JP2021120140A - オゾン水の生成方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置 - Google Patents

オゾン水の生成方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電極間隙において、浮力により自然に生じる上昇水流を制御することで、家庭で利用できる簡易なオゾン水の生成方法、生成噴霧器、及び生成噴霧装置を提供する。【解決手段】原料水43を貯留する容器4と、容器4の内部に固定状態で配置され、容器4内の原料水43を電気分解してオゾン水42を生成するための電極構造体2と、オゾン水42を噴霧するための噴霧機構5と、を備えるオゾン水生成噴霧器1であり、電極構造体2は、陽極部材21と、陽極部材21と電極間隙23を隔てて対面する陰極部材22と、陽極部材21と陰極部材22とで挟持された紐状絶縁スペーサ30と、電極間隙23のうち、紐状絶縁スペーサ30以外の空間部分である間隙流路24と、で構成され、紐状絶縁スペーサ30の少なくとも一部分は、容器4を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向45と交差する方向に配向されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、原料水から電気分解によりオゾン水を生成する方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置に関する。
オゾン(О3)は強力な酸化力を有するが、水溶液においては数十分程度の時間で酸素(О2)に変化するため残留毒性が少ない。そこで今日では、オゾンガスや、オゾンの水溶液であるオゾン水は、殺菌、脱臭、脱色、有害物質の酸化・分解など幅広い分野で利用され、塩素などに代わる酸化剤、特に殺菌剤として注目されている。オゾンによる殺菌は細菌、酵母、カビ、ウイルスなど広範囲に有効であり、作用機序が細菌の細胞膜を酸化破壊するものであるため耐性菌を生じにくく、脱臭効果を併せもつ、といった特長がある。他方、オゾンは臭気を有し、人体の呼吸器系に刺激を与えるので、空気中の濃度の室内環境基準(体積濃度で0.1ppm以下)を守る必要があること、また、オゾンは鉄やニトリルゴムなどの腐食や劣化を起こすこと、といった点に注意が必要である(非特許文献1)。
オゾン水の主な製法として、ガス溶解法と直接電解法がある。ガス溶解法は、酸素ガスを原料として放電により生成する等の方法で製造したオゾンガスを水に溶解させてオゾン水を製造する方法である。ガス溶解法は、オゾンガスが水に難溶であるため高濃度のオゾン水を得ることが難しいという難点があり、多くは1mg/L以下という低濃度で利用されている。直接電解法は、水道水等の原料水を電気分解することでオゾン水を生成する方法である。直接電解法により、高濃度のオゾン水をより経済的に得ることができる(同文献)。
家庭で手軽に利用できるよう、片手で把持することができるボトル内で原料水を電気分解してオゾン水を生成し、それを1回に0.1mL〜1mLずつ噴霧できる簡易型のオゾン水生成噴霧器においては、体積が数十mL、オゾン濃度が1.5〜2mg/L程度のオゾン水を1〜2分程度の短時間に高効率に生成することが課題である。もちろん、電気分解における電流値又は電圧値を高めることで、オゾン濃度が4mg/L以上の高濃度のオゾン水を生成することは可能であるが、噴霧時の、及び条件によっては生成時も、刺激臭が強く、家庭内での実用に耐えない。
直接電解法でオゾン水の生成効率を高める従来技術として、(1)区画内に電極を配置、(2)電極表面の工夫、(3)イオン移動の制御、などが知られている。
(1)区画内に電極を配置
これは、原料水を貯留する容器内に区画を設け、区画内に電気分解用の電極を配置して電気分解を行い、区画内で生成された高濃度のオゾン水のみを噴霧する技術である。例えば、図(9A)に示すように、特開2011−092883号公報(特許文献1)には、携帯用電解水噴霧器において、筒状水タンク部102に連通する電解部105を設け、筒状水タンク部102と電解部105は、流入孔105Eでのみ連通するように構成し、プッシュ式噴霧機構部104を手でプッシュするたびに、オゾン水をノズル104Aから噴霧すると同時に、タンク部102内から流入口105Eを通して原料水が小容量の電解部105内へ流入し、電解部105内で電気分解されて、再び高濃度のオゾン水が電解部105内に生成される技術が開示されている。類似した技術は特開2009−154030号公報にも開示されている。他にも、特許第6249200号公報(特許文献2)には、噴霧用チューブの内部にオゾン水を生成する電解セルを取り付ける技術が開示されている。これらの技術には、区画された部分に貯留できるオゾン水の量が少ないため、単位時間
当たりの噴霧量がある値を超えると、オゾン水の生成スピードが噴霧スピードに追い付かず、噴霧水中のオゾン濃度が低下する難点がある。
(2)電極表面の工夫
これは、電極の形状や電極表面の物質を工夫することにより、オゾン水生成の効率を高める技術である。例えば、特許第6258566号公報(特許文献3)には、原料水との接触面積を増やして電解効率を上げるために、陽極及び/又は陰極をメッシュ状にする発明が開示されている。また、再表03−000957号公報(特許文献4)には、表面にタンタル酸化物又はニオブ酸化物からなる電極触媒を備えた電解用電極を用いることで、オゾンの生成効率を高める技術が開示されている。また、特開平08−134677号公報(特許文献5)には、陽極電極にオゾン発生触媒機能を有した貴金属製の金網を使用し、陽極電極の外面側には耐食性金属で製造したラス網を重ねて、原料水を供送することで、網目どうしを結ぶ狭い間隙を縫うように原料水を進行させ、その撹拌作用により、発生したオゾン気泡を水に溶解させ、オゾンが気体のまま排出されることを防ぎ、オゾン水の生成効率を高める技術が開示されている。これらの技術は有用であるが、電極構造が複雑で製造コストが高くなりがちである。
(3)イオン移動の制御
これは、イオン移動を制御することにより、オゾン水の生成効率を高める技術である。一般に、直接電解法においては、次の化学反応式に示すように、酸素(О2)及び水素(H2)が生成される水の電気分解反応(式1)及び(式3)が主であり、それに、微量のオゾン(O3)が生成される反応(式2)が付随する。
[陽極反応]
(式1)2H2O → O2+4H++4e-
(式2)3H2O → O3+6H++6e-
[陰極反応]
(式3)2H++2e- → H2
(式2)からわかるように、原料水の電気分解により陽極で生じた水素イオン(H+)が陽極近傍にとどまって高濃度で存在するとオゾンの生成反応(式2)の進行が妨げられる。
上記の特許文献2には、陽極と線状の陰極とが陽イオン交換膜で隔てられてなる電解セルが開示されている。陽極で生成した水素イオンは、陽イオン交換膜を通って陰極へと進み、(式3)が示すように陰極において電子を受け取り、水素(H2)となる。その結果、陽極付近に水素イオンが高濃度にとどまらないため、オゾン生成を効率的に行うことができる。また、特許第4723627号公報(特許文献6)及び上記の特許文献3にも、陽イオン交換膜で陽極と陰極を隔ててなる膜−電極構造体が開示されている。しかし、イオン交換膜は、膜−電極構造体の構造が複雑になりがちで、保守管理のコストがかかる。
(4)その他
上記の特許文献2には、噴霧用チューブの内部にオゾン水を生成する電解セルを取り付ける構成において、さらにスパイラル状の小さな構造物を噴霧用チューブの内部に設けることにより、電解セルで発生したオゾンの気泡を砕いて微細な気泡に変換してオゾンの溶存率を高め、オゾン水の生成効率を上げる技術が開示されている。
