JP2009124029A - インクジェットによる電子回路基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性材料を含むインクにより基板上に形成された回路を、基板や回路に熱影響を及ぼすことなく簡便かつ確実に乾燥焼成でき、生産性に優れた電子回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】電子回路基板の製造方法は、導電材料を含むインクでインクジェットにより基板上に回路を描く工程と、該基板が熱変形する温度未満の温度で該回路を形成した基板全体を予備加熱処理する工程と、該形成された回路をフラッシュ光照射により加熱焼成する工程とを含む。
【選択図】なし
【解決手段】電子回路基板の製造方法は、導電材料を含むインクでインクジェットにより基板上に回路を描く工程と、該基板が熱変形する温度未満の温度で該回路を形成した基板全体を予備加熱処理する工程と、該形成された回路をフラッシュ光照射により加熱焼成する工程とを含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、基板上にインクジェットにより回路を形成して電子回路基板を製造する方法に関するものである。
近年、情報端末をはじめとする電子機器の高機能化、小型軽量化が急速に進んでいる。それに伴い、電子機器に搭載される電子回路基板に対しても、さらなる配線ピッチの狭小化、高機能化、小型軽量化が求められている。
従来、絶縁基板上に導電回路を形成する方法として、フォトリソグラフィー法、スクリーン印刷法等が採用されている。しかしながら、フォトリソグラフィー法では薄型で高密度パターンの回路基板を製造することは困難である上、配線パターンを得るまでの工程が複雑で生産コストが高くなってしまう。スクリーン印刷法では、強度保持の問題から、それに用いるメタルマスクの薄膜化に限度があるため、微細で高密度な回路パターンを再現性よく形成することが困難である。
そこで、インクジェット印刷法によって基板上に回路を形成する技術が注目されている。インクジェット印刷法では、従来のフォトリソグラフィー法やスクリーン印刷法に比べてより微細な回路を形成することが可能である。また、必要な部分のみに描画すればよいため材料使用量が圧倒的に少なく、工程も従来法より簡略化でき、エネルギー使用量が大幅に削減できる。
インクジェット印刷法による電子回路基板の形成は、主に次のような手順で行われる。まず、導電性金属微粒子を含むインクを用いて、インクジェット記録方式で基板上に回路を描画する。次いでインク中の溶媒を乾燥し回路の導電性を高めるため、電気炉等により基板全体を加熱焼成処理する。特許文献1には、インクジェット印刷法を利用した回路パターンの形成方法が開示されている。通常、電気炉による加熱焼成は高温を要するので、耐熱性の低い安価な材料を基板として使用すると、基板が熱変形してしまう。ポリイミド樹脂フィルムのような耐熱性の高い材料は高価であり、基板として使用すると生産コストが高くなる。また、加熱焼成処理に要する時間が長く、生産性が低いという問題がある。さらに、高温に晒さずに乾燥焼成するため特殊なインクを使用する方法もあるが、工程が煩雑となり生産コストが高くなってしまう。
一方、電気炉を用いずに焼成する技術として、特許文献2には、フラッシュランプを用いた光照射により導電性液体材料を焼成して導電膜を形成する方法が開示されている。しかし、フラッシュランプによる光照射のみでインク中の溶媒を完全に除去することは難しい。また、フラッシュランプによる光照射を繰り返すと、インク中の溶媒が熱爆発を起こす結果、形成した回路が切れてしまう。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、導電性材料を含むインクにより基板上に形成された回路を、基板や回路に熱影響を及ぼすことなく簡便かつ確実に乾燥焼成でき、生産性に優れた電子回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された電子回路基板の製造方法は、導電材料を含むインクでインクジェットにより基板上に回路を描く工程と、該基板が熱変形する温度未満の温度で該回路を形成した基板全体を予備加熱処理する工程と、該形成された回路をフラッシュ光照射により加熱焼成する工程とを含むことを特徴とする。
同じく請求項2に記載の電子回路基板の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記フラッシュ光照射は、1回の照射時間が0.1〜10ミリ秒であって受光面上における単位面積当たりのエネルギーが少なくとも0.1ジュール/m2であることを特徴とする。
請求項3に記載の電子回路基板の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記フラッシュ光照射が、キセノンフラッシュランプでなされることを特徴とする。
請求項4に記載の電子回路基板の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記導電性材料が、粒径がナノオーダーの銀、金、銅、パラジウム、白金、ニッケル、アルミニウム、カーボンから選ばれる1種以上の金属微粒であることを特徴とする。
請求項5に記載の電子回路基板の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記基板が、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ガラスから選ばれる1種類の材料であることを特徴とする。
請求項6に記載の電子回路基板の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記基板が、シリカ、アルミナ、カオリンから選ばれる1種以上の微粒子を含有する表面コーティング層を有することを特徴とする。
