JP6328807B2 - 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層 - Google Patents

吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層 Download PDF

Info

Publication number
JP6328807B2
JP6328807B2 JP2017008055A JP2017008055A JP6328807B2 JP 6328807 B2 JP6328807 B2 JP 6328807B2 JP 2017008055 A JP2017008055 A JP 2017008055A JP 2017008055 A JP2017008055 A JP 2017008055A JP 6328807 B2 JP6328807 B2 JP 6328807B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorption
layer
base layer
surface layer
porous sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017008055A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017105200A (ja
Inventor
克己 塚本
克己 塚本
橘 俊光
俊光 橘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Publication of JP2017105200A publication Critical patent/JP2017105200A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6328807B2 publication Critical patent/JP6328807B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B5/00Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts
    • B32B5/22Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by the presence of two or more layers which are next to each other and are fibrous, filamentary, formed of particles or foamed
    • B32B5/30Layered products characterised by the non- homogeneity or physical structure, i.e. comprising a fibrous, filamentary, particulate or foam layer; Layered products characterised by having a layer differing constitutionally or physically in different parts characterised by the presence of two or more layers which are next to each other and are fibrous, filamentary, formed of particles or foamed one layer being formed of particles, e.g. chips, granules, powder
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/32Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyolefins
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2250/00Layers arrangement
    • B32B2250/033 layers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2264/00Composition or properties of particles which form a particulate layer or are present as additives
    • B32B2264/02Synthetic macromolecular particles
    • B32B2264/0214Particles made of materials belonging to B32B27/00
    • B32B2264/0257Polyolefin particles, e.g. polyethylene or polypropylene homopolymers or ethylene-propylene copolymers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2305/00Condition, form or state of the layers or laminate
    • B32B2305/02Cellular or porous
    • B32B2305/026Porous
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/70Other properties
    • B32B2307/724Permeability to gases, adsorption
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24355Continuous and nonuniform or irregular surface on layer or component [e.g., roofing, etc.]
    • Y10T428/24372Particulate matter
    • Y10T428/24405Polymer or resin [e.g., natural or synthetic rubber, etc.]