このように、直接電解法でオゾン水の生成効率を高める従来技術(1)〜(3)は、簡易かつ安価な家庭用の、片手で把持できるボトルを有するオゾン水生成噴霧器に利用するには、満足できる技術ではない。そして、いずれの技術も、電気分解の際に、陽極と陰極とで挟まれた電極間隙において、原料水に鉛直方向に働く浮力により自然に生じる上昇水流の流れを制御することにより、オゾン水の生成効率を上げる、という発想を有していない。
上記の特許文献1には、図(9B)の水平断面図に示すように、プラス電極106Aとマイナス電極106Bが交互配置となるよう3枚の板状電極が対向配置され、中間の板状電極をプラス電極106Aとし、その両側の板状電極をマイナス電極106Bとし、この3枚の電極の外周を合成樹脂製の熱収縮チューブで覆って筒状体105Pを形成してなる電極構造体105が開示されている。対向配置された板状電極の間には絶縁性のスペーサ105Bが挟持され、電極間隙のうち、スペーサ105B以外の空間領域が電解室5Sを構成する。しかし、絶縁性のスペーサ105B及び電解質5Sは、単に鉛直方向に延びた柱状の構造を有するものにすぎない。特許文献1には、絶縁性のスペーサ105B等の形状を工夫することにより、電気分解時に、電解質5S内の原料水に鉛直方向に働く浮力により自然に生じる上昇水流の流れを制御する、という発想は全く見られない。
特開2011−092883号公報 特許第6249200号公報 特許第6258566号公報 再表03−000957号公報 特開平08−134677号公報 特許第4723627号公報 特開2010−75804号公報
新しい展開に入ったオゾン水の利用技術、西村喜之ほか、日本食品工学会誌、Vol.2、No.3、pp.103−113、Sep.2001
本発明の目的は、簡易かつ安価な、家庭で利用できるオゾン水の生成方法、片手で保持可能な生成噴霧器、及び生成噴霧装置を提供することである。本発明の更なる目的は、電気分解の際に、陽極と陰極とで挟まれた電極間隙とその近傍において、原料水に鉛直方向に作用する浮力により自然に生じる上昇水流の流れを制御することにより、オゾン水の生成効率を上げて、上記の目的を達成することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の形態は、原料水を貯留するための容器と、前記容器内の原料水から生成されたオゾン水を噴霧するための噴霧機構と、を少なくとも備えるオゾン水生成噴霧器におけるオゾン水生成方法であり、前記容器内に、陽極部材を配置し、前記陽極部材に対面するように、電極間隙を隔てて陰極部材を配置し、陽極部材と陰極部材の間に電圧を印加して前記原料水を電気分解することでオゾン水を生成し、電気分解の際に前記電極間隙内の前記原料水に鉛直方向に作用する浮力によって生じる上昇水流の速度を偏向するための偏向手段を設け、前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流が前記電極間隙を通過するのに要する時間を長くして、及び/又は、前記電極間隙外から前記電極間隙内への前記原料水の流入を促して、電気分解によるオゾン生成反応を進行させ、生成されるオゾン水におけるオゾン濃度を高くすることを特徴とするオゾン水生成方法である。
本発明の一形態は、前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流の速度が、鉛直方向と交差する方向に偏向されるオゾン水生成方法である。
本発明の別の一形態は、前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流の速度が、鉛直方
向と直交する方向に偏向されるオゾン水生成方法である。
本発明の第2の形態は、前記陰極部材に複数の孔を設け、前記孔を通して、前記原料水及び/又は前記オゾン水が前記電極間隙に出入するオゾン水生成方法である。
本発明の第3の形態は、前記容器及び/又は前記噴霧機構に、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めるためのガス抜き手段を設けるオゾン水生成方法である。
本発明の第4の形態は、原料水を貯留するための容器と、前記容器の内部に固定状態で配置され、前記容器内の原料水を電気分解してオゾン水を生成するための電極構造体と、前記オゾン水を噴霧するための噴霧機構と、を備えるオゾン水生成噴霧器であり、前記電極構造体は、陽極部材と、前記陽極部材と電極間隙を隔てて対面する陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材とで挟持された紐状絶縁スペーサと、前記電極間隙のうち、前記紐状絶縁スペーサ以外の空間部分である間隙流路と、で構成され、前記紐状絶縁スペーサの少なくとも一部分は、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向と交差する方向に配向されていることを特徴とするオゾン水生成噴霧器である。
本発明の第5の形態は、前記陰極部材が複数の孔を有するか、又は、前記陰極部材が網状であるオゾン水生成噴霧器である。
本発明の第6の形態は、前記紐状絶縁スペーサが前記陽極部材を巻回するОリングであり、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向に交差する方向に配向されているオゾン水生成噴霧器である。
本発明の第7の形態は、前記紐状絶縁スペーサが前記陽極部材をらせん状に巻回する紐であるオゾン水生成噴霧器である。
本発明の第8の形態は、前記紐状絶縁スペーサが弾性素材からなり、前記電極構造体は、前記紐状絶縁スペーサにより巻回された前記陽極部材と、前記陰極部材との挿嵌により構成されるオゾン水生成噴霧器である。
本発明の第9の形態は、前記噴霧機構は前記容器に螺合により着脱自在に取着され、前記噴霧機構と前記容器との螺合部に、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めるためのガス抜き手段を有するオゾン水生成噴霧器である。
本発明の第10の形態は、前期オゾン水生成噴霧器と、前記オゾン水生成噴霧器を載置するための電源部と、を有するオゾン水生成噴霧装置であり、前記電源部は、交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCアダプタを備えることを特徴とするオゾン水生成噴霧装置である。
本発明の第1の形態によれば、原料水を貯留するための容器と、前記容器内の原料水から生成されたオゾン水を噴霧するための噴霧機構と、を少なくとも備えるオゾン水生成噴霧器におけるオゾン水生成方法であり、前記容器内に、陽極部材を配置し、前記陽極部材に対面するように、電極間隙を隔てて陰極部材を配置し、陽極部材と陰極部材の間に電圧を印加して前記原料水を電気分解することでオゾン水を生成し、電気分解の際に前記電極間隙内の前記原料水に鉛直方向に作用する浮力によって生じる上昇水流の速度を偏向するための偏向手段を設け、前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流が前記電極間隙を通過するのに要する時間を長くして、及び/又は、前記電極間隙外から前記電極間隙内への前記原料水の流入を促して、電気分解によるオゾン生成反応を進行させ、生成されるオゾ
ン水におけるオゾン濃度を高くすることを特徴とするオゾン水生成方法を提供できる。
本発明における原料水としては、家庭で容易に利用できるという観点から主に、水道水や市販のミネラルウォータ等を想定しているが、それに限られるものではなく、電気分解及びオゾン生成反応の速度を調節する観点から、塩素等の気体や塩化ナトリウム等の塩類などの溶質を水に溶存させた水溶液であってもよく、又、蒸留水や脱イオン水、精製水等であってもよい。
