JP6323978B2 - 癌細胞の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、癌細胞の検出方法に関する。
特許第3834326号公報には、免疫ビーズで癌細胞を回収し、抗体で免疫染色などをして検出する方法が開示されている。特開2001−41959号公報には、癌細胞を特異的に結合するリガンドを固定化した担体を、癌細胞を含む液体と接触させて、担体に結合した癌細胞を標識することによって、癌細胞を検出する方法が開示されている。このほかにも、細胞のサイズで正常細胞と分離した後、免疫染色で検出する方法や、密度勾配遠心で分離した後に免疫染色する方法などもある。また、血液中に含有される癌細胞の検出方法としては、例えば、特許第3867968号公報には、アデノウイルスを用いて癌細胞に感染させて、蛍光タンパク質を発現させて検出する方法が開示されている。
しかしながら、特許第3834326号公報に記載された技術や、その他の免疫染色を用いた方法では、抗原を発現していないと検出できず、検出する場合でも予め標的抗原を特定しておく必要があり、またその標的を持った細胞しか検出できない。特開2001−41959号公報に開示された技術のように、癌細胞を特異的に結合するリガンドを固定化した担体を利用する方法では、予めこのような担体を調製する必要がある。また、特許第3867968号公報に記載された技術は、ウィルスを感染させるために培養する必要があり、蛍光測定するまで24時間ほど時間を要する。
従って、本発明の目的は、末梢血中の癌細胞を、短時間且つ簡便に検出可能な癌細胞検出方法を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
[1] 末梢血中を循環する細胞である被検細胞を含む末梢血含有試料に、鉄イオン及び還元剤、エンドサイトーシスを誘導する物質、細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種、前記試料に含まれる循環腫瘍細胞以外の細胞を認識する抗体、並びに標識用物質を添加し、前記試料と標識用物質と前記抗体とをin vitroにおいて接触させること、1分〜5時間の接触時間で、前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませて、前記被検細胞を標識させること、及び、前記被検細胞から、前記抗体が結合した細胞の標識度合いよりも、前記標識用物質による標識度合いが強い細胞を、循環腫瘍細胞として検出すること、を含み、
前記標識用物質が、細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9に代謝される物質である、循環腫瘍細胞の検出方法。
[2] 前記検出がプロトポルフィリン9によりにより標識された前記被検細胞の蛍光強度を得ることを含む[1]に記載の検出方法。
[3] 前記検出がプロトポルフィリン9により標識された前記被検細胞の平均蛍光強度及び合計蛍光強度からなる群より選ばれる少なくとも一種を得ることを含む[1]又は
[2]に記載の検出方法。
[4] 前記検出が、さらにプロトポルフィリン9により標識された前記被検細胞のサイズに基づいて行われる[1]から[3]のいずれかに記載の検出方法。
[5] 前記標識用物質がアミノレブリン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種である[1]から[4]のいずれかに記載の検出方法。
[6] 前記標識用物質が、アミノレブリン酸及びその誘導体の塩、アミノレブリン酸及びその誘導体のエステル、及びアミノレブリン酸及びその誘導体のエステルの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である[1]から[4]のいずれかに記載の検出方法。
[7] 前記被検細胞を含む前記末梢血含有試料が溶血処理されている[1]から[6
]のいずれかに記載の検出方法。
] 前記細胞種識別用抗体が、抗CD45抗体及び抗CD34抗体からなる群より選ばれる少なくとも一種である[1]から[7]のいずれかに記載の検出方法。
] 0.1μM〜100mMの濃度の前記標識用物質を用いて、前記被検細胞を含む前記末梢血含有試料と前記標識用物質とをin vitroにおいて接触させる[1]から[]のいずれかに記載の検出方法。
[1] 1℃〜42℃の条件下において、前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませ、標識させる[1]から[]のいずれかに記載の検出方法。
本発明によれば、末梢血中の癌細胞を、短時間且つ簡便に検出可能な癌細胞検出方法を提供することができる。
本発明にかかる画像処理の内容を示すフローチャートである。 本発明にかかる画像処理における他の例の内容を示すフローチャートである。 本発明にかかる画像処理における他の例の内容を示すフローチャートである。 本発明の実施例にかかる癌細胞株と血球細胞との混合液(試料1)の蛍光顕微鏡写真像(位相差観察)である。 本発明の実施例にかかる2−NBDGを取り込みさせた試料1の蛍光顕微鏡写真像(蛍光観察)である。 本発明の実施例にかかる抗EpCAM抗体染色した試料1の蛍光顕微鏡写真像(蛍光観察)である。 本発明の実施例にかかるアミノレブリン酸の反応性について示した図である。 本発明の実施例にかかるアミノレブリン酸の反応性について示した図である。 本発明の実施例にかかるアミノレブリン酸の反応性について示した図である。
本発明の癌細胞検出方法は、被検細胞を含む末梢血含有試料と標識用物質とをin vitroにおいて接触させること、前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませて、前記被検細胞を標識させること、及び、前記被検細胞から、末梢血含有試料中の正常細胞の標識度合いよりも、前記標識用物質による標識度合いが強い細胞を、癌細胞として検出すること、を含む。
本発明の癌細胞検出方法では、in vitroにおいて、末梢血細胞中の被検細胞に標識用物質を取り込ませ、正常細胞による標識の度合いよりも標識の度合いが強い細胞を癌細胞として検出する。一般に癌細胞は、正常細胞よりも代謝速度が速いため、標識用物質の取り込み量が正常細胞よりも多くなる。また、癌細胞は、正常の細胞とは異なる代謝経路を有するため、標識の度合いが、癌細胞と正常細胞とでは異なる。
従って、本発明によれば、癌細胞の表面抗原の有無や特別な担体を用意する必要がなく、末梢血細胞中の被検細胞が癌細胞であるか正常細胞であるかの判断を、標識用物質による標識の度合いに基づいて短時間で且つ簡便に行うことができる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において、偽陽性とは、癌細胞の検出の際に、癌細胞以外の細胞が検出されることを意味する。
本発明において、「末梢血含有試料」とは、末梢血試料を含有する試料を意味する。
以下、本発明について説明する。
本発明の癌細胞検出方法は、被検細胞を含む末梢血含有試料と標識用物質とをin vitroにおいて接触させること(以下、「接触工程」ともいう)、前記被検細胞に、前記標識用物質を取り込ませて(以下、「取り込み工程」ともいう)、必要に応じて代謝させ、前記被検細胞を標識させること(以下、「標識工程」ともいう)、及び、前記被検細胞から、末梢血含有試料中の正常細胞の標識度合いよりも、前記標識用物質による標識度合いが強い細胞を、癌細胞として検出すること(以下、「検出工程」ともいう)、を含む。
これにより、末梢血試料を含有する末梢血含有試料中の癌細胞の有無を、標識用物質による標識度合いに基づいて短時間で且つ簡便に行うことができる。
被検細胞は、末梢血中を循環している細胞群である。被検細胞中の癌細胞は、一般に、循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cell:CTC)と呼ばれることもあり、転移性の高い癌と推測されるが、これに限定されない。
本発明において検出対象となる癌細胞は、末梢血中に存在しうる癌細胞であれば特に制限はない。このような癌としては、脳腫瘍、神経膠腫、下垂体腺腫、聴神経髄腫、網膜芽細胞腫、ぶどう膜悪性黒色腫、上咽頭癌、中咽頭癌、下咽頭癌、喉頭癌、肺癌、胸腺腫、中皮腫、乳癌、胃癌、食道癌、大腸癌、肝細胞癌、胆管癌、胆のう癌、膵癌、膵内分泌腫瘍、陰茎癌、腎盂・尿管癌、腎細胞癌、精巣(睾丸)腫瘍、前立腺癌、膀胱癌、外陰癌、子宮頸癌、子宮体癌、子宮内膜癌、子宮肉腫、膣癌、卵巣癌、卵巣胚細胞腫瘍、皮膚癌、表皮内癌、有棘細胞癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、菌状息肉症、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、遺伝性腫瘍、家族性腫瘍、原因不明癌、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病・慢性骨髄増殖性疾患、成人T細胞白血病リンパ腫、慢性リンパ性白血病、小細胞性リンパ腫、多発性骨髄腫などが挙げられるが、これに限定されない。
本発明における標識用物質は、癌細胞内に取り込まれた後に、後述する検出工程において、該標識用物質を取り込んだ該癌細胞を、認識可能にする物質であればよい。
前記標識用物質としては、検出時に認識可能な物質であればよく、癌細胞内に取り込まれる前から認識可能な物質(例えば、蛍光物質で標識された物質)及び癌細胞内に取り込まれた後に認識可能な物質(例えば、蛍光物質の前駆物質)のいずれであってもよい。
癌細胞内に取り込まれる前から認識可能な物質としては、例えば、公知の標識物質により標識された糖(標識化糖)、アミノ酸(標識化アミノ酸)、核酸(標識化核酸)、酢酸(標識化酢酸)、コリン(標識化コリン)、葉酸(標識化葉酸)等が挙げられる。
また、癌細胞内に取り込まれた後に認識可能になる物質としては、例えば、細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9に代謝される物質が挙げられる。
また、本発明に係る検出方法の対象となる癌細胞の種類の拡大、及び検出感度の向上の観点から、標識用物質としては、前記標識化糖及び標識化アミノ酸を併用することができる。
本発明における標識化糖は、細胞内へ取り込みされた後に細胞のエネルギー源となる栄養素として活用可能な糖を後述する方法で標識化したものであればよい。
前記糖としては、単糖、二糖又は、糖単位が3〜10個程度で構成されたオリゴ糖等を挙げることができる。また、細胞のエネルギー源となる栄養素であり、常時取り込みが行われており、短時間の培養でも充分量の取り込みが行われるため、前記糖は単糖であってもよい。単糖以外の糖は、細胞へ取り込み可能な形態に修飾されていてもよい。前記糖の例示としては、例えば、グルコース、デオキシグルコース、グルコサミン、ガラクトース、マンノース、フルクトース、アラビノース、スクロース、ラクトース、マルトース等を挙げることができる。また、例えば細胞への取り込み等の観点から、グルコースが挙げられる。
前記糖の標識は、当業界で一般的に用いられているものであれば特に制限はなく、通常、生体物質の標識に用いられる標識物質を用いることができる。このような標識物質としては、発色反応を触媒する酵素、蛍光物質、ラジオアイソトープ、ビオチン等が挙げられるが、顕微鏡下での検出には、酵素、蛍光物質又は化学発光物質が好ましい。これらの標識のうち、蛍光物質による標識が好ましい。蛍光物質による標識とすることにより、例えば、蛍光強度に基づいて簡便に検出することができる。
蛍光物質としては、Alexa Fluor色素、グリーンフルオレセントプロテイン(GFP)等の蛍光タンパク、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)等のフルオロセイン誘導体、ローダミン、フィコエリスリン(PE)、フィコシアニン(PC)、Cy色素、TexasRed、アロフィコシアニン(APC)、量子ドット、Aminomethylcoumarin Acetate(AMCA)、Marina Blue、Cascade Blue、Cascade Yellow、Pacific Blue、SPRD、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、R110、mClB、CellTracker色素、CFSE、JC‐1、PKH、DCFH‐DA、DHR、FDA、Calcein AM、ニトロベンゾオキサジアゾール(NBD)基、ジメチルアミノスルホニルベンゾオキサジアゾール(DBD)基、Benzoacrydony(Bacd)基、acridine(Acd)、dansyl(Dns)、7−Dimethylaminocoumarin−4−acetic acid(DMACA)、5−((2−Aminoethyl)amino)naphthalene−1−sulfonic acid(EDANS)nathphalene (Nap)、anthracene (Ant)、プロトポルフィリン9等の蛍光色素が挙げられるが、これに限定されない。
