JP2018180113A - 車両用警音器 - Google Patents

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聡士 土井
竜也 栗田
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Abstract

【課題】接点部の異物噛み込みを抑制可能な車両用警音器を提供する。
【解決手段】車両用警音器は、ハウジング11内に収容され固定接点部80を有する固定接点支持板8と、ハウジング11内に収容され、非通電時に固定接点部80に接触し通電時に固定接点部80から離れる可動接点部70を有する可動接点支持板7と、を備える。車両用警音器は、さらに、ハウジング11の内部において、固定接点部80と可動接点部70の並び方向に対して交差する方向に固定接点部80および可動接点部70に隣接して、固定接点部80と可動接点部70との接触部位を覆っているカバー部6を備える。これによれば、接点部の異物噛み込みを抑制可能な車両用警音器を提供できる。
【選択図】図3

Description

この明細書における開示は、警報音を発生する車両用警音器に関する。
特許文献1には、電磁コイル部の電磁力によって発生する磁気吸引力の作用により可動鉄心の軸方向移動距離が所定の値を超えると、可動鉄心が可動接点支持板に接触して可動接点部を軸方向に変位させる車両用警音器が記載されている。この動作により、可動接点部と固定接点部とが接触している接点部の閉状態から、接点部同士が離れる開状態に変化して、可動接点支持板と固定接点支持板の導通が切れることになる。
特開2011−248183号公報
特許文献1のような構成の車両用警音器では、可動接点部と固定接点部との間に異物が入りこむと、接点部の閉状態において異物の噛み込みが起こり、導通不良になるという問題がある。
この明細書における開示の目的は、接点部の異物噛み込みを抑制可能な車両用警音器を提供することにある。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された車両用警音器のひとつは、ハウジング(11)と、ハウジングの内部に収容され、通電により磁力を発生するコイル(20)と、ハウジングの内部に収容され、コイルから発生する磁力によって磁気吸引力を発生する固定鉄心(22)と、ハウジングの内部に収容され、固定鉄心から発生する磁気吸引力によって固定鉄心に対して軸方向に変位する可動鉄心(4)と、ハウジングの内部に収容され、固定接点部(80)を有する固定接点支持板(8)と、可動鉄心の変位に伴って振動する振動板(3)と、ハウジングの内部に収容され、コイルへの通電が遮断されると固定接点部に接触し、コイルへ通電されると固定接点部から離れる可動接点部(70)を有する可動接点支持板(7)と、ハウジングの内部において、固定接点部と可動接点部が並ぶ並び方向に対して交差する方向に固定接点部および可動接点部に隣接して、固定接点部と可動接点部との接触部位を覆っているカバー部(6;106;206)と、を備える。
この車両用警音器によれば、固定接点部および可動接点部に隣接して、これらの接触部位を側方から覆うカバー部を備えるので、このカバー部を、接点部を保護する遮蔽壁として機能させることができる。この構成により、ハウジング内部で発生した異物や外部から侵入してきた異物が固定接点部と可動接点部との間に入り込むことを抑制することができる。したがって、接点部の異物噛み込みを抑制可能な車両用警音器を提供できる。
第1実施形態の車両用警音器の構成を示した断面図である。 第1実施形態の車両用警音器について、可動鉄心、振動板、渦巻ホーン等を取り外したものを示した平面図である。 図2におけるIII−III切断面を矢視した部分断面図である。 第2実施形態の車両用警音器について、可動鉄心、振動板、渦巻ホーン等を取り外したものを示した平面図である。 図4におけるV−V切断面を矢視した部分断面図である。 第3実施形態の車両用警音器について、可動鉄心、振動板、渦巻ホーン等を取り外したものを示した平面図である。 図6におけるVII−VII切断面を矢視した部分断面図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態の車両用警音器1について図1〜図3を参照しながら説明する。例えば、自動車、自動二輪車等の車両に搭載されて外部に対して警告音を発生する装置であり、電磁式のホーンとも呼ばれる。車両用警音器1は、車両における所定の操作部が操作された際に、警報音を車外へ放出する。所定の操作部は、乗員によって操作される、例えば、ステアリングやハンドルに設けられたホーンスイッチである。車両用警音器1は、出力電圧に応じた警報音を発生する電磁式警報器である。
