上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を以下のような遊技機(パチンコ機)および外部装置(データ表示器)に適用した実施例について説明する。尚、実施例のパチンコ機は「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機である。また、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の進行態様:
C.パチンコ機の制御内容:
C−1.遊技制御処理:
C−2.演出制御処理:
D.外部出力
E.データ表示器の制御内容
F.変形例
図1は、本実施例の遊技情報システム100が備えるパチンコ機1およびデータ表示器70の正面図である。図1に示されるように、遊技ホールでは1台のパチンコ機1の上方に1台のデータ表示器70が設けられる。データ表示器70は、パチンコ機1と接続されて、そのパチンコ機1の稼働状態を示す遊技情報を表示する。パチンコ機1では所定の条件を契機に抽選を行って「大当り」と呼ばれる状態になることがあり、データ表示器70は、例えばその大当りの回数などを遊技情報として表示画面71に表示する。また、データ表示器70には、遊技情報の表示内容を切り替えるための操作ボタン72と、遊技ホールの店員を呼び出すための呼出ボタン73と、呼出ボタン73が押された場合に所定の態様で発光するランプ74とが設けられている。呼出ボタン73が押された場合、店員はランプ74の光を目印にして呼出ボタン73を押した遊技者を把握することができる。
詳しくは後述するが、本実施例の遊技情報システム100では、データ表示器70の表示画面71やランプ74を用いて、パチンコ機1の遊技状態に対応する演出が実行され、そのために、パチンコ機1からデータ表示器70に対して演出内容を示す情報が出力される。そして、データ表示器70における演出内容を示す情報は、所定の態様によって出力される。以下では、先ず、パチンコ機1の装置構成や制御内容について説明する。尚、パチンコ機1が本発明の「遊技機」に相当し、データ表示器70が本発明の「外部装置」に相当する。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置される遊技盤20の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20のセグメント表示部50(図2参照)を視認可能である。詳しくは後述するが、セグメント表示部50とは、複数のLEDの組合せによって遊技に係る情報を表示する表示部である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの周縁部における右部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの周縁部における左部には左サイドランプ5cが設けられている。また、前面枠4における窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図3参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図3参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが駆動して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。以下、演出ボタン10aやジョグシャトル10bを「演出操作部10a,10b」ともいう。
前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられ、前面枠は、一端(図1における左側)が中枠に対して回動可能に軸支されており、中枠は、一端(図1における左側)が本体枠に対して回動可能に軸支されている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。中枠の前面側には遊技盤20(図3参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21の周囲には、発射装置ユニットから発射された遊技球を遊技領域21へ案内する遊技球通路が、外レール22と内レール23とによって形成されている。発射装置ユニットから発射された遊技球は、この遊技球通路を通過して遊技領域21に放出され、遊技領域21の上部から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40の略中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示画面を用いて構成され、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については後述する。
遊技領域21において、中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口である第2始動口25が設けられている。第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知することが可能となっている。
また、遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図3参照)が設けられている。
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21には一般入賞口30が適宜設けられており、遊技球が一般入賞口30に入球した場合は10個の遊技球が遊技者に払い出される。同様に、上記の第1始動口24に遊技球が入球した場合は3個の遊技球が払い出され、第2始動口25に遊技球が入球した場合にも3個の遊技球が払い出される。更に、詳しくは後述するが、第1始動口24または第2始動口25に入球した場合には抽選が行われ、その結果次第では大入賞口28が開放状態となる。大入賞口28が開放状態となった場合、入球1個につき13個の遊技球が払い出される。
その他、遊技領域21には、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘32が設けられている。また、遊技領域21の最下部にはアウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入賞口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については後述する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、パチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球を検知するゲートセンサー27sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、これらのセンサーなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)第2始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
また、主制御基板200には、パチンコ機1の遊技情報を外部に出力するための外部端子板60が接続されている。外部端子板60は、払出制御基板240を介して主制御基板200に接続してもよい。外部端子板60には外部に情報を出力するための配線が接続される。出力する情報の内容や出力の方法については後述する。尚、外部への情報出力を制御することから、主制御基板200のCPU201が本発明の「出力部」に相当する。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出制御基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。サブ制御基板220は、例えば画像音声制御基板230に対しては、主制御基板200から受信したコマンドに基づいて、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信することによって遊技演出を行う。また、ランプ制御基板226に対しては、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光態様を指定するコマンドを送信することによって遊技演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出制御基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b(演出操作部10a,10b)に対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出す。そして、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の進行態様 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。先ず、上皿部7に遊技球が貯留された状態で、遊技者が発射ハンドル9を回転すると、貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を調整することによって、所望の領域に狙いを定めて遊技球を打ち出すことができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させる左打ちを行ったり、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させる右打ちを行ったりすることができる。
<特別図柄の変動表示>
打ち出された遊技球が第1始動口24に入球すると、パチンコ機1の内部で大当り抽選が行われる。大当り抽選では、第1始動口24に入球した時に取得される所定の乱数(大当り判定乱数等)に基づいて抽選を行い、当該入球分が大当りであるか外れであるかを判定する。大当り抽選の結果は、第1の特別図柄(以下、第1特図)としてセグメント表示部50に表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球した場合にも、大当り抽選が行われて、その結果は、第2の特別図柄(以下、第2特図)としてセグメント表示部50に表示される。続いて、第1特図および第2特図について説明する。
図4は、セグメント表示部50の拡大図である。前述したように、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52とが設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。遊技球が第1始動口24に入球すると、第1特図表示部51の8個のLEDのうち点灯するLEDが切り換わることによって第1特図が変動表示する。所定時間が経過するまで変動表示したら、8個のLEDのうち所定のLEDが点灯した停止表示の状態となる。同様に、遊技球が第2始動口25に入球すると、第2特図表示部52の8個のLEDのうち点灯するLEDが切り換わることによって第2特図が変動表示した後、所定のLEDが点灯した停止表示の状態となる。以下、停止表示した状態の特別図柄(第1特図または第2特図)を停止図柄とも呼ぶ。
本実施例のパチンコ機1では、第1特図の停止図柄として、100種類の大当り図柄(停止図柄1〜100)と、1種類の外れ図柄(停止図柄101)とが設定されている。図4(b)は大当り図柄の一例として停止図柄1を示し、図4(c)は別の大当り図柄の例として停止図柄2を示している。図示するように、停止図柄1および停止図柄2は、それぞれ点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なる。同様に、他の停止図柄3〜101についても、それぞれ点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なる。また、第2特図の停止図柄についても、100種類の大当り図柄(停止図柄201〜300)と、1種類の外れ図柄(停止図柄301)とが設定されており、それぞれの停止図柄は点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なる。
