JP6325259B2 - 上向き作業のサポート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、上向き姿勢での作業負担を軽減する作業サポート装置に関する。
建設業における天井面の内装工事等では、作業者の上半身が後方に傾倒された上向き姿勢での作業が長時間に亘り行われている。人間の頭部は重いので、上向き作業が長時間に亘って行われると頸部に疲労が蓄積される。疲労の蓄積によって作業効率が低下し、肩こりや頭痛などの原因になり得る。
上向き作業時の疲労を軽減すべく、特許文献1に記載された装置では、車輪を備えた台枠と、台枠に立設された下枠と、下枠に立設された上枠とを有し、下枠には座板を設け、上枠には背もたれ、肘掛け、頭部支持部、及び、工具支柱を設けている。そして、これらの部分に身体の各部を預けることで、上向き作業時の疲労が軽減される。
また、特許文献2に記載された装置では、下向きに湾曲した棒状の補助部材をヘルメットの後部下縁に取り付け、補助部材の先端を作業者の背中に当接させている。これにより、頭部の荷重が背中に伝達され、上向き作業時の疲労が軽減される。
特開2010−119424号公報 特開2012−82558号公報
しかしながら、特許文献1の装置は作業者を囲む大掛かりな構造であるため、装置の運搬や設置に時間を要するとともに使用可能な現場が限られてしまうという問題があった。また、特許文献2の装置は簡単な構成ではあるが、棒状の補助部材のみで頭部を支えることとなり、頭部の位置が定まり難く不安定になり易いという問題があった。また、補助部材の下端が背中に当接し続けるので、背中の局所を強く押圧してしまう虞もあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成を簡素化しつつも作業者への負担軽減が図れる上向き作業のサポート装置を提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明は、作業者に装着され、前記作業者の上半身が後方に傾倒された上向き姿勢での作業負担を軽減する作業サポート装置であって、前記作業者の頸部を後方から支持するとともに、前記頸部からの押圧力に応じて変形する第1支持部材と、前記第1支持部材が取り付けられるとともに、前記作業者の前面側を通って腰部又は腹部の少なくとも一方で固定され、前記頸部支持部への荷重を前記腰部又は前記腹部の少なくとも一方へ伝達する第2支持部材と、を有し、前記第1支持部材は、上枠部分、下枠部分、及び前記上枠部分と前記下枠部分を連結する一対の側枠部分を備える枠体状の弾性素材で作製されることを特徴とする。
本発明の作業サポート装置は、第1支持部材と第2支持部材とを含んでいれば足りるため、構成を簡素化することができる。また、上向き作業時における頸部からの荷重は、作業者の前面側に配置された第2支持部材を介して作業者の腰部又は腹部の少なくとも一方に伝達される。これにより、作業者の荷重を腰部や腹部に分散でき、上向き作業時における頸部への負担を軽減できる。また、第1支持部材は、頸部からの押圧力に応じて変形するので、この点でも頸部への負担を軽減できる。
また、第1支持部材が枠体状の弾性素材で作製されているので軽量である。また、枠体状であることから、頸部からの押圧力によって容易に変形させることができる。
前述の作業サポート装置において、前記上枠部分は、その中央が最も薄肉となるように、当該上枠部分の上面が湾曲凹形状に形成されていることが好ましい
また、本発明は、作業者に装着され、前記作業者の上半身が後方に傾倒された上向き姿勢での作業負担を軽減する作業サポート装置であって、前記作業者の頸部を後方から支持するとともに、前記頸部からの押圧力に応じて変形する第1支持部材と、前記第1支持部材が取り付けられるとともに、前記作業者の前面側を通って腰部又は腹部の少なくとも一方で固定され、前記頸部支持部への荷重を前記腰部又は前記腹部の少なくとも一方へ伝達する第2支持部材と、を有し、前記第1支持部材には、取付用突起が下向きに突設され、前記第2支持部材は、前記作業者に着用される上着であって、胴回り又は腰回りを収縮させた状態で固定する止め具と、後身頃上部に設けられ、前記取付用突起が固定される突起固定部とを有することを特徴とする。この構成では、上向き作業時における頸部からの荷重が第1支持部材を介して突起固定部に伝達される。この荷重によって上着の前身頃が上側へ引っ張られるが、収縮状態で固定された上着の胴回りや腰回りの部分によって、頭部の荷重を腰部や腹部に分散でき、上向き作業時における頸部への負担を軽減できる。
