以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部を説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態の車両用警音器について図1〜図9を参照して説明する。図1は、図2のI−I線に沿う断面を示す。図2は、図1の車両用警音器から可動鉄心4、振動板3等を除去したものを図1の矢印II方向に見た内部構造を示す。
この実施形態の車両用警音器は、図1及び図2に示すように、有底筒状のハウジング1と、ハウジング1内の中央付近に収容され固定された電磁コイル部2とを有し、電気式ホーンともいわれる。さらに電気式ホーンは、車両用警音器の外郭の少なくとも一部を構成するハウジング1に収納され、ハウジング1の開口部を覆う振動板3を有している。さらに電気式ホーンは、振動板3の中央付近に固定され、固定鉄心2aに対向して配置された可動鉄心4と、ハウジング1の底部に固定されて車両等に取り付けられる取り付けステー5と、を有している。
電磁コイル部2は、ハウジング1の中心部に固定されている。ハウジング1及び振動板3は、電磁コイル部2の磁気回路の一部を構成するために、鉄系の磁性体材料の板材が凹形状にプレス成形されて形成されている。電磁コイル部2は、樹脂製のボビン2bにマグネットワイヤ20が巻回されて構成されている。ボビン2bは電気絶縁性を有する。
このボビン2bの中心の穴部に円柱状に成形された可動鉄心4の後部の円柱部4aが配置されている。可動鉄心4の前方部の小径部4bには、振動板3の中心穴部3aと共鳴板6の中心穴部が嵌合して、可動鉄心4、振動板3及び共鳴板6がかしめ固定されている。
ハウジング1の中間平坦部1bの前方には、ボビン2bの前側鍔部2b1から径外方へ突出している突出部2b2、弾性を有する金属ばね材から構成された部材である可動接点支持板7、固定接点支持板8が積層されている。また、可動接点支持板7と固定接点支持板8との間には、絶縁部材が介在している。これらの部材を金属製の第2リベット21bによりかしめ固定している。また、図1ではコネクタ11が反対方向に存在するため見えない。
図3に図示するように、可動接点支持板7に設けられた可動接点部7aと、固定接点支持板8に設けられた固定接点部8aとはそれぞれ互いに対向して配置されている。可動接点部7aは、通常時(電磁コイル部2の非通電時)に、可動接点支持板7の弾性変形によるばね力により固定接点部8aに接触する常閉型の接点を構成している。すなわち、可動接点部7aは、電磁コイル部2への通電が遮断されると固定接点部8aに接触し、電磁コイル部2へ通電されると固定接点部8aから離れるように構成される。
可動鉄心4の軸方向中間部の外周面には、図1のように、径外方へ突き出すリング状のフランジ部4cが、冷鍛加工等により一体成形されている。可動鉄心4のフランジ部4cは、可動接点支持板7のうちホーン中心部寄りの被押圧部位7b(図2に図示)を図1に図示する後方へ押圧する押圧部を構成する。
振動板3の外周部は、ハウジング1の外周端部のフランジ部1cに巻きかしめされている。可動鉄心4の前部の小径部4bには、振動板3の中心部が挿入されてかしめ固定されている。固定鉄心2aは、取り付けステー5に、ハウジング1の底面部1dの中心部とともにかしめ等の手段で固定される。また、固定鉄心2aは、取り付けステー5に、ハウジング1の底面部1dの中心部とともに、ナット締め等の手段で固定されるようにしてもよい。
電磁コイル部2は、導体26を覆う絶縁皮膜25が形成されたマグネットワイヤ20を巻回した巻回部を有する。電磁コイル部2において、巻回部から延びるマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20aは、あらかじめ絶縁皮膜25が剥離された状態で第1リベット21aの軸部22の周辺に沿うように設置され、第1リベット21aの頭部に圧接される。ワイヤ端末部20aが第1リベット21aに圧接されることにより、第1リベット21aとワイヤ端末部20aの導体26(例えばアルミ線)が導通するため、ワイヤ端末部20aと第1リベット21aとが導通することになる。また、マグネットワイヤ20の導体26は、アルミ線以外の導電性材質によって構成することもできる。
さらに第1リベット21aは、絶縁部材によってハウジング1からは絶縁されている。第1リベット21aは、コネクタ端子120と導通している。コネクタ端子120には、ホーンスイッチを介してバッテリのプラス電位が導かれている。したがって、第1リベット21aは、電磁コイル部2において電流投入側に位置するリベットである。また、第1実施形態の車両用警音器は、第2リベット21bのかしめ固定によって可動接点支持板7に圧接されるマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bに導通するコネクタ端子をさらに備えるようにしてもよい。この2端子を有する構成では、ワイヤ端末部20aとワイヤ端末部20bの両方に導通するコネクタ端子を備えることになる。
次に、ワイヤ端末部20bにおけるマグネットワイヤ20と可動接点支持板7との導通に係る構成について図4〜図9を参照して説明する。この導通に係る構成は、可動接点支持板7の突起部7p1によって可動接点支持板7と導体26との導通を図っている。