Description

本発明は、吸着ユニットの吸着面に配置されることで吸着対象物と吸着面との直接の接触を防ぐ吸着用多孔質シートに関する。また、本発明は、吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層に関する。
板状またはシート状の部品を固定または搬送する手法の一つに、吸着ユニットの吸着面に当該部品を吸着させて固定または搬送する方法がある。この方法は、ガラス板(例えば液晶表示装置用ガラス基板)、半導体ウェハ、セラミックグリーンシートなどの固定、搬送に応用されている。その際、吸着ユニットと当該ユニットに吸着させる吸着対象物との直接の接触を防ぐ、通気性を有する吸着用多孔質シートが、一般に吸着ユニットの吸着面に配置される。吸着用多孔質シートの配置により、例えば、吸着対象物を構成する材料(一例として、セラミックグリーンシートに含まれるセラミック粉末)による吸着面の傷つき、汚染を防ぐことができる。吸着ユニットにおける吸着面の傷つきおよび汚染は、その後吸着される吸着対象物における不良発生の要因となる。
吸着用多孔質シートは、一般に樹脂シートである。50万以上の粘度平均分子量を有する超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)シートを吸着用多孔質シートに使用することが提案されている(特許文献1)。
特許文献2には、多層の吸着用多孔質シートが開示されている。特許文献2の吸着用多孔質シートは、多孔質層と当該シートの少なくとも一方の面に配置された粒子層とを備え、粒子層の表面粗さ(Ra)が0.5μm以下である。
特開平8-169971号公報 特開2006-026981号公報
本発明は、従来にない構成を有する多層の吸着用多孔質シートの提供を目的とする。
本発明の吸着用多孔質シートは、吸着ユニットの吸着面への配置により吸着対象物と前記吸着面との接触を防ぐ吸着用多孔質シートであって、通気性を有する基層と前記基層上に配置された表面層とを含む。前記表面層は、樹脂微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成される。前記表面層における前記基層側とは反対側の主面の表面粗さ(Ra)が1.0μm以下である。前記基層と前記表面層とが、当該基層と当該表面層との間に配置された通気性粘着剤層によって接合されている。
本発明の吸着用多孔質シートでは、通気性粘着剤層によって基層と表面層とを接合しているため、基層に与えるダメージを抑えながら両層を互いに分離して表面層を交換することができる。交換する表面層(吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層)に着目すると、本発明の吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層は、通気性を有する基層と接合することによって、吸着ユニットの吸着面への配置により吸着対象物と前記吸着面との接触を防ぐ吸着用多孔質シートが形成され、前記形成された吸着用多孔質シートにおける、当該多孔質シートを前記吸着面に配置したときに前記吸着対象物に接する面となる交換用表面層であって、前記表面層は、樹脂微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成され、前記表面層における一方の主面に、当該表面層と前記基層とを接合させる通気性粘着剤層が配置されており、前記表面層における他方の主面の表面粗さ(Ra)が1.0μm以下である。
本発明によれば、従来にない構成を有する多層の吸着用多孔質シートが得られる。
本発明の吸着用多孔質シートの一例を模式的に示す断面図である。
図1に、本発明の吸着用多孔質シートの一例を示す。図1に示す吸着用多孔質シート1は、基層2と、基層2上に配置された表面層3とを含む。基層2と表面層3とは、基層2および表面層3の間に配置された通気性粘着剤層4によって接合されている。基層2は通気性を有し、表面層3は樹脂微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成され、粘着剤層4は通気性を有する。吸着用多孔質シート1を吸着ユニットの吸着面に配置することによって、吸着対象物と当該吸着面との直接の接触を防ぎながら、吸着対象物を吸着ユニットに吸着することができる。このとき、表面層3が吸着対象物と接するように、吸着用多孔質シート1が吸着面に配置される。
表面層3における基層2側とは反対側の主面の表面粗さ(Ra)は、1.0μm以下である。すなわち、吸着用多孔質シート1は、その吸着対象物と接する面において高い表面平滑性を有する。これにより、吸着対象物の吸着時(以下、単に「吸着時」)における吸着対象物の変形および歪みの発生ならびに吸着対象物への吸着用多孔質シートの表面形状の転写が抑制される。この効果は、セラミックグリーンシートなど、吸着対象物の厚さが小さい場合に特に大きくなる。当該主面の表面粗さ(Ra)は、好ましくは0.5μm以下である。
吸着用多孔質シート1では、通気性粘着剤層4が示す接合力(粘着力)により、基層2と表面層3とが接合されている。これにより、例えば、基層2に与えるダメージを抑えながら基層2および表面層3を互いに分離することが可能となり、表面層3を交換可能とすることができる。また、通気性粘着剤層4が有する粘弾性を利用して、吸着用多孔質シート1に強い圧力が加わる吸着時にも、基層2の表面の凹凸が表面層3の上記主面の平滑性に与える影響を低減でき、吸着用多孔質シートとしての高い表面平滑性を維持できる。一方、従来の多層の吸着用多孔質シート、例えば特許文献2の吸着用多孔質シートでは、多孔質層と粒子層とが熱融着(焼結)により接合されており、これらの効果が得られない。従来の多層の吸着用多孔質シートでは、多孔質層および/または粒子層にダメージを与えることなく両層を分離することは困難であり、また、吸着時に多孔質層の表面の凹凸が粒子層表面の平滑性に強い影響を与えやすい。
表面層3が交換可能である点は、吸着対象物の吸着に加熱および/または加圧が伴う場合に特に有利である。例えば、セラミックグリーンシートの吸着では、当該シートを吸着搬送し、積層する際に、積層したシート間の接着強度を確保するために加熱加圧を併用することがある。その際、熱および圧力によって吸着用多孔質シートが変形したり破れたりするダメージを受けやすく、これらのダメージは、セラミックグリーンシートに接する表面付近に集中する傾向がある。従来、表面のみがダメージを受けたとしても吸着用多孔質シート全体を交換する必要があったが、表面層3が交換可能であれば必ずしも吸着用多孔質シート全体を交換する必要がなくなるため、吸着対象物を用いた製品の生産性が向上する。
