JPH09176179A - グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤 - Google Patents

グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤

Info

Publication number
JPH09176179A
JPH09176179A JP7351016A JP35101695A JPH09176179A JP H09176179 A JPH09176179 A JP H09176179A JP 7351016 A JP7351016 A JP 7351016A JP 35101695 A JP35101695 A JP 35101695A JP H09176179 A JPH09176179 A JP H09176179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glucose
iodine
iodo
radioactive
dideoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7351016A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Yamamichi
芳弘 山道
Norihiro Kaji
紀裕 梶
Masaaki Fujiwara
正明 藤原
Yoshito Minosako
義人 箕迫
Akio Hayashi
明希男 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Medi Physics Co Ltd
Original Assignee
Nihon Medi Physics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Medi Physics Co Ltd filed Critical Nihon Medi Physics Co Ltd
Priority to JP7351016A priority Critical patent/JPH09176179A/ja
Publication of JPH09176179A publication Critical patent/JPH09176179A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射性または非放射性ヨウ素で標識されたグ
ルコースおよびマンノース誘導体、123−ヨウ素、1
25−ヨウ素および131−ヨウ素等の汎用性の高い放
射性ヨウ素で標識された該誘導体を含有する放射性診断
剤を提供する。 【解決手段】 式1で表されるグルコースおよびマンノ
ース誘導体。 【化1】 (式1において、R1 は水酸基またはメトキシ基、R2
は水素またはハロゲン、R3 は水素、水酸基またはハロ
ゲン、R4 は放射性または非放射性のヨウ素を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒトを含む動物細胞の
糖代謝および糖輸送系、特に細胞膜に存在する糖輸送担
体による細胞内への糖取り込みを反映した放射性診断に
有用なグルコースまたはマンノース誘導体および該誘導
体を含有する放射性診断剤に関する。
【0002】
【従来の技術】グルコースは哺乳動物にとり、脂肪酸同
様に最も基本的な生体内におけるエネルギー源の一つで
あり、特に脳および腫瘍では、主たるエネルギー源であ
る。脳においては病態により、グルコースの利用率に変
化が起こるとされている。また、腫瘍では、癌化に伴い
グルコース代謝が、異常に亢進することが知られてい
る。これらの糖代謝の亢進を説明する因子の一つとして
は、細胞膜の糖輸送担体数の増加による糖輸送能増加に
基づくことが示唆されている。一方、心臓においては正
常空腹時には脂肪酸を主要なエネルギー源としている
が、食後の糖負荷時、または虚血状態の心筋ではグルコ
ースを主なエネルギー源としている。従って、グルコー
スなどの糖の代謝、もしくは糖輸送担体による取り込み
等の動的変化を追跡することにより、これらの臓器や組
織の病態診断、腫瘍の検出および心筋バイアビリティの
評価を可能とする期待がもたれている。
【0003】これらの観点に基づき、既に18−フッ素
18F)もしくは11−炭素(11C)等のポジトロン放
出核種により標識した2−18F−フルオロ−2−デオキ
シ−グルコース(以下、18F−FDGという)、および
11C−3−O−メチル−グルコース(以下、11C−OM
Gという)を用いた糖輸送担体による取り込み、および
代謝のイメージングに関する研究が進められている。特
に、18F−FDGについては、臨床的にも核医学上の有
用性が認められている。
【0004】しかしながら、18F−FDGおよび11C−
OMGの標識に用いられている核種は、いずれもポジト
ロン放出核種であり、その半減期は18Fが約110分、
11Cが約20分と極めて短く、製造場所からの輸送範囲
に制限がある。そのためこれらを薬剤として提供する場
合は、病院等の使用施設内に該核種の製造を目的とする
小型サイクロトロンを設置し、照射、製造した後、18
−FDG等を調製し、使用している。従って、該薬剤を
使用する場合には、高額の設備投資を余儀無くされてお
り、汎用性に欠けていた。また、ポジトロン放出核種の
放出エネルギーは511keVと高く、現在、普及して
いるシングルフォトン放出核種用のカメラでは撮像でき
ず、専用のカメラを必要とするなどの課題を有してい
た。
【0005】近年、ポジトロン放出核種で標識されたグ
ルコース等により得られた知見を基に、より汎用的な1
23−ヨウ素(123 I)、125−ヨウ素(125 I)ま
たは131−ヨウ素(131 I)等のシングルフォトン放
出核種で標識された糖誘導体の研究(特開昭52−83
959号、USP4828966)が行われるようにな
ってきたが、現在のところ、脳、腫瘍および心臓への高
い集積性を示す薬剤の開発までは至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞膜上に
存在する糖輸送担体における糖類の取り込み、およびそ
の後の細胞内の糖代謝等の動態を反映した脳、腫瘍およ
び心臓等の臓器や組織の診断に有用とされながらも、汎
用性の低いポジトロン放出核種で標識されたグルコース
誘導体の解決すべき問題点に鑑み、汎用的に使用されて
いる123−ヨウ素、125−ヨウ素または131−ヨ
ウ素等のシングルフォトン放出核種にて標識されたグル
コースまたはマンノース誘導体、該誘導体の合成中間体
およびこれらの誘導体を含有する放射性診断剤を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明者等は、糖輸送担体によるグルコース等の
単糖の取り込み、および細胞内における糖代謝系(解糖
系)の開始酵素であるヘキソキナーゼと単糖との基質特
異性につき、鋭意検討を行った結果、グルコース骨格の
内、6位水酸基がこれらのタンパク質との結合反応に関
