JP6325786B2 - 差圧用ドア装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建物等の構造物内で高圧と低圧の差圧が生じてもドアを開くことができる差圧用ドア装置に係り、例えば、防火区画を形成するための防火扉装置として利用できるものである。
建物や地下街等の構造物内に防火区画を形成する場合には、2つの空間(第1及び第2空間)を出入り可能に仕切るために防火扉装置が設置される。これらの空間のうち、一方の空間、例えば、第1空間で火災が生じたときにはこの第1空間の煙が排煙装置で排出されるため、第1空間は低圧領域となり、第2空間は高圧領域となる。また、第1空間の煙が第2空間へ流出することを防止するために第2空間に空気供給装置で空気を送り込んだときにも、第1空間は低圧領域となり、第2空間は高圧領域となる。
このように低圧領域と高圧領域との境界箇所に設置されるドア装置であって、ドア枠の内側に形成された開口部にドアが開閉自在に配置される差圧用ドア装置となっている防火扉装置について、低圧領域に居た人が扉を高圧領域へ開いてこの高圧領域に脱出しようとしたときに、差圧によってドアを開くことが困難になるため、下記の特許文献1には、このような問題を解決できる技術が示されている。
特許文献1に示されている差圧用ドア装置は、ドア枠の内側の開口部に親ドアが配置され、この親ドアは、幅方向の一方の側端部に取り付けられたヒンジを中心にドア枠に対して開閉自在となっているとともに、親ドアには、幅方向の他方の側端部まで達する欠部が高さ方向の途中部に形成されており、この欠部に、子ドアが上下方向を軸方向とする中心軸を中心に回動自在に配置され、中心軸は子ドアの幅方向中央部からずれた位置に設けられている。また、子ドアには、ドア枠に対し係脱する第1ラッチ部材と、親ドアに対し係脱する第2ラッチ部材とが設けられ、子ドアに設けられている操作部材を操作すると、ドア枠と親ドアに係止していたそれぞれのラッチ部材が離脱し、このため、差圧により子ドアが中心軸を中心に回動して高圧領域の空気が低圧領域へ流出し、これにより、低圧領域と高圧領域の圧力差が小さくなり、親ドアを高圧領域側へ開くことができる。
特開平7−259407号公報(0020段落〜0026段落、図1)
しかし、特許文献1の差圧用ドア装置によると、幅方向の一方の側端部に取り付けられたヒンジを中心にドア枠に対して開閉自在となっている親ドアに、幅方向の他方の側端部まで達する欠部を高さ方向の途中部に形成し、この欠部に、上下方向を軸方向とする中心軸を中心に子ドアを回動自在に配置しなければならず、また、子ドアに、操作部材の操作によりドア枠に対し係脱する第1ラッチ部材と、親ドアに対し係脱する第2ラッチ部材とを設けなければならず、これによると、装置全体の構造が複雑となり、組立作業に多くの手間がかかることになる。
本発明の目的は、装置全体の構造を簡単化することができ、容易に組み立てることができるようになる差圧用ドア装置を提供するところにある。
本発明に係る差圧用ドア装置は、低圧領域と高圧領域との境界箇所に設置されたドア装置であって、ドア枠の内側に形成された開口部にドアが開閉自在に配置されている差圧用ドア装置において、前記ドアは、幅方向の一方の側端部に取り付けられた第1ヒンジを中心に前記ドア枠に対して開閉自在となっている第1ドアと、幅方向の他方の側端部に取り付けられた第2ヒンジを中心に前記ドア枠に対して開閉自在となっている第2ドアとからなり、前記幅方向に並設されている前記第1ドアと前記第2ドアとのうち、第1ドアには、この第1ドアに設けられた操作部材により前記第2ドアに係脱するラッチ部材が設けられ、このラッチ部材が離脱した前記第2ドアが、前記高圧領域側の圧力により前記第2ヒンジを中心に前記低圧領域側へ開き回動することを特徴とするものである。
この差圧用ドア装置では、第1ドアに設けられた操作部材を操作すると、この第1ドアに設けられたラッチ部材が第2ドアから離脱し、これにより、第2ドアは高圧領域側の圧力により第2ヒンジを中心に低圧領域側へ開き回動するため、高圧領域の圧力は低下することになる。このため、第1ドアを操作部材によって第1ヒンジを中心に開き回動させることができて、低圧領域側に居た人は高圧領域側へ移動することができる。
