JP6337833B2 - 負荷駆動装置 - Google Patents
負荷駆動装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6337833B2 JP6337833B2 JP2015099181A JP2015099181A JP6337833B2 JP 6337833 B2 JP6337833 B2 JP 6337833B2 JP 2015099181 A JP2015099181 A JP 2015099181A JP 2015099181 A JP2015099181 A JP 2015099181A JP 6337833 B2 JP6337833 B2 JP 6337833B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- power
- transistor
- power storage
- storage unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Inverter Devices (AREA)
- Protection Of Static Devices (AREA)
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Dc-Dc Converters (AREA)
Description
この発明は、負荷駆動装置に関し、特に、蓄電装置とインバータとの間に設けられた電圧変換器を備えた負荷駆動装置に関する。
特許文献1は、ハイブリッド自動車を開示する。このハイブリッド自動車は、充放電する蓄電部、電動機を駆動する駆動部、および蓄電部と駆動部との間で電圧を変換する電圧変換器を備える。このハイブリッド自動車においては、電圧変換器に過電流が流れることで異常と判断されると、電圧変換器が停止される。電圧変換器の停止後に電圧変換器から蓄電部へ流れる電流が検出されると、電圧変換器と蓄電部とが電気的に遮断される。
これにより、このハイブリッド自動車においては、電圧変換器を停止しているにも関わらず、電圧変換器から蓄電部へ電流が流れるような異常が生じた場合に、蓄電部への電流の流入が停止される。その結果、蓄電部が確実に保護される。
特許文献1が開示するハイブリッド自動車においては、電圧変換器の異常の原因に関わらず、電圧変換器の停止後に電圧変換器から蓄電部へ流れる電流が検出されると、電圧変換器と蓄電部とが電気的に遮断される。つまり、このハイブリッド自動車においては、電圧変換器の異常が発生した後において蓄電部を利用した走行をする可能性が考慮されていない。
しかしながら、電圧変換器のうち上アームに含まれるトランジスタに短絡異常がある場合には、蓄電部を利用した退避走行が可能である。また、退避走行をする際に、電動機の回転数を所定の範囲内に抑えることで、過電流が蓄電部に流れる可能性を低減できる。したがって、上アームに含まれるトランジスタに短絡異常がある場合に、蓄電部を利用した退避走行を行ったとしても、蓄電部を保護することが可能である。このように、電圧変換器の異常が生じた場合に、その原因が上アームにあることを特定できれば、その後の蓄電部を利用した走行が可能となり得る。
この発明は、電圧変換器に異常が生じたと判断した場合に、上アームに含まれるトランジスタに短絡異常があるか否かを検出できる負荷駆動装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明の負荷駆動装置は、蓄電装置と、電動機と、インバータと、第1の電力線対と、第2の電力線対と、電圧変換器と、キャパシタと、制御装置とを備える。また、電動機は、回転に伴い逆起電圧を発生する。インバータは、電動機を駆動する。第1の電力線対は、インバータに接続される。第2の電力線対は、蓄電装置に接続される。電圧変換器は、第1の電力線対と、第2の電力線対との間に設けられ、第1の電力線対のうちの正極線である第1の正極線の電圧を蓄電装置の電圧以上の電圧とする。キャパシタは、第1の電力線対の間に設けられる。制御装置は、インバータと電圧変換器とを制御する。また、電圧変換器は、第1の正極線と、第2の電力線対のうちの正極線である第2の正極線との間に接続されたトランジスタを含み、トランジスタが電気的に導通されており、かつ、逆起電圧がキャパシタの電圧より大きい場合には、逆起電圧に起因する電流は、第1の正極線から第2の正極線へと流れる。制御装置は、トランジスタを電気的に遮断するための制御を実行した際に、逆起電圧が蓄電装置の電圧よりも高い場合において、逆起電圧からキャパシタの電圧を差し引いた電圧の値が第1の所定値以上であって、かつ、キャパシタの電圧と蓄電装置の電圧との差が第2の所定値以下である場合には、トランジスタが短絡していると判断する。
