JP6811023B2 - フェイシャルティシュ、フェイシャルティシュ製品入りカートン、及びフェイシャルティシュの製造方法 - Google Patents
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Description
このため、フェイシャルティシュの滑らかさ、柔らかさ、ボリューム感、強度を両立することが難しいという問題がある。
上記課題を解決するため、本発明のフェイシャルティシュは、2プライのフェイシャルティシュにおいて、前記フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10〜16g/m2、紙厚が0.40〜0.90mm/10枚、クレープの本数が18〜25本/6mm、該クレープの高さが15〜40μmであり、柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有し、前記フェイシャルティシュの比容積が3.0〜7.0cm 3 /gである。
ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュの2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、前記ティシューソフトネス測定装置TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBV2rmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が7〜20dBV2rmsであることが好ましい。
前記フェイシャルティシュの、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT)1/2をDGMTとしたとき、DGMTが1.5〜3.0N/25mmであることが好ましい。
前記インレットから前記紙料をワイヤーに噴出する時の該ワイヤーの抄速を1200〜2200m/minとすることが好ましい。
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10〜16g/m2、紙厚が0.40〜0.90mm/10枚、クレープの本数が13〜30本/6mm、該クレープの高さが15〜40μmである。なお、紙厚は、フェイシャルティシュの個々のシートを10枚重ねた厚み、つまり、2プライのフェイシャルティシュを5組重ねた厚みである。
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10g/m2未満である場合、使用感が劣る。また、紙厚も0.40mm/10枚未満となり、強度を確保するために叩解を強くする必要があり、その結果、フェイシャルティシュの柔らかさが低下する。又、紙が薄くなってボリューム感が低下する。
フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が16g/m2を超えると、紙厚も0.90mm/10枚を超え、フェイシャルティシュの柔らかさ、使用感が低下する。又、このフェイシャルティシュを用いたフェイシャルティシュ製品入りカートン(後述)の高さHが80mmを超えて高くなり過ぎ、カートンの強度が低下して潰れ易くなる。
上記坪量が11〜14g/m2であることが好ましく、12〜13g/m2であることがより好ましい。
上記紙厚が0.50〜0.85mm/10枚であることが好ましく、0.60〜0.80mm/10枚であることがより好ましい。
又、ボリューム感を向上させるためにクレープを高くすると、表面の滑らかさが低下すると共に繊維間結合が緩み、紙の強度が低下して断紙が起こりやすくなり、製品としての強度も低下する。
そこで、クレープを上述のように規定した。さらに、柔らかさ確保のために後述する柔軟剤を添加した場合、その後のカレンダーでボリューム感が低下し易くなるという傾向がある。そこで、クレープを上述の範囲で高くすることで、柔軟剤を添加した場合であってもボリューム感を維持できる。
クレープの本数が30本/6mmを超えるとクレープ高さが低くなって凹凸が小さくなり、滑らか過ぎて表面がパリパリした触感になり、触感が劣る。
上記クレープの本数は、好ましくは15〜28本/6mm、より好ましくは18〜25本/6mmである。上記クレープの高さは、好ましくは18〜35μm、より好ましくは22〜30μmである。
クレープの本数と高さは、例えば、公知の方法であるヤンキードライヤを用い、クレープドクター角の調整およびクレープ率の調整により、適宜調整できる。
マイクロスコープとしては、KEYENCE社製の製品名「ワンショット3D測定マクロスコープ VR−3100」を使用することができる。マイクロスコープの画像の観察・測定・画像解析ソフトウェアとしては、製品名「VR−H1A」を使用することができる。又、測定条件は、倍率38倍、視野面積8mm×6mm(シートのMD方向が6mmの辺に平行の条件)で測定する。なお、測定倍率と視野面積は、求めるクレープの大きさによって、適宜変更しても良い。なお、3次元測定機や輪郭形状測定機は、点や線で測定されるが、ワンショット3D測定の場合、面全体を測定するため、全体の形状やうねりがわかりやすい。
なお、図2のX−Y平面画像のCD方向に任意の位置で、MD方向に平行な線分S1−S2を画像の上下全体に引くと、図3に示すようにクレープの高さ(測定断面曲線)プロファイルが得られる。なお、個々のクレープはCD方向に沿って(図2の左右方向に)延びており、線分S1−S2はこれら複数のクレープを横断するので、図2のX−Y平面画像のCD方向のどの位置で線分S1−S2を引いても、クレープの高さプロファイルはほとんど変わらない。
