JP6331051B2 - Egrガス凝縮水の処理装置 - Google Patents
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Description
過給式のディーゼルエンジンでも、他のエンジンと同様、排気ガス中のNOxを低減させるために、排気ガス還流装置が装着される。排気ガス還流装置は、エンジンから排出された排気ガスの一部をEGRガス(不活性ガス)として、エンジンの吸気側へ戻し、燃焼温度を低下させるものである。近時では、効果的なEGRガスの還流が行えるよう、高圧EGRと低圧EGRとを併用したり、低圧EGRだけを採用したりしたディーゼルエンジンも開発されている。高圧EGRは、エンジンから排出されて間もない排気ガスの一部、すなわちターボ過給機のタービン上流の排気路の排気ガスの一部をEGRガスとして、ターボ過給機のコンプレッサ下流の吸気路へ還流させる還流構造で、低圧EGRは、ターボ過給機のタービン下流の排気路の排気ガスの一部をEGRガスとして、過給前の吸気路であるターボ過給機のコンプレッサ上流の吸気路へ還流させる還流構造である。
この対策として、凝縮水を沸騰させることが考えられるが、これだと、蒸発しない凝縮水に含まれる硫黄分などが残り、満足な処理が行えない。
しかしながら、エゼクタは、EGRガスに依存して作動するため、エンジンの運転の影響を受けてしまう。すなわち、排気ガスの流速や流量が低下するエンジン始動時や低回転時では、エゼクタ効果が発揮できなくなる。
請求項3に記載の処理装置は、エンジンの吸気を圧縮するコンプレッサを有する過給器と、エンジンの排気ガスの一部をEGRガスとしてエンジンの吸気側に戻すEGR通路とを備え、流路は、EGRガスを含んでコンプレッサで圧縮された吸気が流通する吸気路であるものとした。
請求項5に記載の処理装置は、霧化構造部が凝縮水に振動を与えて当該凝縮水を微粒化し霧化させるものとした。
それ故、EGRガスの冷却で発生した凝縮水は、どのようなエンジンの運転でも、凝縮水に含まれる含有成分と共に、エンジンの燃焼や排気ガス浄化装置などで良好に処理することができる。しかも、別途、送風装置を用いない、コストを抑えた構造ですむ。
図1は、本発明を適用したエンジン、例えばインタークーラが付いた過給機式ディーゼルエンジンのシステムを示している。同システムを説明すると、図中1はディーゼルエンジン、10はターボ過給機(過給機)である。
ディーゼルエンジン1は、例えば、ピストン3を往復動可能に収めたシリンダ2、同シリンダ2の頭部に開口する吸・排気ポート4,5、同吸・排ポート4,5を開閉する吸・排気バルブ4a,5a、吸・排気ポート4,5とつながる吸・排気マニホルド4b,5b、シリンダ2の頭部へ燃料を噴射するインジェクタ(図示しない)などを有したエンジン本体1aで構成される。吸気マニホルド4bのサージタンク部4cには、A/Fセンサ7が設けてある。
同処理装置35は、例えばインタークーラ19の近くに設置した貯留タンク36で、インタークーラ19で生じた凝縮水αを溜め、同溜めた凝縮水αを超音波振動により微粒化して霧化させてから、再び吸入空気に戻す機能をもつ。そのため処理装置35は、凝縮水αを貯留する貯留タンク36に、溜めた凝縮水αを霧化させる霧化構造部45、霧化した凝縮水αを吸入空気へ戻す戻し路50を組み合わせた構造が用いられている。
ディーゼルエンジン1は、各シリンダ2で燃料が燃焼されると、燃焼を終えた燃焼ガスが排気ガスとして、排気マニホルド5bへ排出される。この排気ガスが、ターボ過給機10のタービン部11を経て、フィルタユニット17を導かれ、排気ガス中に含まれるPMが除去されたり、NOxが浄化されたりする。
このEGRガスを多量に含んだ吸気は、コンプレッサ部12で圧縮された後、インタークーラ19で冷却されると、EGRガス中に含まれる蒸気(水分)が凝縮(結露)し、凝縮水αとなってインタークーラ19の出口側のタンク部22に溜まる。凝縮水生成量は、例えば車両の走行速度が60km/h以上、EGR率40%以上のとき、100g/h以上。
すなわち、図2に示されるようにインタークーラ19の出口側で発生した凝縮水αは、導入路40を通じて(電磁開閉弁41:開)、タンク39へ導かれ(分離)、同タンク39の底部に溜まる。また圧電素子44は、ディーゼルエンジン1の始動時から作動を始め、上部の振動面から、溜まっている凝縮水αに超音波振動を与えている。これにより、図2中に示されるように凝縮水αは、超音波振動を受けて上方へ飛び散り、微粒化、さらには霧化される。これで、凝縮水αは、凝縮水αに含まれる硫黄分など含有成分と共に霧化(微粒子化)される。この凝縮水αの霧が、直上の集合器37内に集められる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。
18b 吸気路(流路)
19 インタークーラ
22 タンク部
35 EGRガス凝縮水の処理装置
39 タンク
40 導入路
45 霧化構造部
50 戻し路
54 流路(通路)
Claims (5)
- EGRガスが流通する流路と、前記流路に設けられたインタークーラとを備えるエンジンを有し、前記インタークーラで生じた凝縮水を処理するEGRガス凝縮水の処理装置であって、
前記インタークーラで生じた凝縮水を前記インタークーラから下流側の流路内へ戻す戻し路を具備し、
前記インタークーラは、前記凝縮水を貯留するタンク部を備え、
前記戻し路は、前記インタークーラを挟んだ前記流路の上流側と下流側とを連通させる通路と前記インタークーラの下流側の前記タンク部と前記通路とを接続する導入路とを有し、
前記通路の上流側は、前記インタークーラの上流側の前記タンク部に接続され、
前記通路の下流側は、前記インタークーラの下流側の前記タンク部よりも下流の前記流路に接続される
ことを特徴とするEGRガス凝縮水の処理装置。 - 前記導入路は、前記インタークーラの下流側の前記タンク部の底面から延出することを特徴とする請求項1に記載のEGRガス凝縮水の処理装置。
- 前記エンジンの吸気を圧縮するコンプレッサを有する過給器と、
前記エンジンの排気ガスの一部をEGRガスとして前記エンジンの吸気側に戻すEGR通路とを備え、
前記流路は、前記EGRガスを含んで前記コンプレッサで圧縮された吸気が流通する吸気路である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のEGRガス凝縮水の処理装置。 - 前記EGRガス凝縮水の処理装置は、
前記インタークーラで生じた凝縮水を貯留するタンクと、
前記タンク内に貯留された凝縮水を微粒化し霧化させる霧化構造部と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のEGRガス凝縮水の処理装置。 - 前記霧化構造部は前記凝縮水に振動を与えて当該凝縮水を微粒化し霧化させる
ことを特徴とする請求項4に記載のEGRガス凝縮水の処理装置。
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