電気分解時には、電極間隙内の原料水は、ジュール加熱を受けてその温度が上がり、周囲の原料水より密度が小さくなるので、鉛直上向きの浮力の作用を受けて、上昇水流が発生する。又、電極間隙内の原料水は、陽極部材及び陰極部材の表面で発生する酸素、水素、オゾン等の気体の微細な気泡を含有した状態となるが、これら微細な気泡も鉛直上向きの浮力の作用を受けて、上向きに移動し、これら微細な気泡の移動に引きずられて原料水が移動することによっても、該上昇水流が生じる。本発明の電極間隙は、開口や孔により外部と連通しており、電極間隙に容器内の原料水が流入し及び流出することができる。本発明は、偏向手段を設けて該上昇水流の速さを減じることにより、原料水の上昇水流が前記電極間隙を通過するのに要する時間を長くして、及び/又は、前記電極間隙外から前記電極間隙内への前記原料水の流入を促して、電気分解によるオゾン生成反応を進行させ、生成されるオゾン水におけるオゾン濃度を高くするものである。偏向手段は、電極間隙内に設けることが可能であり、例えば電極間隙内に配置された絶縁性の障害物という形態をとることができる。偏向手段は、電極間隙の外部に設けることも可能であり、例えば陽極部材及び陰極部材を管の中に収容して管の一部を縮径するという形態、或いは、陽極部材及び陰極部材を管の中に収容して管の内部に障害物を設けるという形態、或いは、容器内の陽極部材及び陰極部材の外部に設けたプロペラ等の水流発生手段により容器内に水流を発生させて、電極間隙の該上昇水流の速さを減じ、及び/又はその速度を偏向するという形態をとることもできる。
本発明の一形態によれば、前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流の速度が、鉛直方向と交差する方向に偏向されるオゾン水生成方法を提供できる。鉛直方向と交差する方向に偏向された上昇水流の速度には一般に、鉛直成分以外に2つの成分がある。1つは鉛直方向と直交して、かつ陽極部材の表面に沿った方向の成分(横向き表面方向成分)であり、もう1つは鉛直方向と直交して、かつ陽極部材の表面と交差する方向の成分(厚み方向成分)である。上昇水流の速度が厚み方向成分を有するから、電極間隙において、陽極部材の表面近傍の原料水に高濃度で存在する水素イオン(H+)を陰極部材へと送り、陰極部材の表面で電子と結合させ((式3)参照)、水素ガス(H2)を発生させることで除去できるから、陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、効率的にオゾン水を生成することができる。また、本来、鉛直上向きに上昇しようとする、狭い電極間隙内の原料水の上昇水流を偏向手段により偏向して、横向き表面方向成分をもたせる際には、上昇水流に多少の乱れが生じるものであり、その際に、上昇水流の速度には、横向き表面方向成分だけでなく、厚み方向成分も生まれることになる。この厚み方向成分により、上記のメカニズムで陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。更に、本発明の電極間隙は、開口や孔により外部と連通しており、電極間隙に容器内の原料水が流入し及び流出することができるから、偏向手段により偏向された上昇水流が鉛直上向き以外の成分をもつことにより、容器内の原料水が上記の開口や孔を通過して電極間隙に流入したり電極間隙から流出したりすることが促され、その結果、オゾン濃度の低い新鮮な原料水が電極間隙内へ供給され、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。
本発明の別の一形態によれば、前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流の速度が、鉛直方向と直交する方向、すなわち水平方向に偏向されるオゾン水生成方法を提供できる。水平方向に偏向された上昇水流の速度には、鉛直成分以外に2つの成分がある。1つは水平かつ陽極部材の表面に沿った方向の成分(横向き表面方向成分)であり、もう1つは水平かつ陽極部材の表面と交差する方向の成分(厚み方向成分)である。上昇水流の速度が厚み方向成分を有するから、上記のメカニズムで陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。また、本来、鉛直上向きに上昇しようとする、狭い電極間隙内の原料水の上昇水流を、偏向手段によりその速度を90°回転させて水平方向に偏向して、横向き表面方向成分をもたせる際には、上昇水流に多少の乱れが生じるものであり、その際に、上昇水流の速度には、横向き表面方向成分だけでなく、厚み方向成分も生まれることになる。この厚み方向成分により、上記のメカニズムで陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。更に、本発明の電極間隙は、開口や孔により外部と連通しており、電極間隙に容器内の原料水が流入し及び流出することができるから、偏向手段により偏向された上昇水流が鉛直上向き以外の成分をもつことにより、容器内の原料水が上記の開口や孔を通過して電極間隙に流入したり電極間隙から流出したりすることが促され、その結果、オゾン濃度の低い新鮮な原料水が電極間隙内へ供給され、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。
本発明の第2の形態によれば、前記陰極部材に複数の孔を設け、前記孔を通して、前記原料水及び/又は前記オゾン水が前記電極間隙に出入するオゾン水生成方法を提供できる。陰極部材に複数の孔を設けることにより、外部からオゾン濃度の低い原料水を電極間隙内に効率的に導くことができ、又、生成したオゾン水を電極間隙内から外部へと効率的に送り出すことができるので、オゾン水を効率的に生成することができる。更に、陰極部材に複数の孔を設けることにより、前記上昇水流の速度に前記厚み方向成分をもたせることができる。この厚み方向成分により、上記のメカニズムで陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができる。更に、陰極部材に複数の孔を設けることにより、陰極部材の表面に局所的に電場の強い領域を作り出して、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができる。加えて、陰極部材に複数の孔を設けることにより、陰極部材の表面の単位面積当たりの電流密度を高めて、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速し、オゾン水を効率的に生成することができる。
本発明の一形態によれば、前記陰極部材が全く孔を有さないオゾン水生成方法を提供できる。陰極部材が孔を有さないから、(式3)で示される水素の生成反応に寄与する陰極部材の表面の面積が大きくなるので、陰極部材の表面近傍での水素の生成反応を加速し、その結果、電極間隙内の原料水の水素イオン濃度が低く保たれるので、(式2)で示されるオゾンの生成反応が加速され、オゾン水を効率的に生成することができる。
なお、オゾン水を最も効率的に生成できる、陰極部材における孔の個数と配置は、陽極部材、陰極部材および電極間隙の形状や、孔の直径等に依存する。
本発明の第3の形態によれば、前記容器及び/又は前記噴霧機構に、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めるためのガス抜き手段を設けるオゾン水生成方法を提供できる。本発明者は、上記ガス抜き手段を設けない場合には、電気分解を長時間行っても生成されるオゾン水のオゾン濃度が高まらないことを見出した。2〜4分程度の電解時間の場合、ガス抜き手段を設けないと、オゾン水のオゾン濃度は半分以下にとどまる。その理由は定かではないが、本発明者の推測するところでは、第一に、水溶液中でのオゾンの分解反応の速さが圧力に依存しており、圧力が高いほどオゾンの分解が速く進むので、ガス抜きを行
