上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を以下のような遊技機(パチンコ機)および遊技情報表示装置(データ表示器)に適用した実施例について説明する。尚、実施例のパチンコ機は「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機である。また、特に断りがない限りは、パチンコ機正面に向かって右側を「右」と表現し、左側を「左」と表現する。
また、以下の実施例は次のような順序に従って説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の進行態様:
C.パチンコ機の制御内容:
C−1.遊技制御処理:
C−2.演出制御処理:
D.データ表示器の装置構成:
E.データ表示器で行われる外部発光管理処理:
F.変形例1:
G.変形例2:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技情報表示システム100が備えるパチンコ機1およびデータ表示器70の正面図である。図1に示されるように、遊技ホールでは1台のパチンコ機1の上方に1台のデータ表示器70が設けられる。データ表示器70は、中継装置90を介してパチンコ機1と接続されて、そのパチンコ機1の稼働状態を示す遊技情報を表示する。パチンコ機1では所定の条件を契機に抽選を行って「大当り」と呼ばれる状態になることがあり、データ表示器70は、例えばその大当りの回数などを遊技情報として表示画面71に表示する。
また、データ表示器70には、遊技情報の表示内容を切り替えるための操作ボタン72と、遊技ホールの従業員を呼び出すための呼出ボタン73と、呼出ボタン73が押された場合に所定の態様で発光するランプ74とが設けられている。呼出ボタン73が押された場合、従業員はランプ74の光を目印にして呼出ボタン73を押した遊技者を把握することができる。尚、パチンコ機1が本発明の「遊技機」に相当し、データ表示器70が本発明の「遊技情報表示装置」に相当する。
図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置された遊技盤20の遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して後述のセグメント表示部50を視認可能である。
前面枠4において窓部4aの左側方、右側方、上方には、枠部ランプ5が設けられている。枠部ランプ5は、LEDライトなどの発光体を、光を透過するカバーで覆って形成したものであり、発光する部分を変化させたり、発光する部分の色を変化させたりして様々な発光態様で発光することが可能である。尚、枠部ランプ5のカバーには装飾のための立体形状が形成されているが、図1では立体形状の図示を省略している。
また、前面枠4における窓部4aの左右上方には上部スピーカー6aが設けられており、前面枠4の下方には下部スピーカー6bが設けられている。上記の枠部ランプ5および上部スピーカー6a,下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図3参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図3参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが駆動して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の縁部には遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。これらの演出ボタン10aやジョグシャトル10bは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に遊技者によって操作されると、所定の遊技演出が行われる。以下、演出ボタン10aやジョグシャトル10bを「演出操作部10a,10b」ともいう。
前面枠4の背面側には中枠および本体枠が設けられ、前面枠は、一端(図1における左側)が中枠に対して回動可能に軸支されており、中枠は、一端(図1における左側)が本体枠に対して回動可能に軸支されている。本体枠は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1はこの本体枠が島設備に取り付けられることで遊技ホールに設置される。中枠の前面側には遊技盤20(図3参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21の周囲には、発射装置ユニットから発射された遊技球を遊技領域21へ案内する遊技球通路が、外レール22と内レール23とによって形成されている。発射装置ユニットから発射された遊技球は、この遊技球通路を通過して遊技領域21に放出され、遊技領域21の上部から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4aを通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者に視認されることとなる。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40の略中央には、演出表示装置41が設けられている。演出表示装置41は液晶表示画面を用いて構成され、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の詳しい表示内容については後述する。
遊技領域21において、中央装置40(演出表示装置41)の下方には、開口部の大きさが不変(一定)であり遊技球が常時入球可能な始動口である第1始動口24が設けられている。第1始動口24に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第1始動口24の内部の通路には第1始動口センサー24s(図3参照)が設けられており、第1始動口24に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化する入球口である第2始動口25が設けられている。第2始動口25は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉26を備えており、開閉扉26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、開閉扉26がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が開放状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。第2始動口25の内部の通路には第2始動口センサー25s(図3参照)が設けられており、第2始動口25に入球した遊技球を検知することが可能となっている。
また、遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の右方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知するゲートセンサー27s(図3参照)が設けられている。
また、遊技領域21における第1始動口24の右方には、略長方形状に大きく開口された大入賞口28が設けられている。大入賞口28は、パチンコ機1の前後方向に回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29がパチンコ機1の前方側に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。大入賞口28に入球した遊技球は、内部に設けられた通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれる。大入賞口28の内部の通路には大入賞口センサー28s(図3参照)が設けられており、大入賞口28に入球した遊技球を検知可能である。
また、遊技領域21には一般入賞口30が適宜設けられており、遊技球が一般入賞口30に入球した場合は10個の遊技球が遊技者に払い出される。同様に、上記の第1始動口24に遊技球が入球した場合は3個の遊技球が払い出され、第2始動口25に遊技球が入球した場合にも3個の遊技球が払い出される。更に、詳しくは後述するが、第1始動口24または第2始動口25に入球した場合には抽選が行われ、その結果次第では大入賞口28が開放状態となる。大入賞口28が開放状態となった場合、入球1個につき13個の遊技球が払い出される。
その他、遊技領域21には、遊技球の流下経路に影響を与える風車型ホイール31や多数の障害釘32が設けられている。また、遊技領域21の最下部にはアウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、大入賞口28、一般入賞口30の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。
遊技盤20における遊技領域21の右下方には、LEDの組合せによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者に視認される。尚、セグメント表示部50の詳しい表示内容については後述する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、パチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されている。詳しくは、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図3におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図3におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図3における203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、大入賞口28へ入球した遊技球を検知する大入賞口センサー28s、普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球を検知するゲートセンサー27sなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、これらのセンサーなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25に設けられた開閉扉26に開閉動作を行わせるための(第2始動口25を開放状態、閉鎖状態にするための)第2始動口ソレノイド26mや、大入賞口28に設けられた開閉扉29に開閉動作を行わせるための(大入賞口28を開放状態、閉鎖状態にするための)大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第2始動口ソレノイド26m、大入賞口ソレノイド29m、セグメント表示部50に向けて駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。また、主制御基板200には、パチンコ機1の遊技情報を外部に出力するための外部端子板60が接続されている。尚、外部端子板60は、払出制御基板240を介して主制御基板200に接続してもよい。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出制御基板228が接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。