JP6324659B2 - 水素水製造装置及び水素水の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素水製造装置及び水素水の製造方法に係り、より詳しくは、水の電気分解と化学反応を利用した水素水製造装置及び水素水の製造方法に関する。
健康志向が高まる中、水素を溶存させた水の製造装置が水素水や還元水製造装置として市販されている。水素水は体内に取り込むとその還元力により、体内の活性酸素を消滅させ、アンチエイジング効果があるといわれている。
水素水は、飲料水、アルコール飲料、清涼飲料、果実飲料、乳清飲料などの主成分、又は点滴液その他の注射液として用いられている。さらに、飲料水や注射液以外にも、農薬や農業用資材、洗浄剤等に用いられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。
最近では、ガン治療を目的に高濃度に水素を溶存させた高濃度水素水の効果が検討されている。水素水を治療目的で使用するためには、極限まで水中の水素濃度を高める必要がある。
水素水の製造方法は、電気分解による水素発生方法が主流であるが、水に水素ガスを吹き込む方法や、電気分解と還元剤による化学反応を組合せる方法も試みられている。しかしながら、水素ガスを水に吹き込む方法では高濃度に水素を水中に溶存させることができない。また、還元剤による化学反応にも顕著な効果はみられていない(例えば、特許文献3参照)。
また、電気分解による方法では、電解質を使用しなければならず、また、反応が進行するにつれ、酸化還元電位(ORP)が低下するが、これと共にpHの上昇がみられ、飲料又は医薬用途には適さないものになってしまう問題がある。
特許文献1によると、pH9.5以下に保つことができる水素水の酸化還元電位は−150mVと計算されており、それ以上の水素を含み酸化還元電位が−150mV以下となると、pHが9.5以上となる。このため、従来の電気分解により水素水を得る方法では、許容できるpHの範囲で電気分解を行うか、限界まで酸化還元電位を下げた後、酸によりpHを調整する必要があった。
さらに、従来の電気分解による水素水の製造方法では、製造できる水素水の酸化還元電位に限界があり、例えば、特許文献3の実施例では、電気分解による水素水の酸化還元電位の最も低い値は−850mVであった。
さらに、水素水を巡る問題点として、輸送の問題がある。
水素はあらゆる物質の中で最も小さい分子であるため、殆ど全ての物質の中に入り込み、通り抜けることができる。このため、水素水を長期間保存することは困難である。特に、水素水に振動を与えると、溶存していた水素が気体となって水から脱去する。このため、輸送することができず水素水を運搬することは困難であった。
特開2000−79391号公報 特開平11−169856号公報 特開平9−168783号公報 特開2009−041086号公報
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、酸化還元電位が−1,000mV以下の水素水を提供する水素水製造装置及び水素水の製造方法を提供することにある。
また他の目的とするところは、水素水を連続して製造でき、さらに酸化還元電位を下げることができる水素水製造装置及び水素水の製造方法を提供することにある。
さらに他の目的とするところは、水素水の運搬を可能にする水素水の製造装置及び水素水製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明の水素水製造装置は、水を入れた容器の中に、陽極電極と陰極電極を予め定められた距離で互いに対向させて設置し、直流電圧を印加することにより水素水を製造する水素水製造装置において、陽極電極は、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなり、陰極電極は、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなることを特徴とする。
本発明の水素水製造装置は、陽極電極と陰極電極を対峙させて設置した水素発生電解槽を備え、水素発生電解槽には、水を導入する導入口と、水素水を導出する導出口と、水から放散された気体を大気に中に放出する通気孔と、が設けられたことを特徴とする。
水素発生電解槽は、炭酸ガスをバブリングする炭酸ガス給気管をさらに備えたことが好ましい。
炭酸ガス給気管には電磁弁が付設されたことが好ましい。
通気孔は、予め定められた圧力以上で稼働する圧力弁であることが好ましい。
水素水製造装置において、直流電圧を印加する機器がボタン型電池であって、陽極電極と陰極電極は、それぞれの一端部においてボタン型電池を挟持してボタン型電池の陽極及び陰極にそれぞれ接続し、それぞれの他端部はボタン型電池の直径の1〜10倍の長さに延長されて互いに平行に対向して配置されたことを特徴とする。
ボタン型電池を挟持する陽極電極と陰極電極のそれぞれの一端部とボタン型電池は、一体に防水加工が施されたことが好ましい。