蛍光物質の前駆物質としては、例えば後述する細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9が生成される物質が挙げられる。
化学発光物質としては、ルミノール、イソルミノール、アクリジニウム誘導体、ロフィン、ルシゲニン、過シュウ酸エステルなどが挙げられる。
また、前記酵素に対する基質としては、ジアミノベンチジンなどが使用可能である。
標識物質としてビオチンを用いた場合には、さらにアビジンを結合させた酵素や蛍光物質を結合させることにより、検出を行うことができる。これらの標識物質による標識化は、常法により行うことができる。
標識物質としては、例えば、N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ基を蛍光発色団として有する標識物質を用いることができる
標識化糖としては、例えば被検細胞内への取り込み効率等の観点から、蛍光標識化グルコース又はグルコース誘導体を用いることができる。また、例えば安定した癌細胞の検出等の観点より、標識化糖としては、N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ基を蛍光発色団として有するD−グルコース誘導体を用いることができる。
このようなD−グルコース誘導体としては、例えば2−[N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ]−2−デオキシ−D−グルコース(2−NBDG、Yamada K. et al., J. Biol. Chem. 275:22278−22283, 2000)、6−[N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ]−6−デオキシ−D−グルコース(6−NBDG:Speizer L. et al., Biochim. Biophys.Acta 815:75−84, 1985))等が挙げられる。
前記標識化糖は、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明における標識化アミノ酸において、アミノ酸としては天然アミノ酸及び非天然アミノ酸のいずれであってもよい。
前記天然アミノ酸としては、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、トリプトファン(Trp)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)等の中性アミノ酸、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)等の酸性アミノ酸、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)、ヒスチジン(His)等の塩基性アミノ酸が挙げられる。
前記非天然アミノ酸としては、前記天然アミノ酸と同様のアミノ酸トランスポーターを介して細胞内に輸送されるアミノ酸誘導体であればよい。前記非天然アミノ酸としては、例えば、α−aminocyclobutane carboxylic acid(ACBC)、α−aminocyclopetane carboxylic acid(ACPC) α−aminoisobutyric acid(AIB)等が挙げられるが、これに限定されない。
前記非天然アミノ酸は、天然アミノ酸と同様に、その化学的性質により、中性アミノ酸、酸性アミノ酸又は塩基性アミノ酸に分類することができ、その分類に従い、本発明に係るアミノ酸として、天然アミノ酸と同様に使用することができる。
偽陽性の低下等の観点より、前記アミノ酸としては、中性アミノ酸及び酸性アミノ酸からなる群より選ばれるアミノ酸を用いることができる。
また、陽性率の向上等の観点より、前記アミノ酸としては、中性アミノ酸及び塩基性アミノ酸からなる群より選ばれるアミノ酸を用いることができる。
また、偽陽性の低下及び陽性率の向上等の観点の観点より、前記アミノ酸としては、中性アミノ酸からなる群より選ばれるアミノ酸を用いることができる。
前記アミノ酸は、前記標識化糖と同様の標識物質により標識されていればよい。好ましくは被検細胞内への取り込み効率等の観点からBenzoacrydony(Bacd)基、acridine(Acd)、7−Dimethylaminocoumarin−4−acetic acid(DMACA)、5−((2−Aminoethyl)amino)naphthalene−1−sulfonic acid(EDANS)、nathphalene (Nap)、anthracene (Ant)により標識することができるが、これに限定されない。
前記標識化アミノ酸は、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
本発明における蛍光物質の前駆物質としては、例えば、「細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9が生成される物質」が挙げられ、「細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9が生成される物質」としては、例えば、アミノレブリン酸(5−アミノ−4−オキソ−ペンタン酸)もしくはその誘導体が挙げられる。なお、本明細書中では、「細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9が生成される物質」を「アミノレブリン酸及びその誘導体」とも称する。
前記アミノレブリン酸及びその誘導体としては、アミノレブリン酸及びその誘導体、アミノレブリン酸及びその誘導体の塩、アミノレブリン酸及びその誘導体のエステル、並びにアミノレブリン酸のエステル及びその誘導体のエステルの塩が挙げられる。
具体的には、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、アミノレブリン酸エチル、アミノレブリン酸プロピル、アミノレブリン酸ヘキシル、アミノレブリン酸ヘプチル、アミノレブリン酸オクチル等のアミノレブリン酸及びその誘導体が挙げられ、アミノレブリン酸メチルエステル、アミノレブリン酸エチルエステル、アミノレブリン酸プロピルエステル、アミノレブリン酸ヘキシルエステル、アミノレブリン酸ヘプチルエステル、アミノレブリン酸オクチルエステル等のアミノレブリン酸及びその誘導体のエステルが挙げられ、あるいはこれらの塩酸塩、スルホン酸塩、エステルリン酸塩、エステルスルホン酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等のアミノレブリン酸及びその誘導体の塩、並びにアミノレブリン酸のエステル及びその誘導体のエステルの塩が挙げられる。
市販品としては、例えば、コスモ・バイオ株式会社のアミノレブリン酸(商品名:5−アミノレブリン酸塩酸塩)、東京化成工業株式会社のアミノレブリン酸メチルエステル(商品名:5−アミノレブリン酸メチルエステル塩酸塩)などが挙げられるが、これに限定されない。
なお、前記標識用物質は、前記標識化糖、標識化アミノ酸又は細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9に代謝される物質を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記標識用物質は、前記標識化糖及び標識化アミノ酸を併用することができる。前記標識化糖及び標識化アミノ酸を併用することにより、癌細胞の種類によって異なると推測される標識化糖又は標識化アミノ酸の取り込み速度の影響を受ける可能性が低減される。これにより、癌細胞の検出が簡便となる。また、様々な種類の癌細胞を検出することが可能となる。
また、検出方法の簡便化の観点より、標識化糖の標識に用いる標識物質と、標識化アミノ酸の標識に用いる標識物質とは、同等の蛍光特性を有するものであることが挙げられる。同等の蛍光特性を有するものの組み合わせとしては、最大吸収波長の差が75nm以内、かつ最大蛍光波長の差が150nm以内の組み合わせであればよく、ニトロベンゾオキサジアゾール(NBD)基とBenzoacrydony(Bacd)基、NBD基とフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、NBD基と同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、NBD基とグリーンフルオレセントプロテイン(GFP)、NBD基とCalcein AM、NBD基とFDA、NBD基と同様の蛍光特性を持つ量子ドット、NBD基と同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、NBD基とA43、NBD基とFam、Bacd基とFITC、Bacd基と同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、Bacd基とGFP、Bacd基とCalcein AM、Bacd基と同様の蛍光特性を持つ量子ドット、Bacd基と同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、Bacd基とA43、Bacd基とFam、FITCと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、FITCとGFP、FITCとCalcein AM、FITCと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、FITCと同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、FITCとA43、FITCとFam、GFPと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、Calcein AMと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、A43と同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、Famと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、Pacific BlueとCascade Blue、Pacific BlueとHoc、Pacific Blueと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、Pacific Blueと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、フィコエリスリン(PE)とテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、PEと同様の蛍光特性を持つCy色素、PEと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、PEと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、PEと同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、PEとローダミン、PEとTmr、TRITCとローダミン、TRITCとTmr、TRITCと同様の蛍光特性を持つCy色素、TRITCと同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、TRITCと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、TRITCと同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、ローダミンとTmr、ローダミンと同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、ローダミンと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、ローダミンと同様の蛍光特性を持つCy色素、Tmrと同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、Tmrと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、Tmrと同様の蛍光特性を持つCy色素、アロフィコシアニン(APC)と同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、APCと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、APCと同様の蛍光特性を持つCellTracker色素、APCと同様の蛍光特性を持つCy色素、Aminomethylcoumarin Acetate(AMCA)と同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素、AMCAと同様の蛍光特性を持つ量子ドット、AMCAと同様の蛍光特性を持つCy色素、同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素と量子ドット、同様の蛍光特性を持つAlexa Fluor色素とCellTracker色素、同様の蛍光特性を持つ量子ドットとCellTracker色素等の組み合わせが挙げられるが、これに限定されない。