特別図柄(第1特図または第2特図)が停止表示した状態(停止図柄)は、所定時間が経過するまで表示が維持されるため、遊技者は停止図柄の内容を確認することができる。以下では、所定時間が経過するまで特別図柄を停止表示させた状態で保つことを「確定表示」とも呼ぶ。確定表示となった第1特図の停止図柄は、第1始動口24への入球による大当り抽選の結果を表し、第2特図の停止図柄は第2始動口25への入球による大当り抽選の結果を表す。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、大当り図柄または外れ図柄として確定するまでの遊技、すなわち1回の大当り抽選の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
<大当り遊技>
遊技者が第1始動口24または第2始動口25に遊技球を入球させて図柄変動遊技を繰り返すうちに、特別図柄(第1特図または第2特図)が何れかの大当り図柄で停止表示した場合には、いわゆる大当り遊技が行われる。大当り遊技が開始されると、暫くの間、大入賞口28が開放して遊技球の入球が容易となる。大入賞口28が開放した状態の遊技はラウンド遊技と呼ばれ、本実施例のパチンコ機1では、大入賞口28に9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または大入賞口28が開放状態となってから30秒が経過した場合に1回のラウンド遊技が終了する。例えば、1回のラウンド遊技が9カウントで終了した場合には、9カウント×払出数13個=117個の遊技球が賞球として払い出されることになる。大当り遊技では、このようなラウンド遊技を所定回数くり返すことができ、ラウンド遊技の回数(以下、単に「ラウンド数」と呼ぶ)が多いほど、遊技者はより多くの賞球を獲得することが期待できる。
大当り遊技が終了したら、図柄変動遊技を繰り返す通常の遊技状態に戻る。このとき、大当りと判定される確率が通常よりも高い高確率状態に設定されることがある。高確率状態に設定されていれば、遊技者は、これから行う図柄変動遊技の回数が少ないうちに再び大当りと判定されることを期待できる。また、大当り遊技の終了後は、第2始動口25に遊技球が入球し易くなる電サポ状態に設定される。第2始動口25に入球すると賞球(本実施例では3個)が払い出されるため、電サポ状態では、持ち玉(上皿部7や下皿部8に貯留された遊技球)をあまり減らすことなく遊技を続けることができる。高確率状態や電サポ状態は、所定回数の図柄変動遊技が行われる間だけ設定されるようになっており、それらの回数や上記の大当り遊技中のラウンド数は、大当り抽選で当選した大当りの種類によって決定されている。以下、大当り抽選の結果が、大当りであるか外れであるか、また、大当りの場合にはどのような種類の大当りであるかという当否態様について説明する。
<大当り抽選の当否態様>
図5は、第1特図の大当り抽選による当否態様を表す説明図である。前述したように、第1特図の停止図柄としては、100種類の大当り図柄(停止図柄1〜100)と、1種類の外れ図柄(停止図柄101)とが設定されている。図5に示すように、本実施例のパチンコ機1では、大当り図柄である停止図柄1〜100に対して6つの当否態様A〜Fが割り当てられ、外れ図柄である停止図柄101には当否態様Gが外れとして割り当てられている。以下、当否態様A〜Fそれぞれに設定される遊技状態(大当りの種類)について説明する。
大当り図柄である停止図柄1〜100のうち、停止図柄1〜20には当否態様Aが割り当てられている。これは、図柄変動遊技において停止図柄1〜20のうち何れかの停止図柄が表示された場合には、大当り抽選の結果が当否態様Aであったということを表す。当否態様Aは大当りの一態様であり、大当り遊技のラウンド数は、最大の15ラウンドが設定されている。大当り遊技の終了後に与えられる電サポ回数も最大の100回である。また、当否態様Aは、大当り遊技の終了後に上記の高確率状態に移行する「確変当り」であり、大当りと判定される確率が通常よりも高確率な状態で行われる図柄変動遊技の回数(以下、「高確回数」と呼ぶ)が設定されている。本実施例のパチンコ機1では高確回数は50回である。
当否態様Aと同様に、停止図柄21〜40には当否態様Bが割り当てられている。当否態様Bも確変当りであり、大当り遊技のラウンド数は8ラウンドが設定され、大当り遊技の終了後に与えられる高確回数は50回が設定され、電サポ回数は100回が設定されている。また、停止図柄41〜60には当否態様Cが割り当てられ、ラウンド数は4ラウンド、高確回数は50回、電サポ回数は100回が設定されている。以上の当否態様A〜Cはラウンド数が異なるが、全て確変当りである。
これに対して、停止図柄61〜70には当否態様Dが割り当てられており、当否態様Dは、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行することがない「非確変当り」である。従って、当否態様Dには、上記の当否態様A〜Cには設定されていた高確回数が設定されない。当否態様Dのラウンド数としては最大の15ラウンドが設定され、電サポ回数は100回が設定されている。
停止図柄71〜85にも当否態様Dと同様に非確変当りである当否態様Eが割り当てられている。当否態様Eでは、大当り遊技のラウンド数として4ラウンドが設定され、電サポ回数は同じく100回が設定されている。停止図柄86〜100にも非確変当りである当否態様Fが割り当てられて、ラウンド数として4ラウンドが設定されている。ただし、当否態様Fについては、電サポ回数が上記の当否態様A〜Eと比べて少ない20回が設定されている。
以上説明したように、第1特図の大当り抽選では、大当り図柄(停止図柄1〜100)に対して6つの当否態様A〜Fが割り当てられ、当否態様の違いによってラウンド数や、大当り遊技後の高確率状態の有無、電サポ回数が異なっている。第2特図の当否態様については図示を省略するが、第1特図と同様に、大当り図柄(停止図柄201〜300)に対して6つの当否態様A〜Fが割り当てられている。すなわち、停止図柄201〜220には当否態様Aが割り当てられ、停止図柄221〜240には当否態様Aが割り当てられ、停止図柄241〜260には当否態様Cが割り当てられている。また、停止図柄261〜270には当否態様Dが割り当てられ、停止図柄271〜285には当否態様Eが割り当てられ、停止図柄286〜300には当否態様Fが割り当てられている。これら第2特図における当否態様A〜Fは、図5を示して説明した第1特図の当否態様A〜Fと同様のラウンド数、高確回数、電サポ回数が設定されている。また、第2特図の外れ図柄である停止図柄201には外れの当否態様Gが割り当てられている。
ここで、セグメント表示部50の第1特図表示部51または第2特図表示部52に表示される各停止図柄は、点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なるから(図4(b),図4(c)参照)、表示中の停止図柄を他の停止図柄と識別することが可能である。このことから、遊技者が停止図柄を見れば、外れを含む当否態様A〜Gの何れが表示されているのかを知ることができる。
<特別図柄の保留>
特別図柄(第1特図または第2特図)の図柄変動遊技が行われ、あるいは大当り遊技が行われている最中に、遊技球が新たに第1始動口24に入球した場合には、新たな入球分は第1特図保留として保留される。第1特図保留の保留数は最大4個であり、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。図4(a)に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、保留数が0個の場合は何れのLEDも消灯している。これに対して、保留数が1個の場合には1個のLEDが点灯し、保留数が2個の場合には2個のLEDが点灯する。さらに、保留数が3個の場合には1個のLEDが点滅し、保留数が4個の場合には2個のLEDが点滅する。こうすることで0個から4個まで何れかの保留数が表示される。
また、第2始動口25への入球分についても、第1始動口24への入球分と同様に保留される。すなわち、図柄変動遊技が行われ、あるいは大当り遊技が行われている最中に、別の遊技球が新たに第2始動口25に入球した場合には、新たな入球分は第2特図保留として保留される。第2特図の保留はセグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。第2特図保留の保留数も最大4個であり、第1特図保留と同様に2個のLEDによって0個から4個まで何れかの保留数が表示される。尚、本実施例のパチンコ機1では、第2特図保留は第1特図保留よりも優先して消化する機能を備える。すなわち、第1特図保留および第2特図保留の両方が記憶されている場合は、第2特図保留が無くなるまで第1特図保留の図柄変動遊技は行われず、第2特図保留の図柄変動遊技が行われる。もっとも、通常、第2始動口25は開閉扉26によって閉鎖されており、第2始動口25に遊技球が入球することはないため、第2特図保留が記憶されるのは所定の条件を満たした場合となる。以下では、第2始動口25を開放するための普通図柄遊技について説明する。
<普通図柄遊技>
先ず、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、パチンコ機1の内部では、普通図柄の当たり判定(以下、普図当り判定)が行われる。普図当り判定では、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した時に取得される所定の乱数(普図当り判定乱数)に基づいて抽選を行い、普図当りであるか外れであるかを判定する。普図当り判定の結果は普通図柄としてセグメント表示部50に表示される。
図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部55が設けられている。普図表示部55には2個のLEDが配置されており、各LEDを点滅させて変動表示した後、普図当り判定の結果が停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた状態が普図当り図柄であり、右のLEDを点灯させた状態が普図外れ図柄である。
普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合には、所定時間だけ開閉扉26が開いて、第2始動口25に遊技球が入球可能な遊技状態(以下、「普図当り遊技」と呼ぶ)となる。また、上記の第1特図保留または第2特図保留と同様に、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過した回数は普図保留として保留される。普図保留についても保留数は最大4個であり、図4(a)に示すセグメント表示部50の普図保留表示部56では、2個のLEDによって0個から4個までの保留数が表示される。
前述したように、大当り遊技の終了後は、遊技球が第2始動口25に入球し易くなる電サポ状態となる。この電サポ状態は、後述するように普図当り判定や普図当り遊技の条件を変更することにより設定される。電サポ状態が設定されている時は、その旨がセグメント表示部50に表示される。図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、電サポ表示部57が設けられている。電サポ表示部57には、3個のLEDが配置されており、所定のLEDが点灯して電サポ状態の設定中であることが示される。電サポ状態では、1回の普図当り遊技における開閉扉26の開放回数や各開放時間などの開放パターンが数種類設定されており、開放パターン毎に点灯するLEDが異なる。
