JP6330125B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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本発明は、太陽電池の製造方法に関するものである。
太陽電池の製造に際しては、シリコン基板上に導電性ペーストを塗工し、これを焼成することによって、配線や電極等として機能可能な導電性パターンを形成することが行われている。
従来より、導電性パターンの形成は、高精細な導電性パターンを確実にかつ容易に形成することができることからスクリーン印刷法によって行われている。一般的に、スクリーン印刷法は、所望の導電性パターンが形成されるような開口部を有するスクリーン版を使用して、導電性ペーストをシリコン基板上に塗工することがなされている。
近年、太陽電池の高効率化および高機能化等を図るために、より高精細な導電性パターンを確実に形成することが求められている。これに対応するために、スクリーン版における開口幅(スリット幅)も、ますます狭められる傾向にある。開口幅(スリット幅)が狭いスクリーン版を用いる際は、そのような狭い開口(スリット)を通過できるように、粘度が比較的低い導電性ペーストが採用されることになる。
しかしながら、このような粘度が低い導電性ペーストは、シリコン基板上に塗工された後においても流動ないし変動しやすい(所謂、「ダレ」が発生しやすい)ことから、塗工後に導電性ペーストの線幅が広がったり、シリコン基板上の導電性ペーストの厚さが低下したり、不均一になりやすいという問題が発生することがあった。
その結果、そのような導電性ペーストを焼成して得られる導電性パターンも、同様に、線幅が広がったり、厚さが低下したり不均一なものになりがちであった。
このような場合は、太陽電池パネルにおいて有効に利用できる受光面積を単に低下させるだけでなく、隣接して形成された導電性パターン同士が意図しない部位で短絡したり、電気抵抗の増大や不安定化、断線等を招きやすいので、信頼性が高い高効率な太陽電池を得ることは困難であった。
特開2000−247020号公報 特開2005−231294号公報
本発明は、高精細な導電性パターンが確実に形成された信頼性が高い太陽電池の製造方法を提供するものである。
このような本願発明は、工程(イ)として、シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成する工程が採用されている。従来、インクジェット記録に関連する技術分野においては、印刷対象物上にインク等の受容層を形成する技術が提案されている(特許文献1および特許文献2)。しかしながら、このようなインクジェット記録において採用されたインク受容層は、目的とする画像等の形成対象であって、従ってインクを施した後に除去されることが全く意図されていない点で、本発明における溶媒受容層と明確に区別されるものである。
本発明は、上記課題に解決を与えようとするものである。
したがって、本発明による太陽電池の製造方法(第一の製造方法)は、下記の工程(イ)、(ロ)および(ハ)を含んでなること、を特徴とするものである。
工程(イ):シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成する工程
工程(ロ):導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程
工程(ハ):次いで、前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程
そして、もう一つの本発明による太陽電池の製造方法(第二の製造方法)は、下記の工程(イ)、(ロ)、(ニ)および(ハ)を含んでなること、を特徴とするものである。
工程(イ):シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成する工程
工程(ロ):導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程
工程(ニ):前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を熱処理に付して、前記の溶媒受容層の少なくとも一部を熱分解する工程
工程(ハ):次いで、前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程
このような本発明による本発明による太陽電池の製造方法は、好ましい態様として、前記の溶媒受容層が、前記の導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が50%以上である材料から形成されたもの、を包含する。
このような本発明による本発明による太陽電池の製造方法は、好ましい態様として、前記の溶媒受容層が、前記の工程(ハ)および/または工程(ニ)において熱分解可能な材料によって形成されたもの、を包含する。
このような本発明による本発明による太陽電池の製造方法は、好ましい態様として、前記の溶媒受容層が、熱分解温度が500℃以下である材料によって形成されたもの、を包含する。
このような本発明による本発明による太陽電池の製造方法は、好ましい態様として、前記の導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が60%以上である有機微粒子から形成されたもの、を包含する。