このような構成においては、第1の正極線と第2の正極線との間に接続されたトランジスタが短絡していない場合には、逆起電圧とキャパシタの電圧との差が第1の所定値未満となるはずである。また、第1の正極線と第2の正極線との間に接続されたトランジスタが短絡している場合には、キャパシタの電圧と蓄電電圧との差が第2の所定値以下となるはずである。そこで、この負荷駆動装置において、制御装置は、逆起電圧とキャパシタの電圧との差が第1の所定値以上であって、かつ、キャパシタの電圧と蓄電電圧との差が第2の所定値以下である場合には、トランジスタが短絡していると判断する。
このような構成とすることにより、この負荷駆動装置は、電圧変換器に異常が生じたと判断した場合に、上アームに含まれるトランジスタに短絡異常があるか否かを検出できる。
この発明によれば、電圧変換器に異常が生じたと判断した場合に、上アームに含まれるトランジスタに短絡異常があるか否かを検出できる負荷駆動装置を提供できる。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<1.ハイブリッド自動車の構成>
図1は、この実施の形態による負荷駆動装置が搭載された電動車両の一例として示されるハイブリッド自動車の概略ブロック図である。図1を参照して、このハイブリッド自動車100は、エンジン2と、動力分割機構3と、車輪4と、モータジェネレータMG1,MG2とを備える。また、ハイブリッド自動車100は、蓄電部Bと、システムメインリレーSMRと、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」とも称する。)5と、電子制御ユニット(以下「ECU(Electronic Control Unit)」とも称する。)40と、電流センサ52と、電圧センサ54とをさらに備える。
図1は、この実施の形態による負荷駆動装置が搭載された電動車両の一例として示されるハイブリッド自動車の概略ブロック図である。図1を参照して、このハイブリッド自動車100は、エンジン2と、動力分割機構3と、車輪4と、モータジェネレータMG1,MG2とを備える。また、ハイブリッド自動車100は、蓄電部Bと、システムメインリレーSMRと、パワーコントロールユニット(以下「PCU(Power Control Unit)」とも称する。)5と、電子制御ユニット(以下「ECU(Electronic Control Unit)」とも称する。)40と、電流センサ52と、電圧センサ54とをさらに備える。
エンジン2およびモータジェネレータMG1,MG2は、動力分割機構3に連結される。そして、ハイブリッド自動車100は、エンジン2およびモータジェネレータMG2の少なくとも一方からの駆動力によって走行する。エンジン2が発生する動力は、動力分割機構3によって2経路に分割される。すなわち、一方は車輪4へ伝達される経路であり、もう一方はモータジェネレータMG1へ伝達される経路である。
モータジェネレータMG1,MG2は、交流回転電機である。例えば、モータジェネレータMG1,MG2は、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。
モータジェネレータMG1は、動力分割機構3によって分割されたエンジン2の運動エネルギーを用いて逆起電圧を発生する(発電)。例えば、蓄電部Bの充電状態(以下「SOC(State Of Charge)」とも称する。)が予め定められた値よりも低くなると、エンジン2が始動してモータジェネレータMG1が回転駆動される。その結果、モータジェネレータMG1において逆起電圧が発生する。そして、その逆起電圧に起因する逆起電力は、PCU5のインバータ20(後述)により交流から直流に変換され、昇圧コンバータ10により電圧が調整されて蓄電部Bへ供給される。
モータジェネレータMG2は、蓄電部Bに蓄えられた電力およびモータジェネレータMG1により発電された電力の少なくとも一方を用いて駆動力を発生する。そして、モータジェネレータMG2の駆動力は車輪4に伝達される。これにより、モータジェネレータMG2は、エンジン2をアシストしたり、モータジェネレータMG2自身の駆動力によって車両を走行させたりする。