図1に示すように、車両用警音器1は、ステー5を介して車両の前部、例えば、ラジエータの前部等の車両側部材に取り付けられる。車両用警音器1は、可動鉄心4を固定鉄心22よりも前方に位置させ、可動鉄心4および固定鉄心22の軸方向を前後方向に沿わせた姿勢で車両に取り付けられている。車両用警音器1は、有底筒状のハウジング11と、ハウジング11内の中央付近に収容され固定された電磁コイル部2と、を備える。車両用警音器1は、板状部材であって、外郭を構成するハウジング11の開口部を覆うようにハウジング11に固定されている振動板3を備える。振動板3はダイヤフラムとも呼ばれる。振動板3は、可動鉄心4の軸方向の変位に伴って振動して空気を振動させる。電磁コイル部2は、コイル20とボビン21と固定鉄心22とを備えて構成されている。コイル20は、樹脂製のボビン21に巻線が巻回されて構成されている。
車両用警音器1は、振動板3の中央付近に固定され、固定鉄心22に対向して配置された可動鉄心4と、ハウジング11の底部に固定されて車両等に取り付けられるステー5と、を有している。電磁コイル部2は、ハウジング11の軸心周りに設置されている。ハウジング11および振動板3は、電磁コイル部2の磁気回路の一部を構成するために、鉄系の磁性体材料の板材が凹形状にプレス成形されて形成されている。可動鉄心4の前部に位置する小径部41には、振動板3の中心穴部30と共鳴板9の中心穴部が嵌合し、可動鉄心4と振動板3および共鳴板9がかしめ固定されて一体となっている。
ハウジング11は、後端に位置する円盤状の底部110と、底部110の周縁が筒状に立ち上がって形成された前端部から円盤状に突出する中間平坦部111と、前端に位置する外周縁部112と、を有して一体に形成されている。外周縁部112は、中間平坦部111の周縁が前方へ筒状に立ち上がって形成された前端部から突出して形成されている。振動板3の外周部は、外周縁部112に巻きつけられるように巻きかしめされて、ハウジング11に固定されている。中間平坦部111には、その肉厚方向に貫通する通気孔部111aが設けられている。通気孔部111aは、ハウジング11の内部と外部とを連通させる連通通路を構成する。通気孔部111aは、固定接点支持板8、可動接点支持板7よりもハウジング11の外周縁部112寄りに位置している。
ボビン21は、筒状部210と、筒状部210における振動板3側の端部から円盤状に突出するフランジ部211と、フランジ部211から外方に突出する第1被固定部212、第2被固定部213等を有して一体に形成されている。筒状部210の外周面には、巻線が巻回されて形成されているコイル20が設けられている。筒状部210の内側には、固定鉄心22がボビン21やコイル20と同心状に設けられている。フランジ部211は、ボビン21において、筒状部210の前端部から周囲に広がる端面を形成する。フランジ部211は、コイル20における、前端部や振動板3側の端部を覆う部分である。
ハウジング11の底部110の前方側には、固定鉄心22やコイル20を有するボビン21が設けられている。固定鉄心22の先端面は、可動鉄心4の先端面に面している。固定鉄心22は、ボビン21の筒状部210の内側に存在する。換言すれば、固定鉄心22の側面は、筒状部210によって囲まれている。
コイル20への非通電時に、固定鉄心22の先端面と、先端面に対向する可動鉄心4の先端面との間には、所定距離の隙間、いわゆるエアギャップが形成されている。したがって、コイル20への非通電時には、固定鉄心22の先端面と可動鉄心4の先端面とは離間している。
ハウジング11における中間平坦部111には、第1被固定部212、弾性を有する金属ばね材から形成されている可動接点支持板7、導電性を有する金属製の固定接点支持板8が積層されている。可動接点支持板7と固定接点支持板8との間には絶縁部材が介在している。これらの積層されている部材は、中間平坦部111に固定されている金属製の第1リベット90によって、一体にかしめ固定されている。コイル20から延びる巻線における一方の端末部は、導体を被覆する絶縁膜が剥離された状態で可動接点支持板7と第1被固定部212との間に設置されて、第1リベット90のかしめ固定に伴い、第1リベット90の頭部によって圧接されている。このようにして、巻線の一方の端末部と可動接点支持板7とが導通することになる。