本発明の水素水の製造方法は、水を入れた容器内に、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなる陽極電極と、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極と、を対峙させて設置し、陽極電極及び陰極電極に直流電圧を印加することにより水素水を製造することを特徴とする。
本発明の水素水製造装置は、以下に示す効果を呈する。
本発明によれば、水素水製造装置は、簡単な装置でありながら、従来にない酸化還元電位の低い水素水を製造ことができる。
本発明によれば、水素製造装置では、電解質を用いないため、飲料水、医薬用途に好ましく使用することができる。
本発明の流水式水素水製造装置は、酸化還元電位の低い水素水を連続して大量に製造することができる。
また、本発明の流水式水素水製造装置は、炭酸ガスの間欠的な吹き込みにより、さらに酸化還元電位の低い水素水を提供でき、かつ、pHを中性に近づけることができる。
本発明の水素水保存用水素水製造装置は、従来不可能であった水素水の運搬を可能にする効果を奏する。
本発明の第1の実施形態であるポット型水素水製造装置の概略図である。 本発明の第2の実施形態である流水式水素水製造装置の概略図である。 本発明の第3の実施形態である水素水保存用水素水製造装置の概略図である。 本発明の実施例1でみられた酸化還元電位(ORP)の変化を示すグラフである。 本発明の実施例1でみられたpHの変化を示すグラフである。 本発明の実施例1でみられたマグネシウム濃度の変化を示すグラフである。
本発明は、水素水製造装置及び水素水の製造方法に関するものである。本発明の水素水製造装置は、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなる陽極電極と、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極と、を水中において対峙させて設置し、陽極電極と陰極電極に直流電圧を印加することにより水素水を製造するものである。
本発明の水素水製造装置の陽極電極は、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなる。陽極電極が含有するマグネシウムの量は80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
マグネシウムと合金を造る金属としては、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)が代表的なものであるが、スズ(Sn)、鉛(Pb)等の両性金属、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等アルカリ土類金属を含むものでもよい。
本発明では、マグネシウムを50重量%以上含むものであれば、水素水製造装置の陽極電極として使用することができる。マグネシウムが50重量%以下になると、反応が遅くなり、水素水製造に時間がかかり、十分な量の水素が溶解した水素水が製造できない恐れがある。
水素水製造装置の陽極電極に使用されるマグネシウム合金としては、例えば、マグネシウムが96重量%、アルミニウムが3重量%、亜鉛が1重量%で構成されたAZ31合金、及びマグネシウムが90重量%、アルミニウムが9重量%、亜鉛が1重量%で構成されたAZ91合金が入手のし易さの面及び加工のしやすさの面から好ましく利用できる。AZ31合金は比較的組成加工がしやすいため、圧延加工又は押出加工した板材料から、電極を打抜き又は切出して作ることができ、容易に製造することができる。また、AZ91合金は溶融加工しやすいため、ダイカスト又は射出成形で電極を製造することができる。
本発明の水素水製造装置に用いる陰極電極は、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる。
マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極としては、クロム(Cr)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ビスマス (Bi)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金 (Au)があるが、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、銀(Ag)、白金(Pt)の金属またはこれらの合金、更にはこれら金属をメッキしたものを好ましく利用できる。中でも、銅板及びステンレススチ−ル板を経済的理由から、また、白金をメッキしたチタンを性能の良さから好ましく利用できる。さらにメンテナンスが簡単であるという面から、ステンレススチ−ル板をより好ましく利用できる。
本発明の水素水製造装置は、上記の陽極電極と陰極電極を水中に設置して、直流電圧を印加することにより、水素を発生させ、これを水に溶存させることにより水素水を製造するものである。
