JP6331403B2 - 衛生薄葉紙ロール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は,トイレットロールなどの衛生薄葉紙ロール及びその製造方法に関する。
従来から,家庭用の衛生薄葉紙として,トイレットペーパやキッチンペーパなどが知られている。これらの衛生薄葉紙は長尺であるため,通常,円筒状の巻芯に巻き付けてロール状とされ,個別の製品として販売されている。
衛生薄葉紙をロール状に形成するためには,一般的に,衛生薄葉紙の先端部分又は巻芯の周面に接着剤(「ピックアップ糊」とも称される)を付着させ,巻芯を高速で回転させる処理が行われる。このように,ピックアップ糊を用いることで,衛生薄葉紙と巻芯が接着するため,巻芯を回転させることで,衛生薄葉紙が巻芯の周面に巻き付くようになる。このようにして,衛生薄葉紙をロール状に巻回した衛生薄葉紙ロールが形成される。
このピックアップ糊を利用して衛生薄葉紙ロールを形成する技術は,例えば特許文献1〜3などに開示されている。
特開2010−017237号公報 特開2010−188690号公報 特開2012−040775号公報
しかしながら,ピックアップ糊を用いて巻芯に衛生薄葉紙を巻き付けるようにすると,衛生薄葉紙ロールの製造ラインにおいて,巻芯又は衛生薄葉紙のいずれかにピックアップ糊を付着させる処理を行う必要がある。このようなピックアップ糊を付着させる処理が介在すると,衛生薄葉紙ロールの製造工程が増加し,生産効率が低下する恐れがあった。
また,ピックアップ糊を用いる場合,ピックアップ糊を巻芯又は衛生薄葉紙に付着させるための装置が必要となる。糊付着装置は精密な制御を必要とすることから,導入コストや保守・整備コストが掛かる。例えば,糊付着装置からピックアップ糊が漏れ出した場合にその掃除を行う必要がある。また,例えば,ピックアップ糊の漏れが堆積すると,異物混入等の異常品発生のリスクが高まるため,より慎重に製品の点検を行う必要がある。このため,結果として,衛生薄葉紙ロールの製造コストが増加するという問題があった。
このように,現在,衛生薄葉紙ロールの製造にピックアップ糊を用いることには,幾つかの問題があるとされている。従って,本発明は,ピックアップ糊を用いずに,効率的に衛生薄葉紙ロールの製造するための技術を提供することを目的とする。
そこで,本発明者は,従来技術の問題を解決するための手段について鋭意検討した結果,巻芯の表面に接着剤を使用することなく衛生薄葉を巻き付けることが出来る程度の摩擦力を付与することとした。これにより,接着剤を使用しなくても,衛生薄葉が巻芯に巻き付けられた衛生薄葉紙ロールを製造することができるようになり,当該ロールの製造効率を向上させ,しかも当該ロールの製造コストを低減させることができるという知見を得た。
そして,本発明者は,上記知見に基づけば,従来技術の問題を解消することができることに想到し,本発明を完成させた。
具体的に説明すると,本発明は以下の構成を有する。
本発明の第1の側面は,衛生薄葉紙ロールに関する。
本発明の衛生薄葉紙ロールは,長尺の衛生薄葉紙10と,当該衛生薄葉紙10が巻き付けられた巻芯20と,を含む。
そして,巻芯20の周面の少なくとも一部は,当該巻芯20を周方向に回転させたときに,接着手段を用いることなく,衛生薄葉紙10を巻き付けることが可能な摩擦力を有する。
上記構成のように,従来の衛生薄葉紙ロールと比較し,本発明の衛生薄葉紙ロールは,巻芯20の周面における摩擦力を高くしている。例えば,巻芯20の周面に凹凸を付与したり,巻芯20の周面をサンドペーパ(紙やすり)の様な粗面とすることにより,巻芯20の摩擦力を高めることができる。このようにして,巻芯20と衛生薄葉紙10との間に生じる摩擦を強くすることで,接着剤(ピックアップ糊)なしで,衛生薄葉紙10を巻芯20に巻き付けることができるようになる。
