JP4730864B2 - 吸引に用いるシート及びそれを用いた装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸引に用いるシート及び該シートを用いた吸引装置に関する。更に詳しくは、易塑性変形物などの物品を吸引して固定して加工を施したり、或いは搬送したりする時に用いられる吸引用シート、及び該シートを用いた吸引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガラス、紙、プラスチック等の板状物や、箱状物の搬送には吸引力を利用した手法が用いられている。最も古くから行われているのは、ゴム等の素材をカップ状に賦形し、その端面を対象物に密着させて、カップの内部を負圧にすることによって対象物を固定し、搬送する機構である。この方法は、比較的剛性があり、吸引による力で塑性変形を起こさない物については適用出来るものの、吸引による力で塑性変形を起こす物では吸引した時に対象物自体の変形が起こり、吸引できなかったり、対象物の商品価値を落とす等の問題があって使用できなかった。
【0003】
それを解決するために、吸引部の対象物に当たる面に、金属やプラスチック製の多孔性の物を設置し、該多孔体を平面、或いは曲面等の対象物に悪影響を及ぼさない形状にして、その面に対象物を密着させて吸引する方法も種々なされている。しかるに、これらの方法では、多孔体の表面粗度が粗すぎるために、特に吸引の力で塑性変形を起こすような素材では、素材に多孔体の表面の転写が生じたり、それによる素材の変形が生ずるため、塑性変形し易い素材には使用することが出来なかった。
【0004】
この点の解決策として、特開平9−174694号公報には「得られた多孔質シートを転写用基材の平滑面と接触させて、そのシート面に熱転写する方法」で多孔質体の表面粗度を改良する方法が開示されている。しかし、この方法によってもまだ多孔質体の表面粗度が粗いために、特に高精度が要求される分野においては、満足される物は得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の様な状況に鑑みてなされたのであり、吸引により固定乃至は移動する手段として使用する多孔質体を、粘度法による分子量60万以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重量部とメルトフローレートが0.01〜1g/10分であるポリエチレン粉末(B)10〜70重量部の混合物とで構成された多孔質体からなり、該多孔質体の少なくとも片面の表面粗さを算術平均粗さ(Ra)で1μm以下、通気抵抗を300〜1000mmAq、曲げ弾性率が500〜5000kg/cm2にすることにより、高精度の要求される、塑性変形し易い、あるいは薄葉状の素材であっても適用できる吸引用シートを提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、上記課題を解決するに至った。即ち、本発明は、1.易塑性変形物を吸引により固定乃至は移動する手段として使用する、粘度法による分子量60万以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重量部とメルトフローレートが0.01〜1g/10分であるポリエチレン粉末(B)10〜70重量部の混合物とで構成された多孔質体からなり、少なくとも片面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1μm以下であり、通気抵抗が300〜1000mmAq、曲げ弾性率が500〜5000kg/cm2であることを特徴とする吸引に用いるシート、
【0007】
2.多孔質体は、親水化されていることを特徴とする上記1記載の吸引に用いるシート、
【0008】
3.易塑性変形物を吸引により固定乃至は移動する手段として使用する、粘度法による分子量60万以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重量部とメルトフローレートが0.01〜1g/10分であるポリエチレン粉末(B)10〜70重量部の混合物とで構成された多孔質体からなり、少なくとも片面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1μm以下であり、通気抵抗が300〜1000mmAq、曲げ弾性率が500〜5000kg/cm2のポリエチレン製多孔質体を用いることを特徴とする吸引用装置、である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下詳細に説明する。
本発明に於ける物品の一つである、易塑性変形物とは、吸引により固定乃至は搬送する際の吸引力で表面乃至は全体が容易に塑性変形をおこしてしまうような物質を言い、例えば焼く前のパンやクラッカー・パイなどの生地、豆腐類、軟質のプラスチック等のフィルム類、焼成前の粘土やセラミックなどが挙げられる。これらの物質は、薄葉状であっても良いし、立方体や直方体乃至は無定型の物であっても良い。
【0010】