わないと容器内の圧力が高くなり、生成したオゾンが短時間で分解される結果、オゾン濃度が高まらない可能性が考えられる。あるいは、第二に、上記ガス抜き手段が存在しないと、原料水の電気分解により陰極部材の表面近傍で発生した水素が容器内に充満して原料水にも高濃度で溶け込み、(式3)で示される陰極部材の表面近傍における水素の生成反応が進行しにくくなるので原料水の水素イオン濃度が高まり、その結果、(式2)で示される陽極部材の表面近傍におけるオゾンの生成反応が進行しにくくなって、オゾン水のオゾン濃度が高まらない可能性も考えられる。なお、ガス抜き手段は、少なくとも前記容器を載置して電気分解を行う際に、容器内と外気を連通させる手段であればよく、その形状や場所は問わないが、例えば直径約0.1〜1mm程度の貫通孔又は切欠き部を、容器の上部、すなわち原料水の規定の水面(水位線)より上に位置する部分、に設けてガス抜き手段とすることができる。あるいは、噴霧機構と容器との螺合部(係合部)に、後述する実施形態において詳述する形態のガス抜き手段を設けることもできる。
本発明の第4の形態によれば、原料水を貯留するための容器と、前記容器の内部に固定状態で配置され、前記容器内の原料水を電気分解してオゾン水を生成するための電極構造体と、前記オゾン水を噴霧するための噴霧機構と、を備えるオゾン水生成噴霧器であり、前記電極構造体は、陽極部材と、前記陽極部材と電極間隙を隔てて対面する陰極部材と、前記陽極部材と前記陰極部材とで挟持された紐状絶縁スペーサと、前記電極間隙のうち、前記紐状絶縁スペーサ以外の空間部分である間隙流路と、で構成され、前記紐状絶縁スペーサの少なくとも一部分は、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向と交差する方向に配向されていることを特徴とするオゾン水生成噴霧器を提供できる。
本発明のオゾン水生成噴霧器の電極構造体は、容器の内部に固定状態で配置される。その配置場所は特に問わないが、電気分解の際に電極構造体及びその近傍から発生する上昇水流により容器内の原料水に対流が生じて、電極間隙で電気分解により生成したオゾン水が容器内全体にまんべんなく拡散する効果を利用する観点から、なるべく容器の下部に固定状態で配置することが好ましく、容器の底部に固定状態で配置することが更に好ましい。本形態のオゾン水生成噴霧器の電極構造体は、陽極部材と陰極部材とで挟持された紐状絶縁スペーサを備える。該紐状絶縁スペーサは、絶縁性の樹脂等の素材で構成された紐状の部材であり、本発明の第1の形態における偏向手段の1つの具体例である。前記紐状絶縁スペーサの少なくとも一部分は、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向と交差する方向に配向されている。
本形態のオゾン水生成噴霧器は、陽極部材と陰極部材の間に電圧を印加して前記原料水を電気分解することでオゾン水を生成し、電気分解の際に前記電極間隙内の前記原料水に鉛直方向に作用する浮力によって生じる上昇水流の速度を、鉛直方向と交差する方向に配向された、偏向手段の一種である紐状絶縁スペーサにより減じ、及び/又は偏向させて、前記原料水の上昇水流が前記電極間隙を通過するのに要する時間を長くして、及び/又は、前記電極間隙外から前記電極間隙内への前記原料水の流入を促して、電気分解によるオゾン生成反応を進行させ、生成されるオゾン水におけるオゾン濃度を高くすることができる。
本形態によれば、鉛直方向と交差する方向に配向された紐状絶縁スペーサにより、原料水の上昇水流の速度が、鉛直方向と交差する方向に偏向される。鉛直方向と交差する方向に偏向された上昇水流の速度には一般に、鉛直成分以外に2つの成分がある。「横向き表面方向成分」と「厚み方向成分」である。上昇水流の速度が厚み方向成分を有するから、電極間隙において、陽極部材の表面近傍の原料水に高濃度で存在する水素イオン(H+)を陰極部材へと送り、陰極部材の表面で電子と結合させ((式3)参照)、水素ガス(H2)を発生させることで除去できるから、陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、効率的にオゾン水を
生成することができる。また、本来、鉛直上向きに上昇しようとする、狭い電極間隙内の原料水の上昇水流を紐状絶縁スペーサにより偏向して、横向き表面方向成分をもたせる際には、上昇水流に多少の乱れが生じるものであり、その際に、上昇水流の速度には、横向き表面方向成分だけでなく、厚み方向成分も生まれることになる。この厚み方向成分により、上記のメカニズムで陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。更に、本発明の電極間隙は、開口や孔により外部と連通しており、電極間隙に容器内の原料水が流入し及び流出することができるから、偏向手段により偏向された上昇水流が鉛直上向き以外の成分をもつことにより、容器内の原料水が上記の開口や孔を通過して電極間隙に流入したり電極間隙から流出したりすることが促され、その結果、オゾン濃度の低い新鮮な原料水が電極間隙内へ供給され、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができ、より効率的にオゾン水を生成することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記陰極部材が複数の孔を有するか、又は、前記陰極部材が網状であるオゾン水生成噴霧器を提供できる。陰極部材に複数の孔を設けることにより、若しくは、陰極部材を網状とすることにより、電極構造体の外部から原料水を電極間隙内に効率的に導くことができ、又、生成したオゾン水を電極間隙内から電極構造体の外部へと効率的に送り出すことができるので、オゾン水を効率的に生成することができる。更に、陰極部材に複数の孔を設けることにより、若しくは、陰極部材を網状とすることにより、前記上昇水流の速度に前記厚み方向成分をもたせることができる。この厚み方向成分により、上記のメカニズムで陽極部材の表面近傍の水素イオン濃度が小さくなり、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができる。更に、陰極部材に複数の孔を設けることにより、若しくは、陰極部材を網状とすることにより、陰極部材の表面に局所的に電場の強い領域を作り出して、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速することができる。加えて、陰極部材に複数の孔を設けることにより、若しくは、陰極部材を網状とすることにより、陰極部材の表面の単位面積当たりの電流密度を高めて、(式2)で示されるオゾンの生成反応を加速し、オゾン水を効率的に生成することができる。
本発明の一形態によれば、前記陰極部材が全く孔を有さないオゾン水生成噴霧器を提供できる。
本発明の第6の形態によれば、前記紐状絶縁スペーサが前記陽極部材を巻回するОリングであり、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向に交差する方向に配向されているオゾン水生成噴霧器を提供できる。紐状絶縁スペーサを、構造が簡単なОリングで構成すれば、Oリングが陽極部材を巻回する際に、電気分解時の鉛直方向と該Oリングの最大傾斜直径とがなす角度の調節が容易である。したがって、本形態によれば、該角度の調節によりオゾン水の生成効率を最適化でき、かつ製造が容易な電極構造体を有するオゾン水生成噴霧器を提供できる。
本発明の第7の形態によれば、前記紐状絶縁スペーサが前記陽極部材をらせん状に巻回する紐であるオゾン水生成噴霧器を提供できる。紐状絶縁スペーサを、構造が簡単ならせん状に巻回する紐で構成すれば、該紐が陽極部材を巻回する際に、電気分解時の鉛直方向と該紐とがなす角度の調節が容易である。したがって、本形態によれば、該角度の調節によりオゾン水の生成効率を最適化でき、かつ製造が容易な電極構造体を有するオゾン水生成噴霧器を提供できる。
