(第1の実施形態)
以下、本発明に採用可能なシート搬送装置の一例としてインクジェット方式を用いたプリント装置の実施形態を説明する。本例のプリント装置は、長尺で連続したシート(搬送方向において繰り返しのプリント単位(1ページあるいは単位画像という)の長さよりも長い連続したシート)を使用し、片面プリントおよび両面プリントの両方に対応した高速ラインプリンタである。例えば、プリントラボ等における大量の枚数のプリントの分野に適している。なお、本明細書では、1つのプリント単位(1ページ)の領域内に複数の小さな画像や文字や空白が混在していたとしても、当該領域内に含まれるものをまとめて1つの単位画像という。つまり、単位画像とは、連続したシートに複数のページを順次プリントする場合の1つのプリント単位(1ページ)を意味する。プリントする画像サイズに応じて単位画像の長さは異なる。例えばL版サイズの写真ではシート搬送方向の長さは135mm、A4サイズではシート搬送方向の長さは297mmとなる。
本発明はプリンタ、プリンタ複合機、複写機、ファクシミリ装置、各種デバイスの製造装置などプリント装置に広く適用可能である。プリント処理はインクジェット方式、電子写真方式、熱転写方式、ドットインパクト方式、液体現像方式など方式は問わない。また、本発明はプリント処理に限らず連続したシートに種々の処理(記録、加工、塗布、照射、読取、検査など)を行なうシート処理装置にも適用可能である。
図1は、プリント装置の内部構成を示す断面の概略図である。本実施形態のプリント装置は、ロール状に巻かれたシートを用いて、シートの第1面と第1面の背面側の第2面に両面プリントすることが可能となっている。プリント装置内部には、大きくは、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、プリント部4、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12、制御部13の各ユニットを備える。シートは、図中の実線で示したシート搬送経路に沿ってローラ対やベルトからなる搬送機構で搬送され、各ユニットで処理がなされる。
シート供給部1は、ロール状に巻かれた連続シートを保持して供給するためのユニットである。シート供給部1は、2つのロールR1、R2を収納することが可能であり、択一的にシートを引き出して供給する構成となっている。なお、収納可能なロールは2つであることに限定はされず、1つ、あるいは3つ以上を収納するものであってもよい。
デカール部2は、シート供給部1から供給されたシートの巻き癖(カール)を軽減させるユニットである。デカール部2では、1つの駆動ローラに対して2つのピンチローラをニップさせ、巻き癖とは逆向きの反りを与えるようにシートを湾曲させて搬送する。デカール部2を通過させることで、ロール状に巻かれていたことによる巻き癖は軽減され、シート表面は平滑になる。デカール部2についての詳細は後述する。
斜行矯正部3は、デカール部2を通過したシートの斜行(本来の進行方向に対する傾き)を矯正するユニットである。基準となる側のシート端部をガイド部材に押し付けることにより、シートの進行方向に対する斜行が矯正される。
プリント部4は、搬送されるシートに対して上方からプリントヘッド14によりシート上にプリント処理を行なって画像を形成する処理部である。つまり、プリント部4はシートに所定の処理を行なう処理部である。プリント部4は、シートを搬送する複数の搬送ローラも備えている。プリントヘッド14は、使用が想定されるシートの最大幅をカバーする範囲でインクジェット方式のノズル列が形成されたライン型プリントヘッド14を有する。プリントヘッド14は、複数のプリントヘッドが搬送方向に沿って平行に並べられている。本例ではC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、LC(ライトシアン)、LM(ライトマゼンタ)、G(グレー)、K(ブラック)の7色に対応した7つのプリントヘッドを有する。なお、色数およびプリントヘッドの数は7つには限定はされない。インクジェット方式は、発熱素子を用いた方式、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等を採用することができる。各色のインクは、インクタンクからそれぞれインクチューブを介してプリントヘッド14に供給される。
検査部5は、プリント部4でシートにプリントされた検査パターンや画像をスキャナによって光学的に読み取って、プリントヘッドのノズルの状態、シート搬送状態、画像位置等を検査して画像が正しくプリントされたかを判定するためのユニットである。スキャナはCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサを有する。
カッタ部6は、プリント後のシートを所定長さに切断する機械的なカッタを備えたユニットである。カッタ部6は、シートを次工程に送り出すための複数の搬送ローラも備えている。両面プリントを行う際、表面(第1面)のプリントが終わった段階のシートに対して、カッタ部6は切断処理を行わない。片面プリントのシートおよび両面プリントにおいて裏面(第2面)へのプリントが完了したシートに対してのみ、ページ単位で、シートを切断する。
