JP6327657B1 - ソレノイド型電磁ハンマー及びその制御方法 - Google Patents

ソレノイド型電磁ハンマー及びその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】打音検査装置(ハンマーヘッド部)の下向き又は上向き状態の別を判別してハンマーヘッド部の向きに影響されることなく常に適正な状態で打音検査をすると共に、電磁ソレノイド装置内へ埃が侵入することを防止する。【解決手段】コイルを巻回した電磁コイル6と、電磁コイル6を収容する筒状の電磁路ヨーク5とから成る電磁ソレノイド部2と、一端にハンマーヘッド部14を、他端にハンマーヘッド部14を引き戻す弾性部材13を具備した、磁性を有する可動プランジャー部3と、電磁ソレノイド部2に接続される有底筒状の部材であり、可動プランジャー部3の位置を確認する位置計測窓22を設けた調整部4と、を備えた装置である。【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物などに生じたひび割れ、空洞、劣化などについて、主に機械式の打撃ハンマー装置による打音検査をする際に用いるソレノイド型電磁ハンマー及びその制御方法に関する。
コンクリート構造物等の内部の剥離、空洞やクラック等の有無、それらの大小について点検する際に、非破壊検査方法の一種である打音検査法が用いられている。この打音検査法は、点検員がハンマーを手で持ち、コンクリート構造物等の表面に打撃し、その打音を聴いて空洞の有無や剥離のおそれを判断する検査方法である。この点検員による打音検査法は、熟練者の経験的な感覚で打音の音質の相違からコンクリート構造物等内部の異常の有無を判断する方法である。
打音検査法は、コンクリート構造物等の点検する領域が広範囲に及ぶときは点検作業時間が長くなりやすかった。そこで、機械式の打撃ハンマー装置を用いる打音検査装置が利用されるようになった。この打音検査装置は、コンクリート構造物等の表面に機械式の打撃ハンマーを連続して打撃し、その構造物等の表面に励起されるコンクリート構造物の振動を振動センサで検出する検査装置である。
この打音検査装置は、従来の点検員による打音検査法に比較して構造物等に与える打撃力を均一にできるという特徴がある。また打撃ハンマーを移動させながら構造物等の表面を打撃することで、検査効率の向上が図れ、広範囲な点検に適している。
打音検査装置は、打撃ハンマーの往復動作によりハンマーヘッドが構造物等の表面に衝突することで打音が発生する。打音は打撃ハンマーのヘッドが構造物等の表面に衝突する度に発生するが、コンクリート内部が正常な箇所と異常な箇所では、コンクリートの振動によって発生した音波の伝播特性が異なり、打音波形に相違が見られる。従来の点検員による打音検査法と比較した場合、打撃力の与える方法が異なるため、打音検査装置で得られる打音特性は、従来の点検員による打音検査方法の場合とは異なる。
打音検査装置は、点検対象が大規模な野外構造物に対して利用されている。主に、打音検査装置は構造物等の点検の際にスクリーニングとして利用されている。打音検査装置で広範囲に点検し、発見された異常個所(変状部)については、その後、点検員による打音検査法又は他の検査装置、検査方法により詳細に点検するようになっている。
打音検査装置における打撃ハンマー装置は、電磁ソレノイド装置により可動させることが多く、ソレノイド型電磁ハンマーと称される。このようなソレノイド型電磁ハンマーは、移動式又は自走式の打音検査装置などに搭載して使用される。
従来の電磁ソレノイド装置は、例えば筒状のヨーク内に、コイルを巻回したボビンが設けられ、このボビンの内側に可動プランジャー(可動鉄心)が可動自在に挿通されている。可動プランジャーの先端部に打撃ハンマーが取り付けられている。更に、この可動プランジャーを付勢するスプリングを備えた装置である。コイルに通電すると電磁力により可動プランジャーが吸引されて可動するようになる。