一般に、多孔質体とは、金属、セラミック、プラスチック等の粉末を加圧または無加圧下で加熱を行い、内部に連続した気孔を残した状態で粉末の表層付近を融着させて得られる多孔質体や、金属やセラミックの粉末とプラスチック粉末や木粉等を混合して焼成し、焼成過程または焼成後の過程でプラスチック粉末や木粉を燃焼等の手段で除去し、それらの除去後に生ずる気孔を利用する多孔質体や、プラスチック等熱可塑性の素材と無機塩等可溶性の素材とを溶融混合させた後に適当な抽剤を用いて可溶性素材を抽出し、その抜け跡の気孔を利用する多孔質体などが含まれる。これらの種々の方法によって多孔質体は得られるが、工程が簡便なこと、各工程の条件を制御し易いこと等から、焼結成形が好適に用いられる。
【0011】
本発明の多孔質体は、多孔質体の成形範囲で種々の形状、例えばシートなどの板状、円筒状、円柱状、角柱状、直方体、立方体、その他異形品等の形状にすることが可能である。また、表面或いは内部に、布、織物、編み物、不織布、孔あきフィルム、微多孔膜、金網等、本発明の多孔性を阻害しないものとの複合化も可能である。また、熱安定剤、耐候剤、界面活性剤、帯電防止剤、脱臭剤、吸臭剤、防かび剤、抗菌剤、香料、フィラー等を必要に応じて添加しても良い。これら添加剤を加える際には流動パラフィン等の展着剤を用いることも出来る。
【0012】
本発明の多孔質体は、粘度法による分子量60万以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重量部とメルトフローレートが0.01〜1g/10分であるポリエチレン粉末(B)10〜70重量部の混合物とで構成される。超高分子量ポリエチレン粉末(A)は、一般のポリエチレン粉末を電子線照射や有機過酸化物等により架橋させてても得られるし、チーグラー・ナッタ触媒等を用いて懸濁重合等の重合方法によっても得られる。
【0013】
超高分子量ポリエチレンの粉末は、重合で直接得られた物を使用しても良いし、粉末以外の形状の物を機械粉砕等公知の粉砕手段を用いて粉末化しても良い。更には、良溶媒に溶解させた物に貧溶媒を加えて析出させ、粉末化した物でも良い。
超高分子量ポリエチレン粉末(A)の分子量は、粘度法による測定で60万以上、好ましくは100万以上、更に好ましくは200万以上が好適に適用できる。分子量が60万未満では、焼結成形時の熱による流動が起こり易く、好ましくない。
【0014】
本発明に用いる超高分子量ポリエチレン粉末(A)の最大粒度は、400μm以下、好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下が好適に適用できる。最大粒度が400μmを超すと、出来上がった製品の表面粗度が大きくなり好ましくない。最大粒径は、JIS Z8801に記載のふるいを使用して通過させた時に、用いたふるいの目開きを最大粒径とした。また、該超高分子量ポリエチレンの平均粒度は50〜200μm、好ましくは80〜150μmが好適に適用できる。平均粒度が200μmを超すと出来上がった製品の表面粗度が粗くなり、好ましくない。また、平均粒度が50μm未満では、取扱時に飛散等の問題で取扱性が悪くなると共に、出来上がった製品の表面粗度は良くなるが通気抵抗が大きくなり、好ましくない。尚、上記平均粒径は、JIS・Z8801のふるいを使用し、ふるい分け試験通則JIS・Z8815に従ってふるい分けし、算術目盛りによって積算ふるいした百分率を図で表し、積算量50%の粒子径をいう。
【0015】
超高分子量ポリエチレン粉末(A)は、30〜90重量部の範囲で用いられる。超高分子量ポリエチレン粉末(A)の比率が30重量部を下回ると、出来あがった製品の表面粗度と通気抵抗のバランスを取るための成形可能な範囲が狭くなり、好ましくない。また、超高分子量ポリエチレン粉末(A)の比率が90重量部を超えると、出来上がった製品の剛性が低くなると共に、融着強度が小さくなるために製品の切断などの際に切断面から粉の落下が多くなる。
【0016】
本発明のもう一方の構成要素であるポリエチレン粉末(B)は、メルトフローレートが0.01〜30g/10分、好ましくは0.03〜1g/10分の物が好適に適用できる。メルトフローレートが0.01g/10分未満では、出来上がった製品の剛性が低くなると共に、融着強度が小さくなるために製品の切断などの際に切断面から粉の落下が多くなる。また、メルトフローレートが30g/10分を超えると、焼結成形時に流動が起き易くなり、その結果として通気抵抗が大きくなるので好ましくない。尚、メルトフローレートは、JIS K6760-1995によって求める。
【0017】
本発明のポリエチレン粉末(B)は、重合で直接得られた物を用いても良いし、粉末以外の形状にした物を機械粉砕等の公知の粉砕手段を用いて粉末化した物でも良い。更には、良溶媒に溶解し、貧溶媒を加えて析出させ、粉末化した物でも良い。
【0018】