情報記録部7は、切断されたシートの非プリント領域にプリントのシリアル番号や日付などのプリント情報(固有の情報)を記録するユニットである。記録はインクジェット方式、熱転写方式などで文字やコードをプリントすることで行なわれる。情報記録部7の上流側且つカッタ部6の下流側には、切断されたシートの先端エッジを検知するセンサが設けられている。つまり、センサはカッタ部6と情報記録部7による記録位置との間でシートの端部を検知する、センサの検知タイミングに基づいて情報記録部7で情報記録するタイミングが制御される。
乾燥部8は、プリント部4でプリントされたシートを加熱して、付与されたインクを短時間に乾燥させるためのユニットである。乾燥部8の内部では通過するシートに対して少なくとも下面側から熱風を付与してインク付与面を乾燥させる。なお、乾燥方式は熱風を付与する方式に限らず、電磁波(紫外線や赤外線など)をシート表面に照射する方式であってもよい。
以上のシート供給部1から乾燥部8までのシート搬送経路を第1経路と称する。第1経路はプリント部4から乾燥部8までの間にUターンする形状を有し、カッタ部6はUターンの形状の途中に位置している。
反転部9は両面プリントを行う際に表面プリントが終了した連続シートを一時的に巻き取って表裏反転させるためのユニットである。反転部9は、乾燥部8を通過したシートを再びプリント部4に供給するための、乾燥部8からデカール部2を経てプリント部4に到る経路(ループパス)(第2経路と称する)の途中に設けられている。反転部9はシートを巻き取るための回転する巻取回転体(ドラム)を備えている。表面のプリントが済んで切断されていない連続シートは巻取回転体に一時的に巻き取られる。巻き取りが終わったら、巻取回転体が逆回転して巻き取り済みシートは巻き取りのときとは逆順に送り出されてデカール部2に供給され、プリント部4に送られる。このシートは表裏反転しているのでプリント部4で裏面にプリントを行うことができる。両面プリントのより具体的な動作については後述する。
排出搬送部10は、カッタ部6で切断され乾燥部8で乾燥させられたシートを搬送して、ソータ部11までシートを受け渡すためのユニットである。排出搬送部10は、反転部9が設けられた第2経路とは異なる経路(第3経路と称する)に設けられている。第1経路を搬送されてきたシートを第2経路と第3経路のいずれか一方に選択的に導くために、経路の分岐位置には可動フラッパを有する経路切替機構が設けられている。
ソータ部11と排出部12は、シート供給部1の側部で且つ第3経路の末端に設けられている。ソータ部11は必要に応じてプリント済みシートをグループ毎に仕分けるためのユニットである。仕分けられたシートは、複数のトレイからなる排出部12に排出される。このように、第3経路はシート供給部1の下方を通過して、シート供給部1を挟んでプリント部4や乾燥部8とは逆側にシートを排出するレイアウトとなっている。
以上のように、シート供給部1から乾燥部8までが第1経路に順に設けられている。乾燥部8の先は第2経路と第3経路に分岐され、第2経路は途中に反転部9が設けられ反転部9の先は第1経路に合流する。第3経路の末端には排出部12が設けられている。
制御部13は、プリント装置全体の各部の制御を司るユニットである。制御部13は、CPU、記憶装置、各種制御部を備えたコントローラ15、外部インターフェース、およびユーザーが入出力を行なう操作部206を有する。プリント装置の動作は、コントローラ15またはコントローラに外部インターフェースを介して接続されるホストコンピュータ等のホスト装置16からの指令に基づいて制御される。
図2は制御部13の概念を示すブロック図である。制御部13に含まれるコントローラ15(破線で囲んだ範囲)は、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、画像処理部207、エンジン制御部208、個別ユニット制御部209から構成される。CPU201(中央演算処理部)はプリント装置の各ユニットの動作を統合的に制御する。ROM202はCPU201が実行するためのプログラムやプリント装置の各種動作に必要な固定データを格納する。RAM203はCPU201のワークエリアとして用いられたり、種々の受信データの一時格納領域として用いられたり、各種設定データを記憶させたりする。HDD204(ハードディスク)はCPU201が実行するためのプログラム、プリントデータ、プリント装置の各種動作に必要な設定情報を記憶読出することが可能である。操作部206はユーザーとの入出力インターフェースであり、ハードキーやタッチパネルの入力部、および情報を提示するディスプレイや音声発生器などの出力部を含む。
