JP6334855B2 - 把持切断装置及び把持切断方法 - Google Patents
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しかし、圧砕機は挟み部の寸法から、挟み切ることができる鉄骨梁や鉄骨柱の寸法に限界があり、外径寸法や断面積の大きな鉄骨梁や鉄骨柱等の圧砕は困難であった。このため、高所や人が近づき難い場所等において、外径寸法や断面積が大きな、鉄骨梁や鉄骨柱等を切断する切断装置が求められていた。外径寸法や断面積が大きな鉄骨梁や鉄骨柱等の切断には、ワイヤーソーを使用することができる。
ここに、ワイヤーソーを、人が近づき難い場所で使用する切断技術が提案されている(例えば特許文献1)。
この構成を適用すれば、大型のコンクリート構築物の周囲が不整地であっても、ワイヤーソーをコンクリート構築物に近づけ、任意の高さでコンクリート構築物を切断することができる。
本発明は、上記事実に鑑み、高所や人が近づき難い場所等において、切断対象部材を把持し、把持した状態で水平方向及び縦方向のいずれにも切断できる把持切断装置、及び把持切断方法を提供することを目的とする。
このため、切断された切断対象部材が落下するのを防止でき、切断装置を把持手段に連結することで、安定した状態で切断できる。
これにより、切断装置が、駆動アームの旋回・傾倒・伸縮動作の妨げとはならない。
これにより、把持手段の両側において、2か所同時に切断対象部材を切断できる。
これにより、把持切断装置で切断対象部材を切断することができる。
図1〜図6を用いて、本発明の第1実施形態に係る把持切断装置10について説明する。図1、図2、図5の各斜視図に示すように、把持切断装置10は、爪部30A、30Bを備えた把持手段としての圧砕機(ニブラ)12と、切断対象部材である鉄骨梁14をワイヤーソー28で切断する切断装置20と、圧砕機12と切断装置20を連結するアタッチメント18と、を有している。
2枚の爪部30A、30Bの対向する端面は把持切断面とされ、把持切断面には、対称形に切歯部38A、38Bと、鉄骨梁14を両側から挟んで挟持する挟持部(突起部)40A、40Bが形成されている。
この結果、爪部30A、30Bの対向する切歯部38A、38Bは、鉄骨梁14を両側から押し当てて切断することができる。また、突起部40A、40Bは、鉄骨梁14を両側から押し当てて把持することができる。本実施形態では、切歯部38A、38Bは、鉄骨梁14の切断には使用しない。
ここに、駆動アーム16には、建設作業機械で広く使用されている、様々な 駆動アーム16を使用することができる。建設作業機械は、オペレータが操作する。
アタッチメント18は、図2に示すように、圧砕機12と接合される鋼板で形成された圧砕機接合板44と、切断装置20と接合されるチャンネル材等で形成された切断装置接合部材46と、圧砕機接合板44と切断装置接合部材46を連結するチャンネル材等で形成された連結部材45と、を有している。
圧砕機接合板44、切断装置接合部材46、及び連結部材45は、側面視が同じ構成の2セットを、所定の距離を開けて対向させた構成とされ、所定の距離を開けることで連結強度を高くしている。
圧砕機接合板44は、圧砕機12の中央基材部64の一方の側面64Aと連結され、切断装置接合部材46は、切断装置20のメインフレーム22に取付けられた連結プレート48と連結される。
また、図5に示すように、アタッチメント18は、圧砕機12が鉄骨梁14を把持した状態で、切断装置20の切断方向を、鉄骨梁14の軸線と交差する方向としている。これにより、鉄骨梁14を軸線と交差する方向に、最短の切断距離で切断することができる。
図4に示すように、切断装置20は、メインフレーム22とサブフレーム26を有している。メインフレーム22は、アタッチメント18と連結される連結プレート48と、連結プレート48に固定されたスライド機構50と、スライド機構50にスライド可能に取付けられたメイン枠材24を備えている。メイン枠材24には、サブフレーム26が固定され、サブフレーム26には、鉄骨梁14を切断するワイヤーソー28が走行可能に取り付けられている。これにより、メインフレーム22のメイン枠材24を、鉄骨梁14の方向へスライドさせることで、ワイヤーソー28が走行可能に取り付けられたサブフレーム26を鉄骨梁14の方向へ移動させ、ワイヤーソー28で鉄骨梁14を切断することができる。このとき、スライド距離を鉄骨梁14より大きくすることで、外径寸法や断面積の大きい鉄骨梁14であっても、ワイヤーソー28で切断することができる。