中間平坦部111の他の部位には、第2被固定部213が積層されている。第2被固定部213は、中間平坦部111に固定されている金属製の第2リベット91によって、ハウジング11にかしめ固定されている。さらに電磁コイル部2においてコイル20から延びる巻線における他方の端末部は、導体を被覆する絶縁膜が剥離された状態で第2リベット91の軸部の周辺に沿うように設置されて、第2リベット91のかしめ固定に伴い第2リベット91の頭部に圧接されている。このように、巻線の他方の端末部が第2リベット91の頭部に圧接されることにより、巻線の端末部における導体と第2リベット91とが導通することになる。また、巻線の導体は、銅線もしくは銅線以外の導電性材質、または異なる導電性物質が組み合わされた材質によって構成されている。ボビン21は、第1リベット90、第2リベット91の2箇所においてハウジング11に固定されている。
さらに第2リベット91は、絶縁部材によってハウジング11からは絶縁されている。第2リベット91は、コネクタ13の内部のコネクタ端子と導通している。コネクタ端子は、ホーンスイッチを介してバッテリのプラス電位が導かれている。したがって、第2リベット91は、電磁コイル部2において電流投入側に位置するリベットである。車両用警音器1は、第1リベット90のかしめ固定によって可動接点支持板7に圧接される巻線の端末部に導通するコネクタ端子をさらに備えるようにしてもよい。
可動接点支持板7には、固定接点支持板8に向けて突出する可動接点部70が設けられている。固定接点支持板8には、可動接点部70に対応する位置に、可動接点支持板7に向けて突出する固定接点部80が設けられている。可動接点部70と固定接点部80とは、互いに軸方向に対向するように設置されている。可動接点部70は、コイル20への非通電時には、可動接点支持板7が有するばね力によって固定接点支持板8側に付勢されて固定接点部80に接触する常閉型の接点を構成する。
可動鉄心4の外周面の全周には、他の部位よりも径外方へ突き出す大径部42が形成されている。例えば、大径部42は、冷鍛加工等によって一体に成形されている。コイル20への通電時に磁化された固定鉄心22によって可動鉄心4が吸引されることにより、大径部42は後方、すなわち固定鉄心22側に変位する。したがって、大径部42は、可動接点支持板7におけるホーン中心部寄りの被押圧部に接触してこれを後方、つまり、固定鉄心22側へ押圧する押圧部を構成する。大径部42が被押圧部を固定鉄心22側に押すことにより、固定接点部80と可動接点部70とが離間して、両者の接触状態が解除される。
車両用警音器1は、ハウジング11の内部において、固定接点部80と可動接点部70との接触部位を覆っているカバー部6を備えている。カバー部6は、固定接点部80と可動接点部70が並ぶ軸方向に対して交差する方向に固定接点部80および可動接点部70に隣接している。つまり、カバー部6は、固定接点部80と可動接点部70の接触部位のそばに隣り合うように位置して、ハウジング11の外周縁部112側から接触部位に向かう途中において遮蔽壁として機能する。カバー部6は、接触部位に隣接して、接触部位とハウジング11の外周縁部112との間に存在する壁部である。カバー部6は、側方で接触部位を覆う軸方向長さを有している。したがって、カバー部6は、外周縁部112側から接触部位に向かってくる物体の移動を阻止する壁として機能して、この物体が固定接点部80や可動接点部70やこれらの接触部位に付着する現象を抑える効果を奏する。このような物体には、例えば、ハウジング11の外部から内部に入り込んだ埃、塵、砂、ハウジング11の内部において発生した粉塵、磨耗粉等の異物である。
図2および図3に示すように、カバー部6は、固定接点部80および可動接点部70の周囲を取り巻くように設けられる形状であることが好ましい。カバー部6は、接触部位を内蔵する筒状体である。したがって、カバー部6は、ハウジング11の内部において、外周縁部112側だけでなく可動鉄心4側または中心側についても接触部位を覆う軸方向長さを有している。
