JP6336879B2 - ゴム栓及びゴム栓の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はシリンジのルアーノズルに嵌合するゴム製の栓に関する。
液状の医薬品(以下、薬液という)はバイアル瓶やアンプルに封入して提供される。バイアル瓶やアンプルによって提供される薬液は、これらの容器からシリンジ(注射器)に移し替えて使用されるので、薬液を調整する際の過誤や感染、アンプルやゴム栓の破片等の異物が混入する等の危険がある。このため、近年では、薬液が予め充填されたプレフィルドシリンジが多く利用されている。また、プレフィルドシリンジには、救急時には迅速に使用可能である等の利点もある。
プレフィルドシリンジは、バレル(注射筒)、ガスケット、プランジャ(押子)、ゴム栓(キャップ)等から構成される。バレルに充填される薬液は、プレフィルドシリンジの基端側では、バレル内に挿入されたガスケットによって封止される。また、プレフィルドシリンジの先端には、薬液を吐出するためのルアーテーパ(ISO594)を有するノズル(以下、ルアーノズルという)が設けられており、薬液を密封しておくために、ルアーノズルにはゴム栓が取り付けられる。薬液を使用する際には、ゴム栓は取り外され、プランジャによってガスケットを摺動させることにより、ルアーノズルの先端から薬液を吐出させる。
プレフィルドシリンジに用いるゴム栓としては、ルアーノズルに嵌合する部分をフッ素樹脂フィルムで被覆したものが知られている(特許文献1,2)。また、硬度が55°〜60°のゴムを用いたプレフィルドシリンジ用のゴム栓が知られている(特許文献3)。
特開平10−248929号公報 特開2008−125560号公報 特開2002−210011号公報
プレフィルドシリンジの製造時には、ゴム栓が打栓機によって自動的に打栓できること、滅菌時に薬液が膨張する圧力でゴム栓が抜けてしまわないことが求められる。また、プレフィルドシリンジの保管中には、薬液を密封可能であること、ゴム栓の成分が薬液に溶け出さないことが求められる。さらに、プレフィルドシリンジの使用時には、ゴム栓は速やかに取り外し可能であることが求められる。
ルアーノズルに接触する部分をフッ素樹脂フィルムで被覆すると、特許文献1に記載されているようにゴム栓の成分が薬液に接触しないので、ゴム栓の成分が薬液に溶出するのを防止することができる。また、特許文献2に記載されているように、自動打栓適性が向上する場合がある。一方、これら特許文献1,2のように、ルアーノズルに接触する部分をフッ素樹脂フィルムで被覆すると、フッ素樹脂フィルムによって滑りやすくなっているので、ルアーノズルとの嵌合力が不十分になり、例えば滅菌時に薬液が膨張する圧力でゴム栓が抜けてしまう場合がある。
また、特許文献3のように、硬度が55°〜60°の硬いゴムを用いれば、ルアーノズルとの嵌合力が向上するので、滅菌時等にゴム栓が抜けてしまうことを防ぐことができるが、薬液の使用時にゴム栓が取り外しにくい。
すなわち、フッ素樹脂フィルムで被覆したり、硬いゴムを使用したりすれば、ゴム栓に求められる上記の様々な要求のうちの一部を改善可能ではあるが、フッ素樹脂フィルムによる被覆や硬いゴムの使用だけでは、上記要求の全てを満足することができない。
本発明は、自動打栓適性があり、滅菌時に抜けてしまうことがなく、薬液へのゴム栓の成分の溶出がなく、薬液を密封可能であり、かつ、薬液の使用時には取り外しやすいゴム栓及びゴム栓の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のゴム栓は、シリンジのルアーノズルに嵌合するゴム製の栓本体であって、ルアーノズルの先端に当接する第1当接部と、ルアーノズルの側面に当接する第2当接部とを有する栓本体と、第1当接部を被覆する第1被覆部と、第2当接部を被覆する第2被覆部とを有するフィルムと、を備え、第1当接部と第2当接部によってルアーノズルが嵌合するルアーノズル嵌合穴が形成され、第2当接部は、第1当接部に対して、第1当接部から遠ざかるほどルアーノズル嵌合穴を窄ませる傾斜を有し、フィルムが、エチレン四フッ化エチレン共重合体からなり、第1被覆部が第2被覆部よりも厚い。
第1被覆部の厚さは、第2被覆部の厚さの3倍よりも厚く、かつ、第2被覆部の厚さの6倍よりも薄いことが好ましい。
栓本体の国際ゴム硬さが、48°以上53°以下であることが好ましい。
栓本体は、10%圧縮した場合の抗力が0.2MPa以上0.8MPa以下であり、30%圧縮した場合の抗力が1.0MPa以上2.0MPa以下であり、かつ、122℃で20分加熱する乾熱滅菌後の抗力保持率が60%以上90%以下であることが好ましい。
フィルムがルアーノズルと当接する面にシリコーンの被膜を備えることが好ましい。
第2被覆部の厚さが、10μm以上45μm以下であることが好ましい。
第1被覆部の厚さが、50μm以上100μm以下であることが好ましい。