サブ制御基板220は、例えば画像音声制御基板230に対しては、主制御基板200から受信したコマンドに基づいて、出力画像や出力音声を指定するコマンドを送信することによって遊技演出を行う。また、ランプ制御基板226に対しては、枠部ランプ5の発光態様を指定するコマンドを送信することによって遊技演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出制御基板228を介して、演出ボタン10aやジョグシャトル10b(演出操作部10a,10b)に対する遊技者の操作を検知すると、該操作に対応する遊技演出を行う。尚、本実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220にも上記の外部端子板60が接続されて、後述するようにサブ制御基板220上の情報が外部に出力される。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応する音声データを音声ROM236から読み出す。そして、該音声データに基づく音声を、アンプ基板224を介して、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から出力する。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、この信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信した場合も、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には、遊技球を発射させるための発射モーター262や遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263等を有する発射装置ユニット261が接続されている。発射制御基板260は、タッチスイッチ263を介して遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知すると、発射モーター262を駆動することによって、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の進行態様 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。先ず、上皿部7に遊技球が貯留された状態で、遊技者が発射ハンドル9を回転すると、貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を調整することによって、所望の領域に狙いを定めて遊技球を打ち出すことができる。例えば、中央装置40(演出表示装置41)の左方の領域を流下するように遊技球を発射させる左打ちを行ったり、中央装置40(演出表示装置41)の右方の領域を流下するように遊技球を発射させる右打ちを行ったりすることができる。
打ち出された遊技球が第1始動口24に入球すると、パチンコ機1の内部で大当り抽選が行われる。大当り抽選では、第1始動口24に入球した時に取得される所定の乱数(大当り判定乱数等)に基づいて抽選を行い、当該入球分が大当りであるか外れであるかを判定する。大当り抽選の結果は、第1の特別図柄(以下、第1特図)としてセグメント表示部50に表示される。また、遊技球が第2始動口25に入球した場合にも、大当り抽選が行われて、その結果は、第2の特別図柄(以下、第2特図)としてセグメント表示部50に表示される。第1特図および第2特図は次のようなものである。
<特別図柄の変動表示>
図4は、セグメント表示部50の拡大図である。前述したように、遊技者は前面枠4の小窓部4c(図1参照)を通してセグメント表示部50を視認可能である。図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52とが設けられており、これらの表示部にはそれぞれ8個のLEDが配置されている。遊技球が第1始動口24に入球すると、第1特図表示部51の8個のLEDのうち点灯するLEDが切り換わることによって第1特図が変動表示する。所定時間が経過するまで変動表示したら、8個のLEDのうち所定のLEDが点灯した停止表示の状態となる。同様に、遊技球が第2始動口25に入球すると、第2特図表示部52の8個のLEDのうち点灯するLEDが切り換わることによって第2特図が変動表示した後、所定のLEDが点灯した停止表示の状態となる。以下、停止表示した状態の特別図柄(第1特図または第2特図)を停止図柄とも呼ぶ。
本実施例のパチンコ機1では、第1特図の停止図柄として、100種類の大当り図柄(停止図柄1〜100)と、1種類の外れ図柄(停止図柄101)とが設定されている。図4(b)は大当り図柄の一例として停止図柄1を示し、図4(c)は別の大当り図柄の例として停止図柄2を示している。図示するように、停止図柄1および停止図柄2は、それぞれ点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なる。同様に、他の停止図柄3〜101についても、それぞれ点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なる。また、第2特図の停止図柄についても、100種類の大当り図柄(停止図柄201〜300)と、1種類の外れ図柄(停止図柄301)とが設定されており、それぞれの停止図柄は点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なる。
特別図柄(第1特図または第2特図)が停止表示した状態(停止図柄)は、所定時間が経過するまで表示が維持されるため、遊技者は停止図柄の内容を確認することができる。以下では、所定時間が経過するまで特別図柄を停止表示させた状態で保つことを「確定表示」とも呼ぶ。確定表示となった第1特図の停止図柄は、第1始動口24への入球による大当り抽選の結果を表し、第2特図の停止図柄は第2始動口25への入球による大当り抽選の結果を表す。以下では、特別図柄が変動表示を開始してから、大当り図柄または外れ図柄として確定するまでの遊技、すなわち1回の大当り抽選の結果が得られるまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
<大当り遊技>
遊技者が第1始動口24または第2始動口25に遊技球を入球させて図柄変動遊技を繰り返すうちに、特別図柄(第1特図または第2特図)が何れかの大当り図柄で停止表示した場合には、いわゆる大当り遊技が行われる。大当り遊技が開始されると、暫くの間、大入賞口28が開放して遊技球の入球が容易となる。大入賞口28が開放した状態の遊技はラウンド遊技と呼ばれ、本実施例のパチンコ機1では、大入賞口28に9個の遊技球が入球した場合(9カウント)または大入賞口28が開放状態となってから30秒が経過した場合に1回のラウンド遊技が終了する。例えば、1回のラウンド遊技が9カウントで終了した場合には、9カウント×払出数13個=117個の遊技球が賞球として払い出されることになる。大当り遊技では、このようなラウンド遊技を所定回数くり返すことができ、ラウンド遊技の回数(以下、単に「ラウンド数」と呼ぶ)が多いほど、遊技者はより多くの賞球を獲得することが期待できる。
大当り遊技が終了したら、図柄変動遊技を繰り返す通常の遊技状態に戻る。このとき、大当りと判定される確率が通常よりも高い高確率状態に設定されることがある。高確率状態に設定されていれば、遊技者は、これから行う図柄変動遊技の回数が少ないうちに再び大当りと判定されることを期待できる。また、大当り遊技の終了後は、第2始動口25に遊技球が入球し易くなる電サポ状態に設定される。第2始動口25に入球すると賞球(本実施例では3個)が払い出されるため、電サポ状態では、持ち玉(上皿部7や下皿部8に貯留された遊技球)をあまり減らすことなく遊技を続けることができる。高確率状態や電サポ状態は、所定回数の図柄変動遊技が行われる間だけ設定されるようになっており、それらの回数や上記の大当り遊技中のラウンド数は、大当り抽選で当選した大当りの種類によって決定されている。以下、大当り抽選の結果が、大当りであるか外れであるか、また、大当りの場合にはどのような種類の大当りであるかという当否態様について説明する。
<大当り抽選の当否態様>
図5は、第1特図の大当り抽選による当否態様を表す説明図である。前述したように、第1特図の停止図柄としては、100種類の大当り図柄(停止図柄1〜100)と、1種類の外れ図柄(停止図柄101)とが設定されている。図5に示すように、本実施例のパチンコ機1では、大当り図柄である停止図柄1〜100に対して6つの当否態様A〜Fが割り当てられ、外れ図柄である停止図柄101には当否態様Gが外れとして割り当てられている。
大当り図柄である停止図柄1〜100のうち、停止図柄1〜20には当否態様Aが割り当てられている。これは、図柄変動遊技において停止図柄1〜20のうち何れかの停止図柄が表示された場合には、大当り抽選の結果が当否態様Aであったということを表す。当否態様Aは大当りの一態様であり、大当り遊技のラウンド数は、最大の15ラウンドが設定されている。大当り遊技の終了後に与えられる電サポ回数も最大の100回である。また、当否態様Aは、大当り遊技の終了後に上記の高確率状態に移行する「確変当り」であり、大当りと判定される確率が通常よりも高確率な状態で行われる図柄変動遊技の回数(以下、高確回数と呼ぶ)が設定されている。本実施例のパチンコ機1では高確回数は50回である。
当否態様Aと同様に、停止図柄21〜40には当否態様Bが割り当てられている。当否態様Bも確変当りであり、大当り遊技のラウンド数は8ラウンドが設定され、大当り遊技の終了後に与えられる高確回数は50回が設定され、電サポ回数は100回が設定されている。また、停止図柄41〜60には当否態様Cが割り当てられ、ラウンド数は4ラウンド、高確回数は50回、電サポ回数は100回が設定されている。以上の当否態様A〜Cはラウンド数が異なるが、全て確変当りである。
これに対して、停止図柄61〜70には当否態様Dが割り当てられており、当否態様Dは、大当り遊技の終了後に高確率状態に移行することがない「非確変当り」である。従って、当否態様Dには、上記の当否態様A〜Cには設定されていた高確回数が設定されない。当否態様Dのラウンド数としては最大の15ラウンドが設定され、電サポ回数は100回が設定されている。
停止図柄71〜85にも当否態様Dと同様に非確変当りである当否態様Eが割り当てられている。当否態様Eでは、大当り遊技のラウンド数として4ラウンドが設定され、電サポ回数は同じく100回が設定されている。停止図柄86〜100にも非確変当りである当否態様Fが割り当てられて、ラウンド数として4ラウンドが設定されている。ただし、当否態様Fについては、電サポ回数が上記の当否態様A〜Eと比べて少ない20回が設定されている。
以上説明したように、第1特図の大当り抽選では、大当り図柄(停止図柄1〜100)に対して6つの当否態様A〜Fが割り当てられ、当否態様の違いによってラウンド数や、大当り遊技後の高確率状態の有無、電サポ回数が異なっている。第2特図の当否態様については図示を省略するが、第1特図と同様に、大当り図柄(停止図柄201〜300)に対して6つの当否態様A〜Fが割り当てられている。すなわち、停止図柄201〜220には当否態様Aが割り当てられ、停止図柄221〜240には当否態様Aが割り当てられ、停止図柄241〜260には当否態様Cが割り当てられている。また、停止図柄261〜270には当否態様Dが割り当てられ、停止図柄271〜285には当否態様Eが割り当てられ、停止図柄286〜300には当否態様Fが割り当てられている。これら第2特図における当否態様A〜Fは、図5を示して説明した第1特図の当否態様A〜Fと同様のラウンド数、高確回数、電サポ回数が設定されている。また、第2特図の外れ図柄である停止図柄201には当否態様Gが割り当てられている。