図4、図8及び図9に図示するように、可動接点支持板7は、可動接点支持板7の平坦部7fから突出する突起部7p1を有する。突起部7p1は、先端にエッジ部7p1eを有する。可動接点支持板7は、第2リベット21bの軸部22が挿通可能な開口部7hを備える。突起部7p1は、裏側(ボビン2b側)から突出するように、可動接点支持板7の平坦部7fを切り起こして形成される部分である。平坦部7fから切り起こされる突起部7p1の長さは、平坦部7fの板厚寸法の2倍以上に設定される。さらに、突起部7p1を安定して切り起こすためには、突起部7p1の当該長さは、平坦部7fの板厚寸法の3倍以上に設定することが好ましい。この寸法関係は、突起部7p1の形状維持にも寄与する。
図8に図示するように、可動接点支持板7の一端側を平面視すると、可動接点支持板7の外周縁であって開口部7hの周りに位置する部位には、突起部7p1が設けられている。外周縁における突起部7p1の両側は、内側に凹む凹部となるように形成されている。突起部7p1は、可動接点支持板7の外周縁の一部を構成する。このように可動接点支持板7の外周縁の一部に設けられる突起部7p1によれば、突起部7p1を形成する際の加工性が向上する。
可動接点支持板7は、固定接点支持板8及びカバー9とともに第2リベット21bの軸部22が挿通されて、ハウジング1等にかしめ固定される。可動接点支持板7は、カバー9とマグネットワイヤ20との間に設けられる。かしめ固定されることによって可動接点支持板7はマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bを押さえる。
可動接点支持板7の表側または前方には、カバー9、固定接点支持板8、第2リベット21bの頭部21bhが表側または前方に向かって順に積層配置される。可動接点支持板7の裏側または後方には、ワイヤ端末部20b、電気絶縁性を有するボビン2b、ハウジング1が裏側または後方に向かって順に積層配置される。カバー9は、電気絶縁性を有する材料、例えば樹脂材料で構成されている。カバー9は、可動接点支持板7と固定接点支持板8との導通を遮断する機能を果たす。
第2リベット21bは、軸部22が、積層された可動接点支持板7、カバー9及び固定接点支持板8のそれぞれに設けられた貫通口部を挿通した上でハウジング1にかしめて固定される。これにより、可動接点支持板7、カバー9、固定接点支持板8及び第2リベット21bの頭部21bhが、一体となってワイヤ端末部20bを押圧する。
第2リベット21bのかしめ固定によって、突起部7p1のエッジ部7p1eがワイヤ端末部20bの導体26に食い込むことで、可動接点支持板7とマグネットワイヤ20との導通が成立する。したがって、ワイヤ端末部20bは、電磁コイル部2への通電が遮断されて可動接点部7aと固定接点部8aが接触したときに、導体26と固定接点支持板8が可動接点支持板7を介して導通し、固定接点支持板8とマグネットワイヤ20が電気的に接続される。
このように、突起部7p1のエッジ部7p1eがワイヤ端末部20bの導体26へ食い込むことにより、固定接点支持板8に導通する第2リベット21bとマグネットワイヤ20の導体26との導通が絶縁皮膜25の剥離作業を経ることなく成立する。また、図4では、理解が容易となるように、食い込み状態やマグネットワイヤ20等を誇張して図示している。
可動接点支持板7は、弾性を有する金属材料で構成される板状部材である。第2リベット21bのかしめ固定によって、可動接点支持板7は、固定接点支持板8及びカバー9とボビン2b及びハウジング1とによって挟まれる。可動接点支持板7は、そのばね性も相まってボビン2bやカバー9を押し返す反力を発揮するため、突起部7p1をマグネットワイヤ20に強く押し付ける効果を奏する。したがって、突起部7p1のエッジ部7p1eをワイヤ端末部20bに確実に食い込ませることができる。このように可動接点支持板7は、ばね性を有する金属製であるため、この車両用警音器は、長期間使用しても良好な導通状態を保持できる。
図5〜図7に図示するように、カバー9は、可動接点支持板7と固定接点支持板8とに接触する板状部90と、板状部90の外周縁の一部からマグネットワイヤ20に沿って延びるワイヤ保持部91と、を一体に備えて構成される。板状部90は、固定接点支持板8側の面が固定接点支持板8に密着し、可動接点支持板7側の面が可動接点支持板7に密着するような表面形状に形成されている。板状部90は、例えば平板に形成されている。
マグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bは、ボビン2bに設けられた溝部2b3に納められることによりボビン2bに這わされている。溝部2b3は、ワイヤ端末部20bの直径と同等、またはそれ以上の溝深さ寸法を有している。したがって、図7に図示するように、ワイヤ端末部20bが溝部2b3に納められて這わされた状態では、ワイヤ端末部20bは、外周面がボビン2bの表面よりも突出しないように設けられる。
