JP6333202B2 - 連続抽出装置、連続抽出システム及び連続抽出方法 - Google Patents

連続抽出装置、連続抽出システム及び連続抽出方法 Download PDF

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Description

本発明は、焙煎済みのコーヒー豆等の原料と水とを効率良く利用し、かつ高濃度のコーヒー抽出液を得ることが可能な連続抽出装置、連続抽出システム及び連続抽出方法に関する。
コーヒー飲料等は、原料のコーヒー豆を焙煎、摩砕した後、適当な温度に設定した水による抽出によってコーヒー抽出液として製造されている。良好な香味を有するコーヒー飲料を効率良く製造するためには、コーヒー豆中の香味成分をできるだけ高濃度でコーヒー抽出液中に溶出させるとともに、油分や渋味成分等、雑味の原因となる成分の過度な溶出を抑え、香味の低下を防ぐことが重要となる。
良好な香味を有する高濃度のコーヒー抽出液を得るための方法として、たとえば特許文献1には、液体中で、もしくは液体とともに焙煎したコーヒー豆を一定範囲内の粒径となるまで摩砕し、ドリップ式等によって抽出する方法が提案されている。
特許文献1では、液体中で、もしくは液体とともに焙煎、摩砕を行うため、焙煎、摩砕時の香味成分、特に揮発成分の散逸を防ぎ、良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることができる。しかし、抽出方法としてはドリップ式等一般的に用いられる方法を採用しているため、得られるコーヒー抽出液の濃度には限界がある。
そこで、特許文献2では、焙煎済みのコーヒー豆と抽出用液体とを共存させた状態で摩砕し、抽出用液体中でコーヒー豆の抽出を行なった後に、遠心分離によりコーヒー豆の抽出残さ(抽出粕)と抽出液とを分離するコーヒー飲料製造装置が開示されている。特許文献2では、コーヒー豆の抽出残さと抽出液とを確実に分離することにより、高濃度のコーヒー抽出液を得ることができる。
特開2000−333612号公報 特開2005−080698号公報
摩砕されていないコーヒー豆は比重が小さく、液面に浮きやすく、撹拌機により摩砕することが困難になるおそれがある。したがって、特許文献2に開示されているように、焙煎済みのコーヒー豆と抽出用液体とを共存させた状態で摩砕する場合、撹拌機のスクリューを押し込むか、あるいは摩砕されていないコーヒー豆を沈降させる必要が生じる。したがって、比較的大きなスクリューを取り付ける必要が生じるとともに、洗浄が容易でないため実用化が困難であるという問題点があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、効率良く原料のコーヒー豆を利用することによって、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能な連続抽出装置、連続抽出システム及び連続抽出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る連続抽出装置は、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を共存させた状態で摩砕する連続抽出装置であって、高速回転する第1のロータと、該第1のロータを底部に有するタンクと、該タンク内に焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を連続的に供給する連続供給部とを備え、タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出することを特徴とする。
第1発明では、第1のロータを高速回転させることで、タンク内に連続的に供給された、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体について、タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出する。第1のロータの高速回転により、液面に浮かびやすいコーヒー豆をタンク下部へと引き込むことができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第2発明に係る連続抽出装置は、第1発明において、前記タンクの底部に、前記第1のロータの外側に、第1の開口部を有する固定された第1のステータを備え、スラリーが前記第1の開口部を通過して吐出されることが好ましい。
第2発明では、タンクの底部に、第1のロータの外側に、第1の開口部を有する固定された第1のステータを備えており、スラリーが第1の開口部を通過して吐出されるので、第1のロータと第1のステータとの隙間で摩砕と撹拌とを繰り返すとともに、第1の開口部を通過する時点でさらに摩砕と撹拌とを繰り返す。したがって、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第発明に係る連続抽出装置は、第2発明において、吐出されたスラリーをさらに摩砕する一又は複数の摩砕機を備えることが好ましい。
発明では、吐出されたスラリーをさらに摩砕する一又は複数の摩砕機を備えるので、まだ十分に摩砕されていないコーヒー豆がスラリー内に残存する場合であっても、より粒度の小さいスラリーを生成することが可能となる。
また、第発明に係る連続抽出装置は、第発明において、前記摩砕機は、高速回転する第2のロータと、該第2のロータの外側に、第2の開口部を有する固定された第2のステータとを備えることが好ましい。
発明では、摩砕機は、高速回転する第2のロータと、該第2のロータの外側に、第2の開口部を有する固定された第2のステータとを備えるので、スラリーが第2の開口部を通過して吐出され、第2のロータと第2のステータとの隙間で摩砕と撹拌とを繰り返すとともに、第2の開口部を通過する時点でさらに摩砕と撹拌とを繰り返す。したがって、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第発明に係る連続抽出装置は、第発明において、前記摩砕機は、前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間の間隔、及び前記第2の開口部の大きさが、それぞれ前記第1のロータと前記第1のステータとの間の隙間の間隔、及び前記第1の開口部の大きさよりも小さいことが好ましい。