そして、この差圧用ドア装置は、幅方向の一方の側端部に取り付けられた第1ヒンジを中心にドア枠に対して開閉自在となっている第1ドアと、幅方向の他方の側端部に取り付けられた第2ヒンジを中心に開閉自在となっている第2ドアと、幅方向に並設されている第1ドアと第2ドアとのうち、第1ドアに設けられ、この第1ドアの操作部材の操作により第2ドアに係脱するラッチ部材とが構成要素となって構成されており、このため、装置全体の構造が簡単化されており、また、装置全体を容易に組み立てることができる。
以上の本発明に係る差圧用ドア装置において、第2ドアは、ドア枠に対し低圧領域と高圧領域の両方に跨って開閉自在となっていてもよく、あるいは、低圧領域側の範囲でのみ開閉自在となっていてよい。
第2ドアを低圧領域側の範囲でのみ開閉自在とするためには、ドア枠に、このドア枠に対して閉じ位置まで第2ヒンジを中心に回動した第2ドアが当接する戸当り部を設けてもよく、あるいは、第2ドアに、この第2ドアがドア枠に対して閉じ位置まで第2ヒンジを中心に回動したときにドア枠に当接する戸当り部を設けてもよい。
また、第2ドアを低圧領域側の範囲でのみ開閉自在とする場合には、本発明に係る差圧用ドア装置を、第2ドアを閉じ方向へ常時回動付勢するための回動付勢手段を備えているものとしてもよい。このように本発明に係る差圧用ドア装置を回動付勢手段を備えたものとする場合には、この回動付勢手段の回動力を、高圧領域側の圧力により第2ヒンジを中心に低圧領域側へ開き回動する際の第2ドアの回動力よりも小さくする。
これによると、回動付勢手段は、高圧領域側の圧力により第2ドアが第2ヒンジを中心に低圧領域側へ開き回動することを阻止せず、また、第2ドアが低圧領域側へ開き回動することにより、高圧領域と低圧領域との圧力差が小さくなったときには、第2ドアを回動付勢手段により自動的に閉じ回動させることができる。
このような回動付勢手段については、第2ヒンジをオートヒンジとすることにより、この第2ヒンジ自体を回動付勢手段としてもよく、あるいは、回動付勢手段をドア枠と第2ドアとの間に架設されたドアクローザとしてもよく、あるいは、回動付勢手段をフロアヒンジとしてもよい。
また、第1ドアと第2ドアの高さ寸法は任意であり、その一例は、第1ドアと第2ドアを、前記開口部の上下寸法と対応する高さ寸法を有するものとすることであり、これによると、第1ドアの高さ寸法と第2ドアの高さ寸法は、同じになるため、これらのドアについての製造作業及び設置現場での配置作業を容易に行えるようになる。
また、第1ドアと第2ドアのうち、一方のドアの高さ寸法を前記開口部の上下寸法と同じにするとともに、このドアを、前記開口部の幅寸法と同じ幅寸法を有する上部と、前記開口部の幅寸法よりも小さい幅寸法を有する下部とからなる逆L字形状のものとし、下部の側部に、前記開口部の上下寸法よりも前記一方のドアの上部の分だけ高さ寸法が小さい他方のドアを配置してもよい。
また、第1ドアと第2ドアの幅寸法も任意であり、その一例は、第2ドアの幅寸法を第1ドアの幅寸法よりも小さくすることである。また、第2ドアの幅寸法と第1ドアの幅寸法を同じにしてもよく、第2ドアの幅寸法を第1ドアの幅寸法よりも大きくしてもよい。
第2ドアの幅寸法を第1ドアの幅寸法よりも小さくした場合には、火災等が発生していない平常時において、前記操作部材により前記第1ヒンジを中心に第1ドアを開き回動させたときに確保することができる人等の通過用の開口部の幅寸法を大きくすることができる。
さらに、第1ドアは、ドア枠に対し高圧領域と低圧領域の両方に跨って開閉自在となっていてもよく、あるいは、高圧領域側の範囲でのみ開閉自在となっていてよい。
第1ドアを高圧領域側の範囲でのみ開閉自在とするためには、ドア枠に、このドア枠に対して閉じ位置まで第1ヒンジを中心に回動した第1ドアが当接する戸当り部を設けてもよく、あるいは、第1ドアに、この第1ドアがドア枠に対して閉じ位置まで第1ヒンジを中心に回動したときにドア枠に当接する戸当り部を設けてもよい。