可動プランジャーを往復動させる電磁ソレノイド装置に関する技術として、例えば特許文献1の特開2009−295711公報「電磁ソレノイド装置」のように、コイルを巻回した筒状のボビンと、一端面部と前記一端面部の両側から略直角方向に延出して形成された外側面部を一体的に有し、内部に前記ボビンを収容するヨークと、前記ヨークの前記一端面部と対向する側に設けられて透孔部を形成したプレート部材と、前記ヨークの前記一端面部に一体成形により膨出状に形成されて前記ボビンの中空部に同軸的に対向する突状のコアステータと、前記プレート部材の前記透孔部から前記ボビンの前記中空部を介して軸方向に往復移動可能に挿通されて前記コイルへの通電時に生じる電磁力により前記コアステータに吸引される可動プランジャーとを備えた電磁ソレノイド装置が提案されている。
特開2009−295711公報
打音検査装置は、コンクリート構造物等の表面に連続して打撃する打撃ハンマーと、その構造物等の表面に励起されるコンクリート構造物の振動を検出する振動センサとを備えた装置である。打音検査装置は、この振動センサからの検出信号を加工することにより非破壊検査ができる点検方法である。
この打音検査装置による検査は、打撃ハンマーを常に下向き状態で検査する場合だけではない。コンクリートの天井面について点検するときは打撃ハンマーを上向き状態で用いる。このときスプリングで支持されている打撃ハンマーは、その自重により位置が異なるため、電磁コイルの電力を一定状態にしたままで打撃点検すると、打撃ハンマーの下向き状態と上向き状態とでは計測誤差が生じやすいという問題を有していた。
また、従来の電磁ソレノイド装置は可動プランジャーが前後動する構成であるため、内部に埃等を吸い込みやすい。この電磁ソレノイド装置の内部に侵入した埃は可動プランジャー又は打音検査装置の故障の原因になりやすいという問題を有していた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、打音検査装置(打撃ハンマー)の下向き又は上向き状態の別を判別して打撃ハンマーの向きに影響されることなく常に適正な状態で打音検査をすると共に、電磁ソレノイド装置内へ埃が侵入することを防止することができるソレノイド型電磁ハンマー及びその制御方法を提供することにある。
本発明のソレノイド型電磁ハンマーは、コンクリート構造物について打音検査をする際に用いるソレノイド型電磁ハンマー(1)であって、
コイルを巻回した電磁コイル(6)と、該電磁コイル(6)を収容する筒状体の電磁路ヨーク(5)とから成る電磁ソレノイド部(2)と、
磁性を有する円筒形プランジャー(12)内に、一端にハンマーヘッド部(14)を有する弾性部材(13)が、該円筒形プランジャー(12)の他端開口(12a)から、該弾性部材(13)を固定する固定部を突出させるように、内挿された可動プランジャー部(3)と、
前記電磁ソレノイド部(2)に接続される有底筒状の部材であり、前記可動プランジャー部(3)の円筒形プランジャー(12)の変位位置を確認する位置計測窓(22)を設けた調整部(4)と、を備え、
前記ソレノイド型電磁ハンマー(1)が上向きの状態にあるか、下向きの状態にあるかを判定するために、前記位置計測窓(22)における発光部(23)から受光部(24)への発光線が、前記調整部(4)の円形の中心を通らないように配置された、ことを特徴とする。
前記円筒形プランジャー(12)は、その外周に前記シリンダ(11)内で円滑に前後動するように滑動リング(16)が取り付けられたものである。
前記電磁ソレノイド部(2)は、電磁路ヨーク(5)の端面部(5b)に前記可動プランジャー部(3)のハンマーヘッド部(14)を保護すべく、該ハンマーヘッド部(14)が出没自在になるようにリング状のハンマー保護カウリング(8)が取り付けられたものである。