また、図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部58が設けられている。第2始動口25は遊技領域21のうち右側にあることから(図2参照)、遊技球が遊技領域21の右側の領域を流下するように遊技球を発射することで(いわゆる右打ち)、電サポ状態となって入球し易くなった第2始動口25を狙うことができる。そこで、電サポ状態の設定中は、右打ち表示部58に配置された2個のLEDが点灯して右打ちを行うことが示される。また、大当り遊技中についても、右打ちを行うことで大入賞口28を狙うことができるため(図2参照)、右打ち表示部58のLEDが点灯して右打ちを行うことが示される。
また、図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、ラウンド表示部59が設けられている。ラウンド表示部59には、1回の大当り遊技でラウンド遊技が何回行われるかということが表示される。前述したように、本実施例のパチンコ機1では、大当りの種類が複数存在し、15ラウンドの大当り(当否態様A,D)と、8ラウンドの大当り(当否態様B)と、4ラウンドの大当り(当否態様C,E,F)とが設定されている(図5参照)。例えば、15ラウンドの大当り遊技(当否態様Aまたは当否態様Dの大当り遊技)を実行している間は、ラウンド表示部59に配置された3個のLEDのうち左のLEDが点灯する。また、8ラウンドの大当り遊技(当否態様Bの大当り遊技)では3個のLEDのうち中のLEDが点灯し、4ラウンドの大当り遊技(当否態様Cまたは当否態様Eまたは当否態様Fの大当り遊技)では右のLEDが点灯する。
<演出表示>
以上、図4を参照して説明したように、遊技中はセグメント表示部50に様々な遊技結果や遊技状態が表示される。もっとも、セグメント表示部50における表示態様は、遊技者にとって必ずしも分かり易いとは言えないため、演出表示装置41を用いて遊技結果や遊技状態を分かり易く表示し、また、遊技者がより楽しめるように様々な演出の表示が行われる。例えば、セグメント表示部50で表示される第1特図保留数および第2特図保留数は、より見やすい演出表示装置41の表示画面に表示される。また、セグメント表示部50で表示される図柄変動遊技、すなわち、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示して停止表示することに合わせて、演出表示装置41では、3つの識別図柄41a,41b,41c(図6参照)を変動表示して停止表示させることが行われる。
図6は、演出表示装置41における表示内容の説明図である。図6(a),(b)に示すように、中央装置40の略中央には表示画面を備える演出表示装置41が設けられている。そして、演出表示装置41の表示画面の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設けられている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図6に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。
また、図6には、演出表示装置41における3つの識別図柄41a,41b,41cが示されている。3つの識別図柄41a,41b,41cは、それぞれ「1」〜「9」まで9つの数字を意匠化した図柄である。特別図柄の変動表示が開始した時、図6(a)に示されるように、3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示も開始する。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、先ず左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。前述したように特別図柄は所定時間、停止表示した状態が維持され、これに合わせて識別図柄41a,41b,41cについても停止表示した状態が維持される。
また、これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述したセグメント表示部50で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄で揃う図柄組合せ(いわゆる「ゾロ目」)で停止表示される。これに対して、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(いわゆる「バラケ目」)で停止表示される。
このように、セグメント表示部50で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、変動させるタイミングおよび停止させるタイミングが同じであり、表示の内容も対応している。しかも、図2に示すように、演出表示装置41は、セグメント表示部50よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。例えば、図6(b)に示すように、演出表示装置41で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれている。
また、3つの識別図柄41a,41b,41cのうち2つ以上が変動している最中に、その後リーチの状態となる可能性を示唆する予告の演出が行われたり、変動していた識別図柄が一旦バラケ目で停止したかのように表示した後、再び変動を開始したように表示するという擬似連続変動の演出が行われたりもする。このように、演出表示装置41では、図柄変動遊技の結果(すなわち大当り抽選の結果)を遊技者に分かり易く報知するとともに、識別図柄を変動表示させる間、様々な演出を行って遊技興趣を高めている。以下、識別図柄を変動表示させる間に行われる演出を「図柄変動演出」と呼ぶ。
また、別の演出の一態様として、次のような「昇格演出」が行われることもある。すなわち、図柄変動演出において図柄変動遊技の結果を報知する時には、実際の当否態様(例えば確変当り)とは異なる当否態様(例えば非確変当り)であることを報知しておき、事後的に実際の当否態様を報知することで、あたかも当否態様が昇格したかのような昇格演出が行われることもある。更には、第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41eに表示される保留図柄を大当りの期待度が向上したことを表す保留図柄に変化させる演出が行われたりもする。
このように演出表示装置41では、遊技状態に応じて様々な演出が行われる。また、演出表示装置41における演出と同時に、各種ランプ5a〜5cでも所定態様の発光が行われて遊技状態に応じた演出が行われる。尚、演出表示装置41および各種ランプ5a〜5cが本発明の「演出装置」に相当する。
C.パチンコ機の制御内容 :
続いて、パチンコ機1の内部で実行される処理について説明する。パチンコ機1で行われる遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。また、遊技の進行に伴って行われる各種の演出は、主制御基板200の制御の下で、サブ制御基板220および、サブ制御基板220に接続された画像音声制御基板230等によって実行されている。以下では、先ず、遊技を進行するために主制御基板200で行われる遊技制御処理について説明し、次いで、遊技の進行に合わせて演出を行うためにサブ制御基板220で行われる演出制御処理について説明する。
C−1.遊技制御処理 :
図7は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技進行制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
<出力処理>
図7に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S101)を行う。本実施例のパチンコ機1では、後述する各種処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S101)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えばサブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、また例えば払出制御基板240では、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しが行われることとなる。
<入力処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、入力処理(S102)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、第1始動口24または第2始動口25の何れかに遊技球が入球した場合は3個の賞球が払い出され、一般入賞口30に入球した場合は10個の遊技球が払い出され、大入賞口28に入球した場合は13個の遊技球が払い出される。そこで、入力処理(S102)では、これらの入球を検知するセンサー類(第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。その結果、遊技球を検知している場合は、払い出す遊技球の数を示す払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S101)で払出制御基板240に向けて送信される。
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S103)を行う。本実施例のパチンコ機1では、前述したように各種の乱数を利用した抽選が行われる。例えば、遊技球が第1始動口24に入球した時には大当り判定乱数が取得されて、その値に基づいて大当りであるか外れであるかを判定するという大当り抽選が行われる。また、大当り判定乱数の取得と同時に、後述の「図柄選択乱数」および「変動パターン選択乱数」についても取得される。この乱数更新処理(S103)では、これら各種の乱数を更新することによって、後の処理で取得される各種の乱数が無作為な値となるようにする。尚、乱数の更新は、乱数更新処理(S103)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間でも行ったり、乱数更新の専用回路を設けたりして、遊技制御処理を実行する周期よりも更に高速で更新するようにしてもよい。
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S104)を行う。この始動口等センサー検出処理(S104)では、普図保留、第1特図保留、第2特図保留を記憶する処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、ゲートセンサー27sの検知結果に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判断する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した場合は、普図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、普図保留数が4個に達していなければ、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を普図保留として記憶する。普図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された普図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過していなかった場合や、普図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな普図保留は記憶しない。
こうして普図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第1始動口センサー24sの検知結果に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。