本発明の衛生薄葉紙ロールにおいて,衛生薄葉紙10と巻芯20の周面の少なくとも一部との周方向における静摩擦係数は,0.20以上であることが好ましい。
上記構成のように静摩擦係数を0.20以上とすることで,巻芯20を周方向に回転させたときに,接着剤(ピックアップ糊)を用いることなく,衛生薄葉紙10を巻芯20に巻き付けることが十分に可能となる。
本発明の衛生薄葉紙ロールにおいて,巻芯20は,その軸方向において,中央部21と両端部22に区分されていることが好ましい。
ここで,中央部21の周面は,巻芯20を周方向に回転させたときに,接着手段を用いることなく衛生薄葉紙10を巻き付けることが可能な摩擦力を有する。
他方,両端部22の周面の摩擦力は,中央部21の周面の摩擦力よりも低いものとされている。
本発明においては,巻芯20の周面の少なくとも一部において,摩擦力を高めることで,衛生薄葉紙10を巻芯20に巻き付けやすくしている。ただし,巻芯20の周面全体の摩擦力を高めてしまうと,衛生薄葉紙ロールの使用者が,当該ロールの端面に触れたときに,巻芯20の軸方向端部が使用者の手指に接触して,その手指を傷付けてしまう恐れもある。例えば,巻芯20の周面全体をサンドペーパの様な粗面としたときには,巻芯20に触れた者の手指を傷付ける恐れが高くなる。そこで,本発明では,上記構成のように,巻芯20の中央部21においてのみ摩擦力を高くし,巻芯20の両端部22においては摩擦力を低くすることで,衛生薄葉紙ロールの使用者が巻芯20の摩擦力が高い部分に触れないように配慮している。これにより,本発明の好ましい形態によれば,巻芯20の一部の摩擦力を高めた場合に発生する不具合を解消することができる。
本発明の第2の側面は,長尺の衛生薄葉紙10と,当該衛生薄葉紙10が巻き付けられた巻芯20と,を含む衛生薄葉紙ロールの製造方法に関する。
本発明の製造方法は,まず,衛生薄葉紙10の原紙30を,巻芯20が軸方向に連続してなる芯体40に巻き付ける工程を含む。
本発明の製造方法は,次に,原紙30が芯体40巻き付けられたペーパーログ50を,軸方向に所定間隔をおいて切断する工程を含む。
ここで,芯体40の周面の少なくとも一部は,当該芯体40を周方向に回転させたときに,接着手段を用いることなく原紙30を巻き付けることが可能な摩擦力を有する。
これにより,巻き付ける工程では,芯体40を周方向に回転させることで,接着手段を用いることなく,当該芯体40に原紙30を巻き付ける。
上記工程によれば,接着剤を使用しなくても,衛生薄葉が巻芯に巻き付けられた衛生薄葉紙ロールを製造することができるようになり,当該ロールの製造効率を向上させ,しかも当該ロールの製造コストを低減させることができる。
本発明の製造方法において,芯体40は,軸方向に沿って,高摩擦部41と低摩擦部42とが交互に形成されていることが好ましい。
ここで,高摩擦部41の周面は,芯体40を周方向に回転させたときに,接着手段を用いることなく原紙30を巻き付けることが可能な摩擦力を有する。
他方,低摩擦部42の周面の摩擦力は,高摩擦部41の周面の摩擦力よりも低い。
そして,切断する工程では,低摩擦部42においてペーパーログ50を切断することが好ましい。
上記工程によれば,端面に巻芯の摩擦力が高い部分が表出しない衛生薄葉紙ロールを効率的に製造することができる。すなわち,巻芯の両端部の摩擦力が低くなるように衛生薄葉紙ロールを製造することで,衛生薄葉紙ロールの端面に触れた者の手指を傷付けてしまうことを防止することができる。
本発明は,ピックアップ糊を用いずに,効率的に衛生薄葉紙ロールの製造するための技術を提供する。従って,本発明によれば,衛生薄葉紙ロールの製造効率を向上させ,しかも当該ロールの製造コストを低減させることができる。
図1は,本発明に係る衛生薄葉紙ロールの外観を示した斜視図である。 図2は,巻芯に衛生薄葉紙が巻き付けられる様子を示した模式図である。 図3は,衛生薄葉紙ロールに含まれる巻芯のバリエーションを示した斜視図である。 図4は,本発明に係る衛生薄葉紙ロールの製造方法を示した模式図である。