与していないことを見出し、本発明を完成させた。即
ち、本発明は、グルコースまたはマンノース等のヒトを
含む動物細胞における細胞膜上に存在する糖輸送担体に
よる取り込みを反映した脳、腫瘍および心臓等の臓器や
組織の診断に有用な、6位の水酸基を放射性または非放
射性のヨウ素で置換した式1で表されるグルコースまた
はマンノース誘導体、該グルコースまたはマンノース誘
導体の合成中間体、および123−ヨウ素、125−ヨ
ウ素または131−ヨウ素等の汎用性の高いシングルフ
ォトン放出核種である放射性ヨウ素で標識された該誘導
体を含有する放射性診断剤である。
【化2】 (式1において、R1 は水酸基またはメトキシ基、R2
は水素またはハロゲン、R3 は水素、水酸基またはハロ
ゲン、R4 は放射性または非放射性のヨウ素を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の代表的なグルコース誘導
体としては、式1中のR1 が水酸基、R2 がフッ素、R
3 が水素、R4 が放射性または非放射性のヨウ素である
2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−
グルコース、R1 が水酸基、R2 が水素、R3 が水素、
4 が放射性または非放射性のヨウ素である2,6−ジ
デオキシ−6−ヨード−D−グルコース、またはR1
メトキシ基、R2 が水素、R3が水素、R4 が放射性ま
たは非放射性のヨウ素であるメチル−2,6−ジデオキ
シ−6−ヨード−D−グルコピラノシドをあげることが
できる。また、代表的なマンノース誘導体としては、R
1 が水酸基、R2 が水素、R3が水酸基、R4 が放射性
または非放射性のヨウ素である6−デオキシ−6−ヨー
ド−D−マンノース、R1 が水酸基、R2 が水素、R3
がフッ素、R4 が放射性または非放射性のヨウ素である
2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−
マンノースをあげることができる。
【0009】更に、1,3,4−トリ−O−アセチル−
2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−
グルコピラノース、メチル−2,6−ジデオキシ−6−
ヨード−D−グルコピラノシド、メチル−6−デオキシ
−6−ヨード−β−D−マンノピラノシド、または1,
3,4−トリ−O−アセチル−2,6−ジデオキシ−2
−フルオロ−6−ヨード−D−マンノピラノースを合成
中間体として用いることで、高純度のグルコース誘導
体、マンノース誘導体を高い収率で合成することが可能
である。
【0010】本発明のグルコースまたはマンノース誘導
体を糖輸送担体による取り込みを反映した放射性診断剤
として提供する場合は、123−ヨウ素、125−ヨウ
素または131−ヨウ素等のいずれを用いることも可能
であるが、その核種としての性質から123−ヨウ素が
好適である。標識に用いる放射性ヨウ素としては、化学
形がI- イオンであればよく、ヨウ化ナトリウム、ヨウ
化カリウム、ヨウ化リチウムのようなアルカリ金属塩、
またはヨウ化水素が好適である。
【0011】放射性ヨウ素で標識した本発明のグルコー
スまたはマンノース誘導体を含有する放射性診断剤は、
投与直後から全身に速やかに分布し、経時的に脳、心臓
および肝臓等の糖代謝の盛んな細胞、組織に特異的に放
射能の集積を導くものである。実際に細胞膜上に糖輸送
担体を有し、糖輸送担体と糖誘導体との実験に一般的に
使用される赤血球を用いた実験、詳細には、本発明の1
25−ヨウ素標識のマンノース誘導体(2,6−ジデオ
キシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−マンノース)の
赤血球への取り込みがグルコースにより阻害されるかを
検討した実験(図4参照)において、赤血球への取り込
みがグルコースにより阻害されている。また、該診断剤
は、生体内における安定性に優れ、血中において分解さ
れる割合が少ないので、遊離したヨウ素の甲状腺への集
積も極めて低く、イメージングに適当な時間保持される
ことから、汎用的に利用しうる放射線イメージング装置
により診断を可能とし、更に、速やかに腎臓を介し尿中
に排泄される特性を有するものである。
【0012】以上、記述した特性は、式1で表されるグ
ルコースまたはマンノース誘導体を含有する放射性診断
剤が、糖輸送担体による取り込みを反映したイメージン
グ剤として有用であることを示唆している。以下、図
1、図2、図3に式1で表されるグルコース誘導体、マ
ンノース誘導体の典型的な合成経路を示す。
【0013】式1中R1 が水酸基、R2 がフッ素、R3
が水素、R4 が放射性または非放射性ヨウ素である2,
6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−グル
コースの合成(図1)は、例えば、グルコースの2位を
フッ素置換した2−デオキシ−2−フルオロ−D−グル
コース(以下、2−FDGという)を、ピリジン(P
y)中にトリチルクロライド(Ph3 CCl)と反応さ
せ、6位の水酸基をトリチル基(Ph3 C)で保護し、
次いで6位以外の水酸基をアセチル基(Ac)により保
護した後、1N塩酸酢酸溶液で6位のみを脱保護した。
次いで、アセトニトリル溶媒中でトリフェニルホスフィ
ン、イミダゾールとヨウ素(I2 )を添加し反応させ、
6位の水酸基をヨウ素に置換した後、10%硫酸溶液に
て脱保護反応を行って得られる。
【0014】式1中R1 がメトキシ基、R2 が水素、R
3 が水素、R4 が放射性または非放射性ヨウ素であるメ
チル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコピ
ラノシドの合成(図2)は、例えば、2−デオキシ−D
−グルコースを塩酸−メタノール溶液中で反応させ、1
位の水酸基をメチル基で保護し、得られたメチル−2−
デオキシ−D−グルコピラノシドをトリフェニルホスフ
ィンとイミダゾールを溶解したトルエン溶液中でヨウ素
(I2 )と反応させる方法により、目的とするメチル−
2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコピラノシ
ドを得ることが可能である。
【0015】式1中R1 が水酸基、R2 が水素、R3
水素、R4 が放射性または非放射性ヨウ素である2,6
−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコースの合成(図
2)は、上述のメチル−2,6−ジデオキシ−6−ヨー
ド−D−グルコピラノシドを、陽イオン交換樹脂を懸濁
させた硫酸水溶液とともに反応させ、1位の脱保護反応
を行い得られる。
【0016】また、式1中R1 が水酸基、R2 が水素、
3 が水酸基、R4 が放射性または非放射性ヨウ素であ
る6−デオキシ−6−ヨード−D−マンノースの合成
(図3)は、例えば、メチル−α−D−マンノピラノシ
ドを出発原料とし、トリフェニルホスフィン、イミダゾ
ールを溶解したトルエン溶液中でヨウ素(I2 )と反応