板状部90が配置される箇所に位置するマグネットワイヤ20は可動接点支持板7によって覆われ、さらに可動接点支持板7の前方側は板状部90によって覆われている。したがって、可動接点支持板7は、マグネットワイヤ20が溝部2b3に這わされたボビン2bと板状部90とによって挟まれることになる。ワイヤ保持部91が配置される箇所に位置するワイヤ端末部20bは、溝部2b3から露出している部分がワイヤ保持部91によって覆われている。ワイヤ保持部91は、ボビン2bに対向する天壁91aと、天壁91aの3辺それぞれからボビン2bに向かって延びる側壁91bと、を有し、ボビン2b側が開口する箱形状をなしている。したがって、ワイヤ端末部20bは、溝部2b3の底面とワイヤ保持部91との間に位置する。また、ワイヤ端末部20bは、溝部2b3の底面とワイヤ保持部91の側壁91bとによって挟まれて保持されうる。
さらに、突起部7p1のエッジ部7p1eが溝部2b3に納められたワイヤ端末部20bに食い込むため、この部位においてワイヤ端末部20bは、可動接点支持板7と溝部2b3の底面とによって挟まれることになる。ワイヤ保持部91は、その後方側の端面、すなわち側壁91bの端面が、板状部90の後方側の表面よりも、可動接点支持板7の板厚寸法分、後方に位置するように形成されている。
突起部7p1のエッジ部7p1eがワイヤ端末部20bに食い込むことによって、絶縁皮膜25等の破片がマグネットワイヤ20から分離することがある。このように発生した異物である破片は、溝部2b3にとどめることもできるし、ワイヤ保持部91の側壁91b及び天壁91aで囲まれた内部に閉じ込めることもできる。また、ワイヤ保持部91の内側において絶縁皮膜25が剥離した破片が発生したとしても、ワイヤ保持部91の側壁91b等によって囲まれているために、絶縁皮膜25の剥離片等は外部に出てこない。
また、ワイヤ端末部20bは溝部2b3に納められてボビン2bに這わされるため、ワイヤ端末部20bがボビン2bの表面から突出しないように設置することができる。さらに、可動接点支持板7に積層されるカバー9の部分、すなわち板状部90を平板状に形成することができ、可動接点支持板7に積層されないカバー9の部分、すなわちワイヤ保持部91のみを外周円を囲む形状にすればよい。したがって、特に積層方向の寸法が小さいカバー9を用いることができるので、剥離された絶縁皮膜25等の異物を飛散させないための構造の小型化を実現できる。また、ワイヤ端末部20bは溝部2b3に納められてボビン2bに這わされるため、剥離された絶縁皮膜25等の異物を溝部2b3に蓄えることもできるので、当該構造は異物の飛散を抑制することに貢献できる。
また、電磁コイル部2においてマグネットワイヤ20を巻回する際に、ワイヤ端末部20a、ワイヤ端末部20bのいずれを巻き始め部としてもよいし、巻き終わり部としてもよい。
次に、本実施形態の電気式ホーンの作動を説明する。ホーンスイッチが投入されることにより、車載電源からの電流が、コネクタ11の内部のコネクタ端子120から第1リベット21a→マグネットワイヤ20のワイヤ端末部20a→電磁コイル部2の経路で電流が流れる。さらに電流は、マグネットワイヤ20のワイヤ端末部20b→可動接点支持板7→可動接点部7a→固定接点部8a→固定接点支持板8→第2リベット21b→ハウジング1→固定鉄心2a→取り付けステー5→車体(接地)の経路で流れる。また、ワイヤ端末部20aは電流流れの上流側に位置するマグネットワイヤ20の一部であり、ワイヤ端末部20bは電流流れの下流側に位置するマグネットワイヤ20の一部である。
第1実施形態の電気式ホーンでは、ワイヤ端末部20aと第1リベット21aが導通し、ワイヤ端末部20bと可動接点支持板7が導通している。これにより、電磁コイル部2の電磁力が可動鉄心4と固定鉄心2aとの吸引間隙に作用して、可動鉄心4が固定鉄心2aに吸引され衝突する。この可動鉄心4の変位により可動鉄心4のフランジ部4cが可動接点支持板7の被押圧部位7bを押圧して、可動接点部7aを固定接点部8aから開離させる。
その結果、電磁コイル部2への通電が遮断され、電磁力がなくなるので、可動鉄心4は、振動板3の弾性力により元の位置に復帰し、これにより、可動接点部7aと固定接点部8aとの閉成状態が復活する。このようにして、電磁コイル部2の通電が断続されることにより、可動鉄心4の固定鉄心2aへの衝突が繰り返され、振動板3及び共鳴板6が高周波で振動して音波が図1の前方側に放射される。
次に、第1実施形態の車両用警音器がもたらす作用効果について説明する。車両用警音器は、ハウジング1と、電磁コイル部2と、固定鉄心2aと、可動鉄心4と、吸引される可動鉄心の動きに伴って振動する振動板3と、固定接点部8aを有する固定接点支持板8と、可動接点部7aを有する可動接点支持板7と、を備える。第2リベット21bは、固定接点支持板8及び可動接点支持板7を固定するとともに、可動接点支持板7を介してマグネットワイヤ20の一部を押さえるように、ハウジング1にかしめられて固定される。可動接点支持板7は、その平坦部7fから突出する突起部7p1を有する。可動接点支持板7が第2リベット21bによって固定された状態で、突起部7p1はマグネットワイヤ20の絶縁皮膜25を剥離してマグネットワイヤ20の導体26と接触している。