発明では、摩砕機は、第2のロータと第2のステータとの間の隙間の間隔、及び第2の開口部の大きさが、それぞれ第1のロータと第1のステータとの間の隙間の間隔、及び第1の開口部の大きさよりも小さいので、より吐出されるスラリーの粒度を小さくすることができ、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第発明に係る連続抽出装置は、第発明において、前記摩砕機は、高速回転する第2のロータと、該第2のロータの外側に固定された第2のステータとを備え、前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間を介して摩砕することが好ましい。
発明では、摩砕機は、高速回転する第2のロータと、該第2のロータの外側に、第2の開口部を有する固定された第2のステータとを備え、前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間を介して摩砕するので、第2のロータと第2のステータとの隙間で摩砕と撹拌とを繰り返し、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第発明に係る連続抽出装置は、第発明において、前記摩砕機は、前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間の間隔が、前記第1のロータと前記第1のステータとの間の隙間の間隔、及び前記第1の開口部の大きさよりも小さいことが好ましい。
発明では、摩砕機は、第2のロータと第2のステータとの間の隙間の間隔が、第1のロータと第1のステータとの間の隙間の間隔、及び第1の開口部の大きさよりも小さいので、より吐出されるスラリーの粒度を小さくすることができ、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第8発明に係る連続抽出装置は、第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記タンクは、前記タンク内の収容物の上下方向の対流を促進する第1のバッフルを備えることが好ましい。
第8発明では、タンクは、タンク内の収容物の上下方向の対流を促進する第1のバッフルを備えるので、液面近傍に浮いていたコーヒー豆もタンク下部へと対流させることができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第9発明に係る連続抽出装置は、第1乃至第8発明のいずれか一項において、前記タンクは、鉛直方向を中心軸として回転することが可能な回転軸を備え、該回転軸に第1の撹拌用羽根を取り付けてあることが好ましい。
第9発明では、タンクは、鉛直方向を中心軸として回転することが可能な回転軸を備え、該回転軸に第1の撹拌用羽根を取り付けてあるので、タンク内のコーヒー豆を確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことができ、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
次に、上記目的を達成するために第10発明に係る連続抽出システムは、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を共存させた状態で摩砕する連続抽出装置を備える連続抽出システムであって、前記連続抽出装置は、高速回転する第1のロータと、該第1のロータを底部に有するタンクと、該タンク内に焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を連続的に供給する連続供給部とを有し、タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出し、前記連続抽出装置から吐出されたスラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第1の遠心分離機を備えることを特徴とする。
第10発明では、上述した連続抽出装置から吐出されたスラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第1の遠心分離機を備えるので、抽出粕を再利用することが可能となる。
また、第11発明に係る連続抽出システムは、第10発明において、前記第1の遠心分離機における遠心力は1500G以上であることが好ましい。
第11発明では、第1の遠心分離機における遠心力は1500G以上であるので、確実に抽出液と抽出粕とを分離することが可能となる。
また、第12発明に係る連続抽出システムは、第10又は第11発明において、前記第1の遠心分離機にて分離された抽出粕と抽出用液体とを再抽出タンクへ供給して二次スラリーを生成し、吐出することが好ましい。
第12発明では、第1の遠心分離機にて分離された抽出粕と抽出用液体とを再抽出タンクへ供給して二次スラリーを生成し、吐出するので、タンクだけで抽出するよりも高濃度のコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
また、第13発明に係る連続抽出システムは、第12発明において、吐出された二次スラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第2の遠心分離機を備えることが好ましい。
第13発明では、上述したいずれかの連続抽出システムから吐出された二次スラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第2の遠心分離機を備えるので、抽出液を抽出用液体として再利用することが可能となる。