また、第1ドアを高圧領域側の範囲でのみ開閉自在とする場合には、本発明に係る差圧用ドア装置を、第1ドアを閉じ方向へ常時回動付勢するための回動付勢手段を備えているものとしてもよい。
これによると、第1ドアを前記操作部材により開き回動させた後に、第1ドアを回動付勢手段により自動的に閉じ回動させることができる。
このような回動付勢手段についても、第1ヒンジをオートヒンジとすることにより、この第1ヒンジ自体を回動付勢手段としてもよく、あるいは、回動付勢手段をドア枠と第1ドアとの間に架設されたドアクローザとしてもよく、あるいは、回動付勢手段をフロアヒンジとしてもよい。
また、第1ドアと第2ドアのうち、少なくとも一方のドアに、第1ドアと第2ドアとの間の隙間を高圧領域側又は低圧領域側から遮蔽するための遮蔽部を設けてもよい。
これによると、火災の発生時において、煙が第1ドアと第2ドアとの間の隙間を通って低圧領域側から高圧領域側へ流出することを遮蔽部により防止することができる。
さらに、第1ドアに設ける操作部材は、この第1ドアの低圧側の面だけに設けてもよく、あるいは、第1ドアの低圧側の面と高圧側の面、すなわち、第1ドアの両方の面に設けてもよい。第1ドアの高圧側の面にも操作部材を設けると、火災等が発生していない平常時においても、第1ドアを高圧側から開き回動させることができるとともに、例えば、火災等の発生時において、高圧領域に居る人が低圧領域に居る人を救助するために、高圧領域に居る人が第1ドアを高圧側から開き回動させることができるようになる。
また、第2ドアには、この第2ドアを開閉操作するための操作部材を設けなくてもよいが、第2ドアに設けたラッチ部材を第1ドアに係脱させるためのこのような操作部材を第2ドアにも設けてもよい。これによると、火災等が発生していない平常時において、第2ドアを操作部材の操作によって第1ドアに対して開閉させることができる。
以上説明した本発明に係る差圧用ドア装置において、高圧領域と低圧領域の圧力差は、火災で生じた煙が排煙装置で排出されたり、前述の空気供給装置で空気が供給されたりすることによって生ずる気圧差でもよく、あるいは、大雨により侵入した水又は火災を鎮火するために放水された水による水圧差でもよく、あるいは、これらの気圧差と水圧差の合計によるものでもよい。
本発明によると、差圧用ドア装置の装置全体の構造を簡単化することができ、また、差圧用ドア装置を容易に組み立てることができるという効果を得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る差圧用ドア装置の全体を示す正面図である。 図2は、図1の差圧用ドア装置を、壁とドア枠の左右の側枠とを断面図として示した一部省略の平面図である。 図3は、差圧用ドア装置の第2ドアが、高圧領域と低圧領域の圧力差により低圧領域側へ開き回動したときを示す図2と同様の図である。 図4は、差圧用ドア装置の第1ドアを高圧領域側へ開き回動させたときを示す図2と同様の図である。 図5は、第1ドアと第2ドアに、これらのドアの間の隙間を高圧領域側と低圧領域側から遮蔽するための遮蔽部を設けた実施形態を示す図2と同様の図である。 図6は、戸当り部についての別実施形態を示す図1と同様の図である。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るドア装置1の全体正面図が示されており、本実施形態のドア枠2は、上枠3と、下枠4と、左右の側枠5,6からなる四方枠となっているが、本発明は、ドア枠が、下枠4が省略された三方枠となっている場合にも適用できる。
ドア枠2の内側は人等が出入りする開口部7であり、この開口部7には、それぞれ防火性、耐火性を有している第1ドア11と第2ドア12が、左右方向である幅方向に並設されており、これらの第1ドア11と第2ドア12は、開口部7の上下寸法と対応する高さ寸法を有する。第1ドア11は、図1において、左右の側端部のうち、右の側端部に取り付けられた第1ヒンジ13によってドア枠2の側枠5に連結され、このため、第1ドア11は、第1ヒンジ13を中心にドア枠2に対して開閉自在となっている。また、第2ドア12は、左右の側端部のうち、左の側端部に取り付けられた第2ヒンジ14によってドア枠2の側枠6に連結され、このため、第2ドア12は、第2ヒンジ14を中心にドア枠2に対して開閉自在となっている。