また、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、運動エネルギーや位置エネルギーとして車両に蓄えられた力学的エネルギーが車輪4を介してモータジェネレータMG2の回転駆動に用いられる。その結果、モータジェネレータMG2において逆起電圧が発生する(発電)。そして、その逆起電圧に起因する逆起電力は、PCU5のインバータ30(後述)により交流から直流に変換され、昇圧コンバータ10により電圧が調整されて蓄電部Bへ供給される。これにより、モータジェネレータMG2は、制動エネルギーを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。そして、モータジェネレータMG2により発電された電力は、蓄電部Bに蓄えられる。
動力分割機構3は、モータジェネレータMG1,MG2およびエンジン2の間で動力を分配する。例えば、動力分割機構3としては、サンギヤ、プラネタリキャリヤおよびリングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を用いることができる。この3つの回転軸がエンジン2およびモータジェネレータMG1,MG2の各回転軸にそれぞれ接続される。例えば、モータジェネレータMG1のロータを中空としてその中心にエンジン2のクランク軸を通すことで動力分割機構3にエンジン2とモータジェネレータMG1,MG2とを機械的に接続できる。なお、モータジェネレータMG2の回転軸は、図示されない減速ギヤや差動ギヤによって車輪4に連結される。
蓄電部Bは、充放電可能なリチウムイオン二次電池である。蓄電部Bは、システムメインリレーSMRを介してPCU5へ直流電力を供給する。また、蓄電部Bは、PCU5から出力される直流電力を受けて充電される。なお、蓄電部Bとして、ニッケル水素二次電池や電気二重層キャパシタを用いることもできる。
システムメインリレーSMRは、蓄電部BとPCU5との間に配設される。システムメインリレーSMRは、ECU40からの信号SEが活性化(接続指令に相当する。)されると、蓄電部BをPCU5と電気的に接続する。一方、信号SEが非活性化(遮断指令に相当する。)されると、システムメインリレーSMRは、蓄電部BとPCU5との間の電路を遮断する。
電流センサ52は、蓄電部Bに対して入出力される電流IBを検出し、その検出値をECU40へ出力する。電圧センサ54は、蓄電部Bの電圧VBを検出し、その検出値をECU40へ出力する。なお、電流センサ52は、蓄電部Bからの放電時、電流IBを正値として検出する。一方、蓄電部Bへの充電時、電流センサ52は、電流IBを負値として検出する。
PCU5は、昇圧コンバータ10と、インバータ20,30と、コンデンサC1,C2と、電圧センサ60とを含む。
昇圧コンバータ10は、インバータ20,30に接続された電力線対と、システムメインリレーSMRを介して蓄電部Bに接続された電力線対との間に設けられる。昇圧コンバータ10は、トランジスタQ1,Q2と、ダイオードD1,D2と、リアクトルLとを含む。トランジスタQ1,Q2は、正極線PL2と負極線NLとの間に直列に接続される。言い換えると、トランジスタQ1は、正極線PL2と正極線PL1との間に接続される。また、トランジスタQ2は、正極線PL1と負極線NLとの間に接続される。ダイオードD1,D2は、それぞれトランジスタQ1,Q2に逆並列に接続される。リアクトルLは、トランジスタQ1,Q2の接続ノードと正極線PL1との間に接続される。トランジスタQ1のゲートがオン(電気的に導通)されている場合には、インバータ20,30から出力される電流は、トランジスタQ1を通じて、正極線PL2から正極線PL1へと流れる。また、トランジスタQ1のゲートがオフ(電気的に遮断)されている場合には、インバータ20,30から出力される電流は、正極線PL2から正極線PL1へ流れない。
なお、以下では、トランジスタQ1およびダイオードD1から成るモジュールは、「上アーム」とも称される。また、トランジスタQ2およびダイオードD2から成るモジュールは、「下アーム」とも称される。
なお、トランジスタとして、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。また、トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いてもよい。
昇圧コンバータ10は、ECU40からの信号PWCに基づいて、正極線PL2の電圧を正極線PL1の電圧以上に昇圧する。具体的には、昇圧コンバータ10は、トランジスタQ2のオン時に流れる電流をリアクトルLに磁場エネルギーとして蓄積する。そして、昇圧コンバータ10は、リアクトルLに蓄積されたエネルギーをトランジスタQ2のオフ時にダイオードD1を介して正極線PL2へ放出する。PL2へ放出されたエネルギーは、コンデンサC2に蓄えられる。