本発明によれば、作業者の上半身が後方に傾倒された上向き姿勢での作業負担を軽減する作業サポート装置に関し、構成を簡素化しつつも作業者への負担軽減を図ることができる。
第1実施形態に係る作業サポート装置の正面図である。 頸部支持部材の斜視図である。 (a)は装置装着時の正面図、(b)は装置装着時の側面図である。 作業者の頸部を後屈させた際の状態を説明する図である。 作業サポート装置の装着時と未装着時における筋活動レベルを説明する図である。 第2実施形態に係る作業サポート装置の説明図であり、(a)は頸部支持部材(第1支持部材)の正面図、(b)は同じく右側面図である。 第2実施形態に係る作業サポート装置の説明図であり、頸部支持部材を取り付け、前身頃を開いた状態の上着を説明する図である。 (a)は頸部支持部材及び前身頃を閉じた状態の上着の正面図、(b)は同じく背面図である。 (a),(b)はそれぞれ、作業者の頸部を後屈させた際の状態を説明する図である。 変形例に係る作業サポート装置の説明図であり、頸部支持部材及びベルト部材の一部分を説明する図である。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すように、第1実施形態の作業サポート装置1は、頸部支持部材10とベルト部材20を有している。頸部支持部材10は第1支持部材に相当し、作業者の頸部を後方から支持する。ベルト部材20は第2支持部材に相当し、頸部支持部材10への荷重を作業者の腰部へ伝達する。
頸部支持部材10について説明する。図1及び図2に示すように、頸部支持部材10は、上枠部分11、下枠部分12、及び、一対の側枠部分13を備える矩形の枠体状に形成されている。この頸部支持部材10は、弾性素材を枠体状に加工することで作製されている。頸部支持部材10の大きさについて説明すると、幅Wが150〜200mm、高さHが125〜150mm、奥行き(厚さ)Dが20〜30mmである。なお、試作品では、発泡倍率が20〜40倍の発泡ポリエチレンを、幅175mm、高さ138mm、厚さ25mmの大きさに加工した。
なお、発泡倍率に関し、20倍よりも30倍や40倍の方が柔らかく、頸部支持部材10として好適であった。このため、後述する確認試験では、発泡倍率が30〜40倍の発泡ポリエチレンで作製された頸部支持部材10を使用した。
上枠部分11は、頸部支持部材10の上部に横方向へ配置される断面矩形状の棒状部分であり、頸部が後屈すると頸部に倣って湾曲される。このため、頸部支持部材10は、長手方向の中央部が最も薄肉となるように、上面を湾曲凹形状としている。これにより、両端部に比べて中央部を撓みやすくしている。下枠部分12は、頸部支持部材10の下部に上枠部分11と平行な状態で設けられた棒状部分であり、断面の一辺が20〜30mmの角柱状に形成されている。側枠部分13は、上枠部分11の一端と下枠部分12の一端、及び、上枠部分11の他端と下枠部分12の他端を連結する棒状部分であり、断面の一辺が20〜30mmの角柱状に形成されている。
また、頸部支持部材10の中心部には、正面から見て矩形状の空間14が形成されている。この空間14により、上枠部分11を下方向へ湾曲し易くすると共に、側枠部分13を内側へ湾曲し易くしている。その結果、頸部からの押圧力に応じて、上枠部分11や側枠部分13を容易に変形させることができる。
次に、ベルト部材20について説明する。図1に示すように、ベルト部材20は、ベルト本体21と、ベルト本体21の両端に取り付けられたクリップ22とを有している。そして、ベルト本体21における長手方向の中間位置には、頸部支持部材10が取り付けられている。また、ベルト本体21は、主ベルト23、アジャスター24、留め具25、及び、副ベルト26を有している。