また、例えば後述する検出工程の簡便化等の観点から、標識化糖の標識に用いる標識物質と、標識化アミノ酸の標識に用いる標識物質とは、同一の標識物質であることが挙げられる。
本発明における検査対象の末梢血試料は、被検体から採取した血液が該当する。被検体としては、特に制限はなく、ヒトの他、サルなどの霊長類、マウス又はラットなどの齧歯類、ブタ、ウシ又はウマなどの家畜動物や、イヌ、ネコ又はウサギなどのペット動物であってもよい。
前記末梢血試料は、通常、採取される方法で静脈血より採取されたものであればよい。末梢血試料の密度を調整するために、適切な希釈液で所定濃度に希釈してもよい。前記末梢血を希釈するために使用可能な末梢血試料用希釈液としては、細胞の浸透圧に近い浸透圧のものが好ましく、通常用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝液(PBS)、トリス‐塩酸緩衝液、クエン酸‐リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等を挙げることができる。前記末梢血試料用希釈液のpHとしては、一般に、pH5〜pH9の範囲であればよい。
また、前記末梢血試料は、前記標識用物質と接触する前に癌細胞密度を高めるため濃縮してもよい。濃縮の方法としては通常用いられる方法、例えば遠心分離や、フィルター分離を用いればよい。この場合には、検査対象となる試料を、より高い癌細胞密度の試料に調製することができる。
また、前記末梢血試料は、前記接触工程の前に溶血処理されたものであってもよい。末梢血試料が溶血処理されることにより、血球成分の大部分を示す赤血球を除去することができる。これにより、赤血球の存在による偽陽性率を低下させ、癌細胞の検出の簡便化及び検出感度の向上が可能となる。
前記溶血処理としては、公知の方法を用いることができる。例えば、溶血剤を用いて、予め血球分離した血球分画を処理することができる。溶血剤を用いて、血球分画を処理する条件については、溶血剤の種類によって異なるが、当業者であれば適切に選択可能である。
前記溶血剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム、シュウ酸アンモニウム、サポニン、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)のような界面活性剤、その他市販の溶血剤、例えばイムノプレップ(ベックマンコールター社)、イムノライズ(ベックマンコールター社)、BD FACS(登録商標) Lysing Solution(ベクトン・ディッキンソン社)などが挙げられる。また、例えば前記被検細胞による前記標識用物質の取り込み効率や標識化効率等の観点より、溶血剤としては、塩化アンモニウム、サポニン、溶血力の弱い市販の溶血剤を使用することができる。
前記溶血剤の量としては、例えば前記溶血剤の濃度(最終濃度)が0.01質量%〜10質量%となるように前記末梢血試料に添加すること等が挙げられる。また、好ましくは例えば偽陽性率の低下等の観点より溶血剤の量としては、最終濃度として0.05質量%〜5質量%の範囲とすることができる。また、より好ましくは例えば偽陽性率の低下及び癌細胞の検出の簡便化などの観点より溶血剤の量としては、最終濃度として0.1質量%〜1質量%の範囲とすることができる。
前記接触工程において、前記末梢血含有試料と前記標識用物質との接触については、特に制限はなく、通常、末梢血含有試料に所定濃度の前記標識用物質を添加すればよい(以下、「添加工程」ともいう)。
例えば、前記標識用物質の濃度(最終濃度)が0.1μM〜100mMとなるように、前記末梢血含有試料に添加すればよい。例えば、好ましくは前記標識用物質の濃度(最終濃度)が0.3μM〜75mMとなるように、前記末梢血含有試料に添加すればよい。例えば、より好ましくは前記標識用物質の濃度(最終濃度)が1μM〜50mMとなるように、前記末梢血含有試料に添加すればよい。
前記標識用物質が、前記標識化糖である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、0.01mM〜100mMの濃度(最終濃度)の前記標識化糖を用いることができる。また、好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、0.05mM〜75mMの濃度(最終濃度)の前記標識化糖を用いることができる。また、より好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、0.1mM〜50mMの濃度(最終濃度)の前記標識化糖を用いることができる。
前記標識用物質が、前記標識化アミノ酸である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、0.1μM〜100mMの濃度(最終濃度)の前記標識化アミノ酸を用いることができる。また、好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、0.5μM〜50mMの濃度(最終濃度)の前記標識化アミノ酸を用いることができる。また、より好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、1μM〜10mMの濃度(最終濃度)の前記標識化アミノ酸を用いることができる。
前記標識用物質が、アミノレブリン酸及びその誘導体である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、0.01mM〜100mMの濃度(最終濃度)の前記アミノレブリン酸及びその誘導体を用いることができる。また、好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、0.05mM〜50mMの濃度(最終濃度)の前記アミノレブリン酸及びその誘導体を用いることができる。また、より好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、0.1mM〜10mMの濃度(最終濃度)の前記アミノレブリン酸及びその誘導体を用いることができる。
前記標識用物質が、前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸を併用する場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、0.1μM〜100mMの濃度(最終濃度)の前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸を用いることができる。また、好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、0.3μM〜75mMの濃度(最終濃度)の前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸を用いることができる。また、より好ましくは癌細胞の検出感度及び偽陽性率の抑制等の観点から、1μM〜50mMの濃度(最終濃度)の前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸を用いることができる。
前記添加工程において、前記被検細胞を含む前記末梢血含有試料に、細胞種識別用抗体をin vitroにおいて接触させることができる。
前記被検細胞を含む前記末梢血含有試料に、細胞種識別用抗体を接触させることにより、末梢血試料中に存在する様々な種類の細胞を、個別に標識し、認識することができる。これにより、例えば偽陽性率の低下や癌細胞の検出簡便化等が可能となる。
前記細胞種識別用抗体は、前記標識化糖において説明した標識物質により標識されていればよい。
前記細胞種識別用抗体としては、末梢血細胞中に存在する様々な種類の細胞を、個別に標識し、認識することができるものであればよく、例えば偽陽性率低下のために用いる前記細胞種別用抗体や、癌細胞の検出簡便化のために用いる前記細胞種別用抗体等が挙げられる。
偽陽性率低下のために用いる前記細胞種別用抗体としては、血球分画に含まれる癌細胞以外の細胞を認識する抗体であれば、いずれの抗体を用いてもよい。例えば、抗CD45抗体、抗CD34抗体、抗CD3抗体、抗CD4抗体、抗CD14抗体、抗CD20抗体、抗CD36抗体、抗CD41抗体、抗CD309抗体等が挙げられる。例えば溶血剤により除去困難な白血球、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、未分化白血球、造血系細胞の包括的な認識等の観点より、前記偽陽性率低下のために用いる前記細胞種別用抗体としては、抗CD45抗体及び抗CD34抗体からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
癌細胞の検出簡便化のために用いる前記細胞種別用抗体としては、各種癌細胞を特異的に認識することが知られている抗体であれば、いずれの抗体を用いてもよい。例えば、抗サイトケラチン(CK)抗体、抗上皮細胞接着分子(EpCAM)抗体、抗癌胎児性抗原(CEA)抗体、抗前立腺特異抗原(PSA)抗体、抗ムチン(MUC)抗体、抗p53抗体、抗Sialyl LewisX抗体、抗MAGE(Melanoma−associated antigen)抗体、抗MMP(Matrix metalloproteinase)抗体、抗α‐フェトプロテイン(AFP)抗体、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体、抗HER2抗体、抗HER3抗体、抗葉酸受容体抗体、抗TROP‐2抗体、抗c‐kit抗体、抗c‐met抗体、抗CA−125抗体、抗CA‐19抗体、抗E‐カドヘリン抗体、抗N‐カドヘリン抗体、抗エストロゲン受容体(ER)抗体、抗熱ショック蛋白(HSP)抗体、抗インスリン様増殖因子受容体(IGFR)抗体、抗Ki‐67抗体、抗Survivin抗体、抗ビメンチン抗体、抗テロメラーゼ逆転写酵素(TERT)抗体等が挙げられる。例えば癌細胞を幅広く検出できるという観点より、癌細胞の検出簡便化のために用いる前記細胞種別用抗体としては、抗サイトケラチン(CK)抗体、抗上皮細胞接着分子(EpCAM)抗体、抗ビメンチン抗体及び抗N‐カドヘリン抗体からなる群より選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
前記細胞種識別用抗体は、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