高速なデータ処理が要求されるユニットについては専用の処理部が設けられている。画像処理部207は、プリント装置で扱うプリントデータの画像処理を行う。入力された画像データの色空間(たとえばYCbCr)を、標準的なRGB色空間(たとえばsRGB)に変換する。また、画像データに対し解像度変換、使用するインク色に対応する色変換、画像解析、画像補正等、様々な画像処理が必要に応じて施される。これらの画像処理によって得られたプリントデータは、RAM203またはHDD204に格納される。エンジン制御部208は、CPU201等から受信した制御コマンドに基づいてプリントデータに応じてプリント部4のプリントヘッド14の駆動制御を行なう。エンジン制御部208は更にプリント装置内の各部の搬送機構の制御も行なう。個別ユニット制御部209は、シート供給部1、デカール部2、斜行矯正部3、検査部5、カッタ部6、情報記録部7、乾燥部8、反転部9、排出搬送部10、ソータ部11、排出部12の各ユニットを個別に制御するためのサブコントローラである。CPU201による指令に基づいて個別ユニット制御部209によりそれぞれのユニットの動作が制御される。外部インターフェース205は、コントローラ15をホスト装置16に接続するためのインターフェース(I/F)であり、ローカルI/FまたはネットワークI/Fである。以上の構成要素はシステムバス210によって接続されている。
ホスト装置16は、プリント装置にプリントを行わせるための画像データの供給源となる装置である。ホスト装置16は、汎用または専用のコンピュータであってもよいし、画像リーダ部を有する画像キャプチャ、デジタルカメラ、フォトストレージ等の専用の画像機器であってもよい。ホスト装置16がコンピュータの場合は、コンピュータに含まれる記憶装置にOS、画像データを生成するアプリケーションソフトウェア、プリント装置用のプリンタドライバがインストールされる。なお、以上の処理の全てをソフトウェアで実現することは必須ではなく、一部または全部をハードウェアによって実現するようにしてもよい。
次に、プリント時の基本動作について説明する。プリントは、片面プリントモードと両面プリントモードとでは動作が異なるので、それぞれについて説明する。
図3(a)は片面プリントモードでの動作を説明するための図である。シート供給部1から供給され、デカール部2、斜行矯正部3でそれぞれ処理されたシートは、プリント部4において表面(第1面)のプリントがなされる。長尺の連続シートに対して、搬送方向における所定の単位長さの画像(単位画像)を順次プリントして複数の画像を並べて形成していく。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において単位画像ごとに切断される。切断されたカットシートは、必要に応じて情報記録部7でシートの裏面にプリント情報が記録される。そして、カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され乾燥が行なわれる。その後、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。一方、最後の単位画像の切断でプリント部4の側に残されたシートは、シート供給部1に送り戻され、ロールR1またはR2に巻き取られる。
このように、片面プリントにおいては、シートは第1経路と第3経路を通過して処理され、第2経路は通過しない。以上をまとめると、片面プリントモードにおいては制御部13により、以下(1)〜(6)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出してプリント部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(3)第1面にプリントした単位画像ごとにカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(4)単位画像ごとに切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(5)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する;
(6)最後の単位画像を切断してプリント部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す。
図3(b)は両面プリントモードでの動作を説明するための図である。両面プリントでは、表(おもて)面(第1面)プリントシーケンスに次いで裏面(第2面)プリントシーケンスを実行する。最初の表面プリントシーケンスでは、シート供給部1から検査部5までの各ユニットでの動作は上述の片面プリントの動作と同じである。カッタ部6では切断動作は行わずに、連続シートのまま乾燥部8に搬送される。乾燥部8での表面のインク乾燥の後、排出搬送部10の側の経路(第3経路)ではなく、反転部9の側の経路(第2経路)にシートが導かれる。第2経路においてシートは、順方向(図面では反時計回り方向)に回転する反転部9の巻取回転体に巻き取られていく。
プリント部4において、予定された表面(第1面)のプリントが全て終了すると、カッタ部6にて連続シートのプリント領域の後端が切断される。切断位置を基準に、搬送方向下流側(プリントされた側)の連続シートは乾燥部8を経て反転部9でシート後端(切断位置)まで全て巻き取られる。この巻取りと同時に、切断位置よりも搬送方向上流側(プリント部4の側)に残された連続シートは、シート先端(切断位置)がデカール部2に残らないように、シート供給部1のロールR1またはR2に巻き取られる。この巻き戻しによって、以下の裏面プリントシーケンスで再び供給されるシートとの衝突が避けられる。