主ベルト23は、伸縮性を有する伸縮素材や合成繊維製の生地で作製される。なお、本実施形態では伸縮素材の一種であるゴムバンドで作製されている。そして、主ベルト23の幅は30〜50mm、長さは1500〜2000mmであり、長手方向の中間位置に頸部支持部材10が取り付けられている。主ベルト23における一端側と他端側はそれぞれ折り返されており、折り返し位置にはアジャスター24が取り付けられている。そして、折り返し部分23aの長さを調節することで、頸部支持部材10からアジャスター24までの長さを作業者の体格に適合させることができる。留め具25は、ベルト本体21の途中に取り付けられており、折り返し部分23aを固定する。
副ベルト26は、アジャスター24とクリップ22とを連結するベルト状部材である。この副ベルト26もまた伸縮性を有する伸縮素材や合成繊維製の生地で作製されており、その幅は30〜50mm、長さは100〜200mmである。クリップ22は、作業者が装着する安全帯Y(図3参照)や腰ベルト(図示せず)を挟み込み、ベルト本体21を安全帯Yや腰ベルトに固定するものである。
次に、上記構成を有する作業サポート装置1の使用方法について説明する。図3(a),(b)に示すように、作業サポート装置1を作業者Xに装着するには、頸部支持部材10を作業者Xの頸部Nに後方からあてがった状態で、ベルト本体21の両端部分を作業者Xの肩越しに前方へ導く。そして、作業者Xの前面側で各クリップ22を安全帯Yに挟み込んだ後、折り返し部分23aの長さを調整することで、ベルト本体21の弛みをとる。この状態では、ベルト部材20のテンションによって、頸部支持部材10が頸部の後方近傍に軽く固定される。
図4は、作業サポート装置1を装着した作業者Xが、上向き姿勢をとった様子を説明する図である。同図に示すように、上向き姿勢をとることで、作業者Xの上半身が後方に傾倒され、頸部Nが後屈される。これにより、頸部支持部材10の上枠部分11が頸部Nや後頭部に倣って湾曲される。
順を追って説明すると、後屈初期では、作業者Xの後頭部が上枠部分11を上方から押下する。これにより、ベルト部材20(ベルト本体21)にテンションが掛かり、頭部が頸部支持部材10に支えられる。本実施形態では、ベルト本体21の主ベルト23にゴムベルトを用いているので、伸びた主ベルト23の反発力によっても頭部の荷重が支えられる。さらに、頭部の荷重を頸部支持部材10に預けると、主ベルト23が伸びきった状態になるとともに、頸部支持部材10に対して縦の圧縮力(上枠部分11を下枠部分12へ近付ける方向の力)が付与される。この圧縮力とベルト部材20の張力によって頸部Nが支持される。
ここで、前述したように、上枠部分11の上面は湾曲凹形状となっており、頸部支持部材10の中心部分には空間14が形成されている。このため、頸部Nの後屈に伴って、上枠部分11が空間14側に湾曲されると共に、側枠部分13の上部が内側に湾曲される。その結果、頸部支持部材10に頭部の荷重を預けても、頸部Nに過度な負担が掛かり難くなる。
また、作業者Xの前面側に配置されたベルト部材20を介して頸部支持部材10と安全帯Yとが連結されているため、上向き作業時における頸部Nからの荷重は、ベルト部材20と安全帯Yを介して作業者Xの腰部に伝達される。その結果、上向き作業時における頸部Nからの荷重を腰部に分散でき、上向き作業時における頸部Nへの負担を更に軽減できる。
次に、頸部Nに対する負担軽減効果を確認する確認試験について説明する。この確認試験では1人の被験者に対し、首(頸部N)の後屈角度を変化させながら胸鎖乳突筋の活動量を測定した。具体的には、胸鎖乳突筋の位置に複数の電極を貼付し、電極の電位(表面筋電位)を記録した。筋電位の記録には、S&ME社製の製品名BioLogを用いた。