ここで、セグメント表示部50の第1特図表示部51または第2特図表示部52に表示される各停止図柄は、点灯中のLEDの組み合わせが互いに異なるから(図4(b),図4(c)参照)、表示中の停止図柄を他の停止図柄と識別することが可能である。このことから、遊技者が停止図柄を見れば、外れを含む当否態様A〜Gの何れが表示されているのかを知ることができる。
<特別図柄の保留>
特別図柄(第1特図または第2特図)の図柄変動遊技が行われ、あるいは大当り遊技が行われている最中に、遊技球が新たに第1始動口24に入球した場合には、新たな入球分は第1特図保留として保留される。第1特図保留の保留数は最大4個であり、セグメント表示部50の第1特図保留表示部53に表示される。図4(a)に示すように、第1特図保留表示部53には2個のLEDが配置されており、保留数が0個の場合は何れのLEDも消灯している。これに対して、保留数が1個の場合には1個のLEDが点灯し、保留数が2個の場合には2個のLEDが点灯する。さらに、保留数が3個の場合には1個のLEDが点滅し、保留数が4個の場合には2個のLEDが点滅する。こうすることで0個から4個まで何れかの保留数が表示される。
また、第2始動口25への入球分についても、第1始動口24への入球分と同様に保留される。すなわち、図柄変動遊技が行われ、あるいは大当り遊技が行われている最中に、別の遊技球が新たに第2始動口25に入球した場合には、新たな入球分は第2特図保留として保留される。第2特図の保留はセグメント表示部50の第2特図保留表示部54に表示される。第2特図保留の保留数も最大4個であり、第1特図保留と同様に2個のLEDによって0個から4個まで何れかの保留数が表示される。尚、本実施例のパチンコ機1では、第2特図保留は第1特図保留よりも優先して消化する機能を備える。すなわち、第1特図保留および第2特図保留の両方が記憶されている場合は、第2特図保留が無くなるまで第1特図保留の図柄変動遊技は行われず、第2特図保留の図柄変動遊技が行われる。もっとも、通常、第2始動口25は開閉扉26によって閉鎖されており、第2始動口25に遊技球が入球することはないため、第2特図保留が記憶されるのは所定の条件を満たした場合となる。以下では、第2始動口25を開放するための普通図柄遊技について説明する。
<普通図柄遊技>
先ず、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、パチンコ機1の内部では、普通図柄の当たり判定(以下、普図当り判定)が行われる。普図当り判定では、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した時に取得される所定の乱数(普図当り判定乱数)に基づいて抽選を行い、普図当りであるか外れであるかを判定する。普図当り判定の結果は普通図柄としてセグメント表示部50に表示される。
図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部55が設けられている。普図表示部55には2個のLEDが配置されており、各LEDを点滅させて変動表示した後、普図当り判定の結果が停止表示される。本実施例のパチンコ機1では、2個のLEDのうち左のLEDを点灯させた状態が普図当り図柄であり、右のLEDを点灯させた状態が普図外れ図柄である。
普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合には、所定時間だけ開閉扉26が開いて、第2始動口25に遊技球が入球可能な遊技状態(以下、「普図当り遊技」と呼ぶ)となる。また、上記の第1特図保留または第2特図保留と同様に、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過した回数は普図保留として保留される。普図保留についても保留数は最大4個であり、図4(a)に示すセグメント表示部50の普図保留表示部56では、2個のLEDによって0個から4個までの保留数が表示される。
前述したように、大当り遊技の終了後は、遊技球が第2始動口25に入球し易くなる電サポ状態となる。この電サポ状態は、後述するように普図当り判定や普図当り遊技の条件を変更することにより設定される。電サポ状態が設定されている時は、その旨がセグメント表示部50に表示される。図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、電サポ表示部57が設けられている。電サポ表示部57には、3個のLEDが配置されており、所定のLEDが点灯して電サポ状態の設定中であることが示される。電サポ状態では、1回の普図当り遊技における開閉扉26の開放回数や各開放時間などの開放パターンが数種類設定されており、開放パターン毎に点灯するLEDが異なる。
また、図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、右打ちを行うことを示す右打ち表示部58が設けられている。第2始動口25は遊技領域21のうち右側にあることから(図2参照)、遊技球が遊技領域21の右側の領域を流下するように遊技球を発射することで(いわゆる右打ち)、電サポ状態となって入球し易くなった第2始動口25を狙うことができる。そこで、電サポ状態の設定中は、右打ち表示部58に配置された2個のLEDが点灯して右打ちを行うことが示される。また、大当り遊技中についても、右打ちを行うことで大入賞口28を狙うことができるため(図2参照)、右打ち表示部58のLEDが点灯して右打ちを行うことが示される。
また、図4(a)に示すように、セグメント表示部50には、ラウンド表示部59が設けられている。ラウンド表示部59には、1回の大当り遊技でラウンド遊技が何回行われるかということが表示される。前述したように、本実施例のパチンコ機1では、大当りの種類が複数存在し、15ラウンドの大当り(当否態様A,D)と、8ラウンドの大当り(当否態様B)と、4ラウンドの大当り(当否態様C,E,F)とが設定されている(図5参照)。例えば、15ラウンドの大当り遊技(当否態様Aまたは当否態様Dの大当り遊技)を実行している間は、ラウンド表示部59に配置された3個のLEDのうち左のLEDが点灯する。また、8ラウンドの大当り遊技(当否態様Bの大当り遊技)では3個のLEDのうち中のLEDが点灯し、4ラウンドの大当り遊技(当否態様Cまたは当否態様Eまたは当否態様Fの大当り遊技)では右のLEDが点灯する。
<演出表示>
以上、図4を参照して説明したように、遊技中はセグメント表示部50に様々な遊技結果や遊技状態が表示される。もっとも、セグメント表示部50における表示態様は、遊技者にとって必ずしも分かり易いとは言えないため、演出表示装置41を用いて遊技結果や遊技状態を分かり易く表示し、また、遊技者がより楽しめるように様々な演出の表示が行われる。例えば、セグメント表示部50で表示される第1特図保留数および第2特図保留数は、より見やすい演出表示装置41の表示画面に表示される。また、セグメント表示部50で表示される図柄変動遊技、すなわち、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示して停止表示することに合わせて、演出表示装置41では、3つの識別図柄41a,41b,41c(図6参照)を変動表示して停止表示させることが行われる。
図6は、演出表示装置41における表示内容の説明図である。図6(a),(b)に示すように、中央装置40の略中央には表示画面を備える演出表示装置41が設けられている。そして、演出表示装置41の表示画面の下部には、第1特図保留数を示すための第1保留表示領域41dと、第2特図保留数を示すための第2保留表示領域41eとが設けられている。本実施例のパチンコ機1では、第1保留表示領域41dに第1特図保留数と同数の「保留図柄(図中、小さい円形の図柄)」を表示することで第1特図保留数を示し、第2保留表示領域41eに第2特図保留数と同数の「保留図柄」を表示することで第2特図保留数を示す。従って、図6に示す例では、第1特図保留数および第2特図保留数が共に4個であることが示されている。
また、図6には、演出表示装置41における3つの識別図柄41a,41b,41cが示されている。3つの識別図柄41a,41b,41cは、それぞれ「1」〜「9」まで9つの数字を意匠化した図柄である。特別図柄の変動表示が開始した時、図6(a)に示されるように、3つの識別図柄41a,41b,41cの変動表示も開始する。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、先ず左識別図柄41aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次に、右識別図柄41cが停止表示され、最後に中識別図柄41bが停止表示される。前述したように特別図柄は所定時間、停止表示した状態が維持され、これに合わせて識別図柄41a,41b,41cについても停止表示した状態が維持される。
また、これら演出表示装置41で停止表示される3つの識別図柄41a,41b,41cの組合せは、前述したセグメント表示部50で停止表示される特別図柄(第1特図または第2特図)と対応するように構成されている。例えば、第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示される場合は、演出表示装置41の3つの識別図柄41a,41b,41cが同じ図柄で揃う図柄組合せ(いわゆる「ゾロ目」)で停止表示される。これに対して、第1特図または第2特図が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄41a,41b,41cは同じ図柄で揃わない図柄組合せ(いわゆる「バラケ目」)で停止表示される。
このように、セグメント表示部50で表示される特別図柄と、演出表示装置41で表示される3つの識別図柄41a,41b,41cとは、変動させるタイミングおよび停止させるタイミングが同じであり、表示の内容も対応している。しかも、図2に示すように、演出表示装置41は、セグメント表示部50よりも目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置41の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。例えば、図6(b)に示すように、演出表示装置41で初めに停止表示される左識別図柄41aと、続いて停止表示される右識別図柄41cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中識別図柄41bも同じ図柄で停止して、「大当り遊技が開始されるのではないか」と、遊技者は識別図柄の変動表示を注視することになる。このように、2つの識別図柄を同じ図柄(ゾロ目となり得る態様)で停止させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれている。
また、3つの識別図柄41a,41b,41cのうち2つ以上が変動している最中に、その後リーチの状態となる可能性を示唆する予告の演出が行われたり、変動していた識別図柄が一旦バラケ目で停止したかのように表示した後、再び変動を開始したように表示するという擬似連続変動の演出が行われたりもする。このように、演出表示装置41では、図柄変動遊技の結果(すなわち大当り抽選の結果)を遊技者に分かり易く報知するとともに、識別図柄を変動表示させる間、様々な演出を行って遊技興趣を高めている。以下、識別図柄を変動表示させる間に行われる演出を「図柄変動演出」と呼ぶ。