カバー部6は、固定接点支持板8に対して一体に固定されている。カバー部6は、可動接点支持板7に対して一体に固定されている構成でもよい。カバー部6は、固定接点支持板8と可動接点支持板7との両方に一体に固定されている構成でもよい。例えば、カバー部6は、一体となる部材に対して接着剤によって接着されて固定されている。
カバー部6は、電気絶縁性を有する材料で構成されて、両接点部の並び方向に、すなわち軸方向に伸縮可能である。カバー部6は、それ自体が弾性変形可能な材質で形成されている構成でもよい。例えば、カバー部6は、例えば、天然ゴムや合成ゴムを含むエラストマー、その他の弾性変形可能な樹脂等により構成されている物体でもよい。カバー部6は、それ自体が弾性変形しない材質で形成されていても、その形状が軸方向に変形可能なものである構成でもよい。例えば、カバー部6は、折りたたみ可能、伸縮可能な蛇腹等の変形容易な側壁部を備える構成でもよい。また、カバー部6は、側壁部において他の部位よりも薄肉である部分を有し、この薄肉部が変形または座屈することにより軸方向に変形する構成でもよい。
可動鉄心4における前部の小径部41が、振動板3の中心部に挿入された状態でかしめられることにより、可動鉄心4は振動板3に固定されている。固定鉄心22は、取付用のステー5に、ハウジング11の底部110の中心部とともにかしめ等の固定手段を用いて固定されている。固定鉄心22は、ステー5に、ハウジング11の底部110の中心部とともに、ナット締め等の手段を用いて固定されるようにしてもよい。
次に、車両用警音器1の作動を説明する。ホーンスイッチが投入されることにより、車載電源からの電流が、コネクタ端子から第2リベット91、巻線の他方の端末部、コイル20の順番に流れる。さらに電流は、巻線の一方の端末部、可動接点支持板7、可動接点部70、固定接点部80、固定接点支持板8、第1リベット90、ハウジング11、固定鉄心22、ステー5、車体(接地)の順に流れる。
車両用警音器1では、巻線の他方の端末部と第2リベットが導通し、巻線の一方の端末部と可動接点支持板7とが導通している。これにより、電磁コイル部2の電磁力が可動鉄心4と固定鉄心22との間隙に作用して、可動鉄心4が固定鉄心22に吸引される。固定鉄心22から発生する磁気吸引力によって可動鉄心4が軸方向に移動すると、振動板3は、周縁部が固定された状態で中心部が可動鉄心4と一体に移動して変形する。この可動鉄心4の変位により、可動鉄心4の大径部42が可動接点支持板7の被押圧部を押圧して、可動接点部70を固定接点部80から離間させる。その結果、電磁コイル部2への通電が遮断され、電磁力がなくなるので、可動鉄心4は、振動板3の弾性力により元の位置に復帰し、これにより、可動接点部70と固定接点部80との閉成状態が復活する。また、コイル20に通電される電圧が増加すると、固定鉄心22からの磁気吸引力によって可動鉄心4が固定鉄心22に近づく。これらの動作が繰り返されることにより、可動鉄心4の固定鉄心22への衝突が繰り返され、振動板3および共鳴板9が高周波で振動して音波が前方に放射される。
第1実施形態の車両用警音器1がもたらす作用効果について説明する。車両用警音器1は、ハウジング11内に収容された、コイル20、固定鉄心22、可動鉄心4、固定接点部80を有する固定接点支持板8、振動板3、可動接点部70を有する可動接点支持板7、およびカバー部6を備えている。カバー部6は、ハウジング11の内部において、固定接点部80と可動接点部70が並ぶ並び方向に対して交差する方向に固定接点部80および可動接点部70に隣接して、固定接点部80と可動接点部70との接触部位を覆っている。
この車両用警音器1によれば、固定接点部80および可動接点部70に隣接して、これらの接触部位を側方から覆うカバー部6を備える。このカバー部6は、両方の接点部を保護する遮蔽壁として機能する。この構成によれば、ハウジング11の内部で発生した異物や外部から侵入してきた異物が固定接点部80と可動接点部70との間に入り込むことを抑制することができる。これにより、接点部における異物の噛み込みを抑制可能な車両用警音器1を提供できる。したがって、車両用警音器1の不鳴りを抑制することができる。
カバー部6は、固定接点部80および可動接点部70を囲むように設けられている。この構成によれば、接点部の周囲をカバー部6で覆うことにより、異物が固定接点部80と可動接点部70との間に到達する現象を防止できる。