図5に示すように、首の後屈角度は0°〜40°の5水準とした。この後屈角度は傾斜計で測定した。そして、筋電位の大きさを0〜60[%MVC]の筋活動量で整理した。なお、筋活動量とは、胸鎖乳突筋の活動状態を示す指標であり、測定された表面筋電位の大きさを示す。この確認試験では、活動状態が最も低い状態を0%MVCとし、最も高い状態を60%MVCとした。従って、数値が高くなるほど頸部Nへの負担が大きいといえる。また、測定は、作業サポート装置1の未装着状態と装着状態のそれぞれで行った。
試験結果について説明する。図5において、未装着状態の筋活動量を白色の正方形で示し、装着状態の筋活動量を黒色の菱形で示した。未装着状態の筋活動量は、角度0°で7.1%MVC、角度10°で24.5%MVC、角度20°で48.0%MVC、角度30°で42.9%MVC、角度40°で51.9%MVCであった。一方、装着状態の筋活動量は、角度0°で7.9%MVC、角度10°で35.5%MVC、角度20°で29.5%MVC、角度30°で41.3%MVC、角度40°で32.5%MVCであった。
装着状態において、後屈角度10°では未装着状態よりも筋活動量の数値が大きかったものの、後屈角度20°以上では未装着状態よりも筋活動量の数値が小さくなることが確認できた。具体的には、後屈角度20°以上における筋活動量の数値は29.5〜41.3%MVCの範囲内であり、未装着状態の数値範囲(42.9〜51.9%MVC)よりも十分に小さいことが確認できた。
また、未装着状態では、後屈角度が大きくなる程に筋活動量が上昇する傾向が確認された。これに対し、装着状態では、後屈角度10°以上において、筋活動量が一定範囲内(概ね30〜40%MVC)に収まる傾向が確認された。
この測定結果より、頸部Nからの荷重が作業サポート装置1や安全帯Yを介して腰部に分散され、頸部Nの負担が軽減されることが裏付けられた。
以上の説明から明らかなように、第1実施形態の作業サポート装置1では、頸部支持部材10(第1支持部材)とベルト部材20(第2支持部材)からなる簡単な構成で、装置を構成できる。そして、上向き作業時における頸部Nからの荷重は、作業者Xの前面側に配置されたベルト部材20を介して作業者Xの腰部に伝達されるので、作業者Xの荷重を腰部に分散でき、上向き作業時における頸部Nへの負担を軽減できる。加えて、頸部支持部材10は、頸部Nからの押圧力に応じて変形するので、この点でも頸部Nへの負担を軽減できる。
また、頸部支持部材10が枠体状の発泡ポリエチレン(弾性素材)で作製されているので、頸部Nや後頭部からの押圧力に応じて容易に変形させることができ、軽量化が容易である。加えて、発泡素材であることから、寒冷地で用いたとしても弾性が損なわれ難い。
また、ベルト部材20の端部にはクリップ22が設けられており、作業者Xの腰部に装着された安全帯Yと頸部支持部材10とをベルト部材20で接続しているので、作業者Xが通常装着している安全帯Yを介して頭部の荷重を腰部に伝達でき、構成の一層の簡素化が図れる。
さらに、主ベルト23や副ベルト26をゴムバンド等の伸縮素材で作製すると、頸部Nの後屈度合いに応じて、頸部支持部材10の変形に先立ってこれらのベルト23,26を伸長させることができる。これにより、頭部の荷重を段階的に支持できる。また、作業性を損なわずにベルト部材20の弛みをなくすこともできる。
次に、第2実施形態の作業サポート装置2(図7,図8を参照)について説明する。第2実施形態の作業サポート装置2は、第2支持部材が作業者Xに着用される上着40で構成されている点、及び、頸部支持部材30(第1支持部材)が上着40(第2支持部材)に対して着脱可能に構成されている点が、第1実施形態の作業サポート装置1と大きく異なっている。以下、これらの相違点を中心に説明を行う。
まず、頸部支持部材30について説明する。図6(a)に示すように、第2実施形態の頸部支持部材30は、上枠部分31、下枠部分32、側枠部分33、及び、取付用突起34を備えている。これらのうち、上枠部分31及び側枠部分33は、第1実施形態の上枠部分11及び側枠部分13と同様に構成されている。すなわち、上枠部分31は、頸部支持部材30の上部に横方向へ配置され、長手方向の中央部が最も薄肉となるように上面が湾曲凹形状とされている。また、側枠部分33は、上枠部分31と下枠部分32の端部同士を連結する角柱状の棒状部分である。