第1被覆部及び第2被覆部は、コロナ処理またはプラズマ処理が施された表面を有することが好ましい。
栓本体が、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、または、塩素化ブチルゴムからなることが好ましい。
本発明のゴム栓の製造方法は、シリンジのルアーノズルに嵌合するゴム製の栓本体であって、ルアーノズルの先端に当接する第1当接部と、ルアーノズルの側面に当接する第2当接部とを有する栓本体と、第1当接部を被覆する第1被覆部と、第2当接部を被覆する第2被覆部とを有するフィルムと、を備え、第1当接部と第2当接部によってルアーノズルが嵌合するルアーノズル嵌合穴が形成され、第2当接部が、第1当接部に対して、第1当接部から遠ざかるほどルアーノズル嵌合穴を窄ませる傾斜を有するゴム栓の製造方法において、栓本体を形成する金型によって、フィルムを栓本体の形状に成形し、金型を前記フィルムで被覆する第1ステップと、フィルムで被覆された金型によってゴム生地を成形することにより、栓本体とフィルムを一体に成形する第2ステップと、を備える。
第1ステップでは、フィルムを真空成形することにより、金型をフィルムで被覆することが好ましい。
本発明のゴム栓及びゴム栓の製造方法によれば、第1当接部と第2当接部によってルアーノズルが嵌合するルアーノズル嵌合穴が形成され、第2当接部が、第1当接部に対して、第1当接部から遠ざかるほどルアーノズル嵌合穴を窄ませる傾斜を有し、ゴム栓本体を被覆するフィルムが、エチレン四フッ化エチレン共重合体からなり、シリンジのルアーノズルの先端に当接する第1当接部を被覆する第1被覆部と、シリンジのルアーノズルの側面に当接する第2当接部を被覆する第2被覆部とで厚さが異なり、第1被覆部が第2被覆部よりも厚いので、自動打栓適性があり、滅菌時に抜けてしまうことがなく、薬液へのゴム栓の成分の溶出がなく、薬液を密封可能であり、かつ、薬液の使用時には取り外しやすい。





プレフィルドシリンジの断面図である。 バレルの先端の拡大断面図である。 ゴム栓の拡大断面図である。 ゴム栓の層構成を示す説明図である。 滅菌処理前後の栓本体の抗力を示すグラフである。 ゴム栓の製造方法のフローチャートである。 フィルムを加熱する工程における金型の断面図である。 フィルムを金型に押し当てる工程における金型の断面図である フィルムを真空成形する工程における金型の断面図である。 ゴム栓を形作るキャビティを示す説明図である。 加硫する工程における金型の断面図である。 実施例及び比較例を示す表である。
図1に示すように、プレフィルドシリンジ10は、薬液11が予め充填された状態で保管されるシリンジであり、バレル12と、ガスケット13と、ゴム栓14と、プランジャ15とを備える。薬液11は、例えば、X線撮影用の血管造影剤(イオヘキソール等)である。
バレル12は、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)や、シクロオレフィンポリマーの共重合体であるシクロオレフィンコポリマー(COC)等の滅菌処理に耐え得る合成樹脂で形成される。バレル12は、概ね円筒形状に形成されており、先端部分にはルアーノズル16及びルアーロック17が形成され、基端部分にはフランジ18が形成されている。ルアーノズル16は薬液11を吐出する吐出部であり、薬液11を吐出するための開口16aを有する。ルアーロック17は、内周面にネジ溝が設けられたメス型コネクタであり、輸液路を介して薬液11を被検体内に輸液する際に、輸液路に設けられる外周面にネジ溝が設けられたオス型コネクタに螺合することにより、ルアーノズルを輸液路に確実に接続する。フランジ18は、バレル12の外周に突出しており、プランジャ15を押圧する際にバレル12側の持ち手になる。
ガスケット13は、バレル12の内部に挿入されるゴム製の封止部材であり、バレル12内の基端側を気密に封止する。また、ゴム栓14は、ルアーノズル16を気密に封止するゴム製の封止部材であり、ルアーノズル16及びルアーロック17に嵌合される。すなわち、バレル12に予め充填された薬液11は、ガスケット13及びゴム栓14によってバレル12内に気密に保持される。
ガスケット13には、ネジ部19によってプランジャ15が螺合され、取り付けられる。プランジャ15は、プランジャヘッド15aを用いて押し込むまたは引き抜く操作をすることで、ガスケット13をバレル12の内部で摺動させる。プレフィルドシリンジ10の薬液11を使用する際には、ルアーノズル16からゴム栓14を取り外し、プランジャ15を押し込むことで、ガスケット13によって薬液11をルアーノズル16の開口16aから吐出させる。
図2に示すように、ルアーノズル16の少なくとも側面22は、プレフィルドシリンジ10の中心線L1に対して6%のテーパを有し、先端ほど先細る形状を有している。また、ルアーノズル16の先端面21は、円環状の平面に形成されている。