スライド機構50には駆動モータ付きのピニオンが設けられ、メイン枠体24にはピニオンと噛み合うラックが構成されている(図示せず)。これにより、ピニオンの回転方向を制御することで、メイン枠体24を連結プレート48に対して交差する方向(矢印V1の方向)へ移動させることができる。
連結プレート48のスライド機構50が取り付けられた面と反対側には、アタッチメント18の切断装置接合部材46が連結される。
サブ部材52の固定された端部側には、交差する方向の枠材54A、54Bが取付けられ、サブ部材52の平行な2本の枠材の、枠材54A、54Bと反対側は、開放端とされている。
ここに、図示は省略するが、ワイヤーソー28の走行は、建設作業機械からの遠隔操作で行われる。このとき、ワイヤーソー28を駆動するメインプーリー56に設けられた電動モータの駆動力(負荷)は、遠隔操作する操作位置で、電流値により確認することができる。これにより、ワイヤーソー28を、常に適切な張力で走行させることができる。
また、映像入力用の監視カメラ装置や、音声入力用のマイクロフォンを、例えば、把持切断装置のアタッチメント18に取付け、これらのモニタ装置を作業位置に設ければ、モニタ装置で、ワイヤーソー28の切断状況を映像と音で確認できる。これにより、切断作業をより正確に行うことができる。
このとき、圧砕機12で鉄骨梁14を把持し、把持された鉄骨梁14を切断装置20で遠隔操作して切断するので、切断された鉄骨梁14が落下するのを防止することができる。また、圧砕機12が把持した状態で梁14を切断するので、切断に伴う鉄骨梁14の振動を抑制して切断することができる。
先ず、把持切断装置10を駆動アーム16に取付ける。具体的には、鉄骨梁14を把持する圧砕機12と、圧砕機12が把持した鉄骨梁14を切断する切断装置20をアタッチメント18で連結し、把持切断装置10を組み立てる(図1参照)。続いて、駆動アーム16の先端に、把持切断装置10を取付ける。
続いて、建設作業機械を操作し、駆動アーム16を旋回・傾倒・伸縮させ駆動アーム16の先端に取付けた圧砕機12で、鉄骨梁14を把持する。このとき、圧砕機12の爪部30A、30Bの内側にある、先端の突起部40A、40B等で、鉄骨梁14を挟んで把持する。
最後に、圧砕機12が鉄骨梁14を把持した状態で、ワイヤーソー28を走行させながら、切断装置20がメイン枠材24、及びサブ枠材52を下方(矢印P1の方向)へ移動させ、ワイヤーソー28で鉄骨梁14を縦方向に切断する。
この場合も、鉄骨梁14の場合と同様に、圧砕機12と、圧砕機12が把持した鉄骨梁14を切断する切断装置20をアタッチメント18で連結し、把持切断装置10を準備する。続いて、駆動アーム16の先端に、把持切断装置10を取付ける。
続いて、駆動アーム16を旋回・傾倒・伸縮させ駆動アーム16の先端に取付けた圧砕機12で、鉄骨梁14を把持する。このとき、圧砕機12の爪部30A、30Bの内側にある、先端の突起部40A、40B等で、鉄骨柱66を挟んで把持する。
最後に、圧砕機12が鉄骨柱66を把持した状態で、ワイヤーソー28を走行させながら、切断装置20がメイン枠体24、及びサブ部材52を横方(矢印P2の方向)へ移動させ、ワイヤーソー28で鉄骨柱66を横方向に切断する。
更に、脆弱な構造(震災、経年劣化等)での鉄骨構造、鋼構造(S造)、重量鉄骨構造、軽量鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)、コンクリート充填鋼管構造(CFT造)等の構造物の切断や解体に適用してもよい。これにより、高所又は、建設作業機械が切断箇所まで接近できない構造物の切断や解体を行うことができる。
また、本実施形態では、切断装置による切断方向を鉄骨梁14の軸線J2に対し、鉛直方向としたが、これに限定されることはなく、例えば、軸線J2に対し斜めに切断してもよい。これにより、例えば、鉄骨梁14の切り残される部分を下側にして、斜めに切断することにより、切り取られた鉄骨梁14の落下を、切り残した鉄骨梁14で抑制できる。