なお、トランジスタQ2のオンデューティーを大きくすると、リアクトルLに蓄積されるエネルギーが大きくなる。その結果、正極線PL2の電圧は上昇する。一方、トランジスタQ1のオンデューティーを大きくすると、正極線PL2から正極線PL1へ流れる電流が大きくなる。その結果、正極線PL2の電圧は低下する。昇圧コンバータ10は、トランジスタQ1,Q2のデューティー比を制御することによって、正極線PL2の電圧を正極線PL1の電圧以上の任意の電圧に制御できる。例えば、トランジスタQ1が常時オンされ、トランジスタQ2が常時オフされると、蓄電部Bの電圧VBは、昇圧コンバータ10において昇圧されることなく、そのままコンデンサC2に印加される。このような状態で、ハイブリッド自動車100を駆動させることを、以下、上アームオン走行と称する。
また、昇圧コンバータ10は、上アームおよび下アームの少なくとも何れか一方に過電流が流れると過電流フラグを活性化する異常検知機能を有する。具体的には、昇圧コンバータ10は、リアクトルLに流れる電流値を検出する電流センサ(不図示)を有し、この電流センサの検出結果に基づいて過電流フラグを活性化するか否かを決定する。そして、昇圧コンバータ10は、その決定に基づいて生成された過電流フラグを含む信号FCVをECU40へ出力する。
また、昇圧コンバータ10は、ECU40からシャットダウン信号SDCを受けると、動作を停止する。具体的には、昇圧コンバータ10は、シャットダウン信号SDCを受けると、トランジスタQ1,Q2のゲートを遮断する。
コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NLとの間に接続される。言い換えると、コンデンサC2は、インバータ20,30に接続された電力線対の間に設けられる。コンデンサC2には、昇圧コンバータ10により昇圧された電圧が印加される。電圧センサ60は、コンデンサC2の電圧VHを検出し、その検出値をECU40へ出力する。
インバータ20,30は、それぞれモータジェネレータMG1,MG2に対応して設けられる。インバータ20,30は、各々、トランジスタと、そのトランジスタに逆並列に接続されたダイオードとからなるモジュールを6個備えている。インバータ20は、モータジェネレータMG1が発生した逆起電圧に起因する逆起電力(三相交流電力)を直流電力に変換し、回生電力として正極線PL2へ出力する。また、インバータ20は、エンジン2の始動時、正極線PL2から受ける直流電力をECU40からの信号PWI1に基づいて三相交流電力に変換し、モータジェネレータMG1へ出力する。
インバータ30は、正極線PL2から受ける直流電力をECU40からの信号PWI2に基づいて三相交流電力に変換し、モータジェネレータMG2へ出力する。また、インバータ30は、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時、モータジェネレータMG2が発生した逆起電圧に起因する逆起電力(三相交流電力)を直流電力に変換し、回生電力として正極線PL2へ出力する。
また、インバータ20,30は、ECU40からそれぞれシャットダウン信号SD1,SD2を受けると、動作を停止する。具体的には、インバータ20,30は、それぞれシャットダウン信号SD1,SD2を受けると、インバータに含まれる全てのトランジスタ(図示せず)のゲートを遮断する。
ECU40は、アクセル開度や車両速度、その他各センサからの信号に基づいて、昇圧コンバータ10およびモータジェネレータMG1,MG2をそれぞれ駆動するための信号PWC,PWI1,PWI2を生成する。ECU40は、生成した信号PWC,PWI1,PWI2をそれぞれ昇圧コンバータ10およびインバータ20,30へ出力する。
また、ECU40は、昇圧コンバータ10から出力される信号FCVに含まれる過電流フラグの活性化を検知すると、昇圧コンバータ10に異常が発生したと判断する。ECU40が昇圧コンバータ10の異常を検知した場合の処理について次に説明する。
<2.昇圧コンバータの異常を検知した場合の処理>
昇圧コンバータ10に過電流が流れる異常が生じたとする。この場合には、過電流による悪影響を抑えるための動作が必要となる。例えば、ハイブリッド自動車100は、昇圧コンバータ10およびインバータ20,30に含まれる各トランジスタのゲートを遮断する必要がある。
昇圧コンバータ10に過電流が流れる異常が生じたとする。この場合には、過電流による悪影響を抑えるための動作が必要となる。例えば、ハイブリッド自動車100は、昇圧コンバータ10およびインバータ20,30に含まれる各トランジスタのゲートを遮断する必要がある。