図3に示すように、ゴム栓14は、ルアーノズル16に嵌合したときに、ルアーノズル16の先端に当接する第1当接部31と、ルアーノズル16の側面22に当接する第2当接部32とを有する。これら第1当接部31と第2当接部32によってルアーノズル16が嵌合するルアーノズル嵌合穴33が形成される。ルアーノズル嵌合穴33は、ルアーノズル16にゴム栓14を嵌合させたときに、ルアーノズル16の先端面21が第1当接部31の上面(ルアーノズル16との当接面)31aに密着する深さに形成されている。
第1当接部31の上面31aは、ルアーノズル16の先端面21と密着させるために、平坦に形成されている。また、第2当接部32は、第1当接部31に対して、第1当接部31から遠ざかるほどルアーノズル嵌合穴33を窄ませる傾斜を有する。すなわち、第2当接部32の少なくとも内側面(ルアーノズル16との当接面)32aは、ゴム栓14をルアーノズル16に嵌合させた場合に、ルアーノズル16のテーパに対して逆向きのテーパ(以下、逆テーパという)になっている。第2当接部32の逆テーパ形状は、ゴム栓14とルアーノズル16との密着性を高め、気密性及び水密性を向上させる。プレフィルドシリンジ10の中心線L1に対する第2当接部32の傾斜角度αは、ルアーノズル16の傾斜角度を正に計数する場合、−1°以上−5°以下であることが好ましい。傾斜角度αが−1°未満であると、第2当接部32の逆テーパ形状による顕著な気密性及び水密性の向上効果が見込めない。また、第2当接部32の傾斜角度αが−5°よりも大きい場合、ルアーノズル嵌合穴33の開口が狭くなりすぎて、自動打栓機による打栓に失敗する割合が大きくなり、プレフィルドシリンジ10の製造歩留まりが悪化する場合がある。
また、ゴム栓14の最も外周には、第2当接部32とともにルアーロック17を嵌合する第3当接部36が形成される。第2当接部32と第3当接部36の間には、ルアーロック17を嵌合するルアーロック嵌合溝37が形成される。第3当接部36は、第2当接部32と同様に、プレフィルドシリンジ10の中心線L1に対して−1°以上−5°以下の傾斜を有する。
図4に示すように、ゴム栓14は、上記第1当接部31、第2当接部32、及び第3当接部36の形状を形成するゴム製の栓本体41と、栓本体41の表面を被覆するフィルム42と、フィルム42の表面にコーティングされたシリコーン被膜43とによって構成される。栓本体41は、国際ゴム硬度(IRHD)が48°以上53°以下のゴムで形成される。例えば、栓本体41には、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム等が好適であるが、医療用途として実績がある塩素化ブチルゴムを用いて栓本体41を形成することが好ましい。栓本体41の製造時には、主原料の塩素化ブチルゴムの他、配合剤として有機過酸化加硫剤または硫黄加硫剤、硬度調整用充填剤、老化防止剤、加工助剤が用いられる。これらの混合混練方法としては、ロール混練機、バンバリー混練機、加圧式ニーダー、または、これらを組み合わせて用いることができる。
また、栓本体41は、10%圧縮した場合の抗力が0.2MPa以上0.8MPa以下であり、30%圧縮した場合の抗力が1.0MPa以上2.0MPa以下であり、かつ、122℃で20分加熱する乾熱滅菌後の抗力保持率が60%以上90%以下である。本実施形態のゴム栓14の栓本体41は、図5に示すとおり、この条件を満たす特性を有する。図5の実線は、23℃平均での圧縮率と抗力の関係を表す。また、図5の二点鎖線は、オートクレーブによる121℃20分間の滅菌処理を経た後の圧縮率と抗力の関係を表す。栓本体41の抗力は、1辺が1cmの立方体のゴム試験片を成形した後、一般の引張り試験機で圧縮測定することができる。例えば島津製作所オートグラフAG-Xplus シリーズ(AG-10kN Xplus等)を用いることができる。測定子は上下共に平面で直径3cmの円状とし、下面にゴム試験片を置き、圧縮モードで速度10mm/分で圧縮し、10%、30%圧縮した時の抗力(MPa)を読み取れば良い。
フィルム42は、フッ素樹脂の一つであるエチレン四フッ化エチレン共重合体(ETFE)からなり、第1被覆部42aと第2被覆部42bを有する。第1被覆部42aは、第1当接部31がルアーノズル16の先端面21と当接する上面31aを被覆する部分である。第2被覆部42bは、第2当接部32がルアーノズル16の側面22と当接する内側面32aを被覆する部分である。そして、フィルム42は、第1被覆部42aの厚さDaと第2被覆部42bの厚さDbを比較すると、第1被覆部42aの厚さDaは第2被覆部42bの厚さDbよりも厚く形成されている(Da>Db)。より具体的には、第1被覆部42aの厚さDaは、第2被覆部42bの厚さDbの3倍よりも厚く、かつ、第2被覆部42bの厚さDbの6倍よりも薄い。すなわち、Da/6<Db<Da/3を満たす。