表面層3は、樹脂微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成され、通気性(当該層の主面に垂直な方向の通気性)を有する。表面層3は、例えば、樹脂微粒子を焼結して形成される。表面層3を構成する樹脂微粒子は、例えば、加熱による溶融によって互いに結着し(焼結され)、多孔体となる微粒子である。具体的な例は、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレンなどの微粒子である。吸着時に加わる圧力に対する耐性(耐衝撃性)に優れること、吸着対象物との離型性に優れること、焼結時に粒子形状を保持しやすく均一で安定した多孔体を得やすいことから、表面層3を構成する樹脂微粒子がUHMWPE微粒子を含むことが好ましく、表面層3を構成する樹脂微粒子がUHMWPE微粒子であることがより好ましい。なお、UHMWPEとは粘度平均分子量が50万以上のポリエチレンである。耐摩耗性に優れる表面層3とするためには、その粘度平均分子量が100万以上であることが好ましい。
表面層3の平均孔径は、吸着時における吸着対象物の変形などを抑制できることから、好ましくは1〜25μmである。表面層3の平均孔径が過度に小さくなると、当該層の通気性が低下して、吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。表面層3の平均孔径が過度に大きくなると、通気性は高くなるものの、吸着対象物に接する主面の表面粗さ(Ra)を1.0μm以下とすることが難しくなる。また、樹脂微粒子間の結着点の密度が低下するために表面層3の強度が低下して、吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。
表面層3は、例えば、樹脂微粒子を溶媒に分散して分散液とし、当該分散液を表面が平滑なキャリアフィルム上に塗工して塗布膜を形成した後、当該塗布膜の加熱により溶媒の揮発と樹脂微粒子の焼結とを行って形成できる。より具体的に、表面層3は、例えば特開2010-247446号公報に記載の方法によって形成できる。なお、特開2010-247446号公報に記載の方法は、UHMWPE微粒子以外の樹脂微粒子を用いた表面層3の形成への応用が可能である。
表面層3の形成に使用する樹脂微粒子の平均粒径は、好ましくは10〜200μmであり、より好ましくは20〜100μmである。樹脂微粒子の平均粒径が過度に小さくなると、形成した表面層3の平均孔径が過度に小さくなって十分な通気性が確保できなくなる。樹脂微粒子の平均粒径が過度に大きくなると、形成した表面層3の平均孔径が過度に大きくなって、表面層3における吸着対象物に接する主面の表面粗さ(Ra)を1.0μm以下とすることが難しくなる。また、表面層3の強度が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。
表面層3の厚さは、好ましくは20〜500μmである。表面層3の厚さが過度に小さくなると、当該層の強度が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。表面層3の厚さが過度に大きくなると、当該層の通気性が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。また、単独で十分な強度を持つようになるため、敢えて多層の吸着用多孔質シートとするメリットが少なくなる。
基層2の構成は、通気性(当該層の主面に垂直な方向の通気性)を有し、吸着用多孔質シート1として使用可能な柔軟性が確保される限り、限定されない。基層2は、例えば、樹脂微粒子を焼結して形成される多孔体である。この場合、基層2を構成する樹脂微粒子は、例えば、加熱による溶融によって互いに結着し(焼結され)、多孔体となる微粒子である。具体的な例は、ポリエチレン、UHMWPE、ポリプロピレンなどの微粒子である。吸着時に加わる圧力に対する耐性(耐衝撃性)に優れること、焼結時に粒子径状を保持しやすく均一で安定した基層を得やすいことから、UHMWPE微粒子が好ましい。この場合、基層2はUHMWPEにより構成される。基層2はUHMWPEを含むことが好ましく、UHMWPEにより構成されることがより好ましい。
基層2が多孔体により構成される場合、基層2の平均孔径は、吸着時の通気抵抗が低くなることから10〜50μmが好ましい。基層2の平均孔径が過度に小さくなると、当該層の通気性が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。基層2の平均孔径が過度に大きくなると、通気性は高くなるものの、基層2の強度が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。
基層2は、例えば、樹脂微粒子を金型に充填して加熱処理し、得られた多孔体ブロックを旋盤などにより切削加工して形成できる。必要に応じて、切削加工した後、歪みをとるための熱処理を実施できる。金型の形状は特に限定されない。予め、得たい基層2の厚さに対応した深さを有する金型を準備することにより、切削加工を省略してもよい。
基層2の形成に使用する樹脂微粒子の平均粒径は、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは20〜250μmである。樹脂微粒子の平均粒径が過度に小さくなると、形成した基層2の平均孔径が過度に小さくなって十分な通気性が確保できなくなる。樹脂微粒子の平均粒径が過度に大きくなると、形成した基層2の平均孔径が過度に大きくなって当該層の強度が低下し、吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。
基層2の厚さは、好ましくは80〜5000μmである。基層2の厚さが過度に小さくなると、当該層の強度が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。基層2の厚さが過度に大きくなると、当該層の通気性が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなる。また、吸着時に基層の側面へのリーク量が増すことで、吸着対象物の吸着が難しくなる。
吸着用多孔質シート1では、基層2および表面層3の平均孔径および厚さが異なることが好ましい。すなわち、吸着用多孔質シート1は、異なる平均孔径および厚さを有する2種類の層(基層2、表面層3)を通気性粘着剤層4によって接合した構成を有することが好ましい。
吸着用多孔質シート1では、表面層3の厚さが基層2の厚さよりも小さいことが好ましい。この場合、表面層3を交換する際に、基層2と表面層3との分離が容易となる。また、基層2の厚さが相対的に厚くなることにより、基層2の長寿命化を図ることができる。