ここで、第1特図の変動表示(図柄変動遊技)は、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。また、第1特図の変動表示に合わせて行われる演出(図柄変動演出)も、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。従って、第1特図保留を記憶した場合は、未だ該第1特図保留に基づく変動表示が開始されていなくても(変動開始条件が成立していなくても)、該第1特図保留に基づく変動表示や演出(第1特図保留に基づく図柄変動遊技や図柄変動演出)の態様を判定することが可能である。例えば、第1特図保留に基づく変動表示が行われる前であっても、該第1特図保留に基づく変動表示が行われた場合に大当り図柄が停止表示されるか否かや、リーチ演出が行われるか否か等を判定することが可能である。このような判定は事前判定と称されるものであって、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留を記憶すると、該第1特図保留について事前判定を行い、該事前判定結果を該第1特図保留と対応付けて記憶する。
こうして、第1特図保留を記憶すると共に該第1特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドは次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sの検知結果に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。こうして第2特図保留を記憶したら、該第2特図保留についても上述と同様の事前判定を行い、該事前判定結果を該第2特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第2特図保留を記憶すると共に該第2特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドも次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第2特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第2特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S105)を行う。この普通動作処理(S105)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、上述の普図保留記憶領域に普図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、普図保留記憶領域に普図保留が記憶されている場合は、記憶されている普図保留のうち最先に記憶された普図保留を読み出す。そして、読み出した普図保留、すなわち、普図当り判定乱数に基づいて普図当り判定を行う。
普図当り判定を行ったら、該普図当り判定の結果が普図当りであるか否かを判断する。その結果、普図当り判定の結果が普図当りである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部55の左のLED(図4参照)を点灯させることを記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部55の右のLED(図4参照)を点灯させることを記憶する。
こうして、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部55の左のLEDを点灯させること、あるいは、普図表示部55の右のLEDを点灯させることを記憶したら、普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図保留を普図保留記憶領域から消去する。
以上は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部55の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部55の右のLEDを点灯した状態した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。
以上は、普通図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部55の左のLEDの点灯)であるか否かを判断する。その結果、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合は、普図当り遊技における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定した後、普図当り遊技を開始する。
以上は、普通図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、普図当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、第2始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り遊技を終了する。
ここで、前述したように本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。このような非電サポ状態および電サポ状態の設定は次のように実現される。
すなわち、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間が長く設定される。従って、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、第2始動口25が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。例えば、非電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の1の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を20秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定する。これに対して、電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の99の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の99の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を1秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定する。
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S106)を行う。この特別動作処理(S106)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、大当り遊技中、特別図柄の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、大当り遊技中、特別図柄の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第2特図保留のうち最先に記憶された第2特図保留(大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。
これに対して、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されていない場合は、今度は、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第1特図保留のうち最先に記憶された第1特図保留(大当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。
ここで、図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は「大当り判定において大当りと判定される確率が低い低確率状態(例えば99.9分の1の確率)」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い高確率状態(例えば11.9分の1の確率)」に設定される。このような低確率状態あるいは高確率状態の設定は次のように実現される。すなわち、低確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち99.9分の1の乱数を大当りとし、高確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち11.9分の1の乱数を大当りとする。
このようにして第1特図保留または第2特図保留についての大当り判定を行った結果、大当りである場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、前述したように本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄1〜100が停止表示可能であり(図4,図5参照)、第2特図としては大当り図柄201〜300が停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄1〜100に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄201〜300に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄(停止図柄)として選択する。尚、図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
一方、大当り判定の結果が外れである場合においては、第1特図保留を読み出した場合は外れ図柄101を停止図柄として選択し、第2特図保留を読み出した場合は外れ図柄301を停止表示する図柄として選択する。尚、停止図柄として選択された大当り図柄、外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
こうして停止表示する図柄を選択したら、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンを選択する。変動パターンとは、図柄変動遊技において特別図柄を変動表示させる時間(変動時間)を示す識別情報である。変動パターンは複数種類が設けられており、その中から何れか1つの変動パターンを選択することによって、特別図柄の変動時間の長さが決定されることになる。変動パターンは、変動パターン選択乱数と変動パターン選択テーブルとに基づいて選択される。変動パターン選択乱数は、遊技球が第1始動口24または第2始動口25に入球した時に取得される乱数であって、変動パターンの選択に際しては、今回消化する特別図柄の保留から読み出したものを使用する。変動パターン選択テーブルは、変動パターン選択乱数が取り得る乱数値それぞれに対して所定の変動パターンが設定されたテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。ここで、本実施例のパチンコ機1では、当否態様に応じて別々の変動パターン選択テーブルが用意されている。
図8は、当否態様に応じて設けられる変動パターン選択テーブルを示している。図示するように、当否態様Aに対しては、変動パターン選択テーブルTAが設けられている。同様に、当否態様Bに対しては変動パターン選択テーブルTBが設けられ、当否態様Cに対しては変動パターン選択テーブルTCが設けられている。更に、当否態様Dに対しては変動パターン選択テーブルTDが、当否態様Eに対しては変動パターン選択テーブルTEが、当否態様Fに対しては変動パターン選択テーブルTFが、当否態様Gに対しては変動パターン選択テーブルTGが、それぞれ設けられている。尚、ここでは1つの当否態様に対して1つの変動パターン選択テーブルを設けているが、1つの当否態様に対して複数の変動パターン選択テーブルを設けて、条件に応じた変動パターン選択テーブルを使用するようにしてもよい。例えば、高確率状態または電サポ状態を設定している場合や、特別図柄の保留数が多数の場合には、特別図柄の変動時間を短くすることが考えられ、その場合には変動時間が短い変動パターンが設定された変動パターン選択テーブルを使用するようにしてもよい。