一方、下枠部分32は、正面から見て略V字状に屈曲されている。すなわち、長手方向中心部から斜め上方に向けて形成され、それぞれの先端が側枠部分33の下端に接合されている。また、図6(b)の側面図に示すように、下枠部分32は、下方に向けて次第に厚みを増している。取付用突起34は、下枠部分32における長手方向の中央部から下向きに突設された角柱状の部分であり、頸部支持部材30を上着40へ取り付ける際に用いられる。このように、取付用突起34を十分に太い柱状に構成することで、頭部の荷重を確実に上着40へ伝達できる。
次に、上着40について説明する。ここで、図7は、頸部支持部材30を後身頃42の背面側に取り付けるとともに、前身頃41を左右に開いた状態の上着40を説明する図である。図8(a)は、頸部支持部材30及び前身頃41を閉じた状態の上着40の正面図であり、図8(b)は同じく背面図である。
図7に示す上着40は、前合わせのベストとして構成されている。すなわち、襟や袖を有さず、前身頃41が左右に分割された形態とされている。そして、右前身頃41Rと左前身頃41Lの合わせ部分43には、フックやボタンファスナー等の止め具43aが設けられている。
この止め具43aは、胴回り方向に複数列(図7では3列)設けられており、上着40における胴回りや腰回りを収縮させた状態で固定するための部材である。すなわち、この止め具43aにより、図8(a)に示す前身頃41を閉じた状態において、胴回りや腰回りの寸法を調整することができる。これは、上着40における胴回りや腰回りの部分を作業者の腹部や腰部に巻き付けて固定することで、上向き作業時における頸部からの荷重を、作業者の腹部や腰部に伝達するためである(後述する)。
また、図8(b)に示すように、後身頃42の上部には、突起固定部44が設けられている。この突起固定部44は、頸部支持部材30の取付用突起34が固定される部分であり、本実施形態では上面が開放されたポケット形状に構成されている。なお、取付用突起34のぐらつきを防止するため、突起固定部44によって形成される収納空間は、取付用突起34が丁度収納される形状とされる。
次に、上記構成を有する作業サポート装置2の使用方法について説明する。図9(a),(b)に示すように、本実施形態の作業サポート装置2は、頸部支持部材30を取り付けた上着40を着用するだけでよい。なお、上着40の着用に際しては、上着40の下側半部を作業者Xの腹部や腰部に隙間なく巻き付けた状態で、前身頃41の止め具43aを固定する。
本実施形態でも、作業サポート装置2を装着した作業者Xが上向き姿勢になると、頸部Nが後屈されて上枠部分31が頸部Nに倣って湾曲されると共に、側枠部分33の上部が内側に湾曲される。これにより、頸部支持部材30に作業者Xの荷重を預けても、頸部Nに過度な負担が掛かり難くなる。
頸部支持部材30に頭部の荷重を預けると、突起固定部44を介して後身頃42の上部には、図9(a),(b)に符号Dで示す下向きの力が作用する。ここで、後身頃42と前身頃41は肩山で接合されているため、前身頃41には、図9(b)に符号Uで示す上向きの引っ張り力が作用する。そして、上着40の下側半部が作業者Xの腹部や腰部に巻き付けられていることから、前身頃41の上方への移動は、上着40の下側半部と作業者Xの腹部等との摩擦によって阻止される。すなわち、頸部支持部材30への荷重が、上着40の前身頃41及び下側半部を介して作業者Xの腹部等に伝達される。その結果、上向き作業時における頸部Nからの荷重を腹部等に分散でき、上向き作業時における頸部Nへの負担を軽減できる。
以上の説明から明らかなように、第2実施形態の作業サポート装置2は、頸部支持部材30(第1支持部材)と上着40(第2支持部材)とから構成されているので構成が簡素である。また、上着40に関しては、市販の作業用ベストに突起固定部44や止め具43aを取り付ける程度の軽微な改造で作製することもできる。
以上の実施形態の説明は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に本発明にはその等価物が含まれる。例えば、次のように構成してもよい。