吸着用多孔質シート1では、基層2が多孔体により構成され、基層2の平均孔径よりも表面層3の平均孔径の方が小さいことが好ましい。この場合、吸着用多孔質シート1における通気性と表面平滑性との良好なバランスが実現する。また、表面層3の交換にあたって基層2と表面層3とを分離したときに基層2側に残留する粘着剤の割合を低減できる。基層2の長寿命化を図るためには、表面層3を分離したときに基層2側に残留する粘着剤の割合を低くすることが好ましい。具体的には、基層2と表面層3とが接合した吸着用多孔質シート1の状態における粘着剤の量を100重量%として、基層2と表面層3とを分離した後に、表面層3側に残留する粘着剤の割合が60重量%以上(基層2側に残留する粘着剤の割合が40重量%以下)となることが好ましい。
通気性粘着剤層4は、通気性(主面に垂直な方向の通気性)を有する、粘着剤により構成される層である。吸着用多孔質シート1では、通気性粘着剤層4によって基層2と表面層3とが接合されている。これにより、接着剤あるいは熱融着(焼結)によって両層が結合されている場合とは異なり、表面層3が交換可能である。
通常、粘着剤自体は通気性を有さないため、通気性粘着剤層4では、基層2および表面層3の主面に垂直な方向から見て全面に粘着剤が配置されているのではなく、吸着用多孔質シート1の通気性を確保できる程度に部分的に存在しない状態で配置されていることが好ましい。少なくとも粘着剤が存在しない箇所によって、吸着用多孔質シート1の通気性が確保される。通気性粘着剤層4では、例えば、基層2および表面層3の主面に垂直な方向から見てストライプ状、ドット状あるいは繊維状に粘着剤が配置されている。このような通気性粘着剤層4は、例えば、粘着剤を吹き付けることにより形成できる。このとき、基層2または表面層3に直接粘着剤を吹き付けるよりも、一度離型フィルム上に吹き付けた後、離型フィルム上に形成された通気性粘着剤層4を基層2または表面層3に転写することが好ましい。直接吹き付けた場合、粘着剤が基層2または表面層3の細孔に浸透して、当該層の表面に配置される粘着剤の量の制御が難しくなる。また、粘着剤が吹き付けられた層が目詰まりし、通気性が低下することがある。
通気性粘着剤層4における粘着剤の配置の状態および量は、吸着用多孔質シート1を用いた吸着時に基層2と表面層3とが剥離しないように調整することが好ましい。また、表面層3の交換を考慮すると、吸着時には基層2と表面層3とが剥離しないが、交換時には基層2にダメージをできるだけ与えることなく両層の分離が可能となるように調整することが好ましい。
通気性粘着剤層4における粘着剤の量は、例えば、1.5〜15g/m2であり、5〜10g/m2が好ましい。粘着剤の吹きつけにより通気性粘着剤層4を形成する場合、その粘着剤の塗布量が、通常、通気性粘着剤層4における粘着剤の量となる。当該塗布量は、例えば、3〜15g/m2であり、5〜10g/m2が好ましい。
通気性粘着剤層4による基層2と表面層3との間の接合力が、JIS Z0237に規定されている「180°引き剥がし粘着力の測定方法」に準拠して測定した値にして0.5N/25mm以上であることが好ましい。この場合、吸着時における基層2と表面層3との剥離が抑制される。当該接合力の上限は特に限定されないが、表面層3の交換を考慮すると、両層を分離する際の基層2のダメージを抑制できることから、5.0N/25mm以下が好ましい。当該接合力は、0.5N/25mm以上5.0N/25mm以下が好ましく、0.5N/25mm以上3.0N/25mm以下がより好ましく、0.6N/25mm以上3.0N/25mm以下がさらに好ましい。
通気性粘着剤層4を構成する粘着剤の種類は特に限定されない。例えば、アクリル系;シリコーン系;ウレタン系;エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVA)系;ポリオレフィン系;ハードセグメントがポリスチレンからなるとともにソフトセグメントがポリブタジエン、水添(水素添加)ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添イソプレン、ポリブチレン、水添ポリブチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレンから選ばれるいずれか単一もしくは複合した鎖からなるスチレン系ブロックポリマー;合成ゴム系;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、不飽和ポリエステルなどのポリエステル系;ポリアミド系(例えばダイマー酸系ポリアミド);フェノール系の各種の粘着剤およびこれらを主成分とする混合系粘着剤を使用できる。より好ましくは、上述の成分からなるホットメルト剤および上述の成分を主成分とする混合系ホットメルト剤を使用できる。
吸着用多孔質シート1は、基層2、表面層3、および通気性粘着剤層4または通気性粘着剤層4となる粘着剤を用いて、任意の方法により形成できる。例えば、基層2(または表面層3)の表面に粘着剤を吹き付けて通気性粘着剤層4を形成し、表面層3(または基層2)を押しつけて両層を接合してもよい。上述したように、離型フィルム上に粘着剤を吹き付けて通気性粘着剤層4を別途形成することが好ましいが、この場合、形成した通気性粘着剤層4は表面層3側に最初に貼り合わせ、その後、離型フィルムを剥離して、さらに基層2を貼り合わせることが好ましい。この手順で吸着用多孔質シート1を形成した場合、通気性粘着剤層4に表面層3を先に貼り合わせるため、後に貼り合わせる基層2よりも表面層3の方に通気性粘着剤層4がより粘着する。このため、表面層3を交換する場合に、基層2と表面層3との分離後に基層2側に残留する粘着剤の割合を低減できる。この効果は、基層2の平均孔径よりも表面層3の平均孔径の方が小さい場合に、粘着剤に対するアンカー効果が表面層3側に発現しやすくなるために、より顕著となる。表面層3の交換後にも繰り返し使用される基層2側への粘着剤の残留の割合を低減することにより、基層2の通気性が低下して吸着用多孔質シートとしての使用が難しくなったり、基層2の表面に残留した粘着剤の凹凸により、新しい表面層3を貼り付けたときに表面層3の表面平滑性が低下したりすることが抑制される。
本発明の吸着用多孔質シートの構成は、基層2と表面層3とを含み、基層2と表面層3とが基層2および表面層3の間に配置された通気性粘着剤層4によって接合されている限り限定されない。本発明の吸着用多孔質シートは、基層2、表面層3および通気性粘着剤層4以外の任意の層を有していてもよい。例えば、基層2における表面層3側の面とは反対側の面に、当該任意の層が配置される。