そこで、所定のフィルタ条件(λs:150μm(150μmより細かいノイズをカットする)、λc:2.5mm(2.5mmより大きい波(うねり、サンプル自体の傾き)をカットする)にて断面曲線Sを処理し、粗さ曲線W(図4)を算出する(上記ソフトウェア上で自動で求められる)。
但し、λsはJIS-B0601「3.1.1.1」に記載の「粗さ成分とそれより短い波長成分との境界を定義するフィルタ」、λcは同規格に記載の「粗さ成分とうねり成分との境界を定義するフィルタ」である。
但し、RcはJIS-B0601(2013)「4.1.4」に記載の「粗さ曲線要素の平均高さ」である。
次に、図4の粗さ曲線Wから、山の数を計測してクレープの本数を求める。計測は目視でもよく、ソフトウェア(例えば、表計算ソフトウェアなど)で算出できればその値でもよい。
ここで、図4の部分拡大図5を参照し、山の数の計測方法を説明する。1つの山は、隣接する上に凸の変曲点P2と、下に凸の変曲点P3で規定する。変曲点は、粗さ曲線W上で曲率の符号(プラス、マイナス)が変化する点(この点で0)である。点P1は、粗さ曲線W上で曲率の符号が変化しない(プラスのまま)なので、計測に含めない。さらに、変曲点P4、P5のようにP4−P5間の高さが3μm未満の場合は計測に含めない。
又、図2の1画像につき線分S1−S2を3本設定し、図4の粗さ曲線Wを3つ得る。そして、これら3つの粗さ曲線Wそれぞれにつき、山の数とRcを求める。試料の画像を3枚用意し、合計9個のデータ(山の数とRc)を平均して求めた、クレープ高さと本数を採用する。
TS750が15dBV2rmsより高いと滑らかさに劣り、4dBV2rmsより低いと滑らか過ぎて表面がパリパリした触感になり、フェイシャルティシュとしての触感が得られなくなる場合がある。
又、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が好ましくは7〜20dBV2rmsであり、より好ましくは9〜18dBV2rms、最も好ましくは11〜16dBV2rmsである。
TS7が20dBV2rmsより高いと十分な柔らかさが得られず、7dBV2rmsより低いと柔らかなものの、表面の強度が弱くなり、フェイシャルティシュ使用時に紙粉が多く発生する場合がある。
D測定値が1.5mm/Nより低いとしなやかさに劣り、3.5mm/Nより高いと、しなやかさが際立ちすぎ、クッション性に劣る場合がある。
なお、しなやかさは、フェイシャルティシュを触ったときのたわみ易さを表す。
TSAを用いた具体的な測定は、(i)円形の試料台205を外側から覆うようサンプル206(emtec社のサンプルパンチを使用して直径が約112.8mmの円形に加工したサンプル)を設置し、サンプル206の外周をサンプル固定リング208で保持し、(ii)ブレード付きロータ204を100mNの押し込み圧力でサンプル206の上から押し込んだ後、ロータ204を回転数2.0(/sec)で回転させ、(iii) 試料台205の振動を、試料台205内部に設置した振動センサ203で測定し、振動周波数を解析する。(iv)次に、押し込み圧力100mNと600mNで、ロータ204を回転させずにそれぞれサンプル206を変形させたときの上下方向の変形変位量(mm/N、剛性D)を計測する。 (i)〜(iv)の手順により、フェイシャルティシュの総合的なハンドフィール値の要素(滑らかさ、しなやかさ、ボリューム感)が各々数値化できる。測定は1サンプルについて表裏5回ずつ繰り返し、平均化する。なお、表裏とは、2プライのままのフェイシャルティシュのうち、製品の外側に向く両面(つまり、シートの重ね合わせ面と反対面)を意味する。
又、振動解析してパラメータ化(TS値)するソフトウェアは、emtec measurement systemを用いる。本ソフトウェアには、各種アルゴリズム(例えば、Base Tissue、Facial、TP等)が備えられ、TS7、TS750、Dをソフトウェア上で自動的に取得し、これらTS7、TS750、Dおよび、坪量、厚さ、Ply数等から各種アルゴリズムの種類によって、HF(ハンドフィール)値が計算される。本発明では、HF値ではなく、TS7、TS750、Dのみを規定しており、上記測定条件を満たせば、アルゴリズムは何を使用しても良く、TS7、TS750、Dの値はアルゴリズムの種類によって変わることはない。
図8は、TSAによる紙試料サンプルの剛性Dの測定方法を示す。
TS7の値が低いほど、柔らかさ、ふんわり感(表面ソフトネスおよびバルクソフトネス)に優れ、TS750の値が低いほど、滑らかさに優れる。又、Dの値が大きいほど、しなやかさに優れる。
さらに、TS7、TS750、及びDの関数に基づき、総合的なハンドフィール値(HF値)を算出することができる。
例えば、(HF値)=A×(TS7)+B×(TS750)+C×(D)+αという関数を設定することで、総合的なハンドフィール値を客観的(定量的)に数値化できる。ここで、A,B,C及びαは係数であり、これら係数を適宜設定することで、ハンドフィール値を構成するファクター(つまり、TS7、TS750、及びDにそれぞれ対応する、柔らかさ、滑らかさ、剛性)の重み付けを調整し、実際の柔らかさの官能評価に合致させることができる。
なお、A及びBを負の値とし、Cを正の値とした場合、ハンドフィール値の値が大きくなるほど、総合的な柔らかさに優れることを意味する。