前述したように、各当否態様は何れかの停止図柄に対応付けて設定されているから(図5参照)、上記の処理で停止図柄を選択したことによって、当否態様についても選択されることになる。そこで、変動パターンを選択するには、先ず、上記の処理で決定された停止図柄に基づいて当否態様を把握し、その当否態様に対応した変動パターン選択テーブルを使用する(図8参照)。
図9は、変動パターン選択テーブルを例示した説明図である。図9(a)は、当否態様Aの場合に使用する変動パターン選択テーブルTAを例示している。図示するように、所定の変動パターン選択乱数に対応づけて、所定の変動パターンが設定されている。例えば、変動パターン選択乱数が「0〜100」までの値に対しては変動パターン「HP001」が設定されており、変動パターン選択乱数が「101〜127」までの値に対しては変動パターン「HP002」が設定されている。また、それぞれの変動パターンに対しては、「27.3秒」や「8.5秒」など固有の変動時間が設定されており、所定の変動パターンを選択すれば、変動時間についても選択したことになる。尚、図中では変動パターン選択乱数の値が「127」までの場合について示しているが、変動パターン選択乱数には図示した以上の多数の乱数値が設定されており、「128」以降の乱数値に対しても同様に変動パターンが設定されている。
他の当否態様B〜Gに対応した変動パターン選択テーブルTB〜TGについても同様にして変動パターンが設定されており、図中では、当否態様Bに対応した変動パターン選択テーブルTEを図9(b)に例示している。図9(a)および図9(b)に示されるように、変動パターン選択乱数が同じ乱数値であっても、変動パターン選択テーブルが異なれば、異なる変動パターンが設定されている。例えば、変動パターン選択乱数「0〜100」に対して、変動パターン選択テーブルTAでは変動パターン「HP001」が設定されているが、変動パターン選択テーブルTBでは別の変動パターン「HP101」が設定されている。こうすることで、1つの変動パターン選択乱数に対して、当否態様に応じた変動パターンが選択されることになる。尚、選択された変動パターンは、RAM203に確保された変動パターン記憶領域に記憶される。
上記のようにして、変動パターンを選択したら、主制御基板200のCPU201は、決定された変動パターンをサブ制御基板220に対して指定するための変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(図7のS101)でサブ制御基板220に向けて送信される。変動パターン指定コマンドを受け取ったサブ制御基板220では、変動パターン指定コマンドの内容に基づいて、対応する図柄変動演出の内容を把握して、演出表示装置41等を制御して演出を実行することが可能となる。
続いて、主制御基板200のCPU201は、上記の処理で選択された停止図柄と変動時間とに基づいて、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回の大当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。
以上は、大当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合における特別動作処理(図7のS106)について説明した。これに対して、特別図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の特別図柄を予め停止図柄記憶領域に記憶しておいた図柄で停止表示する(確定表示を開始する)。このように特別図柄が停止表示されたら、特別図柄の確定表示が開始されるので、特別図柄の確定表示時間を設定する。そして、特別図柄を停止表示したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動停止コマンドは、次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。
以上は、特別図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された特別図柄が大当り図柄であるか否かを判断する。その結果、停止表示された特別図柄が外れ図柄であった場合は、高確率状態が設定されているか否かを判断し、高確率状態が設定されている場合は、高確回数を1回減算する。その結果、高確回数が0回になったら、高確率状態に代えて低確率状態を設定する。また、電サポ状態が設定されているか否かも判断し、電サポ状態が設定されている場合は電サポ回数を1回減算する。その結果、電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。
これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって大当り遊技中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された大当り図柄の種類に対応して大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、大当り遊技を開始する。そして、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する大当り遊技におけるラウンド遊技回数を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。
以上は、特別図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで大入賞口28が開放状態・閉鎖状態となるように、大入賞口ソレノイド29mを制御して開閉扉29を動作させる。そして、ラウンド遊技の開始時には、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶し、ラウンド遊技の終了時には、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンドやラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。
また、上述の開放パターンに従う大入賞口ソレノイド29mの制御(開閉扉29の動作)が終了したら大当り遊技を終了する。そして、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。大当り遊技を終了したら、遊技状態を高確率状態且つ電サポ状態に設定する。このとき、高確回数は、何れの大当り図柄が停止表示された場合も50回に設定されるが、電サポ回数は、停止表示された大当り図柄の種類に応じて、100回または50回に設定される。遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態(高確回数や電サポ回数も含む)を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(図7のS107)を行う。この保留数処理(S107)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S101)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留図柄を演出表示装置41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。
このように、パチンコ機1の遊技状態については主制御基板200上で制御される。続いて、サブ制御基板220上で制御される演出制御処理について説明していく。
C−2.演出制御処理 :
図10は、サブ制御基板220のCPU221が、演出に係る制御として行う演出制御処理(S200)の大まかな流れを示したフローチャートである。演出制御処理(S200)は、サブ制御基板220のCPU221によって、所定周期毎(例えば10msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、サブ制御基板220のCPU221が行う演出制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。また、サブ制御基板220は、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行するが、本明細書では説明の便宜上、サブ制御基板220が画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行することを、単に、「サブ制御基板220のCPU221が各種演出を実行する」とも表現する。
演出制御処理(S200)を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、コマンド解析処理を行う(S201)。前述したように、遊技の進行に伴って主制御基板200から各種のコマンドが出力される。サブ制御基板220では、主制御基板200からコマンドを受信した都度、RAM223の受信コマンド記憶領域に記憶している。コマンド解析処理(S201)では、この受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンド、すなわち、主制御基板200から受信したコマンドを解析して、コマンドの内容に応じた処理を決定する。
図11は、主制御基板200から受信したコマンドに対応して、サブ制御基板220のCPU221が行う処理を示している。図示するように、サブ制御基板220のCPU221は、事前判定結果コマンドを受信したことに対応して、事前判定結果に基づく演出である事前判定演出を実行する。例えば、事前判定結果に対応するキャラクター等の画像を演出表示装置41に表示させたり、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する保留図柄の態様を事前判定結果に対応する態様としたりする。尚、事前判定演出は、事前判定結果コマンドを受信した場合において、常時行う必要はなく、所定の条件が成立したら(例えば所定の実行抽選に当選したら)行うこととしてもよい。
また、サブ制御基板220のCPU221は、保留数伝達コマンドを受信すると、このコマンドによって示される第1特図保留数および第2特図保留数と同数の保留図柄を、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する。尚、第1特図保留数および第2特図保留数の両方を常時表示する必要はなく、例えば、左打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第1特図主体の遊技が行われる状態においては、第1特図保留数を表示し、右打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第2特図主体の遊技が行われる状態においては、第2特図保留数を表示することとしてもよい。
また、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると図柄変動演出を開始して、変動停止コマンドを受信すると図柄変動演出を終了する。図柄変動演出としては複数種類の演出パターンを設定しておき、その中から特別図柄の変動時間内に完了するものであって、演出の最後に図柄変動遊技の結果である当否態様の種類が表示される演出パターンを選択して図柄変動演出を実行する。ここで、図9を示して説明した変動パターンそれぞれに対して、所定の図柄変動演出の内容(変動演出パターン)を設定しておくことで、容易に特別図柄の変動時間および当否態様に対応した演出内容とすることができる。