この構成によれば、第2リベット21bをかしめにより固着した時に、絶縁皮膜25があらかじめ剥離されていないマグネットワイヤ20の一部に可動接点支持板7の突起部7p1を食い込ませている。これによりマグネットワイヤ20の一部と可動接点支持板7との導通を確保することができる。このようにマグネットワイヤ20の一部の絶縁皮膜25をあらかじめ剥離しておく必要が無いので、導通のための作業の工数が削減できる。また、可動接点支持板7はばね性を有することから、突起部7p1自身も弾性力を有する。これにより、突起部7p1は、マグネットワイヤ20の導体26から受ける力に対する反力を導体26に与えるため、突起部7p1と導体26の接触圧が確保されるので、突起部7p1の食い込み状態をかしめ終了後も維持できる。これにより、マグネットワイヤ20の一部と可動接点支持板7との導通作用が長く維持されて、導通状態を長い間維持することができる。
したがって、この車両用警音器によれば、絶縁皮膜25の剥離を行わずにリベットかしめを行うだけで可動接点支持板7とマグネットワイヤ20の一部とを導通させることができ、この導通状態が確実に維持できる。また、可動接点支持板7は車両用警音器の警報音機能を発揮させるために必要な部品であるので、この車両用警音器によれば、新たな部品を用意せずとも、導体26との導通を図ることができる。
また、突起部7p1は、可動接点支持板7の外周縁の一部を構成するように設けられている。この構成によれば、突起部7p1を外周縁のどこかに設けることになるため、突起部7p1を設ける場所についての制約を少なくできる。さらに、突起部7p1を切り起こす場合に、切り起こしの起点となる平坦部を大きく設定することができるため、突起部7p1の強度を確保しやすい。
また、車両用警音器は、電気絶縁性を有し、可動接点支持板7と固定接点支持板8の間に設けられて、固定接点支持板8及び可動接点支持板7とともに第2リベット21bによって固定されるカバー9を備える。カバー9は、導体26に接触している突起部7p1を覆うように設けられる。
この構成によれば、マグネットワイヤ20から剥がれた絶縁皮膜25等の破片は、カバー9によって覆われるため、当該破片をカバー9の内側に閉じ込めることができる。したがって、カバー9は、剥離された絶縁皮膜25等が外部に散乱することを抑制することに寄与し、絶縁皮膜25の破片が可動接点部7aと固定接点部8aの間に侵入して可動鉄心4の導通不良を起こすことを防止できる。
さらに、第2リベット21bが固定される部分であるボビン2bには、マグネットワイヤ20の一部であるワイヤ端末部20bが納められる溝部2b3が設けられる。ワイヤ端末部20bの導体26は、溝部2b3に納められた状態で突起部7p1に接触する。この構成によれば、ワイヤ端末部20bがボビン2bの溝部2b3に納められた状態で突起部7p1に接触するため、ワイヤ端末部20bをボビン2bの表面から突出させないで、可動接点支持板7と導通させることができる。これにより、剥離された絶縁皮膜25がボビン2bの表面に飛散することを抑制することができる。例えば、剥離された絶縁皮膜25をボビン2bの表面に散乱させずに溝部2b3に蓄えることもできる。
(第2実施形態)
第2実施形態について図10及び図11を参照して説明する。第2実施形態は、可動接点支持板107における突起部107p1以外については第1実施形態と同様であり、同様の構成、作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
可動接点支持板107は、裏側(ボビン2b側)から突出するように切り起こされた突起部107p1と、第2リベット21bの軸部22が挿通可能な開口部107hと、を備える。突起部107p1は、可動接点支持板107の平坦部107fを切り起こして形成される。
図10に図示するように、可動接点支持板107を平面視すると、突起部107p1の軸線(図10に二点鎖線で図示)が開口部107hの中心に交差しないように、突起部107p1は開口部107hに近接して設けられる。突起部107p1は、開口部107hに近接するため、平面視すると、第2リベット21bの頭部21bhと突起部107p1とは重なる関係にある。これにより、突起部107p1の根元部には、第2リベット21bの頭部21bhからの荷重がかかるため、突起部107p1と導体26の接触圧の維持及び向上が図れる。また、第2リベット21bの頭部21bhと突起部107p1とのこのような位置関係によれば、突起部107p1の根元部から先端までの長さを長くすることができる。このため、突起部107p1に過剰な応力が生じることを抑制できる。
また、突起部107p1は、可動接点支持板における短手方向幅の端部に設けられる第1実施形態の突起部7p1と異なり、可動接点支持板107における短手方向幅の両端よりも内側に位置する。さらに、突起部107p1は、その軸線が、可動接点支持板107の長手方向に対して交差するように設けられる。
可動接点支持板107は、固定接点支持板8及びカバー9とともに第2リベット21bの軸部22が挿通されて、ハウジング1等にかしめ固定される。可動接点支持板107は、カバー9とマグネットワイヤ20との間に設けられる。かしめ固定されることによって可動接点支持板107はマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bを押さえる。