させ、6位の水酸基をヨウ素に変換した後、硫酸水溶液
を加え、無水炭酸水素ナトリウムで中和させ、1位の水
酸基の脱保護反応を行って得られる。
【0017】式1中R1 が水酸基、R2 が水素、R3
フッ素、R4 が放射性または非放射性ヨウ素である2,
6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−マン
ノースの合成は、例えば、Kojimaら(MASAHARU,
Kojima., Chem. Phrma. Bull. 32 (12) 4758-4766, (19
84) )の合成方法により合成したマンノースの2位をフ
ッ素置換した2−デオキシ−2−フルオロ−β−D−マ
ンノース(以下、2−FDMという)を出発原料とし、
前述の2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード
−D−グルコースの合成方法から得られる。
【0018】このようにして得られたグルコース誘導
体、マンノース誘導体と放射性のヨウ素を、pH2から
4の酸性条件下で混合し、90℃から100℃の範囲で
加熱反応させることで放射性のヨウ素で標識されたグル
コース誘導体、マンノース誘導体が合成される。放射性
診断剤として用いる場合には、上記方法によって調製さ
れる標識物を更に、メンブランフィルター、種々の充填
剤を充填したカラムおよびHPLC等による精製に付し
て、未反応の放射性I- イオンおよび不溶性の放射性不
純物を取り除き用いることが好ましい態様である。
【0019】本発明の放射性ヨウ素で標識されたグルコ
ースまたはマンノース誘導体は、薬学的に許容される添
加物と混合することにより放射性診断剤に調製すること
ができる。かかる添加物としては、薬学的に許容される
アスコルビン酸、p−アミノ安息香酸等の安定化剤、塩
酸、水酸化ナトリウム等の酸、塩基等のpH調整剤、リ
ン酸緩衝液等の適当な緩衝剤、生理食塩水等の等張剤等
があげられる。
【0020】本発明の放射性ヨウ素で標識した誘導体を
含有する放射性診断剤は、ボーラス投与による静脈注射
等の一般的に用いられる非経口投与手段により投与する
ことができ、その投与量は患者の体重、年齢、性別およ
び適当な放射線イメージング装置等の諸条件を考慮し、
診断が可能と考えられる放射能量が決定される。ヒトを
対象とする場合、放射性ヨウ素の放射活性として、通常
は37MBq〜370MBqの範囲が好ましく、特に好
ましくは74MBq〜222MBqの範囲で適用される
が、目的とするイメージングを実施するのに充分な情報
が得られ、かつ被検者の放射線被曝を可能な限り低くす
る放射能量であることが望ましい。以下、実施例を用
い、本技術を更に詳細に説明する。
【0021】
【実施例】
(実施例1) 1,3,4−トリ−O−アセチル−2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−6−ヨード−D−グルコピラノースの
合成 2−FDG977mg(5.37mmol)、およびト
リチルクロライド1.65g(5.91mmol)をピ
リジン中で一昼夜、室温で反応させた後、過剰の無水酢
酸を約60℃で加えた。反応混合物を濃縮し、ドライシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=6/1→4/1)により精製し、1,
3,4−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フル
オロ−6−O−トリチル−D−グルコピラノース2.2
9g(78%)をαβ混合物として得た。
【0022】得られた混合物の1.39g(2.52m
mol)を酢酸10ml、およびクロロホルム20ml
の混合溶媒に溶解し、1Nの塩化水素−酢酸溶液4ml
を加えた。5分後に水を添加しクロロホルムで抽出し、
有機層を水、飽和炭化水素ナトリウム液、水の順序で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去し
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製し、1,
3,4−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フル
オロ−D−グルコピラノースをα体およびαβ体の混合
物として合計593mg(77%)得た。
【0023】得られた混合物533mg(1.73mm
ol)をアセトニトリル20mlに溶解し、イミダゾー
ル235mg(5.19mmol)、トリフェニルホス
フィン1.36g(5.19mmol)、およびヨウ素
(I2 )500mg(3.46mmol)を加え、室温
で3時間攪拌した後、イミダゾール116mg(1.7
3mmol)、およびヨウ素(I2 )400mg(1.
56mmol)を添加し、室温で3日間攪拌した。反応
終了後、アセトニトリルを留去し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)により、
粗精製し、さらにシリカゲル薄層クロマトグラフィー
(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1)により2
回精製し、1,3,4−トリ−O−アセチル−2,6−
ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−グルコピ
ラノース436mg(60%)を得た。
【0024】(実施例2) 2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−
グルコースの合成 実施例1にて得られた1,3,4−トリ−O−アセチル
−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D
−グルコピラノース105mg(0.25mmol)を
テトラヒドロフラン2ml、および10%硫酸の2ml
に溶解し、室温で4日間攪拌した。反応終了後、炭酸水
素ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出後、溶媒を留
去した。シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:酢酸エチル)により精製し、最終目的物である2,
6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−グル
コース50mg(68%)を得た。
【0025】(実施例3) メチル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコ
ピラノシドの合成 2−デオキシ−D−グルコース1.0g(6.1mmo
l)を10%塩酸−メタノール溶液に溶解し、60℃で
2時間反応させた。反応溶液を炭酸銀で中和後活性炭で
脱色し、溶液を濃縮し、メチル−2−デオキシ−D−グ
ルコピラノシド1.0g(92%)を得た。メチル−2
−デオキシ−D−グルコピラノシド1.0g(5.6m
mol)、トリフェニルホスフィン4.40g(16.