このような本発明による本発明による太陽電池の製造方法は、好ましい態様として、工程(ロ)における導電性ペーストの塗工をスクリーン印刷法によって行うもの、を包含する。
本発明によれば、塗工後の導電性ペーストの流動ないし変動による形態変化(ダレ)が抑制されていることから、従来同様の導電性ペーストを用いたとしても、従来よりも良好なアスペクト比(即ち、基板上に形成されたライン状の導電体の横断面における、[基板と導電体との接触長さ(X)]と[導電体の高さ(Y)]との[数値比率((Y)/(X))])を有する導電性ペーストの焼結物を得ることができる。
そして、本発明によれば、塗工後の導電性ペーストのダレが抑制されていることから、従来よりも粘度が低い導電性ペーストを用いたしても、従来と同等または従来よりも良好なアスペクト比を有する導電性ペーストの焼結物を得ることができる。
そして、本発明によれば、上記のように、塗工後の導電性ペーストのダレが抑制されていることから、従来よりも更に粘度が低い導電性ペーストを用いることができるので、従来よりも開口幅(スリット幅)が狭いスクリーン印刷版であっても、良好なスクリーン印刷を実現することができる。したがって、従来、形成が困難であった細い導電性パターンを形成することが可能になる。
よって、本発明によれば、細くて高精細であり、かつ良好なアスペクト比の導電性パターンを得ることができる。したがって、本発明によれば、太陽電池パネル上の電極および配線等の総面積を低減できるので、従来よりも受光面の面積比率が高い太陽電池特性に優れた太陽電池を製造することができる。
本発明の太陽電池の製造方法における溶媒受容層の好ましい具体例を示す斜視図。 本発明の太陽電池の製造方法における溶媒受容層の好ましい具体例を示す断面図。 本発明の太陽電池の製造方法における溶媒受容層の好ましい具体例を示す断面図。 本発明の概要を示す模式図。
本発明による太陽電池の製造方法(第一の製造方法)は、下記の工程(イ)、(ロ)および(ハ)を含んでなること、を特徴とするものである。
工程(イ):シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成する工程
工程(ロ):導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程
工程(ハ):次いで、前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程
そして、もう一つの本発明による太陽電池の製造方法(第二の製造方法)は、下記の工程(イ)、(ロ)、(ニ)および(ハ)を含んでなること、を特徴とするものである。
工程(イ):シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成する工程
工程(ロ):導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程
工程(ニ):前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を熱処理に付して、前記の溶媒受容層の少なくとも一部を熱分解する工程
工程(ハ):次いで、前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程
ここで、「工程(イ)、(ロ)および(ハ)を含んでなる」および「工程(イ)、(ロ)、(ニ)および(ハ)を含んでなる」とは、挙示の工程のみからなるものの外に、これらの工程と共に、これらの工程以外の他の工程を含んでなるものをも意味する。
<工程(イ)>
工程(イ)は、シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成する工程である。
本発明のシリコン基板としては、好ましくは、例えば、単結晶シリコン基板および多結晶シリコン基板を用いることができる。本発明の好ましいシリコン基板の具体例には、例えばp−n接合面を基板内部に有するシリコン基板、特に好ましくは、太陽電池セルの受光面となる面側にn型シリコン層を有するp型シリコン基板、が包含される。
なお、本発明におけるシリコン基板には、太陽電池の機能ないし性能向上に有利に作用する他の材料ないし構成、例えば反射防止膜、テクスチャ構造等を有するシリコン基板も包含される。
本発明において溶媒受容層とは、工程(ロ)(詳細後記)において塗工される導電性ペーストと接触した際に、塗工された当該導電性ペースト中の溶媒の少なくとも一部を吸収し受容する層をいう。
本発明では、この溶媒受容層を、工程(ロ)において所望の導電性パターンの形成を目的としてシリコン基板に導電性ペーストを塗工する際に、塗工後の導電性ペーストと接触する領域を含むように形成することができる。
従って、この工程(イ)では、シリコン基板の全領域にもれなく溶媒受容層を形成する必要はなく、シリコン基板の導電性ペーストの接触領域を対象に、シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に溶媒受容層を形成することができる。例えば、シリコン基板において、導電性パターンが形成されない側の表面や領域、ならびに導電性パターンが形成されるとしても本発明の溶媒受容層による効果/作用を特に求めないシリコン基板の領域については、溶媒受容層を形成する必要性はない。