また、第14発明に係る連続抽出システムは、第13発明において、前記第2の遠心分離機における遠心力は1500G以上であることが好ましい。
第14発明では、第2の遠心分離機における遠心力は1500G以上であるので、確実に抽出液と抽出粕とを分離することが可能となる。
また、第15発明に係る連続抽出システムは、第13又は第14発明において、前記第2の遠心分離機にて分離された抽出液を前記抽出用液体として前記タンクへ供給することが好ましい。
第15発明では、第2の遠心分離機にて分離された抽出液を抽出用液体としてタンクへ供給することにより、コーヒー液抽出に再利用することが可能となる。
次に、上記目的を達成するために第16発明に係る連続抽出方法は、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を共存させた状態で摩砕する連続抽出装置又は連続抽出システムで実行することが可能な連続抽出方法であって、前記連続抽出装置及び前記連続抽出システムは、高速回転するロータを底部に有するタンク内に、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を連続的に供給し、前記タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出することを特徴とする。
第16発明では、ロータを高速回転させることで、タンク内に連続的に供給された、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体について、タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出する。ロータの高速回転により、液面に浮かびやすいコーヒー豆をタンク下部へと引き込むことができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
本発明によれば、ロータを高速回転させることで、タンク内に連続的に供給された、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体について、タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出する。ロータの高速回転により、液面に浮かびやすいコーヒー豆をタンク下部へと引き込むことができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置のタンク底部のロータ近傍の構成を示す平面図及びロータの回転中心軸を含む面での断面図である。 本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置のタンクのステータの開口部の形状の例示図である。 本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置のタンクのバッフルの構成を示す例示図である。 本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置の摩砕機の構成例を示す、ロータ(第2のロータ)の回転中心軸を含む面での断面図である。 本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置の摩砕機の構成例を示す、ロータの回転中心軸を含む面での断面図である。 本発明の実施の形態2に係る連続抽出システムの構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る連続抽出システムの連続式摩砕機の構成例を示す、ロータ(第4のロータ)の回転中心軸を含む面での断面図である。 本発明の実施の形態3に係る連続抽出システムの構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態1では、タンク1に原料及び抽出用液体を供給して、摩砕と撹拌とを繰り返すことによりコーヒー抽出液を得る。
図1において、まず原料供給タンク21a、21bに、原料となる焙煎済みのコーヒー豆を供給し、それぞれ原料送り装置23a、23bを介してタンク1に供給する。原料の供給流量は、原料供給タンク21a、21bに取り付けられたロードセル22a、22bで測定された重量値の時間当たりの変化により計測する。
原料供給タンク21a、21bを2基設けているのは、原料を連続して一定の流量でタンク1へ供給するためである。例えば、原料供給タンク21aのみで原料を供給する場合、原料供給タンク21a内の原料がすべて供給されてから原料供給タンク21aに原料を補充していたのでは、補充している時間中は原料を供給することができない。また、タンク1へ原料を供給している途上で原料を補充する場合、原料居窮タンク21aに取り付けられたロードセル22aによって供給流量を正しく把握することができない。
したがって、例えば原料供給タンク21aによりタンク1へ原料を供給しながら、原料供給タンク21bに原料を補充する。そして、原料供給タンク21aが空になった時点で原料供給タンク21bから原料を供給するように切り替える。原料供給タンク21bによりタンク1へ原料を供給しながら原料供給タンク21aに原料を補充する。これを繰り返すことで、原料を連続してタンク1へ供給することができる。
原料の供給流量は、原料送り装置23a、23bを駆動するモータに取り付けられたスピードコントローラ24a、24bにより制御される。原料送り装置23a、23bとしては、例えばロータリーバルブ、スクリューフィーダー等を用いることができる。ただし、原料を液中で摩砕することにより原料に含まれるアロマ成分を液中に封じ込める必要があることを鑑みれば、原料を送り出す時点で原料が砕かれることは好ましくない。したがって、原料送り装置23a、23bとしては、比較的原料を砕くことなく送り出すことができるスクリューフィーダーを用いることがより好ましい。
原料供給タンク21a、21bから焙煎済みのコーヒー豆がタンク1へ供給されると同時に、抽出用液体もコントロールバルブ5を介してタンク1へ供給される。抽出用液体の供給流量は、例えば質量流量計51で流量を測定しながら、コントロールバルブ5の開度調整により行う。すなわち、原料供給タンク21a、21b及びコントロールバルブ5で連続供給部が形成されている。