また、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信したことに対応して、大当り遊技中であることを示す大当り遊技演出を開始する。例えば、大当り遊技が開始されるタイミングで、大当り遊技の開始を示すファンファーレ演出を実行するとともに、大当り遊技中であることを示す動画(いわゆるムービー)の表示を開始する。このような大当り遊技演出としては、複数種類の演出パターンを設定しておくことで内容が異なる演出を実行可能であり、何れの大当り遊技演出を実行するかは、大当りの当否態様(ラウンド遊技回数や電サポ回数等)によって決定することができる。
また、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技中にラウンド遊技開始コマンドを受信したことに対応して、ラウンド遊技中であることを示すラウンド遊技演出を(例えば、大当り遊技演出に重ねて)開始する。例えば、実行中の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数を示す演出(例えば、1R,2R,3R・・・を表示する演出など)を開始する。その後、ラウンド遊技終了コマンドを受信すると、今回のラウンド遊技演出を終了する。再びラウンド遊技開始コマンドすると、次回のラウンド遊技演出を開始する。ラウンド遊技開始コマンドおよびラウンド遊技終了コマンドは、当否態様に応じて実行されるラウンド数と同じ回数だけ受信される。サブ制御基板220のCPU221は、ラウンド遊技開始コマンドまたはラウンド遊技終了コマンドを受信する度に、その時のラウンド数に対応したラウンド遊技演出を実行する。そして、大当り遊技終了コマンドを受信すると、大当り遊技演出を終了する。
また、サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態指定コマンドを受信したことに対応して、設定された遊技状態に対応する演出を開始する。遊技状態に対応する演出としては、例えば、演出表示装置41において識別図柄41a,41b,41cやその背景画像を高確率状態などの遊技状態に対応する態様(色彩や形状など)とする演出を実行することが挙げられる。背景画像などを変更した複数種類の演出パターンを設定しておくことで、演出の多様化が図られる。また、高確率状態が設定された場合は残りの高確回数を表示する演出を開始したり、電サポ状態が設定された場合は残りの電サポ回数を表示する演出を開始したりしてもよい。その後、高確回数や電サポ回数の表示は、図柄変動遊技が行われる毎に残り回数が1つずつ減っていくように表示する。図柄変動遊技が行われた回数は上記の変動停止コマンドなどの受信に基づいて把握すればよい。
以上のようにしてコマンド解析処理を実行して(図10のS201)、主制御基板200から受信した各種コマンドに対応する処理を決定したら、サブ制御基板220のCPU221は、続いて、出力処理を行う(S202)。この出力処理では、コマンド解析処理(S201)によって所定の演出パターンの演出を開始すると判断された場合に、演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に対して出力する。画像音声制御基板230は、サブ制御基板220から演出パターン指定コマンドを受信すると、指定された演出パターンに従って所定の画像や映像を演出表示装置41に表示すると共に、所定の音声を各種スピーカー6a,6b等から出力する。また、ランプ制御基板226のCPUは、サブ制御基板220から演出パターン指定コマンドを受信すると、指定された演出パターンに対応して設定された所定の発光パターンで発光するように、パチンコ機1に備わる各種ランプ5a〜5cを制御する。
ここで、本実施例のパチンコ機1は、パチンコ機1における演出と連動して外部のデータ表示器70でも演出(外部演出)が行われるようにする。そのために、データ表示器70で所定内容の演出を行うための外部演出パターンを設定しておく。図12は、外部演出パターンの設定例を示す説明図である。図示するように、パチンコ機1における演出パターンのうち幾つかの演出パターンには外部演出パターンが設定されている。例えば、図柄変動遊技の演出パターン「EP1001」に対して、外部演出パターン「GEP01」が設定されている。また、別の演出パターン「EP1004」に対しては、別の外部演出パターン「GEP02」が設定されている。更に、遊技状態が大当り遊技の場合の演出パターン「EP2002」に対しては、更に別の外部演出パターン「GEP21」が設定されている。
例えば、パチンコ機1で演出パターン「EP1001」による図柄変動遊技の演出が行われる時、演出表示装置41では演出パターン「EP1001」に従った所定の画像や映像が表示され、また、各種ランプ5a〜5cでは演出パターン「EP1001」に従った所定の態様の発光が行われる。ここで、外部演出パターン「GEP01」として、演出表示装置41における画像等の内容や、各種ランプ5a〜5cの発光態様に対応する演出内容を規定しておく。そして、パチンコ機1で演出パターン「EP1001」の演出が行われる時に、データ表示器70では外部演出パターン「GEP01」の演出を行えば、パチンコ機1における演出とデータ表示器70における演出とが連動することになる。
図13は、パチンコ機1における演出とデータ表示器70における演出とが連動した様子を例示した説明図である。図13(a)に示すように、パチンコ機1の演出表示装置41では「確変昇格」の旨を示す文字が表示されている。前述したように、パチンコ機1では、図柄変動演出において図柄変動遊技の結果を報知する時には、実際の当否態様(ここでは確変当り)とは異なる当否態様(ここでは非確変当り)であることを報知しておくことがある。その後は、例えば大当り遊技の終了時などに「確変昇格」と表示して実際の当否態様である確変当りに当選したことを報知することで、当否態様が昇格したように演出する。そして、本実施例では、パチンコ機1の演出パターンおよびデータ表示器70の外部演出パターンそれぞれの内容を互いに対応させることによって、図13(a)に示すように、パチンコ機1の演出表示装置41で「確変昇格」の旨を表示するとともに、データ表示器70の表示画面71でも同様の「確変昇格」の表示を行うことができる。また、図13(b)に示すように、パチンコ機1の各種ランプ5a〜5cが発光する態様(例えば発光色や点滅タイミング)に合わせた態様でデータ表示器70のランプ74を発光させることもできる。パチンコ機1から外部演出パターンを示す情報を出力することによって、このようにパチンコ機1における演出と連動してデータ表示器70でも演出を行うことができ、パチンコ機1における演出の効果が高められることになる。本実施例のパチンコ機1およびデータ表示器70を備える遊技情報システム100では、外部演出パターンを示す情報を、以下に説明するデータ信号によって出力する。
D.外部出力 :
図14は、パチンコ機1およびデータ表示器70の間に設けられる配線と、データ表示器70の大まかな構造とを示す説明図である。図示するように、パチンコ機1の外部端子板60には、図柄停止信号用配線60aと、大当り信号用配線60bと、異常報知信号用配線60cと、データ信号用配線60dとが接続されている。これら各種の配線はデータ表示器70に接続されて、パチンコ機1からデータ表示器70に対して情報を出力することが可能となっている。
図柄停止信号用配線60aは、パチンコ機1で図柄変動遊技が行われたことを示す図柄停止信号をパチンコ機1の外部に出力するための配線であり、大当り信号用配線60bは、大当り遊技中であることを示す大当り信号を外部に出力するための配線である。また、異常報知信号用配線60cは、パチンコ機1の遊技状態が異常であることを報知する異常報知信号を出力するための配線である。例えば、磁気や電波を検知した場合には不正が行われている虞があるため、通常の遊技状態ではないとして異常報知信号が外部に出力される。尚、一般的にパチンコ機は、扉(前面枠4や中枠)が開放している場合にその旨を外部に知らせる信号を出力する。扉の開放中は通常の遊技状態ではないことから、扉の開放中であることを外部に報知するための信号についても、本実施例でいう異常報知信号に含まれる。
更に、本実施例のパチンコ機1からは、外部演出パターンを示すデータ信号が出力される。データ信号用配線60dは、この外部演出パターンを示すデータ信号を出力するための配線である。以下、図柄停止信号用配線60aやデータ信号用配線60dなど各種の配線を使ってパチンコ機1から外部に出力される各種の信号を「外部信号」と総称する。尚、パチンコ機1からは、上記の図柄停止信号や、大当り信号、異常報知信号、データ信号の他、所定数の賞球を払い出す毎に出力される賞球信号や、確変状態が設定されていることを示す確変信号など、他の外部信号についても出力されるが、公知の技術であるため、ここでは図示および説明を省略する。
データ表示器70には、大当り遊技の回数などを表示する表示画面71と、遊技者が遊技ホールの店員を呼び出すための呼出ボタン73と、呼出ボタン73が押された場合に所定の態様で発光するランプ74とが設けられ、また、内部には制御基板75が設けられている。制御基板75上には、受信部76と、情報取得部77と、表示制御部78と、発光制御部79と、メモリー80とが備わっている。受信部76は、上記の各種配線を接続してパチンコ機1から出力された外部信号を受信する。情報取得部77は、受信部76が受信した外部信号を解釈することによって情報を取得する処理を行う。表示制御部78は、情報取得部77が取得した情報に基づいてデータ表示器70の表示画面71の表示内容を制御する。例えば、受信部76が図柄停止信号を1回受信すると、情報取得部77はパチンコ機1において図柄変動遊技が1回行われたという情報を取得し、表示制御部78は、表示画面71の表示内容の1つである図柄変動遊技が行われた回数の表示を1つ増加させる。
また、詳しくは後述するが、受信部76がデータ信号を受信した場合には、情報取得部77はデータ信号の内容に基づいて、パチンコ機1から出力された所定の外部演出パターンを示す情報を取得する。そして、表示制御部78は、所定の外部演出パターンに対応する所定の画像や映像を表示するように表示画面71を制御する。また、発光制御部79は、外部演出パターンに対応する態様で発光するようにランプ74を制御する。これら外部演出パターンに対応する表示画面71やランプ74の制御内容を示す情報についてはメモリー80に予め格納しておく。また、詳しくは後述するが、メモリー80にはデータ信号の内容と外部演出パターンとの対応関係を示す情報についても格納しておく。
尚、制御基板75上に備わる受信部76、情報取得部77、表示制御部78、発光制御部79は、機能の観点から分類した概念であり、必ずしもこれらの各部が制御基板75上で物理的に区分されることを表すものではない。従って、これらの各部はCPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現してもよいし、LSIやメモリーやタイマーを含む電子回路として実現してもよいし、これらを組み合わせることによって実現してもよい。以下、本実施例の外部信号について詳しく説明する。
図15は、従来の外部信号と本実施例の外部信号との出力態様の違いを示した説明図である。図15(a)に示すように、従来の外部信号の一例である図柄停止信号は、パチンコ機1において図柄変動遊技が行われる度に1パルスずつ出力される。データ表示器70では、図柄停止信号用配線60aから1パルスの外部信号を受信したことに基づいて、「パチンコ機1で図柄変動遊技が1回行われた」という情報を取得する。すなわち、外部信号の内容が図柄変動遊技についての情報であることは図柄停止信号用配線60aから受信したということに基づいて取得されるため、1パルスの外端信号そのものが示す内容は「1回」という情報であり、1ビット分のデータである。
また、図15(b)に示すように、従来の外部信号の別の一例である大当り信号は、パチンコ機1において大当り遊技が開始されたときに、大当り信号用配線60bにおける信号の出力レベルが「HIGH」から「LOW」に切り換えられる。その後、パチンコ機1において大当り遊技が終了したときに、大当り信号用配線60bの出力状態が「LOW」から「HIGH」に切り換えられる。データ表示器70では、大当り信号用配線60bにおける信号の出力レベルが「HIGH」から「LOW」に切り換えられたことに基づいて、「パチンコ機1で大当り遊技が開始した」という情報を取得する。またデータ表示器70では、大当り信号用配線60bの出力状態が「LOW」から「HIGH」に切り換えられたことに基づいて、「パチンコ機1で大当り遊技が終了した」という情報を取得する。パチンコ機1としては、大当り信号用配線60bの出力状態を「HIGH」から「LOW」へ、または「LOW」から「HIGH」へ切り換えた何れの場合も、二者択一の状態のうち一方であることを示す情報を出力することになるから、何れの場合も1ビット分のデータを出力していることになる。
