JP3164934U - 水素ガス発生器 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単に持ち運べることができ、簡易に水素を発生させることができる新規な水素ガス発生器を提供し、さらに、これを利用した水素ガス還元性液体製造装置を提供する。
【解決手段】水素ガス発生器は、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器と、水と混合されることにより水素ガスを発生させるために前記密閉可能な容器に収納されたマグネシウム細片とからなる。収納容器に密閉された液体中に、水素ガス発生器を浸漬させ、水素ガス還元性液体製造装置とする。
【選択図】図1
【解決手段】水素ガス発生器は、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器と、水と混合されることにより水素ガスを発生させるために前記密閉可能な容器に収納されたマグネシウム細片とからなる。収納容器に密閉された液体中に、水素ガス発生器を浸漬させ、水素ガス還元性液体製造装置とする。
【選択図】図1
Description
本考案は水素ガス発生器に関し、詳しくは、簡易な手段で液体中に水素ガスを溶解させることができる水素ガス発生器に関するものである。
従来から、酸化還元電位がマイナスの値となる還元水は、金属の酸化や食品の腐敗を抑制する効果があるとされ、それを飲料水として摂取すると有害とされる体内の活性酸素を除去することができるといわれている。
このような還元水を製造する方法として、活性化した水素ガスを水中に吹き込み水中の溶存酸素を除去するというものが知られている(特許文献1)。
しかし、水素ガスを水中に吹き込むバブリング方式は、水素ガスが水と接触した部分でしか溶解することができないため溶解の能率が悪く、また、水素ガスの回収が困難でコストが高かった。
しかし、水素ガスを水中に吹き込むバブリング方式は、水素ガスが水と接触した部分でしか溶解することができないため溶解の能率が悪く、また、水素ガスの回収が困難でコストが高かった。
このため、圧力容器内に水素ガスを充填した上で、原水を圧力容器内に導入し、原水はシャワー状あるいは霧状に散水する水素還元水製造装置が提案されている(特許文献2)。
しかし、この装置は、工業的に大量の水素還元水を製造することに適した大掛かりなものであるため、少量の水素を発生させ、原水を必要な時に必要なだけ水素還元させる用途には向かず、このようなニーズを満たす水素還元水製造装置が望まれていた。
しかし、この装置は、工業的に大量の水素還元水を製造することに適した大掛かりなものであるため、少量の水素を発生させ、原水を必要な時に必要なだけ水素還元させる用途には向かず、このようなニーズを満たす水素還元水製造装置が望まれていた。
そこで、特許文献3、特許文献4に開示されるような簡易な水素還元水製造装置が種々提案されている。これらは、水中にマグネシウム等の金属を投入し還元反応により水素を発生させるものである。
この還元反応の基本的な反応式は、
Mg + 2H2O → H2 + Mg(OH)2 (式1)
で示されるようなものである。
しかしながら、特許文献3、4に記載された水素還元水製造装置は、以下のようなpHの調整が困難であるという問題があった。
この還元反応の基本的な反応式は、
Mg + 2H2O → H2 + Mg(OH)2 (式1)
で示されるようなものである。
しかしながら、特許文献3、4に記載された水素還元水製造装置は、以下のようなpHの調整が困難であるという問題があった。
特許文献3には水素豊富水発生器が提案され、図1、図2に開示されるような、内部に水が滲入可能なセラミック製の筒状ケースにマグネシウム粒を収納し、これを容器内の飲料水に投入するとマグネシウム粒と飲料水の水分とセラミック成分により、H2O2が発生するとともに水素が発生して浄化された水素豊富水を発生するものが開示されている。
しかし、この水素豊富水発生器は、そのケースはセラミックでできており、このケースを通じて飲料水がマグネシウム粒と反応し、水素ガスを発生するため、反応残渣であるMg(OH)2が飲料水中に残ることになる。
したがって、飲料水がアルカリ性に傾き、pHの調整が困難である。加えて、反応が激しく進むため、発生した水素泡が大きくなり、水素を十分溶解させることが困難である。
しかし、この水素豊富水発生器は、そのケースはセラミックでできており、このケースを通じて飲料水がマグネシウム粒と反応し、水素ガスを発生するため、反応残渣であるMg(OH)2が飲料水中に残ることになる。
したがって、飲料水がアルカリ性に傾き、pHの調整が困難である。加えて、反応が激しく進むため、発生した水素泡が大きくなり、水素を十分溶解させることが困難である。