カバー部6は、固定接点支持板8および可動接点支持板7のいずれか一方に対して一体に固定されている。この構成によれば、接点部が開成状態になったときはカバー部6は固定されている方の支持板とともに変位する。したがって、接点部の開閉動作を阻害しないカバー部6を提供できる。
カバー部6は、固定接点支持板8および可動接点支持板7の少なくとも一方に対して一体に固定されている。カバー部6は、電気絶縁性を有する材料で構成され、固定接点部80および可動接点部70の並び方向に伸縮可能である。この構成によれば、接点部が開成状態のときは、カバー部6は電気絶縁性を有するので、固定接点支持板8と可動接点支持板7の両方に接触している場合でも、固定接点支持板8と可動接点支持板7は非導通である。また、開成状態と閉成状態と切り換わり動作において、カバー部6は伸縮するので、接点部の開閉動作を阻害しないカバー部6を提供できる。
カバー部6は、固定接点部80および可動接点部70に対して通気孔部111a側に位置している。カバー部6は、固定接点部80および可動接点部70に対して通気孔部111a側に位置する部分を有する。この構成によれば、通気孔部111aを通じて侵入してきた異物が接点部に向かうときに、カバー部6を遮蔽部として機能させることができる。したがって、ハウジング11の外部から侵入する異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部6を提供できる。
カバー部6は、固定接点部80および可動接点部70に対して、ハウジング11の外周縁部112側に位置している。この構成によれば、外周縁部112側から接点部に向かってくる異物に対して、カバー部6を遮蔽部として機能させることができる。したがって、ハウジング11の外周縁部112側からの異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部6を提供できる。
例えば、異物は、可動接点支持板7と可動鉄心4の大径部42の下側の面の接触によって発生したり、可動鉄心4と固定鉄心22との接触によって発生したりする。カバー部6は、このように振動板3とハウジング11との内部で発生し接点部に向かってくる異物に対して、遮蔽部として機能させることができる。したがって、振動板3とハウジング11との内部から発生する異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部6を提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の他の形態である車両用警音器について、図4および図5を参照して説明する。第2実施形態において第1実施形態と同様の構成は、図4、図5において同一の符号を記載し、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態においては、第1実施形態と相違する内容について説明する。
図4および図5に示すように、第2実施形態の車両用警音器1は、第1実施形態に対してカバー部106が相違する。車両用警音器1は、ハウジング11の内部において、固定接点部80と可動接点部70との接触部位を覆っているカバー部106を備えている。カバー部106は、固定接点部80と可動接点部70が並ぶ軸方向に対して交差する方向に固定接点部80および可動接点部70に隣接している。つまり、カバー部106は、固定接点部80と可動接点部70の接触部位のそばに隣り合うように位置して、ハウジング11の外周縁部112側から接触部位に向かう途中において遮蔽壁として機能する。カバー部106は、接触部位に隣接して、接触部位とハウジング11の外周縁部112との間に存在する壁部である。カバー部106は、側方で接触部位を覆う軸方向長さを有している。したがって、カバー部106は、外周縁部112側から接触部位に向かってくる異物の移動を阻止する壁として機能して、この物体が固定接点部80や可動接点部70やこれらの接触部位に付着する現象を抑える効果を奏する。