第1被覆部42aの厚さDaは、50μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。第1被覆部42aの厚さDaが50μm未満になると、ゴム栓14をルアーノズル16に嵌合させた際に、第1被覆部42aが裂けてしまう場合がある。また、プレフィルドシリンジ10の製造や保管の状態にもよるが、第1被覆部42aがあるにも関わらず、栓本体41の成分(ゴムの成分)が薬液11に溶出してしまう場合がある。第1被覆部42aが100μmよりも厚くなると、第2被覆部42bが厚くなりすぎて、そのコシ(弾性)のために、ルアーノズル16の側面22に十分に押し当てられずに、密封性が悪化する場合がある。
第2被覆部42bの厚さDbは、10μm以上45μm以下の範囲であることが好ましい。第2被覆部42bの厚さDbが10μm未満になると、第2被覆部42bに裂けやピンホールが発生する場合がある。また、第2被覆部42bが45μmよりも厚くなると、上記のように密封性が悪化する場合がある。
シリコーン被膜43は、ゴム栓14とルアーノズル16との間の摩擦力を調節する潤滑剤である。シリコーン被膜43は、自動打栓機によってゴム栓14をルアーノズル16に自動的に打栓させる際の成功率(自動打栓適性)を向上させる。また、シリコーン被膜43は、ルアーノズル16からゴム栓14を取り外しやすさを向上させる。
上記ゴム栓14は、図6に示すように、第1胴型でフィルム42を保持し、フィルム42を過熱するステップS11と、栓本体41を形成するための金型にフィルム42を押し当てるステップS12と、真空成形により栓本体41を形成するための金型にフィルム42を被覆させるステップS13(第1ステップ)と、第2胴型を挿入するステップS14と、加硫処理をすることにより、フィルム42と栓本体41を一体に成形するステップS15(第2ステップ)と、シリコーン塗工処理によってシリコーン被膜43を形成するステップS16と、によって製造することができる。
図7に示すように、第1胴型61は、ゴム栓14を成形するための金型の一部であり、フィルム42を水平に保持する。フィルム42は、第1胴型61に保持された状態で、例えば、セラミックヒーター62によって延伸しやすい温度に加熱される。このように、第1胴型61に保持される時点でのフィルム42の厚さ(以下、元のフィルム42の厚さという)は、例えば100μmである。元のフィルム42の厚さは、50μm以上100μmであることが好ましい。これは、第1被覆部42aの厚さDaの範囲に対応する。フィルム42には、厚さ100±5μm、比重1.70〜1.77のETFEフィルムを用いることが好ましく、破断伸度は押出方向、幅方向ともに350%以上700%以下であることが好ましい。この条件を満たすETFEフィルムとしては、例えば、ダイキン工業株式会社のネオフロンETFE、東レフイルム加工株式会社のトヨフロンETFEタイプEL、旭硝子株式会社のアフレックス100ND等がある。
図8に示すように、延伸しやすい温度に加熱されたフィルム42は、第1胴型61とともに栓本体41の凹凸形状に合わせて形作られた下型63に押し当てられる。下型63は、ルアーノズル嵌合穴33に対応する第1凸部64と、第2当接部32に対応する第1凹部65と、ルアーロック嵌合溝37に対応する第2凸部66と、を有する。第1胴型61とともに下型63にフィルム42を押し当てると、フィルム42は、最初に第1凸部64の表面64aに当接する。そして、さらに第1胴型61が下型63に当接するまで第1胴型61を押し下げることにより、第1凸部64の表面64aではほぼ元のフィルム42の厚さを保ったまま、第1凸部64の端部64bから第1胴型61までの間のフィルム42が延伸される。
また、下型63には、第1凹部65の底面に真空引きをするための第1吸気口67が設けられている。また、下型63には、第2凸部66と第1胴型61との間に形成される第3凹部68の底面にも、真空引きをするための第2吸気口69が設けられている。このため、図9に示すように、第1胴型61を下型63に密着させ、第1吸気口67及び第2吸気口69を通じてフィルム42と下型63との間のエアを吸気すると、第1凸部64の端部64bから第1胴型61までの間のフィルム42はさらに延伸され、下型63に密着し、下型63を被覆する。これにより、フィルム42は真空成形され、栓本体41の形状に合致した凹凸形状を有するようになり、かつ、第1凸部64の表面64aに形成される第1被覆部42aと、第1凸部64の外側面に形成される第2被覆部42bとの間に厚さの違いが形成された状態で、栓本体41を形成するための金型内にインサートされる。特開昭S61−277445のように、ゴム生地を板状に形成し、その表面に予めフィルム42を被覆してから、ゴム栓14の形状に成形すると、フィルム42の厚みは場所によらず均一になってしまうが、上記真空成形によれば、第1被覆部42aと第2被覆部42bの各厚さDa,Dbに違いをつくりだすことができる。