請求項7に記載の電子回路基板の製造方法は、請求項1に記載されたもので、前記基板が、プラズマ処理及び、コロナ放電処理から選ばれる少なくても1種類の表面処理がなされていることを特徴とする。
また前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項8に記載された電子回路基板は、請求項1〜7のいずれかに製造記載の方法によって製造されたことを特徴とする。
本発明の電子回路基板の製造方法によれば、電気炉による予備加熱とフラッシュランプによる瞬間加熱焼成とによって、基板上に形成された回路を必要以上の高温に晒すことなく確実に乾燥焼成できるので、基板が熱変形又は熱変性する恐れがなく、また回路にクラックが入る恐れもない。そのため、高耐熱性の高価な基板を使用する必要がなく、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)のような安価な材料を基板として用いることが可能である。また、安価なインクを使用して、インクジェット印刷法により回路を形成できるので、微細な回路を再現性よく容易に描画でき、優れた導電性を示す電子回路基板を安価に製造することができる。
さらにこの電子回路基板の製造方法は、工程が簡便で回路の乾燥焼成に要する時間も短いため、生産性に優れるものである。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明の電子回路基板の好ましい製造方法の一例は、以下のようなものである。まず、導電性材料である銀微粒子を含むインクを用いて、インクジェト印刷法によりポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)基板の表面に所望の電子回路を描画する。次いでこの回路を描画したPETフィルム全体を、電気炉を用いてPETフィルムが変形しない程度の低温及び加熱時間で予備加熱処理する。予備加熱処理後、フラッシュランプであるキセノンランプを回路描画部分に照射して回路を加熱焼成すると、電子回路基板が得られる。
前記予備加熱処理は、電子回路基板の導電性を向上させることや、加熱焼成時の前記インク中の分散媒による熱爆発現象を防止すること、等を目的として行う処理である。そのため、使用する基板が熱変形してしまうような高温で加熱する必要はない。この予備加熱処理は、ホットプレート、ボックス炉、コンベア炉のような電気炉を単独または、組み合わせで行われる。予備加熱の温度と加熱時間とについては、使用する基板によって適宜選択される。例えば基板がPETフィルムの場合、40〜160℃で0.5〜60分間予備加熱処理が行われると好ましい。
前記フラッシュランプを用いた光照射による加熱焼成は、前記インク中の分散媒を完全に蒸散させて回路を乾燥させると同時に、回路を焼成してその導電性を向上させるために行う工程である。光照射条件は、0.1〜50ジュール/m2、好ましくは0.5〜10.0ジュール/m2、1回の照射時間は、10ミリ秒以下が好ましい。光照射時のフラッシュランプと回路部分との距離1〜30cmであると好ましい。また、光照射回数は1〜50回であるとよい。回路にあたえる熱量が大きすぎると、回路を描画したインク中の分散媒が熱爆発現象を起こす結果、回路にクラックが入ってしまい、電子回路基板として使用できなくなってしまう。
また、基板の素材が透明体である場合、基板に対するフラッシュランプの露光は、電子回路の印刷してある表側からの露光だけではなく、裏側からの露光も有効である。表側からだけの露光、裏側からだけの露光、表側から露光した後裏側からの露光、裏側から露光した後表側からの露光、表側から露光と裏側からの露光の同時露光について試しみたが、インクの密着性向上という面からは、表側から露光した後裏側からの露光が好ましい。
前記フラッシュランプの放電管として、キセノン、ヘリウム、ネオン、アルゴンを用いることが出来るがキセノンを用いることが好ましい。
前記銀微粒子は、粒径が3〜250nmのナノオーダーであると好ましい。また、前記導電性材料としては、銀微粒子以外にも、銀、金、銅,パラジウム、白金、ニッケル、アルミニウム等を使用することができる。これらの導電性材料も、その粒径は前記銀微粒子と同様のナノオーダーであることが好ましい。
前記導電性材料を含むインクは、導電性材料と溶媒とからなる。溶媒は、前記予備加熱処理する工程と前記加熱焼成する工程とにより容易に蒸散できる程度の低い沸点を有するものであるとより好ましい。そのような溶媒として、水,メタノール,エタノール,n−プロパノール,2−プロパノール,t−ブチルアルコール,グリセリン,ジプロピレングリコール,エチレングリコール,ポリエチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,テトラエチレングリコール,ヘキシレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,トリプロピレングリコール,1.2−ブタンジオール,1.3−ブタンジオール,1.4−ブタンジオール,2,3−ブタンジオール,1.5−ペンタンジオール,1.2−ペンタンジオール,1.4−ペンタンジオール,2.4−ペンタンジオール,1.7−ペプタンジオール,1.3−プロパンジオール,1.2−ヘキサンジオール,1.3−ヘキサンジオール,1.6−ヘキサンジオール,2.5−ヘキサンジオール,オクタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,トリエチレングリコールモノブチルエーテル,ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル,トリプロピレングリコールモノメチルエーテル,酢酸エチル,2−ピロリドン,N−メチルピロリドン、ベンゼン,トルエン,ヘキサン,ジエチルエーテル,ケロシン,オクタン,デカン,テトラデカン,テトラデセン,ヘキサデカン,1-ヘキサデシン,オクタデセン,1-オクタデシン,キシレン,クロロ安息香酸,アミルベンゼン,イソプロピルベンゼン,エチルベンゼン,ジペンテン,デカリン,テトラリン,ヘプタン,テルペン系溶剤,アセトン,メチルエチルケトンが挙げられる。