また、別の演出の一態様として、次のような「昇格演出」が行われることもある。すなわち、図柄変動演出において図柄変動遊技の結果を報知する時には、実際の当否態様(例えば確変当り)とは異なる当否態様(例えば非確変当り)であることを報知しておき、事後的に実際の当否態様を報知することで、あたかも当否態様が昇格したかのような昇格演出が行われることもある。更には、第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41eに表示される保留図柄を大当りの期待度が向上したことを表す保留図柄に変化させる演出が行われたりもする。
このように演出表示装置41の表示画面では、遊技状態に応じて様々な演出が表示され、その際には、演出の効果を高めるために枠部ランプ5を光らせることが一般的である。本実施例のパチンコ機1は、枠部ランプ5を光らせることに加えて、パチンコ機1の上方に設置されたデータ表示器70(図1参照)のランプ74についても光らせることで、更に演出の効果を高めることを可能とする。以下では、先ず、パチンコ機1において遊技を進行するために実行する処理を説明し、次いで、パチンコ機1における演出に連動してデータ表示器70のランプ74を光らせるために実行される処理について説明する。
C.パチンコ機の制御内容 :
パチンコ機1で行われる遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。また、遊技の進行に伴って行われる各種の演出は、主制御基板200の制御の下で、サブ制御基板220および、サブ制御基板220に接続された画像音声制御基板230等によって実行されている。以下では、先ず、遊技を進行するために主制御基板200で行われる遊技制御処理について説明し、次いで、遊技の進行に合わせて演出を行うためにサブ制御基板220で行われる演出制御処理について説明する。
C−1.遊技制御処理 :
図7は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。遊技制御処理は、主制御基板200のCPU201によって、所定周期毎(例えば4msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200のCPU201が行う遊技進行制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。
<出力処理>
図7に示すように、主制御基板200のCPU201は遊技制御処理を開始すると先ず、出力処理(S100)を行う。本実施例のパチンコ機1では、後述する各種処理において、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドをRAM203に確保された出力バッファに記憶する。出力処理(S100)では、このように出力バッファに記憶された各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えばサブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになり、また例えば払出制御基板240では、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しが行われることとなる。
<入力処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、入力処理(S200)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、第1始動口24または第2始動口25の何れかに遊技球が入球した場合は3個の賞球が払い出され、一般入賞口30に入球した場合は10個の遊技球が払い出され、大入賞口28に入球した場合は13個の遊技球が払い出される。そこで、入力処理(S200)では、これらの入球を検知するセンサー類(第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、大入賞口センサー28s等)について、遊技球を検知したか否かを判断する。その結果、遊技球を検知している場合は、払い出す遊技球の数を示す払出コマンドを上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは次回の出力処理(S100)で払出制御基板240に向けて送信される。
<乱数更新処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、乱数更新処理(S300)を行う。本実施例のパチンコ機1では上述したように、各種の乱数を利用した抽選が行われる。例えば、遊技球が第1始動口24に入球した時には大当り判定乱数が取得されて、その値に基づいて大当りであるか外れであるかを判定するという大当り抽選が行われる。また、大当り判定乱数の取得と同時に、後述の「図柄選択乱数」および「変動パターン選択乱数」についても取得される。この乱数更新処理(S300)では、これら各種の乱数を更新することによって、後の処理で取得される各種の乱数が無作為な値となるようにする。尚、乱数の更新は、乱数更新処理(S300)においてだけでなく、遊技制御処理を終了してから次の遊技制御処理を開始する(次のタイマ割り込み)までの期間でも行ったり、乱数更新の専用回路を設けたりして、遊技制御処理を実行する周期よりも更に高速で更新するようにしてもよい。
<始動口等センサー検出処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、始動口等センサー検出処理(S400)を行う。この始動口等センサー検出処理(S400)では、普図保留、第1特図保留、第2特図保留を記憶する処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、ゲートセンサー27sの検知結果に基づいて、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判断する。その結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した場合は、普図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、普図保留数が4個に達していなければ、普図当り判定乱数を取得すると共に該普図当り判定乱数を普図保留として記憶する。普図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された普図保留記憶領域に記憶される。尚、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過していなかった場合や、普図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな普図保留は記憶しない。
こうして普図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第1始動口センサー24sの検知結果に基づいて、遊技球が第1始動口24に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第1始動口24に入球した場合は、第1特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第1特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第1特図保留として記憶する。第1特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第1特図保留記憶領域に記憶される。
ここで、第1特図の変動表示(図柄変動遊技)は、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。また、第1特図の変動表示に合わせて行われる演出(図柄変動演出)も、第1特図保留として取得された大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数に基づいて行われる。従って、第1特図保留を記憶した場合は、未だ該第1特図保留に基づく変動表示が開始されていなくても(変動開始条件が成立していなくても)、該第1特図保留に基づく変動表示や演出(第1特図保留に基づく図柄変動遊技や図柄変動演出)の態様を判定することが可能である。例えば、第1特図保留に基づく変動表示が行われる前であっても、該第1特図保留に基づく変動表示が行われた場合に大当り図柄が停止表示されるか否かや、リーチ演出が行われるか否か等を判定することが可能である。このような判定は事前判定と称されるものであって、本実施例のパチンコ機1では、第1特図保留を記憶すると、該第1特図保留について事前判定を行い、該事前判定結果を該第1特図保留と対応付けて記憶する。
こうして、第1特図保留を記憶すると共に該第1特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドは次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第1始動口24に入球していなかった場合や、第1特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第1特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
こうして第1特図保留の記憶に係る処理を行ったら、続いて、第2始動口センサー25sの検知結果に基づいて、遊技球が第2始動口25に入球したか否かを判断する。その結果、遊技球が第2始動口25に入球した場合は、第2特図保留数が上限値である4個に達しているか否かを判断する。そして、第2特図保留数が4個に達していなければ、大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数を取得すると共にこれらの乱数を第2特図保留として記憶する。第2特図保留は、記憶した順序を識別できるように、RAM203に確保された第2特図保留記憶領域に記憶される。こうして第2特図保留を記憶したら、該第2特図保留についても上述と同様の事前判定を行い、該事前判定結果を該第2特図保留と対応付けて記憶する。こうして、第2特図保留を記憶すると共に該第2特図保留についての事前判定結果を記憶したら、この事前判定結果を示す事前判定結果コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された事前判定結果コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第2特図保留の事前判定結果に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。尚、遊技球が第2始動口25に入球していなかった場合や、第2特図保留数が既に4個に達していた場合は、新たな第2特図保留は記憶せず、事前判定も行わない。
<普通動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、普通動作処理(S500)を行う。この普通動作処理(S500)では、普通図柄を変動表示させたり、普図当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合は、上述の普図保留記憶領域に普図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、普図保留記憶領域に普図保留が記憶されている場合は、記憶されている普図保留のうち最先に記憶された普図保留を読み出す。そして、読み出した普図保留、すなわち、普図当り判定乱数に基づいて普図当り判定を行う。