本発明の制御方法は、コンクリート構造物についてソレノイド型電磁ハンマー(1)を用いて打音検査をする際のソレノイド型電磁ハンマーの制御方法であって、
コイルを巻回した電磁コイル(6)と、該電磁コイル(6)を収容する筒状体の電磁路ヨーク(5)とから成る電磁ソレノイド部(2)と、一端にハンマーヘッド部(14)を、他端に該ハンマーヘッド部(14)を引き戻す弾性部材(13)を具備した、磁性を有する可動プランジャー部(3)と、前記電磁ソレノイド部(2)に接続される有底筒状の部材であり、前記可動プランジャー部(3)の変位位置を確認する位置計測窓(22)を設けた調整部(4)と、を備えたソレノイド型電磁ハンマー(1)を用いて検査する際に、
前記位置計測窓(22)における発光部(23)から受光部(24)への発光線により、前記円筒形プランジャー(12)の変位位置を認識したときは、前記ソレノイド型電磁ハンマー(1)が上向きの状態にあると判定し、
該円筒形プランジャー(12)の変位位置を認識しないときは、前記ソレノイド型電磁ハンマー(1)が下向きの状態にあると判定することにより、前記可動プランジャー部(3)の打ち出し強度を調整する、ことを特徴とする。
上記構成のソレノイド型電磁ハンマーでは、調整部(4)に、円筒形プランジャー(12)の位置を確認する位置計測窓(22)を設けたので、ハンマーヘッド部(14)が下向き状態か上向き状態かの別を判定できる。その判定結果に基づき、電磁コイル(6)への電力の強弱を調整することで、打音検査装置の下向き又は上向きのいずれの状態でも正確に打音検査をすることができる。
特に、位置計測窓(22)は、発光部(23)から受光部(24)への発光線を、調整部(4)の円形の中心を通らない位置に配置したので、この部分に弾性部材(13)が存在していても、円筒形プランジャー(12)の上下の変位位置を明確に判定することができる。
可動プランジャー部(3)は、円筒形プランジャー(12)内に、ハンマーヘッド部(14)とこれを引き戻す弾性部材(13)が内挿された構造であるため、この円筒形プランジャー(12)の周囲に滑動リング(16)を取り付け、この円筒形プランジャー(12)をシリンダ(11)内で円滑に摺動させることができる。
上記構成の制御方法では、調整部(4)(位置計測窓(22))によりハンマーヘッド部(14)が上向きか下向きかの別を判定し、その向きに応じて電磁コイル(6)の励磁力を調整する。そこで、ハンマーヘッド部(14)が下向き又は上向きのいずれの状態でも、コンクリート構造物などの壁面(W)に対してハンマーヘッド部(14)の押圧力を均一にした状態で打音検査をすることができる。
本発明のソレノイド型電磁ハンマーを示す分解斜視図である。 本発明のソレノイド型電磁ハンマーの電磁ソレノイド部と調整部を更に細かく分解した斜視図である。 可動プランジャー部を示す分解斜視図である。 可動プランジャー部を示す斜視図である。 本発明のソレノイド型電磁ハンマーの電磁ソレノイド部の一部を切欠いた斜視図である。 本発明のソレノイド型電磁ハンマーを示す斜視図である。 調整部の位置計測窓を示す平断面図である。 調整部の位置計測窓を示す正断面図であり、(a)は位置計測窓から円筒形プランジャーの位置を確認できない状態、(b)は位置計測窓から円筒形プランジャーの位置を確認できる状態である。 位置計測窓と円筒型プランジャーとの位置関係を示す断面図であり、(a)はハンマーヘッド部が下向き状態、(b)はハンマーヘッド部が上向き状態である。 本発明の調整部を示す分解斜視図である。 調整部の逆止弁を示し、(a)は拡大断面図、(b)は拡大正面図である。 逆止弁の動作状態を示し、(a)は円筒形プランジャーの動作で電磁ソレノイド部内が負圧状態、(b)は加圧状態である。 本発明のソレノイド型電磁ハンマーを動作させるシステムの一例を示す系統図である。
