JP6336136B2 - 感放射線性又は感活性光線性組成物、並びに、それを用いた膜、マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感放射線性又は感活性光線性組成物、並びに、それを用いた膜、マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超LSI(Large Scale Integrated circuit、大規模集積回路)や高容量マイクロチップの製造などの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス及び高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、及び、その他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる、更には、電子線(EB)や極紫外線(EUV)を使用して高精細化したパターンを形成しうる感放射線性又は感活性光線性組成物、並びに、それを用いた膜、マスクブランクス、レジストパターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法に関するものである。
従来、IC(Integrated Circuit、集積回路)やLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にエキシマレーザー光にというように短波長化の傾向が見られ、現在では、電子線やX線を用いたリソグラフィも開発が進んでいる。
特に電子線や極紫外線リソグラフィは、次世代若しくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられており、また、高解像性のゆえに半導体露光に使用されるフォトマスク作成に広く使用されている。例えば、電子線リソグラフィによる上記フォトマスク作成の工程では、透明基板にクロム等を主成分とする遮蔽層を設けた遮蔽基板の上にレジスト層を形成し、更に選択的に電子線露光を行った後、アルカリ現像してレジストパターンを形成する。ついで、このレジストパターンをマスクとして遮蔽層をエッチングして遮蔽層にパターンを形成することにより、透明基板上に所定のパターンを有する遮蔽層を備えたフォトマスクを得ることができる。
しかし、電子線は紫外線のような一括露光ができないため、処理時間短縮のため高感度なレジストが求められており、電子線リソグラフィに適したレジストとしては、酸分解性高分子化合物と光酸発生剤とを組合せたいわゆるポジ型レジスト組成物や、架橋性高分子化合物と架橋剤とを組合せたいわゆるネガ型レジスト組成物が有効に使用されている。
たとえば、特許文献1には、脂環族系アルコールを架橋剤として有するネガ型レジスト組成物が記載されている。
日本国特開2010−198024号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたネガ型レジスト組成物は、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス性能、PEB(Post Exposure Bake)時間依存性、PED安定性(活性光線又は放射線照射後に加熱操作(PEB)を行うまでの間、照射装置内あるいは装置外に放置した場合の塗膜安定性)、ドライエッチング耐性、及び線幅の面内均一性(CDU)のすべてを極めて高次元のレベルで達成するためには改良の余地があった。
すなわち、本発明の目的は、特に極微細(例えば線幅50nm以下)のパターン形成において、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス性能、PEB時間依存性、PED安定性、ドライエッチング耐性、及び線幅の面内均一性(CDU)のすべてにおいて極めて高次元のレベルで優れた感放射線性又は感活性光線性組成物、並びに、それを用いた膜、マスクブランクス、レジストパターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することにある。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]
一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物と、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、
を含有する感放射線性又は感活性光線性組成物。
Figure 0006336136

式中、
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
Aは、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基を表す。
及びR は、各々独立に、水素原子、又は無置換アルキル基を表す。但し、すべてのR とすべてのR とが同時に水素原子であることは無い。
mは、2以上の整数を表す。
nは、1以上の整数を表す。
複数のR 、複数のR 及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
複数のAは同じでも異なっていてもよい。
Yは、ヘテロ原子を有するm価の基を表す。
Aと、R 及びR の少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
とR とは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
[2]
上記R 及びR がメチル基を表す、[1]に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
[3]
更に、一般式(II)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有する、[1]又は[2]に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
Figure 0006336136

式中、
は水素原子、有機基、又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Ar は芳香環基を表す。
は1以上の整数を表す。
[4]
一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物と、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、
一般式(II)で表される構造単位を有する高分子化合物と、
を含有する感放射線性又は感活性光線性組成物。
Figure 0006336136

式中、
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
Aは、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基を表す。
及びR は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。但し、すべてのR とすべてのR とが同時に水素原子であることは無い。
mは、2以上の整数を表す。
nは、1以上の整数を表す。
複数のR 、複数のR 及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
複数のAは同じでも異なっていてもよい。
Yは、ヘテロ原子を有するm価の基を表す。
Aと、R 及びR の少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
とR とは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
Figure 0006336136

式中、
は水素原子、有機基、又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Ar は芳香環基を表す。
は1以上の整数を表す。
[5]
上記Yは、ヘテロ原子及び環構造を有するm価の基である、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
[6]
上記酸発生剤がスルホニウム塩である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
[7]
更に、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を有する、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
[8]
電子線又は極紫外線露光用化学増幅ネガ型レジスト組成物である[1]〜[7]のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
[9]
[1]〜[8]のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いて形成された感放射線性又は感活性光線性膜。
[10]
[9]に記載の感放射線性又は感活性光線性膜を備えたマスクブランクス。
[11]
[1]〜[8]のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程、
上記膜を露光する工程、及び
露光した上記膜を現像してネガ型レジストパターンを形成する工程
を含むレジストパターン形成方法。
[12]
[9]に記載の感放射線性又は感活性光線性膜を有するマスクブランクスを露光する工程、及び、
上記露光されたマスクブランクスを現像する工程
を含む、レジストパターン形成方法。
[13]
上記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる[11]又は[12]に記載のレジストパターン形成方法。
[14]
[11]に記載のレジストパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明は、上記[1]〜[14]に係る発明であるが、以下、それ以外の事項についても参考のため記載している。
<1>
一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物と、
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、
を含有する感放射線性又は感活性光線性組成物。
Figure 0006336136
式中、
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
Aは、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。但し、すべてのRとすべてのRとが同時に水素原子であることは無い。
m及びnは、各々独立に1以上の整数を表す。
m及びnの少なくとも一方が2以上の整数を表す場合、複数のR、複数のR及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
mが2以上の整数を表す場合、複数のAは同じでも異なっていてもよい。
Yは、ヘテロ原子を有するm価の基を表す。
Aと、R及びRの少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
とRとは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
<2>
上記Yは、ヘテロ原子及び環構造を有するm価の基である、<1>に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
<3>
更に、一般式(II)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有する、<1>又は<2>に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
Figure 0006336136
式中、
は水素原子、有機基、又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Arは芳香環基を表す。
は1以上の整数を表す。
<4>
上記酸発生剤がスルホニウム塩である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
<5>
更に、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
<6>
電子線又は極紫外線露光用化学増幅ネガ型レジスト組成物である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
<7>
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いて形成された感放射線性又は感活性光線性膜。
<8>
<7>に記載の感放射線性又は感活性光線性膜を備えたマスクブランクス。
<9>
<1>〜<6>のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程、
上記膜を露光する工程、及び