カバー部106は、固定接点支持板108の一部であり、固定接点支持板108において可動接点支持板7側に延びるように折り曲げられた屈曲部を構成する。この構成により、カバー部106を、固定接点支持板108を折り曲げ加工することにより製造することができる。カバー部106は、固定接点支持板108における外周縁部112側の端部から、固定接点部80と可動接点部70の並び方向に延びている。カバー部106は、図5に示すように、固定接点支持板108における外周縁部112側の端部において、固定接点部80の長手方向長さの半分以上の幅を有して突出し、この幅寸法によって固定接点部80と可動接点部70を側方において完全に覆っている。カバー部106におけるコイル20側の端部106aは、可動接点支持板7よりもコイル20側に位置している。したがって、カバー部106は、固定接点部80と可動接点部70の並び方向と幅方向との両方について、固定接点部80と可動接点部70を完全に覆っている。
第2実施形態の車両用警音器1によれば、カバー部106は、固定接点支持板108の一部である。この構成によれば、固定接点支持板108を加工することによってカバー部106を所望の形状に形成することができる。したがって、カバー部106によって接点部を保護できる範囲を、固定接点支持板108の形状を形成することで設定できるとともに、カバー部106を構成する部品点数の低減を図ることができる。
さらにカバー部106は、固定接点支持板108において可動接点支持板7側に延びるように折り曲げられた屈曲部である。この構成によれば、固定接点支持板108を折り曲げ加工またはプレス加工することによってカバー部106を所望の形状に形成でき、製造工数を低減可能なカバー部106を提供できる。
カバー部106におけるコイル20側の端部106aは、可動接点支持板7よりもコイル20側に位置している。この構成によれば、固定接点部80と可動接点部70の並び方向について、固定接点部80および可動接点部70だけでなく可動接点支持板7も完全に覆うことができるカバー部106を、製造工数および部品点数を抑えて製造することができる。
カバー部106は、固定接点部80および可動接点部70を並び方向の長さにわたって覆っている。この構成によれば、固定接点部80および可動接点部70の全体を側方から覆うカバー部106を提供できる。このカバー部106は、両方の接点部を広範囲にわたって異物から保護する遮蔽壁として機能する。
カバー部106は、固定接点部80および可動接点部70に対して、通気孔部111a側に位置している。この構成によれば、通気孔部111aを通じて侵入してきた異物が接点部に向かうときに、カバー部106を遮蔽部として機能させることができる。したがって、ハウジング11の外部から侵入する異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部106を提供できる。
カバー部106は、固定接点部80および可動接点部70に対して、ハウジング11の外周縁部112側に位置している。この構成によれば、外周縁部112側から接点部に向かってくる異物に対して、カバー部106を遮蔽部として機能させることができる。したがって、ハウジング11の外周縁部112側からの異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部106を提供できる。
カバー部106は、第1実施形態で述べたように振動板3とハウジング11との内部で発生し接点部に向かってくる異物に対して、遮蔽部として機能させることができる。したがって、振動板3とハウジング11との内部から発生する異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部106を提供できる。
(第3実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の他の形態である車両用警音器について、図6および図7を参照して説明する。第3実施形態において第1実施形態と同様の構成は、図6、図7において同一の符号を記載し、同様の作用効果を奏するものである。第3実施形態においては、前述の実施形態と相違する内容について説明する。
図6および図7に示すように、第3実施形態の車両用警音器1は、前述の実施形態に対してカバー部206が相違する。カバー部206は、ボビン21の一部であり、ボビン21のフランジ部211から振動板3側に向かって並び方向に突出する壁部である。この構成により、カバー部206を、ボビン21の成形時に同時に製造することができる。