なお、本実施の形態1で原料として用いるコーヒー豆は特に種類等が限定されるものではなく、抽出液の使用目的に応じて、単種あるいは2種以上の豆を適宜ブレンドして用いても良い。また、コーヒー豆の焙煎条件は、用いるコーヒー豆の種類、所望の濃度、所望の香味等に応じて、最適な濃度、良好な香味を発揮する条件を適宜選択すれば良い。
抽出用液体としては、抽出液の使用目的に応じて水道水、イオン交換水やRO水等の純水、エタノール又はエタノール水溶液、牛乳等を用いることができる。抽出用液体の供給温度は、1〜145℃であることが好ましく、1〜60℃であることがより好ましい。これにより、アロマ成分の高温による劣化等を抑制することが可能となる。
また、抽出用液体として水を用いる場合、真空脱気等の通常用いられる方法によって水中の溶存酸素量を減らした脱酸素水を用いることが好ましい。脱酸素水としては、例えば溶存酸素量が50ppb程度であるもの等が挙げられる。脱酸素水を用いる場合、抽出用液体に対する香味成分の溶出が促進され、コーヒー豆中の香味成分をより良好に抽出することができる。香味成分の中で、特に揮発性の香味成分の溶出度が向上することは、良好な香味を有する抽出液を得るために効果的である。さらに、脱酸素水を用いることにより抽出液中の溶存酸素量を少なくすることができるため、香味成分の変質、劣化を防止できるという利点がある。
抽出用液体の量と、原料であるコーヒー豆との重量比率は、原料1に対して抽出用液体が1〜30であることが好ましく、原料1に対して抽出用液体が2〜10であることがより好ましい。原料1に対して抽出用液体が3以上であれば、抽出用液体中にコーヒー豆を十分浸漬することができ、原料であるコーヒー豆を効率良く利用して高濃度のコーヒー抽出液を得ることができる。原料1に対して抽出用液体が30以下であれば、抽出用液体が多すぎることによるコーヒー抽出液の濃度の低下を防止できる。
タンク1の底部には、鉛直方向(底面に対して垂直方向)を中心軸として回転することが可能なロータ(第1のロータ)15を備えている。ロータ15が回転することにより、液面に浮遊している原料であるコーヒー豆をタンク1の底部まで引き込むことができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることができる。
ロータ15の回転数は、ロータ15の径の大きさにより相違する。ロータ15の径の大きさは、処理能力により決定されるが、ロータ15の周速は6〜40m/sの範囲であることが好ましい。摩砕粒度、撹拌の強さ、動力のバランスの観点からは、10〜30m/sの範囲であることがより好ましい。
ロータ15の形状は、特に限定されるものではなく、上述した周速を維持した上で、摩砕されていないコーヒー豆等を十分に引き込むことが可能な形状であれば良い。例えば、ディスパー翼等を用いることができる。
また、タンク1の底部に、ロータ15の外側に、開口部(第1の開口部)を有する固定されたステータ(第1のステータ)16を備えることが好ましい。図2は、本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置のタンク1底部のロータ15近傍の構成を示す平面図及びロータ15の回転軸に直交する面での断面図である。図2(a)は、本実施の形態1に係る連続抽出装置のタンク1底部のロータ15近傍の構成を示す平面図を、図2(b)は、本実施の形態1に係る連続抽出装置のタンク1底部のロータ15近傍の構成を示す、ロータ15の回転軸に直交する面での断面図を、それぞれ示している。
図2(a)に示すように、ロータ15の外周に沿って、ロータ15が回転することが可能に固定されたステータ(第1のステータ)16を設けてある。また、図2のようにロータ15の外側にステータ16が設けられている場合、ステータ16の内側にロータ15の外側に設けられている歯と嵌合することができる歯が設けられている。
図2(a)及び(b)の例では、ロータ15は反時計回りに回転し、タンク1内のスラリーは、ロータ15の下部に備えられている、スラリーを開口部(第1の開口部)17へ誘導するカップ18と、カップ18の下部に設けられている開口部19に吸い込まれる。開口部19に吸い込まれたスラリーは、ステータ16の内側に設けられている歯により撹拌及び摩砕をされつつ、ステータ16の開口部17を通過して吐出される。
図3は、本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置のタンク1のステータ16の開口部17の形状の例示図である。図3(a)の例では、開口部17として円形の穴が複数並べて形成されている。この場合、開口部17の穴の径の大きさに応じて、吐出されるスラリーの粒度が左右される。
図3(b)の例では、開口部17として、スリット形状であり、しかも櫛状の穴が複数並べて形成されている。この場合、開口部17のスリット形状の幅の大きさに応じて、吐出されるスラリーの粒度が左右される。もちろん櫛状ではなく、図3(c)に示すように、開口部17としてスリット形状であり、窓状の穴が複数並べて形成されていても良い。
つまり、ステータ16の開口部17の大きさにより、スラリーをどの程度まで細かく摩砕できるかを決定する。摩砕されるスラリーの粒度は、ステータ16の開口部17の穴の径、あるいは開口部17がスリット形状である場合にはスリット形状の幅よりも大きくはならない。開口部17の通過時に撹拌及び摩砕されるからである。
タンク1からスラリーが吐出された後、摩砕機3aにスラリーが投入される場合には、開口部17の穴の径、あるいはスリット形状の幅は3mm以上であっても良い。開口部17の穴の径、あるいはスリット形状の幅が3mmの場合、最大粒子径は3mm以下となり、平均粒子径は1〜2mm程度となるからである。
タンク1からスラリーが吐出された後、摩砕機3aを設けていない場合、開口部17の穴の径やスリットの幅は2mm以下であることが好ましい。開口部の穴の径やスリット形状の幅が2mmの場合、最大粒子径は2mm以下となり、平均粒子径を0.5〜1mm程度にまで細かくする必要があるからである。