本発明における溶媒受容層は、導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が50%以上である材料から形成することが好ましい。
ここで、溶媒受容量とは、樹脂材料の性状に応じ、下記のA法またはB法によって算出したときのものである。
A法:ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムに、溶媒受容量を求める樹脂材料をバーコート法にて100μmの厚みで塗工し、これを室温条件下で乾燥する。乾燥後、樹脂材料からPET製フイルムを剥がして、溶媒受容量測定用の試料を作製する。これについて、重量(乾燥重量)を測定する。これを溶媒の中に全体が浸るようにして5分間浸漬した後に、引き上げ、余剰分をティッシュペーパーで軽く拭き取り、重量(浸漬後重量)を測定する。測定された乾燥重量および浸漬後重量を下記式(1)に導入して、溶媒受容量(重量%)を算出する。
溶媒受容量(%) = ( 浸漬後重量 − 乾燥重量 ) / 乾燥重量 ・・・ 式(1)
B法:樹脂材料が有機状微粒子であって、A法の様にPET製フィルム上に塗工することが困難な樹脂材料である場合には、下記の方法によって溶媒受容量を算出する。(参考:JIS K5101-13-1(第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法)。
測定試料1gを測定板*1の上に置く。溶媒をビュレットから1回に4、5滴ずつ徐々に加える。その都度、パレットナイフ*2で溶媒を試料に練り込む。これを繰り返し、溶媒および試料の塊ができるまで滴下を続ける。以後、1滴ずつ滴下し、完全に混練するようにして繰り返す。ペーストが滑らかな硬さになったところを終点とする。このペーストは、割れたり、ぼろぼろになったりせずに広げることができ、かつ、測定板に軽く付着する程度のものとする。試料が失われないように操作者は最大限の努力を払う。
次の式(2)に従い溶媒受容量を算出する。
溶媒受容量(%)=滴下した溶媒量(g) / 試料の重量(g)×100 ・・・式(2)
*1 測定板・・・・ガラス板または大理石板で、最低300mm×400mmのもの。
*2 パレットナイフ・・・・先が細くなった鋼製の刃が付き、長さが140〜150mm、最大幅20〜30mm、最小幅12.5mm以上のもの。
そして、本発明における溶媒受容層は、工程(ハ)および/または工程(ニ)(詳細後記)において熱分解可能な材料によって形成することが好ましい。このことから、溶媒受容層は、熱分解温度が、好ましくは500℃以下、特に好ましくは400℃以下である、有機材料または無機材料によって形成することができる。
本発明の溶媒受容層は、好ましくは、例えば、セルロース系樹脂およびアクリル系樹脂などによって形成することができる。セルロース系樹脂の好ましい具体例としては、例えばエチルセルロース、ニトロセルロースなどを挙げることができる。また、前記のアクリル系樹脂の好ましい具体例としては、アクリル酸またはメタクリル酸、およびこれらの(メタ)アクリル酸のエステルと各種ビニル化合物との共重合体等を挙げることができる。特に好ましいアクリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリロニトリルなどアクリル化合物と、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレンなどとの共重合体を挙げることができる。これらの重合体は、架橋されていてもよい。また、中空状もしくは多孔質状の粒子が好ましい。このような本発明の溶媒受容層は、例えば、「ES−960MC」(高松油脂社製)、「ウルトラゾール」(アイカ工業社製)等のアクリル系樹脂や、「ガンツパール」(アイカ工業社製)、「SX868(B)(JSR社製)等の有機微粒子を用いて形成することができる。ここで、導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が60%以上である材料であることが好ましい。
本発明では、任意の方法によって、シリコン基板に溶媒受容層を形成することができる。好ましい形成方法としては、上記のような溶媒受容層の形成材料を、そのまま、あるいは適当な溶媒ないし分散楳に溶解ないし分散させた液状物を、例えば、印刷法、スプレー法、カーテンコート法、バーコート法、エアーナイフ法およびこれらの組み合わせた方法等によって、シリコン基板に塗工する方法を挙げることができる。塗工後は、必要に応じて、溶媒受容層の形成に用いられた溶媒または分散楳等を除去することからなる乾燥処理に付すことができる。この乾燥は、室温または加熱条件(但し、溶媒受容層の変質ないし分解温度以下)に放置することによって行うことが好ましい。
本発明における溶媒受容層は、シリコン基板上に密着してシリコン基板上に固着されているものが好ましいが、本発明の目的および効果が達成されるならば、シリコン基板上に固着されている必要はない。例えば、本発明での溶媒受容層は、溶楳を吸収可能な粉体、粒体、その他形状の粒子がシリコン基板上に配置されたもの、溶媒を吸収可能な粒子を含む液状体ないしエマルション、あるいは溶楳を吸収可能な材料からなるゲルないし粘稠体等からなることができる。