しかしながら、仮に各トランジスタのゲートが遮断されたとしても、過電流の原因が昇圧コンバータ10内の上アームのトランジスタQ1の短絡にあるのか、下アームのトランジスタQ2の短絡にあるのかによって、ハイブリッド自動車100が対応できる動作モードに違いが生じる。過電流の原因がトランジスタQ1の短絡にある場合には、蓄電部BとモータジェネレータMG1,MG2とは電気的に接続されている。また、モータジェネレータMG1,MG2の回転数が所定の範囲内に抑えられることで、過電流の発生が抑えられ得る。したがって、モータジェネレータMG1,MG2は、蓄電部Bを大きく劣化させることなく、発電した電力を蓄電部Bに充電できる。また、蓄電部Bは、電力をモータジェネレータMG1,MG2に供給できる。
このように、上アームのトランジスタQ1の短絡が過電流の原因となっている場合には、ハイブリッド自動車100は、上アームオン走行と同等の走行を実現できる。そこで、ハイブリッド自動車100において、ECU40は、昇圧コンバータ10に過電流が流れた場合に、過電流の原因が上アームのトランジスタQ1の短絡にあるか否かを判断する。
図2は、昇圧コンバータ10の異常の検出に関連するハイブリッド自動車100の制御の概要を示すフローチャートである。
図2を参照して、ECU40は、昇圧コンバータ10から出力される信号FCVに含まれる過電流フラグが活性化しているか否かを判断する(ステップS100)。なお、この実施の形態においては、信号FCVに含まれる過電流フラグの内容によって、過電流が生じているか否かが判断されているが、必ずしもこのような構成に限定されない。例えば、ECU40が電流センサ52から出力される電流IBに基づいて過電流が生じているか否かを判断するような構成としてもよい。過電流フラグが活性化していないと判断されると(ステップS100においてNO)、ECU40は、再びステップS100の処理を実行する。
一方、過電流フラグが活性化していると判断されると(ステップS100においてYES)、ECU40は、昇圧コンバータ10およびインバータ20,30へそれぞれシャットダウン信号SDC,SD1,SD2を出力する(ステップS110)。この目的は、昇圧コンバータ10に含まれるトランジスタQ1,Q2のゲートを遮断することであり、インバータに含まれる全てのトランジスタ(図示せず)のゲートを遮断することである。
シャットダウン信号SDC,SD1,SD2が出力されると、ECU40は、昇圧コンバータ10に含まれる上アームのトランジスタQ1が短絡しているか否かを判断する(ステップS120)。具体的な処理内容については後述する。
トランジスタQ1が短絡しているか否かの判断がされると、ECU40は、判断結果に応じたハイブリッド自動車100の各構成要素の制御を実行する(ステップS130)。例えば、トランジスタQ1が短絡していると判断された場合には、ECU40は、ハイブリッド自動車100が上アームオン走行と同等の走行をするよう昇圧コンバータ10を制御する。また、トランジスタQ1が短絡していないと判断された場合には、ECU40は、例えば、蓄電部BとPCU5との電気的な接続を遮断するようにシステムメインリレーSMRを制御する。そして、ECU40は、モータジェネレータMG1で発電した電力をモータジェネレータMG2に供給することでハイブリッド自動車100を走行させるようインバータ20,30を制御する。
<3.上アームのトランジスタの短絡判断処理>
図3は、上アームのトランジスタの短絡を判断する処理を示すフローチャートである。図2におけるステップS120において、このフローチャートで示される処理が実行される。
図3は、上アームのトランジスタの短絡を判断する処理を示すフローチャートである。図2におけるステップS120において、このフローチャートで示される処理が実行される。
図3を参照して、図2のステップS110において、インバータ20,30に含まれる全てのトランジスタのゲートが遮断される。したがって、モータジェネレータMG1,MG2に対する電力の供給は遮断される。この場合には、モータジェネレータMG1,MG2は、電力の供給が遮断される前の回転に起因した慣性力により回転を続ける。インバータ20,30からの電力の供給が遮断されることで、この回転により生じる逆起電圧が顕在化する。
ECU40は、この逆起電圧が蓄電部Bの電圧VBより高いか否かを判断する(ステップS200)。逆起電圧が電圧VBより低いと判断されると(ステップS200においてNO)、ECU40は、このフローチャートによる処理から抜ける。このフローチャートによる判断方法は、逆起電圧が電圧VBより高い場合に有効だからである。