上述の表面プリントシーケンスの後に、裏面プリントシーケンスに切り替わる。反転部9の巻取回転体が巻き取り時とは逆方向(図面では時計回り方向)に回転する。巻き取られたシートの端部(巻き取り時のシート後端は、送り出し時にはシート先端になる)は、図の破線の経路に沿ってデカール部2に送り込まれる。デカール部2では巻取回転体で付与された巻き癖が矯正される。つまり、デカール部2は第1経路においてシート供給部1とプリント部4の間、ならびに第2経路において反転部9とプリント部4の間に設けられて、いずれの経路においてもデカール(巻き癖矯正)の働きをする共通のユニットとなっている。
シートの表裏が反転したシートは、斜行矯正部3を経て、プリント部4に送られて、シートの裏面にプリントが行なわれる。プリントされたシートは検査部5を経て、カッタ部6において予め設定されている所定の単位長さ毎に切断される。カットシートは両面にプリントされているので、情報記録部7での記録はなされない。カットシートは1枚ずつ乾燥部8に搬送され、排出搬送部10を経由して、ソータ部11の排出部12に順次排出され積載されていく。
このように、両面プリントにおいて、シートは第1経路→第2経路→第1経路→第3経路の順に通過して処理される。以上をまとめると、両面プリントモードでは、制御部13により、以下(1)〜(11)のシーケンスが実行される。
(1)シート供給部1からシートを送り出してプリント部4に供給する;
(2)供給されたシートの第1面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(3)第1面にプリントされたシートを乾燥部8を通過させる;
(4)乾燥部8を通過したシートを第2経路に導いて、反転部9が有する巻取回転体に巻き取っていく;
(5)第1面への繰返しのプリントが済んだら最後にプリントした単位画像の後ろでカッタ部6でシートを切断する;
(6)切断したシートの端部が乾燥部8を通過して巻取回転体に達するまで巻取回転体に巻き取る。これと共に、切断してプリント部4の側に残されたシートをシート供給部1に送り戻す;
(7)巻取りが済んだら巻取回転体を逆回転させて、第2経路から再びプリント部4にシートを供給する;
(8)第2経路から供給されるシートの第2面にプリント部4で単位画像のプリントを繰り返す;
(9)第2面にプリントした単位画像ごとにカッタ部6でシートの切断を繰り返す;
(10)単位画像ごとに切断されたシートを1枚ずつ乾燥部8を通過させる;
(11)1枚ずつ乾燥部8を通過したシートを、第3経路を通して排出部12に排出する。
次に、上述の構成のプリント装置におけるデカール部2でのカール矯正動作について、さらに詳しく説明する。
図4(a)〜(c)および図5(a)、(b)は、デカール部2の詳細な構成および搬送時の動作を説明するための図である。図4(a)を参照するに、デカール部2は、シートSを局所的に湾曲させるデカールローラ20と、デカールローラ20と対向し両者の間でニップを形成することが可能な第1ピンチローラ31、第2ピンチローラ41、第3ピンチローラ51を備えている。第1ピンチローラ31は、カム32の回転に伴い、ばね33を介してデカールローラ20に当接したり離間したりする。同様に、第2ピンチローラ41はカム42の回転に伴ってばね43を介して、第3ピンチローラ51はカム52の回転に伴ってばね53を介して、それぞれデカールローラ20に当接したり離間したりする。これらカム32、42、52の回転は、CPU201の指示のもと、デカール部2を制御する個別ユニット制御部209によって行われる。すなわち、第1ピンチローラ31、第2ピンチローラ41および第3ピンチローラ51それぞれのデカールローラ20に対する当接および離間は、CPU201によって個別に制御されている。
デカールローラ20の両側には、シートSの搬送方向を切り替えるための切替器24a、24bが配備されている。CPU201は、切替器24a、24bを、シートSの搬送経路に突出させて搬送方向を切り替える有効位置と、シートSの搬送経路から離間させる退避位置との間で移動させることが出来る。
第3ピンチローラ51よりもシート供給部1側の位置には、シート供給部1から供給されたシートSを最初に受容する第1導入ローラ対21(第1の搬送手段)が配備されている。また、第2ピンチローラ41よりも反転部9側の位置には、反転部9から供給されたシートSを最初に受容する第2導入ローラ対22(第1の搬送手段)が配備されている。更に、デカールローラ20の上方には、デカール部2からシートを排出するための排出ローラ対23(第2の搬送手段)が配備されている。
