが印加される。FET1のドレインは抵抗RP1,RP2,RP3を含む抵抗分圧回路11を介して第2オペアンA22の出力端子に接続されている。
他方のFET2のゲートには、出力用の第3オペアンプA1の出力電圧Vを抵抗R,Rで分圧した電圧Vが印加される。また、FET2のゲートは第2オペアンプA22の非反転端子に接続されている。FET2のドレインは抵抗RN1,RN2,RN3を含む抵抗分圧回路12を介して第1オペアンプA21の出力端子に接続されている。
抵抗分圧回路11と抵抗分圧回路12は、全周波数領域で一定のゲインが得られるように対称形として装置内電源VCCに接続されている。すなわち、抵抗分圧回路11において、抵抗RP1と抵抗RP3とが装置内電源VCCとFET1のドレインとの間に直列に接続され、抵抗RP2は抵抗RP1と抵抗RP3の接続点と第2オペアンA22の出力端子との間に接続されている。同様に、抵抗分圧回路12においては、抵抗RN1と抵抗RN3とが装置内電源VCCとFET2のドレインとの間に直列に接続され、抵抗RN2は抵抗RN1と抵抗RN3の接続点と第1オペアンA21の出力端子との間に接続されている。
ここで、図2に本発明の信号入力回路における差動増幅回路10の等価回路を示し、その動作を数学的に解析する。なお、Rは抵抗RN1〜RN3の合成抵抗,Rは抵抗RP1〜RP3の合成抵抗,IDPはFET1のドレインに流れ込む電流,IDNはFET2のドレインに流れ込む電流,VはFET1,FET2の電流吸い込み側(ソース側)の電圧で、第2オペアンプA22の出力電圧を示す式に含まれているsはjωを意味している。下記式中に含まれているgmはコンダクタンスである。なお、FET1,FET2に対する供給電流と吸い込み電流との関係を先に示した(数1)と同じである。
まず、第3オペアンプA1の開ループゲインAoが十分大きければ、FET1とFET2の各ドレイン間の差電圧は0となる。したがって、差電圧は次式(A)で示される。
Figure 0004417673
(a)ω→0(s=jω→0)の直流領域では、上記式(A)の両辺にsをかけて次式(B)とし、その極限をとると次式(C)が得られる。
Figure 0004417673
Figure 0004417673
よって、V=V=R×V/(R+R)…(D)
となる。
次に、上記式(A)にV=V=0を代入すると次式(E)となり、すなわち上記式(A)は次式(F)のように書き表せる。
Figure 0004417673
Figure 0004417673
(b)上記式(F)においてωが十分に大きいとき、すなわちsCR→∞のとき式(F)は次式(G)となる。
Figure 0004417673
よって、sCR→∞の高周波領域において、VとVは次式(H)で表される。
Figure 0004417673
本発明において、ゲインの安定性は上記従来例のようにコンデンサではなく上記抵抗分圧回路11,12の抵抗値の誤差に依存する。抵抗はコンデンサに比べてはるかにマッチングをとりやすいため、ゲインをばらつきを大幅に小さくできる。その効果を検証するため、一例としてgm=0.02,
N1=200.2Ω,RN2=9.99kΩ,RN3=1kΩ,
P1=199.8Ω,R =10.01kΩ,R =1kΩ
を上記式(H)に代入すると、
=1.000004V
となり、上記従来例の
=1.000086V
よりもゲインの安定性が大幅に改善されることが分かる。
次に、図1に示す本発明の信号入力回路の動作について説明する。まず、雑音抑制について説明すると、FET1およびその抵抗分圧回路11,FET2およびその抵抗分圧回路12からなる差動増幅回路10で各ゲート電圧V,Vが数倍〜数10倍の利得Gで増幅されて出力用第3オペアンプA1に入力される。これにより、出力用第3オペアンプA1の電圧ノイズは1/Gに抑えられる。ここで、RP3=RN3=0,RP1=RN1=R,RP2=RN2=Rとすると、差動増幅回路10の利得Gは、
G=gm(R//R
となる。
第1オペアンプA21はボルテージフォロワとして動作し、また、第2オペアンプA22も交流領域ではボルテージフォロワとして動作するため、その入力雑音はそのまま出力雑音となる。しかしながら、第1オペアンプA21および第2オペアンプA22の出力雑音はFET1,FET2のドレイン電圧に比べて、