上記のように真空成形によってフィルム42を下型63に被覆させると、図10に示すように、第1胴型61の内周に、第1胴型61に沿って第2胴型71が挿入される。第2胴型71が挿入されると、第3凹部68は狭窄され、第2胴型71と第2凸部66との間に第3当接部36に対応するように、第3凹部68が狭窄される。この状態で、フィルム42の露呈された表面には、コロナ処理またはプラズマ処理が予め施されており、栓本体41を形成するゴム生地に対する接着性が向上されている。
そして、図11に示すように、下型63及び第2胴型71と、上型72とによって形成するキャビティ73にゴム生地を投入し、180℃10分間の加硫処理を施すことにより、フィルム42が被覆された栓本体41が成形される。こうしてフィルム42と一体に成形された栓本体41は、キャビティ73から取り出され、フィルム42の余分な箇所や栓本体41のバリ等が除去される。
その後、フィルム42の露呈された表面(下型63に接していた表面)には、コロナ処理またはプラズマ処理が予め施されており、シリコーン塗工処理によってシリコーン被膜43を形成する。シリコーン被膜43を形成するフィルム42の表面には、コロナ処理またはプラズマ処理が予め施されており、シリコーンの定着性が向上されている。シリコーン被膜43を形成する表面に予め施されるコロナ処理またはプラズマ処理は、フィルム42とゴム生地を密着させるためのコロナ処理またはプラズマ処理よりは弱いコロナ処理またはプラズマ処理で良い。シリコーン塗工処理は、具体的には、医療用シリコーン(例えば、東レ・ダウコーニング株式会社メディカルグレードオイル360 Medical Fluid 粘度1000cSt)をnヘキサンに溶解させて1wt%とし、その溶解液の中に、フィルム42が被覆された栓本体41を30秒間浸け、100℃乾燥空気によって5分入れてnヘキサンを蒸発させる。
以下、ゴム栓14の実施例を説明する。図12に示すように、実施例1は、上記製造方法によって、フィルム42の厚さのバランスに関する条件、すなわち、第1被覆部42aの厚さDaが第2被覆部42bの厚さDbよりも厚く形成されており(Da>Db)、第1被覆部42aの厚さDaは、第2被覆部42bの厚さDbの3倍よりも厚く、かつ、第2被覆部42bの厚さDbの6倍よりも薄いという条件を満たすゴム栓である。但し、実施例1のゴム栓は、栓本体41の国際ゴム硬度の条件(48°以上53°以下)、抗力の条件(10%圧縮した場合の抗力が0.2MPa以上0.8MPa以下であり、30%圧縮した場合の抗力が1.0MPa以上2.0MPa以下であり、かつ、122℃で20分加熱する乾熱滅菌後の抗力保持率が60%以上90%以下であること)を満たさず、シリコーン被膜43を塗工しておらず、かつ、第2当接部32に逆テーパ形状を形成していない。
実施例2のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たし、かつ、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たすが、シリコーン被膜43は塗工しておらず、第2当接部32に逆テーパ形状を形成していないゴム栓である。
実施例3のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件と、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件とを満たし、かつ、シリコーン被膜43を塗工しているゴム栓である。但し、第2当接部32に逆テーパ形状を形成していない。
実施例4のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件と、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件とを満たし、シリコーン被膜43を塗工し、かつ、第2当接部32に逆テーパ形状を形成しているゴム栓である。すなわち、実施例4のゴム栓は、上記実施形態でゴム栓14の各部に要求する条件を全て満たす。
比較例1のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件と、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たさず、シリコーン被膜43も塗工せず、かつ、第2当接部32に逆テーパ形状を形成していないゴム栓である。すなわち、比較例1のゴム栓は、上記実施形態でゴム栓14の各部に要求する条件をすべて満たさない。
比較例2のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たさず、シリコーン被膜43も塗工せず、かつ、第2当接部32に逆テーパ形状を形成していないが、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たすようにしたゴム栓である。