露光した上記膜を現像してネガ型レジストパターンを形成する工程
を含むレジストパターン形成方法。
<10>
<7>に記載の感放射線性又は感活性光線性膜を有するマスクブランクスを露光する工程、及び、
上記露光されたマスクブランクスを現像する工程
を含む、レジストパターン形成方法。
<11>
上記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる<9>又は<10>に記載のレジストパターン形成方法。
<12>
<9>に記載のレジストパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、特に極微細(例えば線幅50nm以下)のパターン形成において、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス性能、PEB時間依存性、PED安定性、ドライエッチング耐性、及び線幅の面内均一性(CDU)のすべてにおいて極めて高次元のレベルで優れた感放射線性又は感活性光線性組成物、並びに、それを用いた膜、マスクブランクス、レジストパターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記において、置換又は無置換を記していない表記は、置換基を有していないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本明細書において、高分子化合物の重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算値である。GPC(Gel Permeation Chromatography)は、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M (東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cm)を、溶離液としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いた方法に準ずる事ができる。
また、非ポリマー性の化合物の分子量は、構造を同定して分子量を算出する。「非ポリマー性」とは、単量体を重合して形成される繰り返し単位を有する高分子化合物とは異なることを表している。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物(組成物ともいう)は、特定の構造を有し、分子量が450以上2000以下である化合物(化合物(A)ともいう)と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、を含有する。
本発明における化合物(A)は、極性基と反応して結合する基を有するものであって、特定の構造(−CROX)にしたこと、すなわちOXが結合する炭素原子を2級又は3級炭素としたことにより、反応効率が優れているため、高コントラストな画像形成をすることができ、高感度、高解像性に優れた感放射線性又は感活性光線性組成物を得ることができるものと考えられる。
また、化合物(A)は、一般的な架橋剤と比較して分子量が高いため、揮発、及びレジスト膜中の反応性基ユニットの拡散を抑制することができ、真空露光中(PED:Post Exposure time Delay)安定性、及び塗布膜の経時(PCD:Post Coating Delay)安定性をより向上させることができると共に、感度変動やパターンサイズの変動を防止することができるものと考えられる。
更に、化合物(A)はヘテロ原子を有するため、膜中のポリマーとの相互作用が高く、均一に分布、硬化が進み、パターンラフネスが優れ、高解像性なパターンを形成することができるものと考えられる。ここでPED安定性とは、放射線照射後に加熱操作(PEB)を行うまでの間、放置した場合の塗膜安定性であるものと考えられる。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、典型的にはレジスト組成物であり、ネガ型のレジスト組成物であることが好ましい。また、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は典型的には化学増幅型のレジスト組成物であることが好ましく、化学増幅型のネガ型レジスト組成物であることがより好ましい。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、電子線又は極紫外線露光用であることが好ましく、電子線用であることがより好ましい。
以下、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物の各成分について詳細に説明する。
〔一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物(化合物(A))〕
Figure 0006336136
式中、
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
Aは、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。但し、すべてのRとすべてのRとが同時に水素原子であることは無い。
m及びnは、各々独立に1以上の整数を表す。
m及びnの少なくとも一方が2以上の整数を表す場合、複数のR、複数のR及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
mが2以上の整数を表す場合、複数のAは同じでも異なっていてもよい。
Yは、ヘテロ原子を有するm価の基を表す。
Aと、R及びRの少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
とRとは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
Aが芳香族炭化水素基を表す場合、単環又は多環の芳香族炭化水素からn+1個の水素原子を取り除いた基(nは1以上の整数を表す。)であることが好ましい。
上記芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、フェナントレンなどの芳香族炭化水素(好ましくは炭素数6〜18)を挙げることができ、ベンゼン、ナフタレンが解像性の観点で好ましく、ベンゼンが最も好ましい。
Aが脂環基を表す場合、脂環基としては単環であっても多環であってもよく、具体的には単環又は多環の脂環(好ましくは炭素数3〜18の脂環)からn+1個の水素原子を取り除いた基(nは1以上の整数を表す。)であることが好ましく、単環又は多環の1価の脂環基に対応する基(1価の脂環基からn個の水素原子を取り除いた基)であることがより好ましい。
単環の脂環基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデニル基、シクロウンデニル基、シクロドデカニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基等のシクロアルキル基に対応する基が挙げられ、シクロヘキシル基又はシクロペンチル基に対応する基が好ましい。
多環の脂環基としては、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができ、例えば、ビシクロブチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロオクチル基、ビシクロウンデニル基、ビシクロオクテニル基、ビシクロトリデセニル基、アダマンチル基、イソボロニル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基、又は、アンドロスタニル基に対応する基を挙げることができる。更に好ましくは、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、トリシクロデカニル基に対応する基が挙げられ、アダマンチル基に対応する基がドライエッチング耐性の観点で最も好ましい。
なお、単環又は多環の脂環基中の炭素原子の一部が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよく、具体的には、チオフェン環、フラン環、ピロール環等が挙げられる。
Aが芳香族ヘテロ環基を表す場合、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を含む芳香族ヘテロ環基が好ましい。また、好ましくは炭素数3〜18の芳香族ヘテロ環基であり、具体的には、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、これらに限定されない。
また、Aと、R及びRの少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
Aの芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基は、置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールカルボニル基が挙げられる。
及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。RとRとは互いに結合して、これらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。
及びRは、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表すことが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を表すことがより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基を表すことが更に好ましい。
及びRは、各々置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールカルボニル基が挙げられる。
置換基を有する場合のR及びRとしては、例えば、ベンジル基、シクロヘキシルメチル基などが挙げられる。
すべてのRとすべてのRとが同時に水素原子であることは無い。すべてのRとすべてのRとが同時に水素原子でないことで、反応効率が高くなり、感度が向上する。
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。Xは、水素原子、アルキル基又はアシル基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数2〜5のアシル基であることがより好ましい。
Yのヘテロ原子を含むm価の基としては、−S−、−O−、−CO−、−SO−、−N(R)−、−SO−及びこれらの複数を組み合わせたm価の基、若しくは、それらの基と炭化水素基とを組み合わせたm価の基、若しくは、m価のヘテロ環基等が挙げられる。Rは、水素原子又はアルキル基(例えば炭素数1〜8のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基など)である。上記炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基など)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、などが挙げられる。
Yのヘテロ原子を含むm価の基としては、ポリマーとの相互作用と解像性とエッチング耐性の観点から、ヘテロ原子及び環構造を有するm価の基がより好ましく、−O−、−CO−、−SO−及びこれらの複数を組み合わせた基とアリール基を有するm価の基が最も好ましい。
m及びnは、各々独立に1以上の整数を表す。mは1〜3の整数が好ましく、mが2であることが反応効率と現像液溶解性の観点で最も好ましい。nは1〜3の整数が好ましく、1〜2の整数がより好ましい。
一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物の好ましい分子量の範囲は、揮発、及びレジスト膜中の反応性基ユニットの拡散を抑制することができ、真空露光中(PED:Post Exposure time Delay)安定性、及び塗布膜の経時(PCD:Post Coating Delay)安定性をより向上させることができると共に、感度変動やパターンサイズの変動を防止することができる観点で、500以上1500以下であり、更に好ましい分子量の範囲は550以上1000以下である。
一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物は、非ポリマー性の化合物であって、分子量450以上2000以下の範囲内に一定の分子量を有する化合物(実質的に分子量分布を有さない化合物)であることが好ましい。
一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物としては、下記一般式(I−1)で表される化合物であることが解像性とエッチング耐性の観点で好ましい。
Figure 0006336136
一般式(I−1)中、
Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。但し、すべてのRとすべてのRとが同時に水素原子であることは無い。