図1〜図3は、本発明による太陽電池の製造方法における溶媒受容層の好ましい形成位置の具体例について示すものである。
図1(a)は、本発明の好ましい具体例(第一の具体例)についての斜視図であり、第1(b)は、図1(a)の第一の具体例のA−A断面を示す断面図である。
図2は、本発明の好ましい他の具体例(第二の具体例)についての断面図である。
図3は、本発明の好ましい他の具体例(第三の具体例)についての断面図である。
これらの図1〜図3の具体例は、いずれも、シリコン基板1の片方の表面の一部に、溶媒受容層2が複数形成されたものであって、工程(ロ)において導電性ペーストが塗工された際に、この塗工された導電性ペースト3と接触する部位に、前記の溶媒受容層2が形成されてなるものである。
本発明では、例えば図1(a)および図1(b)に示されるように、溶媒受容層2を、シリコン基板1の片方の表面に連続層として形成し、この溶媒受容層2の上に導電性ペースト3を塗工して、導電性パターンを形成することができる。
なお、溶媒受容層2は、導電性ペーストが塗工される領域の全てにもれなく形成する必要はない。例えば、図1(a)に示されるように、導電性ペースト3’が塗工される領域であっても、溶媒受容層2が形成されていない部分がシリコン基板1に存在することができる。このように、溶媒受容層2に接触することなく導電性ペースト3’が塗工される部分としては、典型的には、太陽電池セルの集電極(所謂、バスバー電極)として利用されることになる導電性部分を挙げることができる。
そして、本発明では、例えば図2および図3に示されるように、溶媒受容層2を、シリコン基板1の片方の表面に断続的に設けることができる。この図2および図3では、溶媒受容層2が、塗工された導電性ペースト3から溶媒を吸収するとともに、この溶媒受容層2の存在が導電性ペーストが横方向に広がるのを抑制する障壁として機能することができる。このような具体例によれば、さらに高精細な導電性パターンをより容易に形成することが出来る。
尚、溶媒受容層が、同一のシリコン基板において複数形成されている場合、これらの複数の溶媒受容層の厚さは同一である必要はなく、異なることができる。また、溶媒受容層が連続している場合、この連続した溶媒受容層の厚さは部分的に異なることができる。
本発明の好ましい他の具体例としては、シリコン基板上に多数の溶媒受容層が点状で配置されたものや、溶媒受容層がメッシュ状で配置されたもの等を挙げることができる。
本発明における溶媒受容層の厚さは、例えば、図1(a)および図1(b)に示されるように、溶媒受容層2がシリコン基板1と導電性ペースト3との間に介在しているものである場合、好ましくは0.01〜5.0μm、特に好ましくは0.1〜2.0μm、更に好ましくは0.1〜1.0μm、である。溶媒受容層の厚さが0.01μm未満の場合には、十分にダレを抑制できない場合であり、一方、5.0μm超過の場合には、電極の断線等の観点から好ましくない。本発明では、例えは、塗工される導電性ペースト中の溶媒量、塗工後の導電性ペーストのダレの程度、導電性ペーストとの接触面積等を勘案して、上記範囲内で適宜最適な厚さを定めることができる。
所望の厚さの溶媒受容層をシリコン基板に安定的に形成させるには、「溶媒受容層を形成する前のシリコン基板の重量」と、「溶媒受容層を形成した後のシリコン基板の重量」と、「シリコン基板に形成された溶媒受容層の面積」と、「溶媒受容層の形成に用いられた塗工液の量」との関係に着目し、所望の厚さの溶媒受容層が形成されるように、形成される溶媒受容層の単位面積あたりの溶媒受容層形成材料の塗工量を制御することによって、容易に行うことができる。形成される溶媒受容層の単位面積あたりの溶媒受容層形成材料の塗工量は、好ましくは0.5〜10μg/mm、特に好ましくは0.8〜2.1μg/mm、である。
<工程(ロ)>
工程(ロ)は、導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程である。
この工程(ロ)では、このように導電性ペーストを溶媒受容層に接するように塗工することにより、当該導電性ペースト中の溶媒の少なくとも一部が溶媒受容層に吸収されるようにする。
導電性ペースト中の溶媒は、溶媒受容層との接触後、通常、直ちに溶媒受容層に吸収されるので、塗工された導電性ペーストは溶媒受容層との接触部付近からその粘度が上昇するとともに、塗工された導電性ペーストの体積が減少することになる。
これに対して、従来技術にように、シリコン基板に溶媒受容層が形成されていない場合には、この溶媒受容層に基づく導電性ペーストの粘度上昇および体積減少がなさない。このような場合、シリコン基板上の導電性ペースト面積の拡大およびシリコン基板上の導電性ペーストの膜厚の低下ないし不均一化(導電性ペーストのダレ)が生じて、細くて高精細であり良好なアスペクト比の導電性パターンを得ることは出来ない。
工程(ロ)で行われる導電性ペーストの塗工は、スクリーン印刷法が好ましい。導電性ペーストとしては、そのようなスクリーン印刷用に適用可能な導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストが好ましい。