本発明の第8の形態によれば、前記紐状絶縁スペーサが弾性素材からなり、前記電極構造体は、前記紐状絶縁スペーサにより巻回された前記陽極部材と、前記陰極部材との挿嵌により構成されるオゾン水生成噴霧器を提供できる。本形態によれば、接着剤をもちいることなく、単なる挿嵌により電極構造体を構成でき、その構成が紐状絶縁スペーサの弾
性により維持されるので、構造がシンプルで製造が容易な電極構造体を有するオゾン水生成噴霧器を提供できる。
本発明の第9の形態によれば、前記噴霧機構は前記容器に螺合により着脱自在に取着され、前記噴霧機構と前記容器との螺合部に、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めるためのガス抜き手段を有するオゾン水生成噴霧器を提供できる。なお、螺合部とは、前記噴霧機構と前記容器との螺合のためのネジ山が設けられた前記噴霧機構の表面領域と、同じく螺合のためのネジ山が設けられた前記容器の表面領域と、螺合時にはこれら2つの表面領域で挟まれる空間領域と、からなる部分をいう。
本発明の第10の形態によれば、前期オゾン水生成噴霧器と、前記オゾン水生成噴霧器を載置するための電源部と、を有するオゾン水生成噴霧装置であり、前記電源部は、交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCアダプタを備えることを特徴とするオゾン水生成噴霧装置を提供できる。本形態のオゾン水生成噴霧装置では、オゾン水生成噴霧器を電源部に載置した状態で電気分解を行い、一定時間が経過したら電気分解が停止される。噴霧時には、使用者がオゾン水生成噴霧器を手で保持し、噴霧機構により容器内のオゾン水を物品等に噴霧して使用する。本形態によれば、AC−DCアダプタが電源部に備えられているので、オゾン水生成噴霧器の電気回路を簡単化できるから、オゾン水生成噴霧器を小型化及び軽量化して、片手で保持可能に構成することができ、家庭内での使用に適したオゾン水生成噴霧装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るオゾン水生成噴霧装置を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係る電極構造体の分解斜視図(2A)及び斜視図(2B)である。 図2に示した電極構造体の上面図(3A)及び側面図(3B)である。 本発明の別の一実施形態における電極構造体の分解斜視図(4A)、斜視図(4B)、及び、その一変形形態の斜視図(4C)である。 本発明の更に別の一実施形態に係る電極構造体の分解斜視図(5A)及び斜視図(5B)である。 本発明の更に別の一実施形態に係る電極構造体の斜視図である。 本発明の更に別の一実施形態に係る電極構造体の斜視図である。 本発明において、陽極部材に紐状絶縁スペーサを巻回する様々な仕方を例示する説明図である。 従来の携帯用電解水噴霧器の端面図(9A)及び電解部の断面図(9B)である。 本発明の一実施形態に係る電極構造体の内部の水流を表す説明図である。 本発明の一実施形態に係るガス抜き手段を示す説明図である。
次に、本発明に係るオゾン水の生成方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るオゾン水生成噴霧装置7を示す正面図である。オゾン水生成噴霧装置7は、オゾン水生成噴霧器5と、オゾン水生成噴霧器5を載置するための電源部6から構成される。オゾン水生成噴霧器5は、原料水43を貯留するための容器4と、容器4の内部に固定状態で配置され、容器4内の原料水43を電気分解してオゾン水42を生成するための電極構造体2と、オゾン水42を噴霧するための噴霧機構5と、を備える。
図1において、電源部6は、家庭用のコンセントに接続し、交流電圧を直流電圧に変換するためのAC−DCアダプタ61と、オゾン水生成噴霧器1に直流電圧及び直流電流を供給するためのDC端子62と、少なくとも3つの操作ボタン63と、を備える。操作ボタン63は、電源ボタンと、短時間作動用の短時間作動ボタンと、長時間作動用の長時間作動ボタンと、を含む。安全に配慮し、室内の空気中のオゾン濃度が室内環境基準である0.1ppm(0.1mg/L)を超えないことを保証するためである。短時間作動ボタンを押圧すると、例えば60秒間だけ電気分解が行われ、又、長時間作動ボタンを押圧すると、例えば120秒間だけ電気分解が行われて、光又は音で電気分解の終了を使用者に告知すると同時に、電気分解のための通電を完了する。なお、図1の実施形態においては、AC−DCアダプタ61は電源部6の筐体とは別に設けられているが、本実施形態の変形形態においては、AC−DCアダプタ61を電源部6の筐体内に内蔵してもよい。
図1において、容器4は、その内部を上下に水密に画成する隔壁48を備え、隔壁48の上側は原料水43を貯留し、かつオゾン水を蓄える貯水室40となり、下側は回路室49となっている。容器4の回路室49には、電源部のDC端子62を接続するための、DC端子接続部44が設けられている。DC端子接続部44を通じて、直流電圧及び直流電流が電極構造体2に供給される。
図1において、噴霧機構5は、容器4に、取り外し可能な態様で取着されるヘッド部51と、容器4内のオゾン水42をヘッド部51に輸送するためのチューブ52と備え、ヘッド部51は、レバ―54と、ノズル53とを備える。使用者がレバ―54を手で握って回動させるとポンプ作用により、0.1〜1.0mL程度の少量のオゾン水42がチューブ52を通って、容器4内からヘッド部51へと輸送され、輸送されたオゾン水42はノズル53を通過して噴霧流55となって外へと噴射される。噴霧後に使用者がレバ―54から手を放すと、ヘッド部51に設けられたバネ(図示せず)の作用により、先ほど回動したレバ―54はもとの位置に戻る。容器4の外側表面にはレバ―収容溝部46と、レバ―収容溝部46に沿って移動可能なスライド部材47と、が設けられており、非使用時にレバ―54をレバ―収容溝部46に収容して、スライド部材47を移動させてレバ―54の先端部を覆止して固定することで、レバ―54を容器4の外側表面に密着させてコンパクトに収容することができる。なお、図1の実施形態では噴霧機構5は手動式であるが、本実施形態の変形形態においては、噴霧機構5として電動式のポンプを用いた噴霧機構を用いてもよい。
図1において、電極構造体2は、容器4の貯水室40の内部のどこに固定して配置してもよいが、電気分解により生成したオゾン水42を、電極構造体2及びその近傍から生じる上昇水流により容器4の貯水室40の全体に満遍なく拡散させる観点から、電極構造体2は容器4の貯水室40のなるべく下部に固定して配置することが好ましく、容器4の貯水室40の底面を構成する隔壁48に固定して配置することがより好ましい。隔壁48に固定して配置する場合、隔壁48の上面に窪部を設け、該窪部に隔壁48を貫通するスリットを設けて、該スリットに、陽極部材21に延設された陽極接続突起25と(図2を参照)、陰極部材22に延設された陰極接続突起26と、を挿入して導線を接続し、該窪部と該スリットに耐腐食性の樹脂を流し込んで硬化させることにより、貯水室40と回路室49との間の水密を保つように、電極構造体2を隔壁48に固定して配置することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る電極構造体の分解斜視図(2A)及び斜視図(2B)であり、図3は、図2に示した電極構造体の上面図(3A)及び側面図(3B)である。本実施形態において、電極構造体2は、矩形板状の陽極部材21と、陽極部材21に電極間隙23を隔てて対面する断面形状がU字型若しくはコの字型の陰極部材22と、陽極部材21と陰極部材22とで挟持された紐状絶縁スペーサ30である偏向手段3と、電極