普図当り判定を行ったら、該普図当り判定の結果が普図当りであるか否かを判断する。その結果、普図当り判定の結果が普図当りである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図当り図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部55の左のLED(図4参照)を点灯させることを記憶する。これに対して、普図当り判定の結果が普図外れである場合は、今回の普通図柄の変動表示にて停止表示する図柄(停止図柄)として普図外れ図柄を記憶する。すなわち、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部55の右のLED(図4参照)を点灯させることを記憶する。
こうして、今回の普通図柄の変動表示の結果として普図表示部55の左のLEDを点灯させること、あるいは、普図表示部55の右のLEDを点灯させることを記憶したら、普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始する。そして、今回の普図当り判定の対象となった普図保留を普図保留記憶領域から消去する。
以上は、普図当り遊技中、普通図柄の変動表示中、普通図柄の確定表示中の何れでもない場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の普通図柄を予め記憶しておいた態様で停止表示する。すなわち、普図当り判定の結果が普図当りであった場合は普図表示部55の左のLEDを点灯した状態とし(普図当り図柄を停止表示し)、普図当り判定の結果が外れであった場合は普図表示部55の右のLEDを点灯した状態した状態とする(外れ図柄を停止表示する)。
以上は、普通図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、普通図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された普通図柄が普図当り図柄(普図表示部55の左のLEDの点灯)であるか否かを判断する。その結果、停止表示された普通図柄が普図当り図柄であった場合は、普図当り遊技における第2始動口25の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定した後、普図当り遊技を開始する。
以上は、普通図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、普図当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで第2始動口25が開放状態・閉鎖状態となるように、第2始動口ソレノイド26mを制御して開閉扉26を動作させる。そして、この開放パターンに従う制御が終了したら普図当り遊技を終了する。
ここで、前述したように本実施例のパチンコ機1では、第2始動口25への遊技球の入球頻度に係る遊技状態が「第2始動口25への遊技球の入球頻度が低い非電サポ状態」または「第2始動口25への遊技球の入球頻度が高い電サポ状態」に設定される。このような非電サポ状態および電サポ状態の設定は次のように実現される。
すなわち、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、普通図柄の変動時間(普図変動時間)が短く、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間が長く設定される。従って、電サポ状態は非電サポ状態と比較して、第2始動口25が高頻度で開放状態になるとともに該開放状態にある期間が長くなるので、第2始動口25への遊技球の入球頻度が高くなる(高頻度状態)。例えば、非電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の1の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の1の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を20秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定する。これに対して、電サポ状態が設定されている場合は、普図当り確率を100分の99の確率に設定し(普図保留として取得可能な普図当り判定乱数のうち100分の99の乱数を普図当りとし)、普図変動時間を1秒に設定し、普図当り遊技における第2始動口25の開放時間を4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定する。
<特別動作処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、特別動作処理(S600)を行う。この特別動作処理(S600)では、特別図柄(第1特図または第2特図)を変動表示させたり、大当り遊技を実行したりする処理が行われる。すなわち、主制御基板200のCPU201は先ず、大当り遊技中、特別図柄の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れかであるか否かを判断する。その結果、大当り遊技中、特別図柄の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合は、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第2特図保留のうち最先に記憶された第2特図保留(大当り判定乱数、変動パターン選択乱数、図柄選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第2特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。
これに対して、第2特図保留記憶領域に第2特図保留が記憶されていない場合は、今度は、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されているか否かを判断する。その結果、第1特図保留記憶領域に第1特図保留が記憶されている場合は、記憶されている第1特図保留のうち最先に記憶された第1特図保留(大当り判定乱数、図柄選択乱数、変動パターン選択乱数)を読み出す。そして、読み出した第1特図保留に含まれる大当り判定乱数に基づいて大当り判定を行う。
ここで、図6を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、大当り判定において大当りと判定される確率に係る遊技状態は「大当り判定において大当りと判定される確率が低い低確率状態(例えば99.9分の1の確率)」または「大当り判定において大当りと判定される確率が高い高確率状態(例えば11.9分の1の確率)」に設定される。このような低確率状態あるいは高確率状態の設定は次のように実現される。すなわち、低確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち99.9分の1の乱数を大当りとし、高確率状態が設定されている場合は、第1特図保留または第2特図保留として取得可能な大当り判定乱数のうち11.9分の1の乱数を大当りとする。
このようにして第1特図保留または第2特図保留についての大当り判定を行った結果、大当りである場合は、今回読み出した第1特図保留または第2特図保留に含まれる図柄選択乱数に基づいて、今回の特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)にて停止表示する大当り図柄の種類を選択する。すなわち、前述したように本実施例のパチンコ機1では、第1特図としては大当り図柄1〜100が停止表示可能であり(図4,図5参照)、第2特図としては大当り図柄201〜300が停止表示可能である。そこで、第1特図保留を読み出した場合は、大当り図柄1〜100に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブル(図示省略)を参照して、第1特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄として選択する。また、第2特図保留を読み出した場合は、大当り図柄201〜300に図柄選択乱数が割り振られた図柄選択テーブルを参照して、第2特図保留として読み出した図柄選択乱数に対応する大当り図柄を、停止表示する図柄(停止図柄)として選択する。尚、図柄選択テーブルは、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
一方、大当り判定の結果が外れである場合においては、第1特図保留を読み出した場合は外れ図柄101を停止図柄として選択し、第2特図保留を読み出した場合は外れ図柄301を停止表示する図柄として選択する。尚、停止図柄として選択された大当り図柄、外れ図柄は、RAM203に確保された停止図柄記憶領域に記憶される。
こうして停止表示する図柄を選択したら、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)の変動パターンを選択する。変動パターンとは、図柄変動遊技において特別図柄を変動表示させる時間(変動時間)を示す識別情報である。変動パターンは複数種類が設けられており、その中から何れか1つの変動パターンを選択することによって、特別図柄の変動時間の長さが決定されることになる。変動パターンは、変動パターン選択乱数と変動パターン選択テーブルとに基づいて選択される。変動パターン選択乱数は、遊技球が第1始動口24または第2始動口25に入球した時に取得される乱数であって、変動パターンの選択に際しては、今回消化する特別図柄の保留から読み出したものを使用する。変動パターン選択テーブルは、変動パターン選択乱数が取り得る乱数値それぞれに対して所定の変動パターンが設定されたテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。ここで、本実施例のパチンコ機1では、当否態様に応じて別々の変動パターン選択テーブルが用意されている。
図8は、当否態様に応じて設けられる変動パターン選択テーブルを示している。図示するように、当否態様Aに対しては、変動パターン選択テーブルTAが設けられている。同様に、当否態様Bに対しては変動パターン選択テーブルTBが設けられ、当否態様Cに対しては変動パターン選択テーブルTCが設けられている。更に、当否態様Dに対しては変動パターン選択テーブルTDが、当否態様Eに対しては変動パターン選択テーブルTEが、当否態様Fに対しては変動パターン選択テーブルTFが、当否態様Gに対しては変動パターン選択テーブルTGが、それぞれ設けられている。尚、ここでは1つの当否態様に対して1つの変動パターン選択テーブルを設けているが、1つの当否態様に対して複数の変動パターン選択テーブルを設けて、条件に応じた変動パターン選択テーブルを使用するようにしてもよい。例えば、高確率状態または電サポ状態を設定している場合や、特別図柄の保留数が多数の場合には、特別図柄の変動時間を短くすることが考えられ、その場合には変動時間が短い変動パターンが設定された変動パターン選択テーブルを使用するようにしてもよい。
前述したように、各当否態様は何れかの停止図柄に対応付けて設定されているから(図5参照)、上記の処理で停止図柄を選択したことによって、当否態様についても選択されることになる。そこで、変動パターンを選択するには、先ず、上記の処理で決定された停止図柄に基づいて当否態様を把握し、その当否態様に対応した変動パターン選択テーブルを使用する(図8参照)。