本発明の交換用表面層は、例えば、図1に示す表面層3および通気性粘着剤層4により構成される。流通性を考慮すると、通気性粘着剤層4に接するようにセパレータフィルムがさらに配置されていることが好ましい。交換用表面層の使用時、すなわち、吸着用多孔質シートにおける表面層3の交換時には、セパレータフィルムを剥離して通気性粘着剤層4を露出させた後、古い表面層3を除去した基層2に、基層2と通気性粘着剤層4とが接するように貼り合わせればよい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
最初に、本実施例において作製した吸着用多孔質シートの評価方法を示す。シート状物品などの吸着対象物の固定、搬送に使用される吸着用多孔質シートでは、吸着による吸着対象物への影響の有無が評価の対象となる。本実施例ではこの点と、通気性粘着剤層による基層/表面層間の接合力(粘着力)および基層から表面層を引き剥がした際に、通気性粘着剤層に由来する粘着剤が表面層にどの程度残留するかを評価した。
[表面層の表面粗さ(Ra)]
表面層の表面粗さ(Ra:算術平均粗さ)は、JIS B0601:2001の規定に準拠して求めた。具体的には、触針式表面粗さ計(東京精密製、サーフコム550A)を用い、触針半径が250μmR、測定速度(X軸)が0.3mm/秒、測定長が8mmの条件にて求めた。なお、5回の測定の平均値をRaとした。
[吸着による吸着対象物への影響]
作製した吸着用多孔質シートを100mm×100mmのサイズに裁断した後、裁断した当該シートを、当該シートの基層と吸着ユニットの吸着面とが接するように当該吸着面に配置した。次に、当該シートの表面層上に厚さ12μmのアルミ箔を乗せた後、吸着ユニットに接続した真空ポンプを作動させることにより、吸着用多孔質シートを介してアルミ箔を吸着ユニットに吸着させた。ここで、吸着時におけるアルミ箔の表面の状態を目視により観察して、吸着による吸着対象物への影響の有無を評価した。
[基層と表面層との接合力(粘着力)]
作製した吸着用多孔質シートにおける基層と表面層との接合力は、JIS Z0237に規定されている「180°引き剥がし粘着力の測定方法」に準拠して求めた。
[基層から表面層を引き剥がした際における表面層への粘着剤の残留割合]
JIS Z0237の「180°引き剥がし粘着力の測定方法」に規定されている引き剥がし方法に基づいて、作製した吸着用多孔質シートから表面層を引き剥がし、引き剥がした後の基層および表面層の重量を測定した。次に、各層をトルエンに一晩浸漬させて、各層に残留している粘着剤を除去した。次に、各層をトルエンから引き上げてよく乾燥させた後、それぞれの重量を測定し、最初に測定した重量との差から、基層と表面層とを引き剥がした際に表面層側に残留した粘着剤の割合を求めた。
[平均孔径]
吸着用多孔質シートの作製に用いた基層および表面層の平均孔径は、水銀ポロシメーター(マイクロメリティックス製、オートポアIV9510)を用い、水銀圧入圧力が約4kPa〜400MPa、測定モードが昇圧過程、測定セル容積が約5cm3の条件にて、その細孔分布を測定することにより求めた。
次に、吸着用多孔質シートの作製に用いた基層、表面層および通気性粘着剤層の作製方法を示す。
[表面層の作製方法A]
粘度平均分子量450万の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)粉末と、水、分散剤(TritonX−100、Roche Applied Science製)および増粘剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム)とを混合し、当該粉末の分散液を得た。このときの各材料の混合比(体積比)は、水/UHMWPE粉末/分散剤/増粘剤=100/60/5/2とした。次に、得られた分散液を、表面粗さ(Ra)が0.1μm未満のポリイミドフィルム上にドクターブレードを用いて塗布し、当該分散液の塗布膜を形成した。次に、ポリイミドフィルムおよび形成した塗布膜を含む全体を180℃にセットした乾燥機に投入し、10分間静置して塗布膜を焼結させた。その後、塗布膜の焼結により形成された、ポリイミドフィルムとUHMWPE焼結多孔体膜との積層体を乾燥機から取り出して自然冷却させた後、ポリイミドフィルムを焼結多孔体膜から剥離した。次に、得られた焼結多孔体膜を蒸留水中で超音波洗浄することにより、分散剤である界面活性剤を当該膜から十分に除去して、UHMWPE微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成された表面層を得た。
[表面層の作製方法B]
粘度平均分子量900万のUHMWPE粉末を外径500mm、高さ600mmの円筒形の金型に充填し、これを金属製の耐圧容器に収容して当該容器内を圧力1000Paまで減圧した。次に、耐圧容器内に加熱水蒸気を導入し、当該容器内の圧力を6気圧に保持したまま165℃で6時間加熱した後、徐冷して、円筒状のUHMWPE焼結多孔体を得た。次に、得られた焼結多孔体を旋盤を用いて切削加工し、シートとした。次に、得られたシートに対してその歪みを除去する加熱処理(熱プレス機を用いた熱プレス:プレス温度130℃、荷重3.0kgf/cm2、プレス保持時間1時間)を行い、UHMWPE微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成された表面層を得た。
[基層の作製方法A]
表面層の作製方法Bに従って、円筒状のUHMWPE焼結多孔体を得た。次に、得られた焼結多孔体を旋盤を用いて切削加工し、シートとした。次に、得られたシートに対してその歪みを除去する加熱処理(熱プレス機を用いた熱プレス:プレス温度130℃、荷重3.0kgf/cm2、プレス保持時間1時間)を行い、UHMWPE微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成された基層を得た。
[基層の作製方法B]
粘度平均分子量500万のUHMWPE粉末を100mm(縦)×100mm(横)×1.8mm(深さ)の直方体状の空間を内部に有する金型に充填し、当該金型の開放面に金属板を固定して金型内部を密閉状態とした。金型の内面および金属板における金型の内部に面する面には、予め離型処理を施した。次に、金型の内部を密閉状態としたまま、温度160℃および圧力0.49MPaで加熱、加圧し、5分間その状態を保持した。その後、室温まで徐冷して、UHMWPE微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成された基層を得た。
[通気性粘着剤層の作製方法A]
離型フィルムであるポリエステルフィルム(日東電工製、RT−75G)の表面に、180℃に加熱したホットメルト接着剤(ヤスハラケミカル製、ヒロダイン5132)を0.49MPaの圧力で網目状に均一に吹き付けて、通気性粘着剤層を作製した。