間隙23のうち、紐状絶縁スペーサ30以外の空間部分である間隙流路24と、で構成される。本実施形態に於いては、紐状絶縁スペーサ30は、陽極部材21を巻回するOリング30aである。Оリング30aは、そのいずれの部分も、容器4を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向(鉛直方向を示す矢印45が指し示す鉛直上方の向きを参照)と交差する方向に配向されている。特に、紐状絶縁スペーサ30の配向方向31(Oリング30aの最大傾斜直径の方向)と鉛直方向を示す矢印45とがなす角θは、0°ではなく、鋭角を成している。電気分解時に、電極間隙23内の原料水43に鉛直方向に作用する浮力により生じる上昇水流の速さは、電極間隙23内に配置された紐状絶縁スペーサ30により減速され、又、該上昇水流の速度は、電極間隙23内に配置された紐状絶縁スペーサ30により、鉛直方向と交差する方向に偏向される。この減速と偏向の効果により、既述のメカニズムが働いて、より効率的にオゾン水42を生成することができる。
図2において、陽極部材21を巻回するOリング30aの個数は2個に限られず、1個でもよく、3個以上でもよい。また、陽極部材21を巻回する紐状絶縁スペーサ30は、Oリング30aでなくてもよく、螺旋状に陽極部材21を巻回する紐30bでもよい。また、紐状絶縁スペーサ30は、必ずしも陽極部材21の全周を隙間なく巻回する必要はなく、本実施形態の変形形態においては、電極間隙23内の原料水43の移動性を確保する観点から、分離した複数の円弧から構成されていてもよい。また、紐状絶縁スペーサ30は、必ずしも陽極部材21の全周に渡って同じ太さである必要はなく、本実施形態の別の変形形態においては、電極間隙23内の陰極部材22の近傍の原料水43の移動性を確保する観点から、場所によって太さが異なる紐状絶縁材料から構成されていてもよい。
本発明の紐状絶縁スペーサ30の材質としては、特に限定されるものではないが、フッ素樹脂、軟質フッ素樹脂、バイトンゴム、シリコンゴム、塩ビゴム、エチレンプロピレンゴム等が利用可能であり、耐食性の観点から、フッ素樹脂や軟質フッ素樹脂等が好ましい。
図2において、陰極部材22には、複数の孔27が設けられている。陰極部材22に複数の孔を設けることにより、既述のメカニズムで、オゾンの生成反応を加速し、オゾン水42を効率的に生成することができる。
図2において、陰極部材22は、断面形状がU字型若しくはコの字型であり、その側面に開口部が1つしかないから、電極間隙23に外部から出入りする原料水43の移動の自由度が低い。そのため、電極間隙23内の原料水が、前記上昇水流により電極間隙23を通過するのに要する時間が長くなり、反応時間が確保され、オゾンの生成反応が進行するので、オゾン水42を効率的に生成することができる。
図3において、Oリング30aで構成される紐状絶縁スペーサ30は弾性素材からなることが好ましい。その場合、電極構造体2は、紐状絶縁スペーサ30により巻回された陽極部材21と、陰極部材22との挿嵌により構成される。本形態によれば、接着剤をもちいることなく、単なる挿嵌により電極構造体2を構成でき、その構成が紐状絶縁スペーサ30の弾性により維持されるので、構造がシンプルで製造が容易な電極構造体2を有するオゾン水生成噴霧器1を提供できる。
本発明において、陽極部材21を構成する素材は、導電性を有する限り特に限定されるものではないが、耐食性及びオゾン生成反応の触媒作用の観点から少なくともその表面は白金、イリジウム等の貴金属及びそれらの酸化物、又は、ニオブ酸化物、又は、タンタル酸化物、又は、カーボンを含むことが好ましい。
陽極部材21には、陽極接続突起25が延設されている。
本発明において、陰極部材22を構成する素材は、導電性を有する限り特に限定されるものではないが、発生する水素に対して脆化しないという観点から、白金族元素、ニッケ
ル、ステンレス、チタン、ジルコニウム、金、銀、カーボン等が好ましい。
陰極部材22には、陰極接続突起26が延設されている。
図4は、本発明の別の一実施形態における電極構造体2の分解斜視図(4A)、斜視図(4B)、及び、その一変形形態の斜視図(4C)である。本実施形態の構成と作用効果は、図2に示す実施形態と多くの点で共通であるから、相違点を中心に説明する。図(4A)及び図(4B)に示す実施形態においては、陽極部材21は円柱形状であり、陰極部材22は円筒形状である。Oリング30aで構成される紐状絶縁スペーサ30が陽極部材21の円柱の側面を巻回している。紐状絶縁スペーサ30は、陽極部材21と陰極部材22の間に挟持されており、その配向方向は鉛直方向と交差する方向である。図(4C)は、本実施形態の変形形態を示す。本変形形態においては、陽極部材21を構成する貴金属等の使用量を節減する観点から、陽極部材21は円筒形状をなしている。なお、陽極部材21を巻回するOリング30aの個数は2個に限られず、1個でもよく、3個以上でもよい。また、陽極部材21を巻回する紐状絶縁スペーサ30は、Oリング30aでなくてもよく、螺旋状に陽極部材21を巻回する紐30bでもよい。また、紐状絶縁スペーサ30は、必ずしも陽極部材21の全周を隙間なく巻回する必要はなく、本実施形態の変形形態においては、電極間隙23内の原料水43の移動性を確保する観点から、分離した複数の円弧から構成されていてもよい。また、紐状絶縁スペーサ30は、必ずしも陽極部材21の全周に渡って同じ太さである必要はなく、本実施形態の別の変形形態においては、電極間隙23内の陰極部材22の近傍の原料水43の移動性を確保する観点から、場所によって太さが異なる紐状絶縁材料から構成されていてもよい。
図5は、本発明の更に別の一実施形態に係る電極構造体2の分解斜視図(5A)及び斜視図(5B)である。本実施形態の構成と作用効果は、既述の実施形態と多くの点で共通であるから、相違点を中心に説明する。本実施形態は、図2に示した実施形態と陰極部材22の構造のみが異なる。本実施形態において、陰極部材22は2枚の分離した板からなり、これら2枚の板が、紐状絶縁スペーサ30により巻回された陽極部材21を挟持することにより電極構造体2が構成される。電極構造体2を構成する各部材は、接着、融着、締着等により互いに固定される。図5において、陰極部材22は2枚の分離した板からなり、その側面に開口部が2つあるから、電極間隙23に外部から出入りする原料水43の移動の自由度が大きい。そのため、電極構造体2の外部から原料水43を電極間隙23内に効率的に導くことができ、又、生成したオゾン水42を電極間隙23内から電極構造体2の外部へと効率的に送り出すことができるので、オゾン水を効率的に生成することができる。
図10は、本発明の図5に示す実施形態において、電極間隙付近の原料水(及び/又は生成されたオゾン水)の流れの様子を示す説明図である。図(10A)は、電極間隙23付近の鉛直端面図であり、水流を表す矢印43aが示すように、電気分解に伴い電極間隙23内に生じる上昇水流が、陽極部材21に取着された、鉛直線と交差する方向に配向した紐状の偏向手段3により偏向されて、電極構造体2の側面及び上面の開口部から外部へと流出し、それに伴って、電極間隙23内に新たな原料水が電極構造体2の側面及び下面の開口部や陰極部材22に設けられた複数の孔27から流入する様子を示している。図(10B)は、電極構造体2の鉛直端面図であり、水流を表す矢印43aが示すように、電気分解に伴い、陽極部材21と陰極部材22で挟まれた空間である電極間隙23内に生じる上昇水流が、偏向手段3により偏向されて、陰極部材22に設けられた複数の孔27から外部へと流出し、それに伴って、電極間隙23内に新たな原料水が陰極部材22に設けられた複数の孔27や電極構造体2の側面及び下面の開口部から流入する様子を示している。偏向手段が該上昇水流を偏向するので、オゾン濃度の低い新鮮な原料水が外部から電極間隙内に流入することが促され、オゾン水を効率的に生成することができる。
なお、図10は、図5に示す実施形態の電極構造体に基づく説明図であるが、偏向手段
の作用と、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高める効果は、他の実施形態についても同様である。