第1ドア11と第2ドア12の合計幅寸法は、開口部7の幅寸法と対応するものになっているが、第1ドア11の幅寸法と第2ドア12の幅寸法は、同じになっておらず、第2ドア12の幅寸法は、第1ドア11の幅寸法よりも小さい。
第1ドア11には、この第1ドア11を開閉操作する際に用いられる操作部材となっているドアノブ15と、このドアノブ15の回動操作が運動変換機構16により直線移動に変換されるラッチ部材17とが設けられており、第2ドア12には、ラッチ部材17が挿入、係合されて、このラッチ部材17を受けるためのラッチ受け部材18が設けられている。通常時は第2ドア12側へ前進しているラッチ部材17がラッチ受け部材18で受けられることにより、ラッチ部材17は第2ドア12に係止され、ドアノブ15の回動操作でラッチ部材17が第1ドア11側へ後退してラッチ受け部材18から抜け出ることにより、ラッチ部材17は第2ドア12から離脱する。
図2は、図1のドア装置1を、このドア装置1が配置されている壁19と、ドア枠2の左右の側枠5,6とを断面図として示した一部省略の平面図である。ドア装置1は、コンクリート等で形成されている壁19と共に建物内の防火区画を形成しており、ドア装置1と壁19とで区画されている2つの空間A,Bのうち、空間Aは、例えば、建物内の通路(後述の高圧領域)であり、空間Bは、この建物内の部屋(後述の低圧領域)である。第1ドア11のドアノブ15は、2つの空間A,Bに向いている第1ドア11の両方の面に設けられている。
図1に示されているように、ドア枠2の上枠3には、第2ドア12が第2ヒンジ14を中心に空間B側から閉じ回動したときに第2ドア12に当接することにより、第2ドア12が空間A側へ回動することを阻止するための戸当り部20が設けられ、このため、第2ヒンジ14を中心とする第2ドア12のドア枠2に対する開閉は、空間Bの領域のみで行われるようになっている。また、第2ヒンジ14は、ヒンジ本体の内部にばね等の弾性部材が内蔵されたオートヒンジであり、このため、第2ヒンジ14は、第2ドア12に常時閉じ方向への回動力を付与するための回動付勢手段となっている。なお、この回動付勢手段による閉じ方向への回動力は、後述から分かるように、高圧領域となっている空間Aの圧力により第2ヒンジ14を中心に低圧領域となっている空間Bへ開き回動する際の第2ドア12の回動力よりも小さくなっている。
さらに、ドア枠2の上枠3には、第1ドア11が第1ヒンジ13を中心に空間A側から閉じ回動したときに第1ドア11に当接することにより、第1ドア11が第1ヒンジ13を中心に空間B側へ回動することを阻止するための戸当り部21が設けられ、このため、第1ヒンジ13を中心とする第1ドア11のドア枠2に対する開閉は、空間Aの領域のみで行われるようになっている。また、第1ヒンジ13も、ヒンジ本体の内部にばね等の弾性部材が内蔵されたオートヒンジであり、このため、第1ヒンジ13は、第1ドア11に常時閉じ方向への回動力を付与するための回動付勢手段となっている。
なお、戸当り部20,21は、上枠3に取り付けた戸当り部材によるものでもよく、あるいは、上枠3と一体に形成された上枠3の一部によるものでもよい。
図2において、空間Bにおいて火災が発生すると、この空間Bから図示外の排煙装置によって煙が排出されるため、空間Bの気圧は空間Aの気圧よりも低下し、このため、空間Bは低圧領域となって、空間Aは高圧領域となり、本実施形態に係るドア装置1は、これらの低圧領域と高圧領域との境界箇所に設置された防火性、耐火性を有する差圧用ドア装置となっている。
空間Bが低圧領域となって、空間Aが高圧領域となった後に、空間Bに居る人がこの空間Bから脱出するために、第1ドア11に操作部材として設けられているドアノブ15を回動操作すると、第1ドア11に設けられているラッチ部材17が後退して第2ドア12から離脱する。これにより、第2ドア12は、図3に示されているように、空間Aの高圧の気圧により低圧領域の空間B側へ開き回動し、この開き回動は、第2ドア12のための回動付勢手段であってオートヒンジとなっている第2ヒンジ14による閉じ方向への回動力に抗して行われる。