シート供給部1から供給されるシートSは、第1導入ローラ対21からデカール部2に搬入され、第1ピンチローラとデカールローラ20とのニップ部を通過した後、切替器24aに当接する。この当接によってシートSの搬送方向は上向きに偏向され、その後シートSは第2ピンチローラ41とデカールローラ20とのニップ部を通過し、排出ローラ対23からデカール部2の外へ排出される。このように、第1ピンチローラ31とデカールローラ20とのニップ部および第2ピンチローラ41とデカールローラ20とのニップ部を通過することにより、シートSにはシート供給部1での巻き癖と反対方向の矯正力が作用する(図4(c)参照)。
一方、図5(b)を参照するに、シート供給部1とは反対の方向に位置する反転部9から供給されるシートSは、第2導入ローラ対22からデカール部2に搬入され、第1ピンチローラとデカールローラ20とのニップ部を通過した後、切替器24bに当接する。この当接によって搬送方向が上向きに案内された後、シートSは第3ピンチローラ51とデカールローラ20とのニップ部を通過し、排出ローラ対23からデカール部2の外へ排出される。このように、第1ピンチローラ31とデカールローラ20とのニップ部および第3ピンチローラ51とデカールローラ20とのニップ部を通過することにより、シートSには反転部9での巻き癖と反対方向の矯正力が作用する。
図6は、本実施形態のCPU201が実行するデカール動作のシーケンスを示すフローチャートである。表(おもて)面プリント(片面プリントモードならびに両面プリントモードでの表面プリント)か、裏面プリント(両面プリントモードでの裏面プリント)かによってシーケンスが異なる。
ステップS10では、現在のプリントモードを表面プリントであれば、ステップS11に移行し、裏面プリントであればステップS21に移行する。
表面プリントの場合、ステップS11では、第1ピンチローラ31をデカールローラ20に当接させると共に、第2ピンチローラ41および第3ピンチローラ51をデカールローラ20から離間する。具体的には、カム32を所定量回転し、ばね33を介して第1ピンチローラ31を上昇させ、デカールローラ20に当接させる。また、カム42および52をそれぞれ所定量回転し、ばね43および53を介して第2ピンチローラ41および第3ピンチローラ51を左右に移動し、デカールローラ20から離間させる。但し、この段階において、第2ピンチローラ41はデカールローラ20から離間されなくてはならないが、第3ピンチローラ51については必ずしも離間されていなくても良い。
ステップS12において、CPU201は、切換器24aおよび24bを図4(a)の位置にセットする。すなわち、切換器24aについては、シートSの搬送経路に突出させて搬送方向を切り替える有効位置に配置し、切換器24bについては、シートSの搬送経路から離間させる退避位置に配置する。
ステップS13では、シート供給部1からシートを供給開始する。シートSの先端は、第1導入ローラ対21でニップされ、第1ピンチローラ31とデカールローラ20によりニップされ、切換器24aで進行方向が上方に向けられた後、ニップ解除されている第2ピンチローラ41とデカールローラ20の間を通過する。この際、シート供給部1から第1導入経路を通って図の水平左方向(第1方向という)に向かって送られてくるシートSは、第1ピンチローラ31とデカールローラ20とのニップ部を過ぎたところで切換器24aの斜面に当接する。そして、無理なストレスを受けることなくその進行方向が図の左上方向に偏向される。図4(a)は、ステップS13において、シートSの先端が、離間状態にある第2ピンチローラ41とデカールローラ20の間を通過した状態を示している。
ステップS14では、図4(a)の状態からさらに搬送が進んでシートSの先端が排出ローラ対23でニップされたところで、シート搬送をいったん停止する。
ステップS15では、デカールローラ20および第1導入ローラ対21を逆回転し、シートSをこれまでと逆向きに送り戻す動作を開始する。
ステップS16では、上記送り戻し動作が行われている状態のまま、カム42と押圧ばね43によって第2ピンチローラ41を移動させ、デカールローラ20と当接させる。この動作によりシートSはデカールローラ20に1/4周以上巻きついた状態となり、巻きついた部分にデカール力が作用する。すなわち、シートSにはデカールローラ20を頂点として90度よりも小さな角度(鋭角)で湾曲され、シート供給部1でシートSが巻かれていた方向とは逆向きの矯正力が作用する。
図4(b)は、ステップS16において、第2ピンチローラ41がデカールローラ20と当接した状態を示している。シートSは、第2ピンチローラとデカールローラ20のニップ部および第1ピンチローラ31とデカールローラ20のニップ部、の2つのニップ部で挟持された状態でシート供給部1に送り戻されている。シートSはロールR1またはR2での巻き方向とは逆向きに湾曲した状態(デカール力が作用した状態)を維持して搬送される。
ステップS17では、図4(b)の状態からさらにシートSの先端が第1ピンチローラとデカールローラ20のニップ部から引き抜かれるまで待機し、当該引き抜きが確認された時点で、シート搬送を停止する。このような引き戻し搬送の過程で、シートSの先端から所定の長さの領域には、シート供給部1で保持されることによる巻き癖とは反対方向の矯正力が作用する。すなわち、このような「しごき」動作が施されることにより、当該領域の巻き癖は緩和される。