/(R+R
であり、これに対して出力用第3オペアンプA1に入力される信号電圧はG倍されるため、第1オペアンプA21と第2オペアンプA22の出力雑音は、
{R/(R+R)}/G
に抑圧されることになる。なお、一方のFET1にバイアス電流が小さく、かつ、雑音の小さなFETを選択することにより、全体として低雑音・低バイアスのアンプを構築することができる。
次に、低オフセット電圧化について説明すると、第1オペアンプA21の非反転端子と反転端子は同電位で、また、第2オペアンプA22の非反転端子と反転端子も同電位である。直流領域ではコンデンサCにより第1オペアンプA21から抵抗Rに向けて電流は流れない。このため、第1オペアンプA21の反転端子と第2オペアンプA22の反転端子は同電位となる。
したがって、第1オペアンプA21の非反転端子と第2オペアンプA22の非反転端子も同電位となるが、厳密には第1オペアンプA21のオフセット電圧VOFF1と第2オペアンプA22のオフセット電圧VOFF2を加算した誤差(VOFF1+VOFF2)が存在するため、第1オペアンプA21と第2オペアンプA22には、オフセット電圧の小さな例えばチョッパ型アンプを用いることが好ましい。
>Vのとき、第2ペアンプA22の出力電圧は下降し、これに伴ってFET1のドレイン電圧も下降する。FET1のドレインは出力用第3ペアンプA1の反転端子に接続されているため、出力用第3ペアンプA1の出力電圧Vが上昇し、これに伴ってVも上昇する。
<Vのときは逆で、第2ペアンプA22の出力電圧は上昇し、これに伴ってFET1のドレイン電圧も上昇する。FET1のドレインは出力用第3ペアンプA1の反転端子に接続されているため、出力用第3ペアンプA1の出力電圧Vが下降し、これに伴ってVも下降する。このようにしてV=Vの平衡となるように動作する。
交流領域ではコンデンサCが短絡され、第1オペアンプA21および第2オペアンプA22はともにボルテージフォロワとして動作する。図1において、RP3=RN3=0とすると、FET1のドレイン電圧とFET2のドレイン電圧は次式(Ia),(Ib)で表される。なお式中、k=gmPP1,k=gmNN1
Figure 0004417673
出力用第3ペアンプA1の負帰還効果により、FET1,FET2の両ドレイン電圧は等しくなるため(Ia=Ib)、VとVとの間には次式(J)が成立する。
Figure 0004417673
この式(J)は上記式(H)をVとして解いたもので、RP1=RN1,RP2=RN2とすることによりV=Vになる。
本発明の別の実施形態として、図3に示すように、第1オペアンプA21の非反転端子をグランドに接続し、測定信号を分圧抵抗R,Rを介して出力用第3オペアンプA1の出力端子側に入力するようにすれば、この信号入力回路を反転増幅器として使用することができる。
また、上記実施形態ではFET1,FET2にNチャネル・ジャンクションFETを用いているが、図4に示すようにFET1,FET2にPチャネル・ジャンクションFETを用いることもできる。なお、上記各実施形態の共通事項として、図4に示すように抵抗分圧回路11,12からRP3,RN3を取り去ってもよい。
さらには、図5に示すように、第1オペアンプA21と第2オペアンプA22の各出力を差動オペアンプA23で受けて、その出力電圧を差動増幅回路10に与えるようにしてもよい。この場合、差動増幅回路10は先の図9で説明した従来例と同じ構成とする。
また、図6に示すように、出力用第3オペアンプA1から抵抗RとRとを取り去ることにより、この信号入力回路自体を例えば第1オペアンプA21側が非反転入力端子であり、第2オペアンプA22側が反転入力端子であるオペアンプ回路とすることができる。実際に、このオペアンプ回路を使用する場合には、所定の増幅率を得るため第3オペアンプA1の出力端子といずれかの入力端子との間に帰還抵抗が入れられる。
次に図7に示すように、出力用第3オペアンプA1の出力段にレンジ(ゲイン)切替回路30が接続されている実施形態について説明する。この例において、レンジ切替回路30は3つの抵抗31a,32a,33aの直列回路と、その各々を選択するレンジ切替スイッチ31b,32b,33bとを有し、例えばスイッチ31bがオンのとき1倍,スイッチ32bがオンのとき10倍,スイッチ33bがオンのとき100倍となるようにそれぞれゲインが切り替えられる。
