JP4587149B2 - ハンディ型電極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はハンディ型電極に関し、特に観葉植物の延命、観賞魚水槽における雑菌の抑制、トイレの水槽等についた水垢の防止、茶渋の除去、及び消毒されていない水の飲料水化等に使用可能なハンディ型電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、例えば花瓶等に入れられた観葉植物は、一般に7日〜14日程度経過すれば、花瓶の中の水が濁り、これに伴って観葉植物の葉が退色したり、枯れたりする等の問題があり、長い間観賞することができなかった。また、花瓶の水を毎日取り換えるのは大変煩わしい。
【0003】
一方、トイレ用の水槽などにおいては、長期間経過すると、水槽の内壁に水垢がつき、汚れが目立つという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こうした事情を考慮してなされたもので、水が収容された容器内に投入して放置するだけで、花瓶等の容器内の水の汚れを回避して植物の寿命を延ばしたり、水垢を除去し得る等の効果を有する、取り扱いが容易でコンパクトな構成のハンディ型電極を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、乾電池と、この乾電池を収納し、前記乾電池のプラス側に位置する第1のケース及びOリングを介して前記第1のケースと螺合して乾電池のマイナス側に位置する第2のケースからなる筒状容器と、前記乾電池のプラス側に位置する前記第1のケースに取り付けられ、前記乾電池のプラス極に接続するプラス電極と、前記乾電池のマイナス側に位置する前記第2のケースに取り付けられ、前記乾電池のマイナス側に接続するマイナス電極と、前記筒状容器内に設けられた,液体又は人体を導体として点灯する発光ダイオードとを具備することを特徴とするハンディ型電極である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明において、電池としては、例えば乾電池(例えば、1.5V、12V)、あるいはボタン型電池、あるいは充電可能な電池(二次電池)が挙げられるが、いずれでもよい。
【0007】
本発明において、電池を収容する容器の材質としては、例えばポリプロピレン(pp)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂等の樹脂が挙げられる。前記容器としては、電池を交換するため、電池のプラス側の第1のケースと、この第1のケースと取り外し自在に螺合する第2のケースと、第1・第2の螺合部(ネジ切り部)に配置されて容器内を密閉するためのOリングから構成されたもの(図1参照)が好ましい。ここで、図1のタイプのハンディ型電極は、水等の液中に浸漬して液自体を塩素含有の飲料水等にするタイプである。
【0008】
本発明において、ハンディ型電極としては、筒状の容器本体及びこの容器本体に嵌合され、電池、プラス電極、マイナス電極等を備えた蓋及びOリングから構成されるものが挙げられる。この場合、前記容器本体及び蓋も、例えばポリプロピレン、ABS等の樹脂が挙げられる。ここで、蓋としては、後述する図5に示すように2種類の蓋部材から構成されるものが挙げられる。図5のハンディ型電極の場合は、図1のそれと異なり、容器本体と蓋で囲まれた空洞部で除菌を目的とした塩素含有の食塩水を作るタイプである。
【0009】
本発明において、図1のタイプのハンディ型電極の場合、前記プラス電極、マイナス電極の材質としては、ハンディ型電極自身が水など液中に浸漬して使用されるため、耐液浸透性を有するものであることが好ましい。一例としては、フェライトが挙げられるが、これに限らない。
【0010】
本発明において、例えば2種類の電池を用いる場合、その種別を確認するため液体又は人体を導体として点灯する発光ダイオード(LED)を容器内に設けることが好ましい。例えば、1.5Vと12Vの2種類の乾電池を用いられるハンディ型電極の場合、12Vをセットしたとき点灯するようにセットすれば、容器内に収容した乾電池を収容した状態で容器内の電池の種類を区別できる。なお、上記液体としては、例えば水、食塩水、あるいはメッキ等の薬品が入った水溶液が挙げられる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、下記実施例で述べる構成部材の材質、数値等は一例を示すもので、本発明の権利範囲はこれにより特定されるものではない。