図9は、変動パターン選択テーブルを例示した説明図である。図9(a)は、当否態様Aの場合に使用する変動パターン選択テーブルTAを例示している。図示するように、所定の変動パターン選択乱数に対応づけて、所定の変動パターンが設定されている。例えば、変動パターン選択乱数が「0〜100」までの値に対しては変動パターン「HP001」が設定されており、変動パターン選択乱数が「101〜127」までの値に対しては変動パターン「HP002」が設定されている。また、図中では変動パターン選択乱数の値が「127」までの場合について示しているが、変動パターン選択乱数には図示した以上の多数の乱数値が設定されており、「128」以降の乱数値に対しても同様に変動パターンが設定されている。
他の当否態様B〜Gに対応した変動パターン選択テーブルTB〜TGについても同様にして変動パターンが設定されており、図中では、当否態様Bに対応した変動パターン選択テーブルTEを図9(b)に例示している。図9(a)および図9(b)に示されるように、変動パターン選択乱数が同じ乱数値であっても、変動パターン選択テーブルが異なれば、異なる変動パターンが設定されている。例えば、変動パターン選択乱数「0〜100」に対して、変動パターン選択テーブルTAでは変動パターン「HP001」が設定されているが、変動パターン選択テーブルTBでは別の変動パターン「HP101」が設定されている。こうすることで、1つの変動パターン選択乱数に対して、当否態様に応じた変動パターンが選択されることになる。尚、選択された変動パターンは、RAM203に確保された変動パターン記憶領域に記憶される。
上記のようにして、変動パターンを選択したら、主制御基板200のCPU201は、決定された変動パターンをサブ制御基板220に対して指定するための変動パターン指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動パターン指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。変動パターン指定コマンドを受け取ったサブ制御基板220では、変動パターン指定コマンドの内容に基づいて、対応する図柄変動演出の内容を把握して、演出表示装置41等を制御して演出を実行することが可能となる。
続いて、主制御基板200のCPU201は、先ほどの処理で決定された停止図柄と変動時間とに基づいて、特別図柄の変動表示を開始する。そして、今回の大当り判定の対象となった第1特図保留または第2特図保留を、第1特図保留記憶領域または第2特図保留記憶領域から消去する。
以上は、大当り遊技中、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中の何れでもない場合における特別動作処理(図7のS600)について説明した。これに対して、特別図柄の変動表示中である場合は、変動表示中の特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する。その結果、変動時間が経過したと判断された場合は、変動表示中の特別図柄を予め停止図柄記憶領域に記憶しておいた図柄で停止表示する(確定表示を開始する)。このように特別図柄が停止表示されたら、特別図柄の確定表示が開始されるので、特別図柄の確定表示時間を設定する。そして、特別図柄を停止表示したことを示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。このように出力バッファに記憶された変動停止コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
以上は、特別図柄の変動表示中である場合の処理について説明した。これに対して、特別図柄の確定表示中である場合は、確定表示時間が経過したか否かを判断する。その結果、確定表示時間が経過した場合は、今回停止表示(確定表示)された特別図柄が大当り図柄であるか否かを判断する。その結果、停止表示された特別図柄が外れ図柄であった場合は、高確率状態が設定されているか否かを判断し、高確率状態が設定されている場合は、高確回数を1回減算する。その結果、高確回数が0回になったら、高確率状態に代えて低確率状態を設定する。また、電サポ状態が設定されているか否かも判断し、電サポ状態が設定されている場合は電サポ回数を1回減算する。その結果、電サポ回数が0回になったら、電サポ状態に代えて非電サポ状態を設定する。このように遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、大当り遊技における大入賞口28の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。図5を用いて前述したように、本実施例のパチンコ機1では、停止表示された大当り図柄の種類によって大当り遊技中のラウンド遊技の回数が異なる。従って、停止表示された大当り図柄の種類に対応して大入賞口28の開放パターンを設定する。こうして大入賞口28の開放パターンを設定したら、大当り遊技を開始する。そして、大当り遊技の開始を示す大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。この大当り遊技開始コマンドには、今回開始する大当り遊技におけるラウンド遊技回数を示す情報も含まれている。出力バッファに記憶された大当り遊技開始コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
以上は、特別図柄の確定表示中である場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中である場合は、上述の開放パターンで大入賞口28が開放状態・閉鎖状態となるように、大入賞口ソレノイド29mを制御して開閉扉29を動作させる。そして、ラウンド遊技の開始時には、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶し、ラウンド遊技の終了時には、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶されたラウンド遊技開始コマンドやラウンド遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
また、上述の開放パターンに従う大入賞口ソレノイド29mの制御(開閉扉29の動作)が終了したら大当り遊技を終了する。そして、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶される。このように出力バッファに記憶された大当り遊技終了コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。大当り遊技を終了したら、遊技状態を高確率状態且つ電サポ状態に設定する。このとき、高確回数は、何れの大当り図柄が停止表示された場合も50回に設定されるが、電サポ回数は、停止表示された大当り図柄の種類に応じて、100回または50回に設定される。遊技状態を設定した場合は、設定された遊技状態(高確回数や電サポ回数も含む)を示す遊技状態指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。そして、出力バッファに記憶された遊技状態指定コマンドは、次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。
<保留数処理>
主制御基板200のCPU201は、続いて、保留数処理(S700)を行う。この保留数処理(S700)では、第1特図保留記憶領域に記憶されている第1特図保留の数、および、第2特図保留記憶領域に記憶されている第2特図保留の数を読み出して、これらの数を示す保留数伝達コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された保留数伝達コマンドも次回の出力処理(S100)でサブ制御基板220に向けて送信される。こうすることによって、サブ制御基板220は、第1特図保留の数や第2特図保留の数に対応する保留図柄を演出表示装置41に表示する等、これらの数に基づいて種々の演出を実行することが可能となる。
このように、パチンコ機1の遊技状態については主制御基板200上で制御される。続いて、サブ制御基板220上で制御される演出制御処理について説明していく。尚、主制御基板200のCPU201が本発明の「遊技状態制御手段」に相当する。
C−2.演出制御処理 :
図10は、サブ制御基板220のCPU221が、演出に係る制御として行う演出制御処理(S800)の大まかな流れを示したフローチャートである。演出制御処理(S800)は、サブ制御基板220のCPU221によって、所定周期毎(例えば10msec毎)に発生するタイマ割り込みに基づき行われる。以下、フローチャートに従って、サブ制御基板220のCPU221が行う演出制御処理について説明する。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については、その説明を省略している。また、サブ制御基板220は、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行するが、本明細書では説明の便宜上、サブ制御基板220が画像音声制御基板230やランプ制御基板226等と協働して各種演出を実行することを、単に、「サブ制御基板220のCPU221が各種演出を実行する」とも表現する。
演出制御処理(S800)を開始すると、サブ制御基板220のCPU221は先ず、コマンド解析処理を行う(S801)。前述したように、遊技の進行に伴って主制御基板200から各種のコマンドが出力される。サブ制御基板220では、主制御基板200からコマンドを受信した都度、RAM223の受信コマンド記憶領域に記憶している。コマンド解析処理(S801)では、この受信コマンド記憶領域に記憶されたコマンド、すなわち、主制御基板200から受信したコマンドを解析して、コマンドの内容に応じた処理を決定する。
図11は、主制御基板200から受信したコマンドに対応して、サブ制御基板220のCPU221が行う処理を示している。図示するように、サブ制御基板220のCPU221は、事前判定結果コマンドを受信したことに対応して、事前判定結果に基づく演出である事前判定演出を実行する。例えば、事前判定結果に対応するキャラクター等の画像を演出表示装置41に表示させたり、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する保留図柄の態様を事前判定結果に対応する態様としたりする。尚、事前判定演出は、事前判定結果コマンドを受信した場合において、常時行う必要はなく、所定の条件が成立したら(例えば所定の実行抽選に当選したら)行うこととしてもよい。
また、サブ制御基板220のCPU221は、保留数伝達コマンドを受信すると、このコマンドによって示される第1特図保留数および第2特図保留数と同数の保留図柄を、演出表示装置41の第1保留表示領域41dや第2保留表示領域41fに表示する。尚、第1特図保留数および第2特図保留数の両方を常時表示する必要はなく、例えば、左打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第1特図主体の遊技が行われる状態においては、第1特図保留数を表示し、右打ちが行われる非電サポ状態、すなわち、第2特図主体の遊技が行われる状態においては、第2特図保留数を表示することとしてもよい。
また、サブ制御基板220のCPU221は、変動パターン指定コマンドを受信すると図柄変動演出を開始して、変動停止コマンドを受信すると図柄変動演出を終了する。図柄変動演出としては複数種類の演出パターンを設定しておき、その中から特別図柄の変動時間内に完了するものであって、演出の最後に図柄変動遊技の結果である当否態様の種類が表示される演出パターンを選択する。ここで、図9を示して説明した変動パターンそれぞれに対して、所定の図柄変動演出の内容(変動演出パターン)を設定しておくことで、容易に特別図柄の変動時間および当否態様に対応した演出内容とすることができる。