ここで、パチンコ機1からデータ信号用配線60dを使って出力される情報は、前述したように、所定の外部演出パターンを示す情報である。図12を示して説明したように、所定の外部演出パターンは「GEP01」や「GEP21」などと表され、これらは複数ビットのデータサイズの情報である。従って、図15(a),図15(b)に示したように、一度に1ビット分のデータしか出力できない従来の出力態様による外部信号では、パチンコ機1から外部演出パターンを示す情報を出力することはできない。そこで、本実施例では、次のような出力態様のデータ信号によって外部演出パターンを示す情報を出力する。
図15(c)に示すように、データ信号用配線60dにおいて情報を出力していない通常時の信号出力レベルは「HIGH」である。そして、データ信号を出力する際には、先ず、データ信号用配線60dにおける信号の出力レベルを「HIGH」から「LOW」に切り換えて、所定時間、出力レベルを継続することによって、二進数で「0」を示す1ビット分のデータを出力する。続いて、出力状態を「LOW」から「HIGH」に切り換えて、所定時間、出力レベルを継続することによって、今度は「1」を示す1ビット分のデータを出力する。データ信号用配線60dでは、このように信号の出力レベルを「HIGH」または「LOW」の何れか一方に切り換えて所定時間継続することによって、二進数で「0」または「1」を示す1ビット分のデータを出力する。そして、このような1ビット分のデータ出力を連続して8回繰り返して、「01101100」という8ビット分のデータを出力する。この8ビット分のデータの出力によって1つの情報を出力することとすれば、一度に8ビット(1バイト)のデータサイズの情報を出力できることになる。以下では、1ビット分のデータを出力するためにデータ信号の出力レベルを「HIGH」または「LOW」の何れか一方の状態に継続する所定時間を「信号単位時間」と呼ぶ。また、1つの情報を出力するのに要する時間(ここでは8個の信号単位時間の合計)を「情報単位時間」と呼ぶ。本実施例では信号単位時間を20msecに設定し、これに従って、情報単位時間を160msecに設定する。
尚、データ信号を出力していない時には、データ信号用配線60dの出力状態が「HIGH」すなわち「1」を示す状態であるから(図15(c)参照)、8ビット分のデータのうち最初の1ビット分のデータで「1」を出力する場合には、何らかの方法でデータ信号の出力開始タイミングをパチンコ機1とデータ表示器70との間で共有しておく必要がある。そのためには、例えば、データ信号の出力を開始する直前に、「0」を示す1ビット分のデータを出力してデータ信号の出力開始の目印としたり、最初に「0」を含む8ビット分(1バイト分)のデータを出力してデータ信号の出力開始を指示したりすればよい。ここで、8ビット分(1バイト分)のデータを出力してデータ信号の出力開始を指示する場合、データ信号用配線60dを利用して出力開始を指示してもよいし、別途配線を設けて出力開始を指示してもよい。あるいは、1回の情報単位時間で出力するデータ信号のうち最初の1ビット分の信号については「0」を示すように固定しておき、実質的に残り7ビット分のデータによって1つの情報を出力するようにしてもよい。
E.データ表示器の制御内容 :
図16は、データ表示器70の内部で実行されるデータ信号対応処理(S300)のフローチャートを示している。このデータ信号対応処理(S300)は、所定周期(例えば10msec)で繰り返し実行される処理である。データ信号対応処理(S300)を開始すると、先ず始めに、受信部76がデータの受信を開始したか否かを判断する(S301)。データの受信を開始していなければ(S301:no)、処理を終了する。
これに対して、データの受信を開始した場合には(S301:yes)、続いて、情報単位時間が経過したか否かを判断する(S302)。前述したように本実施例では情報単位時間が160msecであるから、データの受信を開始してから160msec経過するまでは、未だ情報単位時間が経過していないと判断されて(S302:no)、処理を一旦終了する。
データ信号対応処理(S300)を繰り返すうちに、情報単位時間が経過したと判断された場合は(S302:yes)、受信したデータに基づいて外部演出パターンを取得する(S303)。前述したように、本実施例のパチンコ機1は、1ビット分のデータを8回連続して出力することによって、1つの外部演出パターンを示す情報をデータ表示器70に向けて出力する(図15(c)参照)。例えば、上記の「GEP21」という外部演出パターンを示す情報として「00010101」を設定しておき、この情報をパチンコ機1はデータ信号によって出力する。データ信号の受信によって「00010101」というデータを受け取ったデータ表示器70は、「00010101」に対応する情報として外部演出パターン「GEP21」という情報を取得する。データ表示器70のメモリー80には、このようなデータ信号の内容と外部演出パターンとの対応関係を示す情報が格納しておく。
受信したデータに基づいて外部演出パターンを取得したら(S303)、続いて、外部演出パターンの制御情報をメモリー80から取得する(S304)。前述したように、外部演出パターンに対応する表示画面71やランプ74の制御内容を示す情報についてもメモリー80に予め格納してあり、このS304の処理では、受信したデータに基づいて取得した所定の外部演出パターンに対応する制御情報を取得する。そして、取得した制御情報に基づいて表示画面71やランプ74を制御して、外部演出処理を開始する(S305)。外部演出処理(S305)は、所定の外部演出パターンを実行するように表示画面71やランプ74を制御し終わると自動的に終了する。これに対して、図16を示して説明してきたデータ信号対応処理(S300)は、外部演出処理(S305)を開始したことをもって終了する。
以上説明したように、本実施例の遊技情報システム100では、パチンコ機1から1ビット分のデータを連続して出力することによって、複数ビットのデータサイズを持つ外部演出パターンを示す情報を出力する。また、データ信号を受信したデータ表示器70は、所定数の1ビット分のデータを一括して解釈することによって、外部演出パターンを示す情報を取得する。こうすることによって、パチンコ機1における演出とデータ表示器70における演出とを連動させて、遊技興趣を高めることができる。
尚、図柄停止信号や、大当り信号、異常報知信号など従来の出力態様の外部信号によって出力される情報は、1ビットのデータサイズであるから、本発明の「第2情報」に相当する。また、本実施例のデータ信号によって出力される外部演出パターンを示す情報は、複数ビットのデータサイズであるから、本発明の「第1情報」に相当する。また、本実施例では「第1情報」として、外部演出パターンを示す情報を例にして説明したが、これに限られず、複数ビットのデータサイズを持つ他の内容の情報を出力するようにしてもよい。
例えば、一般的にパチンコ機からは遊技者に払い出された賞球数を示す賞球信号が外部に出力されるが、これは遊技球を10球払い出す毎に1パルスの信号を出力するという態様の信号であり、外部ではパチンコ機から払い出された賞球数を1球単位で把握することはできなかった。ここで、本実施例のデータ信号によれば、複数ビットのデータサイズを持つ情報を出力することができるため、パチンコ機1から払い出した賞球数の情報を1球単位で出力するようにしてもよい。遊技ホールに設置されたパチンコ機毎に1球単位の賞球数を把握できれば、従来よりも正確な営業管理が可能となり、また、不正な遊技が行われていることやパチンコ機および周辺設備の不具合等を迅速に発見しやすくなる。
また、例えば、従来のパチンコ機からは大当り遊技の回数を出力することはあっても、ラウンド数や、高確回数、電サポ回数などの違いによる大当り遊技の種類(図5参照)を示す情報を出力することはなかった。そこで、本実施例のデータ信号によって、大当り遊技の種類を示す情報を外部に出力するようにしてもよい。パチンコ機毎の大当りの種類を示す情報を把握できれば、パチンコ機の性能として設定された各大当りの種類に当選する確率と、実際にパチンコ機で当選した各大当りの種類毎の確率とを比較することで、不正な遊技が行われていること等を迅速に発見しやすくなる。
また、従来では外部信号の種類毎に設けていた複数の配線を、次のようにして1つにまとめることもできる。先ず、前述したような8ビット分のデータ(図15(c)参照)を、所定周期(例えば0.5sec間隔)でパチンコ機1から出力することとする。また、8ビット分のデータにおける1ビット分のデータ毎に所定の外部信号に相当する情報を割り当てておく。例えば、8ビット分のデータのうち1つ目のデータには、図柄停止信号に相当する情報を割り当てる。同様に、2つ目のデータには大当り信号に相当する情報を、3つ目のデータには異常報知信号に相当する情報をそれぞれ割り当てるといったように、1ビット分のデータ毎に所定の情報を割り当てておく。そして、パチンコ機1から所定の外部信号に相当する情報を出力する時には、8ビット分のデータのうち対応する1ビット分のデータの値を「0」に設定する。例えば、パチンコ機1から図柄停止信号に相当する情報を出力する時には、1つ目のデータの値を「0」に設定する。これに対して、図柄停止信号に相当する情報を出力しない時の1つ目のデータの値は「1」に設定する。このように、8ビット分のデータそれぞれについて所定の外部信号に相当する情報を割り当てておき、各1ビット分のデータについて「0」または「1」を出力することによって、8種類の外部信号に相当する情報を1つの配線によって出力することができる。そして、この8ビット分のデータを受信したデータ表示器70では、8ビット分のデータを受信した順番を示す情報とともに処理することによって、各1ビット分のデータから所定の情報を取得することができる。例えば1つ目のデータの値が「0」であれば、パチンコ機1で図柄変動遊技が1回行われたという情報を取得することができる。
F.変形例 :
上述した実施例では、複数ビットのデータサイズの情報を示すデータ信号を出力するたに、専用のデータ信号用配線60dを設けていた(図14参照)。しかし、必ずしもデータ信号用配線60dを設けることなくデータ信号を出力することもできる。この変形例では、データ信号用配線60dを設けることなく、データ信号を出力することについて説明する。図17は、変形例によるパチンコ機1の配線を示している。図示するように、この変形例では、異常報知信号を出力するための異常報知信号用配線60cを共用してデータ信号を出力する。データ表示器70では受信した信号が異常報知信号であるかデータ信号であるかを区別するために、次のようにして受信モードを切り換える。
図18は、変形例のデータ表示器70が受信モードを切り換える様子を示す説明図である。図示するように、初期状態では「異常報知信号受信モード」に設定されており、異常報知信号用配線60cから受信した信号は、異常報知信号として処理される。ここで、変形例のパチンコ機1は、異常報知信号用配線60cを利用して、複数ビットのデータサイズの情報を示すデータ信号を出力する時には、データ信号の出力に先立ってスタートコマンドを出力する。スタートコマンドは、これからデータ信号を出力することをデータ表示器70に指示するためのコマンドであり、ここでは「0」を示す信号を8回連続で出力した「00000000」という1バイトのデータがスタートコマンドとして設定されている。尚、スタートコマンドが本発明の「開始情報」に相当する。