第2リベット21bのかしめ固定によって、突起部107p1のエッジ部107p1eが、ワイヤ端末部20bの導体26に食い込むことで、可動接点支持板107とマグネットワイヤ20との導通が成立する。したがって、ワイヤ端末部20bは、可動接点支持板107を介して固定接点支持板8と導通可能になり、固定接点支持板8とマグネットワイヤ20の導体26とが電気的に接続されることになる。
このように、突起部107p1のエッジ部107p1eがワイヤ端末部20bの導体26へ食い込むことにより、可動接点支持板107を介した固定接点支持板8とマグネットワイヤ20の導体26との導通が絶縁皮膜25の剥離作業を経ることなく成立する。
また、突起部107p1は、可動接点支持板107の外周縁よりも内側に設けられている。この構成によれば、可動接点支持板107の外周縁よりも内側で絶縁皮膜25が剥離することになる。このため、剥離した絶縁皮膜25を可動接点支持板107の表面で押さえて保持することができる。したがって、剥離した絶縁皮膜25をハウジング1の内部に飛散することを抑制できるので、導通不良や各部の動作不良を防止し、車両用警音器の品質低下を防止できる。また、突起部107p1が可動接点支持板107の外周縁よりも内側に設けられることによれば、カバー9において突起部107p1を覆う部分を平板状に構成することが可能であり、カバー9の薄型化が図れる。
(第3実施形態)
第3実施形態について図12及び図13を参照して説明する。第3実施形態は、可動接点支持板207における突起部207p1以外については第1実施形態と同様であり、同様の構成、作用効果を奏するものである。第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
可動接点支持板207は、可動接点支持板107に対して、突起部207p1の構成が相違する。可動接点支持板207は、2個の突起部からなる一組の突起部207p1を備える。図13に図示するように、両方の突起部207p1は、裏側(ボビン2b側)から突出するように、可動接点支持板207の平坦部207fを切り起こして形成される部分である。
可動接点支持板207を平面視すると、一組の突起部207p1はそれぞれの軸線(図12に二点鎖線で図示)が同一線上にあるように設けられる。さらに一組の突起部207p1のそれぞれの先端間には、可動接点支持板207を貫通する抜き部が存在する。この抜き部が設けられることによれば、各突起部207p1について切り起こされる起点の部分が隣接しておらず、それぞれ独立した位置にある。このため、それぞれの突起部207p1の強度を確保しやすい。
一組の突起部207p1は、それぞれの軸線が開口部207hの中心に交差しないように、開口部207hに近接して設けられる。また、突起部207p1は、可動接点支持板における短手方向幅の端部に設けられる第1実施形態の突起部7p1と異なり、可動接点支持板207における短手方向幅の両端よりも内側に位置する。さらに、突起部207p1は、その軸線が、可動接点支持板207の長手方向に対して交差するように設けられる。このような一組の突起部207p1は、近接する2つの突起部207p1からなるため、導体26との導通を実現する上でロバスト性が向上する。すなわち、片方の突起部207p1が故障して機能しない状態になっても、もう片方の突起部207p1によって導体26との導通を実現できるからである。
また、突起部207p1は、他の形態として、その軸線が、可動接点支持板207の長手方向に対して平行になるように設けられてもよい。
可動接点支持板207は、固定接点支持板8及びカバー9とともに第2リベット21bの軸部22が挿通されて、ハウジング1等にかしめ固定される。可動接点支持板207は、カバー9とマグネットワイヤ20との間に設けられる。かしめ固定されることによって可動接点支持板207はマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bを押さえる。
第2リベット21bのかしめ固定によって、少なくとも一つの突起部207p1のエッジ部207p1eが、ワイヤ端末部20bの導体26に食い込むことで、可動接点支持板207とマグネットワイヤ20との導通が成立する。したがって、ワイヤ端末部20bは、可動接点支持板207を介して固定接点支持板8と導通可能になり、固定接点支持板8とマグネットワイヤ20の導体26とが電気的に接続されることになる。
このように、複数の突起部207p1のうちの少なくとも一つがエッジ部207p1eがワイヤ端末部20bの導体26へ食い込む。これにより、可動接点支持板207を介した固定接点支持板8とマグネットワイヤ20の導体26との導通が絶縁皮膜25の剥離作業を経ることなく成立する。
(第4実施形態)
第4実施形態について図14及び図15を参照して説明する。第4実施形態は、可動接点支持板307における突起部307p1以外については第1実施形態と同様であり、同様の構成、作用効果を奏するものである。第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