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
なお,本願明細書において,「A〜B」とは,「A以上B以下」であることを意味する。
また,「軸方向」とは,円筒状の巻芯等の中心軸(回転軸)が延びる方向を意味する。また,「周方向」とは,中心軸(回転軸)を基準として,円筒状の巻芯等が回転する方向を意味する。すなわち,「軸方向」と「周方向」は,巻芯等の周面から平面視した場合において,互いに直交する方向である。
[1.衛生薄葉紙ロール]
まず,本発明の第1の側面に係る衛生薄葉紙ロール1について説明する。
本発明において,衛生薄葉紙ロール1は,トイレットペーパをロール状に形成したトイレットロールであってもよいし,キッチンペーパをロール状に形成したキッチンロールであってもよい。その他,本発明は,ティッシュペーパなどの家庭用の衛生薄葉紙をロール状に形成した物にも適用することができる。
図1(a)は,本発明の第1の側面に係る衛生薄葉紙ロール1の外観を示した斜視図である。また,図1(b)は,衛生薄葉紙1の含まれる巻芯20の外観を示した斜視図である。図1(a)及び図1(b)に示されるように,衛生薄葉紙ロール1は,長尺の衛生薄葉紙10と,円筒状の巻芯20と,を含む。衛生薄葉紙ロール1は,衛生薄葉紙10が巻芯20の周面に多重に巻き付けられることにより形成されている。
衛生薄葉紙10は,公知の材料によって形成すればよい。例えば,衛生薄葉紙の主原料としては,公知のパルプを用いることができる。例えば,衛生薄葉紙の原料としては,広葉樹材や針葉樹材から得られる木材パルプ,ワラやヨシを原料とした非木材パルプ,新聞古紙や上質古紙やOA古紙等を脱墨処理して得られる脱墨古紙パルプ(DIP),又はこれらのパルプの組み合わせを用いることができる。
また,衛生薄葉紙10の嵩や坪量,尺(長さ)については,その用途に応じて適宜調節することができる。また,衛生薄葉紙10には,公知の方法によってエンボス加工を施すこととしてもよい。
巻芯20を形成する材料は,特に限定されるものではないが,例えばクラフト紙とライナー紙を積層して形成することができる。例えば,巻芯20は,クラフト紙とライナー紙を重ね合わせたシートを螺旋状に複数層に巻回して,シートの各層を接着剤により固着することにより円筒状に形成することができる。
また,巻芯20の形状は,適宜公知の形状とすればよい。例えば,巻芯の内径は,20mm〜150mmとすればよい。また,巻芯20の厚みは,2mm〜15mmとすればよい。また,巻芯20の長さは,300〜1500mmとすればよい。
ここで,本発明において,巻芯20の周面は,一般的な従来の巻芯と比較して,衛生薄葉紙10に対する摩擦力が強く形成されている。具体的には,巻芯20の周面の少なくとも一部は,巻芯20を周方向に回転させたときに,ピックアップ糊などの接着手段を用いることなく,衛生薄葉紙10を巻き付けることが可能な摩擦力を有している。
図1(b)に示された例において,巻芯20は,その周面全体が摩擦力の強い構造となっている。巻芯20の周面の摩擦力を向上させる構造としては種々のものが考えられる。例えば,巻芯20の周面に凹凸を付与して,周面の摩擦抵抗値を所望の値まで高くすることができる。また,例えば,巻芯20の周面の表層に,薄い滑り止めフィルムを貼り合わせて,周面の摩擦抵抗を高くすることができる。滑り止めフィルムとしては,例えば,ポリエステル系樹脂,ポリオレフィン系樹脂,塩化ビニル系樹脂,ナイロン系樹脂,フッ素系樹脂,及び生分解性樹脂などの熱可塑性弾性樹脂を原料とする公知のフィルムを採用することができる。また,例えば,巻芯20の周面の表層に,サンドペーパ(紙やすり)を貼り合わせて,周面の摩擦抵抗を高くすることも可能である。その他,本発明において,巻芯20の周面の摩擦力を向上させる構造としては,適宜公知のものを採用することができる。ただし,本発明では,接着剤や粘着剤などの接着手段を用いて,巻芯20の周面の摩擦抵抗値を高めることは行われない。