図6は、本発明の更に別の一実施形態に係る電極構造体2の斜視図である。本実施形態の構成と作用効果は、既述の実施形態と多くの点で共通であるから、相違点を中心に説明する。本実施形態は、図2に示す実施形態の変形形態である。図6において、電極構造体2は、nを2以上の整数として、紐状絶縁スペーサ30により巻回されたn枚の板状の陽極部材21が、n個の凹部をもつ板状の陰極部材22の凹部にそれぞれ挿嵌されて構成されている。nが2の場合には、陰極部材の断面形状は「mの字型」である。本実施形態においては、オゾン生成反応の起きる陽極部材21の表面積が大きくなるので、オゾン水を効率的に生成することができる。
図7は、本発明の更に別の一実施形態に係る電極構造体2の斜視図である。本実施形態の構成と作用効果は、既述の実施形態と多くの点で共通であるから、相違点を中心に説明する。本実施形態は、図5に示す実施形態の変形形態である。図7において、電極構造体2は、nを2以上の整数として、紐状絶縁スペーサ30により巻回されたn枚の板状の陽極部材21が、(n+1)枚の板状の陰極部材22の間に挿嵌され、接着、融着、締着等により各部材が互いに固定されて構成されている。本実施形態においては、オゾン生成反応の起きる陽極部材21の表面積が大きくなるので、オゾン水を効率的に生成することができる。
図11は、本発明の一実施形態に係るオゾン水生成噴霧器が備えるガス抜き手段の説明図である。図(11A)に示すように、本実施形態のオゾン水生成噴霧器は、容器4と、容器4のキャップの役割をする噴霧機構5とを含む。容器4の上部には原料水を補給するための円筒形の注入口70が設けられ、注入口70の外側面にはネジ山が設けられて雄ネジを構成している。噴霧機構5は、ノズル53、レバー54、チューブ52を有する。噴霧機構5にはネジ山が設けられて雌ネジを構成している。容器4から噴霧機構5を取り外す際には、図の回転矢印7bが示す方向に噴霧機構5を回転させると、前記雄ネジと前記雌ネジの螺合がはずれて、矢印7aが示すように、取り外しができる。逆に、原料水の補給後に、容器4に噴霧機構5を取り付ける際には、噴霧機構5を上記とは逆向きに回転させると、前記雄ネジと前記雌ネジが螺合して、取り付けができる。
本実施形態においては、ガス抜き手段は、容器4と噴霧機構5との螺合部(係合部)に設けられている。図(11B)は、容器4の注入口70の平面図である。円筒形の注入口70の外側面にはネジ山71が設けられて、噴霧機構5の雌ネジと螺合可能な雄ネジ71を構成しているが、本実施形態の注入口70には更に、ネジ山を部分的に欠損させたネジ山欠損部72が設けられている。注入口70にネジ山欠損部72が設けられているので、噴霧機構5を螺合により取着した容器4の内部は、外気と連通状態となり、電気分解時に発生する気体を容器4の外部へ逃がし、容器4内の圧力が高まることを防ぎ、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めることができる。同時に、ネジ山欠損部72のサイズは、噴霧機構5を螺合により取着した容器4を上下逆さまに把持しても、少なくとも容器4内の気体と外部の大気との圧力差がない状態では、容器4内の原料水が外部へ漏れ出さない程度のサイズに調整されている。このように、本実施形態に於いては、容器4と噴霧機構5との螺合部(係合部)において、容器4に設けられたネジ山71の一部が欠損したネジ山欠損部72がガス抜き手段となっている。なお、容器4と噴霧機構5との螺合部において、噴霧機構5に設けられたネジ山の一部が欠損したネジ山欠損部をガス抜き手段とする構成も可能である。
ネジ山欠損部71の製造法としては、平面視において円周の全角度にネジ山71が設けられた注入口70の外側面を、図(11B)に示すように、1又は複数の角度の方向から
、鉛直平面状に削り取ってネジ山欠損部72とすることができる。この製法によれば、削り取りの深さを調節することで、容器4と噴霧機構5の螺合部(係合部)において、気体は通過させるが、少なくとも容器4内の気体と外部の大気との圧力差がない状態では、原料水(又はオゾン水)は通過させないガス抜き手段を容易に形成することができる。
ここで、本発明のガス抜き手段と従来技術との相違点についてコメントする。特開2010−75804号公報(特許文献7)に開示された従来技術に係る電解水生成噴霧装置は、電解溶液を電解して電解水を生成する電解槽と、電解槽で生成された電解水を噴霧する噴霧機構とを備えて携帯可能となっていて、内部に電解溶液を貯留するとともに電解槽を有する容器を備え、容器の電解槽に連通し、かつ、電解溶液の液面より上となる部位に、容器内と外部とを連通する通気孔が形成され、通気孔が、気体を通過可能とする通気性を有するとともに、少なくとも容器内と外部との間に圧力差が無い状態で電解溶液の通過を阻止する遮水性を備えた通気性シートにより閉塞されていることを特徴とする。これにより、通気孔から電解ガスを放出して容器の内圧の上昇を防止し、電解溶液が通気孔から漏出するのを防止できる。
このように、特許文献7に開示された従来技術は、通気孔と遮水性を具えた通気性シートを併用することにより、通気遮水を実現している。それに対して、本願発明のガス抜き手段は、通気性シートを用いることなく、螺合部のネジ山の形状の調整のみにより、通気遮水を実現している。本願発明のガス抜き手段は、従来技術と比較して、構造が単純で部品点数も少なく製造が容易であり、保守管理も容易い利点がある。また、特許文献7には、容器内と外部とを連通するガス抜き手段を設けることにより、電気分解によって容器内で生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めることが可能であることは一切記載されていない。
図8に示すように、本発明においては、陽極部材21に紐状絶縁スペーサ30を巻回する様々な仕方がある。他の条件を一定に保ちつつ、上記の巻回の仕方を変えて、生成するオゾン水の濃度を比較する実験を行った。実験においては、図11に示す形態のガス抜き手段を具えた容器と噴霧機構を用いた。
<実施例1:θ=60°(2輪のOリング)の場合>
図8(a)に示すように、陽極部材21の陽極接続突起25を除く部分が長方形形状で、長方形の2辺の長さが14mmと22mmであり、厚みが1.0mmの白金製の陽極部材21に、太さ2.0mmの2輪のOリング30aからなる紐状絶縁スペーサ30を巻回して、鉛直方向と60°の角度をなす方向に配向させた。すなわち、鉛直方向を示す矢印45と紐状絶縁スペーサ30の配向方向31とのなす角度θは、θ=60°である。この、紐状絶縁スペーサ30を巻回した陽極部材21を、図2に示す断面形状がU字型をなす陰極部材22に挿嵌して電極構造体2を構成した。厚み0.6mmのチタン製の陰極部材22は、陰極接続突起26を除いて、正面視において長方形形状であり、長方形の2辺の長さは15mmと23mmである。また、陰極部材22の側面視における幅は5mmである。陰極部材22は多数の孔27を有する。この電極構成体2を、図1に示す透明な容器2の貯水室40の底面を構成する隔壁48に固定して配置した。貯水室40は、内直径50mm、高さ80mmの円筒形状であり、満杯時の容積は1.6×102cm3である。貯水室40に60mLの原料水43を投入して電極構造体2を水面下に浸漬させたのち、水温を調整して、水温が20℃になった状況が確認できたら、陽極部材21と陰極部材22の間に12Vの定電圧を120秒の間、印加して電気分解を行った。その間、電流値は約1.0Aであった。120秒の経過後すぐに、容器4を一振りしてから貯水室内40の原料水43(及びオゾン水42)を洗浄されたビーカーに移し、水温を20℃になるように調整して、パックテスト(協立理化学研究所製、オゾンWAK−O3)を用いてオゾン濃度を測定した。実験を5回繰り返して、5回分の測定の平均値をオゾン濃度の測定値とし