本発明の陽極電極及び陰極電極の形状は板状、角柱状、円柱状等のいずれの形状のものも使用できるが、表面積の大きい板状の電極が効率がよい。その大きさは水を入れる容器の大きさと形状によるが、1L容の縦長円筒形状容器で、長さ100〜200mm×幅10〜50mm×厚さ0.1〜5mm程度である。
陽極電極及び陰極電極は面と面が対向するように設置されることが好ましく、互いの間隔は、2mm〜100mm程度である。2mm以下では、陽極電極の消耗に伴い陽極電極が変形して陰極電極に接してショートを起こする恐れがある。また、100mmを超えると、電気が伝わりにくくなるため、効率が悪くなる。
本発明の水素水製造装置は、陽極電極と陰極電極とに、直流電圧を印加して、水素を発生させるものである。直流電圧としては、マンガン電池等の一次電池、車両のバッテリー等の二次電池、燃料電池等を使用することができるが、利用しやすい電源としては、家庭用交流電源を、AC−DCコンバータで直流電源に変換することである。
無論、工業用の直流電源や交流電源も好ましく利用することができる。
本発明で使用される直流電源の電圧は1V〜50V程度である。
本発明の水素水製造装置は、10〜30℃の常温で使用されることを基本とする。外気温が低下し装置の温度が10℃以下になると水素の生成速度が遅くなり、水素水を製造するのに時間がかかる。装置の温度が上昇すると、水素の生成速度は速くなるものの、溶存水素の脱去も早くなるため、陽極電極の消耗が激しくなる恐れがある。
本発明と通常の水の電気分解に取る水素水製造との違いは、1)陽極電極に金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金を使用すること。2)通常の水電気分解に必要な電解質を必要としないこと。また、3)陽極極周囲の電解液と陰極電極周囲の電解液が自由に混じり合うことを妨害する隔膜を有さないことにある。
本発明の水素水製造装置には、通常の水電気分解に必要な電解質を必要とせず、真水が使用される。本発明の水素水製造装置に使用される真水は、例えば、水道水、井戸水、河川水、蒸留水、脱イオン水、純粋または浄化フルターを通した精製水、さらに硬水、軟水などが例示され、これらはそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。中でも、医薬用途、飲料に適するとの観点から、純水、蒸留水、及び精製水からなる群から選択される少なくとも1種以上の水を用いることが好ましい。
勿論、電解質を含む水溶液でも水素水の製造は可能である。しかしながら、電解質を使用すると、本発明が到達する酸化還元電位よりも高い電位で反応が止まる恐れがある。また、使用される電解質の種類によっては製造された水素水が飲料等の用途に適さないものがある。
電気分解に使用される電解質については、広く知られているので、ここでの例示は避けるが、特許文献1〜4にもその一部が記載されている。
以下に本発明の水素水製造のメカニズムについて詳細に説明する。
本発明の水素水発生装置は、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなる陽極電極と、マグネシウムよりイオン化傾向が小さい金属でなる陰極電極とを有する。説明を簡素化するために、陽極を金属マグネシウム、陰極をステンレスとする。電極を浸漬する液体は真水であり、電解質等は添加されていない。
通常、真水を電気分解するためには、高電圧を印加する必要があるが、本願では、真水を電気分解するために必要な電圧の1/10以下の電圧しか印加しない。従って、印加当初には水の電気分解は起こらない。
本願発明で陽極電極及び陰極電極に印加される電圧は1V〜50V程度であり、主に、1.5〜20Vの直流電圧が使用される。
本発明の第1の反応は陽極のマグネシウムと水との化学反応である。通常、粉末状以外のマグネシウムは常温では水と反応しない。しかしながら、直流電圧を印加すると陽極電極周囲の水が励起され、マグネシウムと反応して水素を発生する。マグネシウムは水酸化マグネシウムに変化する。化学式を〔化1〕に示した。さらに、水酸化マグネシウムの解離の様子を〔化2〕に示した。
Figure 0006324659
Figure 0006324659
水素の一部は水に溶解して水素水となり、一部は気体となって大気中に放出される。水酸化マグネシウムは、マグネシウムイオン(Mg2+)及び水酸化物イオン(OH)として水中に溶解し、通常の水電気分解で使用される電解質の役目を果たす。
本発明の第2の反応は、水の電気分解である。水酸化マグネシウムを電解質として、陰極電極では、電子を受けた水が水素と水酸化物イオンに変化し、陽極電極では水酸化物イオンが電子を渡して酸素と水に変化する。陰極電極における電気分解反応を〔化3〕に、また、陽極電極における電気分解反応を〔化4〕に示した。
陰極電極:
Figure 0006324659
陽極電極:
Figure 0006324659
このとき、陽極電極においては本発明の第1の反応であるマグネシウムと水との反応〔化1〕が同時に進行して水素が発生する。
化学反応によって生成したマグネシウムイオン(Mg2+)は陰極電極に移動する。陰極電極に移動したマグネシウムイオン(Mg2+)は、陰極電極より電子を受け取り金属マグネシウム(Mg)に回生する。金属マグネシウムの回生反応を〔化5〕に示した。