8mmol)、イミダゾール2.86g(42mmo
l)を溶解したトルエン溶液50mlにヨウ素(I2
5.33g(21mmol)を加え、70℃で5時間反
応させた。トルエン層を分離後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム→クロロホル
ム/メタノール=5/1)で精製を行い、目的のメチル
−2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコピラノ
シド331.2mg(20.5%)を得た。
【0026】(実施例4) 2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコースの合
成 実施例3で得られたメチル−2,6−ジデオキシ−6−
ヨード−D−グルコピラノシド331.2mg(1.1
5mmol)に、陽イオン交換樹脂AG50W(バイオ
ラッド社製)を懸濁させた1Nの硫酸水溶液を加え、6
時間、加熱還流下で反応させた。炭酸ナトリウムで中和
後、酢酸エチルで抽出を行い、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=
5:1)で精製を行い、目的の2,6−ジデオキシ−6
−ヨード−D−グルコース214.6mg(72.3
%)を得た。
【0027】(実施例5) メチル−6−デオキシ−6−ヨード−β−D−マンノピ
ラノシドの合成 メチル−α−D−マンノピラニシド1g(5.15mm
ol)、トリフェニルホスフィン2.03g(7.73
mmol)、およびイミダゾール1.05g(15.5
mmol)を溶解したトルエン溶液15mlにヨウ素
(I2 )1.83g(7.21mmol)を加え、70
℃で5時間反応させた。反応溶液を濃縮した後、フラシ
ュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:メタノール/
クロロホルム=1/1)で精製を行い、メチル−6−デ
オキシ−6−ヨード−β−D−マンノピラノシド1.5
4g(100%)を得た。
【0028】(実施例6) 6−デオキシ−6−ヨード−D−マンノースの合成 実施例5で得られたメチル−6−デオキシ−6−ヨード
−β−D−マンノピラノシド193mg(0.63mm
ol)に2Nの硫酸水溶液を加え、13時間加熱還流下
で反応させた。反応終了後、無水炭酸水素ナトリウムで
中和し、濃縮した後、シリカゲルドライカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:メタノール/クロロホルム=4
/1)とシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶
媒:酢酸エチル)で精製を行い、目的の6−デオキシ−
6−ヨード−D−マンノース14.7mg(収率8%)
を得た。
【0029】(実施例7) 1,3,4−トリ−O−アセチル−2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−6−ヨード−D−マンノピラノースの
合成 2−FDMの634mg(3.48mmol)、および
トリチルクロライド1.17g(4.18mmol)を
ピリジン中で一昼夜、室温で反応させた後、無水酢酸の
2.5mlを加え、室温で1時間攪拌した。反応混合物
に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム液、飽和
硫酸水素カリウム、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。シリカゲルフ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル=2/1)により精製し、1,3,4−
トリ−O−アセチル−2−デオキシ−2−フルオロ−6
−O−トリチル−D−マンノピラノース(α体)139
mg(7%)を得た。
【0030】得られた1,3,4−トリ−O−アセチル
−2−デオキシ−2−フルオロ−6−O−トリチル−D
−マンノピラノース(α体)139mg(0.25mm
ol)を酢酸4ml、クロロホルム8mlの混合溶媒に
溶解し、1Nの塩化水素−酢酸溶液1mlを加え、2時
間攪拌した。反応混合物を水、飽和炭酸水素ナトリウム
液、および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を留去した。シリカゲルフラッシュクロマ
トグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/
1)により精製し、目的の1,3,4−トリ−O−アセ
チル−2−デオキシ−2−フルオロ−D−マンノピラノ
ース74mg(96%)を得た。
【0031】得られた1,3,4−トリ−O−アセチル
−2−デオキシ−2−フルオロ−D−マンノピラノース
74mg(0.24mmol)をアセトニトリル5ml
に溶解し、イミダゾール49mg(0.72mmo
l)、トリフェニルホスフィン194g(0.72mm
ol)、およびヨウ素(I2 )61mg(0.48mm
ol)を加え、30分間加熱還流した。反応終了後、ア
セトニトリルを留去し、シリカゲルフラッシュクロマト
グラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/
1)により、精製し、目的の1,3,4−トリ−O−ア
セチル−2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨー
ド−D−マンノピラノース74mg(73%)得た。
【0032】(実施例8) 2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−
マンノースの合成 実施例3で得られた1,3,4−トリ−O−アセチル−
2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−
マンノピラノース74mg(0.18mmol)をテト
ラヒドロフラン2ml、および10%硫酸2mlに溶解
し、80℃で2時間攪拌した。反応終了後、水を加え、
飽和炭酸水素ナトリウム、および飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)
により精製し、目的の2,6−ジデオキシ−2−フルオ
ロ−6−ヨード−D−マンノース20mg(38%)を
得た。
【0033】(実施例9) 123−ヨウ素標識化合物の調製 実施例2で得られた2,6−ジデオキシ−2−フルオロ
−6−ヨード−D−グルコース、実施例3で得られたメ
チル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコピ
ラノシド、実施例6で得られた6−デオキシ−6−ヨー
ド−D−マンノース、および実施例8で得られた2,6
−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−マンノ
ース0.01〜0.02mmolとヨウ化(123 I)ナ
トリウムを陽イオン交換樹脂AG50W(バイオラッド
社製)を充填したカラムに通し、ヨウ化(123 I)水素
とした123−ヨウ素とを混合し、酢酸を適量を加え、
pHを2から4として95℃で30分間、加熱しながら
吸引濃縮し、反応させた。残渣に蒸留水0.5〜1ml
を加えて溶解した後(収率約50〜89%)、QMA
Sep−Pak(ウォーターズ社製)を用いて精製し、
目的の2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード
123I)−D−グルコース(以下、化合物1とい
う)、メチル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード( 123
I)−D−グルコピラノシド(以下、化合物2とい
う)、6−デオキシ−6−ヨード( 123I)−D−マン
ノース(以下、化合物3という)、2,6−ジデオキシ
−2−フルオロ−6−ヨード( 123I)−D−マンノー
ス(以下、化合物4という)を得た。得られた123−
ヨウ素標識化合物1〜4をシリカゲル薄層板を用い薄層
クロマトグラフ法で分析(展開溶媒:クロロホルム/メ
タノール=3:1)した結果、化合物1〜4の放射化学
的純度は、96〜99%であった。
【0034】(実施例10) 2,6−ジデオキシ−6−ヨード( 123I)−D−グル
コースの調製 ヨウ化( 123I)ナトリウムを陽イオン交換樹脂AG5
0W(バイオラッド社製)を充填したカラムに通し、ヨ
ウ化( 123I)水素とした 123Iと実施例4で得られた
2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グルコースの
0.01mmolを混合し、60℃で2時間加熱して反
応させた。反応後、QMA Sep−pak(ウォータ
ーズ社製)で精製し、目的の2,6−ジデオキシ−6−
ヨード( 1 23I)−D−グルコース(以下、化合物5と
いう)を得た。放射化学的純度は、99%であった。
【0035】(実施例11) 正常ラットにおける体内分布 実施例9、10で得られた123−ヨウ素標識化合物
1、2、3、4および5の各0.1ml(0.1〜0.