車両用警音器1は、ハウジング11の内部において、固定接点部80と可動接点部70との接触部位を覆っているカバー部206を備えている。カバー部206は、固定接点部80と可動接点部70が並ぶ軸方向に対して交差する方向に固定接点部80および可動接点部70に隣接している。つまり、カバー部206は、固定接点部80と可動接点部70の接触部位のそばに隣り合うように位置して、ハウジング11の外周縁部112側から接触部位に向かう途中において遮蔽壁として機能する。カバー部206は、接触部位に隣接して、接触部位とハウジング11の外周縁部112との間に存在する壁部である。カバー部206は、側方で接触部位を覆う軸方向長さを有している。したがって、カバー部206は、外周縁部112側から接触部位に向かってくる異物の移動を阻止する壁として機能して、この物体が固定接点部80や可動接点部70やこれらの接触部位に付着する現象を抑える効果を奏する。
カバー部206は、図7に示すように、ボビン21における外周縁部112側の端部において、固定接点部80の長手方向長さの半分程度の幅を有して突出し、この幅寸法によって固定接点部80と可動接点部70を側方において完全に覆っている。カバー部206における振動板3側の端部206aは、固定接点部80よりも振動板3側に位置している。したがって、カバー部206は、固定接点部80と可動接点部70の並び方向と幅方向との両方について、固定接点部80と可動接点部70を完全に覆っている。
第3実施形態の車両用警音器1によれば、カバー部206は、コイル20が巻回されているボビン21の一部である。この構成によれば、絶縁材料で形成されているボビン21を成形することによってカバー部206を所望の形状に形成することができる。したがって、カバー部206によって接点部を保護できる範囲を、ボビン21の形状を形成することで設定できるとともに、カバー部206を構成する部品点数の低減を図ることができる。
カバー部206における振動板3側の端部206aは、固定接点部80および可動接点部70の並び方向について固定接点支持板8の位置まで延びている。この構成によれば、固定接点部80と可動接点部70の並び方向について、固定接点部80および可動接点部70だけでなく固定接点支持板8も完全に覆うことができるカバー部206を、製造工数および部品点数を抑えて製造することができる。
カバー部206は、固定接点部80および可動接点部70を並び方向の長さにわたって覆っている。この構成によれば、固定接点部80および可動接点部70の全体を側方から覆うカバー部206を提供できる。このカバー部206は、両方の接点部を広範囲にわたって異物から保護する遮蔽壁として機能する。
カバー部206は、固定接点部80および可動接点部70に対して、通気孔部111a側に位置している。この構成によれば、通気孔部111aを通じて侵入してきた異物が接点部に向かうときに、カバー部206を遮蔽部として機能させることができる。したがって、ハウジング11の外部から侵入する異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部206を提供できる。
カバー部206は、固定接点部80および可動接点部70に対して、ハウジング11の外周縁部112側に位置している。この構成によれば、外周縁部112側から接点部に向かってくる異物に対して、カバー部206を遮蔽部として機能させることができる。したがって、ハウジング11の外周縁部112側からの異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部206を提供できる。
カバー部206は、第1実施形態で述べたように振動板3とハウジング11との内部で発生し接点部に向かってくる異物に対して、遮蔽部として機能させることができる。したがって、振動板3とハウジング11との内部から発生する異物に対して、接点部を効果的に保護できるカバー部206を提供できる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
前述の実施形態における車両用警音器1は、前述する平型ホーンに限定しない。車両用警音器1は、共鳴管を一体に有するトランペット型のホーンにも適用することができる。トランペット型のホーンは、共鳴により、振動板3の振動による警報音を増幅させて車外へ放出する、共鳴管として機能する渦巻ホーンを備える。渦巻ホーンは、振動板3よりも前方に設けられ、渦巻状のラッパ部材、渦巻状の音響管を備えており、トランペット型ホーンとも呼ばれる。このような車両用警音器1の場合、可動鉄心4は通常の印加設定電圧の範囲において固定鉄心22に衝突しない範囲で軸方向に変位するように、可動鉄心4の先端面と固定鉄心の先端面との離間距離が設定されている。