また、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信したことに対応して、大当り遊技中であることを示す大当り遊技演出を開始する。例えば、大当り遊技が開始されるタイミングで、大当り遊技の開始を示すファンファーレ演出を実行するとともに、大当り遊技中であることを示す動画(いわゆるムービー)の表示を開始する。このような大当り遊技演出としては、複数種類の演出パターンを設定しておくことで内容が異なる演出を実行可能であり、何れの大当り遊技演出を実行するかは、大当りの当否態様(ラウンド遊技回数や電サポ回数等)によって決定することができる。
また、サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技中にラウンド遊技開始コマンドを受信したことに対応して、ラウンド遊技中であることを示すラウンド遊技演出を(例えば、大当り遊技演出に重ねて)開始する。例えば、実行中の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数を示す演出(例えば、1R,2R,3R・・・を表示する演出など)を開始する。その後、ラウンド遊技終了コマンドを受信すると、今回のラウンド遊技演出を終了する。再びラウンド遊技開始コマンドすると、次回のラウンド遊技演出を開始する。ラウンド遊技開始コマンドおよびラウンド遊技終了コマンドは、当否態様に応じて実行されるラウンド数と同じ回数だけ受信される。サブ制御基板220のCPU221は、ラウンド遊技開始コマンドまたはラウンド遊技終了コマンドを受信する度に、その時のラウンド数に対応したラウンド遊技演出を実行する。そして、大当り遊技終了コマンドを受信すると、大当り遊技演出を終了する。
また、サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態指定コマンドを受信したことに対応して、設定された遊技状態に対応する演出を開始する。遊技状態に対応する演出としては、例えば、演出表示装置41において識別図柄41a,41b,41cやその背景画像を高確率状態などの遊技状態に対応する態様(色彩や形状など)とする演出を実行することが挙げられる。背景画像などを変更した複数種類の演出パターンを設定しておくことで、演出の多様化が図られる。また、高確率状態が設定された場合は残りの高確回数を表示する演出を開始したり、電サポ状態が設定された場合は残りの電サポ回数を表示する演出を開始したりしてもよい。その後、高確回数や電サポ回数の表示は、図柄変動遊技が行われる毎に残り回数が1つずつ減っていくように表示する。図柄変動遊技が行われた回数は上記の変動停止コマンドなどの受信に基づいて把握すればよい。
サブ制御基板220のCPU221は、以上のようにしてコマンド解析処理を実行して(図10のS801)、主制御基板200から受信した各種コマンドに対応する処理を決定したら、続いて、出力処理を行う(S802)。この出力処理では、コマンド解析処理(S801)によって所定の演出パターンの演出を開始すると判断された場合に、演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを、画像音声制御基板230やランプ制御基板226等に対して出力する。画像音声制御基板230は、サブ制御基板220から演出パターン指定コマンドを受信すると、指定された演出パターンに従って所定の画像や映像を演出表示装置41に表示すると共に、所定の音声を各種スピーカー6a,6b等から出力する。
また、ランプ制御基板226のCPUは、サブ制御基板220から演出パターン指定コマンドを受信すると、指定された演出パターンに対応して設定された所定の発光パターンで発光するように、枠部ランプ5等の遊技機1に備わる各種の装飾ランプを制御する。ここで、発光パターンとは、枠部ランプ5の発光態様を特定する識別情報である。発光パターンとしては、枠部ランプ5の発光部分や発光色の経時的な変化を設定することができる。この枠部ランプ5の発光パターンを示す情報は、パチンコ機1の外部のデータ表示器70にも送られて、後述するようにデータ表示器70に備わるランプ74についても、この発光パターンに従った発光態様で発光することとなる。尚、ランプ制御基板226に備わるCPU等の制御装置が本発明の「発光制御手段」に相当する。また、枠部ランプ5が本発明の「枠部発光体」に相当する。
図12は、所定の演出パターンに対応して、枠部ランプ5の発光パターンが設定されることを示した説明図である。図示するように、例えば、図柄変動遊技の演出パターンの1つである「EP1001」に対応して、「LP1001」という発光パターンが設定されている。前述したように、演出パターン「EP1001」の演出が行われる時、演出表示装置41では演出パターン「EP1001」に従った所定の画像や映像が表示され、また、各種スピーカー6a,6bからは演出パターン「EP1001」に従った所定の音声が流れる。ここで、発光パターン「LP1001」として、上記の画像や映像、音声の内容に連動した所定の発光パターンを規定しておけば、演出パターン「EP1001」の演出が行われる時に、演出表示装置41の画像や映像、各種スピーカー6a,6bの音声等に連動した発光態様で枠部ランプ5を発光させることができる。
また、図柄変動遊技の別の演出パターン「EP1002」には、これに対応する「LP1002」という発光パターンが設定されており、図示は省略するが、更に他の演出パターンの1つ1つについても、それらに対応する所定の発光パターンが設定されている。大当り遊技の演出についても同様であり、演出パターン「EP2001」には発光パターン「LP2001」が設定され、演出パターン「EP2002」には発光パターン「LP2002」が設定されるというように、演出パターン1つ1つについて、対応する所定の発光パターンが設定されている。
また、図示は省略するが、高確率状態設定中の演出、電サポ状態設定中の演出など、他の遊技状態の演出についても、1つ1つの演出パターンに対応して所定の発光パターンを設定することができる。例えば、高確率状態設定中の演出では、前述したように、演出表示装置41において背景画像の色彩を変化させることが行われる。この際、枠部ランプ5の発光色を演出表示装置41における背景画像の色彩に合わせて変化させるような発光パターンを設定することができる。尚、主制御基板200から事前判定結果コマンドを受信したことを受けて、サブ制御基板220は、事前判定演出を実行することを前に述べたが(図11参照)、本実施例のパチンコ機1では、事前判定演出に対応して枠部ランプ5を発光させることはない。従って、事前判定演出に割り当てられた演出パターンに対しては発光パターンが設定されないことになる。もっとも、事前判定演出に対応して枠部ランプ5を発光させるようにしてもよく、その場合には、事前判定演出の演出パターンに対応した発光パターンを設定すればよい。
ここで、本実施例のパチンコ機1では、サブ制御基板220がランプ制御基板226に対して発光を指示するとともに、外部に発光指示信号を出力して、データ表示器70に対しても遊技状態を演出するための発光を指示する。このことから、サブ制御基板220のCPU221が本発明の「出力手段」に相当する。また、この発光指示信号には、パチンコ機1の枠部ランプ5の発光パターンを示す情報が付加される。この発光指示信号を受信したデータ表示器70では、以下に説明するように、ランプ74を所定の発光態様で発光させるように制御する。尚、以下では、パチンコ機1に備わる枠部ランプ5との区別を分かり易くするために、データ表示器70に備わるランプ74を「外部ランプ74」と呼ぶ。また、発光指示信号に応じて行われるデータ表示器70における発光を「外部発光」と呼ぶ。
D.データ表示器の装置構成 :
図13は、本実施例のデータ表示器70の大まかな構造と、データ表示器70がパチンコ機1から受信する信号とを示した説明図である。図13(a)の斜線を施した部分に示すように、データ表示器70に備わる外部ランプ74は、データ表示器70の前面において表示画面71の左右側方および上方に隣り合う位置に設けられており、呼出ボタン73が押されたときに周囲からよく見えるように発光する。また、表示画面71には、パチンコ機1で図柄変動遊技や大当り遊技が行われた回数や、継続回数(いわゆる連チャン回数)等といった遊技情報を表示する。そのために、データ表示器70は、中継装置90を介してパチンコ機1から図柄停止信号と大当り信号と確変信号とを受信して、パチンコ機1の遊技情報を取得する。また、本実施例のデータ表示器70は、これら各種の信号に加えて、発光指示信号をパチンコ機1から受信する。データ表示器70では、受信した発光指示信号の内容に応じた所定の発光パターンで発光するように外部ランプ74を制御する。そのためにデータ表示器70は、以下の構造を備える。
データ表示器70の内部には制御基板75が設けられており、制御基板75上には、入力端子76と、発光制御装置77と、メモリー78とが備わっている。入力端子76は、パチンコ機1から出力された発光指示信号を入力するための端子である。発光制御装置77は、外部ランプ74の発光タイミングや発光態様を制御するためにCPUやROMやRAMなどから構成される装置である。メモリー78は、外部ランプ74の発光パターンを記憶しておくためのROMである。メモリー78には、パチンコ機1から指定され得る発光パターンの制御情報を予め記憶しておき、発光制御装置77は、メモリー78から所定の発光パターンの制御情報を読み出して、その制御情報を外部ランプ74の発光を制御するために利用する。尚、入力端子76が本発明の「受信手段」に相当し、発光制御装置77が本発明の「外部発光制御手段」に相当する。
また、図13(b)には、外部ランプ74の大まかな構造を示している。図示するように、外部ランプ74は、データ表示器70において表示画面71の左側方と右側方と上方とを覆うように設けられたカバー体74aと、カバー体74aの後方に設けられた複数の発光体74bとを備える。カバー体74aは、発光体74bの光を透過する透明または半透明の部材である。1つ1つの発光体74bは、発光するタイミングを変化させることができ、従って、発光体74bの集合体としては発光する発光部分と発光しない非発光部分とを変化させることができる。また、1つ1つの発光体74bは、発光色を変化させることができ、発光体74bの集合体としては任意の部分を所定の発光色とすることができる。発光体74bとしては、例えばフルカラーのLEDライトを使用することができる。尚、発光体74bの集合体が本発明の「外部発光体」に相当する。
E.データ表示器で行われる外部発光管理処理 :
図14は、データ表示器70の発光制御装置77が実行する外部発光管理処理(S900)のフローチャートを示している。前述したように、外部ランプ74は呼出ボタン73が押された時に発光するように制御されるが、本実施例では、パチンコ機1から発光指示信号を受信した時にも発光(外部発光)するように制御される。そして、この外部発光管理処理(S900)では、外部発光の制御を管理する処理が行われる。また、外部発光管理処理(S900)は、所定周期(例えば10msec毎)で繰り返し実行される。