導電性金属粒子としては、従来のこの種の導電性ペーストにおいて採用されてきたものを本発明でも用いることができる。好ましい導電性金属粒子としては、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、銀、金、モリブデン、コバルト、亜鉛等からなるものを挙げることができる。この中では、特に銅、アルミニウム、ニッケル、銀が好ましい。上記の導電性金属粒子は、二種以上を併用することが出来る。導電性金属粒子は、球状、フレーク状等のいずれの形状のものを用いることができる。
導電性金属粒子の粒径は、例えばスクリーン印刷性等を考慮して適宜定めることができる。好ましい粒径は、平均粒子径で0.05〜20μm、特に好ましくは0.1〜5.0μm、である。
導電性ペースト中の導電性金属粒子の存在量は、例えばスクリーン印刷性等を考慮して適宜定めることができる。導電性金属粒子の存在量は、導電性ペースト100重量%に対して、好ましくは60〜95重量%、特に好ましくは70〜90重量%、である。
導電性ペーストの溶媒も、従来のこの種の導電性ペーストにおいて採用されてきたものを本発明でも用いることができる。好ましい溶媒としては、例えば、ブチルカルビトールアセテート(BCA)、エチルセロソルブアセテート(ECA)、ブチルカルビトール(BC)、テルピレオールから選ばれる有機溶媒等を挙げることができる。この中では、特にブチルカルビトールアセテート(BCA)、エチルセロソルブアセテート(ECA)、ブチルカルビトール(BC)が好ましい。上記の溶媒は、二種以上を併用することが出来る。
導電性ペースト中の溶媒の存在量は、例えばスクリーン印刷性等を考慮して適宜定めることができる。溶媒の存在量は、導電性金属粒子100重量部に対して、好ましくは0.5〜30重量部、特に好ましくは10〜20重量部、である。
本発明の製造方法に用いる導電性ペーストは、上記の導電性金属粒子および溶媒に外に、必要に応じて、他の成分を含むことができる。そのような成分としては、例えば、ガラスフリット、バインダー成分、金属化合物、その他の成分(例えば安定剤、可塑剤、消泡剤、分散剤、粘度調整剤等)を挙げることができる。
本発明における導電性ペーストの塗工幅は、好ましくは50μm以下、特に好ましくは45μm以下、更に好ましくは40μm以下、である。導電性ペーストの塗工幅が50μm超過の場合には、ペーストの塗工量が多くなり、十分な効果を得ることが困難になるからである。
導電性ペーストの塗工厚さは、例えは、塗工される導電性ペースト中の溶媒量、塗工後の導電性ペーストのダレの程度等を勘案して、適宜最適な厚さを定めることができる。
ここで、導電性ペーストの塗工幅は、導電性ペーストを塗工した後、約150℃で約1分間静置した後において評価したときのものである。
なお、導電性ペーストの塗工部が、同一のシリコン基板において複数存在する場合、これらの導電性ペーストの塗工部の厚さは同一である必要はなく、異なることができる。また、導電性ペーストの塗工部が連続している場合、この連続した導電性ペーストの塗工部厚さは部分的に異なることができる。
<工程(ニ)>
工程(ニ)は、前記の工程(ロ)によって得られた導電性パターンが形成されたシリコン基板を熱処理する工程である。
この熱処理は、溶媒受容層の熱分解がなされるような条件で行うことが好ましい。この熱処理としては、好ましくは200℃以上、600℃以下、特に好ましくは250℃以上、500℃以下の温度に、好ましくは5〜60秒間、特に好ましくは10〜30秒間、保持する熱処理を挙げることができる。なお、具体的な熱処理温度および熱処理時間は、例えば、溶媒受容層を形成している材料の種類や、溶媒受容層の厚さ、導電性ペーストの構成材料や、導電性ペーストの塗工量や溶媒量などとの組み合わせ等を考慮して、上記範囲内で適宜定めることができる。
この工程(ニ)の熱処理では、シリコン基板に存在している溶媒受容層の多くの部分(例えば、シリコン基板上の溶媒受容層の総量の好ましくは70重量%以上、特に90重量%以上、特に好ましくは溶媒受容層の実質的全量)を熱分解することが好ましい。しかし、本発明では、この工程(ニ)の以降に行われる工程(ハ)においても溶媒受容層の熱分解が進むことから、工程(ニ)では必ずしも溶媒受容層の全量を熱分解することまでは求められない。
<工程(ハ)>
工程(ハ)は、前記の工程(ロ)によって得られた導電性ペーストが形成されたシリコン基板あるいは前記の工程(ハ)によって熱処理されたシリコン基板を、焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程である。
工程(ニ)の焼成温度ならびに焼成温度は、例えば導電性ペースト中の導電性微粒子の種類、溶媒の種類等を考慮して、目的とする焼成物が得られるように適宜定めることができる。例えば、銀ペーストを用いた場合の焼成温度は約800℃、銅ペーストを用いた場合の焼成温度は約200〜300℃が適当である。
本発明では、前記の工程(ロ)終了後、この工程(ハ)を開始することができる(第一の製造方法)。