前記標識用物質が、前記アミノレブリン酸及びその誘導体である場合には、鉄イオン及び還元剤の存在下において前記接触工程を行うことができる。
前記標的細胞と、前記アミノレブリン酸及びその誘導体との前記接触工程を、鉄イオン及び還元剤の存在下において行うことにより、還元剤により、鉄イオンが2価の状態で安定化されるために、正常細胞では、一旦生成されたプロトポルフィリン9が速やかに代謝されてしまうので、偽陽性が抑制できると推測される。
前記還元剤としては、例えばアスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、トコフェロール、レシチン、カテキン、クエン酸、シュウ酸、グルコース、グルタチオン、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。水溶液中で鉄イオンを安定的に2価の状態に維持出来き、還元力が強くまた細胞毒性が低いという観点より、好ましくはアスコルビン酸、エリソルビン酸、カテキン、クエン酸等を使用することができる。また、より好ましくはアスコルビン酸等を使用することができる。
この場合、鉄イオンの濃度は、0.01mM〜100mMであればよく、アスコルビン酸の濃度は0.01mM〜100mMであればよい。
また、好ましくは例えば偽陽性率の抑制等の観点より鉄イオンは、2価の鉄イオンを用いることができ、該2価の鉄イオンの濃度は、0.05mM〜50mMであればよく、アスコルビン酸の濃度0.05mM〜50mMであればよい。また、より好ましくは例えば偽陽性率の抑制等の観点より鉄イオンは、2価の鉄イオンを用いることができ、該2価の鉄イオンの濃度は、0.1mM〜10mMであればよく、アスコルビン酸の濃度は0.1mM〜10mMであればよい。
前記標識用物質が、前記アミノレブリン酸およびその誘導体である場合には、エンドサイトーシスを誘導する物質、及び細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の存在下において、前記接触工程を行うことができる。
前記標的細胞と、前記アミノレブリン酸およびその誘導体との前記接触工程を、前記エンドサイトーシスを誘導する物質、及び前記細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の存在下において行うことにより、アミノレブリン酸およびその誘導体の標的細胞への取り込みが促進されると推測される。なお、アミノレブリン酸およびその誘導体を使用する場合、検出工程のためにはこれらがプロトポルフィリン9に変換される必要があり、前記標的細胞と前記アミノレブリン酸およびその誘導体とを接触させ、かつ、インキュベートしてよい。そして、アミノレブリン酸への取り込みが促進されることにより、アミノレブリン酸およびその誘導体と標的細胞との接触(インキュベート)時間を短縮することができ、アミノレブリン酸およびその誘導体の反応性が向上する。
前記エンドサイトーシスを誘導する物質とは、細胞への物質の取り込みを促進させる物質であり、例えば両親媒性ペプチド、カチオン性脂質、コレステロール、中性リン脂質、中性脂質等が挙げられる。
市販品としては、例えば、GeneTools社の両親媒性ペプチド(商品名Endo−Porter)、GeneTools社の両親媒性ペプチド(商品名Endo−Porter Aqueous)、invitrogen社のカチオン性脂質(商品名Lipofectin Reagent)、invitrogen社のカチオン性脂質(商品名Lipofectamine 2000 Reagent)、Roche社のカチオン性脂質(商品名DOTAP Liposomal Transfection Reagent)等が挙げられるが、これに限定されない。
前記エンドサイトーシスを誘導する物質の濃度としては、前記エンドサイトーシスを誘導する物質の最終濃度が0.1μM〜20mMとなるように、前記接触前の細胞懸濁液に添加することができる。また、好ましくは例えばアミノレブリン酸の被検細胞への取り込み効率の上昇等の観点より、前記エンドサイトーシスを誘導する物質の濃度(最終濃度)としては、1μM〜10mMを添加することができる。また、より好ましくは例えばアミノレブリン酸の被検細胞への取り込み効率の上昇等の観点より、前記エンドサイトーシスを誘導する物質の濃度(最終濃度)としては、5μM〜2mMを添加することができる。
前記細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンとは、細胞膜タンパク質に存在する細胞接着因子の構造を安定化、またはATP分解酵素のような細胞内外の物質のトランスポーターを活性化状態に保つことができる物質である。
前記細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンとしては、Mgイオン、Caイオンが挙げられる。
前記Mgイオンの濃度としては、前記Mgイオンの最終濃度が0.1mM〜10mMとなるように、前記接触前の細胞懸濁液に添加することができる。また、好ましくは例えばアミノレブリン酸およびその誘導体の被検細胞への取り込み効率の上昇等の観点より、前記Mgイオンの濃度(最終濃度)としては、0.15mM〜5mMを添加することができる。また、より好ましくは例えばアミノレブリン酸およびその誘導体の被検細胞への取り込み効率の上昇等の観点より、前記Mgイオンの濃度(最終濃度)としては、0.25mM〜1mMを添加することができる。
前記Caイオンの濃度としては、前記Caイオンの最終濃度が0.1mM〜10mMとなるように、前記接触前の細胞懸濁液に添加することができる。また、好ましくは例えばアミノレブリン酸およびその誘導体の被検細胞への取り込み効率の上昇等の観点より、前記Caイオンの濃度(最終濃度)としては、0.25mM〜5mMを添加することができる。また、より好ましくは例えばアミノレブリン酸およびその誘導体の被検細胞への取り込み効率の上昇等の観点より、前記Caイオンの濃度(最終濃度)としては、0.5mM〜2mMを添加することができる。
前記エンドサイトーシスを誘導する物質及び前記細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンは、単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。例えば被検細胞の細胞膜の安定化等の観点から、前記Mgイオンと前記Caイオンとを併用することができる。
標識工程では、前記末梢血含有試料中の前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませ、標識させる。前記標識用物質の取り込みは、前記標識用物質と前記被検細胞の接触状態を維持すればよい。ここでの接触状態における温度条件としては、前記被検細胞が前記標識用物質の取り込みを行い、前記標識用物質により標識させることができるような条件であればよい。このような温度条件とは、例えば、1℃〜42℃の条件下において行うことができる。
前記標識用物質が、前記標識化糖である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、1℃〜42℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、2℃〜40℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、4℃〜37℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。
前記標識用物質が、前記標識化アミノ酸である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、1℃〜42℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、2℃〜40℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、4℃〜37℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。
前記標識用物質が、前記アミノレブリン酸およびその誘導体である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、30℃〜42℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、33℃〜42℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、35℃〜40℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。
前記標識用物質が、前記標識化糖および前記標識化アミノ酸を併用する場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、1℃〜42℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、2℃〜40℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、4℃〜37℃の温度で前記取り込み工程や前記標識工程を行うことができる。
接触時間としては、前記被検細胞が前記標識用物質の取り込みを行い、必要に応じて細胞内で代謝することができ、正常細胞の標識用物質による標識の度合いと癌細胞の標識用物質による標識の度合いとに差が生じる程度であればよく、例えば、1分〜5時間とすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は2分〜120分にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は3分〜90分にすることができる。
前記標識用物質が、前記標識化糖である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、接触時間は、1分〜2時間にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は2分〜60分にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は3分〜30分にすることができる。
前記標識用物質が、前記標識化アミノ酸である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、接触時間は、1分〜2時間にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は2分〜60分にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は3分〜30分にすることができる。
前記標識用物質が、前記アミノレブリン酸及びその誘導体である場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、接触時間は、10分〜5時間にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は15分〜120分にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は30分〜90分にすることができる。なお、前記標識用物質が、前記アミノレブリン酸及びその誘導体である場合の「接触時間」は、前記被検細胞が前記標識用物質の取り込みを行い、かつ、細胞内で代謝することができ、正常細胞の標識用物質による標識の度合いと癌細胞の標識用物質による標識の度合いとに差が生じる程度である必要がある。
前記標識用物質が、前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸を併用する場合には、例えば癌細胞の検出感度等の観点より、接触時間は、1分〜2時間にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は2分〜60分にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度の向上及び偽陽性率の抑制等の観点から、接触時間は3分〜30分にすることができる。