フェイシャルティシュのDGMTが1.5N/25mm未満であると、やぶれ易くて実用に適さない。DGMTが3.0N/25mmを超えると硬くなり、柔らかさが損なわれる。上記DGMTは、好ましくは1.6〜2.6N/25mm、更に好ましくは1.7〜2.1N/25mmである。
なお、DGMTは、JIS P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile strength)と、乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile strength)との積の平方根であり、(DMDT×DCDT)1/2(DGMT:Geometric Tensile Strength)で表される。
上記LBKPの材種としてユーカリ属グランディス、及びユーカリグロビュラスに代表される、フトモモ科ユーカリ属から製造されるパルプが好ましい。
柔軟剤の含有量が0.03質量%未満であると柔らかさが低下する場合があり、0.30質量%を超えると、コストアップとなったり、柔らかさが著しく向上するものの強度が低下する場合がある。柔軟剤の含有率は、好ましくは0.03〜0.20質量%、より好ましくは0.03〜0.10質量%である。
なお、フェイシャルティシュ中の脂肪酸化合物の含有量は、ソックスレー抽出法により成分を抽出して、高速液体クロマトグラフィーにより定量できる。
または、熱分解GC(必要に応じて、GC−MS)により、成分を抽出せず、定量することも可能である。必要に応じて、メチル化試薬(例えば、25% Tetramethylammonium hydroxide(TMAH)メタノール溶液(Aldrich社製))を使用し、定量することができる。
具体的には、パルパー(槽)内で、製紙原料(パルプ)を所定濃度で水に離解し、さらに適宜その他の製紙薬品を配合して紙料とする。この紙料をインレット(ヘッドボックス)からワイヤーに噴出し、脱水して湿紙ウェブとする。この湿紙ウェブをフェルト等でドライヤパートに搬送する。
ドライヤパートは、クレープ付けドクターを備えたヤンキードライヤーを用いることができ、ドクターにより公知の方法でウェブにクレープを付ける。又、他のタイプの乾燥部(たとえばエアースルードライヤー、金属製の乾燥ベルト)を適用することができる。
パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加し、柔軟剤を添加する場所における柔軟剤添加前の紙料の濾液のカチオン要求量を5〜180μeq/Lとするとよい。なお、柔軟剤はパルパーから種箱の間で紙料に対して添加することが好ましい。柔軟剤を種箱より前に添加することで、滞留時間が長くなり、繊維への定着性が向上しやすくなる。
紙料の濾液のカチオン要求量は以下のように測定する。まず、柔軟剤添加前の紙料を100g採取し、ワットマン無灰定量ろ紙(グレード41)を用いて吸引濾過し、濾液を採取する。次に、粒子荷電測定装置(Muteck PCD−02)を用いて濾液10mlの電荷を中和するまでに必要とした1/1000規定のポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド水溶液の量に基づいて、カチオン要求量を測定する。本測定を5回行い、値を平均する。
カチオン要求量が5μeq/L未満であると、紙料への他の薬品(乾燥紙力剤、湿潤紙力剤等)の添加により系内が陽転してしまい、柔軟剤の定着性が劣る場合がある。また、カチオン要求量が180μeq/Lを超えても柔軟剤の定着性が劣る場合がある。カチオン要求量は、好ましくは10〜130μeq/L、より好ましくは20〜100μeq/Lである。なお、カチオン要求量は、抄紙機の系内(調成工程、抄紙工程)で使用する清水の量、ミルクカートン(牛乳パック)由来の古紙パルプの含有率にて調整できる。また、公知の凝結剤、定着剤、硫酸バンド等の抄紙薬品を添加することによっても調整できる。
ファーストパスリテンション(FPR:一次歩留率)は、ワイヤー上に紙料中の原料が溜まる割合である。例えば、インレットの紙料濃度(紙料中の製紙原料(パルプ)とその他固形の製紙薬品の合計濃度が0.8質量%、ワイヤーで脱水された白水中の紙料濃度が0.3質量%の場合、FPR=(0.8%−0.3%)/0.8%×100={1−(0.3%/0.8%)}×100=63%となる。
すなわち、原料のうち、63%が紙になり、37%は紙にならずに原料に戻ることになる。FPRが低いと、系内を循環している原料が多くなり、ひいては柔軟剤が紙に抄き込まれずに系内に蓄積してしまい、異物の発生につながり操業性が悪化する。FPRが90%を超えると、紙の地合が悪化して、品質が劣る場合がある。FPRは、好ましくは40〜85%、より好ましくは50〜80%である。
ワイヤーの抄速が1200m/min未満であると生産性が低下し、2200m/minを超えると、FPRが低くなり、異物の発生が顕著になり、操業性が悪化する場合がある。ワイヤーの抄速は、好ましくは1400〜2100m/min、より好ましくは1600〜1900m/minである。
また、クレープ率は次式により定義される。
クレープ率(%)=100×(ヤンキードライヤー速度(m/分)−リール速度(m/分))÷リール速度(m/分)
クレープ率は好ましくは10〜40%、より好ましくは15〜35%、最も好ましくは20〜30%である。
又、カレンダー前後の紙厚の変化ΔTが0.08〜0.25mm/10枚であることが好ましい。ΔTが0.08mm/10枚未満であると滑らかさが劣る場合があり、ΔTが0.25mm/10枚を超えるとボリューム感が劣る場合がある。