Figure 0006324659
本発明の第3の反応は陰極電極で回生したマグネシウムと水との化学反応である。陰極電極で回生したマグネシウムはマグネシウムイオンから変化したものであるため極めて粒子径が細かいコロイド状粒子である。このため、コロイド状のマグネシウムと水との反応で生成する水素も分子レベルである。このため、通常の気液混合による水素の水溶解に比べ極めて水に溶けやすい状態である、このため、水素水の水素濃度を高くすることができ、酸化還元電位が−1000mV以下の水素水を容易に得ることができる。
上記のとおり本発明の水素水発生装置は、第2の反応である水の電気分解と第1、第3の反応であるマグネシウムと水との化学反応を同時に進行させるハイブリッド方式である。このため、陽極電極のマグネシウムは消費され、一定時間稼動後に陽極電極を交換する必要がある。
マグネシウムと水が反応してできる水酸化マグネシウム(Mg(OH))の水溶液は弱い塩基性を呈する。水酸化マグネシウムの飽和水溶液のpHは10.5程度であり、飲料として飲むこともできる範囲にあるが、本発明の水素水発生装置で製造した水素水は酸の添加によって中和することができる。
本発明の水素水発生装置で製造した水素水を中和する酸としては、炭酸、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸、酢酸、酪酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸等の有機酸を例示することができる。中でも、炭酸、塩酸、酢酸、クエン酸、アスコルビン酸を好ましく使用することができる。
炭酸は、炭酸ガスを吹込むことにより、水酸化マグネシウム(Mg(OH))を炭酸マグネシウム(MgCO)に変換して、水素水のpHを中性付近に調整することができる。炭酸ガスと水酸化マグネシウムに反応式を〔化6〕に示した。
Figure 0006324659
また、炭酸ガスを吹込むことにより、水素水中に溶解していた酸素を放散させることができるため、水素水中の水素濃度を高めることができる。
炭酸ガスを吹込むとき、水素水中に溶解していた水素も酸素と共に放散するが、水素は上記の反応で補充されるため、結果として水素水中の水素濃度を高めることができる。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
本発明は3つの実施の形態よりなる。第1の実施の形態は、ポット型水素水製造装置であり、第2の実施の形態は、流水式水素水製造装置であり、第3の実施の形態は、水素水保存用水素水製造装置である。
3つの実施の形態は、共に、マグネシウムを含む陽極電極とマグネシウムより酸化還元電位の高い陰極電極に真水の中で直流電圧を印加して水素水を製造するものである。
本発明の第1の実施の形態について、実施例を基に詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態であるポット型水素水製造装置の概略図である。
ポット型水素水製造装置は、静置した状態で一定量の水を水素水に変換する装置である。
第1の実施の形態のポット型水素水製造装置は、金属マグネシウム又はマグネシウム合金からなる陽極電極1と、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極2と、からなり、水と共に陽極電極1及び陰極電極2を対峙させて収容するポット型容器10と、ポット型容器の上部を覆い、かつ、陽極及び陰極電極に印加する配線が設置されたポット型容器蓋部12と、ポット型容器蓋部に設けられ、水から放出される酸素及び水素を大気に中に放出する通気孔14からなる。
ポット型容器10に特に制限はなく、一定量の水を収容し、水中に2つの電極1,2を対峙させて収容できるものであれば、形状、大きさ、材質は問わない。但し、製造した水素水を数日間保存する予定の場合には、比較的水素が透過しにくい材質、例えばガラスやステンレススチール、又はアルミニウムコーティングしたプラスチック材質等の容器で、かつ密閉が可能なものが好ましい。
ポット型容器蓋部12にはAC−DCアダプターと連結されるコネクタが備えられ、コネクタからの配線は陽極電極1及び陰極電極2に結合される。AC−DCアダプターは家庭用交流電源を利用して陽極電極1及び陰極電極2に直流電圧を印加して水素水を製造することができる。印加する電圧は処理する水の量により、3ボルトから20ボルトの範囲で選択することができる。一方処理する水の量500mLから10Lの範囲で選択することができる。通常、処理する水の量が2Lの装置で陽極及び陰極電極に印加される電圧は6〜12ボルトである。
1000mL容の縦長円筒形の容器をポット型容器とした場合には、120mm(長さ)×40mm(幅)程度の陽極電極1及び陰極電極2を使用し、互いに5cm程度の間隔をおいて面と面が対向するように対峙させて固定された。
水を2つの電極が完全に埋没するまで注入し、室温(20℃)で12V程度の直流電圧を陽極電極1及び陰極電極2に印加した。