第2ドア12が空間B側へ開き回動すると、空間Aの高圧の空気は空間Bへ流出するため、空間Aの気圧の低下と、空間Bの気圧の上昇とにより、2つの空間A,Bの気圧差が小さくなり、これにより、空間Bに居る上述の人は、図4に示されているように、ドアノブ15によって第1ドア11を第1ヒンジ13を中心に空間A側へ開き回動させて、空間Bから空間Aへ脱出することができる。
この後に、空間B側へ開き回動していた第2ドア12は、オートヒンジとなっている第2ヒンジ14の回動力によって閉じ回動し、この閉じ回動は、第2ドア12が、ドア枠2の上枠3に設けられている戸当り部20に当接することにより停止する。また、空間A側へ開き回動していた第1ドア11も、オートヒンジとなっている第1ヒンジ13の回動力によって閉じ回動し、この閉じ回動は、第1ドア11が、ドア枠2の上枠3に設けられている戸当り部21に当接することにより停止する。そして、第1ドア11が戸当り部21で規定される閉じ回動限に達したときには、第1ドア11の前進していたラッチ部材17は、第2ドア12のラッチ受け部材18に挿入、係合し、このため、ラッチ部材17によって第1ドア11と第2ドア12は連結され、これにより、ドア枠2の内側の開口部7が第1ドア11と第2ドア12とで閉じられていたもとの状態に復帰する。
このため、空間Bに居た上述の人が空間Aに脱出した後は、2つの空間A,Bは第1ドア11と第2ドア12により遮断されることになり、これにより、空間Bの煙が空間Aへ流出することを有効に防止できる。
以上説明した本実施形態によると、差圧用ドア装置1のドア枠2の内側に形成されている開口部7に開閉自在に配置されるドアは、第1ドア11と第2ドア12であり、第1ドア11は、幅方向の一方の側端部に取り付けられた第1ヒンジ13を中心にドア枠2に対して開閉自在に取り付ければよく、第2ドア12は、幅方向の他方の側端部に取り付けられた第2ヒンジ14を中心にドア枠2に対して開閉自在に取り付ければよいため、装置全体の構造を簡単化することができ、また、容易に組み立てることもできる。
また、第1ドア11に設けられたドアノブ15と、このドアノブ15で第2ドア12に対して係脱するラッチ部材17は、一般のドア装置のドアに設けられているものと同じでよいため、この点でも、装置全体の構造を簡単化と、組み立ての容易化を図ることができる。
さらに、第1ドア11と第2ドア12は、開口部7の上下寸法と対応する高さ寸法を有するものとなっていて、これらのドア11,12の高さ寸法は同じであるため、この点でも、装置全体の構造が簡単化され、組み立ての容易化を実現できる。
また、本実施形態では、ドア枠2の上枠3に、第2ドア12をドア枠2に対し低圧領域となっている空間Bの範囲でのみ開閉自在とするための戸当り部20が設けられているとともに、第2ドア12をドア枠2に対して開閉自在とするための第2ヒンジ14は、第2ドア12を閉じ方向へ常時回動付勢するための回動付勢手段となっており、この回動付勢手段の回動力は、高圧領域となっている空間Aの圧力により第2ヒンジ14を中心に空間B側へ開き回動する際の第2ドア12の回動力よりも小さいため、第2ドア12を空間Aの圧力により、回動付勢手段の回動力に抗して空間B側へ開き回動させることができて、空間Aと空間Bとの圧力差が小さくなったときには、第2ドア12を、回動付勢手段の回動力により戸当り部20に当接するまで閉じ回動させることができる。
さらに、ドア枠2の上枠3に、第1ドア11をドア枠2に対し高圧領域となっている空間Aの範囲でのみ開閉自在とするための戸当り部21が設けられ、第1ドア11をドア枠2に対して開閉自在とするための第1ヒンジ13は、第1ドア11を閉じ方向へ常時回動付勢するための回動付勢手段となっているため、前述の人が、空間Bから空間Aへ移動した後は、第1ドア11を回動付勢手段の回動力により、戸当り部21に当接するまで閉じ回動させることができ、これにより、2つの空間A,Bを、第1ドア11と第2ドア12により遮断することができて、2つのドア11,12が開き回動する前のもとの状態に復帰させることができる。