また、カレンダー前のウェブのクレープの高さを25〜45μmとすると、製品(カレンダー後)のクレープの高さを上記範囲に管理し易いので好ましい。
図9は、本発明の実施形態に係るフェイシャルティシュ製品入りカートン20の斜視図である。フェイシャルティシュ製品入りカートン20は、シート状のフェイシャルティシュの積層体25と、積層体25を収容した紙製の矩形箱体の本体部22とを備え、フェイシャルティシュ製品入りカートン20の高さHは、内部の積層体25の積層方向に沿った高さである。積層体25としては、個々のシート状のフェイシャルティシュを、例えばポップアップ式にZ折りやV折り等して積層してもよく、ポップアップしないように重ねられてもよい。又、カートンの本体部22は板紙等から形成することができる。
積層体25の組数が150組未満であると、カートン20の交換頻度が多くなって不便となる。積層体25の組数が210組を超えると、カートンの高さHが80mmを超えて高くなり過ぎ、潰れ易くなったり、潰れを防止するためにカートンの強度を高めることでコストアップとなる。
積層体25の組数が160〜200組であることが好ましく、170〜190組であることがより好ましい。
カートンの高さHが50〜75mmであることが好ましく、60〜70mmであることがより好ましい。
なお、カートンの紙厚は例えば、好ましくは0.30〜0.50mm/1枚、より好ましくは0.33〜0.47mm/1枚、さらに好ましくは0.36〜0.44mm/1枚とすることができる。
カートンの高さHを高くせずに組数を増やすには、シートの坪量を低くして紙厚を低くする必要がある。そこで、上記比を規定した。
上記比は、カートンの高さHに対し、どの位の紙厚のフェイシャルティシュ製品が何枚(組数)入っているかの指標であり、この比が高いほど、同じカートンの高さHでもより多くのフェイシャルティシュ製品が入っており、カートンの交換頻度が少なくなって便利となる。但し、この比が0.53を超えると、カートン20の高さ方向にフェイシャルティシュ製品が充填され過ぎ、カートン20からフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなる。
一方、この比が0.25未満であると、カートン20内のフェイシャルティシュ製品が少な過ぎ、カートン20の内部でティシューが折れ曲がり、カートン20からフェイシャルティシュ製品を取り出し難くなる。
上記比が0.30〜0.48であることが好ましく、0.35〜0.41であることがより好ましい。
坪量:JIS P8124に基づいて測定し、シート1枚当たりに換算した。
厚さ:シックネスゲージ(尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定した。測定条件は、測定荷重250gf、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm 以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取った。なお、1回の測定は試料(2プライのフェイシャルティシュ)を5枚(シート相当で10枚)重ねて行い、測定を10回繰り返して測定結果を平均した。
比容積:シート1枚当たりの厚さをシート1枚当たりの坪量で割り、単位gあたりの容積cm3で表した。
DGMT(Dry Geometric Tensile Strength):JIS P8113に基づいて測定した乾燥時の縦方向引張り強さDMDTと乾燥時の横方向引張り強さDCDTの積の平方根を算出した。
なお、坪量、DGMT、厚さの測定は、JIS-P8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
使用感:フェイシャルティシュで顔を拭いたときと、鼻をかんだときの使用感を評価した。
ボリューム感:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
柔らかさ:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
滑らかさ:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
破れにくさ:フェイシャルティシュを手で破ったときの抵抗を評価した。
クッション性:フェイシャルティシュを手で持ったときの反発を評価した。
しなやかさ:フェイシャルティシュを手で持ったときの感触を評価した。
カートンの交換頻度:フェイシャルティシュの組数が多いほどカートンの交換頻度が少ないことから、5点:180組以上、4点:180組未満160組以上、3点:160組未満150組以上、2点、150組未満140組以上、1点:140組未満で評価した。
取り出し性:カートンからのフェイシャルティシュの取出し易さを評価した。
カートンの耐久性(強さ):カートンの高さHが低いほどカートンの強度が高いことから、5点:高さHが64mm以下、4点:高さHが64mmを超え75mm以下、3点:高さHが75mmを超え80mm以下、2点:高さHが80mmを超え90mm未満、1点:高さHが90mm以上、で評価した。
カートンの見栄え:カートンの高さHが高いほどカートンの見栄えが良いことから、5点:高さHが64mm以上、4点:高さHが64mm未満50mm以上、3点:高さHが50mm未満42mm以上、2点:高さHが42mm未満35mm以上、1点:高さHが35mm未満、で評価した。
評価基準は5点満点で行った。5点:大変良好である、4点:良好である、3点:実用上問題ない、2点:劣る、1点:顕著に劣る。