ポリエチレン粉末(B)の最大粒度は、400μm以下、好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下が好適に適用できる。最大粒度が400μmを超すと、出来上がった製品の表面粗度が大きくなり好ましくない。最大粒径は、JIS Z8801に記載のふるいを使用して通過させた時に、用いたふるいの目開きを最大粒径とした。また、該ポリエチレン粉末の平均粒度は50〜200μm、好ましくは80〜150μmが好適に適用できる。平均粒度が200μmを超すと出来上がった製品の表面粗度が粗くなり、好ましくない。また、平均粒度が50μm未満では、取扱時に飛散等の問題で取扱性が悪くなると共に、出来上がった製品の表面粗度は良くなるが通気抵抗が大きくなり、好ましくない。尚、上記平均粒径は、JIS・Z8801のふるいを使用し、ふるい分け試験通則JIS・Z8815に従ってふるい分けし、算術目盛りによって積算ふるいした百分率を図で表し、積算量50%の粒子径をいう。
【0019】
また、ポリエチレン粉末(B)の密度は0.85〜0.97g/ccが好ましく、更に好ましくは0.92〜0.96g/ccである。密度が0.85g/cc以下では、ポリエチレンそのものの剛性が低いために、これを用いて多孔質体を得たとしても、この多孔質体自身が吸引時に変形を起こし易いので好ましくない。吸引する対象物の性質と吸引する力に応じてこの範囲のポリエチレンを選択することが出来る。尚、ポリエチレンの密度はJIS K6760-1995に記載の方法で求める。
【0020】
これらの超高分子量ポリエチレン粉末(A)及び/またはポリエチレン粉末(B)は、親水基を持ったモノマーとの共重合、親水基を持ったモノマーのグラフト、界面活性剤の添加等、公知の手段を用いて親水化されていても良い。尚、親水化は、粉末の状態で親水化された物を多孔質体に成形して親水性多孔質体を得ても良いし、予め多孔質体に成形した物を公知の方法で親水化しても良い。本発明に於ける親水化とは、成形品の上に約50マイクロリットルの水滴を滴下し、30秒以内に成形品内部に吸収される状態を言う。
【0021】
この様な条件下で成形された多孔質体は、少なくとも片面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で、1μm以下であることが必要である。多孔質体の算術平均粗さ(Ra)が1μmを超えると、吸引する対象物に対して多孔質体の転写が起こり、その結果吸引する対象物の表面が粗くなり、好ましくない。多孔質体の算術平均粗さ(Ra)は、 以下の方法で測定される。即ち、先端のRが0.5mmである接触子を用いて、測定長さを10mm、試料の送り速度を0.3mm/secで測定した表面粗度から、JIS B0601-1994に従って算術平均粗さを求める。1枚の試験片で3個所測定し、その平均値を取った。
【0022】
本発明の多孔質体は、その通気抵抗が300〜1000mmAqの範囲にあることが必要である。通気抵抗が300mmAq未満では、物品を吸引した時に物品で覆われていない多孔質体の部分からの空気の通過量が多くなり、その結果として吸引力が低下する恐れがある。通気抵抗が1000mmAqを超えると、吸引させる装置(真空ポンプなど)の負荷が大きくなるばかりなく、物品の吸引力も低下するので好ましくない。なお、通気抵抗は、21mmφのカップを多孔質体に密着させ、1kg/cm2の圧縮空気を60リットル/分の流量で流した時に生じる圧力損失を測定した。1枚の検体でほぼ均等に6点測定し、その平均値を通気抵抗とした。
【0023】
本発明の多孔質体は、その曲げ弾性率が500〜5000kg/cm2の範囲にあることが必要である。好ましくは800〜3000kg/cm2の範囲である。曲げ弾性率が500kg/cm2に満たないと吸引した時に、多孔質体自身の変形が起こり、それが被吸引物に転写される恐れがあるので好ましくない。また、曲げ弾性率が5000kg/cm2を上回ると、吸引装置や被吸引物に対する密着性が悪くなり、好ましくない。尚、曲げ弾性率は、支点間距離30mm、曲げ速度5mm/minで測定した。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0024】
【実施例1】
粘度法によって測定した分子量が330万であり平均粒径が150μmの超高分子量ポリエチレン粉末(商品名:サンファインUH、旭化成工業株式会社製)70重量部と、JIS K7210(条件;荷重2.16kg、温度190℃)によって測定したメルトフローレイトが0.05g/10分、密度が0.958g/cc、平均粒径が150μmの高密度ポリエチレン粉末(商品名;サンファインSH、旭化成工業株式会社製)30重量部とを混合し、目開き355μmのふるいで分級し、通過したものを原料とした。該ポリエチレン混合粉末をアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温度が175℃になるまで加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの多孔質焼結シートを得た。得られたシートの表面粗度は算術平均粗さ(Ra)で0.9μm、通気抵抗は600mmAq、曲げ弾性率は1,510kg/cm2であった。
【0025】
該シートを真空掃除機の吸い口に当て、その上に石膏を水に懸濁させた物を乗せて10秒間吸引した。その状態で静置して石膏を硬化させた後、石膏を剥離し、石膏の該シートに接していた面の表面粗度を測定したところ、算術平均粗さ(Ra)で5.8μmであった。尚、石膏の表面粗度は、先端のRが0.5mmである接触子を用いて、測定長さを5mm、試料の送り速度を0.3mm/secで行い、3点の平均値を用いた。