また、特許文献4は、水素豊富水生成器が提案され、液体が容易に通過できる素材で形成された袋体にマグネシウム粒と水素吸蔵合金粉末をペーストで固形化した水素発生チップを充填し、さらにゼオライトを加えたものが提案されている。
しかし、この水素豊富水生成パックは、袋体を通じて飲料水がマグネシウム粒と反応し、水素ガスを発生するため、反応残渣であるMg(OH)2が飲料水中に残ることになる。
したがって、特許文献3のものと同様に、飲料水もアルカリ性に傾き、pHの調整が困難である。水素を十分溶解させることが困難であることも同様である。
しかし、この水素豊富水生成パックは、袋体を通じて飲料水がマグネシウム粒と反応し、水素ガスを発生するため、反応残渣であるMg(OH)2が飲料水中に残ることになる。
したがって、特許文献3のものと同様に、飲料水もアルカリ性に傾き、pHの調整が困難である。水素を十分溶解させることが困難であることも同様である。
本考案はこのような事情に鑑みてなされたもので、反応残渣であるMg(OH)2などが酸化還元電位をマイナスとする対象である飲料水と接触しないようにした水素ガス発生器を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、発明者は鋭意研究を重ね、マグネシウムなどの水素発生材料を直接水素を溶解しようとする水に投入するのではなく、別の容器で水素を発生させ、発生した水素ガスを容器壁を通して水に溶解させることに着目した。すなわち、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器中で水素を発生させ、発生した水素を当該容器壁を通して水中に溶解するように構成する装置が最も有効であることを見出した。
また、本考案は、簡単に持ち運べることができ、必要な時に必要な場所で水素を発生させることができる水素ガス発生器を提供することを目的とする。
さらに、本考案は、上述の水素ガス発生器を用いた水素ガス還元性液体製造装置を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、本考案に係る水素ガス発生器は、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器と、水と混合されることにより水素ガスを発生させるために前記密閉可能な容器に収納されたマグネシウム細片とからなることを特徴とする。
また、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器は、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートのいずれかまたはこれらの組合せからなることが好ましい。
さらに、密閉可能な容器は、水をその容器の内部に投入するために開閉可能な投入部を有するとともに、投入部はマグネシウム細片と水とを容器内で密閉状態に維持するよう閉鎖できる構造を有することが好ましい。
加えて、開閉可能な投入部は、ねじによる嵌合構造により開閉自在であることが好ましい。
また、密閉可能な容器は、袋体であることが好ましい。袋体は水が封入された内側袋をその内部にさらに有してなり、内側袋は押圧された場合に破断して封入された水がマグネシウム細片と還元反応を起こして水素を発生するように、袋体より容易に破断しやすいことが好ましい。
本考案に係る水素ガス還元性液体製造装置は、上述の水素ガス発生器と、水素ガスと接触させて還元させるための液体を密閉させて収納した収納容器とからなり、前記水素ガス発生器は前記収納容器の前記液体中に浸漬させてなることを特徴とする。
本考案に係る水素ガス発生器は、簡易な手段で液体中に水素ガスを溶解させることができる。このため、液体中の酸化還元電位を大きくマイナス側にした還元性液体が製造できるとともに、反応生成物が液体中に残らないので、水素を溶解しても液体のpHを自在に選定できる。
また、発生した水素泡が細やかである。このため、水素溶解速度を一定とでき時間経過とともに水素溶解量を高くすることができる。
さらに、持ち歩くことができ、簡易に水素発生をさせることができる。
また、発生した水素泡が細やかである。このため、水素溶解速度を一定とでき時間経過とともに水素溶解量を高くすることができる。
さらに、持ち歩くことができ、簡易に水素発生をさせることができる。
本考案に係る水素ガス還元性液体製造装置は、簡易な手段で液体中に水素ガスを溶解させた水素ガス還元性液体を製造することができるとともに、反応生成物が液体中に残らないので、水素を溶解しても液体のpHを自在に選定できる。
以下、本考案の実施形態例を図面に基づいて説明する。
(一の実施例)
図1は、蓋付きの水素発生装置Aの断面図を示し、この水素ガス発生器Aは、本体11と本体11にねじ構造で嵌合するねじ蓋12からなる円筒形状の収納容器10と、この収納容器10内に収納されたマグネシウム細片30とを有するものである。使用の際は、図2に示すように、ねじ蓋12を開け、イオン交換水40を加えたのち、またねじ蓋12を閉じて、収納容器10を密封する。収納容器10は、ポリエチレン製であり、寸法諸元は、表1に示すようなものである。