前記導電性材料を含むインクを用いてインクジェット印刷法で描画される回路は、一度の印字で形成されたものであってもよく、複数回重ねて印字した積層回路であってもよい。
前記基板としては、ポリエステルフィルム以外にも、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、のような樹脂フィルム、ガラスのような硬質基板を使用することができる。
前記基板は、描画性をより高めるために、シリカ、アルミナ、カオリンによってその表面がコーティングされていてもよい。この表面コーティングは、10nm〜1μmであると好ましい。
また基板は、プラズマ処理、コロナ放電処理の加工を施すことで、インクジェト印刷法によるインクののりを改良できる。
本発明の製造方法により電子回路基板を製造した例を実施例1〜7に、本発明を適用外の製造方法により電子回路基板を製造した例を比較例1〜7に、それぞれ示す。
(実施例1)インクジェット印刷法による電子回路基板の作製
縦15mm、横25mm、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製)の表面に、導電性インク用受容層コート剤(宇部日東化成社製)を膜厚50nmとなるように塗布して乾燥し、PETフィルムの表面をコーティングした。次いで、インクジェットプリンターのプリントヘッド(ピエゾ構造)のインクカートリッジに、3〜250nmの銀微粒子を含む銀ナノインクを充填し、PETフィルムの前記表面コーティングした面に、インク温度40℃にて、線幅53μm、厚さ0.2μmの電子回路を印刷した。
縦15mm、横25mm、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製)の表面に、導電性インク用受容層コート剤(宇部日東化成社製)を膜厚50nmとなるように塗布して乾燥し、PETフィルムの表面をコーティングした。次いで、インクジェットプリンターのプリントヘッド(ピエゾ構造)のインクカートリッジに、3〜250nmの銀微粒子を含む銀ナノインクを充填し、PETフィルムの前記表面コーティングした面に、インク温度40℃にて、線幅53μm、厚さ0.2μmの電子回路を印刷した。
印刷後、ホットプレート(アズワン社製)を用いて、電子回路を印刷した基板全体を115℃で5分間予備加熱した。次いで、基板の電子回路印刷面から19cm離れたところにキセノンランプ2400WS(COMET社製)を配置し、電子回路印刷部分を照射エネルギー0.94ジュール/m2、照射時間0.4マイクロ秒で1回照射して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。
(実施例2)インクジェット印刷法による電子回路基板の作製
ホットプレートに代えてボックス炉(ISUZU社製)を用いたことと、予備加熱を130℃で15分間行ったこと以外は実施例1と同様にして、電子回路基板を得た。
ホットプレートに代えてボックス炉(ISUZU社製)を用いたことと、予備加熱を130℃で15分間行ったこと以外は実施例1と同様にして、電子回路基板を得た。
(比較例1)インクジェット印刷法による電子回路基板の作製
縦15mm、横25mm、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製)の表面に、導電性インク用受容層コート剤(宇部日東化成社製)を膜厚50nmとなるように塗布して乾燥し、PETフィルムの表面をコーティングした。次いで、インクジェットプリンターのプリントヘッド(ピエゾ構造)のインクカートリッジに、3〜250nmの銀微粒子を含む銀ナノインクを充填し、PETフィルムの前記表面コーティングした面に、インク温度40℃にて、線幅53μm、厚さ0.2μmの電子回路を印刷した。
縦15mm、横25mm、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東レ社製)の表面に、導電性インク用受容層コート剤(宇部日東化成社製)を膜厚50nmとなるように塗布して乾燥し、PETフィルムの表面をコーティングした。次いで、インクジェットプリンターのプリントヘッド(ピエゾ構造)のインクカートリッジに、3〜250nmの銀微粒子を含む銀ナノインクを充填し、PETフィルムの前記表面コーティングした面に、インク温度40℃にて、線幅53μm、厚さ0.2μmの電子回路を印刷した。
印刷後、基板の電子回路印刷面から19cm離れたところにキセノンランプ2400WS(COMET社製)を配置し、電子回路印刷部分を照射エネルギー0.94ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、印刷した回路が未乾燥であった。
(比較例2)インクジェット印刷法による電子回路基板の作製
比較例1と同様にしてPETフィルムの前記表面コーティングした面に電子回路を印刷した。印刷後、基板の電子回路印刷面から19cm離れたところにキセノンランプ2400WS(COMET社製)を配置し、電子回路印刷部分を照射エネルギー0.94ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射した。次いで、基板の電子回路印刷面とキセノンランプとの距離を16cmにして、電子回路印刷部分を照射エネルギー1.33ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、印刷した回路が未乾燥であった。