前述の実施形態においては、巻線の端末部と第2リベット91との電気接続について説明したが、電気接続される部位は巻線の端末部に限定するものではない。例えば、巻線の巻回途中から引き出した中間タップとリベットとを導通させる構成としてもよい。
前述の実施形態において、ボビン21は第1被固定部212、第2被固定部213等がリベットによってハウジング11に固定される構成であるが、ボビン21がハウジング11に固定されている箇所はこの個数や場所に限定するものではない。
3…振動板、 4…可動鉄心、 6,106,206…カバー部
7…可動接点支持板、 8,108…固定接点支持板
11…ハウジング、 20…コイル、 22…固定鉄心
70…可動接点部、 80…固定接点部

Claims (12)

  1. ハウジング(11)と、
    前記ハウジングの内部に収容され、通電により磁力を発生するコイル(20)と、
    前記ハウジングの内部に収容され、前記コイルから発生する磁力によって磁気吸引力を発生する固定鉄心(22)と、
    前記ハウジングの内部に収容され、前記固定鉄心から発生する磁気吸引力によって前記固定鉄心に対して軸方向に変位する可動鉄心(4)と、
    前記ハウジングの内部に収容され、固定接点部(80)を有する固定接点支持板(8;108)と、
    前記可動鉄心の変位に伴って振動する振動板(3)と、
    前記ハウジングの内部に収容され、前記コイルへの通電が遮断されると前記固定接点部に接触し、前記コイルへ通電されると前記固定接点部から離れる可動接点部(70)を有する可動接点支持板(7)と、
    前記ハウジングの内部において、前記固定接点部と前記可動接点部が並ぶ並び方向に対して交差する方向に前記固定接点部および前記可動接点部に隣接して、前記固定接点部と前記可動接点部との接触部位を覆っているカバー部(6;106;206)と、
    を備える車両用警音器。
  2. 前記カバー部(6)は、前記固定接点部および前記可動接点部を囲むように設けられている請求項1に記載の車両用警音器。
  3. 前記カバー部は、前記固定接点支持板および前記可動接点支持板のいずれか一方に対して一体に固定されている請求項2に記載の車両用警音器。
  4. 前記カバー部は、前記固定接点支持板および前記可動接点支持板の少なくとも一方に対して一体に固定されており、さらに電気絶縁性を有する材料で構成され前記並び方向に伸縮可能である請求項2に記載の車両用警音器。
  5. 前記カバー部(106)は、前記固定接点支持板(108)の一部である請求項1に記載の車両用警音器。
  6. 前記カバー部は、前記固定接点支持板において前記可動接点支持板側に延びるように折り曲げられた屈曲部である請求項5に記載の車両用警音器。
  7. 前記カバー部における前記コイル側の端部(106a)は、前記可動接点支持板よりも前記コイル側に位置している請求項5または請求項6に記載の車両用警音器。
  8. 前記カバー部(206)は、前記コイルが巻回されているボビン(21)の一部である請求項1に記載の車両用警音器。
  9. 前記カバー部における前記振動板側の端部(206a)は、前記並び方向について前記固定接点支持板の位置まで延びている請求項8に記載の車両用警音器。
  10. 前記カバー部は、前記固定接点部および前記可動接点部を前記並び方向の長さにわたって覆っている請求項1、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の車両用警音器。
  11. 前記ハウジングには、前記ハウジングの内外を連通させる通気孔部(111a)が設けられており、
    前記カバー部は、前記固定接点部および前記可動接点部に対して、前記通気孔部側に位置している請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の車両用警音器。
  12. 前記カバー部は、前記固定接点部および前記可動接点部に対して、前記ハウジングの外周縁部側に位置している請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の車両用警音器。
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