また、開口部17の穴の径やスリット形状の幅が小さくなるほど、より細かく摩砕することができる半面、摩砕負荷は大きくなり、スラリーのタンク1内における滞留時間が長くなる。したがって、タンク1からスラリーが吐出された後、摩砕機3aを用いてさらに細かく摩砕することで、負荷を分散させることがより好ましい。
なお、タンク1の底部にステータ16を固定する場合、溶接により固定することが好ましい。しかし、特にこれに限定されるものではなく、例えばボルト等で固定し、メンテナンス時に取り外し可能とし、開口部17の穴の径やスリット形状の幅を変更したステータ16に入れ替えることを可能にしても良い。
さらに、タンク1は、タンク1内の収容物の上下方向の対流を促進するバッフル(第1のバッフル)を備えることが好ましい。本実施の形態1では、バッフルは整流板として機能すれば足り、多様な形態が考えられる。
図4は、本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置のタンク1のバッフルの構成を示す例示図である。図4(a)に示すように、バッフル(第1のバッフル)20は、整流板としてタンク1の側壁に沿うように設ければ良い。もちろん、バッフル20の形状は、特にこれに限定されるものではなく、例えば図4(b)に示すように、タンク1の底面から突出した整流板としてバッフル20を設けても良いし、図4(c)に示すように、タンク1の側壁から少し離れた位置に環状のバッフル20を上部から吊り下げても良い。バッフル20の形状も特に限定されるものではなく、平板を用いても良いし、環状のパイプを用いても良い。ただし、後述するタンク1の上部からの回転軸及び回転軸に取り付けられている撹拌羽根と干渉することがない位置に備える必要がある。
また、図1に示すように、タンク1は、鉛直方向を中心軸として回転することが可能な回転軸11を備え、回転軸11に撹拌用羽根(第1の撹拌用羽根)12を取り付けてあることが好ましい。撹拌用羽根12は、特に原料と抽出用液体との重量比率が、原料1に対して抽出用液体4以下である場合、すなわち抽出用液体の量が少ない場合に設けることが好ましい。タンク1の底部に設けられたロータ15のみでは、タンク1内全体に対流を起こすことが困難になるからである。逆に抽出用液体の量が多い場合には、回転軸11を回転させずに、撹拌羽根12をタンク1の底部に設けられたロータ15による対流を起こすバッフル20として機能させることが好ましい。
なお、タンク1から吐出されたスラリーは、さらに摩砕されることが好ましい。そこで、本実施の形態1では、吐出されたスラリーをさらに摩砕する一又は複数の摩砕機3a、3bを備えている。
タンク1から吐出されたスラリーをさらに細かく摩砕するためには、摩砕機3a、3bのステータの開口部の穴の径、あるいはスリット形状の幅を、タンク1のステータ16の開口部17の穴の径、あるいはスリット形状の幅よりも小さくする必要がある。ただし、摩砕機3a、3bを通過する時点で強力な撹拌作用が加わるので、より細かく摩砕することができなくても抽出効率の向上に寄与することはできる。
本実施の形態1では、摩砕機3a、3bが設けられている位置は、抽出粕を分離する前であるので、例えば摩砕機3bのみを設けて、摩砕機3bにロータ&ステータ隙間通過型連続式摩砕機を採用することが好ましい。この場合、スリット溝の幅をより小さくすることで、より細かくスラリーを摩砕することができる。しかし、過度にステータのスリット溝の幅を小さくした場合、抽出粕による目詰りが生じたり、負荷が過大になるという問題が生じる。そこで、摩砕機3aとしてステータ開口通過型摩砕機を採用して、事前により細かく摩砕しておくことで目詰まりの発生を未然に防止することができる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置の摩砕機3bの構成例を示す、ロータ(第2のロータ)の回転中心軸を含む面での断面図である。図5に示すように、連続式摩砕機3bは、高速回転するロータ(第2のロータ)31bと、ロータ31bの外側に固定されているステータ(第2のステータ)32b、33bとを備える。
図5の例では、ステータは前面ステータ32bと斜面ステータ33bとに分けられており、前面ステータ32bには何本もの突起した歯321bが設けられている。ロータ31bの、前面ステータ32bの歯321bと対向する面には、何本もの突起した歯311bが設けられており、互いに干渉しないように並べられている。すなわち、スラリー入口30bから吸い込まれたスラリーは、歯321bと歯311bとの間の隙間及び開口部(第2の開口部)として設けてあるスリット溝34bを通過して、スラリー出口35bから吐出される。
また、斜面ステータ33bとロータ31bの斜面部とに、スリット溝34bが刻まれており、それによりスラリーにせん断効果を与えて摩砕している。ロータ31bの斜面部と斜面ステータ33bとの間の隙間は、少なくとも、歯321bと歯311bとの間の隙間と同一、あるいは小さくすることが好ましい。タンク1又は摩砕機3aから吐出されたスラリーを、さらに細かく摩砕することができるからである。
図6は、本発明の実施の形態1に係る連続抽出装置の摩砕機3aの構成例を示す、ロータの回転中心軸を含む面での断面図である。図6に示すように、摩砕機3aは、高速回転するロータ31と、ロータ31の外側に、開口部33、34を有する固定されたステータ32(321、322)とを備える。
図6の例では、スラリー入口30から吸い込まれたスラリーは、高速回転するロータ31の内歯311で砕かれつつ吐出される。そして、ステータ321の開口部(穴)33を通過することで再度摩砕され、さらにその外側の中歯312で砕かれつつ吐出される。そして、ステータ322の開口部(穴)34を通過する時点でさらに摩砕され、その外側の外歯313で砕かれつつスラリー出口39から吐出される。