【0012】
(実施例1)
以下、本発明の実施例1に係るハンディ型電極について図1及び図2(A),(B)を参照して説明する。ここで、図1は本実施例に係るハンディ型電極の展開斜視図、図2(A)は図1の要部Xの断面図、図2(B)は図2(A)の部分拡大図を示す。なお、下記実施例に記載された構成要件の材質、数値等は一例を示すもので、本発明の権利範囲がこれによって限定されるものではない。
【0013】
本実施例に係るハンディ型電極1は、1.5V又は12Vの乾電池2と、この乾電池2を収容する断面形状が円筒の筒状容器3と、この筒状容器3の両端部に夫々嵌め込まれたプラス電極4及びマイナス電極5とを有する。前記筒状容器3の材質は、ポリプロピレンからなる。
【0014】
前記筒状容器3は、乾電池2のプラス側に配置され、一端側に雄ネジ部6aが形成された第1の筒状ケース6と、乾電池2のマイナス側に配置され、一端側に雌ネジ部(図示せず)が形成された第2の筒状ケース7とから構成されている。第1の筒状ケース6と第2の筒状ケース7は、ゴム製のOリング8を介して螺合されている。前記第1の筒状ケース6の表面には、乾電池のプラス及び/又はマイナスの方向が表示されている。
【0015】
前記第1の筒状ケース6の他端側には、図2に示すようにプラス電極4のつば部4aを嵌め込めるためのリング状の溝9が形成されている。また、図示しないが、前記第2の筒状ケース7の他端側にも、第1の筒状ケース4と同様、マイナス電極5のつば部を嵌め込むためのリング状の溝が設けられている。
【0016】
前記プラス電極4及びマイナス電極5は、夫々フェライト製である。第1の筒状ケース6の内側には、前記プラス電極4と接続する導電製の接続板10が溶着により接続されている。一方、前記第2の筒状ケース7内のマイナス電極5側には、導電性コイルバネ11が接続されている。第1の筒状ケース6、第2の筒状ケース7が螺合された状態で乾電池2のプラス極2aは接続板10を介してプラス電極4に接続し、乾電池2のマイナス極2bはコイルバネ11を介してマイナス電極5に接続されている。
【0017】
前記接続板10は、図2(B)に示すように、絶縁体(ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させ、焼成したもの)10aと、この絶縁体10aの両面に形成された10b、10cとから構成されている。前記絶縁板10には縁部には切り欠け部が設けられており、この切り欠け部にLED12が収納されている。そして、LED12の端子12aは銅箔10aに接続され、端子12bは銅箔10bに接続されている。前記LED12は、12Vの乾電池を使用してハンディ型電極1を水の中に投入した場合にのみ点灯するようになっている。
【0018】
上記実施例に係るハンディ型電極1は、上記したように、乾電池2と、この乾電池2を収容する筒状容器3と、この筒状容器3の両端に夫々嵌め込まれたプラス電極4及びマイナス電極5とを有し、前記筒状容器3は第1の筒状ケース6と第2の筒状ケース7をOリング8を用いて螺合され、プラス電極4側の筒状容器3内にLED12を収容した構成となっている。従って、上記ハンディ型電極1を、観賞用植物を入れた花瓶の水の中に投入することにより、水の汚染を抑制し、植物の寿命を延ばすことができる。これは、理由は明らかでないが、ハンディ型電極1のプラス電極5とマイナス電極6間で水を介して分極現象が起こる為と予測される。また、LED12の存在により、12Vの乾電池を用いた場合にLED12が点灯するので、乾電池を容器内に収容したままで乾電池の種類が判別できる。更に、12Vの乾電池を用いた場合、上記ハンディ型電極1は水の中に投入するだけでLED12が点灯するので、特別な回路やスイッチを用いる必要がなく、コンパクト化が可能となる。
【0019】
事実、本発明のハンディ型電極を用いて以下の様々な実験を行なったところ、その効果が確認できた。
(1)図3に示すように、水21をはった花瓶22の底に1.5Vの乾電池を有したハンディ型電極1を投入し、花瓶22に御榊23を生けた場合、15日間御榊23の青葉を保つことができた。一方、ハンディ型電極1を投入しない場合、1週間程度で青葉が退色することが確認できた。
【0020】