本発明のソレノイド型電磁ハンマーは、コイルを巻回した電磁コイルと、電磁コイルを収容する筒状体のヨークとから成る電磁ソレノイド部と、ハンマーヘッド部とこれを引き戻す弾性部材を具備した、磁性を有するプランジャー部と、電磁ソレノイド部に接続される有底筒状の調整部とを備えた装置である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<ソレノイド型電磁ハンマーの構成>
図1は本発明のソレノイド型電磁ハンマーを示す分解斜視図である。図2は本発明のソレノイド型電磁ハンマーの電磁ソレノイド部と調整部を更に細かく分解した斜視図である。
本発明のソレノイド型電磁ハンマー1は、鉄道のトンネル、高速道路のトンネル、建造物などのコンクリート壁面wに生じたひび割れ、気泡などの劣化を検査する装置である。本発明のソレノイド型電磁ハンマー1は、1個又は複数個を打音検査装置に取り付け、この打音検査装置を壁面wに沿って走行させながら広範囲に打撃振動点検する装置である。打撃振動装置による打音検査をする装置にも使用できる。
本発明のソレノイド型電磁ハンマー1は、主に電磁ソレノイド部2、可動プランジャー部3と調整部4とで構成されている。この可動プランジャー部3には、例えば打音検査するハンマーヘッド部14が着脱自在に取り付けられている。このハンマーヘッド部14をコンクリート壁面wに当て、その打撃による振動を捉えてコンクリート壁面w内部の不具合を検査する(図13参照)。
<電磁ソレノイド部の構成>
電磁ソレノイド部2は、円筒形状の電磁路ヨーク5の内部に、ボビン6aにコイルを巻回した電磁コイル6を備えた部材である。電磁路ヨーク5は、磁性体である筒状の鋼材で形成され、一端面部5aに調整部4が着脱自在に取り付けられ、他端面部5bに電磁路ヨークフランジ7を介在させて、ハンマー保護カウリング8が取り付けられる。
電磁路ヨーク5の外周には、本発明のソレノイド型電磁ハンマー1を他の部材又は部品に取り付けるための固定用フランジ9が形成されている。この固定用フランジ9にはネジ用挿通孔10が開けられている。
電磁ソレノイド部2には、電磁コイル6の内径より細い外径を有し、後述する円筒形プランジャー12の外径より太い内径を有するシリンダ11が備えられている。このシリンダ11内で後述する可動プランジャー部3(円筒形プランジャー12)を円滑に摺動させるようになっている。
<可動プランジャー部の構成>
図3は可動プランジャー部を示す分解斜視図である。図4は可動プランジャー部を示す斜視図である。図5は本発明のソレノイド型電磁ハンマーの電磁ソレノイド部の一部を切欠いた斜視図である。
可動プランジャー部3は、両底に開口12a,12bを有する円筒形状の円筒形プランジャー12の内部に、引き戻し用のスプリング等の弾性部材13を備えた部材である。この弾性部材13の一端にハンマーヘッド部14を、他端にこの弾性部材13を固定する固定部として機能する止ネジ15を有する。ハンマーヘッド部14は、円筒形プランジャー12の一方の開口12bに着脱自在に固定されている。図示例ではネジ止めするようになっている。これで円筒形プランジャー12とハンマーヘッド部14とは一体で動作するようになる。
円筒形プランジャー12は、電磁ソレノイド部2の電磁コイル6内に同心的で軸方向に往復動可能に挿通されている。電磁コイル6の通電時に電磁路ヨーク5及び円筒形プランジャー12等の磁気関連部材に磁気回路が生じ、円筒形プランジャー12が励磁力により電磁コイル6内に吸引されて移動する。この繰り返しで打音検査のハンマーとして機能する。
一方、弾性部材13の止ネジ15は調整部4に固定される。この止ネジ15はハンマーヘッド部14とは異なり、円筒形プランジャー12の他方の開口12aには固定されていない。ハンマーヘッド部14と同時に円筒形プランジャー12が移動動作できるように、弾性部材13で伸縮する動作を干渉しないようにするためである。