ステップS18では、第2ピンチローラ41をデカールローラ20から退避させる。更に、ステップS19では、シートSに対する順方向への搬送を再開する。そして、シートSの先端が、排出ローラ対23でニップされたら、第2ピンチローラ41をデカールローラ20に当接させ、シートの先端をデカール部2から排出させる。以上で、表面プリントにおけるデカール動作は完了する。
図4(c)は、ステップS19において、シートSの先端が排出ローラ対23を通過して、デカール部2から排出される様子を示している。シートSの搬送はこの状態で継続される。すなわち、シートSはデカールローラ20に対して鋭角に巻きついて湾曲し、シート供給部1から供給されるシートSのすべての領域に対し、デカール力が作用する。但し、特に平滑性が要求されるシートSの先端部については、上記一連の工程により、繰返し(合計3回)デカールローラ20を通過している。結果、シートSの先端については、他の領域よりも、更に多くの矯正力が付与され好ましい平滑度が得られている。
なお、使用するシートSの種類によっては、ロールR1またはR2から引き出した際の巻き癖が非常に大きく、上述した一回分の「しごき」動作では所望の平滑性が得られない場合もある。そのような場合には、ステップS14〜S19までの工程、すなわち第2ピンチローラ41をデカールローラ20から退避させた状態での順搬送と、第2ピンチローラ41をデカールローラ20に当接させた状態での逆搬送とを適切な回数だけ繰り返しても良い。このようにすると、巻き癖の強さに応じた回数の「しごき」動作を施すことが出来、シートの種類によらず安定した平滑性を得ることが出来る。
一方、ステップS10で現在のプリントモードが裏面プリントであると判断した場合は、ステップS21に進む。裏面プリントの場合、シートSは反転部9から第2導入ローラ対22を介して供給される。
ステップS21において、CPU201は、第1ピンチローラ31をデカールローラ20に当接させると共に、第2ピンチローラ41および第3ピンチローラ51をデカールローラ20から離間する。但し、この段階において、第3ピンチローラ51はデカールローラ20から離間されなくてはならないが、第2ピンチローラ41については必ずしも離間されていなくても良い。
ステップS22において、CPU201は、切換器24aおよび24bを図5(a)の位置にセットする。すなわち、切換器24bについては、シートSの搬送経路に突出させて搬送方向を切り替える有効位置に配置し、切換器24aについては、シートSの搬送経路から離間させる退避位置に配置する。
ステップS23では、反転部9からシートを供給開始する。シートSの先端は、第2導入ローラ対22でニップされ、第1ピンチローラ31とデカールローラ20によりニップされ、切換器24bで進行方向が上方に向けられた後、ニップ解除されている第3ピンチローラ51とデカールローラ20の間を通過する。この際、反転部9から第2導入経路を通って図の水平左方向(第2方向という)に向かって送られてくるシートSは、第1ピンチローラ31とデカールローラ20とのニップ部を過ぎたところで切換器24bの斜面に当接する。そして、無理なストレスを受けることなくその進行方向が図の右上方向に偏向される。図5(a)は、ステップS23において、シートSの先端が、離間状態にある第3ピンチローラ51とデカールローラ20の間を通過した状態を示している。
ステップS24では、図5(a)の状態からさらに搬送が進んでシートSの先端が排出ローラ対23でニップされたところで、シート搬送をいったん停止する。
ステップS25では、デカールローラ20および第2導入ローラ対22を逆回転し、シートSをこれまでと逆向きに送り戻す動作を開始する。
ステップS26では、上記送り戻し動作が行われている状態のまま、カム52と押圧ばね53によって第3ピンチローラ51を移動させ、デカールローラ20と当接させる。この動作によりシートSはデカールローラ20に1/4周以上巻きついた状態となり、巻きついた部分にデカール力が付与される。すなわち、シートSにはデカールローラ20を頂点として90度よりも小さな角度(鋭角)で湾曲され、反転部9でシートSが巻かれていた方向とは逆向きの矯正力が作用する。
ステップS27では、シートSの先端が第1ピンチローラとデカールローラ20のニップ部から引き抜かれるまで待機し、当該引き抜きが確認された時点で、シート搬送を停止する。このような引き戻し搬送の過程で、シートSの先端から所定の長さの領域には、反転部9で保持されることによる巻き癖とは反対方向の矯正力が作用する。すなわち、このような「しごき」動作が施されることにより、当該領域の巻き癖は緩和される。
ステップS28では、第3ピンチローラ51をデカールローラ20から退避させる。更に、ステップS29では、シートSに対する順方向への搬送を再開する。そして、シートSの先端が、排出ローラ対23でニップされたら、第3ピンチローラ51をデカールローラ20に当接させ、シートの先端をデカール部2から排出させる。以上で、表面プリントにおけるデカール動作は完了する。