また、本発明では、前記の工程(ニ)終了後、この工程(ハ)を行うことができる(第二の製造方法)。ここで、工程(ハ)は、導電性パターンが形成されたシリコン基板に対する熱処理である点で工程(ニ)と同様であって、通常、工程(ニ)よりも高い温度にまで加熱を行う工程である。このようなことから、工程(ニ)と工程(ハ)とが一連の加熱操作の中で連続して行われるときは、工程(ニ)の終了時点と工程(ハ)の開始時点とを明確に区別することが難しい場合があるが、そのような場合であっても本発明は成立し、所定の効果を得ることができる。また、工程(ハ)の主目的である焼成を実施する際の加熱操作の前段部分において工程(ニ)と同様の熱処理条件が実現される場合、工程(ニ)と工程(ハ)とを明確に区別することが難しいことがあるが、そのような場合であっても本発明は成立し、所定の効果を得ることができる。
本発明では、この工程(ハ)の実施によって、シリコン基板に塗工された導電性ペーストの焼成と、溶媒受容層の熱分解および除去がなされ、シリコン基板と導電性ペーストの焼成物に由来する導電性パターンとが強固に接合された、本発明による太陽電池を得ることができる。
以上のような本発明によれば、塗工後の導電性ペーストのダレが抑制されていることから、従来よりも良好なアスペクト比を有する導電性パターンを得ることができる。すなわち、例えば本発明の概要を模式的に示す図4(a)にあるように、本発明では、シリコン基板1に所定の溶媒受容層2が存在することにより、塗工された導電性ペースト3が塗工後にダレることが抑制されているので、アスペクト比(即ち、[基板と導電体との接触長さ(X)]と[導電体の高さ(Y)]との[数値比率((Y)/(X))])が良好な導電性パターンを、安定的にかつ容易に形成することができる。
したがって、本発明によれば、太陽電池パネル上の電極および配線等の総面積を低減できるので、従来よりも受光面の面積比率が高い太陽電池特性に優れた太陽電池を製造することができる。
一方、シリコン基板1に、所定の溶媒受容層2が存在しない従来法では、塗工された導電性ペースト3の塗工後のダレが大きいことから、本発明のようなアスペクト比が良好な導電性パターンを形成することは出来ない(図4(b))。
裏面電極を有する太陽電池を目的とするときは、必要に応じて、上記のシリコン基板の裏面に、裏面電極形成のために導電性ペーストを塗工し、これを焼成することによって製造することができる。裏面電極形成のための導電性ペーストの塗工は、任意の段階で行うことができるが、工程(ハ)の前までに行うことが好ましい。この工程(ハ)において、シリコン基板の表面に塗工された導電性ペーストの焼成と、シリコン基板の裏面に塗工された導電性ペーストと焼成とを同時に行うことができるからである。また、裏面電極形成用の導電性ペーストを塗工および焼成は、工程(イ)の前に、あるいは工程(ハ)の後に、行うこともできる。
以下、実施例により本発明をより詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に開示された範囲内のみに限定されることはない。
<溶媒受容層形成用の樹脂材料等>
実施例および比較例においては、溶媒受容層等の形成は下記の樹脂材料を用いた。
樹脂材料
・アクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)
・中空粒子(「SX868(B)」、JSR社製)
・有機微粒子(「ガンツパール PM−030EM」、アイカ社製)
・アクリル系樹脂材料(「AC100B3」、大成火薬社製)
・ポリビニルアルコール(「ポバール PVA225」、クラレ社製)
上記の各樹脂材料の溶媒受容量は、表1に示される通りである。
Figure 0006330125
溶媒受容量の測定
用いられた各樹脂材料の溶媒受容量は、表1に示される通りである。
ここで、溶媒受容量とは、樹脂材料の性状に応じ、下記のA法またはB法によって算出したときのものである。
A法:ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルムに、溶媒受容量を求める樹脂材料をバーコート法にて100μmの厚みで塗工し、これを室温条件下で乾燥する。乾燥後、樹脂材料からPET製フイルムを剥がして、溶媒受容量測定用の試料を作製する。これについて、重量(乾燥重量)を測定する。これを溶媒の中に全体が浸るようにして5分間浸漬した後に、引き上げ、余剰分をティッシュペーパーで軽く拭き取り、重量(浸漬後重量)を測定する。測定された乾燥重量および浸漬後重量を下記式(1)に導入して、溶媒受容量(重量%)を算出する。
溶媒受容量(%) = ( 浸漬後重量 − 乾燥重量 ) / 乾燥重量 ・・・ 式(1)
B法:樹脂材料が有機状微粒子であって、A法の様にPET製フィルム上に塗工することが困難な樹脂材料である場合には、下記の方法によって溶媒受容量を算出する(参考:JIS K5101-13-1(第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法))。
測定試料1gを測定板*1の上に置く。溶媒をビュレットから1回に4、5滴ずつ徐々に加える。その都度、パレットナイフ*2で溶媒を試料に練り込む。これを繰り返し、溶媒および試料の塊ができるまで滴下を続ける。以後、1滴ずつ滴下し、完全に混練するようにして繰り返す。ペーストが滑らかな硬さになったところを終点とする。このペーストは、割れたり、ぼろぼろになったりせずに広げることができ、かつ、測定板に軽く付着する程度のものとする。試料が失われないように操作者は最大限の努力を払う。
溶媒受容量は、次の式(2)で算出する。
溶媒受容量(%)=滴下した溶媒量(g) / 試料の重量(g)×100 ・・・式(2)