データ表示器70は、スタートコマンドを受信すると、異常報知信号用配線60cの受信モードを「異常報知信号受信モード」から「データ信号受信モード」に切り換えて、異常報知信号用配線60cから受信した信号を、データ信号として処理する。「データ信号受信モード」の設定は、スタートコマンドを受信してから所定の情報単位時間(上述の実施例と同じ160msec)が経過するまで継続される。ここで、パチンコ機1はスタートコマンドを出力した後、所定の情報単位時間をかけてデータ信号を出力するから(図15(c)参照)、データ表示器70は、パチンコ機1からデータ信号として出力された信号を、データ信号と認識して受信することになる。そして、データ表示器70は、スタートコマンドを受信してから所定の情報単位時間が経過したら、「データ信号受信モード」から「異常報知信号受信モード」に戻す。以後、異常報知信号用配線60cから受信した信号は、異常報知信号として処理されることになる。
尚、異常報知信号は、図15(a)を示して説明した図柄停止信号と同様に、1パルスの信号、すなわち「0」を示す1ビット分の信号として出力される。上記のように、「異常報知信号受信モード」の設定中に受信した信号であれば、データ信号ではなく異常報知信号であると区別できるといえども、異常報知信号の「0」であるか、スタートコマンドの先頭の「0」であるかについては区別する必要がある。そこで、データ表示器70では、「異常報知信号受信モード」の設定中において、「0」を受信したら、異常報知信号を受信したとして直ぐに処理するのではなく、その後に「0」が連続するか否かを判断する。その結果、連続して「0」を受信したならば、スタートコマンドの信号を受信したとして処理し、連続して「0」を受信しなかったならば、異常報知信号を受信したとして処理する。尚、パチンコ機1から異常報知信号を2回以上連続して出力される可能性は殆んどないため、このように処理しても、「パチンコ機1は異常報知信号を出力したにも拘らず、データ表示器70はスタートコマンドとして認識する」といった誤認識は生じ難いと考えられる。更に、仮にパチンコ機1において磁気や電波を短時間に連続して検知された場合でも、異常報知信号を連続して出力することがないようにパチンコ機1側で設定しておけば、パチンコ機1から出力された異常報知信号をデータ表示器70においてスタートコマンドと誤認識することを防止することができる。
以上説明したように、この変形例では、異常報知信号用配線60cを共用して異常報知信号およびデータ信号をパチンコ機1から出力する。そして、データ表示器70では、異常報知信号用配線60cから受信した信号が異常報知信号であるかデータ信号であるかを区別することが可能であるため、データ信号を入出力するための専用の配線を別途設けなくてもよい。
この変形例では、異常報知信号用配線60cを利用してデータ信号を入出力することについて説明してきたが、図柄停止信号や、大当り信号、確変信号、賞球信号など、他の外部信号の配線を利用してデータ信号を出力するようにしてもよい。ここで、例えば賞球信号の配線を利用してパチンコ機1からデータ信号を出力している最中に、パチンコ機1から賞球信号を出力することになった場合、データ信号の出力が終わってから賞球信号を出力するか、データ信号の出力を中断して賞球信号を出力することになる。すなわち、パチンコ機1から出力される頻度が高い外部信号の配線を利用してデータ信号を出力しようとすると、データ信号以外の外部信号の出力タイミングと、データ信号の出力タイミングとが重複して、信号出力の遅延が発生し易くなる。この点、異常報知信号はパチンコ機1において異常を検知した場合に出力される信号であり、図柄停止信号や賞球信号など他の外部信号と比べて出力される頻度が低いことから、上記の変形例のように異常報知信号用配線60cを利用してデータ信号を出力すれば、信号出力の遅延を少なくすることができる。
あるいは、パチンコ機1における遊技状態に応じて、データ信号の出力に利用する配線を変更するようにしてもよい。例えば、大当り信号用配線60bでは、大当り遊技中に信号の出力レベルが「HIGH」から「LOW」に切り換えられ、大当り遊技中ではない時には、「HIGH」の状態が続くことになる(図15(b)参照)。一方、図柄停止信号用配線60aでは、大当り遊技ではない通常の遊技状態において図柄変動が行われる毎に1パルスずつ出力されるが、大当り遊技中では図柄変動が行われないため、「HIGH」の状態が続くことになる(図15(a)参照)。そこで、パチンコ機1で大当り遊技が行われていない場合には、大当り信号用配線60bを利用してデータ信号を出力し、パチンコ機1で大当り遊技が行われている場合には、図柄停止信号用配線60aを利用してデータ信号を出力するとよい。こうすれば、データ信号の出力タイミングと、データ信号以外の外部信号の出力タイミングとが重複することを無くすことができる。
尚、上記の変形例では、データ表示器70において異常報知信号用配線60cから受信した信号が異常報知信号であるかデータ信号であるかを区別するために、パチンコ機1はデータ信号の出力に先立ってスタートコマンドを出力することを説明した。しかし、異常報知信号であるかデータ信号であるかを区別する手段としては、スタートコマンドに限られず、例えば、パチンコ機1およびデータ表示器70の間で時間を測るタイミングを共有し、所定時間毎に異常報知信号を入出力する期間とデータ信号を入出力する期間とを切り換えるようにしてもよい。
また、上記の変形例では、スタートコマンドが「00000000」という一義的なデータであるとして説明した。しかし、スタートコマンドを複数種類設け、スタートコマンドの種類によって、その後に出力するデータ信号の種類を指定するようにしてもよい。こうすることによって、パチンコ機1からデータ信号によって出力する情報の種類を増やすことができる。尚、前述したように、データ表示器70では、受信した信号が異常報知信号の「0」であるか、スタートコマンドの先頭の「0」であるかを区別する必要があるから、スタートコマンドを示すデータのうち少なくとも先頭の2ビット分のデータについては「00」に固定しておくとよい。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例および変形例では、パチンコ機1から出力された外部信号をデータ表示器70において受信処理することとして説明した。しかし、遊技ホールでは、パチンコ機1から出力された外部信号は、先ず中継装置(図示略)に入力されてから、データ表示器70に入力されるように、パチンコ機1と中継装置とデータ表示器70とが接続されることが一般的である。そこで、上の説明ではデータ表示器70で実行されたデータ信号の受信処理、すなわち、複数ビット分のデータに基づいて1つの意味をなす情報を取得する処理や、外部信号の配線を共用する場合におけるデータ信号とその他の外部信号とを区別するための処理を、中継装置で実行するようにしてもよい。また、遊技ホールでは、各パチンコ機1から出力された外部信号は、各パチンコ機1に接続された中継装置を介して、いわゆる島コンピュータに入力され、更に島コンピュータからホールコンピュータへと入力される。そこで、データ信号の受信処理を島コンピュータやホールコンピュータが実行するようにしてもよい。尚、データ信号の受信処理を実行する場合の中継装置、島コンピュータ、ホールコンピュータはそれぞれ、本発明の「外部装置」に対応する。
また、上述した実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
更には、本願の発明は、以下のような遊技機や、外部装置や、遊技情報システムとしても把握することができる。
<他の態様で把握された遊技機A1>
本発明の遊技機は、
外部装置に対して外部信号を出力する遊技機であって、
前記外部信号の出力レベルを二種類のうち何れか一方に切り換えることによって1ビット分のデータを出力し、該1ビット分のデータの出力を連続して実行することによって複数ビットのデータサイズの情報を出力する出力部を備える
ことを特徴とする遊技機として把握することができる。
このような遊技機A1によると、複数ビットのデータサイズの情報を外部装置に出力することができ、外部装置では、従来よりも複雑な情報を遊技機から取得することが可能となる。例えば、遊技機から賞球を払い出す度に1球単位の賞球数を示す情報を出力することとすれば、外部装置では遊技機における賞球数を1球単位で把握することが可能となる。
<他の態様で把握された遊技機A2>
また、上述した遊技機は、更に、
遊技状態に応じて所定内容の演出を実行する演出装置を備え、
前記出力部は、前記所定内容の演出に対応する情報を、前記複数ビットのデータサイズの情報として出力する
ことを特徴とする遊技機として把握することもできる。
このような遊技機A2によると、遊技機において複数種類設定された演出のうち所定の演出を実行することを外部に出力することができる。こうすることによって、例えば遊技情報を表示する画面を備えるデータ表示器などの外部装置において、遊技機における演出と対応した内容の演出を画面に表示するなどして、遊技機における演出の効果を高めることが可能となる。
<他の態様で把握された遊技機A3>
また、上述した遊技機は、更に、
前記出力部は、複数ビットのデータサイズの第1情報と、1ビットのデータサイズの第2情報とを1つの配線から別々のタイミングで出力する出力部であり、前記第2情報の出力に先立って該第2情報の出力開始を示す開始情報を出力することによって、前記外部装置において受信されたデータが前記第1情報または前記第2情報の何れを示すデータであるかを区別可能とする
ことを特徴とする遊技機として把握することもできる。
このような遊技機A3では、1つの配線を共用して複数ビットのデータサイズの第1情報と、1ビットのデータサイズの第2情報とを出力する。従来の遊技機では、図柄変動が行われる毎に1パルスの図柄停止信号を外部に出力しており、これにより出力された情報は1ビットのデータサイズの第2情報に該当する。そこで、例えば図柄停止信号用の配線を共用して、複数ビットのデータサイズの第1情報を出力することとすれば、第1情報を出力するための専用の配線を設けなくて済む。
<他の態様で把握された外部装置>
本発明の外部装置は、
遊技機の外部に設けられて該遊技機から情報を取得する外部装置であって、
前記遊技機から出力された外部信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記外部信号を解釈することによって前記遊技機から出力された情報を取得する情報取得部と
を備え、
前記受信部は、前記外部信号の出力レベルが二種類のうち何れであるかによって受信される1ビット分のデータを複数個連続して受信し、
前記情報取得部は、前記受信部が連続して受信した所定ビット分のデータを解釈することによって、前記遊技機から出力された情報を取得する
ことを特徴とする外部装置として把握することができる。
このような外部装置によると、遊技機から出力された複数ビットのデータサイズの情報を取得することができる。
<他の態様で把握された遊技情報システム>
本発明の遊技情報システムは、
外部信号を出力する遊技機と、該遊技機の外部に設けられて該遊技機から情報を取得する外部装置とを備える遊技情報システムであって、
前記遊技機は、
前記外部信号の出力レベルを二種類のうち何れか一方に切り換えることによって1ビット分のデータを出力し、該1ビット分のデータの出力を連続して実行することによって複数ビットのデータサイズの情報を出力する出力部を備え、
前記外部装置は、
前記遊技機から出力された前記外部信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記外部信号を解釈することによって前記遊技機から出力された情報を取得する情報取得部と
を備え、
前記受信部は、前記外部信号の出力レベルが二種類のうち何れであるかによって受信される1ビット分のデータを複数個連続して受信し、
前記情報取得部は、前記受信部が連続して受信した所定ビット分のデータを解釈することによって、前記遊技機から出力された情報を取得する
ことを特徴とする遊技情報システムとして把握することもできる。
このような遊技情報システムでは、遊技機から複数ビットのデータサイズの情報を外部装置に出力し、外部装置は遊技機から出力された複数ビットのデータサイズの情報を取得することができる。