また、鉄骨梁14の軸線J2が斜めであってもよい。即ち、水平部材を斜めに切断するのみでなく、傾斜している鉄骨梁14を斜めに切断することもできる。
図7を用いて、本発明の第2実施形態に係る把持切断装置70について説明する。
把持切断装置70は、一対の切断装置20A、20Bを、圧砕機12の両側面に、圧砕機12を挟んで取付けた点において第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
即ち、圧砕機12の中央基材部64の一方の側面64Aには、アタッチメント18Aの一端が連結され、アタッチメント18Aの他端には、切断装置20Aの連結プレート48が接続されている。また、圧砕機12の中央基材部64の、側面64Aと対向する他方の側面64Bには、アタッチメント18Bの一端が連結され、アタッチメント18Bの他端には、切断装置20Bの連結プレート48が接続されている。
ここに、アタッチメント18A、18Bは、第1実施形態で説明したアタッチメント18と同じ構成であり、切断装置20A、20Bは、第1実施形態で説明した切断装置20と同じ構成である。
また、図示は省略するが、鉄骨柱66においても同様に、鉄骨柱を圧砕機12で把持した状態において、切断装置20A、20Bにより、ワイヤーソー28をそれぞれ走行させて、圧砕機12の両側の柱を同時に切断することができる。他の構成は、第1実施形態と同じであり、説明は省略する。
12 圧砕機(把持手段)
14 梁(切断対象部材)
16 駆動アーム
18 アタッチメント(連結手段)
20 切断装置
22 メインフレーム(切断装置)
24 枠部材(切断装置)
26 サブフレーム(切断装置)
28 ワイヤーソー(切断装置)
48 連結プレート(連結部材、切断装置)
50 スライド機構(切断装置)
66 柱(切断対象部材)
Claims (6)
- 互いに対向する一対の爪部を有し、旋回・傾倒・伸縮可能な駆動アームの先端に傾倒可能に取付けられ、前記一対の爪部によって切断対象部材を把持する把持手段と、
ワイヤーソーを有し、前記把持手段と連結手段で連結されるとともに該把持手段にスライド可能に保持され、前記把持手段で把持された前記切断対象部材側へ前記ワイヤーソーをスライドさせながら該ワイヤーソーによって前記切断対象部材を切断する切断装置と、
を有する把持切断装置。 - 前記連結手段は、前記把持手段が前記切断対象部材を把持した状態で、前記切断装置の切断方向を、前記切断対象部材の軸線と交差する方向とする請求項1に記載の把持切断装置。
- 前記切断装置は、前記駆動アームの長手方向の先端側に前記連結手段で連結されている請求項1又は2に記載の把持切断装置。
- 旋回・傾倒・伸縮可能な駆動アームの先端に傾倒可能に取付けられ、切断対象部材を把持する把持手段と、
前記把持手段と連結手段で連結され、前記把持手段で把持された前記切断対象部材を切断する切断装置と、
を有し、
前記把持手段の両側面に、前記連結手段で一対の前記切断装置が連結されている把持切断装置。 - 旋回・傾倒・伸縮可能な駆動アームの先端に傾倒可能に取付けられ、切断対象部材を把持する把持手段と、
前記把持手段と連結手段で連結され、前記把持手段で把持された前記切断対象部材を切断する切断装置と、
を有し、
前記切断装置は、
前記連結手段と連結される連結部材と、
前記連結部材に取付けられたスライド機構と、
前記スライド機構にスライド可能に取付けられた枠部材と、
前記枠部材に固定され、前記切断対象部材を切断するワイヤーソーが走行可能に取り付けられたサブフレームと、
を有する把持切断装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の把持切断装置を用いて、切断対象部材を切断する把持切断方法であって、
駆動アームの先端に取付けた把持手段で前記切断対象部材を把持する工程と、
前記把持手段が把持した前記切断対象部材を、切断装置で切断する工程と、
を有する把持切断方法。
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