可動接点支持板307は、可動接点支持板107に対して、突起部307p1の構成が相違する。可動接点支持板307は、2個の突起部からなる一組の突起部307p1を備える。図15に図示するように、両方の突起部307p1は、裏側(ボビン2b側)から突出するように、可動接点支持板307の平坦部307fを切り起こして形成される部分である。
可動接点支持板307を平面視すると、一組の突起部307p1はそれぞれの軸線(図14に二点鎖線で図示)が同一線上にあるように設けられる。一組の突起部307p1は、それぞれの軸線が開口部307hの中心に交差しないように、開口部307hに近接して設けられる。また、突起部307p1は、可動接点支持板における短手方向幅の端部に設けられる第1実施形態の突起部7p1と異なり、可動接点支持板307における短手方向幅の両端よりも内側に位置する。さらに、突起部307p1は、その軸線が、可動接点支持板307の長手方向に対して交差するように設けられる。
また、突起部307p1は、他の形態として、その軸線が、可動接点支持板307の長手方向に対して平行になるように設けられてもよい。
一組の突起部307p1は、の平坦部307fにおいて短手方向または幅方向の両端部から切り起こされて、突出する部分である。一組の突起部307p1は、平坦部307fに対して同じ方向(後方側またはマグネットワイヤ20側)に切り起こされる部分である。一組の突起部307p1は、平坦部307fに対して短手方向または幅方向に左右対称となる形状をなす(図15参照)。
可動接点支持板307は、固定接点支持板8及びカバー9とともに第2リベット21bの軸部22が挿通されて、ハウジング1等にかしめ固定される。可動接点支持板307は、カバー9とマグネットワイヤ20との間に設けられる。かしめ固定されることによって可動接点支持板307はマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bを押さえる。
第2リベット21bのかしめ固定によって、少なくとも一つの突起部307p1のエッジ部307p1eが、ワイヤ端末部20bの導体26に食い込むことで、可動接点支持板307とマグネットワイヤ20との導通が成立する。したがって、ワイヤ端末部20bは、可動接点支持板307を介して固定接点支持板8と導通可能になり、固定接点支持板8とマグネットワイヤ20の導体26とが電気的に接続されることになる。
このように、複数の突起部307p1のうちの少なくとも一つがエッジ部307p1eがワイヤ端末部20bの導体26へ食い込む。これにより、可動接点支持板307を介した固定接点支持板8とマグネットワイヤ20の導体26との導通が絶縁皮膜25の剥離作業を経ることなく成立する。
(第5実施形態)
第5実施形態について図16及び図17を参照して説明する。第5実施形態は、マグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bに食い込んで導体26と接触するものとして、可動接点支持板7でなく、金属板23を用いる点が前述の実施形態とは相違する。第5実施形態は、当該相違点のみが前述の実施形態と相違し、その他の構成、作用効果は前述の実施形態と同様である。第5実施形態では、前述の実施形態と異なる部分のみを説明する。
この金属板23は、第2リベット21bの軸部22が挿通可能な開口部23hを中央に備えるワッシャ形状である。金属板23は、裏側(ボビン2b側)から突出するように切り起こされた突起部23p1と、表側(可動接点支持板7側)から突出するように切り起こされた突起部23p2と、を有する。突起部23p1は、金属板23の平坦部23fを切り起こして形成される第1の突起部である。突起部23p2は、金属板23の平坦部23fを、突起部23p1の切り起こし方向とは逆向きに切り起こして形成される第2の突起部である。
図17に図示するように、金属板23を平面視すると、突起部23p1の軸線A1と突起部23p2の軸線A2は、開口部23hに対してその両側に位置するように設けられる。したがって、突起部23p1と突起部23p2は、開口部23hに対してその両側に位置するように設けられている。金属板23を平面視すると、突起部23p1の軸線A1と突起部23p2の軸線A2は、開口部23hを間において平行になっている。このように、突起部23p1と突起部23p2は、それぞれの軸線A1と軸線A2が同軸線上とならないように設けられている。互いの軸線A1、A2が同軸線上にないとは、突起部23p1と突起部23p2が一直線上に設けられていないという関係であり、例えば、金属板23において軸線同士が交差したり、平行となる場合を含む。
さらに、突起部23p1と突起部23p2の間には金属板23の平坦部23fが介在している。これらの構成により、突起部23p1と突起部23p2は、一定以上の表面積を有する平坦部23fによって離れて配置されることになる。このように金属板23は、表側の突起部と裏側の突起部とを分離する構成を有する。また、金属板23は、同心円上に並ぶ突起部を有しない構成を備える金属板であるともいえる。