比較例3のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件と、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たさず、第2当接部32に逆テーパ形状を形成していないゴム栓であるが、フィルム42の表面にシリコーン被膜43を塗工したゴム栓である。
比較例4のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件と、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たさず、シリコーン被膜43も塗工していないが、第2当接部32に逆テーパ形状を形成したゴム栓である。
上記実施例1〜4及び比較例1〜4について、自動打栓適性、溶出性、密封性、取り外し性、及び総合性能の評価を行った。
図12では、フィルム42の厚さ、国際ゴム硬度、抗力、シリコーン被膜43の有無、逆テーパ形状の有無の各条件を満たすものを「T」、満たさないものを「F」で表す。他の実施例及び比較例も同様である。また、フィルム42は、全てETFEである。成形前の元のフィルム42の厚さを100μmであり、フィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たすゴム栓では、第1被覆部42aの厚さを90μm、第2被覆部42bの厚さDbを40μmに統一しており、フィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たさないゴム栓では、第1被覆部42aの厚さを50μm、第2被覆部42bの厚さDbを50μmに統一している。
また、図12には、上記実施例1〜4及び比較例1〜4のゴム栓について、自動打栓適性、溶出性、密封性、取り外し性、及び総合性能についての評価結果を示している。自動打栓適性については、自動打栓機によって各実施例1〜4及び比較例1〜4の各ゴム栓を打栓した場合に、バレル12に対する規定位置から1mm以上ゴム栓が浮いたものをNGとし、1000本自動打栓したときのNGが0本のものを「A」、1本のものを「B」、2本のものを「C」、3本以上のものを「D」とした。評価C以上のゴム栓が実用上、自動打栓適性を有し、評価Dのゴム栓は不良である。自動打栓機としては、ボッシュ パッケージング テクノロジー株式会社、澁谷工業株式会社、株式会社スズキエンジニアリング等のシリンジ充填・打栓一貫ライン等を用いることができる。
溶出性については、日本薬局方による注射剤の不溶性微粒子試験法に基づき、シリンジ40℃1週間経時で薬液に不溶性微粒子ない場合に「A」と評価した。
気密性については、ガスケット13側に2気圧の負荷をかけて、ゴム栓が抜けたり薬液11がしみ出した場合に「D」と評価し、ガスケット13側に2気圧の負荷をかけて、ゴム栓が抜けたり薬液11がしみ出さない場合に「C」と評価した。そして、ガスケット13側に3気圧の負荷をかけて、ゴム栓が抜けたり薬液11がしみ出さない場合に「B」、4気圧の負荷をかけて、ゴム栓が抜けたり薬液11がしみ出さない場合に「A」と評価した。
取り外し性については、回転トルク計を使用し、ルアーノズル16に嵌合したゴム栓の回転トルクを測定した。回転トルクが、0.5Nmより大きい場合、または0.2Nmよりも小さい場合に「D」と評価し、0.2以上0.5Nm以下の場合に「C」と評価した。また、 0.3 以上 0.5 以下の場合に「B」、 0.3 以上 0.4 以下の場合に「A」と評価した。
総合性能は、自動打栓適性、溶出性、気密性、取り外し性のいずれか一つに評価「D」がある場合に「D」(すなわち実用できない)と評価した。そして、自動打栓適性、溶出性、気密性、取り外し性が、全て「C」以上の評価で実用に耐える場合、自動打栓適性、溶出性、気密性、取り外し性のうちの最低評価を総合性能評価とした。
まず、実施例1と比較例1の各ゴム栓を比較すると、これらはどちらも、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たさず、シリコーン被膜43も塗工しておらず、かつ、第2当接部32に逆テーパ形状も形成していないので、実施例1と比較例1のゴム栓の違いは、フィルム42の厚さに関する条件を満たすか否かの違いだけである。また、実施例1と比較例1の各ゴム栓は、どちらも第1被覆部42aが十分な厚みを有しているので、溶出性については何ら問題がない(評価「A」)。しかしながら、比較例1のゴム栓は、自動打栓適性、気密性、及び取り外し性が全て評価「D」であり、実用に耐えないが、実施例1のゴム栓は、フィルム42の厚さのバランスに関する条件をみたすことによって、比較例1のゴム栓よりも自動打栓適性、気密性、及び取り外し性が向上し、これらは全て評価「C」に向上する。したがって、上記実施形態のフィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たすことによって、溶出性のみならず、自動打栓適性、気密性、及び取り外し性が実用に耐えるまでに向上する。