た。オゾン濃度の測定値は1.5ppmであった。なお、原料水43としては、硬度及びTDS値が全国水道水の平均値に近く、かつ、ほぼ一定であることが確認できた市販のミネラルウォーター(ボルヴィック、キリン株式会社)を用いた。
<実施例2:θ=45°(2輪のOリング)の場合>
実施例1と同じ陽極部材21に、太さ2.0mmの2輪のOリング30aからなる紐状絶縁スペーサ30を巻回して、鉛直方向と45°の角度をなす方向に配向させた(θ=45°)。この陽極部材21と実施例1と同じ陰極部材22を用いて電極構造体2を構成して、他の条件は実施例1と全く同じに揃えて、電気分解によるオゾン水の生成とオゾン濃度の測定を行った。オゾン濃度の測定値は1.5ppmであった。
<実施例3:θ=90°(2輪のOリング)の場合>
実施例1と同じ陽極部材21に、太さ2.0mmの2輪のOリング30aからなる紐状絶縁スペーサ30を巻回して、鉛直方向と90°の角度をなす方向に配向させた(θ=90°、図(8C)を参照)。この陽極部材21と実施例1と同じ陰極部材22を用いて電極構造体2を構成して、他の条件は実施例1と全く同じに揃えて、電気分解によるオゾン水の生成とオゾン濃度の測定を行った。オゾン濃度の測定値は1.2ppmであった。
<比較例:θ=0°(2輪のOリング)の場合>
実施例1と同じ陽極部材21に、太さ2.0mmの2輪のOリング30aからなる紐状絶縁スペーサ30を巻回して、鉛直方向に配向させた(θ=0°、図(8D)を参照)。この陽極部材21と実施例1と同じ陰極部材22を用いて電極構造体2を構成して、他の条件は実施例1と全く同じに揃えて、電気分解によるオゾン水の生成とオゾン濃度の測定を行った。オゾン濃度の測定値は1.0ppmであった。
<実施例4:θ=60°(螺旋状の紐)の場合>
実施例1と同じ陽極部材21に、太さ2.0mmの紐からなる紐状絶縁スペーサ30を螺旋状に巻回して、鉛直方向と60°の角度をなす方向に配向させた(θ=60°、図(8B)を参照)。この陽極部材21と実施例1と同じ陰極部材22を用いて電極構造体2を構成して、他の条件は実施例1と全く同じに揃えて、電気分解によるオゾン水の生成とオゾン濃度の測定を行った。オゾン濃度の測定値は1.5ppmであった。
上記の実施例1〜4及び比較例から、電極構造体2の電極間隙23において、紐状絶縁スペーサ30が鉛直方向と交差する方向に配向している場合には、鉛直方向に配向している場合と比べて、オゾン水42が効率的に生成されることがわかる。
本発明は、上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明は、電極間隙において、原料水に鉛直方向に作用する浮力により自然に生じる上昇水流を制御することで、家庭で利用できる安価かつ簡易で高効率なオゾン水の生成方法、生成噴霧器、及び生成噴霧装置を提供するものである。電極間隙付近の該上昇水流を制御することによりオゾン水の生成効率を向上させるという技術的思想は従来技術には見られない新規なものである。本発明に係るオゾン水の生成方法、生成噴霧器及び生成噴霧装置は、家庭において個人が手軽に利用可能であり、電器製品の製造及び販売に係る業界において広く利用できるものである。
1 オゾン水生成噴霧器
2 電極構造体
3 偏向手段
4 容器
5 噴霧機構
6 電源部
7 オゾン水生成噴霧装置
21 陽極部材
22 陰極部材
23 電極間隙
24 間隙流路
25 陽極接続突起
26 陰極接続突起
27 孔
30 紐状絶縁スペーサ
30a Оリング
30b 紐
31 (紐状絶縁スペーサの)配向方向を示す矢印
40 貯水室
42 オゾン水
43 原料水
43a (原料水又はオゾン水の流れを示す)矢印
44 DC端子接続部
45 鉛直方向を示す矢印
46 レバー収容溝部
47 スライド部材
48 隔壁
49 回路室
51 ヘッド部
52 チューブ
53 ノズル
54 レバー
55 噴霧流
61 AC−DCアダプタ
62 DC端子
63 操作ボタン
7a 矢印
7b 回転矢印
70 注入口
71 ネジ山
72 ネジ山欠損部

Claims (10)

  1. 原料水を貯留するための容器と、前記容器内の原料水から生成されたオゾン水を噴霧するための噴霧機構と、を少なくとも備えるオゾン水生成噴霧器におけるオゾン水生成方法であり、
    前記容器内に、陽極部材を配置し、
    前記陽極部材に対面するように、電極間隙を隔てて陰極部材を配置し、
    陽極部材と陰極部材の間に電圧を印加して前記原料水を電気分解することでオゾン水を生成し、
    電気分解の際に前記電極間隙内の前記原料水に鉛直方向に作用する浮力によって生じる上昇水流の速度を偏向するための偏向手段を設け、
    前記偏向手段により、前記原料水の上昇水流が前記電極間隙を通過するのに要する時間を長くして、及び/又は、前記電極間隙外から前記電極間隙内への前記原料水の流入を促して、電気分解によるオゾン生成反応を進行させ、生成されるオゾン水におけるオゾン濃度を高くすることを特徴とするオゾン水生成方法。
  2. 前記陰極部材に複数の孔を設け、前記孔を通して、前記原料水及び/又は前記オゾン水が前記電極間隙に出入する請求項1に記載のオゾン水生成方法。
  3. 前記容器及び/又は前記噴霧機構に、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めるためのガス抜き手段を設ける請求項1又は2に記載のオゾン水生成方法。
  4. 原料水を貯留するための容器と、
    前記容器の内部に固定状態で配置され、前記容器内の原料水を電気分解してオゾン水を生成するための電極構造体と、
    前記オゾン水を噴霧するための噴霧機構と、
    を備えるオゾン水生成噴霧器であり、
    前記電極構造体は、
    陽極部材と、
    前記陽極部材と電極間隙を隔てて対面する陰極部材と、
    前記陽極部材と前記陰極部材とで挟持された紐状絶縁スペーサと、
    前記電極間隙のうち、前記紐状絶縁スペーサ以外の空間部分である間隙流路と、
    で構成され、
    前記紐状絶縁スペーサの少なくとも一部分は、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向と交差する方向に配向されていることを特徴とするオゾン水生成噴霧器。
  5. 前記陰極部材が複数の孔を有するか、又は、前記陰極部材が網状である請求項4に記載のオゾン水生成噴霧器。
  6. 前記紐状絶縁スペーサが前記陽極部材を巻回するОリングであり、前記容器を載置して電気分解を行う際に、鉛直方向に交差する方向に配向されている請求項4又は5に記載のオゾン水生成噴霧器。
  7. 前記紐状絶縁スペーサが前記陽極部材をらせん状に巻回する紐である請求項4〜6のいずれかに記載のオゾン水生成噴霧器。
  8. 前記紐状絶縁スペーサが弾性素材からなり、
    前記電極構造体は、前記紐状絶縁スペーサにより巻回された前記陽極部材と、前記陰極部材との挿嵌により構成される請求項4〜7のいずれかに記載のオゾン水生成噴霧器。
  9. 前記噴霧機構は前記容器に螺合により着脱自在に取着され、前記噴霧機構と前記容器との螺合部に、生成されるオゾン水のオゾン濃度を高めるためのガス抜き手段を有する請求項4〜8のいずれかに記載のオゾン水生成噴霧器。
  10. 請求項4〜9のいずれかに記載のオゾン水生成噴霧器と、前記オゾン水生成噴霧器を載置するための電源部と、を有するオゾン水生成噴霧装置であり、
    前記電源部は、交流電圧を直流電圧に変換するAC−DCアダプタを備えることを特徴とするオゾン水生成噴霧装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113774406A (zh) * 2021-10-27 2021-12-10 佛山市摩灵科技有限公司 一种臭氧发生装置

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