(一の実施例)
図1は、蓋付きの水素発生装置Aの断面図を示し、この水素ガス発生器Aは、本体11と本体11にねじ構造で嵌合するねじ蓋12からなる円筒形状の収納容器10と、この収納容器10内に収納されたマグネシウム細片30とを有するものである。使用の際は、図2に示すように、ねじ蓋12を開け、イオン交換水40を加えたのち、またねじ蓋12を閉じて、収納容器10を密封する。収納容器10は、ポリエチレン製であり、寸法諸元は、表1に示すようなものである。
上記のポリエチレン製の収納容器10にマグネシウム細片30を1g入れたものを水素ガス発生器Aとした。この水素ガス発生器Aに、イオン交換水40を3gと塩化マグネシウム少々を入れ、ねじ蓋12で密栓した。なお、水中で浮き上がらないように、スチールポールなどの錘をあわせて充填してもよい。
還元反応は、マグネシウム細片30の表面を介して進み、収納容器10内の圧力は高まると、(式1)の還元反応は抑制する方向に働き、収納容器10の壁を通して透過していく水素量に相応した緩やかな反応速度となる。
収納容器40の壁を透過する水素の速度により、透過する水素の量は異なる。このため、収納容器40の材質、厚み、大きさを目的、用途に応じて選定したり、水素発生速度を触媒添加により促進させたりすることにより、水素の透過量を制御できる。
水素透過性の材料の気体の透過量は、一般に、
(透過量)=(圧力)×(面積)×(時間)/(材料の厚み)
で示されるので、目的、用途によって容器の材質、厚みを選定する。
水素透過性の材料の気体の透過量は、一般に、
(透過量)=(圧力)×(面積)×(時間)/(材料の厚み)
で示されるので、目的、用途によって容器の材質、厚みを選定する。
(容器材質)
収納容器40は、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子樹脂を用いることができるが、扱いやすくまた短時間で水素を溶解させるためには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、が好ましい。
収納容器40は、水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子樹脂を用いることができるが、扱いやすくまた短時間で水素を溶解させるためには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、が好ましい。
(添加剤)
(式1)で示すマグネシウムと水との還元反応を促進するために、クエン酸等の酸や塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを少量、触媒として添加してもよい。また、塩化ナトリウムを添加すると同時に硫酸銅を少量加えてもよい。
(式1)で示すマグネシウムと水との還元反応を促進するために、クエン酸等の酸や塩化ナトリウム、塩化マグネシウムを少量、触媒として添加してもよい。また、塩化ナトリウムを添加すると同時に硫酸銅を少量加えてもよい。
図3は、この水素ガス発生器Aを、イオン交換水70を500mL入れたガラス容器60中に投入した状態を示す。水素ガス発生器Aの収納容器10の壁の構成物質であるポリエチレンは、ガスバリア性は完全でなく、イオン交換水40は透過しないが収納容器10内で発生した水素ガスは透過する。このため、(式1)で示すように投入されたポリエチレン収納容器10内でイオン交換水40とマグネシウム細片30の反応が進行し、発生した水素ガスのみが収納容器壁を通してゆっくり透過し、ガラス容器60中のイオン交換水70に溶解する。この収納容器10の壁を通して透過する水素の気体分子はnmオーダーとなるため、極めて細かく、効率よくイオン交換水70に水素が溶解される。
マグネシウムの原子量は24.3であって収納容器10内のマグネシウムは1gであるので、(式1)のように、0.041モルであるマグネシウム1gからは標準状態では約1L(約80mg)の水素ガスが発生する。なお、収納容器10の有効容量は5cm3であるため、イオン交換水は最大5cm3しか入れることができない。イオン交換水(H2O)の分子量が18であり、5cm3の水はおおよそ5gであるため、5/18=0.28モルである。(式1)で示すように、マグネシウム1モルに対して水2モルが反応して、水素1モルが生成されるので、水は0.082モル以上あるため、マグネシウムが尽きると還元反応は停止する。
なお、マグネシウム表面には酸化膜が生じるため、マグネシウムはなるべく細かくすると表面積が増加し反応が進むため好ましい。
なお、マグネシウム表面には酸化膜が生じるため、マグネシウムはなるべく細かくすると表面積が増加し反応が進むため好ましい。
