JPH1052168A - 切り花の保育方法とその装置 - Google Patents

切り花の保育方法とその装置

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JPH1052168A
JPH1052168A JP21097196A JP21097196A JPH1052168A JP H1052168 A JPH1052168 A JP H1052168A JP 21097196 A JP21097196 A JP 21097196A JP 21097196 A JP21097196 A JP 21097196A JP H1052168 A JPH1052168 A JP H1052168A
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JP
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cut flowers
positive
cut
pair
container
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JP21097196A
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English (en)
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Masatoshi Inatani
正敏 稲谷
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Refrigeration Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切り花の吸水性を良くし、しかも切り口を殺
菌することを課題とする。 【解決手段】 低濃度の食塩水を電解液10とし、電解
液10を注入する切り花を生ける容器9に一対の炭素ま
たは白金の正電極11と負電極12を配置させ、直流電
流を加えることにより電気分解させる。生成する水酸化
ナトリウムと切り花の切り口の樹液との反応で吸水性を
良くし、次亜塩素酸ソーダで切り花の切り口を殺菌す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、花のショーケー
ス,花瓶,花器などに生けられる切り花の観賞寿命を長
く保つ保育方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、切り花は根から水分や養分を吸い
上げて幹や葉や花などに配分して成長するものである。
【0003】ところが、花瓶などに生けてある切り花は
根の部分が切り取られているために幹や茎が一時的に根
の代わりに花瓶内の水を吸い上げて根や花などに配分し
ている。そのため根や茎が一時的に根の役目を果たすも
のの、元来根による養分の分解,吸い上げという役目を
幹や茎は果たせないから葉や花などには水分のみが配分
され生育が妨げられる結果となり、比較的短い時間で枯
れてしまうこととなる。
【0004】そこで、切り花延命剤が市場に提供される
ようになった。この切り花延命剤は、その成分が糖分と
殺菌剤とを主成分としたもので、根によって窒素,リ
ン,カリウムなどの養分を分解することができないた
め、幹や茎から植物内で生成される糖分を直接吸い上げ
るようにして切り花を長持ちさせるようにしたものであ
る。
【0005】ところが、花瓶内の切り花が枯れる原因と
してはもう一つ大きな要因があり、養分の分解,吸い上
げが不能となる要因よりも大きな要因となっていること
が判明した。
【0006】この要因は、花瓶に切り花を生けておくと
切り口から樹液が漏れだし、この樹液によって花の導管
を塞ぐか、この樹液に群がる微生物の繁殖によって導管
が塞がれるかによって水分や養分を吸い上げることがで
きず、枝葉や花に水や養分が行き渡らないで枯れてしま
うというものである。この要因を取り除くためには微生
物などによって塞がれている部分を頻繁に切除する必要
があり、非常に手間がかかるという欠点があった。
【0007】これを解決する方法としては図5に示す特
開昭61−265025号公報に開示のように、切り花
1が生けてある花瓶2内の水3に通電端子4を浸し、こ
の通電端子4に電源5より微弱電流を通電させることで
切り花1の寿命を長くさせる方法が提案されている。水