さらに具体的に説明すると,巻芯20の周面と衛生薄葉紙10との間に生じる巻芯20の周方向における静摩擦係数は,0.20以上であることが好ましい。例えば,巻芯20と衛生薄葉紙10の静摩擦係数は,0.20〜1.00であることが好ましく,0.30〜0.95,0.40〜0.90,又は0.50〜0.85であることとしてもよい。特に,巻芯20と衛生薄葉紙10の静摩擦係数は,0.50以上であることが好ましい。
上記の静摩擦係数は,JIS P 8147(1998)に準拠して測定すればよい。
具体的には,静摩擦係数は,以下の方法で測定することができる。
(1) 円筒状の巻芯を平板状に展開し,摩擦力が高められた構造の部分を50mm四方で切り取って試験片とし,傾斜板に貼り付ける。
(2) 衛生薄葉紙を50mm四方で切り取って試験紙とし,200gの接触子に巻き付ける。また,衛生薄葉紙の試験片が巻き付けられた接触子を,傾斜板に貼り付けられている巻芯の試験片の上に載せる。このとき,巻芯の試験片に加わる圧力を0.48kPaとする。
(3) 傾斜板を水平状態から6度/秒で傾け,接触子が滑り落ちる角度を測定する。このとき,接触子が滑り落ちる方向と巻芯の周方向とを一致させる。
(4) 上記角度の測定を5回行い,その平均角度を算出する。求められた平均角度のタンジェント値を,静摩擦係数とする。
上記のように,巻芯20と衛生薄葉紙10の静摩擦係数が0.20以上であることにより,巻芯20を周方向に回転させたときに,接着剤(ピックアップ糊)を用いることなく,衛生薄葉紙10を巻芯20に巻き付けることが十分に可能となる。図2には,衛生薄葉紙10が巻芯20に巻き付けられる様子が模式的に示されている。図2(a)〜(c)に示されるように,周方向に回転する巻芯20の周面に衛生薄葉紙10の先端部分が接触すると,巻芯20の回転に伴って,衛生薄葉紙10が巻芯20の周面に巻き付けられる。このとき,巻芯20の周面には高い摩擦力が付与されているため,巻芯20の周面又は衛生薄葉紙10の先端部分に接着剤(ピックアップ糊)を付与する必要なく,巻芯20に対して衛生薄葉紙10を巻き付けることができる。
図3は,本発明の衛生薄葉紙ロール1に含まれる巻芯20のバリエーションを示した斜視図である。図3では,巻芯20の周面のうちの摩擦力が高い領域(「高摩擦領域」という)をドット模様で示している。図3において,高摩擦領域は,符号20aで示されている。他方,高摩擦領域20aよりも摩擦力が低い領域(「低摩擦領域」という)を,符号20bで示している。図1及び図2では,巻芯20の周面全体に高い摩擦力が付与された形態について説明したが,本発明は,図3に示されるように,巻芯20の周面の少なくとも一部に高い摩擦力が付与すればよい。
図3(a)及び図3(b)は,高摩擦領域20aが,巻芯20の周面において,巻芯20の軸方向に沿った帯状に形成された例を示している。すなわち,図3(a)では,巻芯20の軸方向に沿った帯状の高摩擦領域20aが,巻芯20の軸方向全体亘って一条のみ形成されている。また,図3(b)では,巻芯20の軸方向に沿った帯状の高摩擦領域20aが,巻芯20の軸方向全体亘って複数条形成されている。このように,巻芯20の周面に,軸方向に沿った帯状の高摩擦領域20aを一又は複数条形成することによっても,衛生薄葉紙10を巻き付けることができる。