また、実施例1のゴム栓は、第1被覆部42aの厚さを90μm、第2被覆部42bの厚さDbを40μmにしているが、第1被覆部42aの厚さを80μm、第2被覆部42bの厚さDbを30μmにしても同様の結果が得られた。また、第1被覆部42aの厚さを70μm、第2被覆部42bの厚さDbを20μmにしても、第1被覆部42aの厚さを60μm、第2被覆部42bの厚さDbを15μmにしても同様である。したがって、フィルム42が、第1被覆部42aの厚さDaが第2被覆部42bの厚さDbよりも厚く形成されており(Da>Db)、第1被覆部42aの厚さDaは、第2被覆部42bの厚さDbの3倍よりも厚く、かつ、第2被覆部42bの厚さDbの6倍よりも薄いという条件を満たしていれば、実用に耐えるゴム栓がられる。
次に、実施例1と実施例2の各ゴム栓を比較すると、実施例2のゴム栓は、実施例1のゴム栓に対して、さらに栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たすようにしたゴム栓であるため、自動打栓適性、気密性、及び取り外し性が向上することがわかる。自動打栓適性及び取り外し性が向上するのは、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力を適切に選べば、高速で自動打栓するときには、栓本体41が瞬時に圧縮されて緩和が戻るのに時間がかかるためにスムースに打栓することができるが、自動打栓後に栓本体41の緩和が戻れば、取り外しにくくならない範囲でゴム栓の抜けを防止するために必要十分な抗力を発揮するからである。また、気密性が向上するのは、栓本体41の緩和が戻ると、ルアーノズル16に適切な圧力で密着するからである。一方、比較例1と比較例2の各ゴム栓を比較すると、比較例2は比較例1に対して、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たすようにしているので、自動打栓適性及び取り外し性が向上するものの、気密性の向上はみられなかった。したがって、フィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たした上で、さらに栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力の条件を満たすようにしなければ、実用に耐えるゴム栓は得られない。
さらに、実施例2と実施例3の各ゴム栓を比較すると、実施例3のゴム栓は、実施例2のゴム栓に対して、さらにシリコーン被膜43を塗工したゴム栓である。シリコーン被膜43は潤滑剤なので、実施例3のゴム栓は、実施例2のゴム栓に対して自動打栓適性及び取り外し性が向上している。一方、比較例1と比較例3の各ゴム栓を比較すると、これらの違いはシリコーン被膜43を塗工しているか否かだけの違いなので、シリコーン被膜43の塗工だけでも、自動打栓適性及び取り外し性が向上することが分かる。しかし、シリコーン被膜43の塗工だけでは、十分な気密性が得られないので、実用に耐えるゴム栓は得られない。したがって、実施例1や実施例2のゴム栓のように、フィルム42の厚さのバランスに関する条件を満たした上で、シリコーン被膜43を塗工することが重要である。
実施例4のゴム栓は、実施例3のゴム栓に対して、さらに第2当接部32を逆テーパ形状に形成したものである。第2当接部32を逆テーパ形状にすることより、ルアーノズル16とルアーノズル嵌合穴33との密着度が向上して、気密性がさらに向上する。また、実施例4は、フィルム42の厚さに関する条件と、栓本体41の国際ゴム硬度及び抗力に関する条件を満たし、シリコーン被膜43を塗工し、かつ、第2当接部32を逆テーパ形状にした上記実施形態のゴム栓14なので、溶出性のみならず、自動打栓適性、気密性、及び取り外し性の全てが特に優良なゴム栓14になっている。なお、比較例1と比較例4の各ゴム栓を比較すれば分かる通り、第2当接部32を逆テーパ形状にすることで、密着性が向上するが、自動打栓適性や取り外し性は向上しないので、第2当接部32を逆テーパ形状にするだけでは実用に耐えるゴム栓は得られない。したがって、少なくとも実施例1のようにフィルム42の厚さに関する条件を満たした上で、第2当接部32を逆テーパ形状にすることが望ましい。
