JP2016158856A - ペーパーロール - Google Patents
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Abstract
Description
一方、2プライは、1プライより手で触った場合の柔らかさや弾力性が優れ、使用感が良く、更に吸収性も良い。
このように、1プライと、2プライのように複数枚重ね合わせたものは、一長一短となっており、双方の利点を兼ね備えたものの開発が望まれている。
このトイレット用ペーパーロールは2枚のシート状ペーパーPが重ね合わされた状態で巻き取られてなる2プライ(ダブル)タイプのもので、シート状ペーパー(原紙)は衛生用薄葉紙で構成されている。
このトイレット用ペーパーロールは、通常のホルダーに装着して使用できるよう、幅が107mm、ロール径が116mmに設定されている。
この網目状圧着部3は、細いドット列の直線ライン5で構成されている。直線ライン5が矢印に示す巻き取り方向に対して左上→右下方向に斜めに延びるライン群7と左下→右上方向に斜めに延びるライン群9とに分かれており、各ライン群7、9では直線ライン5どうしが一定間隔をあけて平行に延びている。従って、ライン群7の直線ライン5とライン群9の直線ライン5が周期的に交差して、全体として網目状となっている。この網目状圧着部3はペーパーロール1の幅方向と巻き取り方向の全体にわたって形成されている。
圧着部3、11の無い部分は非圧着部13となっており、網目内で孤立圧着部11の周囲に存在している。
第1圧着例の圧着面積は、13.5%である。
この網目状圧着部17は、細い波状の曲線ライン19で構成されている。曲線ライン19が矢印に示す巻き取り方向に対して左上→右下方向に斜めに延びるライン群21と左下→右上方向に斜めに延びるライン群23とに分かれており、各ライン群21、23では隣り合う曲線ライン19が一波分だけずれて相対し、凸頂部25(図中、○で囲んだ部分)どうしが重なり合いながら平行に延びている。従って、ライン群21の曲線ライン19とライン群23の曲線ライン19が周期的に交差して、全体として網目状となっている。この網目状圧着部17はペーパーロール15の幅方向と巻き取り方向の全体にわたって形成されている。
圧着部17の無い部分は非圧着部27となっており、網目内全てが非圧着部となっている。
第2圧着例の圧着面積は、6%である。
パンチング状圧着部31は、細帯状の円環部33が周期的に並んだものとなっており、ペーパーロール29の幅方向と矢印に示す巻き取り方向の全体にわたって形成されている。一つの円環部33が4つの円環部33に均等に囲まれており、隣り合う円環部33の円弧どうしが重なり合って連なっている。重なり合い部分が巻き取り方向に対して斜めになっているので、円環部33は斜めに並んでいるように見える。
第3圧着例の圧着面積は、9%である。
そのため、ペーパーどうしが安定的に結合される形態になっている。
この圧着部の面積は、第1圧着例のように、種々の模様を描いた孤立圧着部11を合わせて設定できるので、この部分のデザイン性を高めることで、商品価値を高められるようになっている。
また、幅方向両端寄りに沿って、それぞれ巻き取り方向に、スチール・ゴムロール方式で結合用のエンボス加工を実施するものもあるが、エンボス跡として凸条ができてその余の部分より有意的に浮き上がる。この浮き上がりがあると、巻き取る際に厚みが増す。
このように、従来の結合方式では、いずれにしても、結合による厚みの有意的な増大があったが、本発明の結合方式では、上記したように、シート状ペーパー全体を利用し、しかも凸部を殆ど形成しないので、厚みの有意的な増大にはつながらない。この厚み抑制効果により、巻き取る際にテンションを必要以上に高くして硬く巻き取らずとも、巻密度を上げて巻き取り長さを長くできる。
上記のロールのロール径は400mmになっており、拡大図に示すものは、第1圧着例のA−A断面(図1参照、葉の茎部分)に転写する凸ロール43側の凸部45を示したものである。この凸部45の高さ(H)が0.20mm、頂面長さ(D)が0.45mmになっている。