又、比較例1のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
又、比較例11のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、カートンの高さHが42mm未満となり、カートンの見栄えが劣った。
又、比較例2、12のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.53を超え、取り出し性が劣った。
又、比較例12のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、カートンの高さHが80mmを超え、カートンの耐久性が劣った。
又、このフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
又、このフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
比較例3のフェイシャルティシュを用いてカートンを作成した比較例6の場合、組数が210組を超えたためにカートンの高さHが80mmを超え、カートンの耐久性が劣った。又、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
比較例4のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造した比較例7の場合、カートン高さHが80mmを超え、カートンの耐久性が劣った。
比較例4のフェイシャルティシュを用いてカートンを製造した比較例8の場合、組数が150組未満となったためにカートンの交換頻度が高くなった。
又、このフェイシャルティシュを用いてカートンを製造したが、上記比が0.25未満となり、取り出し性が劣った。
カレンダー前後の紙厚の変化ΔTが0.08mm/10枚未満である比較例10の場合、紙厚が0.90mm/10枚を超えると共に、TS750が15dBV2rmsを超え、滑らかさが劣った。
Claims (8)
- 2プライのフェイシャルティシュにおいて、
前記フェイシャルティシュの1プライ当りの坪量が10〜16g/m2、紙厚が0.40〜0.90mm/10枚、クレープの本数が18〜25本/6mm、該クレープの高さが15〜40μmであり、
柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有し、
前記フェイシャルティシュの比容積が3.0〜7.0cm 3 /gであるフェイシャルティシュ。 - ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュの2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、
前記ティシューソフトネス測定装置TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が4〜15dBV 2 rmsであり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が7〜20dBV 2 rmsである請求項1に記載のフェイシャルティシュ。 - ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記フェイシャルティシュの2プライのままのサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、
それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間での前記サンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)の測定値が1.5〜3.5mm/Nである請求項1又は2に記載のフェイシャルティシュ。 - 前記フェイシャルティシュの、JIS−P8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さをDMDTとし、乾燥時の横方向の引張強さをDCDTとし、DMDTとDCDTとの積の平方根である(DMDT×DCDT) 1/2 をDGMTとしたとき、DGMTが1.5〜3.0N/25mmである請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュ。
- 前記柔軟剤が、脂肪酸化合物である請求項1〜4のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュの積層体を収容した紙製のカートンであって、
前記積層体の組数が150〜210組、前記フェイシャルティシュの積層体の積層方向に沿った前記カートンの高さが42〜80mm、
(前記組数×プライ数×前記紙厚/10/前記カートンの高さ)で表される比が0.25〜0.53であるフェイシャルティシュ製品入りカートン。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のフェイシャルティシュの製造方法であって、
前記フェイシャルティシュを抄紙する際、パルパーからインレットの間で紙料に対して柔軟剤を添加し、前記フェイシャルティシュが前記柔軟剤を0.03〜0.30質量%含有するように添加するフェイシャルティシュの製造方法。 - 前記インレットから前記紙料をワイヤーに噴出する時の該ワイヤーの抄速を1200〜2200m/minとする請求項7に記載のフェイシャルティシュの製造方法。
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