ステータ321の開口部33の穴の径は、タンク1の底部にステータ16がある場合には、タンク1のステータ16の開口部17の穴の径、あるいはスリット形状の幅よりも小さくする必要がある。また、ステータ322の開口部34の穴の径、あるいはスリット形状の幅は、ステータ321の開口部33の穴の径、あるいはスリット形状の幅よりも小さくする必要がある。
なお、摩砕機3a、3bともに、ロータ&ステータ隙間通過型連続式摩砕機を用いても良いが、摩砕機3a、3b間にスラリー移送ポンプ4を設けることにより、摩砕機3aにステータ開口通過型摩砕機を用いることができる。
この場合、スラリー移送ポンプ4は、ロータリーポンプ等の容積式ポンプを用いることが好ましい。スラリー移送ポンプ4は、スピードコントローラ41を備えており、差圧発信機13により液面10のレベルを検出しながら、タンク1の液面10のレベルが一定値に維持できるよう制御することができる。
以上のように本実施の形態1によれば、ロータ15を高速回転させることで、タンク1内に連続的に供給された、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体について、タンク1内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出する。ロータ15の高速回転により、液面に浮遊しているコーヒー豆をタンク1の底部へと引き込むことができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、良好な香味を有するコーヒー抽出液を高濃度で得ることが可能となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る連続抽出システムは、実施の形態1に係る連続抽出装置を用いて構成されているので、同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付することで詳細な説明は省略する。本実施の形態2では、遠心分離器で分離された抽出粕を用いて、再抽出する点で実施の形態1とは相違する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る連続抽出システムの構成を示す模式図である。図7に示すように、本実施の形態2に係る連続抽出システムの構成は、実施の形態1に係る連続抽出装置の構成に加えて、吐出されたスラリーが、遠心分離機(第1の遠心分離機)6a、再抽出タンク7、連続式摩砕機82へと誘導されている。
第1の遠心分離機6aとしては、摩砕機3bから連続してスラリーが送り出されることから、デカンターを用いることが好ましい。第1の遠心分離機6aにおける遠心力は、1500G以上であれば適用することが可能となる。ただし、微粉を効果的に除去し、抽出液の収率を高め、処理量に対する動力及び第1の遠心分離機6a内におけるスラリーの滞留時間の面も加味して考慮すると、遠心力は3000G程度であることがより好ましい。スラリーの滞留時間が長い場合、第1の遠心分離機6aにおけるスラリーの保持量も多くなり、立上時及び終了時に水と混ざりやすくなる。したがって、製品の歩留りに大きく影響すると考えられるからである。
第1の遠心分離機6aで抽出液と抽出粕とに分離され、分離された抽出液は、次の工程へと送り出される。分離された抽出粕は、第1の遠心分離機6aの直下に備えている再抽出タンク7へ供給される。同時に、抽出用液体も抽出用液体入口から再抽出タンク7へ供給される。抽出用液体の供給流量は一定に制御することが好ましく、コントロールバルブ61等で流量を制御することが好ましい。なお、抽出用液体の流量は、質量流量計62で計測することが好ましい。
再抽出タンク7は、抽出効率を高くするためにタンク1と同様のタンクを用いることが好ましい。しかし、既にタンク1から吐出されたスラリーは、原料が摩砕されているので、ステータ(第3のステータ)76の開口部77(実施の形態1のステータ16の開口部17と構成が同一なので図示省略)が大きい場合であっても、あるいは図6の例のようにステータ(第3のステータ)76を設けることなく、ロータ(第3のロータ)75のみである場合であっても、強撹拌できるという点では十分に有効である。
再抽出タンク7の底部には、鉛直方向(底面に対して垂直方向)を中心軸として回転することが可能なロータ(第3のロータ)75を備えている。ロータ75が回転することにより、液面70近傍に浮遊している原料であるコーヒー豆を底部まで引き込むことができ、確実に摩砕と撹拌とを繰り返すことにより、高濃度で良好な香味を有するコーヒー抽出液を得ることができる。
ロータ75の形状は、特に限定されるものではなく、上述した周速を維持した上で、摩砕されていないコーヒー豆等を十分に引き込むことが可能な形状であれば良い。例えば、ディスパー翼等を用いることができる。
また、実施の形態1と同様に、再抽出タンク7の底部に、ロータ75の外側に、開口部(第3の開口部)77を有する固定されたステータ(第3のステータ)76を備えることが好ましい。本実施の形態2に係る連続抽出システムの再抽出タンク7底部のロータ75近傍の構成は、実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
さらに、再抽出タンク7は、再抽出タンク7内の収容物の上下方向の対流を促進するバッフル(第2のバッフル)20aを備えることが好ましい。バッフル20aの構成についても、実施の形態1と同様であることから、詳細な説明は省略する。
また、再抽出タンク7は、鉛直方向を中心軸として回転することが可能な回転軸71を備え、回転軸71に撹拌用羽根(第2の撹拌用羽根)72を取り付けてあることが好ましい。撹拌用羽根72は、特に原料と抽出用液体との重量比率が、原料1に対して抽出用液体4以下である場合、すなわち抽出用液体の量が少ない場合に設けることが好ましい。粘度が大きく、ロータ75に吸い込まれにくいことが予想されるからである。
再抽出タンク7から吐出されたスラリー(二次スラリー)は、二次スラリー移送ポンプ8により連続して二次スラリーを摩砕する連続式摩砕機82へ送り出される。二次スラリー移送ポンプ8は、容積式ポンプであっても良いし、遠心式ポンプであっても良い。二次スラリー移送ポンプ8は、スピードコントローラ81を備えており、差圧発信機73により液面70のレベルを検出しながら、再抽出タンク7の液面70のレベルを一定に維持するよう制御できることが好ましい。