また、本実施形態によると、第2ドア12の幅寸法は第1ドア11の幅寸法よりも小さいため、第1ドア11の幅寸法は第2ドア12の幅寸法よりも大きくなっており、このため、火災等が発生してない平常時において、第2ドア12が、この第2ヒンジ12のための回動付勢手段となっている第2ヒンジ14の回動力により、戸当り部20で規定される閉じ限位置に達していても、ドアノブ15により第1ドア11を開き回動させたときに、人等が充分に通過できる大きな幅寸法の通過用開口部を確保することができる。
図5に示されている実施形態では、第1ドア11と第2ドア12に、これらのドア11,12の間の隙間Sを遮蔽するための遮蔽部31,32が設けられている。すなわち、第1ドア11の空間A側の面における第2ドア12側の端部には、隙間Sを越えて第2ドア12まで張り出している遮蔽部31の基部が結合されており、また、第2ドア12の空間B側の面における第1ドア11側の端部には、隙間Sを越えて第1ドア11まで張り出している遮蔽部32の基部が結合されている。これらの遮蔽部31,32は、第1及び第2ドア11,12の上下方向の全長又は略全長に渡る長さを有している。
遮蔽部31,32により、第1ドア11と第2ドア12の間の隙間Sが空間A側及び空間B側から遮蔽されるため、空間Bでの火災による煙が隙間Sを通って空間Aへ流出することを抑制できる。
また、上述の形状となっている遮蔽部31,32を第1ドア11と第2ドア12に設けることにより、これらのドア11,12が図4に示すようにヒンジ13,14を中心に開閉する際に、遮蔽部31,32とドア11,12とが干渉することをなくすことができる。また、遮蔽部31,32は、ドアノブ15と干渉しないドア11,12の箇所に配置されている。
なお、遮蔽部31,32は、第1ドア11と第2ドア12に取り付けた遮蔽部材によるものでもよく、あるいは、第1ドア11と第2ドア12に一体に形成された第1ドア11と第2ドア12の一部によるものでもよい。また、遮蔽部31,32のうち、一方だけを第1ドア11又は第2ドア12に設けてもよい。
また、1個又は2個の遮蔽部は、ドア11,12との干渉を避けることができる場合や、干渉が生じても、ドア11,12を手動で全閉等にできる場合には、図5とは反対側の箇所に配置してもよい。
図6は、図1で示した戸当り部についての別実施形態を示している。
すなわち、図6の実施形態では、第2ドア12に、この第2ドア12が第2ヒンジ14を中心に空間B側から閉じ回動したときにドア枠2の上枠3に当接することにより、第2ドア12が空間A側へ回動することを阻止するための戸当り部40が設けられ、このため、第2ヒンジ14を中心とする第2ドア12のドア枠2に対する開閉は、空間Bの領域のみで行われる。また、第1ドア11には、この第1ドア11が第1ヒンジ13を中心に空間A側から閉じ回動したときにドア枠2の上枠3に当接することにより、第1ドア11が空間B側へ回動することを阻止するための戸当り部41が設けられ、このため、第1ヒンジ13を中心とする第1ドア11のドア枠2に対する開閉は、空間Aの領域のみで行われる。
なお、戸当り部40,41は、第1ドア11と第2ドア12に取り付けた戸当り部材によるものでもよく、あるいは、第1ドア11と第2ドア12とに一体に形成された第1ドア11と第2ドア12の一部によるものでもよい。
本発明は、圧力差が生ずる箇所に設置されるドア装置として利用でき、例えば、防火区画を形成するための防火扉装置として利用することができる。
1 差圧用ドア装置
2 ドア枠
7 ドア枠の内側の開口部
11 第1ドア
12 第2ドア
13 回動付勢手段のオートヒンジとなっている第1ヒンジ
14 回動付勢手段のオートヒンジとなっている第2ヒンジ
15 操作部材であるドアノブ
17 ラッチ部材
18 ラッチ受け部材
20,21,40,41 戸当り部
31,32 遮蔽部
A 高圧領域の空間
B 低圧領域の空間
S 隙間

Claims (10)