前記標識用物質が、前記標識化糖である場合には、標識化糖の最終濃度が0.01mM〜100mMであり、接触時間が1分〜2時間であり、接触温度が1℃〜42℃にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、標識化糖の最終濃度が0.05mM〜75mMであり、接触時間が2分〜60分であり、接触温度が2℃〜40℃にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、前記標識化糖の最終濃度が0.1mM〜50mMであり、接触時間が3分〜30分であり、接触温度が4℃〜37℃にすることができる。
前記標識用物質が、前記標識化アミノ酸である場合には、前記標識化アミノ酸の最終濃度が0.1μM〜100mMであり、接触時間が1分〜2時間であり、接触温度が1℃〜42℃にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、前記標識化アミノ酸の最終濃度が0.5mM〜50mMであり、接触時間が2分〜60分であり、接触温度が2℃〜40℃にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、前記標識化アミノ酸の最終濃度が1μM〜10mMであり、接触時間が3分〜30分であり、接触温度が4℃〜37℃にすることができる。
前記標識用物質が、前記アミノレブリン酸及びその誘導体である場合には、アミノレブリン酸及びその誘導体の最終濃度が0.01mM〜100mMであり、接触時間が10分〜5時間であり、接触温度が30℃〜42℃にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、アミノレブリン酸及びその誘導体およびその誘導体の最終濃度が0.05mM〜50mMであり、接触時間が15分〜120分であり、接触温度が33℃〜42℃にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、アミノレブリン酸及びその誘導体およびその誘導体の最終濃度が0.1mM〜10mMであり、接触時間が30分〜90分であり、接触温度が35℃〜40℃にすることができる。
前記標識用物質が、前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸を併用する場合には、前記標識化糖及び前記標識化アミノ酸の最終濃度が0.1μM〜100mMであり、接触時間が1分〜2時間であり、接触温度が1℃〜42℃にすることができる。また、好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、前記標識化糖及び標識化アミノ酸の最終濃度が0.5μM〜75mMであり、接触時間が2分〜60分であり、接触温度が2℃〜40℃にすることができる。また、より好ましくは例えば癌細胞の検出感度等の観点より、前記標識化糖及び標識化アミノ酸の最終濃度が1μM〜50mMであり、接触時間が3分〜30分であり、接触温度が4℃〜37℃にすることができる。
検出工程では、被検細胞から、前記標識用物質による標識度合いが、正常細胞の標識度合いよりも強い細胞を癌細胞として検出する。
癌細胞は、被検細胞中の正常細胞と比較して3倍〜8倍の代謝速度と考えられているため、前記標識用物質の取り込み量が正常細胞よりも多くなる。また、癌細胞は、正常の細胞とは異なる代謝経路を有するため、標識の度合いが、癌細胞と正常細胞とでは異なる。従って、検出工程では、このような前記標識用物質による標識の度合いが正常細胞より強い細胞を正常細胞と識別し、癌細胞として検出する。これにより、末梢血細胞中に、癌細胞が存在しているか否かがわかる。
前記標識用物質による標識の度合いは、前記標識用物質における標識物質の種類に応じた方法に標識の度合いとすればよい。例えば、前記標識物質が酵素である場合には、その酵素に対する基質を加えて反応させ、生じる発色の程度を、前記標識用物質による標識の度合いとすることができる。また、前記標識物質が前記蛍光物質である場合には、前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませ、必要に応じて細胞内で代謝させた後の試料に励起光を照射し、生じた蛍光の強度を、前記標識用物質による標識の度合いとすることができる。
ここで発色の程度又は蛍光強度に基づく癌細胞の検出は、目視観察によって行ってもよく、それぞれ吸光度又は蛍光強度を測定することによって得られた測定値によって行ってもよい。
本発明における検出方法では、正常細胞による前記標識用物質による標識の度合いよりも強い細胞を癌細胞として検出する。確実に癌細胞を検出するという観点より、細胞の検出は、前記蛍光物質により標識された前記被検細胞の蛍光強度の検出であってもよい。
また、前記細胞の検出は、癌細胞の検出精度の観点から、前記蛍光物質により標識された前記被検細胞の平均蛍光強度の検出及び前記蛍光物質の合計蛍光強度の検出の少なくとも一種であってもよい。
前記細胞の検出に加えて、簡便なノイズ又は血小板の除去の観点より、前記蛍光物質により標識された前記被検細胞のサイズに基づき、前記細胞の検出を実行することができる。具体的には、前記標識用物質により標識された光点の集合の直径が例えば、1μm〜10μmより大きいもの、好ましくは2μm〜9μmより大きいもの、より好ましくは3μm〜8.5μmより大きいものをオブジェクトとして抽出することにより検出を実行することができる。
本発明における検出方法において、前記標識用物質として前記標識化糖を用いる場合には、正常細胞による前記標識用物質の取り込み量よりも多い細胞を癌細胞として検出することができる。確実に癌細胞を検出するために、細胞の検出は、正常細胞による前記標識化糖の取り込み量が少なくとも2倍多い細胞を癌細胞として検出することが好ましく、少なくとも3倍多い細胞を癌細胞として検出することがより好ましく、さらに少なくとも5倍多い細胞を癌細胞として検出することがより好ましい。
末梢血中の正常細胞の前記標識用物質による標識の度合いは、健常被検体の末梢血中に通常存在しうる細胞を基準としてよい。また、同一条件で前記標識用物質による標識の度合いが既に文献等によって公知である場合には、当該文献値を適用してもよい。
末梢血中の正常細胞としては、健常被検体の末梢血中に通常存在しうる細胞であって、癌化していない細胞を意味し、例えば、赤血球、白血球(リンパ球、単球、顆粒球)、血小板、血管内皮細胞、血管内皮前駆細胞、未分化白血球、未分化赤血球、造血幹細胞等を挙げることができる。これらの細胞種では、正常細胞であれば前記標識用物質による標識の度合いに大きな差が認められないため、いずれの細胞種を正常細胞として選択してもよい。例えば、白血球細胞の標識の度合いを正常細胞の標識の度合いとすることができる。
本発明における癌細胞の検出方法は、検出された癌細胞を単離することを含んでもよい。これにより、例えば、検出された癌細胞の状態や種類などを更に検討するための試料を提供することができる。
検出された癌細胞を単離する方法としては、前記標識用物質の種類に応じた単離方法を選択してもよく、前記標識用物質の種類に拘束されない単離方法を選択してもよい。前記標識用物質の種類に応じた単離方法としては、例えば、前記標識用物質が蛍光物質で標識化されている場合には、セルソーターなど、蛍光強度に基づいて細胞を分離する当業界で既知の方法を適用することができる。また、前記標識用物質の種類に拘束されない単離方法としては、細胞のサイズや形態に基づく単離方法を適用することができる。
本発明における癌検出方法では、上述したように、末梢血試料中の癌細胞を効率よく検出することができる。また、前記癌検出方法では、末梢血試料中の癌細胞を良好な感度で検出可能であり、例えば、0.01個/mL〜10000個/mLの癌細胞密度の試料、好ましくは、0.05個/mL〜5000個/mL、より好ましくは、0.1個/mL〜1000個/mLの癌細胞密度の試料において、癌細胞を適切に検出することができる。
本発明における癌細胞の検出方法は、画像解析装置により実行するようにしても良い。画像解析装置は、CPU、後述する画像解析処理ルーチンを実現するためのプログラムを記憶したROM、データを一時的に記憶するRAM、及びHDD等の記憶装置を含むコンピュータで構成することができる。
ここで、本発明を適用した画像解析装置の作用について説明する。被検細胞を含む末梢血含有試料の同一視野について、蛍光画像及び明視野画像が撮像されると、画像解析装置において、図1、図2及び図3に示す画像解析処理ルーチンが実行される。
ステップ100で、撮像された蛍光画像及び明視野画像を取得する。次に、ステップ102で、上記ステップ100で取得した蛍光画像から、蛍光強度(輝度値)が予め定めた閾値Pth以上の画素(光点)を抽出する。本ステップは、蛍光画像からノイズを除去するための処理であり、閾値Pthは、ノイズを除去するために適した値を輝度値のレンジ等に応じて予め定めておく。閾値Pthとしては、例えば、蛍光強度100〜3000、好ましくは150〜2500、より好ましくは180〜2200の値で設定することができる。
次に、ステップ104で、上記ステップ102で抽出された隣接する光点同士を結合した光点の集合であって、所定サイズ以上の光点の集合をオブジェクトとして抽出する。また、抽出された各オブジェクトに、オブジェクト各々を識別するための識別番号を付与する。所定サイズか否かの判定は、例えば、光点の集合の直径が予め定めた閾値Rth以上か否かにより行うことができる。閾値Rthは、画像の倍率を考慮して、その光点の集合が示す細胞の大きさに基づいて定めることができ、例えば、1μm〜10μm、好ましくは2μm〜9μmにより好ましくは3μm〜8.5μmに対応した画像上の長さとすることができる。また、光点の集合の直径を用いる場合に限らず、光点の集合に含まれる全画素数が所定数以上か否かにより、所定サイズ以上か否かを判定するようにしてもよい。
次に、ステップ106で、上記ステップ104で抽出された各オブジェクトに含まれる各画素の蛍光強度の和を、各オブジェクトに含まれる画素数で除して、平均蛍光強度を算出する。
次に、ステップ108で、上記ステップ106で算出した各オブジェクトの平均蛍光強度に基づいて、癌細胞を検出するための検出閾値αを設定する。検出閾値αとしては、例えば、各オブジェクトの平均蛍光強度の平均や最小値等を設定することができ、例えば100〜3000、好ましくは150〜2500、より好ましくは180〜2200と設定することが出来る。
次に、ステップ110で、平均蛍光強度が、上記ステップ108で設定した検出閾値α以上のオブジェクトを癌細胞として検出する共に、その数をカウントする。
次に、ステップ112で、上記ステップ100で取得した明視野画像内の全細胞数をカウントする。
次に、ステップ114で、上記ステップ110でカウントした癌細胞として抽出されたオブジェクト数と、上記ステップ116でカウントした全細胞数とに基づいて、癌細胞陽性率または血球細胞陰性率を算出して、画像解析処理ルーチンを終了する。
なお、上記ステップ108では、各オブジェクトの平均蛍光強度を算出する場合について説明したが、各オブジェクトに含まれる各画素の蛍光強度の和である合計蛍光強度を算出するようにしてもよい。
ここで、癌細胞のみおよび健常被検体の末梢血含有試料のみを用いた場合、すなわち明視野画像から抽出される細胞の全てが癌細胞もしくは健常被検体の末梢血含有試料の場合において、上記の画像解析処理により算出した癌細胞陽性率及び血球細胞陰性率の結果の一例を、表1に示す。
また、上記ステップ108で行う癌細胞を検出するための検出閾値αを設定しない方法としては図2に示す画像解析処理ルーチンが実行される。
ステップ200で、撮像された蛍光画像及び明視野画像を取得する。次に、ステップ202で、上記ステップ200で取得した蛍光画像から、蛍光強度(輝度値)が予め定めた閾値Pth以上の画素(光点)を抽出する。本ステップは、蛍光画像からノイズを除去するための処理であり、閾値Pthは、ノイズを除去するために適した値を輝度値のレンジ等に応じて予め定めておく。閾値Pthとしては、例えば、蛍光強度100〜2000、好ましくは150〜1500、より好ましくは180〜1000の値で設定することができる。