図5(b)は、ステップS29において、シートSの先端が排出ローラ対23を通過して、デカール部2から排出される様子を示している。シートSの搬送はこの状態で継続される。すなわち、シートSはデカールローラ20に対して鋭角で巻きついて湾曲し、シート供給部1から供給されるシートSのすべての領域に対し、デカール力が作用する。但し、特に平滑性が要求されるシートSの先端部については、上記一連の工程により、繰返し(合計3回)デカールローラ20を通過している。結果、シートSの先端については、他の領域よりも、更に多くの矯正力が付与され好ましい平滑性が実現される。
このように、本実施形態によれば、シート供給部1からシートが供給される表面プリントであっても、反転部9からシートが供給される裏面プリントであっても、共通のデカール部2を通過させることによって、シートSの巻き癖を解消することが出来る。
なお、使用するシートの種類によっては巻き癖が付き難く、上述したようなデカール動作を必要としないものもある。その場合は、図6におけるステップS14〜ステップ18ならびにステップS24〜ステップS28はスキップすればよい。
ところで、以上はシートSの先端領域に対するデカール動作であるが、図6の処理が終了した後も、プリント動作に伴うシートSの搬送動作は継続される。すなわち、シートSは、図4(c)または図5(b)の状態で搬送され、搬送速度に応じた一定のデカール力がデカール部2を通過する全ての領域に対し作用する。この際、例えば画像データ処理を行うなどの何らかの理由によって、シート搬送を減速させたり停止させたりすると、ニップ部に挟持されている部分のシートには過剰なカール矯正が行われ、逆方向の巻き癖が生成されるおそれが生じる。よって、本実施形態では、シート搬送を減速させたり停止させたりする場合についてのシーケンスを特別に用意する。
図7は、シート搬送を減速及び停止する場合に、CPU201が実行する処理を説明するためのフローチャートである。当該処理は、CPU201が、シート搬送の減速あるいは停止が所定期間以上行われると判断した場合に実行される。この際、所定期間とは、これ以上長く搬送減速及び停止するとプリントに影響を及ぼすだけの曲げ癖が付与されるおそれがある期間を意味し、シートの種類や搬送速度に応じて異なる値とすることが出来る。
本処理が開始されると、CPU201はまずステップS100において、実行中のプリント動作が、表面プリントであるか裏面プリントであるかを判断する。表面プリントであればステップS101に移行し、裏面プリントであればステップS111へ移行する。
図8(a)〜(c)は、プリント動作が表面プリントであると判断された場合の、各工程におけるデカール部2の様子を示す図である。表面プリントの場合、シートSはシート供給部1から第1導入ローラ対21を介して搬入されている。CPU201は、まずステップS101において、第2ピンチローラ41をデカールローラ20より離間させる(図8(a))。
次に、ステップS102において、第1ピンチローラ31をデカールローラ20より離間させる(図8(b))。ステップS101およびステップS102の離間により、シートSはデカールローラ20に巻き付けられる強制力から解放される。
ステップS103において、CPU201は、排出ローラ対23の減速または停止処理を開始する。この際、排出ローラ対23についての減速または停止処理は行うが、第1導入ローラ対21については元の駆動を維持している。このため、デカールローラ20近傍では、図8(c)のように、シートSの撓み量が徐々に増加して行く。
ある程度の撓みが確保される時間T1が経過すると、CPU201はステップS104に進み、第1導入ローラ対21についての減速または停止処理を開始する。具体的には、減速処理であれば排出ローラ対23の速度と同程度の速度に第1導入ローラ対21を減速し、停止処理であれば第1導入ローラ対21を停止する。これにより、一定の撓み量を維持しながら、シートSが搬送(または停止)される状態となる。
一方、ステップS100で現在のプリントモードが裏面プリントであると判断した場合は、ステップS111に進む。裏面プリントの場合、シートSは反転部9から第2導入ローラ対22を介して搬入されている。CPU201は、まずステップS111において、第3ピンチローラ41をデカールローラ20より離間させる。
次に、ステップS112において、第1ピンチローラ31をデカールローラ20より離間させる。ステップS111およびステップS112の離間により、シートSはデカールローラ20に巻き付けられる強制力から解放される。
ステップS113において、CPU201は、排出ローラ対23の減速または停止処理を開始する。この際、排出ローラ対23についての減速または停止処理は行うが、第2導入ローラ対22については元の駆動を維持している。このため、デカールローラ20近傍では、シートSの撓み量が徐々に増加して行く。
ある程度の撓みが確保される時間T2が経過すると、CPU201はステップS114に進み、第2導入ローラ対22についての減速または停止処理を開始する。具体的には、減速処理であれば排出ローラ対23の速度と同程度の速度に第2導入ローラ対22を減速し、停止処理であれば第2導入ローラ対22を停止する。これにより、一定の撓み量を維持しながら、シートSが搬送(または停止)される状態となる。以上で本処理が終了する。