  1. 低圧領域と高圧領域との境界箇所に設置されたドア装置であって、ドア枠の内側に形成された開口部にドアが開閉自在に配置されている差圧用ドア装置において、
    前記ドアは、幅方向の一方の側端部に取り付けられた第1ヒンジを中心に前記ドア枠に対して開閉自在となっている第1ドアと、幅方向の他方の側端部に取り付けられた第2ヒンジを中心に前記ドア枠に対して開閉自在となっている第2ドアとからなり、前記幅方向に並設されている前記第1ドアと前記第2ドアとのうち、第1ドアには、この第1ドアに設けられた操作部材により前記第2ドアに係脱するラッチ部材が設けられ、このラッチ部材が離脱した前記第2ドアが、前記高圧領域側の圧力により前記第2ヒンジを中心に前記低圧領域側へ開き回動し、
    前記第2ドアは、前記ドア枠に対し前記低圧領域側の範囲でのみ開閉自在となっており、
    前記第2ドアを閉じ方向へ常時回動付勢するための回動付勢手段を備えており、この回動付勢手段の回動力は、前記高圧領域側の圧力により前記第2ヒンジを中心に前記低圧領域側へ開き回動する際の前記第2ドアの回動力よりも小さくなっており、
    前記第1ドアは、前記ドア枠に対し前記高圧領域側の範囲でのみ開閉自在となっており、
    前記第1ドアを閉じ方向へ常時回動付勢するための回動付勢手段を備えており、
    前記第2ドアを前記ドア枠に対し前記低圧領域側の範囲でのみ開閉自在とするための戸当り部を備えているとともに、前記第1ドアを前記ドア枠に対し前記高圧領域側の範囲でのみ開閉自在とするための戸当り部も備えており、それぞれの前記戸当り部で規定される閉じ回動限で停止した前記第2ドアと前記第1ドアが前記ラッチ部材により連結され、
    前記ラッチ部材を前記第2ドア部材から離脱させてこの第2ドアを前記高圧領域側の圧力により前記第2ヒンジを中心に前記低圧領域側へ開き回動させるための前記操作部材が、前記第1ドアにおける前記低圧領域側に設けられていることを特徴とする差圧用ドア装置。
  2. 請求項1に記載の差圧用ドア装置において、それぞれの前記戸当り部は前記ドア枠に設けられていることを特徴とする差圧用ドア装置。
  3. 請求項2に記載の差圧用ドア装置において、前記ドア枠は、少なくとも上枠と左右の側枠とを含んで形成されており、それぞれの前記戸当り部は前記上枠に設けられていることを特徴とする差圧用ドア装置。
  4. 請求項1に記載の差圧用ドア装置において、それぞれの前記戸当り部は前記第1ドア及び前記第2ドアに設けられていることを特徴とする差圧用ドア装置。
  5. 請求項4に記載の差圧用ドア装置において、前記ドア枠は、少なくとも上枠と左右の側枠とを含んで形成されており、それぞれの前記戸当り部は前記上枠に当接することを特徴とする差圧用ドア装置。
  6. 請求項2〜5のいずれかに記載の差圧用ドア装置において、それぞれの前記戸当り部は、前記幅方向が長さ方向となっているものであることを特徴とする差圧用ドア装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の差圧用ドア装置において、前記低圧領域は、排煙装置による排煙により気圧が低下する領域になっていることを特徴とする差圧用ドア装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の差圧用ドア装置において、前記第1ドアと前記第2ドアは、前記開口部の上下寸法と対応する高さ寸法を有していることを特徴とする差圧用ドア装置。
  9. 請求項8に記載の差圧用ドア装置において、前記第2ドアの前記幅方向の寸法は、前記第1ドアの前記幅方向の寸法よりも小さいことを特徴とする差圧用ドア装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の差圧用ドア装置において、前記第1ドアと前記第2ドアのうち、少なくとも一方のドアには、前記第1ドアと前記第2ドアとの間の隙間を前記高圧領域側又は前記低圧領域側から遮蔽するための遮蔽部が設けられていることを特徴とする差圧用ドア装置。
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