(実施例1)
平均粒径35μmのUHMWPE粉末を使用し、表面層の作製方法Aに従うことによって、厚さ200μmの表面層を作製した。なお、表面層を作製する際の塗布膜の厚さは400μmとした。
これとは別に、平均粒径150μmのUHMWPE粉末を使用し、基層の作製方法Aに従うことによって、厚さ1.8mmの基層を作製した。切削加工の厚さは1.8mmに設定した。
次に、通気性粘着剤層の作製方法Aに従って、通気性粘着剤層を作製した。このとき、ホットメルト接着剤の離型フィルムへの塗布量は10g/m2とした。続いて、作製した通気性粘着剤層に、上記作製した表面層を圧力0.1MPaで貼り合わせた。次に、通気性粘着剤層から離型フィルムを剥離した後、当該離型フィルムを剥離した後の通気性粘着剤層に、上記作製した基層を貼り合わせて、吸着用多孔質シートを得た。
(実施例2)
平均粒径75μmのUHMWPE粉末を表面層の作製に使用した以外は実施例1と同様にして、吸着用多孔質シートを得た。
(実施例3)
ホットメルト接着剤の離型フィルムへの塗布量を5g/m2として通気性粘着剤層を作製した以外は実施例1と同様にして、吸着用多孔質シートを得た。
(実施例4)
平均粒径75μmのUHMWPE粉末を使用し、基層の作製方法Bに従うことによって厚さ1.8mmの基層を作製した以外は実施例1と同様にして、吸着用多孔質シートを得た。
(実施例5)
ホットメルト接着剤の離型フィルムへの塗布量を50g/m2として通気性粘着剤層を作製した以外は実施例1と同様にして、吸着用多孔質シートを得た。
(実施例6)
ホットメルト接着剤の離型フィルムへの塗布量を30g/m2として通気性粘着剤層を作製した以外は実施例1と同様にして、吸着用多孔質シートを得た。
(比較例1)
平均粒径120μmのUHMWPE粉末を使用し、表面層の作製方法Bに従うことによって、厚さ200μmの表面層を作製した。表面層を作製する際の切削加工の厚さは200μmに設定した。
これとは別に、平均粒径75μmのUHMWPE粉末を使用し、基層の作製方法Bに従うことによって、厚さ1.8mmの基層を作製した。
次に、通気性粘着剤層の作製方法Aに従って、通気性粘着剤層を作製した。このとき、ホットメルト接着剤の離型フィルムへの塗布量は2.5g/m2とした。続いて、作製した通気性粘着剤層に、上記作製した表面層を圧力0.1MPaで貼り合わせた。次に、通気性粘着剤層から離型フィルムを剥離した後、当該離型フィルムを剥離した後の通気性粘着剤層に、上記作製した基層を貼り合わせて、吸着用多孔質シートを得た。
(比較例2)
平均粒径35μmのUHMWPE粉末をグリセリンおよび界面活性剤と混合し、当該粉末の分散液を調製した。分散液の固形分は、40体積%とした。次に、作製した分散液を、コロナ処理を表面に施したポリイミドフィルム(カプトン100H)上にアプリケータを用いて塗布した。塗布により形成された塗布膜(溶媒を含む)の厚さは100μmとした。
次に、実施例1と同様に作製した基層を、形成した塗布膜上に、当該塗布膜の形成直後に配置した。続いて、基層における塗布膜とは反対側の面に、ポリイミドフィルムを配置した。このようにして得たポリイミドフィルム/塗布膜/基層/ポリイミドフィルムの積層体を、150℃に保持した乾燥機に収容し、30分間静置した。その後、乾燥機から積層体を取り出して、室温まで自然冷却した。次に、積層体の双方の面からポリイミドフィルムを剥がし、剥がした後の積層体をエチルアルコールに浸漬して、積層体に残留するUHMWPE粉末の分散媒を抽出した。このとき、分散媒の効率よい抽出のために、超音波による振動をエチルアルコールおよび積層体に与えた。その後、室温でエチルアルコールを揮発させ、吸着多孔質シートを得た。
実施例1〜6および比較例1,2で作製した吸着用多孔質シートの評価結果を、作製した各層の平均孔径の値を含めて以下の表1,2にまとめる。なお、表2の「吸着対象物への影響」の欄における「良(○)」および「不可(×)」は、「良」が吸着対象物であるアルミ箔に歪みが見られないことを、「不可」が吸着対象物であるアルミ箔に歪みが確認されたことを、それぞれ意味する。
Figure 0006328807
Figure 0006328807
表2に示すように、表面層における吸着対象物と接する主面の表面粗さ(Ra)が1.0μm以下(実施例2の値に基づけば0.9μm以下)の実施例1〜6および比較例2では、吸着対象物であるアルミ箔への歪みの発生が見られず、良好な吸着が実施できた。これに対して、表面層における吸着対象物と接する主面の表面粗さ(Ra)が1.4μmである比較例1では、吸着対象物であるアルミ箔に歪みが発生した。
また、基層と表面層との間の接合力(層間接合力)が0.5N/25mm以上(実施例3の値に基づけば0.6N/25mm以上)である実施例1〜6では、アルミ箔の吸着によっても、基層と表面層との間に剥がれや浮きといった接合不良が見られず、両層は良好な接合状態を保っていた。これに対して、層間接合力が0.3N/25mmである比較例1では、アルミ箔の吸着によって基層と表面層との間に若干の浮きが発生したことが確認され、吸着対象物の吸着時に両層の十分な接合状態が維持できなかった。
基層の平均孔径に比べて表面層の平均孔径が小さい実施例1〜6では、基層からの表面層の引き剥がしによって表面層の側に粘着剤が残留しやすいことが確認された。これに対して、基層の平均孔径に比べて表面層の平均孔径が大きい比較例1では、基層からの表面層の引き剥がしによって基層の側に粘着剤が残留しやすいことが確認された。
次に、吸着対象物への影響が良であった実施例1〜6および比較例2について、表面層を引き剥がした後の基層に対して引き剥がした表面層と同じ種類の表面層を貼り合わせることにより、再度、吸着用多孔質シートを作製した。作製した吸着用多孔質シートに対して上述したアルミ箔の吸着試験を実施したところ、いずれの吸着用多孔質シートも、歪みが発生することなくアルミ箔を吸着できた。また、アルミ箔の吸着によっても、基層と表面層との間に剥がれや浮きといった接合不良が見られなかった。ただし、実施例5では、表面層の交換は問題なく行えるものの、基層から表面層を剥離する過程において表面層がやや伸びる現象が見られた。このため、表面層を交換可能な層間接合力としては上限付近にあると考えられる。一方、加熱処理によって表面層を基層上に設けた比較例2では、表面層と基層とが融着しており、基層からの表面層の剥離および表面層の交換ができなかった。
本発明の吸着用多孔質シートは、従来の吸着用多孔質シートと同様の用途、例えば、ガラス板(例えば画像表示装置に使用するガラス基板)、半導体ウェハ、セラミックグリーンシートなどの板状またはシート状の物品の吸着固定、吸着搬送に使用できる。
1 吸着用多孔質シート
2 基層
3 表面層
4 通気性粘着剤層