頸部支持部材10,30に関し、前述の各実施形態では、枠体状の弾性素材(発泡倍率が20〜40倍の発泡ポリエチレン)を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、弾性素材を低反発性の発泡ウレタンで作製してもよいし、エアークッションで作製してもよい。また、カーボンプレート(炭素繊維で作製された薄板)を発泡ポリエチレンの表面に貼り付けた複合材料で作製してもよいし、カーボンプレートを複数枚接着した板状部材で作製してもよい。加えて、頸部支持部材10,30の形状は枠体状に限られず、枕状としてもよい。
また、図10に示すように、第1実施形態のベルト部材20と第2実施形態の頸部支持部材30を組み合わせてもよい。この変形例では、上部が開放された袋状の突起固定部60をベルト部材20に取り付け、頸部支持部材30の取付用突起34を突起固定部60に収納する。
また、第2実施形態における上着40に関し、突起固定部44は袋状に限られない。例えばバンド状部材で構成してもよい。また、止め具43aに関しても、フックやボタンファスナーに限られない。面ファスナーであってもよいし、バックル付きのベルトであってもよい。
1…第1実施形態の作業サポート装置,2…第2実施形態の作業サポート装置,10…頸部支持部材(第1支持部材),11…上枠部分,12…下枠部分,13…側枠部分,14…空間,20…ベルト部材(第2支持部材),21…ベルト本体,22…クリップ,23…主ベルト,23a…折り返し部分,24…アジャスター,25…留め具,26…副ベルト,30…頸部支持部材(第1支持部材),31…上枠部分,32…下枠部分,33…側枠部分,34…取付用突起,40…上着(第2支持部材),41…前身頃,41R…右前身頃,41L…左前身頃,42…後身頃,43…右前身頃と左前身頃の合わせ部分,43a…止め具,44…突起固定部,X…作業者,Y…安全帯,N…作業者の頸部

Claims (4)

  1. 作業者に装着され、前記作業者の上半身が後方に傾倒された上向き姿勢での作業負担を軽減する作業サポート装置であって、
    前記作業者の頸部を後方から支持するとともに、前記頸部からの押圧力に応じて変形する第1支持部材と、
    前記第1支持部材が取り付けられるとともに、前記作業者の前面側を通って腰部又は腹部の少なくとも一方で固定され、前記頸部支持部への荷重を前記腰部又は前記腹部の少なくとも一方へ伝達する第2支持部材と、
    を有し、
    前記第1支持部材は、上枠部分、下枠部分、及び前記上枠部分と前記下枠部分を連結する一対の側枠部分を備える枠体状の弾性素材で作製されることを特徴とする作業サポート装置。
  2. 前記上枠部分は、その中央が最も薄肉となるように、当該上枠部分の上面が湾曲凹形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の作業サポート装置。
  3. 前記第2支持部材は、前記第1支持部材と前記腰部に装着された安全帯とを接続するベルト部材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業サポート装置。
  4. 作業者に装着され、前記作業者の上半身が後方に傾倒された上向き姿勢での作業負担を軽減する作業サポート装置であって、
    前記作業者の頸部を後方から支持するとともに、前記頸部からの押圧力に応じて変形する第1支持部材と、
    前記第1支持部材が取り付けられるとともに、前記作業者の前面側を通って腰部又は腹部の少なくとも一方で固定され、前記頸部支持部への荷重を前記腰部又は前記腹部の少なくとも一方へ伝達する第2支持部材と、
    を有し、
    前記第1支持部材には、取付用突起が下向きに突設され、
    前記第2支持部材は、前記作業者に着用される上着であって、胴回り又は腰回りを収縮させた状態で固定する止め具と、後身頃上部に設けられ、前記取付用突起が固定される突起固定部とを有することを特徴とする作業サポート装置。
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