図4に示すように、水素ガス発生器Aをガラス容器80にイオン交換水90を500mL入れた水素ガス還元水製造装置Rの中に投入し密栓して、酸化還元電位と溶存酸素量を計測した。酸化還元電位は東亜電波(株)製のORPメーターRM−12P型を用いて測定し、溶存水素は電気化学計器(株)製のCLC−171D型を用いて測定した。
投入前のイオン交換水90の酸化還元電位はプラス20mVであり、水素イオン指数を表すpHは6であった。投入から30分経過後のガラス容器内の水の酸化還元電位はマイナス500mVとなり、1時間経過後ではマイナス600mVとなった。pHは6と変わらなかった。投入から1時間後の溶存水素量は1.0mg/Lであった。
イオン交換水90の代りに水道水100を用いて同様に計測したところ、投入前の水道水100の酸化還元電位はプラス520mVであり、水素イオン指数を表すpHは7であった。投入から30分経過後のガラス容器内の水の酸化還元電位はマイナス10mVとなり、1時間経過後ではマイナス500mVとなった。pHは7と変わらなかった。投入から1時間後の溶存水素量は1.0mg/Lであった。
(アルカリ性液体の例)
アルカリ性液体として、水の代わりに乳酸0.5重量%水溶液500mL中に、水素ガス発生器Aを投入した。投入前のpHは3、酸化還元電位はプラス550mVであった。投入から1時間経過後に酸化還元電位を測定したところ、マイナス600mVであった。pHは3と変わらなかった。
アルカリ性液体として、水の代わりに乳酸0.5重量%水溶液500mL中に、水素ガス発生器Aを投入した。投入前のpHは3、酸化還元電位はプラス550mVであった。投入から1時間経過後に酸化還元電位を測定したところ、マイナス600mVであった。pHは3と変わらなかった。
(酸性液体の例)
同様に、酸性液体として、水の代わりに消石灰0.1重量%水溶液500mL中に、水素ガス発生器Aを投入した。投入前のpHは13、酸化還元電位はマイナス150mVであった。投入から1時間経過後に酸化還元電位を測定したところ、マイナス700mVであった。pHは13と変わらなかった。
同様に、酸性液体として、水の代わりに消石灰0.1重量%水溶液500mL中に、水素ガス発生器Aを投入した。投入前のpHは13、酸化還元電位はマイナス150mVであった。投入から1時間経過後に酸化還元電位を測定したところ、マイナス700mVであった。pHは13と変わらなかった。
イオン交換水90の水素リッチな状態を長く保持するには、図4に示すように、ガラス容器80を密栓することが望ましい。また、必要に応じ、水素発生器Aは複数個イオン交換水90の中に投入することができる。
容器の材質は、ガラス以外にもエチレンビニルアルコール共重合体のようなガスバリア性の高い材質を用いてもよい。
容器の材質は、ガラス以外にもエチレンビニルアルコール共重合体のようなガスバリア性の高い材質を用いてもよい。
以上のように、本発明の水素発生装置は、pHにかかわらず、対象となる液体に水素を溶解することができ、水素ガスで還元した液体を製造できる。
(カルシウム)
なお、この水素ガス発生器の例では、マグネシウムの還元反応について説明したが、カルシウムを用いても同様である。この場合の基礎反応は、次の(式2)で示される。
Ca + 2H2O → 2H2 + Ca(OH)2 (式2)
なお、この水素ガス発生器の例では、マグネシウムの還元反応について説明したが、カルシウムを用いても同様である。この場合の基礎反応は、次の(式2)で示される。
Ca + 2H2O → 2H2 + Ca(OH)2 (式2)
(他の実施例)
図5は、収納容器110が袋体の場合の水素ガス発生器Bの中央断面を示した斜視図を示す。この水素ガス発生器Bは、収納容器110としてポリエチレンでできた外側袋110を有し、その内部にさらに内側袋111を有している。
図5は、収納容器110が袋体の場合の水素ガス発生器Bの中央断面を示した斜視図を示す。この水素ガス発生器Bは、収納容器110としてポリエチレンでできた外側袋110を有し、その内部にさらに内側袋111を有している。
外側袋110は、ポリエチレン以外にほとんどの高分子樹脂を用いることができるが、扱いやすくまた短時間で水素を溶解させるためには、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることができる。また、空気、水蒸気、ガスは透過するが水は通さない透湿防水性を備えた透湿防水フィルムを使用することもできる。
内側袋111は、ポリエチレン製である。ポリエチレンでなくともよいが水を透過させない材質であればよく、ほとんどの高分子樹脂を用いることができる。扱いやすさの点からは、ポリエチレンのほかにも、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、が好ましい。加えて、内側袋111は、人の手で押圧した場合に、容易に破れる程度の強度を有し、なおかつ、外側袋110より破れやすいものである。一方、外側袋110は、内側袋111より破れにくく、外側袋110内に発生する水素ガスの圧力に耐えて破れないよう必要な強度を有するように、材料の材質、厚み等を選定すればよい。