逆起電圧が電圧VBより高いと判断されると(ステップS200においてYES)、ECU40は、逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定値α以上であるか否かを判断する(ステップS210)。このような判断を行う理由を次に説明する。仮に、昇圧コンバータ10の上アームのトランジスタQ1が短絡していないとする。この場合には、トランジスタQ1のゲートが遮断されているため、逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの電圧レベルが略同一となる。したがって、逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定以上である場合には、トランジスタQ1が短絡している可能性が高い。そのため、ECU40は、逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定値α以上であるか否かを判断する。
逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定値α未満であると判断されると(ステップS210においてNO)、ECU40は、上アームのトランジスタQ1が短絡していないと判断し、このフローチャートによる処理から抜ける。
一方、逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定値α以上であると判断されると(ステップS210においてYES)、ECU40は、コンデンサC2の電圧VHと、蓄電部Bの電圧VBとの差が所定値β以下であるか否かを判断する(ステップS220)。このような判断を行う理由を次に説明する。仮に昇圧コンバータ10の上アームのトランジスタQ1が短絡しているとする。この場合には、コンデンサC2の電圧VHと、蓄電部Bの電圧VBとが略同一となる。したがって、コンデンサC2の電圧VHと、蓄電部Bの電圧VBとの差が所定以下である場合には、トランジスタQ1が短絡している可能性が高い。そのため、ECU40は、コンデンサC2の電圧VHと、蓄電部Bの電圧VBとの差が所定値β以下であるか否かを判断する。
コンデンサC2の電圧VHと、蓄電部Bの電圧VBとの差が所定値βより大きいと判断されると(ステップS220においてNO)、ECU40は、上アームのトランジスタQ1が短絡していないと判断し、このフローチャートによる処理から抜ける。
一方、コンデンサC2の電圧VHと、蓄電部Bの電圧VBとの差が所定値β以下であると判断されると(ステップS220においてYES)、ECU40は、上アームのトランジスタQ1が短絡していると判断する(ステップS230)。
図4は、上アームのトランジスタQ1が短絡していると判断される際の各電圧の関係を示す図である。図4の横軸には各電圧の種類が示されており、縦軸には各電圧の電圧値が示されている。この例では、逆起電圧は、蓄電部Bの電圧VBよりも高い。これにより、図3のステップS200において判断される要件が満たされる。また、逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定値α以上である。これにより、図3のステップS210において判断される要件が満たされる。また、コンデンサC2の電圧VHと蓄電部Bの電圧VBとの差が所定値β以下である。これにより、図3のステップS220において判断される要件が満たされる。したがって、図4に示される例においては、上アームのトランジスタQ1が短絡していることと判断される。
このように、この実施の形態におけるECU40は、トランジスタQ1、トランジスタQ2およびインバータ20,30内のトランジスタを電気的に遮断するための制御を実行した際に、モータジェネレータMG1,MG2により生じる逆起電圧が蓄電部の電圧VBよりも高い場合において、この逆起電圧とコンデンサC2の電圧VHとの差が所定値α以上であって、かつ、コンデンサC2の電圧VHと蓄電部の電圧VBとの差が所定値β以下である場合には、トランジスタQ1が短絡していると判断する。
これにより、この実施の形態におけるECU40は、昇圧コンバータ10の異常を検出した場合に、昇圧コンバータ10に含まれる上アームのトランジスタQ1が短絡しているか否かを判断できる。
なお、この実施の形態においては、動力分割機構3によりエンジン2の動力を分割して車輪4とモータジェネレータMG1とに伝達可能なシリーズ/パラレル型のハイブリッド自動車について説明した。しかしながら、ここに開示される技術は、必ずしもこのような例への適用に限定されない。例えば、ここに開示される技術は、その他の形式のハイブリッド自動車にも適用できる。例えば、モータジェネレータMG1を駆動するためにのみエンジン2を用い、モータジェネレータMG2でのみ車両の駆動力を発生する、いわゆるシリーズ型のハイブリッド自動車や、エンジンが生成した運動エネルギーのうち回生エネルギーのみが電気エネルギーとして回収されるハイブリッド自動車や、エンジンを主動力として必要に応じてモータがアシストするモータアシスト型のハイブリッド自動車などにもここに開示される技術は適用され得る。