(2)コップの中に満たされた水にハンディ型電極を投入することにより、水の腐食を防止することが確認された。
(3)茶渋のついた茶碗に水及びこさじ一杯の食塩(約10g)を入れ、この水の中に12Vの乾電池を有したハンディ型電極を投入したところ、約1時間で茶渋が取れることが確認できた。ここで、食塩を入れたのは、洗浄効果を高めるためである。但し、1.5Vの乾電池の場合でも時間はかかるが、茶渋が取れることが確認できた。なお、茶渋が取れる理由は、明確には分からないが、水中の塩素と食塩中のNaが反応して次亜鉛素酸ソーダが生成され、これが茶渋を分解するためと予測される。
【0021】
(4)上記(3)と同様、ボール等の容器に水及び食塩を入れ、この水の中に食器等を入れ、更に12Vの乾電池を有したハンディ型電極を投入したところ、食器の除菌を行うことができた。また、水で満たされた容器の中にハンディ型電極を投入したところ、水の除菌ができ、飲料水として使用することができた。なお、食器の除菌や水の除菌は、海外の発展途上国等において特に有効と思われる。
【0022】
(5)観賞魚や藻が入った水槽の底に1.5Vの乾電池を有したハンディ型電極を投入したところ、雑菌の増殖を抑え、藻の劣化や水質の劣化を抑えることを確認できた。
(6)トイレの水槽の底に1.5Vの乾電池を有したハンディ型電極を投入したところ、水槽の水垢の発生を防止できることが確認できた。
【0023】
なお、上記実施例1では、電池として乾電池を用いた場合について述べたが、これに限らず、ボタン型電池や二次電池を用いてもよい。また、筒状容器としては円筒タイプの場合について述べたが、これに限らず、例えば正方形などのように四角形状でもよい。更に、前記筒状容器は分割タイプで、第1の筒状ケースと第2の筒状ケース及びOリングにより構成されている場合であるが、これに限らず、例えばプラス電極もしくはマイナス電極を筒状容器の一端に嵌合するタイプでもよい。更には、ボタン型電池を用いた場合、図4に示すように、腕リング31に取り外し自在にハンディ型電極32をツメ33により固定して取り付け、アクセサリー的な要素を加えて持ち運びやすいようにしても良い。
【0024】
また、上記実施例1では、筒状容器の材質としてポリプロピレンを用いたが、これに限らず、例えばポリカーボネートのように透明な材質を用いてもよい。この場合、上記実施例のようにLEDを筒状容器内に収納しなくても電池の種別を容器の外から判別できる。また、筒状容器に電池の向きを表示する必要もなくなる。
【0025】
(参考例1)
図5を参照する。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。
図中の符番41は、材質が例えばポリプロピレンからなる筒状の容器本体を示す。この容器本体41内には、必要に応じて食塩及び水からなる食塩水42が投入される。前記容器本体41の開口側の内側には、ネジ部43が形成されている。前記容器本体41には、第1の蓋部材44a,第2の蓋部材44bからなる蓋44が取り外し自在に嵌合されている。ここで、蓋44は、例えばポリプロピレン製である。
【0026】
一方の第1の蓋部材44aの外周面には、前記容器本体41のネジ部43と螺合するネジ部45が形成されている。前記蓋部材44aの容器本体側の端面には、後述するボタン型電池のプラス極に配線(図示せず)を介して電気的に接続する円形状のプラス電極46、及びボタン型電池のマイナス電池のマイナス極に配線(図示せず)を介して電気的に接続する環状のマイナス電極47が埋め込まれている。ここで、前記プラス電極46及びマイナス電極47の夫々の一方の主面は露出していて、食塩水42を収用した容器本体41に蓋44を嵌合したとき、露出下電極面が食塩水に触れるように構成されている。
【0027】
前記第1の蓋部材44aの軸方向に沿う中央部には開口部48が形成され、この開口部48にLED12,2つのボタン型電池49及び導電性コイルバネ50が埋め込まれている。前記コイルバネ50及び第2の蓋部材44bにより、前記ボタン型電池49が図中の下部側に押し付けられるようになっている。前記第2の蓋部材44bの外周部には、Oリング8が配置されている。前記第2の蓋部材44bは前記第1の蓋部材44aの開口部48に埋め込まれたコイルバネ50を下方向に押圧するように第2のの蓋部材44bに冠着されている。なお、蓋44の外周部には、ボタン型電池48をON,OFFする図示しないスイッチが設けられている。
【0028】