オフセット補償回路20の第2オペアンプA22の出力電圧は、レンジ切替回路30によって切り替えられるゲインに依存して変化するが、オフセット補償回路20に含まれている抵抗RとコンデンサCとからなるCR時定数回路(高周波領域での雑音抑圧用フィルタ)の時定数が遅いため、これが原因で測定値が安定するまで例えば数秒の時間がかかることがある。
これを防止するため、この実施形態においては、第1オペアンプA21と第2オペアンプA22の各反転端子間に、上記CR時定数回路に対して並列的に、抵抗34aと常開スイッチ34bとを直列に含む時定数切替回路34を接続し、スイッチ切替制御手段としてのCPU35により、レンジ切替スイッチ31b,32b,33bとともに常開スイッチ34bを制御するようにしている。
すなわち、レンジ切替に伴って、常開スイッチ34bを一時的に閉じることにより、第2オペアンプ22の出力電圧を数秒間待つことなく短時間で安定させることができる。なお、上記時定数切替回路34に含まれる常開スイッチ34bは機械式スイッチ,電子式スイッチのいずれであってもよい。
ところで、この信号入力回路に対して出力用第3オペアンプA1の出力振幅が振り切れるほどの過大電圧が入力されると、オフセット補償回路20のDCサーボが機能しなくなる。一旦この状態に陥ると、その後に正常な測定電圧が入力されても数秒間は正しい値が得られなくなることがある。
これを防止するため、図8(a)に示すように、この信号入力回路の入力ラインに理想リミッタ41とローパスフィルタ42とを直列的に接続する。理想リミッタとは理想ダイオードを用いたリミッタである。ダイオードによる単純なリミッタの場合、入力は600mV程度までしか制限できない。本発明ではゲインを大きくとり入力を600mV以下に制限したいとの理由から理想リミッタ41を用いる。
しかしながら、理想リミッタといえどもそれに含まれているオペアンプによっては過渡的にリミット電圧を超えてしまうことがあるため、理想リミッタ41の後段にローパスフィルタ42を入れるようにしている。
本発明の好ましい態様として、ローパスフィルタ42は、図8(b)に示すように、高抵抗42aと小容量コンデンサ42bとを含む第1時定数回路42と、低抵抗43aと大容量コンデンサ43bとを含む第2時定数回路43と、そのいずれか一方を選択する切替スイッチ44とを備えている。
切替スイッチ44は、例えば図7に示されている上記制御手段35により測定レンジに応じて切り換えられる。すなわち、高抵抗測定時には応答時間を短くするため高抵抗・小容量の第1時定数回路42が選択される。これに対して、微小電流での低抵抗測定時にはローパスフィルタ42で使用する抵抗によるノイズが測定値にばらつきを与えることがあるため低抵抗・大容量の第2時定数回路43が選択される。
本発明によれば、直流領域から交流領域にかけてのゲインがほぼ一定であるとともに、低雑音・低バイアス電流・低オフセットの信号入力回路が得られるため、この信号入力回路を採用することにより電気測定器の測定系全体の信頼性を高めることができる。
本発明の第1実施形態を示す回路図。 上記第1実施形態における差動増幅器の等価回路図。 本発明の第2実施形態を示す回路図。 本発明の第3実施形態を示す回路図。 本発明の第4実施形態を示す回路図。 本発明の第5実施形態を示す回路図。 本発明の第6実施形態を示す回路図。 (a)本発明の第7実施形態の要部を示すブロック図,(b)ローパスフィルタを示す回路図。 第1従来例を示す回路図。 第2従来例を示す回路図。 上記第2従来例における差動増幅器の等価回路図。 上記第2従来例のゲイン特性を示すグラフ。
符号の説明
10 差動増幅回路
11,12 抵抗分圧回路
20 オフセット補償回路
30 レンジ切替回路
34 時定数切替回路
35 CPU
41 理想リミッタ
42 ローパスフィルタ
A21 第1オペアンプ
A22 第2オペアンプ
A1 出力用第3オペアンプ

Claims (10)