【0026】
【比較例1】
JIS K7210(条件;荷重2.16kg、温度190℃)によって測定したメルトフローレイトが0.05g/10分、密度が0.958g/cc、平均粒径が150μm の高密度ポリエチレン粉末(商品名;サンファインSH、旭化成工業株式会社製)を目開き180μmのふるいで分級し、通過したものを原料とした。該粉末をアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温度が158℃になるまで加熱し、室温まで冷却して多孔質焼結シートを得た。得られたシートの表面粗度は0.5μmと良好であったが、通気抵抗は1200mmAq、曲げ弾性率は6070kg/cm2であった。
【0027】
【実施例2】
実施例1で使用した超高分子量ポリエチレン粉末70重量部と高密度ポリエチレン粉末30重量部とを混合し、該混合粉末100重量部にポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.3重量部とを高速ミキサーにて100℃に加温しつつ混合し、親水性粉体を得た。該粉末を、目開き180μmの篩でふるい分けし、その通過品をアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温度が203℃になるまで加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの親水性多孔質焼結シートを得た。得られたシートは、表面に水滴を約50マイクロリットル滴下すると約10秒で全量シートの中に吸収された。該シートの表面粗度は算術平均粗さ(Ra)で1.0μm、通気抵抗は900mmAq、曲げ弾性率は1730kg/cm2であった。
該シートを実施例1と同様の操作を行って、石膏の該シートに接していた面の表面粗度を測定したところ、算術平均粗さ(Ra)で4.5μmであった。
【0028】
【比較例2】
実施例2で用いた原料をそのまま用い、実施例2と同様に成形し、表面粗度が2.0μmのシートを得た。該シートを実施例2と同様の操作を行って、石膏の該シートに接していた面の表面粗度を測定したところ、算術平均粗さ(Ra)で9.3μmであった。
【0029】
【実施例3】
実施例1で使用した超高分子量ポリエチレン粉末30重量部と高密度ポリエチレン粉末70重量部とを混合し、該混合粉末100重量部にポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート0.3重量部とを高速ミキサーにて100℃に加温しつつ混合し、親水性粉体を得た。該粉末を、目開き180μmの篩でふるい分けし、その通過品をアルミニウム製の金型に充填し、金型の表面温度が205℃になるまで加熱した後、室温まで冷却し、厚み約2mmの親水性多孔質焼結シートを得た。得られたシートは、表面に水滴を約50マイクロリットル滴下すると約10秒で全量シートの中に吸収された。該シートの表面粗度は1.0μm、通気抵抗は895mmAq、、曲げ弾性率は3,290kg/cm2であった。
該シートを実施例1と同様の操作を行って、石膏の該シートに接していた面の表面粗度を測定したところ、算術平均粗さ(Ra)で7.5μmであった。
【0030】
【発明の効果】
本発明の多孔質体は、表面粗度を小さく、通気抵抗を及び剛性を適切な範囲に設計しているので、被吸引物が吸引し易く、且つ被吸引物が塑性変形し易い物質であってもそれを損なうことなく吸引できる。
Claims (3)
- 易塑性変形物を吸引により固定乃至は移動する手段として使用する、粘度法による分子量60万以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重量部とメルトフローレートが0.01〜1g/10分であるポリエチレン粉末(B)10〜70重量部の混合物とで構成された多孔質体からなり、少なくとも片面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1μm以下であり、通気抵抗が300〜1000mmAq、曲げ弾性率が500〜5000kg/cm2であることを特徴とする吸引に用いるシート。
- 多孔質体は、親水化されていることを特徴とする請求項1記載の吸引に用いるシート。
- 易塑性変形物を吸引により固定乃至は移動する手段として使用する、粘度法による分子量60万以上の超高分子量ポリエチレン粉末(A)30〜90重量部とメルトフローレートが0.01〜1g/10分であるポリエチレン粉末(B)10〜70重量部の混合物とで構成された多孔質体からなり、少なくとも片面の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)で1μm以下であり、通気抵抗が300〜1000mmAq、曲げ弾性率が500〜5000kg/cm2のポリエチレン製多孔質体を用いることを特徴とする吸引用装置。
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