以上説明した本実施形態によれば、一定の速度で搬送動作が行われている最中に搬送の減速または停止処理が行う場合において、CPU201は以下の手順に従って処理を実行する。
(1)ピンチローラをデカールローラから離間する。
(2)排出ローラの減速・停止駆動を開始する。
(3)第1または第2導入ローラの減速・停止駆動を開始する。
これにより、シートSにおいては、デカールローラ20へ巻き付けられる強制力から解放され、ある程度の撓みが確保された後に、その搬送速度が低減される。よって、減速または停止駆動に切り替えたときのフロントテンションは撓んだ領域に吸収され、シートSがデカールローラ20上でスリップしたり、フロントテンションがシートSの屈曲部に局所的に作用したりすることが抑制される。結果、プリント動作の最中に減速や停止処理が行われても、デカール部2を通過するシートSにスリップ痕や折れが生成されること無く、過剰なカール矯正を回避することが可能となる。
なお、減速・停止シーケンスが完了し再び元の搬送速度に戻す場合には、まず排出ローラ対の駆動を元に戻して撓みを除去し、第1または第2導入ローラの駆動も元に戻した後に、ピンチローラをデカールローラに当接させればよい。
減速・停止シーケンスを実行するか否かを判断するための上記所定期間は、表面プリントであるか裏面プリントであるかによって異ならせても良い。シート供給部1から搬入されたシートの方が反転部9から搬入されるシートよりも巻き癖が強い場合には、表面プリントの所定期間を裏面プリントの所定期間よりも短く設定すれば良い。また、表面プリントである場合の撓み量を確保するための待機時間T1と裏面プリントである場合の待機時間T2についても、状況によって独立に調整すれば良い。
(第2の実施形態)
第1の実施形態は、1つのデカールローラに対し複数のピンチローラが当接可能な構成とすることにより、シートがシート供給部1から搬入されても反転部9から搬入されても、それぞれの巻き癖を矯正可能とする場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されるものでは無い。
図9(a)および(b)は、本実施形態におけるデカール部100の構成を示す図である。図9(a)を参照するに、導入ローラ対102を介して矢印の方向に搬入されるシートSは、メイン搬送ローラ101とメインピンチローラ104とのニップ部を通過した後、排出ローラ対103を介してデカール部100から排出される。メインピンチローラ104は、メイン搬送ローラ101に対し当接したり離間したり出来るようになっている。
メイン搬送ローラ101と排出ローラ対103の間には、湾曲面を有する搬送パス面105が配備されている。そして、メインピンチローラ104がメイン搬送ローラ101に当接した状態でシートSが搬送されると、シートSの裏面は搬送パス面105の曲面によってしごかれ、巻き癖が緩和されるようになっている。
シート搬送を減速または停止する場合、本実施形態では、図9(b)を参照するに、まずメインピンチローラ104をメイン搬送ローラ101から離間する。この離間により、シートSは搬送パス面105に押し付けられる強制力から解放される。次に、排出ローラ対103の減速・停止駆動を開始する。この際、排出ローラ対103についての減速または停止処理は行うが、導入ローラ対102については元の駆動を維持している。このため、シートSは搬送パス面105から浮き上がり、導入ローラ対102と排出ローラ対103の間のシートSの撓み量が徐々に増加して行く。ある程度の撓みが確保される時間が経過すると、導入ローラ対102についての減速または停止処理を開始する。これにより、一定の撓み量を維持しながら、シートSが搬送(または停止)される状態となる。
以上説明した本実施形態によれば、シートSが搬送パス面105へ押し付けられる強制力から解放され、ある程度の撓みが確保された後に、その搬送速度が低減される。よって、減速・停止駆動に切り替えたときのフロントテンションは撓んだ領域に吸収され、シートSが搬送パス面105上でスリップしたり、フロントテンションがシートSの屈曲部に局所的に作用したりすることが抑制される。結果、搬送動作の最中に減速・停止処理が行われても、デカール部2を通過するシートSにスリップ痕や折れが生成されること無く、過剰なカール矯正を回避することが可能となる。
なお、減速・停止シーケンスが完了し再び元の搬送速度に戻す場合には、まず排出ローラ対103の駆動を元に戻して撓みを除去し、導入ローラ対102の駆動も元に戻した後に、メインピンチローラ104をメイン搬送ローラ101に当接させればよい。
以上では、デカール部2よりも下流側にプリント部4を備えたプリント装置を例に説明してきたが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えばロール状に保持された長尺な原稿の読取処理を行うスキャナ部に対して搬送処理を行う場合であっても本発明は適用可能である。いずれにせよ、ロール状に保持されたシートをその先端から順番に引き出して搬送する過程で何らかの処理を行う形態であれば、本発明は有効に機能する。