第1の実施の形態を使用して水素水を製造する方法は、ポット型容器10に水を入れ、ポット型容器蓋部12と配線で接続された陽極電極1及び陰極電極2を対峙させて水中に設置する。ポット型容器蓋部に設置されたコネクタにAC−DCアダプターをプラグインし、AC−DCアダプターは家庭用電源に接続すると、水素の発生が始まり、数分〜数十分で酸化還元電位(ORP)が−1000mV以下の水素水を得ることができる。
〔実施例1〕
本発明の実施の形態について、実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1は、ポット型水素水製造装置である。
陽極電極1は、マグネシウムが96重量%、アルミニウムが3重量%、亜鉛が1条量%からなるマグネシウム合金AZ31(神島化学工業(株)製)の板状材料より、120mm(長さ)×40mm(幅)×4mm(厚さ)の電極を切り出して陽極電極とし、その一端に電線(被服銅線)を接続した。
陰極電極2は、ステンレススチールの板状材料((株)モノタロ製、ステンレス厚板)より、120mm(長さ)×40mm(幅)×3mm(厚さ)の電極を切り出して陰極電極とし、その一端に電線(被服銅線)を接続した。
一端に陽極電極1を結合した銅線と、一端に陰極電極2を結合した電線とはそれぞれの他端をポット型容器蓋部12において、コネクタに連結し、AC−DCアダプターと結合できるように細工をした。
ポット型容器蓋部12には水素水から放散された酸素及び水素を大気中に放出する通気孔14がポット型容器蓋部12を貫通して儲けられた。
ポット型容器10{1000mL容、ガラス製(ハリオ社製:水出し珈琲ポット)}の内部に陽極電極1と、陰極電極2とを5cmの間隔で対向させて設置し、容器内を、浄水器通して浄化した水道水(精製水)の1000mLで満たした。
AC−DCアダプター{定格出力12V、入力電圧100V(サンワサプライ(株)製、型番:ACA−65SLMT12)}をコネクタに差し込み、陽極及び陰極電極に印加した。
一定時間毎に、水素水の酸化還元電位とpHとマグネシウム濃度を測定した。酸化還元電位とpHの測定には(株)堀場製作所製pHメータD−13及びpH測定センサN0.6350−10Dを使用した。マグネシウム濃度の測定は水素水に発色試薬(メタロジェニック社製、メタロアッセイマグネシウム測定LS−MP)を加えた後、発色した紫色を分光光度計(松定プレシジェン(株)製、マイクロスペクトロ4000)で測定した。
図4〜6は、本発明の実施例1でみられた酸化還元電位(ORP)、pH及びマグネシウム濃度の変化を示すグラフである。
図4に示したとおり、容器を静置した状態で10分間通電したところ、+300mVであった水の酸化還元電位(ORP)が−900mVに達し、35分後には−1500mVとなり、60分後には−1700mVに達した。 一方、pHは図5に示したとおり、当初6.8であったが、40分後には9.0となり、60分後には9.5となった。
図6に示したとおり、水素水中のマグネシウム濃度は、反応開始前が1.83ppmであり、20分後は18ppmとなり、60分後は40ppmとなった。
図2は本発明の第2の実施の形態である流水式水素水製造装置の概略図である。
第2の実施の形態の流水式水素水製造装置は、金属マグネシウム又はマグネシウム合金からなる陽極電極1と、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極2と、を水素水発生電解槽20内に対峙させて収容し、水素水発生電解槽20に浄化フィルター30を通過した水道水(精製水)を流入させることにより、連続的に水素水を製造するものである。
水素水発生電解槽20には浄化フィルター30を通過した水を流入させる導入口90と水素水を取り出すための導出口40と、水から放散された気体(ガス)を一定の圧力以上で大気に中に放出する通気孔14が設けられる。
さらに、水素水発生電解槽20には炭酸ガス給気管60が設けられ、炭酸ガスを水素水中にバブリングすることにより、水素水中に溶存する酸素を脱去する。炭酸ガスは、炭酸ガスボンベ70より供給され、炭酸ガス給気管60に設けられた電磁弁80によって制御される。
水素水発生電解槽20は、内部に2つの電極を一定の間隔で対峙させて収容し、内部を水が通過できる構造のものであれば、形状、大きさ、形状に特に制限はないが、マグネシウムを含む陽極電極が消耗品であるのため交換が必要である。電極の交換を容易にするために、水素水発生電解槽20は、分解及び組み立てができる構造のものが好ましい。また、水素水発生電解槽20は、内部を精製水が通過するため、水道水の水圧に耐え、漏れのない構造のものが要求される。このため、水素水発生電解槽20は、例えば、ステンレススチール製の有底円筒形状で、底部を接地して備えられ、底部付近より精製水が流入する構造の電解槽本体と、電解槽本体22の開放部に密着し、電解槽本体の上部を覆う蓋部24とからなり、精製水が流入する底部付近には炭酸ガスを吹き込む炭酸ガス給気管60がさらに設けられた。電解槽本体と蓋部との接合には、パッキン等の密閉手段を用いることができる。