可動プランジャー部3の円筒形プランジャー12の周囲に滑動リング16が2個取り付けられている。この滑動リング16は、シリンダ11内において円筒形プランジャー12を円滑に往復動させる機能を有する。図示例では2個の滑動リング16が示されているがこの個数に限定されないことは勿論である。
<調整部(位置計測窓)の構成>
図6は本発明のソレノイド型電磁ハンマーを示す斜視図である。図7は調整部の位置計測窓を示す平断面図である。図8は調整部の位置計測窓を示す正断面図であり、(a)は位置計測窓から円筒形プランジャーの位置を確認できない状態、(b)は位置計測窓から円筒形プランジャーの位置を確認できる状態である。図9は位置計測窓と円筒型プランジャーとの位置関係を示す断面図であり、(a)はハンマーヘッド部が下向き状態、(b)はハンマーヘッド部が上向き状態である。
調整部4には、図示するように、円筒形プランジャー12の位置を確認する位置計測窓22が設けられている。打音検査ではハンマーヘッド部14を常に下向き状態で検査するのではなく、ハンマーヘッド部14を上向きの状態で検査することがある。このとき重量があるハンマーヘッド部14は弾性部材13で支持されているために、円筒形プランジャー12(ハンマーヘッド部14)の位置が異なる。このとき電磁コイル6への電力量を調整することで、ソレノイド型電磁ハンマー1の下向き又は上向きのいずれの状態でも正確に打音検査をすることができる。
位置計測窓22から位置センサ23(発光部)の赤外線LEDを発光し、これを受光部24で受光し、受光センサ25が感知することで、円筒形プランジャー12が存在しないことを意味する。逆に受光部24で受光しないときは、発光が円筒形プランジャー12で遮断されたことを意味する。これにより、円筒形プランジャー12の位置を確認することができる。なお、図7の平断面図に示すように、発光部23と受光部24の発光線を、円形の中心を通らない位置に配置したのは、この部分に弾性部材13が存在するからである。この弾性部材13の構成に対応して位置計測窓22、発光部23と受光部24の配置状態が決められる。
なお、受光部24に代えて反射部(図示していない)を用いてもよい。このときは位置計測窓22に位置センサ23(発光部)から発光し、これを反射部で反射すれば、円筒形プランジャー12が存在しないことを意味する。逆に反射部で反射しないときは、発光が円筒形プランジャー12で遮断されたことを意味する。これにより、円筒形プランジャー12の位置を確認することができる。
例えば、ハンマーヘッド部14が下向き状態のときは、図9(a)に示すように、位置センサ23を用いて位置計測窓22から円筒形プランジャー12の位置を確認する。このときは、円筒形プランジャー12はその自重で弾性部材13が伸長する状態になり、位置計測窓22からこれを視認したときに、円筒形プランジャー12の変位位置を確認する。
位置計測窓22が円筒形プランジャー12の変位位置を認識しないときは、ソレノイド型電磁ハンマー1が下向きの状態にあると判定し、電磁ソレノイド部2の励磁力を調整する。可動プランジャー部3の打ち出し強度を調整する。
一方、ハンマーヘッド部14が上向き状態のときは、図9(b)に示すように、位置センサ23を用いて位置計測窓22から円筒形プランジャー12の位置を確認する。このときは、円筒形プランジャー12はその自重で弾性部材13が収縮する状態になり、位置計測窓22から視認したときに、円筒形プランジャー12の変位位置を確認する。
位置計測窓22が円筒形プランジャー12の変位位置を認識しないときは、ソレノイド型電磁ハンマー1が下向きの状態にあると判定し、電磁ソレノイド部2の励磁力を調整して可動プランジャー部3の打ち出し強度を調整する。