に微弱電流を流すことで水の一部が化学分解を起こし、
切り花1の切り口6への微生物の繁殖を抑制する効果が
あるというもので、また微弱電流によって花木に活力を
与える効果があるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな単に水に微弱電流を流すだけの構成では、使用する
水の含有成分の種類や浸漬する電極の材質の違いによっ
て電気分解や電極材の溶出成分に差が生じ、微生物の繁
殖を抑制する効果は安定して得られない。
【0009】本発明は上記課題に鑑み、花のショーケー
ス,花瓶,花器などで湿式にて生けられている切り花の
鑑賞寿命を安定して長く保つ保育方法とその装置を実現
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の切り花の保育方法と装置は、切り花が生けて
ある容器内に低濃度の食塩水を電解液として注ぎ、その
電解液に正負一対の炭素または白金の電極を浸漬させ、
その電極に所定時間直流の電流を通電させるもので、ま
た容器内の電解液と正負一対の電極とをイオン交換膜の
隔壁で二分し、負電極側、あるいは正電極側に切り花を
生けるか、さらには電極の正負を所定時間において逆転
させる制御回路を設けたもので、またアルカリ溶液のp
Hを12以下、酸性溶液のpHを4以上とし、低濃度の
食塩水の濃度は0.01〜1重量%としたものである。
【0011】これにより、食塩水の電解で次亜塩素酸や
次亜塩素酸ソーダが生成され、切り口に生じる雑菌類を
除去するだけではなく、水酸化ナトリウムと樹液との反
応により界面活性剤を形成し浸透性を向上させることに
より切り花の切り口の樹液を取り除き吸水性を良好にす
る結果が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の請求項1に記載の発明
は、切り花が生けてある容器内に低濃度の食塩水を電解
液として注ぎ、その電解液に正負一対の炭素または白金
の電極を浸漬させ、その電極に所定時間直流の電流を通
電させる切り花の保育方法であり、食塩水を自然電位の
高い炭素や白金の電極で電解することで次亜塩素酸や次
亜塩素酸ソーダを生成させることにより切り花の切り口
に生じる雑菌類を除去し、吸水性の低下を阻止する作用
を有する。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明の切り花の保育方法において電解液として
使用する食塩水濃度を0.01〜1重量%にしたもので
あり、次亜塩素酸による殺菌効果を発揮するに必要な濃
度であるとともに、極端に電流が流れたときにでも人体
に安全なpHを得る限界濃度として作用する。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、低濃度の
食塩水である電解液と、電解液を注入する切り花を生け
る容器と、その容器に電解液を注入したとき浸漬される
正負一対の電極と、その電極に所定時間直流の電流を通
電させる直流電源と制御回路とで構成された切り花の保
育装置であり、食塩水を電解することで次亜塩素酸や次
亜塩素酸ソーダを生成させることにより切り花の切り口
に生じる雑菌類を除去し、吸水性の低下を阻止する作用
を有する。
【0015】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の発明の切り花の保育装置において、電解液と正
負一対の電極とをイオン交換膜の隔壁で二分し、負電極
側に切り花を生けるものであり、イオン交換膜により電
解液を二分することで正負の電極周りにできるアルカリ
液と酸性液との混合拡散が阻止でき、負電極側に確実に
アルカリ液を生成し、そのアルカリ液に切り花を浸漬す
ることで樹液を取り除き吸水性をよくする作用を有す
る。
【0016】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
に記載の発明の切り花の保育装置において、電解液と正
負一対の電極とをイオン交換膜の隔壁で二分し、正電極
側に切り花を生けるものであり、イオン交換膜により電
解液を二分することで正負の電極回りにできるアルカリ
液と酸性液との混合拡散が阻止でき、正電極側に確実に
酸性液と次亜塩素酸液を生成し、その次亜塩素酸液に切
り花の切り口をより確実に殺菌するように作用する。
【0017】また、請求項6に記載の発明は、請求項3
に記載の発明の切り花の保育装置において、電解液と正