電解槽蓋部24には水素水を取り出すための導出口40と、水から放散された酸素、水素及び炭酸ガスを放出する通気孔14が設けられ、通気孔14には一定の圧力以上で弁が開放される安全弁50が設けられる。
導出口40は水素水が流出してくるものであれば、特に制限はなく、家庭用の水道蛇口に使用されるものが好ましく使用できる。
安全弁50は、水素水発生電解槽20内で発生し、気体となって系外に放散された水素、酸素及び吹き込んだ炭酸ガスの余剰分を大気中に放散させるための通気孔14に設けられた弁であり、一定の圧力以上となったときに開放される市販の圧力弁が好ましく使用できる。
電解槽蓋部24にはAC−DCアダプターと連結されるコネクタが備えられ、コネクタからの配線は陽極電極1及び陰極電極2に結合された。AC−DCアダプターは家庭用交流電源を利用して陽極電極1及び陰極電極2に直流電圧を印加して水素水を製造することができる。印加する電圧は水素水発生電解槽20の容量により、また、水素水発生電解槽20内を流れる精製水の流速により6ボルトから20ボルトの範囲で選択することができる。一方水素水発生電解槽20の容量は500mLから5Lの範囲で選択することができる。通常、処理する水の量が1Lの装置で陽極及び陰極電極に印加される電圧は19ボルト程度である。
水道管に接続され、水素水発生電解槽20に精製水を提供する浄化フィルター30は、一般に普及している活性炭と中空糸膜を使用した浄化フィルターであり市販の浄水器が好ましく利用できる。
一方、炭酸ガスの吹き込みには炭酸ガスボンベ70に収容された炭酸ガスが使用される。炭酸ガスボンベ70は炭酸ガス吸気管60に接続される。炭酸ガス吸気管60には、市販のエアジェットバルブを好ましく使用することができる。
炭酸ガス吸気管60には電磁弁が設置され、CPU(図示しない)からの指令により一定間隔をおいて水素電解質層に一定量の炭酸ガスを気泡の状態で吹き込むよう弁が開放される。
第2の実施の形態の流水式水素水製造装置を使用した水素水の製造方法は、精製水を導入する導入口90に浄化フィルター30を介して水道管を連結し、炭酸ガスボンベ70からの配管を電磁弁80を介して連結する炭酸ガス吸気管60を連結した電解槽本体22に、陽極電極1及び陰極電極2を対峙させてセットし、それぞれに電解槽蓋部24に配置された配線に結合する。電解槽蓋部24のコネクタにはAC−DCアダプターを接続する。精製水を導入し、水素水発生電解槽20が一杯になったところでAC−DCアダプターを接続して通電を開始する。
通電開始後、一定時間が経過すると電磁弁80が開放されて炭酸ガスの吹き込みが開始される。その後、炭酸ガスの吹き込みは一定の間隔で間欠的に行われる。1回目の炭酸ガスの吹き込みが終了した時点より、導入口90及び導出口40を開いて、精製水を導入し、水素水を連続的に採取することができる。
〔実施例2〕
実施例2は、流水式水素水製造装置による試験例である。
実施例2の流水式水素水製造装置は、外径9cm高さ20cmのステンレススチール製の有底円筒形状で、底部を接地して備えられた電解槽本体22と、電解槽本体22の上部開放部に接合し、電解槽本体22の上部を覆う、外径9cm高さ5cmのステンレススチール製の有底円筒形状の電解槽蓋部24とからなっていた。電解槽本体22と電解槽蓋部24とは互いに開口部において接合し、電解槽本体22と電解槽蓋部24との開放部分同士を接合する接合部にはフランジ(図示しない)が設けられ、電解槽本体22と電解槽蓋部24とはフランジに設けられたパッキンを介して接合された。
電解槽本体22の底部付近の側壁には、精製水が流入する精整水導入口90が設置され、導入口90からは、水道管に結合された浄化フィルター{TORAY(株)製、商品名:トレビーノ、品番:SW7J;カートリッジ品番:SWC.J}により、精製された水が供給された。導入口90に対向する側壁には、炭酸ガス給気管60(共立合金研究所製、エアジェットノズル、型番:KBV−S型)が設置された。炭酸ガス給気管60は、炭酸ガスボンベに配管でつながれ、配管には、電磁弁80(直動型2ポート電磁弁、モノタロウ社製)が設けられた。
電解槽蓋部24の閉ざされた底部(水素水発生電解槽20の最上部)には、水素水発生電解槽20で製造された水素水を取り出すための導出口40と、水から放散された酸素、水素及び炭酸ガスを一定の圧力以上で大気に中に放出する通気孔14ま設けられ、通気孔には安全弁(東亞バルブエンジニアリング(株);バネ直動式安全弁、型番:B1700)50が設けられた。安全弁50は2気圧以上で作動するように調整された。水素水発生電解槽20内には、マグネシウム合金AZ31(神島工業(株)製)でなる160mm(長さ)×40mm(幅)×4mm(厚さ)の陽極電極1と、ステンレススチールでなる160mm(長さ)×40mm(幅)×3mm(厚さ)の陰極電極2と、を5cmの間隔をおいて面と面が対峙するよう設置した。それぞれの電極は電線によって、電解槽蓋部24に設けられたコネクタに連結された。