このように、本発明のソレノイド型電磁ハンマー1は調整部4(位置計測窓22)を有するので、打音検査でハンマーヘッド部14が上向き、又は下向きと向きが異なるときに、電磁コイル6への励磁力を調整する。そこで、ソレノイド型電磁ハンマー1の下向き又は上向きのいずれの状態でも正確に打音検査(振動検出)をすることができる。
<調整部(逆止弁)の構成>
図10は本発明の調整部を示す分解斜視図である。図11は調整部の逆止弁の一例を示し、(a)は拡大断面図、(b)は拡大正面図である。図12は逆止弁の動作状態を示し、(a)は円筒形プランジャーの動作で電磁ソレノイド部内が負圧状態、(b)は加圧状態である。
調整部4には、可動プランジャー部3が電磁ソレノイド部2内で往復動する際に変化する内圧を調整する逆止弁17が設けられている。この逆止弁17は、有底筒状の調整部4の一部に円周方向の周囲に軸方向に対して垂直に開けられた貫通孔18に取り付けられている。逆止弁17は、この貫通孔18と、透孔19を有する弁座20の間に挟まれた状態にある。
逆止弁17は図示するように、可撓性を有するシート材の一部に通気孔21が数か所開けられた部材である。各通気孔21は、調整部4の貫通孔18側では通気可能な位置にあるが、弁座20側では透孔19の周囲に配置されるようになり、所定の圧力が掛かり、撓んだ状態にならないと、外部の空気がこの逆止弁17を通過しないようになっている。
図12(a)に示すように、弁座20側からの空気は吸入するが、逆に図12(b)に示すように、調整部4内からの空気は通気できない。但し、このシート材から成る逆止弁17は、ある程度の可撓性を有するので、電磁ソレノイド部2内での可動プランジャー部3が往復動することに支障はない。
この逆止弁17により、電磁コイル6の通電時に円筒形プランジャー12が往復動する際に、電磁ソレノイド部2(電磁コイル6)内の空気が逃げ出さず、その空気抵抗によりエアダンパー効果を生じる。そこで、円筒形プランジャー12を緩慢に引き戻すことができ、電磁ソレノイド部2内部に埃を引き込みづらくなる。更にソレノイド型電磁ハンマー1自身による衝突音の発生を低減することができる。
<システムの構成>
図13は本発明のソレノイド型電磁ハンマーを動作させるシステムの一例を示す系統図である。
被検査物であるコンクリート壁面Wに、本発明のソレノイド型電磁ハンマー1のハンマーヘッド部14を近づける。このハンマーヘッド部14でコンクリート壁面Wを打撃する。コンクリート内のひび割れ、空洞、劣化等の変状部Aについて、打撃音の波長の変化で発見する。打撃により外力としての加振力(振動)を磁歪センサ等の振動センサ31で感知し、これを電気信号に変換する。振動センサ31で変換された電気信号を増幅器32で増幅し、増幅器32で増幅された信号を整流器33で直流に変換する。この電気信号から所定の周波数成分を取り出し、取り出した波形をパソコン34に表示して解析する。その波形の解析の結果で変状部の有無と、その大小を判断する。
または、この打撃による振動を感知する振動センサ31に代えてマイク(図示していない。)で集音する。コンクリート内部が正常な箇所と異常な箇所(変状部)ではコンクリートの振動によって発生した音波の伝播特性が異なることから、打音波形に相違が見られる。取り出した波形を表示装置(パソコン34)等に表示して解析する方法でもよい。
一方、位置センサ23では、ハンマーヘッド部14について下向き又は上向き状態の別を感知し、これを電気信号に変換する。この電気信号を増幅器32で増幅し、増幅器32で増幅された信号を整流器33で直流に変換する。この電気信号から必要な電力量を解析してソレノイド型電磁ハンマー1の向きに応じて電磁コイル6への電力の強弱を調整する。これにより、打音検査装置の下向き又は上向きのいずれの状態でも正確に打音検査をすることができる。