また、ここに開示される技術は、エンジン2を備えずに電力のみで走行する電気自動車や、電源として燃料電池をさらに備える燃料電池自動車などの電動車両全般に適用され得る。
なお、この実施の形態における、蓄電部Bは、この発明における「蓄電装置」の一実施例に対応する。モータジェネレータMG1,MG2は、この発明における「電動機」の一実施例に対応する。インバータ20,30は、この発明における「インバータ」の一実施例に対応する。正極線PL2と負極線NLとからなる電力線対は、この発明における「第1の電力線対」の一実施例に対応する。蓄電部Bの電力を給電する電力線対は、この発明における「第2の電力線対」の一実施例に対応する。昇圧コンバータ10は、この発明における「電圧変換器」の一実施例に対応する。コンデンサC2は、この発明における「キャパシタ」の一実施例に対応する。ECU40は、この発明における「制御装置」の一実施例に対応する。
この実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
2 エンジン、3 動力分割機構、4 車輪、5 PCU、10 昇圧コンバータ、20,30 インバータ、40 ECU、52 電流センサ、54,60 電圧センサ、100 ハイブリッド自動車、B 蓄電部、SMR システムメインリレー、C1,C2 コンデンサ、PL1,PL2 正極線、NL 負極線、Q1,Q2 トランジスタ、D1,D2 ダイオード、L リアクトル、MG1,MG2 モータジェネレータ。
Claims (1)
- 蓄電装置と、
回転に伴い逆起電圧を発生する電動機と、
前記電動機を駆動するインバータと、
前記インバータの直流側に接続された第1の電力線対と、
前記蓄電装置に接続された第2の電力線対と、
前記第1の電力線対と前記第2の電力線対との間に設けられ、前記第1の電力線対のうちの正極線である第1の正極線の電圧を前記蓄電装置の電圧以上の電圧とする電圧変換器と、
前記第1の電力線対の間に接続されたキャパシタと、
前記インバータと前記電圧変換器とを制御する制御装置とを備え、
前記電圧変換器は、前記第1の正極線と、前記第2の電力線対のうちの正極線である第2の正極線との間に接続されたトランジスタを含み、
前記トランジスタが電気的に導通されており、かつ、前記逆起電圧が前記キャパシタの電圧より高い場合には、前記逆起電圧に起因する電流は、前記第1の正極線から前記第2の正極線へと流れ、
前記制御装置は、前記トランジスタを電気的に遮断するための制御を実行した際に、前記逆起電圧が前記蓄電装置の電圧よりも高い場合において、前記逆起電圧から前記キャパシタの電圧を差し引いた電圧値が第1の所定値以上であって、かつ、前記キャパシタの電圧と前記蓄電装置の電圧との差が第2の所定値以下である場合には、前記トランジスタが短絡していると判断する、負荷駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015099181A JP6337833B2 (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 負荷駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015099181A JP6337833B2 (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 負荷駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016220288A JP2016220288A (ja) | 2016-12-22 |
JP6337833B2 true JP6337833B2 (ja) | 2018-06-06 |
Family
ID=57581782
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015099181A Active JP6337833B2 (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | 負荷駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6337833B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6575544B2 (ja) * | 2017-02-09 | 2019-09-18 | トヨタ自動車株式会社 | ハイブリッド自動車 |