次に、ステップ204で、上記ステップ202で抽出された隣接する光点同士を結合した光点の集合であって、所定サイズ以上の光点の集合をオブジェクトとして抽出する。また、抽出された各オブジェクトに、オブジェクト各々を識別するための識別番号を付与する。所定サイズか否かの判定は、例えば、光点の集合の直径が予め定めた閾値Rth以上か否かにより行うことができる。閾値Rthは、画像の倍率を考慮して、その光点の集合が示す細胞の大きさに基づいて定めることができ、例えば、1μm〜10μm、好ましくは2μm〜9μmにより好ましくは3μm〜8.5μmに対応した画像上の長さとすることができる。また、光点の集合の直径を用いる場合に限らず、光点の集合に含まれる全画素数が所定数以上か否かにより、所定サイズ以上か否かを判定するようにしてもよい。
次に、ステップ206で、光点の集合の直径が、上記ステップ204で設定したオブジェクトを癌細胞として検出する共に、その数をカウントする。
次に、ステップ208で、上記ステップ200で取得した明視野画像内の全細胞数をカウントする。
次に、ステップ210で、上記ステップ206でカウントした癌細胞として抽出されたオブジェクト数と、上記ステップ208でカウントした全細胞数とに基づいて、癌細胞陽性率または血球細胞陰性率を算出して、画像解析処理ルーチンを終了する。
また、上記ステップ108で行う癌細胞を検出するための検出閾値αを設定せず細胞種識別用抗体を使用する方法としては図3に示す画像解析処理ルーチンが実行される。
ステップ300で、撮像された明視野画像、標識用物質を用いた蛍光画像、細胞種識別用抗体(偽陽性識別用)を用いた蛍光画像及び細胞種識別用抗体(癌細胞検出用)を用いた蛍光画像を取得する。次に、ステップ302で、上記ステップ300で取得した標識用物質を用いた蛍光画像から、蛍光強度(輝度値)が予め定めた閾値Pth以上の画素(光点)を抽出する。本ステップは、蛍光画像からノイズを除去するための処理であり、閾値Pthは、ノイズを除去するために適した値を輝度値のレンジ等に応じて予め定めておく。閾値Pthとしては、例えば、蛍光強度100〜2000、好ましくは150〜1500、より好ましくは180〜1000値で設定することができる。
次に、ステップ304で、上記ステップ302で抽出された隣接する光点同士を結合した光点の集合であって、所定サイズ以上の光点の集合をオブジェクトとして抽出する。所定サイズか否かの判定は、例えば、光点の集合の直径が予め定めた閾値Rth以上か否かにより行うことができる。閾値Rthは、画像の倍率を考慮して、その光点の集合が示す細胞の大きさに基づいて定めることができ、例えば、1μm〜10μm、好ましくは2μm〜9μmにより好ましくは3μm〜8.5μmに対応した画像上の長さとすることができる。また、光点の集合の直径を用いる場合に限らず、光点の集合に含まれる全画素数が所定数以上か否かにより、所定サイズ以上か否かを判定するようにしてもよい。
次に、ステップ306で、上記標識用物質を用いた蛍光画像及と細胞種識別用抗体(偽陽性識別用)を用いた蛍光画像とを重ね合わせ、ステップ304で設定したオブジェクトのうち、どちらの蛍光画像においても蛍光を有する細胞を偽陽性細胞として陽性細胞から除外する。次に、ステップ308で、上記標識用物質を用いた蛍光画像及と細胞種識別用抗体(癌細胞検出用)を用いた蛍光画像とを重ね合わせ、ステップ304で設定したオブジェクトのうち、どちらの蛍光画像においても蛍光を有する細胞を陽性細胞としてカウントする。次に、ステップ310で、上記標識用物質を用いた蛍光画像及と細胞種識別用抗体(癌細胞検出用)と細胞種識別用抗体(偽陽性識別用)を用いた蛍光画像とを重ね合わせ、上記標識用物質を用いた蛍光画像のみで蛍光を有する細胞を偽陽性細胞としてカウントする。次に、ステップ312で、細胞種識別用抗体(偽陽性識別用)と細胞種識別用抗体(癌細胞検出用)とを重ね合わせ細胞種識別用抗体(癌細胞検出用)でのみ蛍光を有する細胞を癌細胞総数としてカウントする。
次に、ステップ314で、上記ステップ300で取得した明視野画像内の全細胞数と上記ステップ310でカウントした偽陽性細胞数、308でカウントした陽性細胞数、312でカウントした癌細胞総数とに基づいて、癌細胞陽性率または血球細胞偽陽性率を算出して、画像解析処理ルーチンを終了する。
表1に示すように、平均蛍光強度及び合計蛍光強度のいずれを用いた場合でも、高精度に癌細胞が検出できていることがわかる。ただし、合計蛍光強度を用いる場合には、抽出されたオブジェクトのサイズによる誤差の影響が大きくなる場合がある。例えば、蛍光画像撮影時の露光時間が長くなることから、撮影中のピントのズレがサイズに影響を与える。平均蛍光強度を用いた場合には、このようなサイズによる誤差の影響が小さいため、より高精度に癌細胞を検出することができる。
なお、上記では、画像解析装置に予め画像解析処理ルーチンを実行するためのプログラムがインストールされた場合について説明したが、該プログラムをCD−ROMやDVDディスク、光磁気ディスクやICカード等に記憶しておき、画像解析処理実行時にこれらの記憶媒体からプログラムを読み込んで実行するようにしてもよい。更にまた、該プログラムを、ネットワークに接続されたサーバ等からダウンロードするようにしてもよい。また、上記の画像解析装置を、半導体集積回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等)で実現することも可能である。
本発明における癌細胞検出キットは、前記標識用物質の他に、洗浄液や、本発明にかかる癌細胞の検出方法において必要とされる溶血剤や前記末梢血試料用希釈液、その他試薬類をさらに含んでいてもよい。
その他試薬類の例としては、抗体の特異性を高めるための物質例えば、各種レセプターのブロッキング剤;偽陽性を抑制するための物質、例えば鉄イオン;鉄イオンの安定性を高めるための物質、例えば還元剤;細胞膜タンパク質の安定性を高めるための物質、例えばMgイオンやCaイオン;および、細胞への物質の取込を促進させる物質、例えばエンドサイトーシス誘導物質、等が含まれる。
また、本発明における癌細胞検出キットは、前記標識用物質と、前記標識用物質による標識度合いに基づいて癌細胞を検出する方法を記載した取扱説明書とを含む。
本癌細胞検出キットによれば、末梢血試料中の癌細胞を短時間で且つ簡便に検出することができる。本キットにおける取扱説明書に記載された癌細胞を検出する方法としては、前記癌細胞検出方法において記述した事項がすべて適用される。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
[実施例1]
健常人の静脈血から、常法に従って、遠心分離法により血清試料と沈殿物とを分離し、血清試料から、白血球層と赤血球層の一部を回収して、PBSに再懸濁して、白血球試料及び赤血球試料を調製した。
DSファーマバイオメディカル社より購入した乳癌細胞株MCF−7を、αMEM培地(インビトロジェン社、10容量%FBS、L−グルタミン2mM、ペニシリン100U/mL及びストレプトマイシン100μg/mL添加)を用いて37℃、5容量%CO濃度環境下で培養した。試験直前に、0.25%トリプシン含有EDTAを用いて細胞を回収し、PBSにて洗浄後、癌細胞株試料を調製した。
癌細胞株、血球細胞(白血球及び赤血球)又はこれらの混合物それぞれ300μL(4×10細胞/mL)に、10mMの2−[N−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)アミノ]−2−デオキシ−D−グルコース(以下、2−NBDG)(和光純薬社)を30μL、表2の記載に従って添加して試料1〜7を調製し、40分間37℃にてインキュベートした。なお、2−NBDGを添加しない試料には同量のPBSを添加した。
インキュベート後に、各試料を、2000rpm×5分間(日立社)の遠心分離を行って細胞を回収後、抗EpCAM抗体−PE(R&Dシステムズ社)を10μL添加して冷暗所にて30分間静置させた。
30分後に、1000μLのPBSを用いて洗浄し、2000rpm×5分間の遠心を行って常法に従って各細胞を回収した。
回収された細胞を50μLのPBSに再度、懸濁し、96ウェルプレートに全量を移し、観察用の試料を調製した。
各観察用の試料を、蛍光顕微鏡(ニコン社)にて観察し、2−NBDGによる取り込み量を目視にて確認した。また、同様に、抗EpCAM抗体−PEによる染色像を観察して、癌細胞を確認した。試料1の観察結果を、それぞれ図4〜図6に示す。
なお、上記表2中、試料2〜試料7は、いわゆる実験における手技上の理由で、癌細胞の検出度合いに差が出る可能性を否定するための対照群である。具体的には、試料2は、標識化糖類で癌細胞が認識できることを保証するための対照群である(血球細胞の存在による取り込み阻害の可能性を否定)。試料3は、血球細胞が抗EpCAM抗体で染まらないことを確認するための対照群である。試料4は、血球細胞と癌細胞の混合作業が、血球細胞の標識化糖類の取り込み具合に影響する可能性を否定するための対照群である。試料5は、癌細胞がEpCAM抗体で染まることを確認するための対照群である。試料6及び試料7は、血球細胞の混在下で、癌細胞を二重標識することによる影響の可能性を否定するための対照群である。これら対照群でのコントロール実験により、いわゆる手技上の理由で癌細胞の検出度合いに差が出る可能性が否定された(データは図示せず)。
図4〜図6の対比観察から、癌細胞株と血球細胞とを混在させた試料1では、2−NBDGによって標識化された細胞と標識化されていない細胞とが混在していること(図4及び図5参照)、及び、2−NBDGで標識化された細胞は、抗EpCAM抗体で染色された細胞であることが、それぞれ確認できた(図6参照)。従って、2−NBDGを用いることによって、混合試料中の癌細胞株が蛍光像として明確に観察された。
一方、白血球細胞はやや蛍光顕微鏡視野で観察されるが癌細胞の蛍光像よりも遙かに弱く、蛍光強度として半分以下であった。赤血球細胞は、ほとんど活性がないため蛍光像はまったく観察されなかった。
従って、血液細胞と癌細胞とが混在する末梢血試料で、蛍光標識化糖の細胞内への取り込み量に基づいて、癌細胞株の有無を短時間で且つ簡便に確認することができる。
[実施例2]
<血球の調製>
真空採血管(EDTA・2K入り)を用いてヒトから採血を行う。HetaSep(STEMCELL社)の添付文書に従い、血球分離を行う。
<癌細胞の調製>
常法に従い、培養したヒト線維肉腫細胞株(HT1080:DSファーマバイオメディカル社)をトリプシン(インビトロジェン社)により回収した。なお、浮遊系であるヒト胃癌細胞株(SNU−1:ATCC)は、トリプシン処理を行うことなく、そのまま回収する。回収した癌細胞の細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(−)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
溶血処理を施す場合には、上記のようにして回収した血球分画に対して、塩化アンモニウム(STEMCELL社)の添付文書に従い、塩化アンモニウムを用いて溶血処理を行う。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、各細胞の細胞数をカウントし、サンプルを10個の〜10個の試料(細胞懸濁液)に分取する。遠心し、上清を除いてから、ダルベッコPBS(−)で溶解した2−NBDG(和光純薬社、表3又は表4に記載の最終濃度)を添加し、細胞を十分に懸濁させる。表3又は表4に記載の温度及び時間、反応(培養)する。反応後、ダルベッコPBS(−)を加えて、遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く工程を2〜3回行い、細胞を十分に洗浄する。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、濃度調整をして384ウェルプレートに滴下する。プレートを遠心して、細胞をウェル底面に落とす。蛍光顕微鏡(ニコン社)で撮影を行う。蛍光フィルタセット:B−2A(ニコン社)を用いる。B−2Aの波長は次の通りである。 EX(励起波長) 475±15nm、DM 505nm以上、BA(蛍光波長)520nm以上。
画像解析ソフト(製品名NIS‐Elements ニコン社)を用いて、取得した画像を解析し、細胞の蛍光強度を評価する。
結果を表3及び表4に示す。表3は、上述の溶血処理を行った末梢血試料を使用しており、表4は、溶血処理を行っていない末梢血試料を使用した。