負一対の電極と開閉可能なイオン交換膜の隔壁とを内蔵
する切り花を生ける容器を有し、前記隔壁が閉状態の位
置で電解液と正負一対の電極とを二分し、電極間に所定
時間電流を流した後、前記隔壁を開放するものであり、
確実にアルカリ液と酸性液とを生成するとともに、その
後隔壁を取り払い、切り花を生ける容器内を一旦アルカ
リ性にすることにより吸水性を良くし、次に隔壁を開く
ことで次亜塩素酸の液を生成し切り花の切り口にいる雑
菌類を除去するとともに、アルカリ液および酸性液を中
和することで取扱い時の安全性を高め廃棄処理を容易に
する。
【0018】また、請求項7に記載の発明は、請求項3
に記載の発明の切り花の保育装置において、電解液と正
負一対の電極と前記電解液と正負一対の電極とを二分す
るイオン交換膜の隔壁とを内蔵する切り花を生ける容器
を有し、電極間に所定時間電流を流した後、正負を逆に
して電流を流す制御回路を有するものであり、切り花を
生ける容器内を一旦アルカリ性にすることにより吸水性
を良くし、次にわざわざ隔膜を開閉しなくとも次亜塩素
酸の液を生成し切り花の切り口にいる雑菌類を除去する
とともに、アルカリ液および酸性液を中和することで取
扱い時の安全性を高め廃棄処理を容易にする。
【0019】また、請求項8に記載の発明は、請求項3
に記載の発明の切り花の保育装置において、電解液と正
負一対の電極と前記電解液と正負一対の電極とを二分す
るイオン交換膜の隔壁とを内蔵する切り花を生ける容器
を有し、電極間にA時間電流を流し、次いで正負を逆に
して電流を2A時間流す制御回路を有するものであり、
切り花を生ける容器内をアルカリ液と酸性液とに繰り返
し変えることにより吸水性と殺菌の効果を高める作用を
有する。
【0020】また、請求項9に記載の発明は、請求項4
に記載の発明の切り花の保育装置において、負電極側に
生じるアルカリ溶液のpHを12以下としたものであ
り、アルカリ性が強くなると切り口の細胞の破壊を促進
させるとともに、安全性の危険度が増すことを避ける作
用を有する。
【0021】また、請求項10に記載の発明は、請求項
5に記載の発明の切り花の保育装置において、正電極側
に生じる酸性溶液のpHを4以上としたものであり、酸
性が強くなると人体への危険度が上がることを避ける作
用を有する。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0023】(実施例1)図1は本発明の実施例1にお
ける切り花7の保育装置8の横断面図を示すものであ
る。
【0024】切り花7を生ける容器9の中には0.1重
量%の濃度の食塩水が電解液10として注入されてあ
り、容器9の内面には正電極11と負電極12が設けら
れている。この一対の正電極11と負電極12は銅材料
の表面に白金メッキした材料で構成されており、乾電池
などの直流の電源13から制御回路14とマイクロスイ
ッチ15とを介して正電極11に1Vの正の電位が、負
電極12には−1Vの負の電位が適時与えられるように
なっている。
【0025】16は容器9内の水位を確認するためのマ
グネットが内蔵されたフロートであり、水位の変動によ
って上下運動を行い、水位が低いときにはマイクロスイ
ッチ15をオフとし、適正水位以上になったときにマイ
クロスイッチ15をオン状態にするように働く。
【0026】制御回路14は正電極11と負電極12に
通電する時間を制御するものであり、本実施例1におい
ては10分間に30秒間の通電を繰り返し行うように制
御回路14に内蔵のタイマー機構をセットした。
【0027】17は電源13と制御回路14とを介して
連結し、保育装置8を駆動させる本体スイッチである。
【0028】また、18は切り花7を生ける容器9と制
御回路14と電源13とを収納する内装ケース19を挿
入できるようにした外装化粧箱である。
【0029】次に前記する構成での切り花7の保育装置
8の取扱いについて説明する。まず、内装ケース19
を、外装化粧箱18から取り出し、内装ケース19の所
定位置に直流の電源13として市販の乾電池を充填す
る。そして容器9に0.1重量%の濃度の食塩水を電解
液10として注入し、切り花7を生ける。
【0030】次に、本体スイッチ17をオンにし内装ケ
ース19を外装化粧箱18に設置すればセッティングは
完了し、自動運転となる。
【0031】以下自動運転における作用と電解液10中
の化学反応について説明する。まず、本体スイッチ17
をオンにすることにより制御回路14のタイマーが駆動