3mCi)をSprague−Dawleyラットの尾
静脈より投与し、投与後5分、15分、30分、60分
および180分点において、腹大動脈より脱血し屠殺し
た。その後、主要臓器を摘出し、重量測定後、シングル
チャンネルにより各臓器の放射能を計測し、各臓器の放
射能の集積率を%投与量(%ID)で算出した。表1〜
表10に平均値±標準偏差を示す。脳への集積は、化合
物1が投与後15分に0.70%ID、化合物2が投与
後5分に1.03%ID、化合物3が投与後60分に
0.48%ID、化合物4が投与後15分に1.08%
ID、化合物5が投与後5分に0.46%IDと、各
々、最大値を示した。特に化合物2および4は、脳集積
が1.0%を越えており、極めて特異的に脳に集積する
ことが確認された。また、化合物1、2、3、4および
5の主要な排泄経路は、尿中であり、投与後3時間で3
1〜59%IDが排泄された。さらに、投与後3時間点
における尿中の放射性成分は、化合物1および2は、9
0%以上が未変化体であり、化合物1および2の高い安
定性が示唆された。
【0036】
【表1】 化合物1のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 5 分 15 分 30 分 ──────────────────────────────────── 全 血 11.43±0.75 9.14±0.77 7.51±0.44 脳 0.51±0.09 0.70±0.04 0.64±0.06 心 臓 0.55±0.04 0.41±0.05 0.32±0.03 肺 臓 0.93±0.10 0.70±0.07 0.61±0.06 肝 臓 8.10±0.48 5.28±0.68 4.24±0.20 脾 臓 0.52±0.07 0.38±0.02 0.29±0.01 胃 1.14±0.09 1.04±0.08 1.02±0.09 小 腸 6.91±0.21 5.59±0.84 5.27±0.07 大 腸 1.83±0.21 1.52±0.19 1.27±0.18 腎 臓 3.39±0.23 3.97±1.60 1.62±0.50 尿 6.56±2.28 6.18±4.96 21.14±4.35 残全身 62.96±1.42 69.27±1.72 59.25±3.33 甲状腺 0.10±0.01 0.10±0.02 0.08±0.00 ────────────────────────────────────
【0037】
【表2】 化合物1のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 60 分 180 分 ──────────────────────────────────── 全 血 5.91±0.44 3.64±0.70 脳 0.52±0.03 0.33±0.05 心 臓 0.26±0.01 0.15±0.03 肺 臓 0.50±0.02 0.30±0.05 肝 臓 3.23±0.27 1.69±0.37 脾 臓 0.22±0.01 0.12±0.03 胃 1.58±0.10 3.78±1.00 小 腸 4.54±0.16 4.48±0.26 大 腸 1.51±0.03 1.30±0.34 腎 臓 1.80±0.91 2.19±1.27 尿 32.74±4.49 47.94±14.28 残全身 49.47±3.42 30.72±4.90 甲状腺 0.07±0.01 0.11±0.04 ────────────────────────────────────
【0038】
【表3】 化合物2のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 5 分 15 分 30 分 ──────────────────────────────────── 全 血 12.56±1.03 10.41±0.65 10.17±0.86 脳 1.03±0.08 0.92±0.13 0.63±0.03 心 臓 0.56±0.09 0.41±0.07 0.32±0.04 肺 臓 0.90±0.09 0.80±0.12 0.66±0.11 肝 臓 9.25±0.96 7.76±0.50 5.94±0.19 脾 臓 0.36±0.15 0.30±0.04 0.29±0.04 腎 臓 1.33±0.17 1.47±0.19 1.46±0.27 胃 1.50±0.50 3.53±0.59 5.73±0.73 小 腸 7.00±0.77 12.59±0.99 20.33±2.88 大 腸 2.16±0.62 1.81±0.17 1.85±0.36 尿 0.10±0.04 1.33±0.67 2.69±0.81 残全身 68.96±2.93 63.67±1.25 54.66±3.01 甲状腺 0.16±0.05 0.19±0.07 0.24±0.08 ────────────────────────────────────
【0039】
【表4】 化合物2のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 60 分 180 分 ──────────────────────────────────── 全 血 8.47±0.64 5.02±0.44 脳 0.45±0.06 0.13±0.02 心 臓 0.27±0.05 0.11±0.01 肺 臓 0.57±0.09 0.27±0.02 肝 臓 4.36±0.74 1.47±0.13 脾 臓 0.19±0.04 0.09±0.01 腎 臓 1.10±0.23 0.41±0.02 胃 7.80±1.70 18.50±0.89 小 腸 28.59±4.17 40.14±2.20 大 腸 0.94±0.67 1.14±0.35 尿 5.95±0.27 13.74±1.55 残全身 44.78±3.23 21.03±3.13 甲状腺 0.29±0.12 0.41±0.02 ────────────────────────────────────
【0040】
【表5】 化合物3のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 5 分 15 分 30 分 ──────────────────────────────────── 全 血 17.04±0.32 11.94±1.66 9.65±0.31 脳 0.30±0.02 0.34±0.08 0.47±0.05 心 臓 0.45±0.06 0.40±0.06 0.35±0.02 肺 臓 0.97±0.12 0.86±0.15 0.72±0.05 肝 臓 11.04±0.77 8.43±0.56 5.94±0.35 脾 臓 0.47±0.04 0.41±0.04 0.30±0.01 胃 1.02±0.11 1.53±0.21 2.50±0.44 小 腸 6.13±0.05 6.82±0.49 7.49±0.26 大 腸 1.54±0.19 1.32±0.14 1.29±0.09 腎 臓 6.34±0.13 4.84±0.55 3.36±0.29 尿 2.91±0.54 7.87±0.38 14.15±2.11 残全身 55.00±1.30 55.76±3.01 53.30±2.65 甲状腺 0.12±0.01 0.14±0.03 0.20±0.06 ────────────────────────────────────
【0041】