この結果より、標識用物質として2−NBDGを用いる場合、2−NBDGの添加濃度が0.1mM〜10mM、反応温度が4℃〜37℃、反応時間は5分以上、平均蛍光強度閾値は280〜1150であればよいことが明らかになった。また、混入している多量の赤血球を除去するために溶血処理を施しても、癌細胞への影響はなく、溶血処理による影響を受けないことが明らかとなった。
[実施例3]
<血球の調製>
真空採血管(EDTA・2K入り)を用いてヒトから採血を行う。HetaSep(STEMCELL社)の添付文書に従い、血球分離を行う。
<癌細胞の調製>
常法に従い、培養したヒト前立腺癌細胞株(PC3:DSファーマバイオメディカル社)を、トリプシン(インビトロジェン社)を用いて回収する。なお、浮遊系であるヒト胃癌細胞株(SNU−1:ATCC)は、トリプシン処理を行うことなく、そのまま回収する。回収した癌細胞の細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(−)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
溶血処理を施す場合には、回収した血球分画に対して、塩化アンモニウム(STEMCELL社)の添付文書に従い、室温にて塩化アンモニウムを用いて溶血処理を行う。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、各細胞の細胞数をカウントし、サンプルを10個の〜10個の試料(細胞懸濁液)に分取する。遠心し、上清を除いてから、H−Ala(2−Bacd)−OH(渡辺化学工業社)を添加(表5又は表6に記載の最終濃度)し、細胞を十分に懸濁させる。表5又は表6に記載の温度及び時間、反応(培養)する。反応後、ダルベッコPBS(−)を加えて、遠心し、上清を除く。ダルベッコPBSを用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く工程を2〜3回行い、細胞を十分に洗浄する。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、濃度調整をして384ウェルプレートに滴下する。プレートを遠心して、細胞をウェル底面に落とす。蛍光顕微鏡(ニコン社)で撮影を行う。蛍光フィルタセット:B−2A(ニコン社)を用いる。B−2Aの波長は実施例2と同様である。画像解析ソフト(製品名NIS‐Elements ニコン社)を用いて、取得した画像を解析し、細胞の蛍光強度を評価する。
結果を表5及び表6に示す。表5は、上述の溶血処理を行った末梢血試料を使用しており、表6は、溶血処理を行っていない末梢血試料を使用した。
この結果より、標識用物質としてH−Ala(2−Bacd)−OHを用いる場合、H−Ala(2−Bacd)−OHの添加濃度が1μM〜100μM、反応温度が4℃〜37℃、反応時間は5分以上、平均蛍光強度閾値は227〜2044であればよいことが明らかになった。また、混入している多量の赤血球を除去するために溶血処理を施しても、癌細胞への影響はなく溶血処理による影響を受けないことが明らかとなった。
[実施例4]
<血球の調製>
真空採血管(EDTA・2K入り)を用いてヒトから採血を行う。HetaSep(STEMCELL社)の添付文書に従い、血球分離を行う。
<癌細胞の調製>
常法に従い、培養したヒト前立腺癌細胞株(PC3:DSファーマバイオメディカル社)を、トリプシン(インビトロジェン社)を用いて回収する。なお、浮遊系であるヒト胃癌細胞株(SNU−1:ATCC)は、トリプシン処理を行うことなく、そのまま回収する。回収した癌細胞の細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(+)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
溶血処理を施す場合には、回収した血球分画に対して、塩化アンモニウム(STEMCELL社)の添付文書に従い、室温にて塩化アンモニウムを用いて溶血処理を行う。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、細胞数をカウントし、サンプルを10個の〜10個の試料(細胞懸濁液)に分取する。遠心し、上清を除いてから、ダルベッコPBS(+)に溶解させたアミノレブリン酸(商品名5−アミノレブリン酸塩酸塩、コスモ・バイオ社、表7又は表8に記載の最終濃度)、アミノレブリン酸と同濃度のFeClとアミノレブリン酸と同濃度のアスコルビン酸を添加し、細胞を十分に懸濁させる。表7又は表8に記載の温度及び時間、反応(培養)する。細胞数を調整して384ウェルプレートに滴下する。プレートを遠心して、細胞をウェル底面に落とす。蛍光顕微鏡(ニコン社)で撮影を行う。
蛍光フィルタセットの波長:EX(励起波長)402±7.5、DM 430以上、BA(蛍光波長)625±15。
画像解析ソフト(製品名NIS‐Elements ニコン社)を用いて、取得した画像を解析し、細胞の蛍光強度を評価した。
結果を表7及び表8に示す。表7は、上述の溶血処理を行った末梢血試料を使用しており、表8は、溶血処理を行っていない末梢血試料を使用した。
この結果より、標識用物質としてアミノレブリン酸を用いる場合、アミノレブリン酸の添加濃度が0.1mM〜1mM、反応温度が23℃〜37℃、反応時間は30分以上であればよいことが明らかになった。また、混入している多量の赤血球を除去するために溶血処理を施しても、癌細胞への影響はなく、溶血処理による影響を受けないことが明らかとなった。
[実施例5]
実施例2の<染色>において、標識用物質を2−NBDGから6−NBDG(インビトロジェン社)に変更した以外は、実施例2と同様にして、細胞の蛍光強度を評価した。その結果を表9に示す。なお、2−NBDG及び6−NBDGの最終濃度は表9に記載した通りである。
この結果より、標識化糖としては、2位に蛍光発色団を有するグルコースだけではなく、その他の位置に蛍光発色団を有するグルコースも利用可能であることが明らかとなった。
[実施例6]
実施例2と同様にして、ヒト乳腺上皮癌(細胞株名 MCF−7:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト結腸腺癌(細胞株名 SW620:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト前立腺癌(細胞株名 PC3:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト肺胞上皮癌(細胞株名 NCI−H358:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト胃癌(細胞株名 SNU−1:ATCC)及びヒト繊維肉腫(細胞株名 HT1080:DSファーマバイオメディカル社)のそれぞれを用いて、標識化糖(2−NBDG)による癌細胞の検出を行った。
その結果を表10に示す。なお、2−NBDGの最終濃度は表10に記載した通りである。
この結果より、標識用物質として2−NBDGを用いることにより、様々な種類の癌細胞を検出することが可能であることが明らかとなった。
[実施例7]
実施例3と同様にして、ヒト乳腺上皮癌(細胞株名 MCF−7:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト結腸腺癌(細胞株名 SW620:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト前立腺癌(細胞株名 PC3:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト肺胞上皮癌(細胞株名 NCI−H358:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト胃癌(細胞株名 SNU−1:ATCC)及びヒト繊維肉腫(細胞株名 HT1080:DSファーマバイオメディカル社)のそれぞれを用いて、標識化アミノ酸による癌細胞の検出を行った。
その結果を表11に示す。なお、標識化アミノ酸H−Ala(2−Bacd)−OHの最終濃度は表11に記載した通りである。
この結果より、標識用物質としてH−Ala(2−Bacd)−OHを用いることにより、様々な種類の癌細胞を検出することが可能であることが明らかとなった。
[実施例8]
実施例4と同様にして、ヒト乳腺上皮癌(細胞株名 MCF−7:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト結腸腺癌(細胞株名 SW620:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト前立腺癌(細胞株名 PC3:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト肺胞上皮癌(細胞株名 NCI−H358:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト胃癌(細胞株名 SNU−1:ATCC)及びヒト繊維肉腫(細胞株名 HT1080:DSファーマバイオメディカル社)のそれぞれを用いて、アミノレブリン酸による癌細胞の検出を行った。
その結果を表12に示す。なお、アミノレブリン酸の最終濃度は表12に記載した通りである。
この結果より、標識用物質としてアミノレブリン酸を用いることにより、様々な種類の癌細胞を高感度で検出することが可能であることが明らかとなった。
[実施例9]
真空採血管(EDTA・2K入り)を用いてヒトから採血を行う。HetaSep(STEMCELL社)の添付文書に従い、血球分離を行う。
<癌細胞の調製>
常法に従い、培養したヒト乳腺上皮癌(細胞株名 MCF−7:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト結腸腺癌(細胞株名 SW620:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト前立腺癌(細胞株名 PC3:DSファーマバイオメディカル社)、ヒト肺胞上皮癌(細胞株名 NCI−H358:DSファーマバイオメディカル社)及びヒト繊維肉腫(細胞株名 HT1080:DSファーマバイオメディカル社)をトリプシン(インビトロジェン社)により回収する。なお、浮遊系の癌細胞株であるヒト胃癌(細胞株名 SNU−1:ATCC)は、トリプシン処理を行うことなく、そのまま回収する。回収した癌細胞の細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(−)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
<溶血処理>
上記のようにして回収した血球分画に対して、塩化アンモニウム(STEMCELL社)の添付文書に従い、室温にて塩化アンモニウムを用いて溶血処理を行う。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、細胞数をカウントし、サンプルを10個の〜10個の試料(細胞懸濁液)に分取する。遠心し、上清を除いた後で、H−Ala(2−Bacd)−OH(渡辺化学工業社)及び2−NBGD(和光純薬社)を添加(表13に記載の最終濃度)し、細胞を十分に懸濁させる。37℃、30分反応させる。反応後、ダルベッコPBS(−)を加えて、遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く工程を2〜3回行い、細胞を十分に洗浄する。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、濃度調整をして384ウェルプレートに滴下する。プレートを遠心して、細胞をウェル底面に落とす。蛍光顕微鏡(ニコン社)で撮影(露光時間1秒)を行う。蛍光フィルタセット:B−2A(ニコン社)を用いる。
画像解析ソフト(製品名NIS‐Elements ニコン社)を用いて、取得した画像を解析し、細胞の蛍光強度を評価する。その結果を表13に示す。
この結果より、2−NBDGとH−Ala(2−Bacd)−OHとを併用することにより、平均蛍光強度閾値を280〜490とすることで、2−NBDG単独では陽性率の低い胃癌細胞、H−Ala(2−Bacd)−OH単独では陽性率の低い大腸癌細胞を含む、様々な種類の癌細胞を、高感度で検出することが可能であることが明らかとなった。
[実施例10]
<細胞の調製>