*1 測定板・・・・ガラス板または大理石板で、最低300mm×400mmのもの。
*2 パレットナイフ・・・・先が細くなった鋼製の刃が付き、長さが140〜150mm、最大幅20〜30mm、最小幅12.5mm以上のもの。
<実施例1>
多結晶シリコンウエハ(縦156mm×156mm×厚さ200μm)の表面に、アクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)を用いて、乾燥重量で塗工量が1μg/mmとなるように塗工した。その後、50℃で5分間乾燥して、厚さ0.4μmの溶媒受容層が形成されたシリコン基板を得た。
この溶媒受容層に対して、導電性ペースト(「XSR3921−599 NT7」、ナミックス社製)にスクリーン印刷法によって塗工して、表面電極を形成した。なお、このときに使用されたスクリーン版は、線経16μmの#500スクリーンメッシュに厚さ15μmの乳剤膜が保持されたものであって、この乳剤膜に、フィンガー電極形成用の開口幅26μmのスリットが形成されているものである。
上記のスクリーン印刷の結果、塗膜幅が28μmである導電性ペーストの塗膜が得られた。この塗膜のアスペクト比((Y')/(X'))は、0.15〜0.4の範囲内であった。
<実施例2>
実施例1のアクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)の代わりに、中空粒子(「SX868(B)」、JSR社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.4μmの溶媒受容層が形成されたシリコン基板を得た。次いで、実施例1と同様の方法によってスクリーン印刷を行った。
その結果、塗膜幅が29μmである導電性ペーストの塗膜が得られた。この塗膜のアスペクト比((Y)/(X))は、0.11〜0.4の範囲内であった。
<実施例3>
実施例1のアクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)の代わりに、多孔質粒子(「ガンツパール PM−030EM」、アイカ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.9μmの溶媒受容層が形成されたシリコン基板を得た。次いで、実施例1と同様の方法によってスクリーン印刷を行った。
その結果、塗膜幅が28μmである導電性ペーストの塗工膜が得られた。この塗膜のアスペクト比((Y)/(X))は、0.13〜0.4の範囲内であった。
<比較例1>
実施例1と同じ多結晶シリコンウエハを用いた。この多結晶シリコンウエハに溶媒受容層を形成することなく、実施例1と同じ導電性ペーストおよびスクリーン版を用いて、スクリーン印刷を行った。
その結果、塗膜幅が35μmである導電性ペーストの塗膜が得られた。この塗膜のアスペクト比((Y)/(X)は、0.05〜0.22の範囲内であった。
<比較例2>
実施例1のアクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)の代わりに、「AC100B3」、大成火薬社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、表面に樹脂膜が形成されたシリコン基板を得た。次いで、実施例1と同様の方法によってスクリーン印刷を行った。
その結果、塗膜幅が34μmである導電性ペーストの塗工膜が得られた。この塗膜のアスペクト比((Y)/(X))は、0.06〜0.26の範囲内であった。
<比較例3>
実施例1のアクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)の代わりに、ポリビニルアルコール(「ポバール PVA225」、クラレ社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、表面に樹脂膜が形成されたシリコン基板を得た。次いで、実施例1と同様の方法によってスクリーン印刷を行った。
その結果、塗膜幅が35μmである導電性ペーストの塗工膜が得られた。この塗膜のアスペクト比((Y)/(X))は、0.05〜0.22の範囲内であった。
<実施例4>
実施例1と同様に、多結晶シリコンウエハ(縦156mm×156mm×厚さ180μm)の片方の表面に、アクリル系樹脂材料(「ES−960MC」、高松油脂社製)を乾燥重量で塗工量が1μg/mmとなるように塗工した。その後、50℃で5分間乾燥して、溶媒受容層が形成されたシリコン基板を得た。
この溶媒受容層に対して、導電性ペースト(「XSR3921−599」、ナミックス社製)をスクリーン印刷法によって塗工して、表面電極を形成した。なお、この際に使用されたスクリーン版は、線経19μmの#400スクリーンメッシュに厚さ15μmの乳剤膜が保持されたものであって、この乳剤膜に、フィンガー電極形成用の開口幅54μmのスリットならびにバスパー電極形成用の開口幅2μmのスリットが形成されているものである。
上記のスクリーン印刷の結果、塗膜幅が60μmであるフィンガー電極用の塗膜ならびに膜幅が2mmであるバスパー電極用の塗膜が得られた。
次いで、シリコン基板に裏面電極をスクリーン印刷法によって形成した。この裏面電極の形成は、シリコン基板の反対面(即ち、フィンガー電極およびバスパー電極が形成されていない面)に、アルミニウム粒子、ガラスフリット、エチルセルロースおよび溶媒を主成分とする導電性ペーストを12mm角で印刷し、150℃で1分間乾燥した。