図3(c)は,高摩擦領域20aが,巻芯20の周面において,巻芯20の周方向に沿った帯状に形成された例を示している。図3(c)の形態において,高摩擦領域20aは,巻芯20の周方向全体に亘って帯状に形成されている。具体的に説明すると,図3(c)に示されるように,巻芯20の周面は,その軸方向において,中央部21と両端部22に区分することができる。中央部21の軸方向の長さは,巻芯20の軸方向全体の長さを100%としたときに,60%〜95%であることが好ましい。他方,両端部22それぞれの軸方向の長さは,例えば中央部21以外の部分の長さを2等分した長さとすればよい。そして,図3(c)に示された形態では,高摩擦領域20aが,巻芯20の周面の中央部21のみに形成されている。つまり,高摩擦領域20aは,両端部22には形成されない。すなわち,両端部22は,低摩擦領域20bとなっている。このため,巻芯20の周面は,中央部21の摩擦力が高くなり,両端部22の摩擦力が低くなっている。具体的には,中央部21において,巻芯20の周面と衛生薄葉紙10の間に生じする静摩擦係数は,0.20以上又は0.50以上である。他方,両端部22において,巻芯20の周面と衛生薄葉紙10の間に生じする静摩擦係数は,0.20未満又は0.10以下である。特に,両端部22における静摩擦係数は,0.01〜0.10であることが好ましい。
本発明においては,巻芯20の周面の少なくとも一部において,摩擦力を高めることで,衛生薄葉紙10を巻芯20に巻き付けやすくしている。ただし,巻芯20の周面全体の摩擦力を高めてしまうと,衛生薄葉紙ロールの使用者が,当該ロールの端面に触れたときに,巻芯20の軸方向端部が使用者の手指に接触して,その手指を傷付けてしまう恐れもある。例えば,巻芯20の周面全体をサンドペーパの様な粗面としたときには,巻芯20に触れた者の手指を傷付ける恐れが高くなる。そこで,本発明では,図3(c)に示された形態のように,巻芯20の中央部21においてのみ摩擦力を高くし,巻芯20の両端部22においては摩擦力を低くすることで,衛生薄葉紙ロールの使用者が巻芯20の摩擦力が高い部分に触れないように配慮している。これにより,本発明の好ましい形態によれば,巻芯20の一部の摩擦力を高めた場合に発生する不具合を解消することができる。
図3(d)は,高摩擦領域20aが,巻芯20の周面において,巻芯20の周方向に沿った帯状に形成された例を示している。特に,図3(d)の形態は,図3(c)の形態とは異なり,巻芯20の周面の中央部21において,高摩擦領域20aの間に低摩擦領域20bが形成されている。このように,巻芯20の周面の中央部21には,高摩擦領域20aだけでなく低摩擦領域20bを形成することもできる。ただし,中央部21全体の面積を100%とした場合に,高摩擦領域20aは50%〜99%,より好ましくは70%〜90%を占めることが好ましい。
[2.衛生薄葉紙ロールの製造方法]
続いて,本発明の第2の側面に係る衛生薄葉紙ロールの製造方法について説明する。
図4は,衛生薄葉紙ロール1の製造工程の要部を模式的に示している。特に,図4は,一例として,図3(c)に示された巻芯20を有する衛生薄葉紙ロールを製造するための工程を示している。
図4に示されるように,まず,円筒状の芯体40を用意する。芯体40は,上述した巻芯20となる前の部材であり,巻芯20が軸方向に複数個連続した状態となっている。また,図4に示された実施形態において,芯体40の周面は,高摩擦部41と低摩擦部42が軸方向に交互に形成されている。図4に示された芯体40の高摩擦部41と低摩擦部42は,それぞれ,図3(c)に示された巻芯20の高摩擦領域20aと低摩擦領域20bに相当する。すなわち,芯体40の高摩擦部41は,低摩擦部42よりも摩擦力が高い。具体的には,芯体40の高摩擦部41は,原反ロール60から繰り出される原紙30との間に生じる静摩擦係数が,0.20以上又は0.50以上であることが好ましい。
次に,芯体40には,原反ロール60から繰り出される原紙30が巻き付けられる。原紙30は,上述した衛生薄葉紙10の元となる紙材である。このとき,芯体40の周面の高摩擦部41は,当該芯体40を周方向に回転させたときに,接着手段を用いることなく原紙30を巻き付けることが可能な摩擦力を有している。このため,この巻き付ける工程では,芯体40を周方向に回転させることで,接着手段を用いることなく,当該芯体40に原紙30を巻き付けることができる。原紙30は,製造結果物である衛生薄葉紙ロール1と同一の巻径(製品径)となるまで,芯体40に対して巻き付けられる。所望の巻径に達した段階で,原紙30は原反ロール60から切り離される。これにより,原紙30が芯体40巻き付けられたペーパーログ50が形成される。