連続式摩砕機82は、ステータ開口通過型摩砕機を用いることが好ましいが、特にこれに限定されるものではなく、ロータ&ステータ隙間通過型摩砕機を用いても良い。特に、二次抽出であることから、摩砕の必要性は比較的低く、ロータとステータとの隙間の間隔が広い場合であっても、あるいはステータの開口部が大きい場合であっても、強く撹拌することができれば十分に有効である。
図8は、本発明の実施の形態2に係る連続抽出システムの連続式摩砕機82の構成例を示す、ロータ(第4のロータ)の回転中心軸を含む面での断面図である。図8に示すように、ステータ開口通過型摩砕機である連続式摩砕機82の構成は、実施の形態1の摩砕機3aと同様である。本実施の形態2に係る連続式摩砕機82は、高速回転するロータ(第4のロータ)83と、ロータ83の外側に、開口部(第4の開口部)85、86を有する固定されたステータ(第4のステータ)84(841、842)とを備える。
図8の例では、スラリー入口87から吸い込まれたスラリーは、高速回転するロータ83の内歯831で砕かれつつ吐出される。そして、ステータ841の開口部(穴)85を通過することで再度摩砕され、さらにその外側の中歯832で砕かれつつ吐出される。そして、ステータ842の開口部(穴)86を通過する時点でさらに摩砕され、その外側の外歯833で砕かれつつスラリー出口88から吐出される。
連続式摩砕機82のステータ841の開口部85の穴の径、あるいはスリット形状の幅は、再抽出タンク7のロータ75とステータ76との隙間、ステータ76の開口部77の大きさあるいはスリット形状の幅よりも小さくする必要がある。また、ステータ842の開口部86の穴の径、あるいはスリット形状の幅は、ステータ841の開口部85の穴の径、あるいはスリット形状の幅よりも小さくする必要がある。再抽出タンク7から吐出された二次スラリーをさらに細かく摩砕するためである。ただし、連続式摩砕機82を通過する時点で強力な撹拌作用が加わるので、より細かく摩砕することができなくても抽出効率の向上に寄与することはできる。
以上のように本実施の形態2によれば、吐出されたスラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第1の遠心分離機6aを備え、分離された抽出粕と抽出用液体とを再抽出タンク7へ供給して二次スラリーを生成し、吐出するので、タンク1だけで抽出するよりも高濃度のコーヒー抽出液を得ることが可能となる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る連続抽出システムは、実施の形態2に係る連続抽出システムを用いて構成されているので、同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付することで詳細な説明は省略する。本実施の形態3では、第2の遠心分離器で再度分離された抽出液を抽出用液体としてタンク1へ供給する点で実施の形態1及び2とは相違する。
図9は、本発明の実施の形態3に係る連続抽出システムの構成を示す模式図である。図9に示すように、本実施の形態3に係る連続抽出システムの構成は、実施の形態2に係る連続抽出システムの構成に加えて、吐出された二次スラリーが、遠心分離機(第2の遠心分離機)6b、抽出液タンク9へと誘導されている。
第2の遠心分離機6bとしては、連続式摩砕機82から連続して二次スラリーが送り出されることから、デカンターを用いることが好ましい。第2の遠心分離機6bにおける遠心力は、1500G以上であれば適用することが可能となる。ただし、実施の形態2と同様、遠心力は3000G程度であることがより好ましい。
第2の遠心分離機6bで抽出液と抽出粕とに分離され、分離された抽出液は、一旦抽出液タンク9に収容され、流量を一定に制御した後にタンク1へと供給される。抽出液タンク9の液レベルは一定に制御する必要はなく、レベルの上下限を設定しておき、その範囲内に収束していることをレベル上下限指示計92で監視さえできれば良い。すなわち、連続運転途上に抽出液タンク9内が空になったり、抽出液タンク9から抽出液があふれ出たりするのを防止することさえできれば良い。
抽出液移送ポンプ91は、容積式ポンプであっても良いし、遠心式ポンプであっても良い。抽出液移送ポンプ91は、スピードコントローラを備えても良いし、あるいはコントロールバルブ5に接続して、送り出す抽出液の流量が一定になるよう制御できれば良い。
以上のように本実施の形態3によれば、吐出された二次スラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第2の遠心分離機6bを備えるので、抽出液を抽出用液体として再利用することが可能となる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において上記実施の形態に種々の変更をすることが可能であることは言うまでもない。例えば、摩砕機の構成は、上述した実施の形態1乃至3に開示した構成に限定されるものではない。
また、タンク1の液面10及び再抽出タンク7の液面70のレベル制御は、レベル検知手段として、差圧発信機13、73、ロードセル、あるいはレベルの上限と下限を設定し、その範囲に収束するようにするだけならば、レベル上下限指示計92としてフロースイッチ、静電容量式レベルスイッチ等を適用すれば良い。ただし、液面10、70のレベルは一定になるように制御する方が好ましく、例えば差圧発信機13、73あるいはロードセルで検知することが好ましいことは言うまでもない。
1 タンク
3a、3b 摩砕機
4 スラリー移送ポンプ
5 コントロールバルブ
6a 第1の遠心分離機
6b 第2の遠心分離機
7 再抽出タンク
8 スラリー移送ポンプ
9 抽出液タンク
11、71 回転軸
12 撹拌用羽根(第1の撹拌用羽根)
15 ロータ(第1のロータ)
16 ステータ(第1のステータ)