水道水の蛇口を開いて水素水発生電解槽20に、精製水を流入させ、水素水発生電解槽20を一杯に水を満たしてところで、給水を止め、電解槽蓋部24に設けられたコネクタに出力電圧19VのAC−DCアダプター(サンワサプライ(株)製、品番90SLMT)を連結し、100V電源より通電した。通電開始10分で炭酸ガスのバブリングが起きたため、水道の蛇口を開放して水素水発生電解槽20に精製水を1L/分の速度で連続して給水した。
炭酸ガスのバブリングは、水素水発生電解槽20の電極に印加中は、10分毎に1L/秒の炭酸ガスを2秒間バブリングした。
一方、導出口より得られた水素水は、500mL容アルミパウチ又はアルミニウムでコーティングしたポリタンク((株)エスコ製、10Lポリエチレンタンク、品番:EA923VL−10)に収容し、酸化還元電位とpHを及び水素水中のマグネシウム濃度を測定した。
炭酸ガスをバブリングさせた直後に導出口より得られた水素水の酸化還元電位は−1200mV程度であったが、その後、徐々に酸化還元電位が低下し、炭酸ガスのバブリング寸前では−1760mVまで低下した。実施例1で得られた静置による水素水の酸化還元電位が−1700mVであったことを考慮すると、炭酸ガスのバブリングによって溶存酸素が放散され、代って水素が溶存したためと考えられた。
測定期間を通じて、pHは9.0と一定であった。
水素水中のマグネシウム濃度は、40.0ppmであった。
〔第3の実施の形態〕
図3は本発明の第3の実施の形態である水素水保存用水素水製造装置の概略図である。
第3の実施の形態の水素水保存用水素水製造装置100は、水素水を保存している間に脱去する水素を補充する装置であって、保存容器内の水素水中に設置される。水素水保存用水素水製造装置100は、金属マグネシウム又はマグネシウム合金からなる陽極電極1と、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極2と、の間にボタン型電池200を一体に組入れたことを特徴とする水素水製造装置である。
ボタン型電池200の陽極にはマグネシウム合金からなる陽極電極1の一端部が接触し、他端部はボタン型電池の直径より1〜10培長く延長される。
ボタン型電池200の陰極にはステンレススチールからなる陰極電極2の一端部が接触し、他端部はボタン型電池の直径より1〜10培長く延長される。
すなわち、陰陽2つの電極1,2がボタン型電池をそれぞれの端部で挟持した形状であり、ボタン型電池の直径より1〜3培長く形成され、それぞれ延長された他端部はほぼ同じ長さで、互いに平行に対向して設置される。
ボタン型電池200は陰陽2つの電極1,2に挟持された状態で防水加工が施される。防水加工が施される部分はボタン電極の周囲だけで、ボタン電極を挟持していない側の電極は露出し、水素水中で水と反応を起こさすことができるようにしなければならない。
防水加工は様々な様式で実現することができるが、例えば、熱可塑性樹脂あるいは、ロウ状物質等でボタン型電池と2つの電極の端部を一体に絶縁体300で覆い封止すればよい。熱可塑性樹脂を使用する場合には、ボタン型電池200と2つの電極1,2をセットした金型に溶融した樹脂を注入するモールド成形が利用できる。モールド成形に使用される熱可塑性樹脂は溶融温度の低い汎用樹脂が好ましい。
水素水保存用水素水製造装置100の封止に使用できる汎用樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂等を例示できる.中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルは価格及び融解温度の面で好ましく利用できる。
水素水保存用水素水製造装置100に使用されるボタン型電池200は、市販されているいずれのボタン型電池も利用できるが、通常1.5〜3ボルトの電池が使用される。電圧は1.5〜3ボルトの電池としては、アルカリ電池、酸化銅リチウム電池、酸化銀電池、二酸化マンガンリチウム電池、フッ素黒鉛リチウム電池が知られているが、この他にも出力はやや劣るものの、水銀電池、空気亜鉛電池、ニッケル水銀電池も使用することができる。出力電圧が1.5ボルトのボタン型電池の中では価格を含む入手のし易さからアルカリ電池が好ましく、3.0ボルトのボタン型電池の中では価格を含む入手のし易さから二酸化マンガンリチウム電池が好ましく利用できる。
水素水保存用水素水製造装置100は水素水を保存する容器内に水素水と共に入れられて、脱気してゆく水素を補うものであるから、第1や第2の実施の形態で使用されるような容量の大きな電池を必要としない。
第3の実施の形態の水素水保存用水素水製造装置100は、水素水を保存している間に脱去する水素を補充する装置であって、使用方法としては、保存容器内の水素水中に設置される。
水素はあらゆる物質の中で最も小さい分子構造であるため、殆ど全ての物質の中に入り込み、通り抜けることができる。このため、水素水を長期間保存することは困難である。特に、水素水に振動を与えると、溶存していた水素が気体となって水方脱去する。このため、輸送が困難であり水素水を運搬することは困難であった。
本願発明は、この問題を解決するために、失われた水中の水素を補充するために、輸送する水素水中に水素水保存用水素水製造装置100をセットしたものである。
〔実施例3〕
本発明の実施例3は、水素水保存用水素水製造装置に関する。