上記実施形態及び実施例、ゴム栓14に用いるフィルム42は、上記実施形態及び実施例で示す通り、ETFEを用いることが好ましい。プレフィルドシリンジのゴム栓を被覆するフィルムには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられる場合もあるが、ETFEは、PTFEよりも安価であって、上記実施形態及び実施例の条件をみたすことで、自動打栓適性があり、滅菌時に抜けてしまうことがなく、薬液へのゴム栓の成分の溶出がなく、薬液を密封可能であり、かつ、薬液の使用時には取り外しやすいというバランスのとれた性能のゴム栓14が得られる。また、PTFEはETFEよりも静摩擦係数が小さいので、PTFEを用いると、上記実施形態及び実施例の条件を満たしても、滅菌処理時にゴム栓が抜ける場合がある。
上記実施形態及び実施例では、ゴム栓14をプレフィルドシリンジ10に用いており、プレフィルドシリンジ10に用いるのが最も好適であるが、予め薬液11を充填されていないシリンジのキャップとしても用いることができる。また、シリンジ以外のものでも、ルアーノズル16を有するものであれば、ゴム栓14は好適に用いることができる。また、ルアーロック17がないシリンジにも好適である。
10 プレフィルドシリンジ
11 薬液
12 バレル
13 ガスケット
14 ゴム栓
16 ルアーノズル
17 ルアーロック
31 第1当接部
32 第2当接部
33 ルアーノズル嵌合穴
41 栓本体
42 フィルム
43 シリコーン被膜

Claims (11)

  1. シリンジのルアーノズルに嵌合するゴム製の栓本体であって、前記ルアーノズルの先端に当接する第1当接部と、前記ルアーノズルの側面に当接する第2当接部とを有する栓本体と、
    前記第1当接部を被覆する第1被覆部と、前記第2当接部を被覆する第2被覆部とを有するフィルムと、を備え、
    前記第1当接部と前記第2当接部によって前記ルアーノズルが嵌合するルアーノズル嵌合穴が形成され、
    前記第2当接部は、前記第1当接部に対して、前記第1当接部から遠ざかるほど前記ルアーノズル嵌合穴を窄ませる傾斜を有し、
    前記フィルムが、エチレン四フッ化エチレン共重合体からなり、前記第1被覆部が前記第2被覆部よりも厚いゴム栓。
  2. 前記第1被覆部の厚さは、前記第2被覆部の厚さの3倍よりも厚く、かつ、前記第2被覆部の厚さの6倍よりも薄い請求項1に記載のゴム栓。
  3. 前記栓本体の国際ゴム硬さが、48°以上53°以下である請求項1または2に記載のゴム栓。
  4. 前記栓本体は、10%圧縮した場合の抗力が0.2MPa以上0.8MPa以下であり、30%圧縮した場合の抗力が1.0MPa以上2.0MPa以下であり、かつ、121℃で20分加熱する乾熱滅菌後の抗力保持率が60%以上90%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム栓。
  5. 前記フィルムが前記ルアーノズルと当接する面にシリコーンの被膜を備える請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム栓。
  6. 前記第2被覆部の厚さが、10μm以上45μm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム栓。
  7. 前記第1被覆部の厚さが、50μm以上100μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム栓。
  8. 前記第1被覆部及び前記第2被覆部は、コロナ処理またはプラズマ処理が施された表面を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム栓。
  9. 前記栓本体が、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、または、塩素化ブチルゴムからなる請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム栓。
  10. シリンジのルアーノズルに嵌合するゴム製の栓本体であって、前記ルアーノズルの先端に当接する第1当接部と、前記ルアーノズルの側面に当接する第2当接部とを有する栓本体と、前記第1当接部を被覆する第1被覆部と、前記第2当接部を被覆する第2被覆部とを有するフィルムと、を備え、前記第1当接部と前記第2当接部によって前記ルアーノズルが嵌合するルアーノズル嵌合穴が形成され、前記第2当接部が、前記第1当接部に対して、前記第1当接部から遠ざかるほど前記ルアーノズル嵌合穴を窄ませる傾斜を有するゴム栓の製造方法において、
    前記栓本体を形成する金型によって、前記フィルムを前記栓本体の形状に成形し、前記金型を前記フィルムで被覆する第1ステップと、
    前記フィルムで被覆された前記金型によってゴム生地を成形することにより、前記栓本体と前記フィルムを一体に成形する第2ステップと、
    を備えるゴム栓の製造方法。
  11. 前記第1ステップでは、前記フィルムを真空成形することにより、前記金型を前記フィルムで被覆する請求項10に記載のゴム栓の製造方法。
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