次に,ペーパーログ50は,軸方向の所定間隔ごとに,ログソー70によって切断される。すなわち,ペーパーログ50は,製造結果物である衛生薄葉紙ロール1と同一の軸方向長さ(製品長さ)となるように切断される。これにより,一本のペーパーログ50から,複数個の衛生薄葉紙ロール1が得られる。すなわち,衛生薄葉紙ロール1は,原紙30を製品長さに切断して得られた衛生薄葉紙10と,芯体40を製品長さに切断して得られた巻芯20を有するものとなる。
このペーパーログ50を切断する工程において,ペーパーログ50は,芯体40の低摩擦部42に相当する位置で切断される。すなわち,上述したように,芯体40には,高摩擦部41と低摩擦部42が軸方向に交互に形成されており,高摩擦部41の間に低摩擦部42が位置している。このため,芯体40の低摩擦部42に相当する位置で,ペーパーログ50を切断することにより,図3(c)に示されるように,巻芯20の中央部21に高摩擦領域20aが形成され両端部22に低摩擦領域20bが形成された衛生薄葉紙ロール1を得ることができる。これにより,端面に巻芯の摩擦力が高い部分が表出しない衛生薄葉紙ロール1(図3(c)に示された実施形態)を効率的に製造することができる。
以上,本願明細書では,本発明の内容を表現するために,図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし,本発明は,上記実施形態に限定されるものではなく,本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
なお,本発明では,上述したとおり,巻芯の周面には高い摩擦力が付与されるため,ピックアップ糊を使用する必要はない。ただし,巻芯の周面の摩擦力を高くする構造に加えて更にピックアップ糊を使用する形態は,本発明の範囲に含まれる。
トイレットロールなどの衛生薄葉紙ロール及びその製造方法に関する。従って,本発明は,衛生薄葉紙ロールの製造業において好適に利用し得る。
1…衛生薄葉紙ロール 10…衛生薄葉紙 20…巻芯
20a…高摩擦領域 20b…低摩擦領域 21…中央部
22…両端部 30…原紙 40…芯体
41…高摩擦部 42…低摩擦部 50…ペーパーログ
60…原反ロール 70…ログソー

Claims (1)

  1. 長尺の衛生薄葉紙(10)と,当該衛生薄葉紙(10)が巻き付けられた巻芯(20)と,を含む衛生薄葉紙ロールの製造方法であって,
    前記衛生薄葉紙(10)の原紙(30)を,前記巻芯(20)が軸方向に連続してなる芯体(40)に巻き付ける工程と,
    前記原紙(30)が前記芯体(40)に巻き付けられたペーパーログ(50)を,軸方向に所定間隔をおいて切断する工程と,を含み,
    前記芯体(40)は,軸方向に沿って,高摩擦部(41)と低摩擦部(42)とが交互に形成されており,
    前記高摩擦部(41)の周面は,前記芯体(40)を周方向に回転させたときに,接着手段を用いることなく前記原紙(30)を巻き付けることが可能な摩擦力を有し,これにより,前記巻き付ける工程では,前記芯体(40)を周方向に回転させることで,接着手段を用いることなく,当該芯体(40)に前記原紙(30)が巻き付けられ,
    前記低摩擦部(42)の周面の摩擦力は,前記高摩擦部(41)の周面の摩擦力よりも低く,
    前記切断する工程では,前記芯体(40)の前記低摩擦部(42)に相当する位置で前記ペーパーログ(50)を切断する
    衛生薄葉紙ロールの製造方法。
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