なお、圧着部は、上記したように、巻き取り方向に連なり、更に幅方向における圧着部と非圧着部の割合の変動は小さく抑えられているので、ロールを通す際に、一対のロールのそれぞれのロール面が常時シート状ペーパーに同じような割合で押圧することになり、振動や騒音の発生が抑えられ、製造環境も結果として改善されることになる。
シート状ペーパーPの紙厚を、80〜120μmとした場合には、上記した圧着処理で、巻密度を0.30kg/m3以上、好ましくは0.45kg/m3程度までは上げながら、柔らかさを維持できる。すなわち、ソフトネス(FRT・Qty)が700本以上またはソフトネス(ハンドルオメーター)が15mN/100mm以下の基準を満足できる。
ソフトネス(FRT・Qty)は、ファイブロ1000FRT(ファイバー・ライジング・テスター)を用いて、一定の応力条件下で紙表面の繊維を毛羽立たせ、CCDカメラ等を用いた画像解析により、4mm×100mmの範囲で1mmより長いファイバーの本数を測定して得らえる数値であり、一般に紙の印刷適性に関わる毛羽立ち性や表面強さの指標として認識されているだけでなく、衛生紙については、柔らかさの指標として認識されており、毛羽立ち本数が多いほど、紙が柔らかくなっていることになる。本発明でも、毛羽立ち本数を柔らかさの指標として利用している。
ソフトネス(ハンドルオメーター)は、TAPPI 紙パルプ試験法No.34−80.衛生用薄葉紙の柔らかさ試験法により測定して得られる数値であり、巻き取り方向側と幅方向側では若干異なるから、比較の便宜のために、本発明では巻き取り方向側の数値を利用している。数値が小さくなるほど柔らかいことになる。
キャレンダー処理を施すことで、上記した数値範囲を満たすペーパーロールの製造が一層容易となっている。
また、巻き取ったペーパーロールは、既存の2プライ(ダブル)よりは硬い巻になっており、その際断面には簡易印刷が施せる。従って、図5(1)に示すように図柄を施したり、(2)に示すように会社のロゴマークを付したり、(3)に示すように葉マークを付して使用時の引出し方向(=巻き取り方向の逆)が分かるようにすることもできる。
次いで、上記したロール式圧着装置39を用いて第1圧着例の圧着部を形成した。第1圧着例の圧着面積は、13.5%である。
その後、水噴霧を利用し、加熱無しで、定法により、第1圧着例の無芯のペーパーロールを製造した。
そして、得られた測定結果や評価を以下の表にまとめた。
表中では、比較のために、既存のシングルのペーパーロールの測定結果や評価も併せて示してある。
3……網目状圧着部 11……孤立圧着部
15……トイレット用ペーパーロール(第2圧着例)
17……網目状圧着部
29……トイレットペーパーロール(第3圧着例)
31……パンチング状圧着部
Claims (6)
- 少なくとも2枚以上のシート状ペーパーが重ね合わされた状態で巻き取られてなるペーパーロールであって、
前記重ね合わされたペーパーどうしが全体にわたって形成された網目状乃至パンチング状の圧着部により結合されていることを特徴とするペーパーロール。 - 請求項1に記載したペーパーロールにおいて、
網目状乃至パンチング状の圧着部は巻き取り方向に対して斜めに連なっていることを特徴とするペーパーロール。 - 請求項1または2に記載したペーパーロールにおいて、
網目内またはパンチング孔内に孤立した圧着部が設けられていることを特徴とするペーパーロール。 - 請求項1から3のいずれかに記載したペーパーロールにおいて、
圧着部の面積が全体に対して5〜35%を占めていることを特徴とするペーパーロール。 - 請求項1から4のいずれかに記載したペーパーロールにおいて、
二枚のシート状ペーパーが重ね合わされ、巻密度が0.30kg/m3以上で、且つ、ソフトネス(FRT・Qty)が700本以上またはソフトネス(ハンドルオメーター)が15mN/100mm以下であることを特徴とするペーパーロール。 - 請求項5に記載したペーパーロールにおいて、
巻き取り長さが100〜200mで、且つ、ロール径が120mm以下であることを特徴とするペーパーロール。
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