Claims (5)

  1. 吸着ユニットの吸着面への配置により吸着対象物と前記吸着面との接触を防ぐ吸着用多孔質シートであって、
    通気性を有する基層と、前記基層上に配置された表面層と、を含み、
    前記表面層は、樹脂微粒子が互いに結着してなる多孔体により構成され、
    前記表面層における前記基層側とは反対側の主面の表面粗さ(Ra)が1.0μm以下であり、
    前記基層と前記表面層とが、当該基層と当該表面層との間に配置された通気性粘着剤層によって接合されており、
    前記通気性粘着剤層を構成する粘着剤について、前記基層と前記表面層とを分離したときに前記表面層側に残留する前記粘着剤の割合が60重量%以上である吸着用多孔質シート。
  2. 前記樹脂微粒子が超高分子量ポリエチレン微粒子である請求項1に記載の吸着用多孔質シート。
  3. 前記基層が超高分子量ポリエチレンにより構成される請求項1または2に記載の吸着用多孔質シート。
  4. 前記基層が多孔体により構成され、
    前記基層の平均孔径よりも前記表面層の平均孔径の方が小さい請求項1〜3のいずれかに記載の吸着用多孔質シート。
  5. 前記基層の厚さよりも前記表面層の厚さの方が小さい請求項1〜4のいずれかに記載の吸着用多孔質シート。
JP2017008055A 2012-02-17 2017-01-20 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層 Active JP6328807B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012032412 2012-02-17
JP2012032412 2012-02-17