【表6】 化合物3のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 60 分 180 分 ──────────────────────────────────── 全 血 8.47±0.62 6.72±1.18 脳 0.48±0.07 0.22±0.01 心 臓 0.30±0.05 0.17±0.02 肺 臓 0.70±0.03 0.43±0.03 肝 臓 4.58±0.20 2.03±0.32 脾 臓 0.24±0.04 0.15±0.03 腎 臓 2.23±0.22 0.99±0.04 胃 4.54±0.75 10.59±2.25 小 腸 7.50±0.91 10.54±0.51 大 腸 1.28±0.13 1.16±0.18 尿 17.71±5.30 31.40±6.51 残全身 50.98±4.11 35.61±5.22 甲状腺 0.21±0.08 0.35±0.07 ────────────────────────────────────
【0042】
【表7】 化合物4のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 5 分 15 分 30 分 ──────────────────────────────────── 全 血 10.75±0.41 11.56±4.20 5.66±3.19 脳 0.78±0.11 1.08±0.33 0.63±0.26 心 臓 0.54±0.07 0.48±0.14 0.25±0.13 肺 臓 0.86±0.16 0.85±0.18 0.48±0.22 肝 臓 6.89±1.10 6.63±2.15 4.55±0.12 脾 臓 0.49±0.07 0.36±0.03 0.28±0.03 胃 0.99±0.20 0.66±0.18 0.96±0.16 小 腸 5.99±0.41 4.85±1.31 4.82±0.62 大 腸 1.92±0.18 1.54±0.28 1.26±0.27 腎 臓 3.93±0.68 2.00±0.36 2.22±0.65 尿 3.26±2.05 7.91±0.83 16.50±0.50 残全身 62.43±0.33 61.74±4.64 59.51±2.05 甲状腺 0.10±0.02 0.08±0.02 0.08±0.02 ────────────────────────────────────
【0043】
【表8】 化合物4のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 60 分 180 分 ──────────────────────────────────── 全 血 7.05±0.54 2.96±0.27 脳 0.71±0.18 0.22±0.06 心 臓 0.31±0.11 0.10±0.01 肺 臓 0.60±0.20 0.20±0.05 肝 臓 4.49±1.12 1.34±0.24 脾 臓 0.30±0.07 0.09±0.02 胃 1.69±0.29 3.44±0.76 小 腸 6.19±1.74 4.52±0.34 大 腸 1.50±0.22 1.64±0.39 腎 臓 1.51±0.32 1.29±1.67 尿 33.89±2.04 58.59±4.97 残全身 39.84±7.38 24.50±4.26 甲状腺 0.08±0.03 0.12±0.03 ────────────────────────────────────
【0044】
【表9】 化合物5のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 5 分 15 分 30 分 ──────────────────────────────────── 全 血 11.24±0.63 7.90±0.33 6.64±0.22 脳 0.46±0.01 0.42±0.01 0.39±0.02 心 臓 0.58±0.09 0.40±0.03 0.32±0.04 肺 臓 0.96±0.07 0.76±0.05 0.70±0.02 肝 臓 9.37±0.65 6.95±0.35 4.46±0.19 脾 臓 0.45±0.03 0.34±0.04 0.25±0.03 腎 臓 3.77±0.61 3.55±1.37 2.13±0.24 胃 1.00±0.08 1.82±0.50 2.50±0.83 小 腸 9.09±1.03 11.43±0.72 12.03±0.74 大 腸 1.65±0.16 1.48±0.09 1.36±0.06 尿 4.95±1.59 12.88±3.16 24.59±2.18 残全身 61.04±0.66 50.55±0.19 47.07±1.97 甲状腺 0.12±0.02 0.14±0.08 0.21±0.05 ────────────────────────────────────
【0045】
【表10】 化合物5のラットにおける体内分布(n=3,%ID/臓器±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投与後経過時間 臓 器───────────────────────────────── 60 分 180 分 ──────────────────────────────────── 全 血 5.17±0.31 3.30±0.63 脳 0.27±0.01 0.12±0.01 心 臓 0.22±0.02 0.09±0.01 肺 臓 0.46±0.07 0.23±0.00 肝 臓 2.86±0.08 1.12±0.08 脾 臓 0.17±0.01 0.08±0.01 腎 臓 2.48±1.15 0.63±0.27 胃 4.38±0.58 5.49±2.29 小 腸 13.41±1.59 6.88±4.85 大 腸 1.61±0.18 3.63±0.88 尿 35.49±1.70 59.38±2.53 残全身 35.32±2.08 18.51±1.93 甲状腺 0.22±0.06 0.32±0.03 ────────────────────────────────────
【0046】(実施例12) 担癌マウスを用いたイメージング 実施例9で得られた123−ヨウ素標識化合物1、3お
よび4を左肩部にマウス結腸癌(colon26)を移
植したBalb/c系雌マウス(16.4g〜22.3
g)に0.3mCiを尾静脈から投与し、投与20分お
よび40分後にガンマカメラにてイメージを撮像した。
得られたイメージ上で腫瘍部、および反対側の右肩部
(バックグランド)に関心領域(ROI)を設定し、腫
瘍/バックグランド比(T/B比)を求めた。化合物
1、3および4とも投与後20分点において、T/B比
3.0以上であり、十分に腫瘍部位を描出可能であるこ
とが確認された。表7に各化合物のT/B比を示す。
【0047】
【表11】 担癌マウスにおける各化合物のT/B比(n=3,平均±標準偏差) ──────────────────────────────────── 投 与 後 経 過 時 間 化合物 ─────────────────────────────── 20 分 40 分 ──────────────────────────────────── 化合物1 3.3±0.9 2.1±0.3 化合物3 3.8±0.9 4.0±0.5 化合物4 3.5±0.7 3.8±1.1 ────────────────────────────────────
【0048】(実施例13) ラット赤血球を用いた2,6−ジデオキシ−2−フルオ
ロ−6−ヨード−D−マンノースの取り込み SD系ラット血液より遠心分離法で赤血球を単離し、約