  1. ルテージフォロワの非反転型である第1オペアンプと第2オペアンプとをそれらの出力端子間をCR時定数回路を介して接続してなり、少なくとも上記第1オペアンプに測定信号が入力されるオフセット補償回路と、上記第1および第2オペアンプからの出力信号を受けて動作する第1および第2の2つの電界効果トランジスタを有する差動増幅回路と、上記差動増幅回路に接続された出力用の第3オペアンプとを含み、
    上記第1電界効果トランジスタのゲートが上記第1オペアンプの非反転入力端子に接続され、上記第2電界効果トランジスタのゲートが上記第2オペアンプの非反転入力端子に接続されていることを特徴とする電気測定器の信号入力回路。
  2. 上記第2電界効果トランジスタのゲートには上記第3オペアンプの出力電圧を所定に分圧した分圧電圧が印加されることを特徴とする請求項1に記載の電気測定器の信号入力回路。
  3. 上記第1オペアンプと上記第2オペアンプとにチョッパ型オペアンプを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の電気測定器の信号入力回路。
  4. 上記第1電界効果トランジスタと上記第2オペアンプ間には、装置内電源V CC と上記第1電界効果トランジスタのドレインとの間で直列に接続された抵抗R P1 ,R P3 と、上記抵抗R P1 ,R P3 の接続点と上記第2オペアンプの出力端子との間に接続された抵抗R P2 とを含む第1分圧抵抗回路が接続されているとともに、上記第2電界効果トランジスタと上記第1オペアンプ間には、上記装置内電源V CC と上記第2電界効果トランジスタのドレインとの間で直列に接続された抵抗R N1 ,R N3 と、上記抵抗R N1 ,R N3 の接続点と上記第1オペアンプの出力端子との間に接続された抵抗R N2 とを含む第2分圧抵抗回路が接続されており、各抵抗値がR P1 =R N1 ,R P2 =R N2 ,R P3 =R N3 もしくは上記第1分圧抵抗回路におけるR P1 :R P2 :R P3 の抵抗比と上記第2分圧抵抗回路におけるR N1 :R N2 :R N3 の抵抗比とがほぼ等しいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気測定器の信号入力回路。
  5. 上記第1オペアンプの非反転入力端子が接地され、上記第3オペアンプの出力側に測定信号の入力端子が接続されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電気測定器の信号入力回路。
  6. 上記第1オペアンプと上記第2オペアンプの各出力信号が入力される差動オペアンプを備え、上記差動オペアンプの出力信号が所定の分圧抵抗回路を介して上記差動増幅回路に与えられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電気測定器の信号入力回路。
  7. 当該信号入力回路の測定信号入力ラインには、理想リミッタとローパスフィルタとが含まれることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電気測定器の信号入力回路。
  8. 上記ローパスフィルタは、高抵抗と小容量コンデンサの組み合わせからなる第1時定数回路と、低抵抗と大容量コンデンサの組み合わせからなる第2時定数回路と、測定レンジに応じて上記第1時定数回路と上記第2時定数回路のいずれか一方を選択する切替手段とを備えていることを特徴とする請求項7に記載の電気測定器の信号入力回路。
  9. 上記第3オペアンプの出力段にはレンジ切替回路が設けられているとともに、上記第1オペアンプと上記第2オペアンプの各反転端子間には上記CR時定数回路に対して並列的に常開スイッチと抵抗とが直列に接続されており、レンジ切替時には上記常開スイッチが一時的に閉じられることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電気測定器の信号入力回路。
  10. 上記第1オペアンプ自体が非反転入力端子もしくは反転入力端子のいずれか一方の入力端子として用いられ、上記第2オペアンプ自体がいずれか他方の入力端子として用いられることを特徴とする請求項1,3,4,7,8のいずれか1項に記載の電気測定器の信号入力回路。
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