こうした構成のハンディ型電極を使用するときは、次のように行なう。まず、蓋44を容器本体41から外し、容器本体41内に水及び食塩からなる食塩水42を入れ、蓋44を閉める。つづいて、この状態でハンディ型電極をよくふって、食塩水42中の食塩を水に十分溶かしてから、スイッチをいれ、電流を食塩水42中に流す。これにより塩素を含む食塩水が生成される。この後、蓋44を外して食塩水42を消毒されていない水等の中に入れ、飲料水とする。
【0029】
なお、上記実施例2では、スイッチを蓋の外側に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば、容器本体側に設けてもよい。また、蓋が容器本体と嵌合したときON,OFFするような構成にしてもよい。
【0030】
(参考例2)
図6を参照する。但し、図1と同部材は同符号を付して説明を省略する。
本参考例2は、ハンディ型電極1を釣り具の浮きとして使用する例を示す。この場合、図1のように、まず筒状容器3全体を細長くする。また、上部に位置する例えばプラス電極51を軽い材質例えばチタン製にし、下部に位置するマイナス電極5は重い材質例えばフェライト製として、水中に浮くような構成にする。但し、上部にマイナス電極が位置し、下部にプラス電極が位置してもよい。また、筒状容器3内に収納する乾電池としては12Vの乾電池を用いる。
【0031】
このように、上記参考例2によれば、ハンディ型電極1のマイナス電極及びプラス電極のうち、一端側を軽く他端側を重い材料で構成して水面に対してほぼ垂直に浮くように構成することにより、ハンディ型電極1を釣り具の浮きとして用いることができる。そして、筒状容器3内には水中でマイナス電極51とプラス電極5が導通することによりLEDが点灯するので、夜等のように周囲がくらい場合は、LEDの点灯で釣り具の針にあたりがきたかどうかの確認ができる。
【0032】
なお、上記参考例2では、ハンディ型電極を釣り具の浮きとして用いる場合について述べたが、これに限らず、釣り具の重りあるいは集魚器として使用してもよい。例えば、集魚器として用いる場合は、袋状のものにハンディ型電極を収納し、これを釣り針の近くにセットすることにより、LEDの点灯時の明かりに魚を集まりやすく、釣り針に魚がかかり易い。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、水が収容された容器内に投入して放置するだけで、花瓶等の容器内の水の汚れを回避して植物の寿命を延ばしたり、水垢を除去したり、食器や水を除菌したり、消毒されていない水の飲料水化ができる等の効果を有する、取扱いが容易でコンパクトな構成のハンディ型電極を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1に係るハンディ型電極の展開斜視図。
【図2】 図1の要部Xの断面図。
【図3】 本発明に係るハンディ型電極の一使用例の説明図。
【図4】 本発明に係るハンディ型電極の移動形態の説明図。
【図5】 本発明の参考例1に係るハンディ型電極の説明図。
【図6】 本発明の参考例2に係るハンディ型電極の説明図。
【符号の説明】
1…ハンディ型電極、2…乾電池、3…筒状容器、4,46,51…プラス電極、5,47…マイナス電極、6…第1の筒状ケース、7…第2の筒状ケース、8…Oリング、9…リング状の溝、10…接続板、11,50…コイルバネ、12…LED、41…容器本体、44…蓋、49…ボタン型電極。
Claims (2)
- 水が収容された容器内に投入されて使用されるハンディ型電極であって、
乾電池と、この乾電池を収納し、前記乾電池のプラス側に位置する第1のケース及びOリングを介して前記第1のケースと螺合して乾電池のマイナス側に位置する第2のケースからなる筒状容器と、前記乾電池のプラス側に位置する前記第1のケースに取り付けられ、前記乾電池のプラス極に接続するプラス電極と、前記乾電池のマイナス側に位置する前記第2のケースに取り付けられ、前記乾電池のマイナス側に接続するマイナス電極と、前記筒状容器内に設けられた,液体又は人体を導体として点灯する発光ダイオードとを具備することを特徴とするハンディ型電極。 - 前記プラス電極及びマイナス電極は、耐液浸透性を有することを特徴とする請求項1記載のハンディ型電極。
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