1×109 個/mlPBS(pH7.4)の赤血球サス
ペンジョンを調製した。赤血球サスペンジョン1.0m
lにグルコース溶液0.1ml(0〜50mM)を加
え、37℃で10分間インキュベーションした後、実施
例9記載の方法に従い調製した125−ヨウ素で標識さ
れた2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−
D−マンノースの100μl(1mMキャリアー含)を
混和し、37℃で30分間インキュベーションした。イ
ンキュベーション後にPBSで3回洗浄した。その後、
赤血球を過塩素酸で溶血させ、遠心分離法で膜成分(沈
澱物)と細胞内成分(上澄液)に分離した。上澄みに含
まれる放射能をオートウェルにて計測した。その結果を
図4に示す。縦軸は、グルコースが未添加の時に赤血球
に取り込まれた放射能量を100%とした時の値で表
し、横軸はグルコース濃度を表した。図4より、負荷し
たグルコース濃度が増加するに従い、125−ヨウ素標
識2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D
−マンノースの赤血球への取り込みが減少し、負荷した
グルコース濃度が50mMの時には、約33%の取り込
み減少が確認された。以上から本発明の125−ヨウ素
標識2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−
D−マンノースがグルコースと同様の経路で赤血球に取
り込まれることが示唆された。
【0049】
【発明の効果】本発明により、細胞膜上に存在する糖輸
送担体における糖類の取り込みを反映した脳、腫瘍およ
び心臓等の臓器や組織の診断に有用な、放射性および非
放射性のヨウ素標識されたグルコースまたはマンノース
誘導体、123−ヨウ素、125−ヨウ素および131
−ヨウ素等の汎用性の高いシングルフォトン放出核種に
て標識された該誘導体を含有する放射性診断剤を提供す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨ
ード−D−グルコースおよび2,6−ジデオキシ−2−
フルオロ−6−ヨード−D−マンノースの合成経路を示
す図である。
【図2】 6−デオキシ−6−ヨード−D−マンノース
の合成経路を示す図である。
【図3】 2,6−ジデオキシ−6−ヨード−D−グル
コースの合成経路を示す図である。
【図4】 2,6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨ
ード−D−マンノース(1mM)の赤血球への取り込み
(37℃、30分間インキュベート)を示す図である。
【図5】 マウス結腸癌(colon26)を移植した
Balb/c系雌マウスを用いた2,6−ジデオキシ−
2−フルオロ−6−ヨード(123 I)−D−マンノース
による投与40分後の全身シンチグラムを示す写真(生
物の形態)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07M 5:00 (72)発明者 箕迫 義人 千葉県袖ケ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内 (72)発明者 林 明希男 千葉県袖ケ浦市北袖3番地1 日本メジフ ィジックス株式会社中央研究所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式1で表されるグルコースまたはマンノー
    ス誘導体。 【化1】 (式1において、R1 は水酸基またはメトキシ基、R2
    は水素またはハロゲン、R3 は水素、水酸基またはハロ
    ゲン、R4 は放射性または非放射性のヨウ素を表す。)
  2. 【請求項2】R1 が水酸基、R2 がフッ素、R3 が水
    素、R4 が放射性のヨウ素である請求項1記載のグルコ
    ース誘導体。
  3. 【請求項3】R1 が水酸基、R2 が水素、R3 が水素、
    4 が放射性のヨウ素である請求項1記載のグルコース
    誘導体。
  4. 【請求項4】R1 がメトキシ基、R2 が水素、R3 が水
    素、R4 が放射性のヨウ素である請求項1記載のグルコ
    ース誘導体。
  5. 【請求項5】R1 が水酸基、R2 が水素、R3 が水酸
    基、R4 が放射性のヨウ素である請求項1記載のマンノ
    ース誘導体。
  6. 【請求項6】R1 が水酸基、R2 が水素、R3 がフッ
    素、R4 が放射性のヨウ素である請求項1記載のマンノ
    ース誘導体。
  7. 【請求項7】1,3,4−トリ−O−アセチル−2,6
    −ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−グルコ
    ピラノースを合成中間体とする請求項1または2記載の
    グルコース誘導体。
  8. 【請求項8】メチル−2,6−ジデオキシ−6−ヨード
    −D−グルコピラノシドを合成中間体とする請求項1、
    3または4記載のグルコース誘導体。
  9. 【請求項9】メチル−6−デオキシ−6−ヨード−β−
    D−マンノピラノシドを合成中間体とする請求項1また
    は6記載のマンノース誘導体。
  10. 【請求項10】1,3,4−トリ−O−アセチル−2,
    6−ジデオキシ−2−フルオロ−6−ヨード−D−マン
    ノピラノースを合成中間体とする請求項1または5記載
    のマンノース誘導体。
  11. 【請求項11】放射性のヨウ素が、123−ヨウ素、1
    25−ヨウ素または131−ヨウ素である請求項1から
    10のいずれかに記載のグルコースまたはマンノース誘
    導体。
  12. 【請求項12】請求項11記載のグルコースまたはマン
    ノース誘導体を活性成分として含有する放射性診断剤。
  13. 【請求項13】臓器または組織の病態診断、および腫瘍
    の検出に使用される請求項12記載の放射性診断剤。
JP7351016A 1995-12-25 1995-12-25 グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤 Pending JPH09176179A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7351016A JPH09176179A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7351016A JPH09176179A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09176179A true JPH09176179A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18414472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7351016A Pending JPH09176179A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09176179A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003055533A1 (ja) * 2001-12-26 2005-04-28 日本メジフィジックス株式会社 エンドトキシン除去用組成物及び除去方法