実施例3の水素水保存用水素水製造装置100は、水素水を保存している間に脱気する水素を補充する装置であって、水素水を保存した容器内の水素水中に設置される。水素水保存用水素水製造装置100は、マグネシウム合金からなる陽極電極1とステンレスからなる陰極電極2との間にボタン型電池200を一体に組み立てたものである。
陽極電極1は、マグネシウムが90重量%、アルミニウムが9重量%、亜鉛が1重量%で構成されたマグネシウム合金AZ91(神島化学工業(株)社製)を射出成形した90mm(長さ)×20mm(幅)×4mm(厚さ)の板状構造とした。
陰極電極は、ステンレススチール(SUS303)の3mm厚板を打ち抜き工法により、90mm(長さ)×20mm(幅)×3mm(厚さ)の板状構造としたものを使用した。
陽極電極1の一端部を3Vのボタン型電池(マクセル社製、品番:CR2032)200の陽極に接続させ、ボタン型電池200の陰極にはステンレススチール製の陰極電極2の一端部を接続させた。陽極電極1及び陰極電極のボタン型電池200に接していない他端部はボタン型電池の直径より長く延長され、互いに平行に対向させた。
すなわち、陰陽2つの電極1,2がボタン型電池をそれぞれの端部で挟持した形状とした。
ボタン型電池200、及びこれを挟持した陰陽2つの電極1,2を、金型にセットした後、低密度ポリエチレン樹脂(東ソ社製、商品名:ペトロセン、品番:342)を160℃、6000kgf/cmの成形圧で射出成形し、ボタン型電池200及びこれを挟持した陰陽2つの電極1,2の端部を一体に包む絶縁体300を形成し、た。陽極電極1及び陰極電極のボタン型電池200に接していない端部は先端より長さ方向に3.5cm程が、防水加工をされずに生地のまま残った。
防水加工された水素水保存用水素水製造装置100は、実施例2で製造した酸化還元電位が−1760mVの水素水を充満したアルミニウムコーティングしたポリタンク(10L)の底部にセットした。
本発明の実施例によると、酸化還元電位は−1760mVであった10Lの水素水は、5日間の約1,000kmの輸送の結果でも−1000mV以下の酸化還元電位を保持していた。
一方、実施例3と同様に水素水を充満したアルミニウムコーティングしたポリタンク(10L)に、水素水保存用水素水製造装置100をセットせずに、同様の輸送試験を行った比較例では、酸化還元電位は−10mVであった。
1 陽極電極
2 陰極電極
10 ポット型容器
12 ポット型容器蓋部
14 通気孔
20 水素水発生電解槽
22 電解槽本体
24 電解槽蓋部
30 浄化フィルター
40 導出口
50 安全弁
60 炭酸ガス給気管
70 炭酸ガスボンベ
80 電磁弁
90 導入口
100 水素水保存用水素水製造装置
200 ボタン型電池
300 絶縁体

Claims (3)

  1. 真水を入れた容器の中に、陽極電極と陰極電極を予め定められた距離で互いに対向させて設置し、直流電圧を印加することにより酸化還元電位が−1,000mV以下の水素水を製造する水素水製造装置であって
    前記陽極電極は、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなり、
    前記陰極電極は、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなり、
    前記陽極電極と陰極電極を対峙させて設置する容器が水素発生電解槽となり、
    該水素発生電解槽には、真水を導入する導入口と、前記水素水を導出する導出口と、真水から放散された気体を一定の圧力以上で大気中に放出する通気孔と、が設けられ、
    前記水素発生電解槽は、水素水中に溶存する酸素を脱去するために、炭酸ガスを間欠的にバブリングする炭酸ガス給気管をさらに備え、
    前記炭酸ガス給気管には電磁弁が付設され、
    該電磁弁は、エアジェットノズルを備えたエアジェットバルブであることを特徴とする水素水製造装置。
  2. 前記通気孔は、予め定められた圧力以上で稼働する圧力弁であることを特徴とする請求項1に記載の水素水製造装置。
  3. 真水を入れた水素水発生電解槽内に、金属マグネシウム又はマグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金からなる陽極電極と、マグネシウムより酸化還元電位の高い金属からなる陰極電極と、を対峙させて設置する段階、
    前記陽極電極及び陰極電極に直流電圧を印加する段階、
    前記水素水発生電解槽の水素水に、一定の間隔で間欠的に炭酸ガス給気管を通じて炭酸ガスを気泡の状態で吹き込むことにより、水素水中に溶存する酸素を脱去する段階、
    炭酸ガスを吹き込むことにより、水素水から気体となって放散された酸素、水素及び吹き込んだ炭酸ガスの余剰分を一定の圧力以上で通気孔から大気中に放出する段階、
    得られた水素水の酸化還元電位、pH及びマグネシウム濃度を測定する段階、を含むことを特徴とする水素水の製造方法。

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