常法に従い、培養しているヒト繊維肉腫細胞株(HT−1080:DSファーマバイオメディカル社)およびヒト正常皮膚繊維芽細胞株(NHDF:ロンザ社)を、トリプシン(インビトロジェン社)を用いて回収する。回収した癌細胞の細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。その後、ダルベッコPBS(+)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、細胞数をカウントし、サンプルを10個の〜10個の試料(細胞懸濁液)に分取する。遠心し、上清を除いた後に、鉄イオンと還元剤を添加する条件では、ダルベッコPBS(+)に溶解させた0.3mMのアミノレブリン酸(商品名5−アミノレブリン酸塩酸塩、コスモ・バイオ社)、0.3mMのFgCl、0.3mMのアスコルビン酸を添加し、細胞を十分に懸濁させる。鉄イオンと還元剤を添加しない条件では、ダルベッコPBS(+)に溶解させた0.3mMのアミノレブリン酸のみを添加し、細胞を十分に懸濁させる。37℃で60分間反応させる。細胞数を調整して384ウェルプレートに滴下する。プレートを遠心して、細胞をウェル底面に落とす。
<蛍光撮影>
蛍光顕微鏡(ニコン社)で明視野(対物×10倍)および蛍光(対物×10倍)を同一視野での観察を行い、偽陽性の程度について確認を行った。その結果を表14に示す。
蛍光フィルタセット:EX(励起波長) 402±7.5、DM 430以上、BA(蛍光波長) 625±15。
この結果より、アミノレブリン酸に加えて、FgCl及びアスコルビン酸を添加することにより、偽陽性の発現率を抑制できることが明らかとなった。
[実施例11]
<細胞の調製>
常法に従い、培養しているヒト乳腺上皮癌細胞株(細胞株名 MCF−7:DSファーマバイオメディカル社)を、トリプシン(インビトロジェン社)を用いて回収する。回収した癌細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(+)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、細胞数をカウントする。1サンプルに2.8×10個の細胞を分取する。Mgイオン及びCaイオンが配合されたダルベッコPBS(+)に、アミノレブリン酸(商品名5−アミノレブリン酸塩酸塩、コスモ・バイオ社)を1mMになるように添加し、細胞を十分に懸濁させる。37℃で反応させる。
<蛍光検出>
反応開始後、15分、30分、60分、90分での細胞懸濁液の蛍光値をi−densy(アークレイ社)を用いて測定した。蛍光値の測定条件:音調&光量モードにて40℃、ゲイン「3」、LED1(390±20nm:励起)− PD3(642.5±57.5nm:検出)。
結果を図7に示す。図7中、縦軸は蛍光値を示し、横軸は反応時間を示す。黒塗り四角は、Mgイオン及びCaイオンが配合されていないダルベッコPBS(−)を用いた場合の蛍光値である。黒塗り三角は、Mgイオン及びCaイオンが配合されたダルベッコPBS(+)を用いた場合の蛍光値である。なお、黒塗り四角で表された結果は、実施例11において、ダルベッコPBS(+)を、ダルベッコPBS(−)に変更した以外は、実施例11と同様に行った結果である。
この結果より、アミノレブリン酸に加えて、Mgイオン及びCaイオンを添加することにより、アミノレブリン酸の反応性が向上することが明らかとなった。
[実施例12]
実施例11の染色の際に、ダルベッコPBS(+)に溶解させたアミノレブリン酸を1mMになるように添加し、10μMのEndo−poter(GeneTools社)を添加した以外は、実施例11と同様にして、細胞懸濁液の蛍光値を測定した。
結果を図8に示す。図8中、縦軸は蛍光値を示し、横軸は反応時間を示す。黒塗り四角は、Mgイオン及びCaイオンが配合されていないダルベッコPBS(−)を用いた場合の蛍光値である。黒塗り丸は、Mgイオン及びCaイオンが配合されたダルベッコPBS(+)にEndo−poterを添加した場合の蛍光値である。
この結果より、アミノレブリン酸、Mgイオン及びCaイオンに加えて、Endo−porterを添加することにより、アミノレブリン酸の反応性が、さらに向上することが明らかとなった。
なお、図9は、実施例11と実施例12との結果を一図にまとめたものである。これにより、アミノレブリン酸のみのもの(黒塗り四角)に比べて、アミノレブリン酸にMgイオン及びCaイオンを加える(黒塗り三角)ことにより、アミノレブリン酸の反応性が向上し、アミノレブリン酸に、Mgイオン、Caイオン及びEndo−porterを加える(黒塗り丸)ことにより、アミノレブリン酸の反応性がさらに向上することが明らかとなった。
[実施例13]
実施例3の<染色>において、標識用物質をH−Ala(2−Bacd)−OHから、H−Lys(DMACA)−OH(渡辺化学工業社)又はH−Glu(EDANS)−OH(渡辺化学工業社)に変更した。
また、蛍光物質の蛍光特性に合わせて、蛍光フィルタセットの波長をEX(励起波長)365/±10、DM 400以上、BA(蛍光波長)470±20に変更した以外は、実施例2と同様にして、細胞の蛍光強度を評価した。結果を表15に示す。
この結果より、標識化アミノ酸としては、標識化中性アミノ酸のH−Ala(2−Bacd)−OHだけではなく、その他の標識化アミノ酸(標識化塩基性アミノ酸のH−Lys(DMACA)−OH及び標識化酸性アミノ酸のH−Glu(EDANS)−OH)も利用可能であることが明らかとなった。なお、陰性率の観点から標識化中性アミノ酸のH−Ala(2−Bacd)−OH、標識化酸性アミノ酸のH−Glu(EDANS)−OHが癌細胞への選択性が高いことが明らかになった。
[実施例14]
<血球の調製>
真空採血管(EDTA・2K入り)を用いてヒトから採血を行う。HetaSep(STEMCELL社)の添付文書に従い、血球分離を行う。
<癌細胞の調製>
常法に従い、培養したヒト前立腺癌細胞株(PC3:DSファーマバイオメディカル社)を、トリプシン(インビトロジェン社)を用いて回収する。回収した癌細胞の細胞懸濁液を遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(+)(ニッスイ社)で再懸濁して、遠心し、再度上清を除く。
<血球と癌細胞の混合液の調整>
血球分離を行った血球細胞懸濁液の細胞数を常法に従い、血球計算盤を用いてカウントする。また、ヒト前立腺癌細胞株(PC3)の細胞数も同様にカウントし、血球細胞数に対して1%の細胞数になるように血球細胞懸濁液に添加する。ヒト前立腺癌細胞株(PC3)を添加した血球細胞懸濁液に対して、塩化アンモニウム(STEMCELL社)の添付文書に従い、室温にて塩化アンモニウムを用いて溶血処理を行う。
<染色>
常法に従い、血球計算盤を用いて、細胞数をカウントし、サンプルを10個の〜10個の試料(細胞懸濁液)に分取する。遠心し、上清を除いてから、ダルベッコPBS(+)に溶解させた0.3mMのアミノレブリン酸(商品名5−アミノレブリン酸塩酸塩、コスモ・バイオ社)、0.3mMのFeClと0.3mMのアスコルビン酸を添加し、細胞を十分に懸濁させる。37度、60分間反応(培養)する。反応後、遠心し、上清を除き、FcR Blocking Reagent(Miltenyi Biotec社)を添付文書に従い添加し、4度、30分間反応する。反応後、FITC標識抗CD45抗体(Miltenyi Biotec社社)及び、FITC標識抗CD34抗体(BioLegend社)、PE標識抗EpCAM抗体(Miltenyi Biotec社社)をそれぞれ添付文書に従い添加し、23度、30分間反応する。反応後、ダルベッコPBS(−)を加えて、遠心し、上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く。ダルベッコPBS(−)を用いて再懸濁し、遠心し、再度上清を除く工程を2〜3回行い、細胞を十分に洗浄する。細胞数を調整して384ウェルプレートに滴下する。プレートを遠心して、細胞をウェル底面に落とす。蛍光顕微鏡(ニコン社)で撮影を行う。プロトポルフィリン9は蛍光フィルタセット1で、PE標識抗EpCAM抗体は蛍光フィルタセット2で、FITC標識抗CD45抗体及び、FITC標識抗CD34抗体は蛍光フィルタセット3で検出する。
蛍光フィルタセット1の波長:EX(励起波長)402±7.5nm、DM 430nm以上、BA(蛍光波長)625±15nm。
蛍光フィルタセット2の波長:EX(励起波長)535±25nm、DM 575nm以上、BA(蛍光波長)590nm以上。
蛍光フィルタセット3の波長:EX(励起波長)475±15nm、DM 505nm以上、BA(蛍光波長)525±10nm。
画像解析ソフト(製品名NIS‐Elements ニコン社)を用いて、取得した画像を解析し、細胞の蛍光強度を評価した。その結果を表16に示す。
この結果より、アミノレブリン酸に加えて、抗CD34抗体及び抗CD45抗体を用いることで、偽陽性の発現率を抑制できることが明らかとなった。
日本出願 特願2010−288936(出願日2010年12月24日)の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれる具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (10)

  1. 末梢血中を循環する細胞である被検細胞を含む末梢血含有試料に、
    鉄イオン及び還元剤、エンドサイトーシスを誘導する物質、細胞膜タンパク質の安定化作用を有するイオンからなる群より選ばれる少なくとも一種
    前記試料に含まれる循環腫瘍細胞以外の細胞を認識する抗体、並びに
    標識用物質を添加し、
    前記試料と標識用物質と前記抗体とをin vitroにおいて接触させること、
    1分〜5時間の接触時間で、前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませて、前記被検細胞を標識させること、及び、
    前記被検細胞から、前記抗体が結合した細胞の標識度合いよりも、前記標識用物質による標識度合いが強い細胞を、循環腫瘍細胞として検出すること、を含み、
    前記標識用物質が、細胞内に取り込まれてプロトポルフィリン9に代謝される物質である、循環腫瘍細胞の検出方法。
  2. 前記検出がプロトポルフィリン9により標識された前記被検細胞の蛍光強度を得ることを含む請求項1に記載の検出方法。
  3. 前記検出がプロトポルフィリン9により標識された前記被検細胞の平均蛍光強度及び合計蛍光強度からなる群より選ばれる少なくとも一種を得ることを含む請求項1又は請求項2に記載の検出方法。
  4. 前記検出が、さらにプロトポルフィリン9により標識された前記被検細胞のサイズに基づいて行われる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の検出方法。
  5. 前記標識用物質がアミノレブリン酸及びその誘導体からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の検出方法。
  6. 前記標識用物質が、アミノレブリン酸及びその誘導体の塩、アミノレブリン酸及びその誘導体のエステル、及びアミノレブリン酸及びその誘導体のエステルの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の検出方法。
  7. 前記被検細胞を含む前記末梢血含有試料が溶血処理されている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の検出方法。
  8. 前記細胞種識別用抗体が、抗CD45抗体及び抗CD34抗体からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の検出方法。
  9. 0.1μM〜100mMの濃度の前記標識用物質を用いて、前記被検細胞を含む前記末梢血含有試料と前記標識用物質とをin vitroにおいて接触させる請求項1から請求項のいずれか一項に記載の検出方法。
  10. 1℃〜42℃の条件下において、前記被検細胞に前記標識用物質を取り込ませ、標識させる請求項1から請求項のいずれか一項に記載の検出方法。
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