を開始する。容器9内に十分な電解液10が満たされて
あればフロート16は上位の位置に移動しておりフロー
ト16の内部のマグネットがマイクロスイッチ15をオ
ン状態にする。制御回路14のタイマーは10分間に3
0秒間の通電を繰り返すように回路が組まれてあるので
10分間に30秒の間、一対の正電極11と負電極12
に約1Vの正負の直流電位が加わる。
【0032】ここで正電極11と負電極12の表面は腐
食電位の高い貴金属である白金でできているため、正電
極11の表面では白金の溶出はなく化1と化2の反応が
見られる。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】ここで化2により水素イオンが電解液10
中に生成されるために酸性傾向となる。また、塩素ガス
は水に非常に溶け易いので、化3により次亜塩素酸とし
て存在する。
【0036】
【化3】
【0037】また、負電極12の表面では化4の反応が
起こり水酸基イオンが増加するためアルカリ性に傾いて
いく。
【0038】
【化4】
【0039】しかし、本実施例1において一対の正電極
11と負電極12を隔てる隔壁は存在しないので、正電
極11と負電極12の表面に生成した液は対流,拡散に
より混ざり合い、混合液は化5により非常に殺菌性の高
い次亜塩素酸ソーダを生成する。
【0040】
【化5】
【0041】この生成した次亜塩素酸ソーダは切り花7
の切り口部に繁殖する雑菌類を除去するように働く。こ
の次亜塩素酸ソーダは自然放置しておくと酸素ガスと食
塩に分解するため0.01〜1重量%の低濃度の食塩水
から生じる生成量であれば有害性もなく、また、電位差
が2Vで約1mAの電流値で10分間に30秒の通電だ
けで切り花7の切り口に対し十分な殺菌効果を発揮す
る。
【0042】(実施例2)図2は本発明の実施例2とし
て切り花7の保育装置8の横断面図を示すものである。
なお、実施例1と同じ構成部は同じ符号を付し詳細な説
明を省略する。
【0043】20は容器9の内側にガイド21に沿って
着脱自在としたイオン交換膜22が一体成型された隔壁
であり、水面23付近に位置する部分には貫通穴24が
設けられている。この隔壁20を容器9に装着したとき
には容器9の底部の突起部25に隔壁20は位置決めさ
れ、正電極11側のカソード室26と負電極12側のア
ノード室27とに二分されている。
【0044】制御回路28は実施例1と同様に正電極1
1と負電極12に通電する時間を制御するものである
が、実施例1での制御回路14の制御が開始される前
に、本実施例2においては3分間の事前通電を行ない、
3分後に一時的に警報装置29を鳴らすように内蔵のタ
イマー機構を改造したものとなっている。
【0045】次に上記構成での切り花7の保育装置8の
取扱いについて説明するが、実施例1と同じ構成部は同
じ符号を付し詳細な説明を省略する。
【0046】制御回路28の内蔵タイマーは本体スイッ
チ17をオンし、保育装置8が駆動を開始し一対の正電
極11と負電極12に通電してから3分後に警報装置2
9が鳴るように内蔵のタイマー機構がセットされてい
る。この警報装置29は隔壁20を容器9の外部に取り
外す指令となるもので、取り外し後は実施例1と同様に
10分間に30秒の通電が繰り返すように回路が組まれ
てある。
【0047】この実施例2では隔壁20の取り外しを構
造上の簡素化のために手動で行うように警報装置29を
鳴らす仕組みにしたものではあるが、スプリングや駆動
モーターを組み合わせ隔壁の取り外しを自動化しても良
い。
【0048】セッティングの順序は内装ケース19を、
外装化粧箱18から取り出し、内装ケース19の所定位
置に直流の電源13として市販の乾電池を充填し、次に
容器9内にイオン交換膜22の隔壁20をガイド21に
沿って容器9内に挿入し、壁面に隙間ができないよう突
起部25まで完全にセットする。次に0.1重量%の濃
度の食塩水を電解液10として注入するが、この場合隔
壁20の貫通穴24部分にまで電解液10が注入される
とカソード室26からアノード室27に水が流れ込み容
器9内の水位は一定に保たれる。
【0049】次に切り花7を生け、本体スイッチ17を
オンにし内装ケース19を外装化粧箱18に設置すれば
セッティングは完了する。
【0050】次にカソード室26とアノード室27の電
解液10の電解反応について説明する。
【0051】実施例1と違い、負電極12と正電極11
とが隔壁で二分されているために対流や拡散による混合