17 開口部(第1の開口部)
20 バッフル(第1のバッフル)
20a バッフル(第2のバッフル)
31b ロータ(第2のロータ)
32b ステータ(第2のステータ)、前面ステータ
33b ステータ(第2のステータ)、斜面ステータ
72 撹拌用羽根(第2の撹拌用羽根)
75 ロータ(第3のロータ)
76 ステータ(第3のステータ)
77 開口部(第3の開口部)
83 ロータ(第4のロータ)
84、841、842 ステータ(第4のステータ)
85、86 開口部(第4の開口部)

Claims (16)

  1. 焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を共存させた状態で摩砕する連続抽出装置であって、
    高速回転する第1のロータと、
    該第1のロータを底部に有するタンクと、
    該タンク内に焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を連続的に供給する連続供給部と
    を備え、
    タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出することを特徴とする連続抽出装置。
  2. 前記タンクの底部に、前記第1のロータの外側に、第1の開口部を有する固定された第1のステータを備え、
    スラリーが前記第1の開口部を通過して吐出されることを特徴とする請求項1に記載の連続抽出装置。
  3. 吐出されたスラリーをさらに摩砕する一又は複数の摩砕機を備えることを特徴とする請求項2に記載の連続抽出装置。
  4. 前記摩砕機は、
    高速回転する第2のロータと、
    該第2のロータの外側に、第2の開口部を有する固定された第2のステータと
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の連続抽出装置。
  5. 前記摩砕機は、
    前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間の間隔、及び前記第2の開口部の大きさが、それぞれ前記第1のロータと前記第1のステータとの間の隙間の間隔、及び前記第1の開口部の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の連続抽出装置。
  6. 前記摩砕機は、
    高速回転する第2のロータと、
    該第2のロータの外側に固定された第2のステータと
    を備え
    前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間を介して摩砕することを特徴とする請求項3に記載の連続抽出装置。
  7. 前記摩砕機は、
    前記第2のロータと前記第2のステータとの間の隙間の間隔が、前記第1のロータと前記第1のステータとの間の隙間の間隔、及び前記第1の開口部の大きさよりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の連続抽出装置。
  8. 前記タンクは、前記タンク内の収容物の上下方向の対流を促進する第1のバッフルを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の連続抽出装置。
  9. 前記タンクは、鉛直方向を中心軸として回転することが可能な回転軸を備え、
    該回転軸に第1の撹拌用羽根を取り付けてあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の連続抽出装置。
  10. 焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を共存させた状態で摩砕する連続抽出装置を備える連続抽出システムであって、
    前記連続抽出装置は、
    高速回転する第1のロータと、
    該第1のロータを底部に有するタンクと、
    該タンク内に焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を連続的に供給する連続供給部と
    を有し、
    タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出し、
    前記連続抽出装置から吐出されたスラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第1の遠心分離機を備えることを特徴とする連続抽出システム。
  11. 前記第1の遠心分離機における遠心力は1500G以上であることを特徴とする請求項10に記載の連続抽出システム。
  12. 前記第1の遠心分離機にて分離された抽出粕と抽出用液体とを再抽出タンクへ供給して二次スラリーを生成し、吐出することを特徴とする請求項10又は11に記載の連続抽出システム。
  13. 吐出された二次スラリーを、抽出粕と抽出液とに分離する第2の遠心分離機を備えることを特徴とする請求項12に記載の連続抽出システム。
  14. 前記第2の遠心分離機における遠心力は1500G以上であることを特徴とする請求項13に記載の連続抽出システム。
  15. 前記第2の遠心分離機にて分離された抽出液を前記抽出用液体として前記タンクへ供給することを特徴とする請求項13又は14に記載の連続抽出システム。
  16. 焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を共存させた状態で摩砕する連続抽出装置又は連続抽出システムで実行することが可能な連続抽出方法であって、
    前記連続抽出装置及び前記連続抽出システムは、
    高速回転するロータを底部に有するタンク内に、焙煎済みのコーヒー豆及び抽出用液体を連続的に供給し、
    前記タンク内の液面レベルが所定範囲内に収束するよう連続的に摩砕と撹拌とを繰り返してスラリーを吐出することを特徴とする連続抽出方法。
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