外部発光管理処理(S900)を開始すると、先ず始めに、外部ランプ74が呼出の発光中か否かを判断する(S901)。呼出ボタン73が押されたことによる外部ランプ74の発光制御については周知技術であるから詳しい説明を省略するが、遊技者が呼出ボタン73を押せば、遊技ホールの従業員が解除操作を行うまで外部ランプ74が発光するように制御される。この呼出ボタン73が押されたことによって外部ランプ74が発光中である場合、外部発光管理処理(S900)では、呼出の発光中であると判断されて(S901:yes)、以下の処理を行うことなく終了する。その後、外部発光管理処理(S900)を何回も繰り返すうちに、呼出ボタン73が押されたことによる外部ランプ74の発光が解除された場合には、呼出の発光中でないと判断される(S901:no)。
呼出の発光中でないと判断された場合には(S901:no)、続いて、パチンコ機1から発光指示信号を受信したか否かを判断する(S902)。発光指示信号を受信したか否かの判断は、前回の外部発光管理処理(900)を実行してから今回の外部発光管理処理(900)を実行するまでの間に、パチンコ機1から新たに発光指示信号を受信したか否かに基づいて判断する。判断の結果、発光指示信号を受信していなければ(S902:no)、外部発光管理処理(S900)を終了する。
一方、発光指示信号を受信したと判断されたら(S902:yes)、発光指示信号の内容に含まれる発光パターンを把握する(S903)。前述したように本実施例では、パチンコ機1が出力する発光指示信号には、枠部ランプ5の発光パターンを示す情報が含まれており、データ表示器70では、発光指示信号のパルスの長さや回数等を解釈することで、枠部ランプ5の発光パターンを示す情報を取得することができる。続いて外部発光処理(S900)では、発光パターンの制御情報をメモリー78から取得する(S904)。ここで取得する発光パターンの制御情報は、先ほどの処理S903で把握した枠部ランプ5の発光パターンに対応するものとして予めメモリー78に記憶しておいた外部ランプ74の発光パターンの制御情報である。そして、メモリー78から取得した発光パターンの制御情報を使用して、外部発光の制御処理を開始する(S905)。外部発光の制御処理は、所定の発光パターンを実行するように外部ランプ74を制御し終わると自動的に終了する。これに対して、外部発光管理処理(S900)については、外部ランプ74の発光制御を開始したことをもって処理を終了する。
図15は、パチンコ機1およびデータ表示器70で連動して発光する様子を示した説明図である。図15(a)に示すように、例えば特定のタイミングにおいてパチンコ機1の枠部ランプ5もデータ表示器70の外部ランプ74も発光していない状態であったとする。その後、パチンコ機1の枠部ランプ5が発光する際には、前述したように、枠部ランプ5が発光するタイミングに合わせて発光指示信号が出力される。そして、データ表示器70では、上記の外部発光管理処理(S900)によって、パチンコ機1から発光指示信号を受信したことに応じて外部ランプ74の発光制御を開始することから、パチンコ機1の指示に従ったタイミングで外部ランプ74を発光させることになる。そこで、パチンコ機1の枠部ランプ5が発光するタイミングに合わせてパチンコ機1から発光指示信号を出力すれば、図15(b)に示すように、データ表示器70の外部ランプ74をパチンコ機1の枠部ランプ5と同時に発光させることができる。
図16は、パチンコ機1およびデータ表示器70における発光パターンを例示した説明図である。図16(a)に示すように、パチンコ機1では枠部ランプ5を「短い点灯を2回繰り返した後、長い点灯を1回行う」という「発光パターンA」の発光態様で発光させるとする。また、パチンコ機1は、枠部ランプ5で発光パターンAの発光を開始する際に、「枠部ランプ5の発光パターンは発光パターンAである」という情報を付加して発光指示信号を出力する。一方、データ表示器70では、上記の外部発光管理処理(S900)において、発光指示信号に含まれる発光パターンに応じて外部ランプ74の制御内容を選択することになる。そこで、データ表示器70において、枠部ランプ5の発光パターンAに対応して外部ランプ74についても発光パターンAで発光させると設定しておけば、図16(a)に示すように、データ表示器70の外部ランプ74をパチンコ機1の枠部ランプ5と同時に「短い点灯を2回繰り返した後、長い点灯を1回行う」ように発光させることができる。
ここで、図16(b)に示すように、発光パターンを示す情報を含まない発光指示信号をパチンコ機1から出力して、発光指示信号を受信している間はデータ表示器70で発光するようにしてもよい。このようにしても、「短い点灯を2回繰り返した後、長い点灯を1回行う」というパチンコ機1の発光に連動してデータ表示器70でも発光させることができる。ただし、図16(b)に示す場合だと、データ表示器70で発光させる間は、パチンコ機1から発光指示信号を出力し続けなければならない。これに対して、上記の図16(a)に示す場合だと、パチンコ機1は、発光を開始するタイミングで一度だけ発光指示信号を出力するだけで、発光パターンAによる態様の発光をデータ表示器70で行わせることができる。
このように、発光態様を指定する情報を発光指示に含めることによって、データ表示器70における発光態様をパチンコ機1側から詳細に指定することができる。また、発光態様を発光パターンとしてパターン化しているから、発光指示信号のデータ量は少なくて済む。上記の図16を示した説明では、データ表示器70の外部ランプ74が点灯する回数や時間の長さを発光パターンとして設定していたが、これに限られず、外部ランプ74の発光色についても、発光パターンとして設定することができる。また、外部ランプ74のどの部分を発光させるのかについても発光パターンとして設定することができる。
図17は、データ表示器70の外部ランプ74の発光部分を変化させる発光パターンを例示した説明図である。図17(a)に示すように、パチンコ機1の枠部ランプ5は、先ず左端の部分が発光し、次いで図17(b),図17(c)に示すように時間の経過とともに、発光部分が右方向へと移っていくように発光している。この発光態様は、パチンコ機1において所定の発光パターンとして設定されたものである(図12参照)。そこで、このパチンコ機1において枠部ランプ5の発光部分が左端から右方向へと移っていくのと同じ速さで、データ表示器70の外部ランプ74の発光部分が左端から右方向へ移っていくように、データ表示器70側の発光パターンを設定しておく。こうすれば、図17に示すように、データ表示器70における発光部分を、パチンコ機1における発光部分に連動させることができる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1およびデータ表示器70を備える遊技情報表示システム100によると、パチンコ機1における発光と連動してデータ表示器70を発光させることができる。従って、データ表示器70における発光をパチンコ機1の遊技状態を演出する発光として利用することができ、パチンコ機1の発光による演出の多様化が図られるとともに、演出の効果が高められることとなる。尚、外部ランプ74の発光パターンは、枠部ランプ5の所定の発光パターンと対応していればよく、必ずしも枠部ランプ5の発光パターンと同じ発光パターンを設定する必要はない。例えば、枠部ランプ5と外部ランプ74とを交互に点滅させるという態様で連動させるようにしてもよい。
F.変形例1 :
図18は、変形例1によるパチンコ機1およびデータ表示器70を備える遊技情報表示システムの外観を示した説明図である。図18(a)に示すように、変形例1のデータ表示器70では、外部ランプ74の左右方向の幅が、パチンコ機1の枠部ランプ5の左右方向の幅と略同一に形成されている。こうすることで、データ表示器70をパチンコ機1の上方に隣接して設置した時に、パチンコ機1とデータ表示器70との間で外観上の一体感を生じさせることができる。そして、図18(b)に示すように、パチンコ機1の枠部ランプ5とデータ表示器70の外部ランプ74とが発光した時には、両者の左右方向の発光領域が一致することから、外観上の一体感が増すことになる。また、上述した実施例において、外部ランプ74は、表示画面71の下方には形成されていなかったが(図13参照)、この変形例1では、図18(a)に示すように、表示画面71の下方にも形成されている。こうすることで、図18(b)に示すように、データ表示器70をパチンコ機1の上方に隣接して設置した時に、パチンコ機1の枠部ランプ5の発光領域と、データ表示器70の外部ランプ74の発光領域とが一体化して、外観上の一体感が更に増すことになる。前述したように、パチンコ機1における発光と連動してデータ表示器70を発光させることで、データ表示器70における発光をパチンコ機1の遊技状態を演出する発光として利用することができ、パチンコ機1の発光による演出の効果が高められることになる。そして、パチンコ機1およびデータ表示器70の外観上の一体感が大きいほど、データ表示器70における発光をパチンコ機1の遊技状態を演出する発光として利用する効果が高まり、パチンコ機1の発光による演出の効果が高められることとなる。
G.変形例2 :
図19は、変形例2によるデータ表示器70と、パチンコ機1と、遊技情報表示システムとの外観を示した説明図である。図19(a)に示すように、データ表示器70の外部ランプ74の一部には、星形の上半分を模した形状の装飾部74cが設けられている。また、図19(b)に示すように、パチンコ機1の枠部ランプ5の一部には、星形の下半分を模した形状の装飾部5aが設けられている。図19(a)のデータ表示器70を図19(b)のパチンコ機1の上方に隣接して設置すると、装飾部74cと装飾部5aとが一体となって星形となる。そして、図19(c)に示すように、外部ランプ74の装飾部74cの部分と、枠部ランプ5の装飾部5aの部分とを同時に発光させると、装飾部74cと装飾部5aとが一体となった星形部分が発光することになる。
このように、1つのまとまりのある装飾形状を上下に分割して、装飾形状の上部をデータ表示器70の外部ランプ74に形成し、装飾形状の下部をパチンコ機1の枠部ランプ5に形成する。この際、枠部ランプ5の装飾形状の上端部と外部ランプ74の装飾形状の下端部とが一致するように形成しておく。こうすることで、データ表示器70をパチンコ機1の上方に隣接して設置したときに、装飾形状の上部と下部とが一体化して、1つのまとまりのある装飾形状が形成されることになる。そして、データ表示器70における装飾形状の下部と、枠部ランプ5における装飾形状の下部とを連動して発光させることで、1つのまとまりのある装飾形状の部分を一体的に発光させることができる。このように、データ表示器70の外部ランプのデザインを、パチンコ機1の枠部ランプのデザインに合わせることで、データ表示器70における発光をパチンコ機1の遊技状態を演出する発光として利用する効果が高まることとなる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上述した実施例では、パチンコ機1からデータ表示器70に対して発光態様を指定する情報として発光パターンを示す情報を付加して発光指示信号を出力していた。しかし、これに限られず、パチンコ機1の演出パターンを示す情報を付加して発光指示信号を出力するようにしてもよい。前述したように、パチンコ機1における演出パターン1つ1つに対応して発光パターンを設定すれば(図12参照)、データ表示器70において、パチンコ機1における演出パターンに対応する発光パターンを容易に知ることができる。
また例えば、上述した実施例では、データ表示器70が発光指示信号を受信したら、外部ランプ74の発光を開始することとして説明した。すなわち、パチンコ機1では、発光指示信号を出力したタイミングをもって、外部ランプ74の発光を開始するタイミングを指示するようにしていた。しかし、外部ランプ74の発光を開始するタイミングを指示できればよく、開始タイミングを指定する情報を別途に発光指示信号に付加するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。