なお、本発明は、電磁ソレノイド装置1(ハンマー部14)の下向き又は上向き状態の別を判別してハンマー部14の向きに影響されることなく常に適正な状態で打音検査をすると共に、電磁ソレノイド装置1内へ埃が侵入することを防止することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明は、高速道路、鉄道のトンネル、建造物に限定されず、コンクリートその他の非破壊検査に利用することができる。
1 ソレノイド型電磁ハンマー
2 電磁ソレノイド部
3 可動プランジャー部
4 調整部
5 電磁路ヨーク
5a,5b 電磁路ヨークの端面部
6 電磁コイル
8 ハンマー保護カウリング
11 シリンダ
12 円筒形プランジャー
12a,12b 円筒形プランジャーの開口
13 弾性部材
14 ハンマーヘッド部
16 滑動リング
17 逆止弁
22 位置計測窓
23 位置センサ(発光部)
24 受光部
31 振動センサ
32 増幅器
33 整流器
34 表示装置(パソコン)

Claims (4)

  1. コンクリート構造物について打音検査をする際に用いるソレノイド型電磁ハンマー(1)であって、
    コイルを巻回した電磁コイル(6)と、該電磁コイル(6)を収容する筒状体の電磁路ヨーク(5)とから成る電磁ソレノイド部(2)と、
    磁性を有する円筒形プランジャー(12)内に、一端にハンマーヘッド部(14)を有する弾性部材(13)が、該円筒形プランジャー(12)の他端開口(12a)から、該弾性部材(13)を固定する固定部を突出させるように、内挿された可動プランジャー部(3)と、
    前記電磁ソレノイド部(2)に接続される有底筒状の部材であり、前記可動プランジャー部(3)の円筒形プランジャー(12)の変位位置を確認する位置計測窓(22)を設けた調整部(4)と、を備え、
    前記ソレノイド型電磁ハンマー(1)が上向きの状態にあるか、下向きの状態にあるかを判定するために、前記位置計測窓(22)における発光部(23)から受光部(24)への発光線が、前記調整部(4)の円形の中心を通らないように配置された、ことを特徴とするソレノイド型電磁ハンマー。
  2. 前記円筒形プランジャー(12)は、その外周に前記シリンダ(11)内で円滑に前後動するように滑動リング(16)が取り付けられた、ことを特徴とする請求項のソレノイド型電磁ハンマー。
  3. 前記電磁ソレノイド部(2)は、電磁路ヨーク(5)の端面部(5b)に前記可動プランジャー部(3)のハンマーヘッド部(14)を保護すべく、該ハンマーヘッド部(14)が出没自在になるようにリング状のハンマー保護カウリング(8)が取り付けられた、ことを特徴とする請求項1又は2のソレノイド型電磁ハンマー。
  4. コンクリート構造物についてソレノイド型電磁ハンマー(1)を用いて打音検査をする際のソレノイド型電磁ハンマーの制御方法であって、
    コイルを巻回した電磁コイル(6)と、該電磁コイル(6)を収容する筒状体の電磁路ヨーク(5)とから成る電磁ソレノイド部(2)と、一端にハンマーヘッド部(14)を、他端に該ハンマーヘッド部(14)を引き戻す弾性部材(13)を具備した、磁性を有する可動プランジャー部(3)と、前記電磁ソレノイド部(2)に接続される有底筒状の部材であり、前記可動プランジャー部(3)の変位位置を確認する位置計測窓(22)を設けた調整部(4)と、を備えたソレノイド型電磁ハンマー(1)を用いて検査する際に、
    前記位置計測窓(22)における発光部(23)から受光部(24)への発光線により、前記円筒形プランジャー(12)の変位位置を認識したときは、前記ソレノイド型電磁ハンマー(1)が上向きの状態にあると判定し、
    該円筒形プランジャー(12)の変位位置を認識しないときは、前記ソレノイド型電磁ハンマー(1)が下向きの状態にあると判定することにより、前記可動プランジャー部(3)の打ち出し強度を調整する、ことを特徴とするソレノイド型電磁ハンマーの制御方法。
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