また金属板23には、位置決めのための切り欠き部23aがその外周に形成されている。金属板23を設置する際に、ボビン2bやハウジング1等に設けられた所定の形状に合わせるように切り欠き部23aを嵌めることにより、金属板23の表裏や向きを、導体26に接触可能な状態に設定することができる。すなわち、ボビン2bやハウジング1等に設けられた所定の形状は、切り欠き部23aと合致する形状に形成されている。
また、位置決めのための切り欠き部23aは、金属板23にピン状の突出部を設けることによって置き換えることもできる。また、金属板23は、一組の突起部23p1と突起部23p2を、複数組備えるように構成してもよい。
次に、ワイヤ端末部20bにおけるマグネットワイヤ20と金属板23との導通に係る構成について図16を参照して説明する。この導通に係る構成においても、前述の可動接点支持板7と導体26との導通に係る構成と同様に、金属板23の突起部23p1によって金属板23と導体26との導通を図っている。
金属板23は、固定接点支持板8、カバー9及び可動接点支持板7とともに第2リベット21bの軸部22が挿通されて、ハウジング1等にかしめ固定される。金属板23は、可動接点支持板7とマグネットワイヤ20との間に設けられる。かしめ固定されることによって金属板23はマグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bを押さえる。
金属板23の表側または前方には、可動接点支持板7、カバー9、固定接点支持板8、第2リベット21bの頭部21bhが表側または前方に向かって順に積層配置される。金属板23の裏側または後方には、ワイヤ端末部20b、電気絶縁性を有するボビン2b、ハウジング1が裏側または後方に向かって順に積層配置される。
第2リベット21bは、軸部22が、積層された金属板23、可動接点支持板7、カバー9及び固定接点支持板8のそれぞれに設けられた貫通口部を挿通した上でハウジング1にかしめて固定される。これにより、金属板23、可動接点支持板7、カバー9、固定接点支持板8及び第2リベット21bの頭部21bhが、一体となってワイヤ端末部20bを押圧する。
第2リベット21bのかしめ固定によって、突起部23p2のエッジ部23p2eが可動接点支持板7に接触または食い込むことで、可動接点支持板7と金属板23との導通が確実に成立する。さらに、突起部23p1のエッジ部23p1eが、ワイヤ端末部20bの導体26に食い込むことで、金属板23とマグネットワイヤ20との導通が成立する。したがって、ワイヤ端末部20bは、金属板23を介して可動接点支持板7と導通し、可動接点支持板7とマグネットワイヤ20の導体26とが電気的に接続されることになる。
このように、突起部23p1のエッジ部23p1eがワイヤ端末部20bの導体26へ食い込むことにより、金属板23を介した可動接点支持板7とマグネットワイヤ20の導体26との導通が絶縁皮膜25の剥離作業を経ることなく成立する。また、図16では、理解が容易となるように、食い込み状態やマグネットワイヤ20等を誇張して図示している。
また、突起部23p2は、金属板23の表面から第2リベット21b側に突出しているので、可動接点支持板7を押圧することになる。突起部23p2が可動接点支持板7に接触して可動接点支持板7からの反力を金属板23が受けることによって、マグネットワイヤ20側の突起部23p1のエッジ部23p1eをワイヤ端末部20bにさらに確実に食い込ませることができる。
また、図18に図示する金属板123においては、突起部23p1、突起部23p2は、金属板23の表面の両方から突出している。つまり、金属板123は、金属板123の表側から突出する表側の突起部と、金属板123の裏側から突出する裏側の突起部と、を備える。金属板123は、金属板23に対して切り欠き部23aが設けられていないことのみ相違する。
この構成によれば、金属板123の表裏を逆にして組み付けたとしても、突起部23p1、突起部23p2のいずれかが、マグネットワイヤ20に向かって突出する状態になる。したがって、突起部23p1、突起部23p2のいずれかによって、ワイヤ端末部20bの絶縁皮膜25を確実に剥離して導体26と導通することができる。
また、突起部23p1及び突起部23p2は、それぞれ金属板23から切り起こされた切り起こし部である。金属板23を平面視すると、突起部23p1及び突起部23p2は、それぞれの軸線が同軸線上とならないように設けられる。この構成によれば、突起部23p1の軸線A1上にある平坦部には、突起部23p1を切り起こす際の曲げ応力しか作用しない。一方、突起部23p2の軸線A2上にある平坦部には、突起部23p2を切り起こす際の曲げ応力しか作用しない。すなわち、それぞれの平坦部には、両方の切り起こし時の曲げ応力が働かないため、平坦部23fの変形を抑制することができる。突起部のベース部となる平坦部23fの変形が抑制されるので、各突起部による導体26や第1リベット21aへの食い込み力を確保することができる。したがって、各突起部の機能をより確実に発揮可能な金属板23を提供できる。
また、金属板23には、第2リベット21bの軸部22が挿通される開口部23hが設けられている。突起部23p1及び突起部23p2は、開口部23hに対してその両側に位置するように設けられる。この構成によれば、両方の突起部の間に開口部23hが存在するため、両方の切り起こし時の曲げ応力が一箇所に集中しないようにできる。したがって、この構成は、突起部23p1と突起部23p2の間に存在する平坦部23fの変形を抑制することに寄与する。