が行われ難くなっている。すなわちアノード室27では
化1と化2の反応が行われ、カソード室26側では化4
の反応が行われる。化4の反応は水酸基を生成するため
に、水酸化ナトリウムとしてアルカリ性になる。この水
酸化ナトリウムは切り花の切り口に分泌する脂肪分であ
る樹液と反応し界面活性剤を生成する。よってカソード
室26の電解液10の表面張力が小さくなり、切り花の
吸水性を良好にさせる働きをもつ。3分間の処理でpH
が11程度のアルカリ性になるが、それ以上濃度が上昇
すると人体への危険もあり安全面から望ましくない。本
実施例2では隔壁20の上部に貫通穴24を設けている
ため貫通穴24から適度にアノード室27で生成された
酸性水が流れ込み危険領域までpHが高くはならず、常
にpH12以下に制御される。
【0052】3分経過後、警報装置29の指令により隔
壁20を取り除くとアノード室27で生成された酸性水
が流れ込み中和されるとともに、化5の反応により次亜
塩素酸ソーダが生成され、切り花7の切り口に繁殖する
雑菌類を除去する。その後は実施例1の制御回路14と
同様に10分間に30秒間の通電を繰り返す。
【0053】(実施例3)図4は本発明の実施例3とし
て、切り花7の保育装置8の横断面図を示すものであ
る。なお、実施例1,2と同じ構造部は説明を省略す
る。
【0054】隔壁20により電解液10と一対の正電極
11と負電極12とを二分する構造は実施例2と同様で
あるが、隔壁の着脱を必要としないものである。
【0055】すなわち制御回路30は実施例1,2と同
じく正電極11と負電極12に通電するものであるが、
第1工程として3分間x電極31に−1Vの負の電位を
与え、y電極32には1Vの正の電位を与えるように通
電する。その後12分間の通電オフ期間を経過後、第2
工程として第1工程と逆の電位を3分間一対の電極間に
与える、すなわちx電極31に1Vの正の電位を与え、
y電極32には−1Vの負の電位を与えるように通電す
るよう制御回路30をタイマー設定したものである。
【0056】このような制御回路30を組むことによっ
て隔壁20を取り除かなくても生け花の容器9側内に吸
水性を良くする水酸化ナトリウムと殺菌効果をもつ次亜
塩素酸ソーダを生成することができ、吸水性の促進と雑
菌除去による茎の目詰まりの改善とが容易にできること
になる。
【0057】(実施例4)また、図4において制御回路
30に回路設計変更を加え、一対のx電極31とy電極
32間にA時間の電流を流す第1工程と、第1工程と正
負逆の電流を2A時間x電極31とy電極32間に流す
第2工程と、さらに第2工程と正負逆の電流をA時間流
す第3工程とを少なくとも1回繰り返すよう制御するタ
イマー回路を有することにより、隔壁20を取り除かな
くても生け花の容器9側内に吸水性を良くする水酸化ナ
トリウムと殺菌効果をもつ次亜塩素酸ソーダを生成させ
ることができ、中性の状態を中心として電解を繰り返す
ことで安全な操作が可能となるものである。
【0058】以上の4つの実施例は低濃度の食塩水を電
解液とし、電気分解により酸性とアルカリ性を生成さ
せ、さらに次亜塩素酸ソーダを作り、切り花の吸水性を
良くし、かつ殺菌を行うことにより切り花の寿命を長く
させることができる。
【0059】そして、人体への安全性を考慮すると負電
極側に生じるアルカリ溶液のpHは12以下とし、正電
極側に生じる酸性溶液のpHは4以上とすることが必要
である。
【0060】また、水酸化ナトリウムのアルカリ溶液に
切り花を生けるだけでも吸水性の改善が可能であり、安
全面と殺菌効果を考慮すると酸性液にて中和させること
が効果的ではあるが敢えて酸性液との混合を規定するも
のではない。
【0061】逆に、酸性液だけでも次亜塩素酸による雑
菌類の除去は可能であることからアルカリ液との混合も
規定するものではない。
【0062】また、電解液として使用する食塩水濃度は
0.01重量%以下であれば短時間にて吸水性を改善す
るだけの水酸化ナトリウム濃度や殺菌効果のある次亜塩
素酸ソーダ濃度を得ることができず、また1重量%以上
であれば食塩濃度による浸透圧差が大きくなりすぎて切
り花の吸水性に悪影響を及ぼし寿命を縮めることにな
る。
【0063】
【発明の効果】以上のように本発明の切り花の保育方法
とその装置は、切り花が生けてある容器内に低濃度の食
塩水を電解液として注ぎ、その電解液に正負一対の炭素
または白金の電極を浸漬させ、その電極に所定時間直流
の電流を通電させるものであり、また容器内の電解液と