比較例1と同様にしてPETフィルムの前記表面コーティングした面に電子回路を印刷した。印刷後、基板の電子回路印刷面から19cm離れたところにキセノンランプ2400WS(COMET社製)を配置し、電子回路印刷部分を照射エネルギー0.94ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射した。次いで、基板の電子回路印刷面とキセノンランプとの距離を16cmにして、電子回路印刷部分を照射エネルギー1.33ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、印刷した回路が未乾燥であった。
(比較例3)インクジェット印刷法による電子回路基板の作製
比較例1と同様にしてPETフィルムの前記表面コーティングした面に電子回路を印刷した。印刷後、基板の電子回路印刷面から19cm離れたところにキセノンランプ2400WS(COMET社製)を配置し、電子回路印刷部分を照射エネルギー0.94ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射した。次いで、基板の電子回路印刷面とキセノンランプとの距離を16cmにして、電子回路印刷部分を照射エネルギー1.33ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で3回照射して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、印刷した回路にクラックが入っており、電子回路の抵抗値測定が不可能であった。
比較例1と同様にしてPETフィルムの前記表面コーティングした面に電子回路を印刷した。印刷後、基板の電子回路印刷面から19cm離れたところにキセノンランプ2400WS(COMET社製)を配置し、電子回路印刷部分を照射エネルギー0.94ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で1回照射した。次いで、基板の電子回路印刷面とキセノンランプとの距離を16cmにして、電子回路印刷部分を照射エネルギー1.33ジュール/m2、照射時間0.4μ秒で3回照射して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、印刷した回路にクラックが入っており、電子回路の抵抗値測定が不可能であった。
(比較例4)インクジェット印刷法による電子回路基板の作製
比較例1と同様にしてPETフィルムの前記表面コーティングした面に電子回路を印刷した。印刷後、ボックス炉(ISUZU社製)を用いて、電子回路を印刷した基板全体を250℃で15分間加熱して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、基板であるPETフィルムが波打ってしまい、電子回路基板として使用不可能であった。
比較例1と同様にしてPETフィルムの前記表面コーティングした面に電子回路を印刷した。印刷後、ボックス炉(ISUZU社製)を用いて、電子回路を印刷した基板全体を250℃で15分間加熱して印刷した回路を焼成し、電子回路基板を得た。しかし、基板であるPETフィルムが波打ってしまい、電子回路基板として使用不可能であった。
実施例1、2及び比較例1〜7で得られた電子回路基板の抵抗値を以下のようにして測定した。
(抵抗値測定)
デジタルマルチメーター(三和電気計測社製)を用いて、印刷されたライン端の二点を計測器端子で押さえ、各電子回路基板の抵抗値を測定した。
デジタルマルチメーター(三和電気計測社製)を用いて、印刷されたライン端の二点を計測器端子で押さえ、各電子回路基板の抵抗値を測定した。
測定結果を表1に示す。
本発明の製造方法によって得られる電子回路基板は、導電性に優れ、しかも高い生産性で簡便かつ安価に製造されるため、小型メンブレンスイッチ、シールド材料、ヒーター等に好適に利用することができる。
Claims (8)
- 導電材料を含むインクでインクジェットにより基板上に回路を描く工程と、該基板が熱変形する温度未満の温度で該回路を形成した基板全体を予備加熱処理する工程と、該形成された回路をフラッシュ光照射により加熱焼成する工程とを含むことを特徴とする電子回路基板の製造方法。
- 前記フラッシュ光照射は、1回の照射時間が0.1〜10ミリ秒であって受光面上における単位面積当たりのエネルギーが少なくとも0.1ジュール/m2であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の製造方法。
- 前記フラッシュ光照射が、キセノンフラッシュランプでなされることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の製造方法。
- 前記導電性材料が、粒径がナノオーダーの銀、金、銅、パラジウム、白金、ニッケル、アルミニウム、カーボンから選ばれる1種以上の金属微粒であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の製造方法。
- 前記基板が、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ガラスから選ばれる1種類の材料であることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の製造方法。
- 前記基板が、シリカ、アルミナ、カオリンから選ばれる1種以上の微粒子を含有する表面コーティング層を有することを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の製造方法。
- 前記基板が、プラズマ処理及び、コロナ放電処理から選ばれる少なくても1種類の表面処理がなされていることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の方法によって製造されたことを特徴とする電子回路基板。
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