外側袋110および内側袋111とも一端に開口を設けておき、その開口から内側袋には水を入れて溶着などで封入し、外側袋110にはマグネシウム細片120と内側袋111とを入れて溶着などで封入する。
このような二重構造の袋110,111を備えた水素ガス発生器Bは、任意の場所で必要な時に、袋を押圧して内側袋111だけ破ることにより、外側袋110の内部で内側袋111が破れ内側袋111内の水130が外側袋110内のマグネシウム細片120と接触して、(式1)で示す還元反応を起こし、外側袋110内で水素ガスが発生する。
図では示さないが、イオン交換水を入れたガラス容器中にこの水素ガス発生器Bを投入して浸漬させると、収納容器である外側袋110の壁の構成物質であるポリエチレンは、ガスバリア性は完全でなく、イオン交換水は透過しないが水素ガスは透過するため、(式1)で示すように投入された水素ガス発生器B内でイオン交換水とマグネシウムの反応が進行し、発生した水素ガスのみが外側袋110をゆっくり透過して、ガラス容器中のイオン交換水に溶解する。このため、外側袋110を通して透過する水素の気体分子はnmオーダーとなるため、極めて細かく、効率よくイオン交換水に水素が溶解される。
このように水素ガス発生器Bは、水素ガス発生に必要なマグネシウムおよび水を備えるものであるため、水素ガス発生器Bを容器中の液体に浸漬させると、任意な場所で簡便に必要な量の水素ガス還元水を製造することができ、水素ガス還元液体製造装置を構成することができる。
また、対象とする液体を水素リッチな状態で長く保持するには、ガラス容器を密閉するよう密栓等することが望ましい。また、ガラス以外にもエチレンビニルアルコール共重合体のようなガスバリア性の高い材質を用いてもよい。
以上、本考案の実施形態の例を図面に基づき説明したが、本考案はこれら実施形態例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能である。
A、B:水素ガス発生器 R:水素ガス還元液体製造装置
10:収納容器 11:本体 12:ねじ蓋
30:マグネシウム細片
40:イオン交換水 60:ガラス容器
70:イオン交換水 80:ガラス容器
90:イオン交換水 100:水道水
110:収納容器(外側袋) 111:内側袋 120:マグネシウム細片 130:水
10:収納容器 11:本体 12:ねじ蓋
30:マグネシウム細片
40:イオン交換水 60:ガラス容器
70:イオン交換水 80:ガラス容器
90:イオン交換水 100:水道水
110:収納容器(外側袋) 111:内側袋 120:マグネシウム細片 130:水
Claims (7)
- 水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器と、水と混合されることにより水素ガスを発生させるために前記密閉可能な容器に収納されたマグネシウム細片とからなることを特徴とする水素ガス発生器。
- 前記水素ガスを透過させるが水分子を透過させない高分子材料からなる密閉可能な容器は、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンテレフタレートのいずれかまたはこれらの組合せからなることを特徴とする請求項1に記載の水素ガス発生器。
- 前記密閉可能な容器は、水をその容器の内部に投入するために開閉可能な投入部を有するとともに、前記投入部は前記マグネシウム細片と前記水とを前記容器内で密閉状態に維持するよう閉鎖できる構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の水素ガス発生器。
- 前記開閉可能な投入部は、ねじによる嵌合構造により開閉自在であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の水素ガス発生器。
- 前記密閉可能な容器は、袋体であることを特徴とする請求項1または2に記載の水素ガス発生器。
- 前記袋体は水が封入された内側袋をその内部にさらに有してなり、前記内側袋は押圧された場合に破断して封入された水が前記マグネシウム細片と還元反応を起こして水素を発生するように、前記袋体より容易に破断しやすいことを特徴とする請求項5に記載の水素ガス発生器。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の水素ガス発生器と、水素ガスと接触させて還元させるための液体を密閉させて収納した収納容器とからなり、前記水素ガス発生器は前記収納容器の前記液体中に浸漬させてなることを特徴とする水素ガス還元性液体製造装置。
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