WO2006134822A1 (ja) * 2005-06-14 2006-12-21 Nihon Medi-Physics Co., Ltd. 放射性画像診断剤
JP2007536207A (ja) * 2004-05-03 2007-12-13 アステラス製薬株式会社 新規15o標識モノサッカリドおよびその製造方法
WO2008099560A1 (ja) * 2007-02-16 2008-08-21 Masahiro Kajiwara アルドース誘導体の製造方法
US9645154B2 (en) 2010-12-24 2017-05-09 Arkray, Inc. Method for detecting cancer cell

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2003055533A1 (ja) * 2001-12-26 2005-04-28 日本メジフィジックス株式会社 エンドトキシン除去用組成物及び除去方法
JP2010284535A (ja) * 2001-12-26 2010-12-24 Nihon Medi Physics Co Ltd エンドトキシン除去用組成物
JP4647911B2 (ja) * 2001-12-26 2011-03-09 日本メジフィジックス株式会社 エンドトキシン除去用組成物及び除去方法
JP2007536207A (ja) * 2004-05-03 2007-12-13 アステラス製薬株式会社 新規15o標識モノサッカリドおよびその製造方法
WO2006134822A1 (ja) * 2005-06-14 2006-12-21 Nihon Medi-Physics Co., Ltd. 放射性画像診断剤
JP2012229256A (ja) * 2005-06-14 2012-11-22 Nihon Medi Physics Co Ltd 放射性画像診断剤の製造方法及び放射線分解抑制方法
JP5112062B2 (ja) * 2005-06-14 2013-01-09 日本メジフィジックス株式会社 放射性画像診断剤
WO2008099560A1 (ja) * 2007-02-16 2008-08-21 Masahiro Kajiwara アルドース誘導体の製造方法
US9645154B2 (en) 2010-12-24 2017-05-09 Arkray, Inc. Method for detecting cancer cell

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1950329B (zh) 放射性酪氨酸衍生物、其制造方法、其使用、正电子成像用标识剂和肿瘤的恶性度评价药剂
US20210393809A1 (en) Labeled inhibitors of prostate specific membrane antigen (psma), their use as imaging agents and pharmaceutical agents for the treatment of psma-expressing cancers
ES2953196T3 (es) Radiotrazador de modo dual de unión a PSMA y terapéutico
US20140228551A1 (en) Compositions, methods of synthesis and use of carbohydrate targeted agents
CN112175025B (zh) 一种含苯环的葡萄糖衍生物及其应用
EP3375787B1 (en) Peptide thiourea derivative, radioisotope labeled compound containing same, and pharmaceutical composition containing same as active ingredient for treating or diagnosing prostate cancer
CN111138504B (zh) 一种99mTc-CNPEDG配合物及其制备方法和应用
WO2005087275A2 (en) Metal radiolabeled pet imaging agents
Zhang et al. Molecular Imaging of Mesothelioma with 99mTc‐ECG and 68Ga‐ECG
US8501154B2 (en) Fluorinated fructose derivatives for PET imaging
JPH09176179A (ja) グルコースまたはマンノース誘導体、および該誘導体を含有する放射性診断剤
CN114031652B (zh) 一种含环己烷的葡萄糖衍生物及其应用
PL239934B1 (pl) Pochodne inhibitorów PSMA do znakowania ⁹⁹ᵐTc poprzez HYNIC, zestaw radiofarmaceutyczny, preparat radiofarmaceutyczny oraz ich zastosowanie w diagnostyce raka prostaty
KR100430061B1 (ko) 글루코스 유도체에 방사성 동위원소가 표지된 착화합물 및이를 생산하기 위한 조성물이 포함된 키트
Singh et al. Synthesis and preliminary evaluation of a 99m Tc labelled deoxyglucose complex {[99m Tc] DTPA-bis (DG)} as a potential SPECT based probe for tumor imaging
KR101130737B1 (ko) 방사성 세포 표지자
WO1999020316A1 (en) Single photon-emitting radiotraces and methods for their use
CN101851313B (zh) 锝-99m标记的聚N-乙烯基苄基-D-乳糖酰胺配合物及制备方法
CN100382847C (zh) 用于影像诊断的配合体化合物及制备方法和影像诊断用化合物及其制备中间体
CN114853827B (zh) 一种葡萄糖衍生配体化合物及其制备方法和应用
JPH09176050A (ja) グルコースまたはガラクトース誘導体を含有する放射性診断剤
CN112250680B (zh) 一种新型黄连素衍生物及其合成方法和应用
TWI650138B (zh) 多鏈醣複合物、放射性多鏈醣造影劑及其用途
Thapa Fluorine-18 labeling and simultaneous glycosylation of the model peptide demobesin 1 by the novel prosthetic group, keto-[18 F] FDG
Potemkin Development and evaluation of radiolabeled neurotensin receptor antagonists as candidate ligands for PET/SPECT imaging and endoradiotherapy