上記で得られたフィンガー電極、バスパー電極および裏面電極が形成されたシリコン基板を、ハロゲンランプを加熱源とする近紫外線焼結炉(Despatch Industries製)を用いて焼成した。焼成条件は、775〜800℃をピーク温度とし、大気中で焼成炉のイン−アウト30秒で両面同時に焼成した。以上のようにして、太陽電池を製造した。
電気特性の評価
上記で作製した太陽電池について、電流−電圧特性を、ソーラーシュミレータ光(AM1.5、エネルギー密度100mW/cm)の照射下で測定し、測定結果から曲線因子(FF)を算出した。
この実施例4の太陽電池は、FF値が0.787のものであった。このFF値は、太陽電池として良好な数値であると同時に、後述の<比較例4>で作製した太陽電池(即ち、溶媒受容層を形成しないで作製した太陽電池)と同等のFF値のものである。従って、溶媒受容層の形成および熱分解物を経ても、太陽電池特性に何ら悪影響が生じないことが確認された。
<比較例4>
実施例4と同様の多結晶シリコンウエハ上に直接、導電性ペースト(「XSR3921−599」、ナミックス社製)をスクリーン印刷法によって塗工して、表面電極を形成した。なお、この際に使用されたスクリーン版は、線経19μmの#400スクリーンメッシュに厚さ15μmの乳剤膜が保持されたものであって、この乳剤膜に、フィンガー電極形成用の開口幅54μmのスリットならびにバスパー電極形成用の開口幅2mmのスリットが形成されているものである。
上記のスクリーン印刷の結果、実施例4と同様に、塗膜幅が60μmであるフィンガー電極用の塗膜ならびに膜幅が2mmであるバスパー電極用の塗膜が得られた。
実施例4と同じ条件で焼成を行って太陽電池を製造し、そして、同様に電気特性の評価を行った。この比較例4の太陽電池は、FF値が0.785のものであった。
1 シリコン基板
2 溶媒受容層
3、3’ 導電性ペースト

Claims (6)

  1. 下記の工程(イ)、(ロ)および(ハ)を含んでなることを特徴とする、太陽電池の製造方法。
    工程(イ):シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に中空状の粒子材料もしくは多孔質状の粒子材料を用いて溶媒受容層を形成する工程(ここで、この溶媒受容層は、後記の工程(ロ)の導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が50%以上である材料から形成されるものであり、この溶媒受容層の単位面積あたりの溶媒受容層形成材料の塗工量は0.5〜10μg/mmである)
    工程(ロ):導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程
    工程(ハ):次いで、前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程
  2. 下記の工程(イ)、(ロ)、(ニ)および(ハ)を含んでなることを特徴とする、太陽電池の製造方法。
    工程(イ):シリコン基板の少なくとも片方の表面の一部に中空状の粒子材料もしくは多孔質状の粒子材料を用いて溶媒受容層を形成する工程(ここで、この溶媒受容層は、後記の工程(ロ)の導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が50%以上である材料から形成されるものであり、この溶媒受容層の単位面積あたりの溶媒受容層形成材料の塗工量は0.5〜10μg/mmである)
    工程(ロ):導電性金属粒子および溶媒を含む導電性ペーストを、前記の溶媒受容層に接するように塗工して、前記のシリコン基板に導電性パターンを形成する工程
    工程(ニ):前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を熱処理に付して、前記の溶媒受容層の少なくとも一部を熱分解する工程
    工程(ハ):次いで、前記の導電性パターンが形成されたシリコン基板を焼成処理に付して、導電性ペーストを焼成する工程
  3. 前記の溶媒受容層が、前記の工程(ハ)および/または工程(ニ)において熱分解可能な材料によって形成された、請求項1または2に記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記の溶媒受容層が、熱分解温度が500℃以下である材料によって形成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記の溶媒受容層が、前記の導電性ペーストに含有される溶媒(複数の溶媒が含有される場合には、もっとも比率が大きいもの)に対する溶媒受容量が60%以上である有機微粒子から形成されたものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記の工程(ロ)における導電性ペーストの塗工を、スクリーン印刷法によって行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法。
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