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013028004A Division JP6082266B2 (ja) 2012-02-17 2013-02-15 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017105200A JP2017105200A (ja) 2017-06-15
JP6328807B2 true JP6328807B2 (ja) 2018-05-23

Family

ID=48983926

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013028004A Active JP6082266B2 (ja) 2012-02-17 2013-02-15 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層
JP2017008055A Active JP6328807B2 (ja) 2012-02-17 2017-01-20 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013028004A Active JP6082266B2 (ja) 2012-02-17 2013-02-15 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20150030810A1 (ja)
JP (2) JP6082266B2 (ja)
KR (1) KR102029519B1 (ja)
CN (1) CN104114358B (ja)
TW (1) TWI566945B (ja)
WO (1) WO2013121796A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6459145B2 (ja) * 2014-05-22 2019-01-30 Agc株式会社 積層体の剥離装置及び剥離方法並びに電子デバイスの製造方法
JP6968751B2 (ja) * 2018-05-31 2021-11-17 日東電工株式会社 ワーク保護用シート
WO2020194635A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 シャープ株式会社 検査装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63261249A (ja) * 1987-04-18 1988-10-27 Dainippon Screen Mfg Co Ltd シ−ト状物の真空吸着装置
JP3205870B2 (ja) * 1990-08-15 2001-09-04 リギオ 脇 感光材料、用紙等の吸着保持法
US5342469A (en) * 1993-01-08 1994-08-30 Poly-Bond, Inc. Method of making a composite with discontinuous adhesive structure
JP3502959B2 (ja) 1994-12-19 2004-03-02 日東電工株式会社 吸着固定に用いる多孔質シートおよび該多孔質シートを用いる吸着固定方法
JPH08258198A (ja) * 1995-03-22 1996-10-08 Nitto Denko Corp 吸着固定用多孔質シート
JP2001028390A (ja) * 1999-07-13 2001-01-30 Nitto Denko Corp 吸着固定搬送用シート
JP4730864B2 (ja) * 2000-06-13 2011-07-20 旭化成ケミカルズ株式会社 吸引に用いるシート及びそれを用いた装置
JP4761608B2 (ja) * 2000-06-14 2011-08-31 旭化成ケミカルズ株式会社 吸引用多孔質体の製造方法
JP2002173250A (ja) * 2000-12-07 2002-06-21 Nitto Denko Corp 吸着搬送方法および吸着加工方法
JP2003340666A (ja) * 2002-05-27 2003-12-02 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 吸着テーブルとこれを用いた処理装置
JP4285651B2 (ja) * 2004-07-13 2009-06-24 日東電工株式会社 吸着固定用シートおよびその製造方法
JP4979980B2 (ja) * 2006-05-22 2012-07-18 中興化成工業株式会社 吸着固定用緩衝シート
JP5020563B2 (ja) * 2006-08-02 2012-09-05 日東電工株式会社 吸着フィルムの製造方法、および離型フィルム付き吸着フィルムの製造方法
TWI439351B (zh) * 2008-09-29 2014-06-01 Nitto Denko Corp Adsorption tablets
US9879160B2 (en) * 2009-10-29 2018-01-30 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Pressure-sensitive hot melt adhesive compositions

Also Published As

Publication number Publication date
TW201343405A (zh) 2013-11-01
CN104114358B (zh) 2016-10-12
WO2013121796A1 (ja) 2013-08-22
KR102029519B1 (ko) 2019-10-07
TWI566945B (zh) 2017-01-21
JP6082266B2 (ja) 2017-02-15
JP2013189012A (ja) 2013-09-26
US20150030810A1 (en) 2015-01-29
CN104114358A (zh) 2014-10-22
KR20140133573A (ko) 2014-11-19
JP2017105200A (ja) 2017-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101117397B (zh) 吸附膜及其制造方法和带离型膜的吸附膜及其制造方法
JP6328807B2 (ja) 吸着用多孔質シートおよび吸着用多孔質シートに用いる交換用表面層
JP4285651B2 (ja) 吸着固定用シートおよびその製造方法
JP5126680B2 (ja) 細胞シート搬送治具
JP4883763B2 (ja) 多孔質シートの製造方法及びその製造方法により得られる多孔質シート
KR20170126899A (ko) 임시 결합된 웨이퍼용 캐리어
CN108291290B (zh) 金属与碳纤维的复合材料的制造方法
JP2005235973A (ja) 吸着固定用シート及びその製造方法
JP2001028390A (ja) 吸着固定搬送用シート
KR20200054240A (ko) 흡착 고정용 시트
JP5597671B2 (ja) 吸着フィルムおよび離型フィルム付き吸着フィルム
JP5297823B2 (ja) 吸着固定用シートおよびその製造方法
JP2023095878A (ja) 吸着固定用シート
JP2004331341A (ja) ガラス保護用スペーサシート
TW201710402A (zh) 親水性超高分子量塑膠多孔質片及其製造方法
TWI603428B (zh) 用於處置結構化基板的安裝裝置
JP2011183478A (ja) 吸着装置
JP2004314233A (ja) 吸着冶具
JP3547187B2 (ja) プラスチック製フィルターエレメント
TW202012188A (zh) 工件保護用片材

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180403

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6328807

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250