車両用警音器は、マグネットワイヤ20の一部と可動接点支持板7との間に設けられる金属板23を備える。金属板23は、かしめられた第2リベット21bによる圧力によって固定接点支持板8及び可動接点支持板7とともに固定されてマグネットワイヤ20の一部を圧接する。金属板23は、その平坦部23fから突出する突起部23p1を有する。金属板23が第2リベット21bによって固定された状態で、突起部23p1はマグネットワイヤ20の絶縁皮膜25を剥離してマグネットワイヤ20の導体26と接触している。
この構成によれば、第2リベット21bをかしめにより固着した時に、絶縁皮膜25があらかじめ剥離されていないマグネットワイヤ20の一部に金属板23の突起部23p1を食い込ませている。これによりマグネットワイヤ20の一部と金属板23との導通を確保することができる。このようにマグネットワイヤ20の一部の絶縁皮膜25をあらかじめ剥離しておく必要が無いので、導通のための作業の工数を削減できる。また、金属板23の突起部23p1は、マグネットワイヤ20の導体26から受ける力に対する反力を導体26に与えるため、突起部23p1と導体26の接触圧が確保され、突起部23p1の食い込み状態をかしめ終了後も維持させることができる。これにより、マグネットワイヤ20の一部と可動接点支持板7との導通作用が長く維持されて、導通状態を長い間維持できる。
(他の実施形態)
上記の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、更に特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
前述の突起部7p1、突起部23p1、突起部23p2の突起部は、その先端形状が前述した方形状に限定されるものではない。例えば、先端形状は、図19〜図22に図示する形状でもよい。図19に図示する突起部7p1、突起部23p1、突起部23p2は、先端の中央部が両側部に対してその軸方向に凹んだ形状をなしている。図20に図示する突起部7p1、突起部23p1、突起部23p2は、図19に図示する形状よりも、先端の中央部が大きく凹んだ鋭角状の先細り形状をなしている。
図21に図示する突起部7p1、突起部23p1、突起部23p2は、先端の中央部が両側部に対して対称にその軸方向に突出する先細り形状である。図22に図示する突起部7p1、突起部23p1、突起部23p2は、先端の片側部がもう一方の側部に対してその軸方向に突出する片側先細り形状である。このような様々な先端形状を有する突起部7p1等によれば、突起部7p1等と導体26との角度が様々な状態になっても、突起部7p1等を導体26に接触させることが可能になる。
また、突起部23p1、突起部23p2は、その形状が前述した形状に限定されものではない。例えば、突起部23p1及び突起部23p2は、図23に図示するように、一方が折り曲げ部を構成し、他方が折り曲げ部下ら反対側に延びる先端部を構成するアーチ状をなしてもよい。
前述の実施形態で開示した、可動接点支持板207、可動接点支持板307は、それぞれの突起部が可動接点支持板の外周縁よりも内側に設けられている。この構成によれば、第2実施形態で説明した可動接点支持板207と同様の効果を奏する。
また前述の実施形態において、ワイヤ端末部20aは、あらかじめ絶縁皮膜25が剥離された状態で第1リベット21aの頭部に圧接されるように構成しているが、以下のようにしてワイヤ端末部20aと第1リベット21aの導通を図ってもよい。例えば、前述の第5実施形態の金属板23を第1リベット21aとワイヤ端末部20aとの間に介在させるようにしてもよい。金属板23の突起部23p1が第1リベット21aのかしめ固定によってワイヤ端末部20aに押し当てられ、エッジ部23p1eがマグネットワイヤ20の導体26に食い込むことで、金属板23とマグネットワイヤ20との導通が成立する。この構成により、第1リベット21a、金属板23及びワイヤ端末部20aの導体26が電気的に接続されることになる。
本発明に係る車両用警音器は、平型ホーンであっても共鳴箱を一体に有するトランペット型のホーンであっても適用することができる。
また前述の実施形態においては、マグネットワイヤ20のワイヤ端末部20bと第2リベット21bとの電気接続について本発明を適用した例を開示したが、電気接続される部位はマグネットワイヤ20の端部に限定するものではない。例えば、マグネットワイヤ20の巻回途中から引き出した中間タップとリベットとを導通させる場合等にも本発明を適用することができる。
また、前述の第5実施形態における金属板23が有する突起部は、表側と裏側からそれぞれ突出する形態に限定されない。例えば、金属板23が有する突起部は、可動接点支持板7側の面にはなく、マグネットワイヤ20側だけに突出して、ワイヤ端末部20bに対して食い込んで導体26と接触するものであってもよい。
また、前述の実施形態に係る金属板23は、リベットの軸部が貫通する構成を備えることなく、リベットのかしめ固定によって可動接点支持板7に圧接される構成でもよい。