正負一体の電極とをイオン交換膜の隔壁で二分し、負電
極側あるいは正電極側に生け花を生けるか、さらには電
極の正負を所定時間において逆転させる制御回路を設け
たものである。
【0064】また、アルカリ溶液のpHを12以下、酸
性溶液のpHを4以上とし、低濃度の食塩水の濃度は
0.01〜1重量%とすることにより、低濃度の食塩水
の電気分解で生じる次亜塩素酸ソーダによる殺菌効果
と、負極の電極側に生じる水酸化ナトリウムと樹液との
反応により浸透性が上がり吸水性が大きく向上すること
になる。
【0065】また、食塩水の濃度を規定し、アルカリ溶
液の濃度、さらには酸性液濃度のpHを規定することに
より安全面からもすぐれ、また低い電圧と電流で十分な
効果が得られることから消費電力面から効率が良く、さ
らに市販の切り花の活力剤のように燐酸液を使う必要も
なくなり公害の面からもすぐれた切り花の保育方法とそ
の装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における切り花の保育装置の
横断面図
【図2】本発明の実施例2における切り花の保育装置の
横断面図
【図3】同実施例2における隔壁を取り除いた状態の切
り花の保育装置の横断面図
【図4】本発明の実施例3および4における切り花の保
育装置の横断面図
【図5】従来の微弱電流を通電させる切り花の保育装置
の断面図
【符号の説明】
7 切り花 8 保育装置 9 容器 10 電解液 11 正電極 12 負電極 13 電源 14,28,30 制御回路 20 隔壁 22 イオン交換膜 24 貫通穴 26 カソード室 27 アノード室 31 x電極 32 y電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切り花が生けてある容器内に低濃度の食
    塩水を電解液として注ぎ、その電解液に正負一対の炭素
    または白金の電極を浸漬させ、その電極に所定時間直流
    の電流を通電させる切り花の保育方法。
  2. 【請求項2】 電解液として使用する食塩水濃度を0.
    01〜1重量%にしたことを特徴とする請求項1記載の
    切り花の保育方法。
  3. 【請求項3】 低濃度の食塩水である電解液と、電解液
    を注入する切り花を生ける容器と、その容器に電解液を
    注入したとき浸漬される正負一対の電極と、その電極に
    所定時間直流の電流を通電させる直流電源と制御回路と
    で構成された切り花の保育装置。
  4. 【請求項4】 電解液と正負一対の電極とをイオン交換
    膜の隔壁で二分し、負電極側に切り花を生けることを特
    徴とする請求項3記載の切り花の保育装置。
  5. 【請求項5】 電解液と正負一対の電極とをイオン交換
    膜の隔壁で二分し、正電極側に切り花を生けることを特
    徴とする請求項3記載の切り花の保育装置。
  6. 【請求項6】 電解液と正負一対の電極と開閉可能なイ
    オン交換膜の隔壁とを内蔵する切り花を生ける容器で、
    隔壁が閉状態の位置で電解液と正負一対の電極とを二分
    し、電極間に所定時間電流を流した後、隔壁を開放する
    ことを特徴とする請求項3記載の切り花の保育装置。
  7. 【請求項7】 電解液と正負一対の電極と前記電解液と
    正負一対の電極とを二分するイオン交換膜の隔壁とを内
    蔵する切り花を生ける容器を有し、前記電極間に所定時
    間電流を流し、次いで前記電極に正負逆の電流を所定時
    間流す制御回路を有することを特徴とする請求項3記載
    の切り花の保育装置。
  8. 【請求項8】 電解液と正負一対の電極と前記電解液と
    正負一対の電極とを二分するイオン交換膜の隔壁とを内
    蔵する切り花を生ける容器を有し、前記電極間にA時間
    電流を流し、次いで前記電極に正負を逆にして電流を2
    A時間流す制御回路を有することを特徴とする請求項3
    記載の切り花の保育装置。
  9. 【請求項9】 負電極側に生じるアルカリ溶液のpHを
    12以下としたことを特徴とする請求項4記載の切り花
    の保育装置。
  10. 【請求項10】 正電極側に生じる酸性溶液のpHを4
    以上としたことを特徴とする請求項5記載の切り花の保
    育装置。
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