Lyは、−S−、−O−、−CO−、−SO−、−N(R)−、−SO−、アルキレン基、及びこれらの複数を組み合わせた2価の基を表す。
m及びnは、各々独立に1以上の整数を表す。
m及びnの少なくとも一方が2以上の整数を表す場合、複数のR、複数のR及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
mが2以上の整数を表す場合、複数のLyは同じでも異なっていてもよい。
とRとは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
Byは、下記6種の構造より選ばれる1種の構造を有するm価の基を表す。
Figure 0006336136
一般式(I−1)におけるX、R、R、R、m、nの具体例及び好ましい範囲は、それぞれ前述の一般式(I)におけるX、R、R、R、m、nの具体例及び好ましい範囲と同様である。
Lyは、−S−、−O−、−CO−、−SO−、−N(R)−、−SO−、アルキレン基、及びこれらの複数を組み合わせた2価の基を表す。アルキレン基としては炭素数1〜5のアルキレン基が好ましい。
化合物(A)の含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは5〜70質量%であり、より好ましくは10〜60質量%であり、更に好ましくは15〜50質量%である。
化合物(A)は、例えば、Journal of Photopolymer Science and Technology Volume 26,Number 5 (2013) 665−671の2,2’−(5−hydroxy−1,3−phenylene) dipropan−2−olの合成と同様の方法をもとに合成することができる。
以下に、化合物(A)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。Meはメチル基を表し、Acはアセチル基を表す。
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
<活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤>
本発明の組成物は、上記化合物(A)の他に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤(光酸発生剤ともいう)を含有する。
酸発生剤の含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜40質量%であり、より好ましくは0.5〜30質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。
酸発生剤の好ましい形態として、オニウム塩化合物を挙げることができる。そのようなオニウム塩化合物としては、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩などを挙げることができ、スルホニウム塩であることが好ましい。
また、酸発生剤の別の好ましい形態として、活性光線又は放射線の照射により、スルホン酸、イミド酸又はメチド酸を発生する化合物を挙げることができる。その形態における酸発生剤は、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、オキシムスルホネート、イミドスルホネートなどを挙げることができる。
本発明の組成物は、酸発生剤を1種のみ含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明に用い得る酸発生剤としては、低分子化合物に限らず、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した化合物も用いることができる。
酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量が3000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。
本発明において、酸発生剤が、低分子化合物の形態であることが好ましい。
本発明の組成物が2種以上の酸発生剤を含む場合は、酸発生剤の総含有量が上記範囲内であることが好ましい。
酸発生剤は、電子線又は極紫外線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
本発明において、好ましいオニウム塩化合物として、下記一般式(7)で表されるスルホニウム化合物、若しくは一般式(8)で表されるヨードニウム化合物を挙げることができる。
Figure 0006336136
一般式(7)及び一般式(8)において、
a1、Ra2、Ra3、Ra4及びRa5は、各々独立に、有機基を表す。
は、有機アニオンを表す。
以下、一般式(7)で表されるスルホニウム化合物及び一般式(8)で表されるヨードニウム化合物を更に詳述する。
一般式(7)中のRa1、Ra2及びRa3、並びに、一般式(8)中のRa4及びRa5は、上記の通り、各々独立に有機基を表し、好ましくは、Ra1、Ra2及びRa3の少なくとも1つ、並びに、Ra4及びRa5の少なくとも1つがそれぞれアリール基である。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
一般式(7)及び(8)におけるXの有機アニオンは、例えばスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンなどが挙げられ、好ましくは、下記一般式(9)、(10)又は(11)で表される有機アニオンであり、より好ましくは下記一般式(9)で表される有機アニオンである。
Figure 0006336136
一般式(9)、(10)及び(11)において、Rc1、Rc2、Rc3及びRc4は、各々独立に、有機基を表す。
上記Xの有機アニオンが、電子線又は極紫外線などの活性光線又は放射線により発生する酸であるスルホン酸、イミド酸、メチド酸などに対応する。
上記Rc1、Rc2、Rc3及びRc4の有機基としては、例えば、アルキル基、アリール基又はこれらの複数が連結された基を挙げることができる。これら有機基のうち、より好ましくは1位がフッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子又はフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸性度が上がり、感度が向上する。ただし、末端基は置換基としてフッ素原子を含有しないことが好ましい。
そして、本発明においては、酸発生剤は、露光した酸の非露光部への拡散を抑制し、解像性やパターン形状を良好にする観点から、体積130Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが好ましく、体積190Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることがより好ましく、体積270Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが更に好ましく、体積400Å以上の大きさの酸(より好ましくはスルホン酸)を発生する化合物であることが特に好ましい。但し、感度や塗布溶剤溶解性の観点から、上記体積は2000Å以下であることが好ましく、1500Å以下であることがより好ましい。上記体積の値は、富士通株式会社製の「WinMOPAC」を用いて求めた。すなわち、まず、各化合物に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessiblevolume」を計算することができる。1Å(オングストローム)は10−10mである。
以下に本発明において、特に好ましい酸発生剤を示す。なお、例の一部には、体積の計算値を付記している(単位Å)。なお、ここで求めた計算値は、アニオン部にプロトンが結合した酸の体積値である。
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
また、本発明に用いる酸発生剤(好ましくはオニウム化合物)としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基(光酸発生基)を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した高分子型酸発生剤も用いることができる。
以下、高分子型酸発生剤について、説明する。
本発明において、光酸発生基を高分子化合物の主鎖又は側鎖に導入した高分子型酸発生剤を用いる場合には、上記酸発生剤が有する繰り返し単位は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する繰り返し単位である限り特に限定されず、従来公知の繰り返し単位が使用可能である。繰り返し単位としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生するイオン性構造部位を、高分子化合物の側鎖に有する繰り返し単位であることが好ましく、上記イオン性構造部位は酸アニオンとオニウムカチオンとがイオン対を形成してなること(いわゆるオニウム塩であること)が好ましい。このようなイオン性構造部位を高分子化合物の側鎖に有する繰り返し単位の高分子化合物中における形態としては、共有結合を介して高分子化合物の側鎖に導入される部位が、酸アニオン及びオニウムカチオンのいずれか一方であるか又は両方であるかに応じて、以下の3つに大別される。
(1)高分子化合物が、繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により側鎖に酸アニオンを生じるイオン性構造部位を有する繰り返し単位(a1)のみを有する(すなわち、酸アニオンのみが共有結合を介して高分子化合物の側鎖に導入された態様)
(2)高分子化合物が、繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により側鎖にオニウムカチオンを生じるイオン性構造部位を有する繰り返し単位(a2)のみを有する(すなわち、オニウムカチオンのみが共有結合を介して高分子化合物の側鎖に導入された態様)
(3)高分子化合物が、繰り返し単位として、上記繰り返し単位(a1)及び(a2)の両方を有する(すなわち、酸アニオン及びオニウムカチオンのそれぞれが共有結合を介して高分子化合物の側鎖に導入された態様)
高分子型酸発生剤は、繰り返し単位として、活性光線又は放射線の照射により側鎖に酸アニオンを生じるイオン性構造部位を有する繰り返し単位(a1)を有すること(すなわち、上記(1)又は(3)に記載の態様であること)が、良好な解像力が得られることから好ましい。高分子型酸発生剤が繰り返し単位(a1)を有することにより、発生する酸が非常に低拡散となり、解像性(特に、解像力)が大きく向上するものと考えられる。
上記酸アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホンイミド酸アニオン、スルホンメチド酸アニオンが好ましく挙げられ、スルホン酸アニオンであることが、親水性が高く、現像欠陥の観点から最も好ましい。
上記オニウムカチオンとしては、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ピリジニウムカチオンが好ましく挙げられ、より好ましくはスルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオンであり、最も好ましくはスルホニウムカチオンである。
上記繰り返し単位(a1)は、下記一般式(XXI)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(XXI)
Figure 0006336136
10は、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表す。
は、2価の連結基を表す。
Dは、スルホン酸アニオン、スルホンイミド酸アニオン又はスルホンメチド酸アニオンを表す。
Mは、オニウムカチオンを表す。
高分子型酸発生剤としては、特開2009−93137号公報、特開2006−178317号公報記載の化合物を用いることができる。
〔フェノール性水酸基を有する化合物〕
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、一態様において、フェノール性水酸基を有する化合物(以下、化合物(D)とも言う)を含有することが好ましい。化合物(D)としては、フェノール性水酸基を含む限り特に限定されず、分子レジストのような比較的低分子の化合物であってもよいし、高分子化合物であってもよいが、反応性及び感度の観点から、高分子化合物であることが好ましい。なお分子レジストとしては、例えば特開2009−173623号公報及び特開2009−173625号公報に記載の低分子量環状ポリフェノール化合物等が使用できる。
本発明において、フェノール性水酸基とは、芳香環基の水素原子をヒドロキシ基で置換してなる基である。芳香環基の芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環及びナフタレン環等が挙げられる。
また、上記で説明した高分子型酸発生剤が、フェノール性水酸基を有する化合物としての高分子化合物であってもよい。
本発明の組成物が化合物(D)を含有する場合、露光部においては、活性光線又は放射線の照射によって酸発生剤から発生する酸の作用により、フェノール性水酸基を含む化合物(D)と上述した化合物(A)との間で架橋反応が進行し、ネガ型のパターンが形成される。
フェノール性水酸基を含む化合物(D)が高分子化合物である場合、高分子化合物は、少なくとも一種のフェノール性水酸基を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては特に限定されないが、下記一般式(II)で表される構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006336136
式中、
は水素原子、有機基又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
Arは芳香環基を表す。
は1以上の整数を表す。
一般式(II)中のRが有機基を表す場合、有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)がより好ましい。
有機基は更に置換基を有していてもよい。その置換基としては、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。置換基としては、フッ素原子、水酸基が特に好ましい。
置換基を有する場合の有機基としては、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基等を挙げることができる。
は水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
が2価の連結基を表す場合、2価の連結基としては、カルボニル基、アルキレン基、アリーレン基、スルホニル基、−O−、−NH−又はこれらを組合せた基(例えば、エステル結合など)が好ましい。
は単結合又はカルボニルオキシ基が好ましく、単結合であることがより好ましい。
Arが表す芳香環基としては、単環又は多環の芳香環からn+1個の水素原子を取り除いた基(nは1以上の整数を表す。)であることが好ましい。
上記芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環(好ましくは炭素数6〜18)、及び、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香族ヘテロ環を挙げることができる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が解像性の観点で好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
は1〜5の整数であることが好ましく、1〜3の整数を表すことがより好ましく、1又は2を表すことが更に好ましく、1を表すことが特に好ましい。
が1を表し、Arがベンゼン環を表す場合、−OHの置換位置はベンゼン環におけるポリマー主鎖との結合位置に対して、パラ位でもメタ位でもオルト位でもよいが、解像性の観点からパラ位が好ましい。
Arの芳香環基における芳香環は、−OHで表される基以外にも置換基を有していてもよく、置換基としては例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールカルボニル基が挙げられる。
一般式(II)は、下記一般式(II−1)であることが好ましい。
Figure 0006336136
式中、
は水素原子、有機基又はハロゲン原子を表す。
は単結合又は2価の連結基を表す。
一般式(II−1)中のR及びDは一般式(II)中のR及びDと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(II)は、下記一般式(II−2)であることがより好ましい。
Figure 0006336136
式中、Rは水素原子、有機基又はハロゲン原子を表す。
一般式(II−2)中のRは一般式(II)中のRと同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下、一般式(II)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、これに限定されるものではない。Meはメチル基を表す。
Figure 0006336136
化合物(D)が高分子化合物である場合は、上記のようなフェノール性水酸基を有する繰り返し単位のみから構成されていてもよい。化合物(D)は、上記のようなフェノール性水酸基を有する繰り返し単位以外にも後述するような繰り返し単位を有していてもよい。その場合、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有率は、化合物(D)の全繰り返し単位に対して、10〜98モル%であることが好ましく、30〜97モル%であることがより好ましく、40〜95モル%であることが更に好ましい。これにより、特に、レジスト膜が薄膜である場合(例えば、レジスト膜の厚みが、10〜150nmである場合)、化合物(D)を用いて形成された本発明のレジスト膜における露光部の現像液に対する溶解速度をより確実に低減できる(即ち、化合物(D)を用いたレジスト膜の溶解速度を、より確実に最適なものに制御できる)。その結果、感度をより確実に向上させることができる。
化合物(D)は、非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基で、フェノール性水酸基の水素原子が置換された構造を有することが、高いガラス転移温度(Tg)が得られること、ドライエッチング耐性が良好となることから好ましい。
化合物(D)が、前述の特定の構造を有することで、化合物(D)のガラス転移温度(Tg)が高くなり、非常に硬いレジスト膜を形成することができ、酸の拡散性やドライエッチング耐性を制御することができる。従って、電子線又は極紫外線等の活性光線又は放射線の露光部における酸の拡散性が非常に抑制されるため、微細なパターンでの解像力、パターン形状及びLER性能が更に優れる。また、化合物(D)が非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有することが、ドライエッチング耐性の更なる向上に寄与するものと考えられる。更に、詳細は不明だが、多環脂環炭化水素構造は水素ラジカルの供与性が高く、光酸発生剤の分解時の水素源となり、光酸発生剤の分解効率が更に向上し、酸発生効率が更に高くなっていると推定され、これがより優れた感度に寄与するものと考えられる。
化合物(D)が有していてもよい前述の特定の構造は、ベンゼン環等の芳香族環と、非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基とが、フェノール性水酸基に由来する酸素原子を介して連結している。前述のように、上記構造は高いドライエッチング耐性に寄与するだけでなく、化合物(D)のガラス転移温度(Tg)を上げることができ、これらの組み合わせの効果によりより高い解像力が提供されるものと推定される。
本発明において、非酸分解性とは、光酸発生剤が発生する酸により、分解反応が起こらない性質を意味する。
より具体的には、非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基は、酸及びアルカリに安定な基であることが好ましい。酸及びアルカリに安定な基とは、酸分解性及びアルカリ分解性を示さない基を意味する。ここで酸分解性とは、光酸発生剤が発生する酸の作用により分解反応を起こす性質を意味する。
またアルカリ分解性とは、アルカリ現像液の作用により分解反応を起こす性質を意味し、アルカリ分解性を示す基としてはポジ型の化学増幅型レジスト組成物において好適に使用される樹脂中に含まれる、従来公知のアルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基(例えばラクトン構造を有する基など)が挙げられる。
多環脂環炭化水素構造を有する基とは、多環脂環炭化水素構造を有する一価の基である限り特に限定されないが、総炭素数が5〜40であることが好ましく、7〜30であることがより好ましい。多環脂環炭化水素構造は、環内に不飽和結合を有していてもよい。
多環脂環炭化水素構造を有する基における多環脂環炭化水素構造は、単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造、若しくは、多環型の脂環炭化水素構造を意味し、有橋式であってもよい。単環型の脂環炭化水素基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基、シクロオクチル基等を挙げることができ、単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造はこれらの基を複数有する。単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造は、単環型の脂環炭化水素基を2〜4個有することが好ましく、2個有することが特に好ましい。
多環型の脂環炭化水素構造としては、炭素数5以上のビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を挙げることができ、炭素数6〜30の多環シクロ構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、イソボルナン構造、ボルナン構造、ジシクロペンタン構造、α−ピネン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造、あるいはアンドロスタン構造を挙げることができる。なお、単環若しくは多環のシクロアルキル基中の炭素原子の一部が、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記の多環脂環炭化水素構造の好ましいものとしては、アダマンタン構造、デカリン構造、ノルボルナン構造、ノルボルネン構造、セドロール構造、シクロヘキシル基を複数有する構造、シクロヘプチル基を複数有する構造、シクロオクチル基を複数有する構造、シクロデカニル基を複数有する構造、シクロドデカニル基を複数有する構造、トリシクロデカン構造があげられ、アダマンタン構造がドライエッチング耐性の観点で最も好ましい(すなわち、上記非酸分解性の多環脂環炭化水素構造を有する基が、非酸分解性のアダマンタン構造を有する基であることが最も好ましい)。
これらの多環脂環炭化水素構造(単環型の脂環炭化水素基を複数有する構造については、上記単環型の脂環炭化水素基に対応する単環型の脂環炭化水素構造(具体的には以下の式(47)〜(50)の構造))の化学式を以下に表示する。
Figure 0006336136
更に上記多環脂環炭化水素構造は置換基を有してもよく、置換基としては例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜15)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、及びこれら基を組み合わせてなる基(好ましくは総炭素数1〜30、より好ましくは総炭素数1〜15)が挙げられる。
上記多環脂環炭化水素構造としては、上記式(7)、(23)、(40)、(41)及び(51)のいずれかで表される構造、上記式(48)の構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基を2個有する構造が好ましく、上記式(23)、(40)及び(51)のいずれかで表される構造、上記式(48)の構造における任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基を2個有する構造がより好ましく、上記式(40)で表される構造が最も好ましい。
多環脂環炭化水素構造を有する基としては、上記の多環脂環炭化水素構造の任意の一つの水素原子を結合手とした一価の基であることが好ましい。
化合物(D)は、下記一般式(IV)又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位を含有してもよい。
Figure 0006336136
式中、
はヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
は0〜6の整数を表す。
Figure 0006336136
式中、
はヒドロキシ基、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルコキシ基又はアシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(−OCOR又は−COOR:Rは炭素数1〜6のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又はカルボキシル基を表す。
は0〜4の整数を表す。
はメチレン基、酸素原子又は硫黄原子である。
一般式(IV)又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を下記に示すが、これらに限定されない。
Figure 0006336136
上記のようなフェノール性水酸基を有する繰り返し単位のみから構成された化合物(D)の他に、フェノール性水酸基を有する化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
なお、フェノール性水酸基を有する化合物(D)が高分子化合物である場合、重量平均分子量は、好ましくは1000〜200000であり、更に好ましくは2000〜50000であり、更により好ましくは2000〜15000である。分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、好ましくは2.0以下であり、1.0〜1.60がより好ましく、1.0〜1.20が最も好ましい。
また、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、上記フェノール性水酸基を有する化合物(D)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、化合物(D)の含有率は、感放射線性又は感活性光線性組成物の全固形分を基準として、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜40質量%であり、更に好ましくは3〜30質量%である。
<塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物>
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、上記成分の他に、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を含むことが好ましく、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物(光分解性塩基性化合物)を含むことがより好ましい。光分解性塩基性化合物とは、当初は塩基性原子(例えば窒素原子)が塩基として作用して塩基性を示すが、活性光線又は放射線の照射により分解されて、塩基性原子と有機酸部位とを有する両性イオン化合物を発生し、これらが分子内で中和することによって、塩基性が減少又は消失する塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物をいう。光分解性塩基性化合物としては、例えば、特許第3577743号公報、特開2001−215689号公報、特開2001−166476号公報、特開2008−102383号、WO2014/109337A1公報に記載のオニウム塩などがある。これら塩基性化合物の中でも解像性向上の観点からWO2014/109337A1に記載の光分解性塩基性化合物が好ましい。
また、塩基性化合物として、カルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素を含有しないアミン化合物又はアミンオキシド化合物を含有してもよい。このような塩基性化合物としては、下記一般式(12)〜(14)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006336136
一般式(12)及び一般式(13)中、
21及びR22は各々独立にアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
21及びR22が結合してこれらが結合する窒素原子と共に環構造を形成してもよい。
23は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表す。
24は単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。
一般式(14)中、
25はアルキレン基を表し、アルキレン基の炭素−炭素間にカルボニル基(−CO−)、エーテル基(−O−)、エステル基(−COO−)、スルフィド(−S−)を1個あるいは複数個含んでいてもよい。
26はアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を表す。
21及びR22は更に置換基を有していてもよく、置換基としてはアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基などが挙げられる。
21及びR22は、好ましくは、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基、又は炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基のいずれかである。
23は更に置換基を有していてもよく、置換基としてはアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基などが挙げられる。
23は好ましくは水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数2〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のアシルオキシアルキル基、炭素数1〜10のアルキルチオアルキル基、又はハロゲン原子である。
24は好ましくは単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基である。
25は好ましくは炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状の置換基を有しても良いアルキレン基である。
26は好ましくは炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、炭素数3〜20のシクロアルキレン基又は炭素数6〜20のアリーレン基である。
一般式(12)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
即ち、o−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、m−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸、p−ジプロピルアミノ安息香酸、p−ジブチルアミノ安息香酸、p−ジブチルアミノ安息香酸、p−ジペンチルアミノ安息香酸、p−ジヘキシルアミノ安息香酸、p−ジエタノールアミノ安息香酸、p−ジイソプロパノールアミノ安息香酸、p−ジメタノールアミノ安息香酸、2−メチル−4−ジエチルアミノ安息香酸、2−メトキシ−4−ジエチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ−2−ナフタレン酸、3−ジエチルアミノ−2−ナフタレン酸、2−ジメチルアミノ−5−ブロモ安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−クロロ安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−ヨード安息香酸、2−ジメチルアミノ−5−ヒドロキシ安息香酸、4−ジメチルアミノフェニル酢酸、4−ジメチルアミノフェニルプロピオン酸、4−ジメチルアミノフェニル酪酸、4−ジメチルアミノフェニルリンゴ酸、4−ジメチルアミノフェニルピルビン酸、4−ジメチルアミノフェニル乳酸、2−(4−ジメチルアミノフェニル)安息香酸、2−(4−(ジブチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸等が挙げられる。
一般式(13)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物は上記の具体的に例示されたアミン化合物を酸化したものであるが、これらに限定されない。
一般式(14)で示されるカルボキシル基を有し、かつ塩基性中心である窒素に共有結合する水素原子を含有しないアミン化合物を以下に具体的に例示するが、これらに限定されない。
即ち、1−ピペリジンプロピオン酸、1−ピペリジン酪酸、1−ピペリジンリンゴ酸、1−ピペリジンピルビン酸、1−ピペリジン乳酸等が挙げられる。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を含有してもしなくても良いが、含有する場合、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物の含有量は、感放射線性又は感活性光線性組成物の全固形分に対して、0.01〜10質量%が好ましく、0.03〜5質量%がより好ましく、0.05〜3質量%が特に好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、更に、塗布性を向上させるため界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤の例としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、メガファックF171(大日本インキ化学工業製)やフロラードFC430(住友スリーエム製)やサーフィノールE1004(旭硝子製)、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーが挙げられる。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は界面活性剤を含有してもしなくても良いが、界面活性剤を含有する場合、その含有量は、組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%であり、より好ましくは0.0005〜1質量%である。
〔有機カルボン酸〕
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、上記成分の他に、有機カルボン酸を含有することが好ましい。有機カルボン酸として、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸などを挙げることができるが、電子線露光を真空下で行う際には、レジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい化合物としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は有機カルボン酸を含有してもしなくても良いが、含有する場合は、有機カルボン酸の配合率としては、化合物(A)100質量部に対し、0.01〜10質量部の範囲内が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部であり、更に好ましくは0.01〜3質量部である。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、必要に応じて、更に、染料、可塑剤、酸増殖剤(国際公開第95/29968号公報、国際公開第98/24000号公報、特開平8−305262号公報、特開平9−34106号公報、特開平8−248561号公報、特表平8−503082号公報、米国特許第5,445,917号明細書、特表平8−503081号公報、米国特許第5,534,393号明細書、米国特許第5,395,736号明細書、米国特許第5,741,630号明細書、米国特許第5,334,489号明細書、米国特許第5,582,956号明細書、米国特許第5,578,424号明細書、米国特許第5,453,345号明細書、米国特許第5,445,917号明細書、欧州特許第665,960号明細書、欧州特許第757,628号明細書、欧州特許第665,961号明細書、米国特許第5,667,943号明細書、特開平10−1508号公報、特開平10−282642号公報、特開平9−512498号公報、特開2000−62337号公報、特開2005−17730号公報、特開2008−209889号公報等に記載)等を含有していてもよい。これらの化合物については、いずれも特開2008−268935号公報に記載のそれぞれの化合物を挙げることができる。
〔カルボン酸オニウム塩〕
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもよい。カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩、カルボン酸アンモニウム塩などを挙げることができる。特に、カルボン酸オニウム塩としては、カルボン酸スルホニウム塩、カルボン酸ヨードニウム塩が好ましい。更に、本発明においては、カルボン酸オニウム塩のカルボキシレート残基が芳香族基、炭素−炭素2重結合を含有しないことが好ましい。特に好ましいアニオン部としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐、単環又は多環環状アルキルカルボン酸アニオンが好ましい。更に好ましくはこれらのアルキル基の一部又は全てがフッ素置換されたカルボン酸のアニオンが好ましい。アルキル鎖中に酸素原子を含んでいても良い。これにより220nm以下の光に対する透明性が確保され、感度、解像力が向上し、疎密依存性、露光マージンが改良される。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物はカルボン酸オニウム塩を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、カルボン酸オニウム塩の含有量は、感放射線性又は感活性光線性組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.5〜20質量%であり、より好ましくは0.7〜15質量%であり、更に好ましくは1.0〜10質量%である。
〔溶剤〕
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物は、溶剤を含有することが好ましい。
感放射線性又は感活性光線性組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有しても良いモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0441]〜[0455]に記載のものを挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル、酪酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有しても良いモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物の固形分濃度は1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%であり、更に好ましくは3〜20質量%である。
<感放射線性又は感活性光線性膜>
本発明は、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物により形成された感放射線性又は感活性光線性膜(好ましくはレジスト膜)にも関し、このような膜は、例えば、本発明の組成物が基板等の支持体上に塗布されることにより形成される。この膜の厚みは、0.02〜0.1μmが好ましい。基板上に塗布する方法としては、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布されるが、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。塗布膜は60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。
被加工基板及びその最表層を構成する材料は、例えば、半導体用ウエハの場合、シリコンウエハを用いることができ、最表層となる材料の例としては、Si、SiO、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)、SOG(spin on glass)、有機反射防止膜等が挙げられる。
レジスト膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
<マスクブランクス>
また、本発明は、感放射線性又は感活性光線性組成物により形成されたレジスト膜を備えたマスクブランクスにも関する。このようなレジスト膜を具備するマスクブランクスを得るために、フォトマスク作製用のフォトマスクブランクス上にパターンを形成する場合、使用される透明基板としては、石英、フッ化カルシウム等の透明基板を挙げることができる。一般には、上記基板上に、遮光膜、反射防止膜、更に位相シフト膜、追加的にはエッチングストッパー膜、エッチングマスク膜といった機能性膜の必要なものを積層する。機能性膜の材料としては、ケイ素、又はクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等の遷移金属を含有する膜が積層される。また、最表層に用いられる材料としては、ケイ素又はケイ素に酸素及び/又は窒素を含有する材料を主構成材料とするもの、更にそれらに遷移金属を含有する材料を主構成材料とするケイ素化合物材料や、遷移金属、特にクロム、モリブデン、ジルコニウム、タンタル、タングステン、チタン、ニオブ等より選ばれる1種以上、又は更にそれらに酸素、窒素、炭素より選ばれる元素を1以上含む材料を主構成材料とする遷移金属化合物材料が例示される。
遮光膜は単層でもよいが、複数の材料を塗り重ねた複層構造であることがより好ましい。複層構造の場合、1層当たりの膜の厚みは、特に限定されないが、5〜100nmであることが好ましく、10〜80nmであることがより好ましい。遮光膜全体の厚みとしては、特に制限されるものではないが、5〜200nmであることが好ましく、10〜150nmであることがより好ましい。
これらの材料のうち、一般にクロムに酸素や窒素を含有する材料を最表層に具備するフォトマスクブランク上でパターン形成を行った場合、基板付近でくびれ形状が形成される、いわゆるアンダーカット形状となりやすいが、本発明を用いた場合、従来のものに比べてアンダーカット問題を改善することができる。
このレジスト膜には活性光線又は放射線(電子線等)を照射し、好ましくはベーク(通常80〜150℃、より好ましくは90〜130℃)を行った後、現像する。これにより良好なパターンを得ることができる。そしてこのパターンをマスクとして用いて、適宜エッチング処理及びイオン注入などを行い、半導体微細回路及びインプリント用モールド構造体等を作成する。
なお、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いて、インプリント用モールドを作製する場合のプロセスについては、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び、「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」に記載されている。
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは上記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の基板上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
<感放射線性又は感活性光線性組成物を用いたレジストパターン形成方法>
本発明は、上記感放射線性又は感活性光線性組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程と、上記膜を露光する工程と、露光した上記膜を現像してネガ型レジストパターンを形成する工程と、を含むレジストパターン形成方法にも関する。また、本発明は、上記感放射線性又は感活性光線性膜を有するマスクブランクスを露光する工程と、上記露光されたマスクブランクスを現像する工程と、を含む、レジストパターン形成方法にも関する。本発明において、上記露光は電子線又は極紫外線を用いて行われることが好ましい。
精密集積回路素子の製造などにおいてレジスト膜上への露光(パターン形成工程)は、まず、本発明のレジスト膜にパターン状に電子線又は極紫外線(EUV)照射を行うことが好ましい。露光量は、電子線の場合、0.1〜20μC/cm程度、好ましくは3〜10μC/cm程度、極紫外線の場合、0.1〜20mJ/cm程度、好ましくは3〜15mJ/cm程度となるように露光する。次いで、ホットプレート上で、60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク)を行い、次いで、現像、リンス、乾燥することによりパターンを形成する。現像液は適宜選択されるが、アルカリ現像液(代表的にはアルカリ水溶液)又は有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液ともいう)を用いることが好ましい。現像液がアルカリ水溶液である場合には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)等の、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%アルカリ水溶液で、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像する。アルカリ現像液には、アルコール類及び/又は界面活性剤を、適当量添加してもよい。こうして、未露光部分の膜は溶解し、露光された部分は現像液に溶解し難く、基板上に目的のパターンが形成される。
本発明のレジストパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を有する場合、アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明のレジストパターン形成方法が、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程を有する場合、上記工程における上記現像液(以下、有機系現像液とも言う)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
本発明において、エステル系溶剤とは分子内にエステル基を有する溶剤のことであり、ケトン系溶剤とは分子内にケトン基を有する溶剤のことであり、アルコール系溶剤とは分子内にアルコール性水酸基を有する溶剤のことであり、アミド系溶剤とは分子内にアミド基を有する溶剤のことであり、エーテル系溶剤とは分子内にエーテル結合を有する溶剤のことである。これらの中には、1分子内に上記官能基を複数種有する溶剤も存在するが、その場合は、その溶剤の有する官能基を含むいずれの溶剤種にも当てはまるものとする。例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテルは、上記分類中の、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤いずれにも当てはまるものとする。また、炭化水素系溶剤とは置換基を有さない炭化水素溶剤のことである。
特に、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を含有する現像液であることが好ましい。
現像液は、レジスト膜の膨潤を抑制できるという点から、炭素原子数が7以上(7〜14が好ましく、7〜12がより好ましく、7〜10が更に好ましい)、かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤を用いることが好ましい。
上記エステル系溶剤のヘテロ原子は、炭素原子及び水素原子以外の原子であって、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。ヘテロ原子数は、2以下が好ましい。
炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤の好ましい例としては、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−メチルブチル、酢酸1-メチルブチル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸ヘプチル、ブタン酸ブチルなどが挙げられ、酢酸イソアミルを用いることが特に好ましい。
現像液は、上述した炭素原子数が7以上かつヘテロ原子数が2以下のエステル系溶剤に代えて、上記エステル系溶剤及び上記炭化水素系溶剤の混合溶剤、又は、上記ケトン系溶剤及び上記炭化水素溶剤の混合溶剤を用いてもよい。この場合においても、レジスト膜の膨潤の抑制に効果的である。
エステル系溶剤と炭化水素系溶剤とを組み合わせて用いる場合には、エステル系溶剤として酢酸イソアミルを用いることが好ましい。また、炭化水素系溶剤としては、レジスト膜の溶解性を調製するという観点から、飽和炭化水素溶剤(例えば、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサデカンなど)を用いることが好ましい。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソアミル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル、酪酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソアミル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機系現像液は、塩基性化合物を含んでいてもよい。本発明で用いられる現像液が含みうる塩基性化合物の具体例及び好ましい例としては、前述した、感活性光線性又は感放射線性組成物が含みうる塩基性化合物におけるものと同様である。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後には、リンス液を用いて洗浄する工程を含んでいてもよいが、スループット(生産性)、リンス液使用量等の観点から、リンス液を用いて洗浄する工程を含まなくてもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。上記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又は炭化水素系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行うことが好ましい。
リンス液に含まれる有機溶剤としては、有機溶剤の中でも炭化水素系溶剤を用いることも好ましく、脂肪族炭化水素系溶剤を用いることがより好ましい。リンス液に用いられる脂肪族炭化水素系溶剤としては、その効果がより向上するという観点から、炭素数5以上の脂肪族炭化水素系溶剤(例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、ウンデカン、ドデカン、ヘキサデカン等)が好ましく、炭素原子数が8以上の脂肪族炭化水素系溶剤が好ましく、炭素原子数が10以上の脂肪族炭化水素系溶剤がより好ましい。
なお、上記脂肪族炭化水素系溶剤の炭素原子数の上限値は特に限定されないが、例えば、16以下が挙げられ、14以下が好ましく、12以下がより好ましい。
上記脂肪側炭化水素系溶剤の中でも、特に好ましくは、デカン、ウンデカン、ドデカンであり、最も好ましくはウンデカンである。
このようにリンス液に含まれる有機溶剤として炭化水素系溶剤(特に脂肪族炭化水素系溶剤)を用いることで、現像後にわずかにレジスト膜に染み込んでいた現像液が洗い流されて、膨潤がより抑制され、パターン倒れが抑制されるという効果が一層発揮される。
上記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、有機溶剤を含む現像液を用いる現像を行ったウェハを上記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(PostBake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
また、本発明は、レジスト塗布マスクブランクスを、露光及び現像して得られるフォトマスクにも関する。露光及び現像としては、上記に記載の工程が適用される。上記フォトマスクは半導体製造用として好適に使用される。
本発明におけるフォトマスクは、ArFエキシマレーザー等で用いられる光透過型マスクであっても、EUV光を光源とする反射系リソグラフィーで用いられる光反射型マスクであっても良い。
なお、本発明の組成物を用いてインプリント用モールドを作製してもよく、その詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報を参照できる。
本発明のレジストパターン形成方法は、DSA(Directed Self-Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACSNanoVol.4No.8Page4815-4823参照)にも用いることができる。
また、上記の方法によって形成されたレジストパターンは、例えば特開平3−270227号公報及び特開2013−164509号公報に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイス(好ましくは半導体デバイス)は、電気電子機器(家電、OA(Office Appliance)・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
<一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物>
本発明は、上記一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物にも関する。
化合物の詳細な説明については、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物に含有される化合物(A)と同様であり、本発明の化合物は、感放射線性又は感活性光線性組成物における架橋剤等として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
なお、試料8E、5F、及び5Cは参考例に読み替えるものとする。
化合物(A1)〜(A16)の構造式及び分子量を下記表1、表2、及び表3に、比較例で用いた化合物(R1)〜(R5)の構造式及び分子量(比較化合物(R1)については、繰り返し単位の組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、及び分散度(Mw/Mn))を下記表4に示した。
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
Figure 0006336136
〔実施例1E〕
(1)支持体の準備
酸化Cr蒸着した6インチシリコンウェハー(通常のフォトマスクブランクスに使用する遮蔽膜処理を施した物)を準備した。1インチは25.4mmである。
(2)レジスト塗布液の準備
(ネガ型レジスト組成物N1の塗布液組成)
高分子化合物(P1) 4.21g
一般式(I)で表される化合物(A1) 0.89g
光酸発生剤(z42) 0.47g
テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(B1) 0.04g
有機カルボン酸(D1) 0.11g
界面活性剤PF6320(OMNOVA(株)製)(W−1)
0.005g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(S1)(溶剤)
75.0g
プロピレングリコールモノメチルエーテル(S2)(溶剤)
18.8g
上記組成物溶液を0.04μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで精密ろ過して、レジスト塗布溶液を得た。
(3)レジスト膜の作成
上記6インチシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
(4)ネガ型レジストパターンの作製
このレジスト膜に、電子線描画装置((株)エリオニクス社製;ELS−7500、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。照射後に、120℃、90秒間ホットプレート上で加熱し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて60秒間浸漬した後、30秒間、水でリンスして乾燥した。
(5)レジストパタ−ンの評価
得られたパターンを下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)性能、ドライエッチング耐性、PEB時間依存性、PED安定性、及び線幅の面内均一性(CDU)について評価した。
〔感度〕
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのレジストパターンを解像するときの露光量(電子線照射量)を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
〔解像力〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小の線幅)をLS解像力(nm)とした。
〔パタ−ン形状〕
上記の感度を示す露光量(電子線照射量)における線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.2以上のものを「逆テーパー」とし、上記比率が1.05以上1.2未満のものを「やや逆テーパー」とし、上記比率が1.05未満のものを「矩形」として、評価を行った。
〔ラインエッジラフネス(LER)性能〕
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成した。そして、その長さ方向10μmに含まれる任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差(σ)を求め、その3倍値である3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔ドライエッチング耐性〕
上記の感度を示す照射量(電子線照射量)で全面照射を行うことにより形成したレジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C/Oガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
〔PEB時間依存性〕
120℃で90秒間の露光後加熱(PEB)した際に50nmの1:1ラインアンドスペースを再現する露光量を最適露光量とし、次に最適露光量で露光を行った後に、後加熱時間に対して、+10秒及び−10秒(100秒、80秒)の2つの時間で後加熱を行い、各々得られたラインアンドスペースを測長し、それらの線幅L1及びL2を求めた。PEB時間依存性(PEBS)をPEB時間変化1秒あたりの線幅の変動と定義し、下記の式により算出した。
PEB時間依存性(nm/秒)=|L1−L2|/20
値が小さいほど時間変化に対する性能変化が小さく良好であることを示す。
〔PED(Post Exposure time Delay)安定性〕
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が50nmとなる露光量において、露光後、速やかにPEB処理したライン線幅寸法(0h)と、5時間後にPEB処理したウェハー上のライン線幅寸法(5.0h)を測長し、線幅変化率を以下の式により算出した。
線幅変化率(%)=|ΔCD(5.0h−0h)|nm/50nm
値が小さいほど良好な性能であることを示し、PED安定性の指標とした。
〔線幅の面内均一性(CDU)〕
1:1ラインアンドスペースパターンの線幅が50nmとなる露光量において、各ラインパターン中の100個の線幅を測定し、その測定結果から算出した平均値の標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めて線幅の面内均一性(CDU)(nm)を評価した。以上から求められる3σは、その値が小さいほど、レジスト膜に形成された各ラインCDの面内均一性(CDU)が高いことを意味する。
〔実施例2E〜21E、及び比較例1ER〜比較例5ER〕
レジスト液処方で、下記表5及び表6に記載の成分を用いた以外は実施例1Eと同様にしてレジスト溶液(ネガ型レジスト組成物N2〜N21、ネガ型レジスト比較組成物NR1〜NR5)の調製、ネガ型パターン形成及びその評価を行った。
Figure 0006336136
Figure 0006336136
上記実施例又は比較例で用いた前掲以外の素材の略称を以下に記載する。
〔フェノール性水酸基を有する化合物〕
Figure 0006336136
〔塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物〕
B1:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
B2:トリ(n−オクチル)アミン
B3:2,4,5−トリフェニルイミダゾール
Figure 0006336136
〔有機カルボン酸〕
D1:2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸
D2:2−ナフトエ酸
D3:安息香酸
〔界面活性剤〕
W−1:PF6320(OMNOVA(株)製)
W−2:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)
S3:2−ヘプタノン
S4:乳酸エチル
S5:シクロヘキサノン
S6:γ−ブチロラクトン
S7:プロピレンカーボネート
〔光酸発生剤〕
Figure 0006336136
評価結果を表7に示す。
Figure 0006336136
表7に示す結果から、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いた実施例1E〜20Eは、比較例1ER〜5ERと比較して、電子線露光において、感度、解像力、パターン形状、LER性能及びドライエッチング耐性のすべてにおいてより優れ、PEB時間依存性がより低く、PED安定性により優れることが分かる。
なお、上記実施例において、フェノール性水酸基を有する化合物、光酸発生剤、塩基性化合物を前述の好ましい範囲内で変更しても、同様の性能を示す。
〔実施例1F〜6F及び比較例1FR〜5FR〕
下記表8に示したネガ型レジスト組成物を0.04μmの孔径を有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで精密ろ過して、レジスト塗布溶液を得た。
(レジスト膜の作成)
上記6インチシリコンウェハー上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いてレジスト塗布溶液を塗布し、110℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。すなわち、レジスト塗布マスクブランクスを得た。
(レジスト評価)
得られたレジスト膜に関し、下記の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)、PED安定性、線幅の面内均一性(CDU)及びドライエッチング耐性について評価した。
〔感度〕
得られたレジスト膜に、EUV露光装置(Exitech社製MicroExposureTool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用いて、露光量を0〜20.0mJ/cmの範囲で0.1mJ/cmずつ変えながら、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの反射型マスクを介して、露光を行った後、110℃で90秒間ベークした。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像した。
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースのマスクパターンを再現する露光量を感度とした。この値が小さいほど、感度が高い。
〔解像力〕
上記の感度を示す露光量における限界解像力(ラインとスペース(ライン:スペース=1:1)とが分離解像する最小の線幅)を解像力(nm)とした。
〔パターン形状〕
上記の感度を示す露光量における線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察した。ラインパターンの断面形状において、[ラインパターンのトップ部(表面部)における線幅/ラインパターンの中部(ラインパターンの高さの半分の高さ位置)における線幅]で表される比率が1.5以上のものを「逆テーパー」とし、上記比率が1.2以上1.5未満のものを「やや逆テーパー」とし、上記比率が1.2未満のものを「矩形」として、評価を行った。
〔ラインエッジラフネス(LER)〕
上記の感度を示す露光量で、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを形成した。そして、その長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、エッジがあるべき基準線からの距離を測定した。そして、この距離の標準偏差(σ)を求め、その3倍値である3σを算出した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。
〔PED(Post Exposure time Delay)安定性〕
50nmの1:1ラインアンドスペースパターンの線幅寸法が50nmとなる露光量において、露光後、速やかにPEB処理したライン線幅寸法(0h)と、5時間後にPEB処理したウェハー上のライン線幅寸法(5.0h)を測長し、線幅変化率を以下の式により算出した。
線幅変化率(%)=|ΔCD(5.0h−0h)|nm/50nm
値が小さいほど良好な性能であることを示し、PED安定性の指標とした。
〔ドライエッチング耐性〕
上記の感度を示す露光量(極紫外線露光量)で全面露光を行うことにより形成したレジスト膜を、HITACHI U−621でAr/C/Oガス(体積比率100/4/2の混合ガス)を用いて30秒間ドライエッチングを行った。その後レジスト残膜率を測定し、ドライエッチング耐性の指標とした。
非常に良好:残膜率95%以上
良好:95%未満90%以上
不良:90%未満
〔線幅の面内均一性(CDU)〕
1:1ラインアンドスペースパターンの線幅が50nmとなる露光量において、各ラインパターン中の100個の線幅を測定し、その測定結果から算出した平均値の標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めて線幅の面内均一性(CDU)(nm)を評価した。以上から求められる3σは、その値が小さいほど、レジスト膜に形成された各ラインCDの面内均一性(CDU)が高いことを意味する。
以上の評価結果を表8に示す。
Figure 0006336136
表8に示す結果から、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いた実施例1F〜6Fは、比較例1FR〜5FRと比較して、EUV露光において、感度、解像力、パターン形状及びLER性能のすべてにおいてより優れ、PED安定性により優れることが分かる。
〔実施例1C〜6C、並びに、比較例1CR〜5CR〕
(1)レジスト組成物の調製及びレジスト膜の作製
後掲の表9に示した組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、レジスト組成物を得た。
このレジスト組成物を、予めヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した6インチSiウェハ上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、100℃、90秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。
(2)EB露光及び現像
上記(1)で得られたレジスト膜が塗布されたウェハを、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。この際、1:1のラインアンドスペースが形成されるように描画を行った。電子線描画後、ホットプレート上で、110℃で60秒間加熱した後、表9に記載の有機系現像液をパドルして30秒間現像し、同表に記載のリンス液を用いてリンスをした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させた後、90℃で90秒間加熱を行うことにより、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンのレジストパターンを得た。
得られたレジスト膜に関し、実施例1Eと同様の方法で、感度、解像力、パタ−ン形状、ラインエッジラフネス(LER)、PEB時間依存性、線幅の面内均一性(CDU)及びPED安定性評価を行った。その結果を以下の表9に示す。
Figure 0006336136
上記実施例/比較例で用いた前掲以外の成分の略称を以下に記載する。
<現像液・リンス液>
S8:酢酸ブチル
S9:酢酸ペンチル
S10:アニソール
S11:1−ヘキサノール
S12:デカン
表9に示す結果から、本発明の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いた実施例1C〜6Cは、比較例1CR〜5CRと比較して、EB露光において、感度、解像力、パターン形状、LER性能、及びドライエッチング耐性のすべてにおいてより優れ、PEB時間依存性がより低く、PED安定性により優れることが分かる。
本発明によれば、特に極微細(例えば線幅50nm以下)のパターン形成において、感度、解像力、パターン形状、ラインエッジラフネス性能、PEB時間依存性、PED安定性、ドライエッチング耐性、及び線幅の面内均一性(CDU)のすべてにおいて極めて高次元のレベルで優れた感放射線性又は感活性光線性組成物、並びに、それを用いた膜、マスクブランクス、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することができる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2015年1月27日出願の日本特許出願(特願2015−013351)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

Claims (14)

  1. 一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物と、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、
    を含有する感放射線性又は感活性光線性組成物。
    Figure 0006336136

    式中、
    Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
    Aは、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基を表す。
    及びRは、各々独立に、水素原子、又は無置換アルキル基を表す。但し、すべてのRとすべてのRとが同時に水素原子であることは無い。
    mは、2以上の整数を表す。
    、1以上の整数を表す。
    数のR、複数のR及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    数のAは同じでも異なっていてもよい。
    Yは、ヘテロ原子を有するm価の基を表す。
    Aと、R及びRの少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
    とRとは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
  2. 前記R 及びR がメチル基を表す、請求項1に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
  3. 更に、一般式(II)で表される構造単位を有する高分子化合物を含有する、請求項1又は2に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
    Figure 0006336136

    式中、
    は水素原子、有機基、又はハロゲン原子を表す。
    は単結合又は2価の連結基を表す。
    Arは芳香環基を表す。
    は1以上の整数を表す。
  4. 一般式(I)で表され、分子量が450以上2000以下である化合物と、
    活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、
    一般式(II)で表される構造単位を有する高分子化合物と、
    を含有する感放射線性又は感活性光線性組成物。
    Figure 0006336136

    式中、
    Xは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アシル基を表す。
    Aは、芳香族炭化水素基、芳香族ヘテロ環基、又は、脂環基を表す。
    及びR は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又は、アリール基を表す。但し、すべてのR とすべてのR とが同時に水素原子であることは無い。
    mは、2以上の整数を表す。
    nは、1以上の整数を表す。
    複数のR 、複数のR 及び複数のXはそれぞれ同じでも異なっていてもよい。
    複数のAは同じでも異なっていてもよい。
    Yは、ヘテロ原子を有するm価の基を表す。
    Aと、R 及びR の少なくとも1つとは、結合して環を形成してもよい。
    とR とは互いに結合して、これらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。
    Figure 0006336136

    式中、
    は水素原子、有機基、又はハロゲン原子を表す。
    は単結合又は2価の連結基を表す。
    Ar は芳香環基を表す。
    は1以上の整数を表す。
  5. 前記Yは、ヘテロ原子及び環構造を有するm価の基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
  6. 前記酸発生剤がスルホニウム塩である、請求項1〜のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
  7. 更に、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下する、塩基性化合物又はアンモニウム塩化合物を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
  8. 電子線又は極紫外線露光用化学増幅ネガ型レジスト組成物である請求項1〜のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物を用いて形成された感放射線性又は感活性光線性膜。
  10. 請求項に記載の感放射線性又は感活性光線性膜を備えたマスクブランクス。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の感放射線性又は感活性光線性組成物を基板上に塗布して膜を形成する工程、
    前記膜を露光する工程、及び
    露光した前記膜を現像してネガ型レジストパターンを形成する工程
    を含むレジストパターン形成方法。
  12. 請求項に記載の感放射線性又は感活性光線性膜を有するマスクブランクスを露光する工程、及び、
    前記露光されたマスクブランクスを現像する工程
    を含む、レジストパターン形成方法。
  13. 前記露光が、電子線又は極紫外線を用いて行われる請求項11又は12に記載のレジストパターン形成方法。
  14. 請求項11に記載のレジストパターン形成方法を含む電子デバイスの製造方法。
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