JP7043907B2 (ja) * | 2018-03-14 | 2022-03-30 | トヨタ自動車株式会社 | 故障検出装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4622884B2 (ja) * | 2006-02-06 | 2011-02-02 | トヨタ自動車株式会社 | 電動機駆動装置およびそれを備えたハイブリッド自動車ならびに電力変換装置の停止制御方法 |
JP4893576B2 (ja) * | 2007-10-15 | 2012-03-07 | トヨタ自動車株式会社 | 負荷駆動装置、電動車両、負荷駆動装置の制御方法およびその制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 |
WO2010122648A1 (ja) * | 2009-04-23 | 2010-10-28 | トヨタ自動車株式会社 | 電動車両の電源システムおよびその制御方法 |
-
2015
- 2015-05-14 JP JP2015099181A patent/JP6337833B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016220288A (ja) | 2016-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7898103B2 (en) | Power supply apparatus for vehicle and vehicle incorporating the same | |
JP5227230B2 (ja) | 電動車両 | |
JP5177245B2 (ja) | 車両およびその制御方法 | |
JP5716694B2 (ja) | 電動車両 | |
US9266525B2 (en) | Vehicle, method for controlling vehicle, and control device of vehicle | |
JP5928326B2 (ja) | 電動車両および電動車両の制御方法 | |
JP4893576B2 (ja) | 負荷駆動装置、電動車両、負荷駆動装置の制御方法およびその制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体 | |
JPWO2013008313A1 (ja) | 車両および車両の制御方法 | |
JP4784339B2 (ja) | 電源制御装置および車両 | |
JP2013051831A (ja) | 電動車両の電源制御装置 | |
JP2010114987A (ja) | 電動機駆動装置およびそれを備えた電動車両 | |
JP2014103709A (ja) | 電動車両の制御装置 | |
JP6759902B2 (ja) | 電動車両 | |
JP6337833B2 (ja) | 負荷駆動装置 | |
JP2012187959A (ja) | ハイブリッド車両 | |
JP5949365B2 (ja) | 電源システム | |
JP2013055853A (ja) | 電動車両の電源制御装置 | |
JP6274169B2 (ja) | モータ駆動装置 | |
JP2014155298A (ja) | 電源システムおよびそれを搭載した車両 | |
JP2014139038A (ja) | 車両 | |
JP2012222982A (ja) | 電気システム | |
JP2016100965A (ja) | 電動車両 | |
JP2007228777A (ja) | 電源制御装置および車両 | |
JP2014155297A (ja) | 電源システムおよびそれを搭載した車両 | |
JP2012228012A (ja) | 車両の制御装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170614 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180410 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180423 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6337833 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |