JP7029462B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
フォトンショットノイズを減らすには、露光量を大きくして(言い換えると、低感度化して)入射フォトン数を増やすことが有効であるが、これは昨今の高感度化要求とトレードオフとなる。そこで、本発明者らは、感度を低下させずにフォトンショットノイズを減らす方法として、最低空軌道(LUMO:Lowest Unoccupied Molecular Orbital)準位の低いカチオンを含む酸発生剤(言い換えると電子受容性の高いカチオンを含む酸発生剤)を用いる方法を検討した。上記LUMO準位の低いカチオンを含む酸発生剤は、EUV及び電子線等の高エネルギー線を利用する露光時に、樹脂等から発生する二次電子を効率良く吸収して酸を発生すると考えられ、この結果として、感度を低下させずにLWRを向上できると推測される。しかし、一方で、本発明者らは、酸発生剤はLUMO準位が低いほど保存安定性が悪いことも知見した。つまり、上記酸発生剤を含む感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、酸発生剤の分解によって、長期期間の保管が困難であることを知見した。
また、本発明は、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することも課題とする。
すなわち、以下の構成により上記目的を達成できることを見出した。
上記酸発生剤が、
最低空軌道準位が-7.0eV以上-5.0eV未満のカチオンを含む酸発生剤Aと、
pKaが-3.0~5.0のイミド化合物を発生酸とする酸発生剤B、及びpKaが-3.0~3.5のカルボン酸基又はスルホン酸基含有化合物を発生酸とする酸発生剤Cからなる群より選ばれる1種以上と、を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔2〕 上記酸発生剤Aが、後述する一般式(ZI)で表されるカチオンを含む、〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔3〕 上記Rcのうち少なくとも1つが、フッ素原子を含む置換基である、〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔4〕 上記一般式(ZI)で表されるカチオンが、後述する一般式(ZII)で表されるカチオンである、〔2〕又は〔3〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕 上記酸発生剤Bの発生酸及び上記酸発生剤Cの発生酸のpKaが、上記酸発生剤Aから発生する発生酸のpKaよりも大きい、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕 上記酸発生剤B及び上記酸発生剤Cが、オニウム塩である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔7〕 上記樹脂が、ハロゲン原子を含む、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔8〕 上記ハロゲン原子が、フッ素原子又はヨウ素原子である、〔7〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔9〕 〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜。
〔10〕 〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
上記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された上記レジスト膜を、現像液を用いて現像する現像工程と、を含むパターン形成方法。
〔11〕 〔10〕に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
また、本発明によれば、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法を提供できる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に制限されない。
本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet)、X線、及び電子線(EB:Electron Beam)等を意味する。本明細書中における「光」とは、活性光線又は放射線を意味する。
本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV)、及びX線等による露光のみならず、電子線、及びイオンビーム等の粒子線による描画も含む。
本明細書において、「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(置換基T)
置換基Tとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert-ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp-トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;水酸基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホ基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)の特徴点としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤として、下記酸発生剤Aと、下記酸発生剤B又は下記酸発生剤Cと、を含む点が挙げられる。
酸発生剤A:最低空軌道準位(LUMO準位)が-7.0eV以上-5.0eV未満のカチオンを含む酸発生剤
酸発生剤B:pKa(酸解離定数)が-3.0~5.0のイミド化合物を発生酸とする酸発生剤
酸発生剤C:pKa(酸解離定数)が-3.0~3.5のカルボン酸基又はスルホン酸基含有化合物を発生酸とする酸発生剤
本発明者らは、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の保存安定性について検討を行ったところ、低LUMO準位のカチオンを有する酸発生剤の分解が生じる理由として、組成物中に含まれるいわゆる酸拡散制御剤(主に塩基性化合物)による求核攻撃が原因の一つであることを明らかとした。酸拡散制御剤とは、露光時に酸発生剤等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用する成分である。
本発明者らの検討の結果、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、酸発生剤Aと、クエンチャーとして、酸発生剤B及び酸発生剤Cのいずれか一方とを含む場合、高感度でありながら、保存安定性にも優れることを明らかとした。また、上記組成物により形成されるパターンは、LWRも優れる。
更に、上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は高感度であるため、得られるパターンはLWRにも優れる。
本発明の組成物は、典型的には、化学増幅型のレジスト組成物である。
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(酸発生剤)として、下記酸発生剤Aと、下記酸発生剤B又は下記酸発生剤Cとを含む。
酸発生剤A:最低空軌道準位(LUMO準位)が-7.0eV以上-5.0eV未満のカチオンを含む酸発生剤
酸発生剤B:pKaが-3.0~5.0のイミド化合物を発生酸とする酸発生剤
酸発生剤C:pKaが-3.0~3.5のカルボン酸基又はスルホン酸基含有化合物を発生酸とする酸発生剤
以下に、酸発生剤A、酸発生剤B、及び酸発生剤Cについてそれぞれ説明する。
以下に、まず、酸発生剤Aについて説明する。
酸発生剤Aは、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
酸発生剤Aが、低分子化合物の形態である場合、その分子量は、3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、1000以下が更に好ましい。
酸発生剤Aは、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、後述する樹脂(X)の一部に組み込まれてもよく、上記樹脂(X)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
なかでも、酸発生剤Aは、低分子化合物の形態であることが好ましい。
酸発生剤Aとしては、最低空軌道準位(LUMO準位)が-7.0eV以上-5.0eV未満のカチオンを含む酸発生剤であれば特に制限されず、活性光線又は放射線(好ましくは、EUV及び電子線)の照射により、有機酸を発生する化合物が好ましい。
上記有機酸としては、例えば、スルホン酸、ビス(アルキルスルホニル)イミド、及びトリス(アルキルスルホニル)メチドの少なくともいずれかが好ましい。
以下に、酸発生剤Aについて、カチオン部及びアニオン部に分けて説明する。
酸発生剤Aのカチオン部としては、LUMO準位が-7.0eV以上-5.0eV未満であれば特に制限されず、例えば、下記一般式(ZI)で表されるカチオンであって、且つLUMO準位が-7.0eV以上-5.0eV未満のものが挙げられる。
なお、本明細書中、酸発生剤AのLUMO準位は、量子化学計算プログラムGaussian09(米ガウシアン社製)を使用し、下記の条件で測定される値である。
・密度汎関数法
・汎関数:B3LYP
・基底関数:TZVP
上記置換基としては、なかでもEUV及び電子線に対する吸収効率により優れる点で、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子、又はヨウ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。)、又はフッ素原子等のハロゲン原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1~10であり、より好ましくは炭素数が1~6である。また、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。)が好ましく、フッ素原子等のハロゲン原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1~10であり、より好ましくは炭素数が1~6である。また、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。)がより好ましい。
また、一般式(ZI)中、置換基の少なくとも一つは、LUMO準位をより低くできる点、及びEUV及び電子線に対する吸収効率により優れる点で、フッ素原子を含む置換基であることが好ましい。つまり、一般式(ZI)中、Rcで表される置換基のうち少なくとも1つが、フッ素原子を含む置換基であることが好ましい(つまり、一般式(ZI)中、qが1である場合、Rcで表される置換基はフッ素原子を含む置換基を表し、qが2以上である場合、Rcで表される置換基は、少なくとも1つがフッ素原子を含む置換基を表す意図である)。フッ素原子を含む置換基としては、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されたアルキル基(好ましくは炭素数1~10であり、より好ましくは炭素数が1~6である。また、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。)が好ましい。
上記qは、LUMO準位をより低くできる点で、1~3が好ましい。
上記o、及び上記pは、LUMO準位をより低くできる点で、各々独立に、0~3が好ましく、1~3がより好ましい。
また、pが2以上の場合には、複数のRbは互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのRbは互いに結合して環を形成してもよい。
また、qが2以上の場合には、複数のRcは互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのRcは互いに結合して環を形成してもよい。
上記一般式(ZII)中、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2は、各々独立に、フッ素原子を含む置換基である。フッ素原子を含む置換基としては、上述のとおりである。
上記一般式(ZII)中、oは1~3の整数を表す。
酸発生剤Aは、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を含むことが好ましい。
非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、及びカンファースルホン酸アニオン等)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、及びアラルキルカルボン酸アニオン等)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、及びトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等が挙げられる。
また、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおけるアルキル基は、互いに結合して環構造を形成してもよい。これにより、酸強度が増加する。
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び-(D-B)基以外の置換基を更に有していてもよい。更に有してもよい置換基としては、フッ素原子及び水酸基等が挙げられる。
D-B基としては、Dは単結合であり、かつ、Bは脂肪族炭化水素である基が好ましい。Bは、イソプロピル基又はシクロヘキシル基が好ましい。
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
R1及びR2は、各々独立に、水素原子、フッ素原子、又はアルキル基を表し、複数存在する場合のR1及びR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
Lは、二価の連結基を表し、複数存在する場合のLは同一でも異なっていてもよい。
Aは、環状の有機基を表す。
xは1~20の整数を表し、yは0~10の整数を表し、zは0~10の整数を表す。
Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1~10が好ましく、1~4がより好ましい。また、Xfのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfとしては、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基が好ましい。Xfの具体例としては、フッ素原子、CF3、C2F5、C3F7、C4F9、CH2CF3、CH2CH2CF3、CH2C2F5、CH2CH2C2F5、CH2C3F7、CH2CH2C3F7、CH2C4F9、及びCH2CH2C4F9等が挙げられ、中でも、フッ素原子、又はCF3が好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが好ましい。
R1及びR2としては、フッ素原子又はCF3が好ましい。
yは0~4が好ましく、0がより好ましい。
zは0~5が好ましく、0~3がより好ましい。
Lの2価の連結基としては特に制限されず、-COO-、-OCO-、-CO-、-O-、-S―、-SO-、-SO2-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及びこれらの複数が連結した連結基等が挙げられ、総炭素数12以下の連結基が好ましい。中でも、-COO-、-OCO-、-CO-、又は-O-が好ましく、-COO-、又は-OCO-がより好ましい。
脂環基としては、単環でも多環でもよく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましく、その他にも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の炭素数7以上のかさ高い構造を有する脂環基が、露光後加熱工程での膜中拡散性を抑制でき、MEEF(Mask Error Enhancement Factor)向上の観点から好ましい。
芳香環基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナンスレン環、及びアントラセン環等が挙げられる。
複素環基としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環等由来のものが挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、又はピリジン環由来のものが好ましい。
なお、下記一般式(LC1-1)~(LC1-17)中、置換基(Rb2)としては、炭素数1~8のアルキル基、炭素数4~7のシクロアルキル基、炭素数1~8のアルコキシ基、炭素数2~8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び酸分解性基等が挙げられ、炭素数1~4のアルキル基、シアノ基、又は酸分解性基が好ましい。n2は、0~4の整数を表す。n2が2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよい。また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
体積の値の計算にあたっては、まず、各例に係る酸の化学構造を入力し、次に、この構造を初期構造としてMM(Molecular Mechanics)3法を用いた分子力場計算により、各酸の最安定立体配座を決定し、その後、これら最安定立体配座についてPM(Parameterized Model)3法を用いた分子軌道計算を行うことにより、各酸の「accessible volume」を計算できる。
本発明の組成物中、酸発生剤Aの含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分に対して、0.1~50質量%が好ましく、5~40質量%がより好ましく、5~30質量%が更に好ましい。
次に、酸発生剤Bについて説明する。
酸発生剤Bは、pKaが-3.0~5.0のイミド化合物を発生酸とする酸発生剤である。
なお、本明細書において、酸解離定数pKaとは、水溶液中での酸解離定数pKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に記載のものであり、この値が低いほど酸強度が大きいことを示している。水溶液中での酸解離定数pKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測でき、また、下記ソフトウェアを用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアを用いて計算により求めた値を示している。
ソフトウェア:Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) pKa Database V8.0
脂肪族炭化水素基としては特に制限されず、アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)が好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は特に制限されず、例えば、1~15が好ましく、1~10がより好ましく、1~6が更に好ましい。
芳香族炭化水素基としては特に制限されず、その炭素数は、例えば、1~20であり、フェニル基が好ましい。
MB +としては特に制限されず、例えば、下記一般式(WI)で表されるカチオン、又は一般式(WII)で表されるカチオンが好ましい。
R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1~30であり、好ましくは1~20である。
また、R201~R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201~R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)及び-CH2-CH2-O-CH2-CH2-が挙げられる。
一般式(WI-1)で表されるカチオンは、上記一般式(WI)のR201~R203の少なくとも1つがアリール基であるアリールスルホニウムカチオンである。
アリールスルホニウムカチオンは、R201~R203の全てがアリール基でもよいし、R201~R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
アリールスルホニウムカチオンとしては、例えば、トリアリールスルホニウムカチオン、ジアリールアルキルスルホニウムカチオン、アリールジアルキルスルホニウムカチオン、ジアリールシクロアルキルスルホニウムカチオン、及びアリールジシクロアルキルスルホニウムカチオンが挙げられる。
アリールスルホニウムカチオンが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1~15の直鎖状アルキル基、炭素数3~15の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3~15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(WI-2)で表されるカチオンは、一般式(WI)におけるR201~R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表すカチオンである。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
R201~R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1~30であり、炭素数1~20が好ましい。
R201~R203は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基、2-オキソシクロアルキル基、又はアルコキシカルボニルメチル基がより好ましく、直鎖状又は分岐鎖状の2-オキソアルキル基が更に好ましい。
R201~R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1~5)、水酸基、シアノ基、又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
一般式(WII)中、R204、及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基、又はシクロアルキル基を表す。
R204及びR205で表されるアリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204及びR205で表されるアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン等が挙げられる。
R204及びR205で表されるアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1~10の直鎖状アルキル基若しくは炭素数3~10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、又は、炭素数3~10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1~4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCF3であることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが更に好ましい。
2価の連結基としては、例えば、-COO-、-OCO-、-CONH-、-NHCO-、-CO-、-O-、-S-、-SO-、-SO2-、アルキレン基(好ましくは炭素数1~6)、及び、炭素原子がヘテロ原子で置換されていてもよいシクロアルキレン基(好ましくは炭素数3~15)が挙げられる。
環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の炭素数7以上の嵩高い構造を有する脂環基が好ましい。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよいし、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環、及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。
tは、0~10の整数を表し、1~5の整数が好ましい。
次に、酸発生剤Cについて説明する。
酸発生剤Cは、pKaが-3.0~3.5のカルボン酸基又はスルホン酸基含有化合物を発生酸とする酸発生剤である。
なお、酸解離定数pKaの定義については、上述のとおりである。
一般式(ZVI)中、Rgは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
一般式(ZV)及び一般式(ZVI)中、MC +は、カチオンを表す。
脂肪族炭化水素基としては特に制限されず、アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)が好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は特に制限されず、例えば、1~15であり、1~10が好ましく、1~6が更に好ましい。
芳香族炭化水素基としては特に制限されず、その炭素数は、例えば、1~20であり、フェニル基が好ましい。
なお、Rfで表される炭化水素基は、上記電子求引性基以外の置換基を有していてもよい。上記置換基としては、水酸基、アルコキシ基、及びアミノ基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては特に制限されず、アルキル基(直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。)が好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は特に制限されず、例えば、1~15であり、1~10が好ましい。なお、脂肪族炭化水素基の炭素数はカルボニル炭素で置換されていてもよい。
芳香族炭化水素基としては特に制限されず、その炭素数は、例えば、1~20であり、フェニル基が好ましい。
MC +としては、上述したMB +と同義であり、好適態様も同じである。
rは、1~5の整数を表し、1~3が好ましい。
なお、rが2以上場合には、複数のRhは互いに同一でも異なっていてもよい。
なお、MC +は、上述した通りである。
本発明の組成物中、酸発生剤B及び酸発生剤Cから選ばれる酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分に対して、0.5~20質量%が好ましく、1.0~15質量%がより好ましく、2.0~10質量%が更に好ましい。
本発明の組成物は、酸の作用により極性が増大する樹脂(以下、「樹脂(X)」ともいう。)を含む。
なお、樹脂(X)は、上述のとおり、酸の作用により極性が増大する樹脂である。したがって、後述する本発明のパターン形成方法において、典型的には、現像液としてアルカリ現像液を採用した場合には、ポジ型パターンが好適に形成され、現像液として有機系現像液を採用した場合には、ネガ型パターンが好適に形成される。
上記樹脂(X)は、酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造を有する繰り返し単位(以下、「酸分解性繰り返し単位」ともいう。)を有することが好ましい。つまり、樹脂(X)は、酸の作用により分解して極性基を生じる基(以下「酸分解性基」ともいう。)を有する繰り返し単位を有することが好ましい。この繰り返し単位を有する樹脂は、酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大し、有機溶剤に対する溶解度が減少する。
酸の作用により脱離する脱離基で極性基が保護された構造(酸分解性基)を有する繰り返し単位における極性基としては、アルカリ可溶性基が好ましく、例えば、カルボキシ基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及び、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基、並びに、アルコール性水酸基等が挙げられる。
なかでも、極性基としては、カルボキシ基、フェノール性水酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、又は、スルホン酸基が好ましい。
式(Y1):-C(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y2):-C(=O)OC(Rx1)(Rx2)(Rx3)
式(Y3):-C(R36)(R37)(OR38)
式(Y4):-C(Rn)(H)(Ar)
なかでも、Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表すことが好ましく、Rx1~Rx3は、それぞれ独立に、直鎖状のアルキル基を表すことがより好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して、単環又は多環を形成してもよい。
Rx1~Rx3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及び、t-ブチル基等の炭素数1~4のアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及び、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、並びに、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及び、アダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましく、炭素数5~6の単環のシクロアルキル基がより好ましい。
Rx1~Rx3の2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
式(Y1)又は式(Y2)で表される基は、例えば、Rx1がメチル基又はエチル基であり、Rx2とRx3とが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいシクロアルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよいアリール基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基、アルデヒド基、又は、これらを組み合わせた基(例えば、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
アルキル基及びシクロアルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
なお、L1及びL2のうち一方は水素原子であり、他方はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又は、アルキレン基とアリール基とを組み合わせた基であることが好ましい。
Q、M、及び、L1の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員環又は6員環)を形成してもよい。
レジストパターンの微細化の点では、L2が2級又は3級アルキル基であることが好ましく、3級アルキル基であることがより好ましい。2級アルキル基としては、イソプロピル基、シクロヘキシル基及びノルボルニル基が挙げられ、3級アルキル基としては、tert-ブチル基及びアダマンタン基が挙げられる。これらの態様では、Tg(ガラス転移温度)及び活性化エネルギーが高くなるため、膜強度の担保に加え、かぶりの抑制ができる。
樹脂(X)は、酸分解性繰り返し単位として、後述する繰り返し単位X1、後述する繰り返し単位X2、及び/又は後述する繰り返し単位X3を含むことが好ましい。
樹脂(X)としては特に制限されないが、酸分解性繰り返し単位として、フェノール性水酸基が酸の作用により分解して脱離する脱離基で保護された構造(酸分解性基)を有する繰り返し単位(以下、「繰り返し単位X1」ともいう。)を含むことが好ましい。なお、本明細書において、フェノール性水酸基とは、芳香族炭化水素基の水素原子をヒドロキシル基で置換してなる基である。芳香族炭化水素基の芳香環は単環又は多環の芳香環であり、ベンゼン環及びナフタレン環等が挙げられる。
R61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はAr6と結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
X6は、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
L6は、単結合又はアルキレン基を表す。
Ar6は、(n+1)価の芳香族炭化水素基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香族炭化水素基を表す。
Y2は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Y2の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。Y2としての酸の作用により脱離する基は、式(Y1)~(Y4)で表される基であることが好ましい。
nは、1~4の整数を表す。
一般式(AII)におけるR61、R62及びR63で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(AII)におけるR61、R62及びR63で表されるアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R61、R62及びR63におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
(n+1)価の芳香族炭化水素基は、更に置換基を有していてもよい。
X6により表される-CONR64-(R64は、水素原子又はアルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、置換基を有していてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及びドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以下のアルキル基がより好ましい。
X6としては、単結合、-COO-、又は-CONH-が好ましく、単結合、又は-COO-がより好ましい。
Ar・BR>Uとしては、置換基を有していてもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、又はビフェニレン環基がより好ましい。なかでも、一般式(AII)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位であることが好ましい。即ち、Ar6は、ベンゼン環基であることが好ましい。
樹脂(X)は、酸分解性繰り返し単位として、-COOH基が脱離基で保護された構造(酸分解性基)を有する繰り返し単位X2を含んでいてもよい。
繰り返し単位X2としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
Xa1は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx1~Rx3は、各々独立に、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx1~Rx3のいずれか2つが結合して環構造を形成してもよく、形成しなくてもよい。
Tは、単結合又は-COO-Rt-が好ましい。Rtは、炭素数1~5の鎖状アルキレン基が好ましく、-CH2-、-(CH2)2-、又は-(CH2)3-がより好ましい。Tは、単結合であることがより好ましい。
Xa1のアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、水酸基、及びハロゲン原子(好ましくは、フッ素原子)が挙げられる。
Xa1のアルキル基は、炭素数1~4が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基及びトリフルオロメチル基等が挙げられる。Xa1のアルキル基は、メチル基であることが好ましい。
Rx1、Rx2及びRx3のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基、又はノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。
樹脂(X)としては、酸分解性繰り返し単位として、下記一般式(A)で表される酸分解性繰り返し単位(以下、「繰り返し単位X3」ともいう。)を含んでいてもよい。なお、繰り返し単位X3は、上述した繰り返し単位X1、及び繰り返し単位X2を含まない。
L1は、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい2価の連結基を表す。フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい2価の連結基としては、-CO-、-O-、-S―、-SO-、―SO2-、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい炭化水素基(例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等)、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。なかでも、L1としては、-CO-、又は、-アリーレン基-フッ素原子若しくはヨウ素原子を有するアルキレン基-が好ましい。
アリーレン基としては、フェニレン基が好ましい。
アルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキレン基の炭素数は特に制限されないが、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキレン基に含まれるフッ素原子及びヨウ素原子の合計数は特に制限されず、2以上が好ましく、2~10がより好ましく、3~6が更に好ましい。
アルキル基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の炭素数は特に制限されず、1~10が好ましく、1~3がより好ましい。
フッ素原子又はヨウ素原子を有するアルキル基に含まれるフッ素原子及びヨウ素原子の合計数は特に制限されず、1以上が好ましく、1~5がより好ましく、1~3が更に好ましい。
なかでも、脱離基としては、式(Z1)~(Z4)で表される基が挙げられる。
式(Z1):-C(Rx11)(Rx12)(Rx13)
式(Z2):-C(=O)OC(Rx11)(Rx12)(Rx13)
式(Z3):-C(R136)(R137)(OR138)
式(Z4):-C(Rn1)(H)(Ar1)
Rx11~Rx13は、フッ素原子又はヨウ素原子を有していてもよい点以外は、上述した(Y1)及び(Y2)中のRx1~Rx3と同じであり、アルキル基及びシクロアルキル基の定義及び好適範囲と同じである。
なお、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基には、フッ素原子及びヨウ素原子以外に、酸素原子等のヘテロ原子が含まれていてもよい。つまり、上記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及び、アラルキル基は、例えば、メチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
M1は、単結合又は2価の連結基を表す。
Q1は、フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群から選択されるヘテロ原子を有していてもよいアルキル基;フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群から選択されるヘテロ原子を有していてもよいシクロアルキル基;フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群から選択されるアリール基;アミノ基;アンモニウム基;メルカプト基;シアノ基;アルデヒド基;又は、これらを組み合わせた基(例えば、フッ素原子、ヨウ素原子及び酸素原子からなる群から選択されるヘテロ原子を有していてもよい、アルキル基とシクロアルキル基とを組み合わせた基)を表す。
樹脂(X)は、上述した酸分解性繰り返し単位(繰り返し単位X1、繰り返し単位X2、又は繰り返し単位X3)以外に、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位X4を含むことが好ましい。なお、繰り返し単位X4は、酸分解性基を有さない。樹脂(X)は、繰り返し単位X4を含むことにより、アルカリ現像時の溶解速度により優れる。
繰り返し単位X4としては、ヒドロキシスチレン繰り返し単位、又は、アクリレート系繰り返し単位が挙げられる。繰り返し単位X4としては、なかでも、下記一般式(I)で表される繰り返し単位が好ましい。
R41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はAr4と結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
X4は、単結合、-COO-、又は-CONR64-を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
L4は、単結合又は2価の連結基を表す。
Ar4は、(n+1)価の芳香族炭化水素基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香族炭化水素基を表す。
nは、1~5の整数を表す。
一般式(I)で表される繰り返し単位を高極性化する目的では、nが2以上の整数、又はX4が-COO-、又は-CONR64-であることも好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及びR43で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(I)におけるR41、R42、及びR43で表されるアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R41、R42、及びR43におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
(n+1)価の芳香族炭化水素基は、更に置換基を有していてもよい。
X4により表される-CONR64-(R64は、水素原子又はアルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、置換基を有していてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、及びドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以下のアルキル基がより好ましい。
X4としては、単結合、-COO-、又は-CONH-が好ましく、単結合、又は-COO-がより好ましい。
Ar4としては、置換基を有していてもよい炭素数6~18の芳香族炭化水素基が好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、又はビフェニレン環基がより好ましい。なかでも、一般式(I)で表される繰り返し単位は、ヒドロキシスチレンに由来する繰り返し単位であることが好ましい。即ち、Ar4は、ベンゼン環基であることが好ましい。
また、樹脂(X)は、側鎖にラクトン構造を有する繰り返し単位(以下「繰り返し単位X5」ともいう。)を含んでいることが好ましい。なお、繰り返し単位X5は、上述した繰り返し単位X1、繰り返し単位X2、繰り返し単位X3、及び繰り返し単位X4を含まない。
樹脂(X)は、下記一般式(LC1-1)~(LC1-21)のいずれかで表されるラクトン構造を含むことが更に好ましい。好ましい構造としては、一般式(LC1-1)、一般式(LC1-4)、一般式(LC1-5)、一般式(LC1-8)、一般式(LC1-16)、若しくは一般式(LC1-21)で表されるラクトン構造が挙げられる。
Aは、エステル結合(-COO-で表される基)又はアミド結合(-CONH-で表される基)を表す。
nは、-R0-Z-で表される構造の繰り返し数であり、0~5の整数を表し、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。nが0である場合、-R0-Z-は存在せず、単結合となる。
R0は、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。R0が複数個ある場合、R0は、各々独立に、アルキレン基、シクロアルキレン基、又はその組み合わせを表す。
Zは、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。Zが複数個ある場合には、Zは、各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。
R8は、ラクトン構造を有する1価の有機基を表す。
R7は、水素原子、ハロゲン原子又は1価の有機基(好ましくはメチル基)を表す。
Zとしては、エーテル結合、又はエステル結合が好ましく、エステル結合がより好ましい。
樹脂(X)は、酸基を有する他の繰り返し単位(以下、「繰り返し単位X6」ともいう。)を含むことが好ましい。なお、繰り返し単位X6は、繰り返し単位X1、繰り返し単位X2、繰り返し単位X3、繰り返し単位X4、及び繰り返し単位X5を含まない。
繰り返し単位X6が含む酸基としては、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
酸基としては、フッ素化アルコール基(ヘキサフルオロイソプロパノールが好ましい。)、スルホンイミド基、又はビス(アルキルカルボニル)メチレン基が好ましく、フッ素化アルコール基(ヘキサフルオロイソプロパノールが好ましい。)がより好ましい。
更に、樹脂(X)は、上述した繰り返し単位以外の更に他の繰り返し単位を含んでいてもよい。
なお、本明細書において、樹脂(X)のガラス転移温度(Tg)は、以下の方法で算出する。まず、樹脂(X)中に含まれる各繰り返し単位のみからなるホモポリマーのTgを、Bicerano法によりそれぞれ算出する。以後、算出されたTgを、「繰り返し単位のTg」という。次に、樹脂(X)中の全繰り返し単位に対する、各繰り返し単位の質量割合(%)を算出する。次に、各繰り返し単位のTgとその繰り返し単位の質量割合との積をそれぞれ算出して、それらを総和して、樹脂(X)のTg(℃)とする。
Bicerano法はPrediction of polymer properties, Marcel Dekker Inc, New York(1993)等に記載されている。またBicerano法によるTgの算出は、ポリマーの物性概算ソフトウェアMDL Polymer(MDL Information Systems, Inc.)を用いて行うことができる。
(a)主鎖への嵩高い置換基の導入
(b)主鎖への複数の置換基の導入
(c)主鎖近傍への樹脂(X)間の相互作用を誘発する置換基の導入
(d)環状構造での主鎖形成
(e)主鎖への環状構造の連結
なお、樹脂(X)は、ホモポリマーのTgが130℃以上を示す繰り返し単位を有することが好ましい。
なお、ホモポリマーのTgが130℃以上を示す繰り返し単位の種類は特に制限されず、Bicerano法により算出されるホモポリマーのTgが130℃以上である繰り返し単位であればよい。なお、後述する一般式(A)~一般式(E)で表される繰り返し単位中の官能基の種類によっては、ホモポリマーのTgが130℃以上を示す繰り返し単位に該当する。
一般式(A)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記繰り返し単位が挙げられる。
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’’又は-COOR’’’:R’’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボキシ基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換機を有してもよい。また、Raで表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
また、R’及びR’’は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’’又は-COOR’’’:R’’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボキシ基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換機を有してもよい。また、R’及びR’’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、-COO-、-CO-、-O-、-S―、-SO-、-SO2-、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、及び、これらの複数が連結した連結基等が挙げられる。
m及びnは、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。m及びnの上限は特に制限されず、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
また、有機基の少なくとも1つが、繰り返し単位中の主鎖に直接環構造が連結している基である場合、他の有機基の種類は特に制限されない。
また、有機基のいずれも繰り返し単位中の主鎖に直接環構造が連結している基ではない場合、有機基の少なくとも2つ以上は、水素原子を除く構成原子の数が3つ以上である置換基である。
R’は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボキシ基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換機を有してもよい。また、R’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
mは0以上の整数を表す。mの上限は特に制限されず、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
としては、置換機を有してもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、及び、エステル基(-OCOR又は-COOR:Rは炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)等が挙げられる。
R’は、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、及び、アルケニル基等の有機基が挙げられる。なお、有機基中の水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
上記式中、R’は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボキシ基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換機を有してもよい。また、R’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
mは0以上の整数を表す。mの上限は特に制限されず、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
「Cyclic」は、主鎖の炭素原子を含む環状基である。環状基に含まれる原子数は特に制限されない。
R’は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、ハロゲン原子、エステル基(-OCOR’’又は-COOR’’:R’’は炭素数1~20のアルキル基又はフッ素化アルキル基)、又は、カルボキシ基を表す。なお、上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アリール基、上記アラルキル基、及び、上記アルケニル基は、それぞれ、置換機を有してもよい。また、R’で表される基中の炭素原子に結合している水素原子は、フッ素原子又はヨウ素原子で置換されていてもよい。
mは0以上の整数を表す。mの上限は特に制限されず、2以下の場合が多く、1以下の場合がより多い。
また、一般式(E-2)、一般式(E-4)、一般式(E-6)、及び、一般式(E-8)中、2つRは互いに結合して環を形成していてもよい。
本発明の組成物中、樹脂(X)の含有量は、全固形分中に対して、一般的に30質量%以上の場合が多く、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。上限は特に制限されず、95質量%以下が好ましい。
なお、樹脂(X)は、感度がより優れ、且つ、LWRがより優れる点で、ハロゲン原子を含むことが好ましい。つまり、上記樹脂(X)は、上述した繰り返し単位X1~X6がハロゲン原子を含んでいてもよいし、これらの繰り返し単位以外に、更に、ハロゲン原子を含む繰り返し単位を含んでいてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、又はヨウ素原子が好ましい。
本発明の組成物は、溶剤を含む。
溶剤としては、下記成分(M1)及び下記成分(M2)のいずれか一方を少なくとも含むことが好ましく、なかでも、下記成分(M1)を含むことがより好ましい。
溶剤が下記成分(M1)を含む場合、溶剤は、実質的に成分(M1)のみからなるか、又は、成分(M1)及び成分(M2)を少なくとも含む混合溶剤であることが好ましい。
成分(M1):プロピレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート
成分(M2):下記成分(M2-1)から選ばれる溶剤か、又は、下記成分(M2-2)から選ばれる溶剤
成分(M2-1):プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、酪酸ブチル、アルコキシプロピオン酸エステル、鎖状ケトン、環状ケトン、ラクトン、又はアルキレンカーボネート
成分(M2-2):引火点(以下、fpともいう)が37℃以上である溶剤
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、又はプロピレングリコールモノエチルエーテルが好ましい。
乳酸エステルとしては、乳酸エチル、乳酸ブチル、又は乳酸プロピルが好ましい。
酢酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、酢酸イソアミル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、又は酢酸3-メトキシブチルが好ましい。
アルコキシプロピオン酸エステルとしては、3-メトキシプロピオン酸メチル(MMP)、又は3-エトキシプロピオン酸エチル(EEP)が好ましい。
鎖状ケトンとしては、1-オクタノン、2-オクタノン、1-ノナノン、2-ノナノン、アセトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、1-ヘキサノン、2-ヘキサノン、ジイソブチルケトン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、又はメチルアミルケトンが好ましい。
環状ケトンとしては、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、又はシクロヘキサノンが好ましい。
ラクトンとしては、γ-ブチロラクトンが好ましい。
アルキレンカーボネートとしては、プロピレンカーボネートが好ましい。
なお、ここで「引火点」とは、東京化成工業株式会社又はシグマアルドリッチ社の試薬カタログに記載されている値を意味している。
本発明の組成物は、酸発生剤A以外の酸発生剤、疎水性樹脂、酸発生剤B及び酸発生剤C以外の酸拡散制御剤、界面活性剤、溶解阻止化合物(酸の作用により分解して有機系現像液中での溶解度が減少する化合物であり、分子量3000以下が好ましい。)、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、及び/又は現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、又はカルボキシ基を含んだ脂環族若しくは脂肪族化合物)を更に含んでいてもよい。
本発明の組成物中、固形分濃度は、塗布性がより優れる点で、0.5~5.0質量%が好ましく、0.5~2.0質量%がより好ましい。固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
膜厚の範囲としては、15~60nmがより好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性又は製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明の組成物は、IC等の半導体製造工程、液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、その他のフォトファブリケーション工程、又は平版印刷版、若しくは酸硬化性組成物の製造に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。本発明において形成されるパターンは、エッチング工程、イオンインプランテーション工程、バンプ電極形成工程、再配線形成工程、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等において使用できる。
本発明は上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法にも関する。以下、本発明のパターン形成方法について説明する。また、パターン形成方法の説明と併せて、本発明のレジスト膜についても説明する。
(i)上述した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によってレジスト膜(感活性光線性又は感放射線性膜)を支持体上に形成する工程(レジスト膜形成工程)、
(ii)上記レジスト膜を露光する(活性光線又は放射線を照射する)工程(露光工程)、及び、
(iii)上記露光されたレジスト膜を、現像液を用いて現像する工程(現像工程)、
を有する。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程における露光方法が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の前に、(iv)前加熱(PB:PreBake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の後、かつ、(iii)現像工程の前に、(v)露光後加熱(PEB:Post Exposure Bake)工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(iv)前加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(v)露光後加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
また、必要に応じて、レジスト膜と支持体との間にレジスト下層膜(例えば、SOG(Spin On Glass)、SOC(Spin On Carbon)、及び、反射防止膜)を形成してもよい。レジスト下層膜を構成する材料としては、公知の有機系又は無機系の材料を適宜使用できる。
レジスト膜の上層に、保護膜(トップコート)を形成してもよい。保護膜としては、公知の材料を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開第2007/0178407号明細書、米国特許出願公開第2008/0085466号明細書、米国特許出願公開第2007/0275326号明細書、米国特許出願公開第2016/0299432号明細書、米国特許出願公開第2013/0244438号明細書、国際特許出願公開第2016/157988A号明細書に開示された保護膜形成用組成物を好適に使用できる。
保護膜の膜厚は、10~200nmが好ましく、20~100nmがより好ましく、40~80nmが更に好ましい。
加熱時間は、(iv)前加熱工程及び(v)露光後加熱工程のいずれにおいても、30~1000秒が好ましく、60~800秒がより好ましく、60~600秒が更に好ましい。
加熱は、露光装置及び現像装置に備わっている手段で実施でき、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
これ以外にも、無機アルカリ、1~3級アミン、アルコールアミン、及び環状アミン等のアルカリ成分を含むアルカリ水溶液も使用可能である。
更に、上記アルカリ現像液は、アルコール類、及び/又は界面活性剤を適当量含んでいてもよい。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1~20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10~15である。
アルカリ現像液を用いて現像を行う時間は、通常10~300秒である。
アルカリ現像液のアルカリ濃度、pH、及び現像時間は、形成するパターンに応じて、適宜調整できる。
有機系現像液に対する有機溶剤の含有量は、現像液の全量に対して、50~100質量%が好ましく、80~100質量%がより好ましく、90~100質量%が更に好ましく、95~100質量%が特に好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものが挙げられる。
この場合のリンス工程に用いるリンス液としては、1価アルコールを含むリンス液がより好ましい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下が更に好ましい。含水率を10質量%以下とすることで、良好な現像特性が得られる。
リンス工程においては、有機系現像液を用いる現像を行った基板を、有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に制限されず、例えば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、及び基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。中でも、回転塗布法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2,000~4,000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。この加熱工程によりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程において、加熱温度は通常40~160℃であり、70~95℃が好ましく、加熱時間は通常10秒~3分であり、30~90秒が好ましい。
フィルター濾過のほか、吸着材による不純物の除去を行ってもよく、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用してもよい。吸着材としては、公知の吸着材を使用でき、例えば、シリカゲル若しくはゼオライト等の無機系吸着材、又は活性炭等の有機系吸着材を使用できる。金属吸着材としては、例えば、日本国特許出願公開第2016-206500号明細書(特開2016-206500号公報)に開示されるものが挙げられる。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、又は装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法が挙げられる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
また、上記の方法によって形成されたパターンは、例えば日本国特許出願公開第1991-270227号明細書(特開平3-270227号公報)及び米国特許出願公開第2013/0209941号明細書に開示されたスペーサープロセスの芯材(Core)として使用できる。
また、本発明は、上記したパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法にも関する。本発明の電子デバイスの製造方法により製造された電子デバイスは、電気電子機器(例えば、家電、OA(Office Automation)関連機器、メディア関連機器、光学用機器、及び通信機器等)に、好適に搭載される。
以下に、第5表に示される樹脂P-1~P-24中の各繰り返し単位を示す。また、下記第1表に、各樹脂の組成比(質量%)、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)を示す。なお、樹脂P-1~P-24の重量平均分子量(Mw)及び分散度(Mw/Mn)はGPC(キャリア:テトラヒドロフラン(THF))により測定した(ポリスチレン換算値である)。また、樹脂P-1~P-24の組成比は、13C-NMR(nuclear magnetic resonance)により測定した。
下記第2表に、第5表に示される酸発生剤A(A-1~A-10)の構造を示す。また、第2表に、酸発生剤A(A-1~A-10)のカチオン部のLUMO(eV)、及び酸発生剤A(A-1~A-10)から発生する酸(発生酸)のpKaを示す。
なお、酸発生剤A(A-1~A-10)のカチオン部のLUMO(eV)、及び発生酸のpKaの各値は、後述する測定方法により求めた。
下記第3表に、第5表に示される酸発生剤B(B-1~B-5)の構造を示す。また、第3表に、酸発生剤B(B-1~B-5)から発生する酸(発生酸)のpKaを示す。
なお、発生酸のpKaは、後述する測定方法により求めた。
下記第4表に、第5表に示される酸発生剤C(C-1~C-6)の構造を示す。また、第4表に、酸発生剤C(C-1~C-6)から発生する酸(発生酸)のpKaを示す。
なお、発生酸のpKaは、後述する測定方法により求めた。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
下記第5表に示す各成分を第5表に示す溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度1.2質量%の溶液を調製し、これを0.03μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターでろ過することにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、「レジスト組成物」ともいう。)(E-1)~(E-44)を調液した。なお、レジスト組成物において、固形分とは、溶剤以外の全ての成分を意味する。得られたレジスト組成物を、実施例及び比較例で使用した。
なお、以下の「樹脂」欄、「酸発生剤A」欄、及び「酸発生剤B又は酸発生剤C」欄に記載の各成分の含有量(質量%)は、全固形分に対する各成分の割合を表す。
<酸発生剤Aの最低空軌道(LUMO)の測定>
酸発生剤Aの最低空軌道(LUMO)は、量子化学計算プログラムGaussian09(米ガウシアン社製)を使用し、下記の条件で測定した。
・密度汎関数法
・汎関数:B3LYP
・基底関数:TZVP
酸発生剤A、酸発生剤B、及び酸発生
剤Cの発生酸のpKaは、下記ソフトウェアにより求めた。
Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) pKa Database V8.0
(加熱経時試験)
調液直後のレジスト組成物(E-1)~(E-44)について、HPLC(high performance liquid chromatography)を用いて、45℃、60℃、及び75℃での酸発生剤Aの初期含有量を各々測定した。
次に、45℃、60℃、及び75℃にて7日間保管後のレジスト組成物(E-1)~(E-44)について、HPLCを用いて、各温度での酸発生剤Aの残存率(以下、「PAG残存率」ともいう。)を各々測定した。また、45℃、60℃、及び75℃にて14日間保管後のレジスト組成物(E-1)~(E-44)についても、同様に、各温度でのPAG残存率を各々測定した。
なお、PAG残存率は、HPLCにより得られたピーク面積値に基づいて、下記式から求められる。
PAG残存率(%)=(所定期間保管後のレジスト組成物中における酸発生剤Aの残存量)/(レジスト組成物中における酸発生剤Aの初期含有量)×100
上記加熱経時試験により得られた各PAG残存率を用いてアレニウスプロットを作成し、4℃にて9カ月間保管後の酸発生剤Aの残存率を求め、下記の評価基準により評価した。結果を第5表に示す。
「A」:酸発生剤Aの残存率が80%以上である。
「B」:酸発生剤Aの残存率が40%以上、80%未満である。
「C」:酸発生剤Aの残存率が40%未満である。
(レジストパターンの形成)
≪レジスト膜の形成≫
シリコンウエハ上にAL412(Brewer Science社製)を塗布し、200℃で60秒間ベークを行い、膜厚20nmのレジスト下層膜を形成した。その上に調液直後のレジスト組成物(E-1)~(E-44)を塗布し、100℃で60秒間ベーク(PB:Prebake)を行い、膜厚30nmのレジスト膜を形成した。
このレジスト膜をEUV露光機(ASML社製;NXE3350、NA0.33、Dipole 90°、アウターシグマ0.87、インナーシグマ0.35)を用い、ピッチが44nm且つ線幅が22nmの反射型マスクを介して露光した。その後、85℃にて60秒間加熱(PEB:Post Exposure Bake)した。次いで、2.38%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液にて30秒間現像し、水にて20秒間リンスした。続いて、2000rpmの回転数で40秒間ウエハを回転させることにより、ピッチが44nm、且つ線幅が22nmのラインアンドスペースのパターンを形成した。
露光量を変化させながら、ラインアンドスペースパターンのライン幅を測定し、ライン幅が22nmとなる際の露光量(最適露光量)を求め、これを感度(mJ/cm2)とした。値が小さいほど、レジスト組成物が高感度であることを示す。結果を第5表に示す。
上記感度評価における最適露光量にて解像したラインアンドスペースのレジストパターンの観測において、測長走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope(日立ハイテクノロジーズ社製 CG-4100))にてパターン上部から観察する際、パターンの中心からエッジまでの距離を任意のポイントで観測し、その測定ばらつきを3σで評価した。値が小さいほど良好な性能であることを示す。結果を第5表に示す。
また、実施例4、実施例8、及び実施例9の結果から、クエンチャーとして、pKaが2.0~3.5のカルボキシ基含有化合物を発生酸とする酸発生剤(酸発生剤C:実施例8、9が該当)を使用した場合、LWRがより優れることが明らかである。また、実施例4、実施例8、及び実施例9の結果から、クエンチャーとして、一般式(ZV-1)で表される化合物を発生酸とする酸発生剤(酸発生剤C:実施例8、9が該当)を使用した場合、LWRがより優れることが明らかである。
また、実施例4、実施例10~16の結果から、酸発生剤Aとして、一般式(ZII)で表されるカチオンを含む酸発生剤を使用した場合(実施例4、実施例10、実施例14~16が該当)、感度がより優れる、又は、LWRがより優れることが明らかである。
また、実施例4、実施例17~19及び実施例22~39の結果から、樹脂がハロゲン原子を含む繰り返し単位を含む場合、感度がより優れ、且つ、LWRがより優れることが明らかである。
Claims (12)
- 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、酸の作用により極性が増大する樹脂と、溶剤と、を含み、
前記酸発生剤が、
最低空軌道準位が-7.0eV以上-5.0eV未満のカチオンを含む酸発生剤Aと、
pKaが-3.0~5.0のイミド化合物を発生酸とする酸発生剤B、及び、下記一般式(ZV)で表される酸発生剤であって且つpKaが-3.0~3.5のカルボン酸基含有化合物を発生酸とする酸発生剤Cからなる群より選ばれる1種以上と、を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
前記酸発生剤Aが、下記一般式(ZI)で表されるカチオンを含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(ZV)中、Rfは、置換基として電子吸引性基を少なくとも1つ有する、炭化水素基を表す。MC +は、カチオンを表す。
一般式(ZI)中、R a 、R b 、及びR c は、各々独立に、置換基を表す。ただし、前記R c のうち少なくとも1つが、ハロゲン原子又はハロゲン原子で置換されたアルキル基である。o及びpは、各々独立に0~5の整数を表す。qは、1~5の整数を表す。oが2以上の場合には、複数のR a は互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのR a は互いに結合して環を形成してもよい。pが2以上の場合には、複数のR b は互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのR b は互いに結合して環を形成してもよい。qが2以上の場合には、複数のR c は互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのR c は互いに結合して環を形成してもよい。また、R a とR b 、R b とR c 、及びR a とR c は、各々互いに結合して環を形成していてもよい。 - 前記酸発生剤Bが、オニウム塩である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 活性光線又は放射線の照射により酸を発生する酸発生剤と、酸の作用により極性が増大する樹脂と、溶剤と、を含み、
前記酸発生剤が、
最低空軌道準位が-7.0eV以上-5.0eV未満のカチオンを含む酸発生剤Aと、
pKaが-3.0~5.0のイミド化合物を発生酸とする酸発生剤B、及び、pKaが-3.0~3.5のカルボン酸基含有化合物を発生酸とする酸発生剤Cからなる群より選ばれる1種以上と、を含み、
前記樹脂が、フェノール性水酸基が酸の作用により分解して脱離する脱離基で保護された構造を有する繰り返し単位を含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であって、
前記酸発生剤Aが、下記一般式(ZI)で表されるカチオンを含む、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
一般式(ZI)中、R a 、R b 、及びR c は、各々独立に、置換基を表す。ただし、前記R c のうち少なくとも1つが、ハロゲン原子又はハロゲン原子で置換されたアルキル基である。o及びpは、各々独立に0~5の整数を表す。qは、1~5の整数を表す。oが2以上の場合には、複数のR a は互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのR a は互いに結合して環を形成してもよい。pが2以上の場合には、複数のR b は互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのR b は互いに結合して環を形成してもよい。qが2以上の場合には、複数のR c は互いに同一でも異なっていてもよく、また、少なくとも2つのR c は互いに結合して環を形成してもよい。また、R a とR b 、R b とR c 、及びR a とR c は、各々互いに結合して環を形成していてもよい。 - 前記酸発生剤B及び前記酸発生剤Cが、オニウム塩である、請求項3に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記Rcのうち少なくとも1つが、フッ素原子又はフッ素原子で置換されたアルキル基である、請求項1~4のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記酸発生剤Bの発生酸及び前記酸発生剤Cの発生酸のpKaが、前記酸発生剤Aから発生する発生酸のpKaよりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記樹脂が、ハロゲン原子を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 前記ハロゲン原子が、フッ素原子又はヨウ素原子である、請求項8に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により形成されたレジスト膜。
- 請求項1~9のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いてレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜を露光する露光工程と、
露光された前記レジスト膜を、現像液を用いて現像する現像工程と、を含むパターン形成方法。 - 請求項11に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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