JP6323309B2 - 車両用ドア構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のバックドアの内面を構成するドアインナパネルを備えた車両用ドア構造に関するものである。
自動車などの車両のバックドアには、その内面を構成するドアインナパネルの下端部などに補強部材を介してドアラッチが取り付けられている。このため、車両のバックドアの開閉動作を行うと、開閉動作に伴う衝撃がドアラッチから補強部材に入力される。このような開閉動作が繰り返し行われ、補強部材に荷重が繰り返し入力されると、補強部材がドアインナパネルから剥離したり、ドアインナパネルに亀裂あるいは変形が発生したりする場合がある。
特許文献1には、ドアインナパネルに結合された補強部材が記載されている。この補強部材は、ロック部材(ドアラッチ)を取付けるロック取付け部と、ロック取付け部の後縁から下方に屈曲して延びる延長部と、ロック取付け部および延長部の車幅方向の縁に沿って立ち上がったフランジとを備える。フランジは、少なくともロック取付け部と延長部とのコーナー部分を切り欠いた切欠き部を有している。
特許文献1では、フランジの少なくともコーナー部分に切欠き部を形成したので、ロック取付け部の剛性を確保しつつ、補強部材の延長部とドアインナパネルとの剛性差を小さくできる、としている。これにより、特許文献1では、バックドア閉時の衝撃力が加わっても、延長部がインナパネルに追従して弾性変形するため、インナパネルが補強部材から剥離したり、インナパネルに亀裂や変形が生じたりすることを防止できる、としている。
特開2010−143536号公報
しかし特許文献1に記載の技術では、フランジを切り欠いて補強部材の剛性を小さくするため、ドアラッチを取付ける取付面の剛性を確保することが困難となる。そのため、特許文献1では、車両のバックドアの開閉操作が繰り返し行われると、この取付面で補強部材がドアインナパネルから剥離したり、補強部材やドアインナパネルに亀裂あるいは変形が生じたりする可能性がある。
本発明は、このような課題に鑑み、バックドアの開閉操作を繰り返しても、補強部材がドアインナパネルから剥離したり、補強部材やドアインナパネルに亀裂あるいは変形が生じたりすることを防止できる車両用ドア構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる車両用ドア構造の代表的な構成は、車両のバックドアの内面を構成するドアインナパネルを備え、ドアインナパネルの下端部が車両後方へ向けられ下端部に開口が形成されている車両用ドア構造において、車両用ドア構造はさらに、ドアインナパネルの下端部の上面に開口を取り巻くように取り付けられた補強部材と、補強部材に開口を塞ぐように取付けられ開口を介して車体に係合されることでバックドアを閉状態に保つドアラッチとを備え、補強部材は、ドアインナパネルの下端部の上面に沿っていてドアラッチが載置されるラッチ台座であって、ラッチ台座を介してドアラッチがドアインナパネルの下端部に、車幅方向に間隔をおいた2つの取付点で取付けられているラッチ台座と、ラッチ台座の後縁から下方に延びる縦壁であって、ドアインナパネルに所定の接合点で接合されている縦壁と、ラッチ台座および縦壁から膨出した2つの第1ビードとを有し、2つの第1ビードは、2つの取付点の車両後方から縦壁まで連続していて、車幅方向において2つの取付点の間であって接合点の両外側に形成されていることを特徴とする。
バックドアの開閉操作を行うと、開閉操作に伴う衝撃がドアラッチから補強部材に入力される。この開閉操作が繰り返し行われ、補強部材とドアインナパネルとの接合点に荷重が繰り返し入力されると、補強部材がドアインナパネルから剥離したり、補強部材やドアインナパネルに亀裂あるいは変形が生じたりする場合がある。
そこで本発明では、車幅方向において、補強部材の縦壁の接合点の両外側であって、ラッチ台座の2つの取付点の間に2つの第1ビードを形成している。かかる構成によれば、応力は剛性の高い部分に集中する傾向があるため、バックドアの開閉操作に伴ってドアラッチから入力された荷重は、ラッチ台座の2つの取付点を介して、剛性の高い2つの第1ビードの車外側からドアインナパネルに伝わる。すなわち縦壁の接合点に荷重が集中することを回避できる。したがって、上記構成によれば、バックドアの開閉操作を繰り返しても、補強部材がドアインナパネルから剥離したり、補強部材やドアインナパネルに亀裂あるいは変形が生じたりすることを防止できる。
上記の補強部材は、ラッチ台座から縦壁にわたる縁に沿って立ち上がったフランジをさらに有するとよい。これにより、縦壁の縁がフランジにより高い剛性を確保できるため、ラッチ台座の取付点を介して入力された荷重は、フランジに引き寄せられ、第1ビードの車外側にさらに伝わり易くなる。したがって、荷重が縦壁の接合点に集中することを、より十全に回避できる。
上記の2つの第1ビードの各々からフランジまでの車幅方向の距離が、ラッチ台座の2つの取付点の各々からフランジまでの車幅方向の距離より小さいとよい。ここで第1ビードとフランジとの間の面が変形すると、入力された荷重が第1ビードの車外側に伝わり難くなる。そこで上記構成では、車幅方向における第1ビードとフランジとの間の距離を、取付点とフランジとの間の距離よりも小さくし、第1ビードとフランジとの間の面を小さくすることで変形し難くしている。よってラッチ台座の取付点を介して入力された荷重は、第1ビードからフランジにより伝わり易くなり、縦壁の接合点に集中し難くなる。
上記の補強部材の車幅方向の寸法は、ラッチ台座の2つの取付点から後縁に向かうにしたがって小さくなっているとよい。このように、補強部材のうち、車幅方向の寸法が徐々に小さくなっている部分を設けることで、その部分に高い剛性を確保できる。よって、ラッチ台座の取付点を介して入力された荷重は、上記の寸法が徐々に小さくなっている部分に伝わり易くなり、縦壁の接合点に集中し難くなる。
上記の2つの第1ビードの各々は、2つの取付点各々と、各々の第1ビードに最も近い接合点とを結んだ直線を横切っているとよい。これにより、ラッチ台座の取付点と縦壁の接合点とを結んだ直線を横切る第1ビードによって、取付点を介して入力された荷重が、接合点に直接伝わることを防止できる。
上記の車両用ドア構造はさらに、車両のバックドアの外面を構成するドアアウタパネルと、ドアアウタパネルと補強部材とを連結する連結部材であって、2つの第1ビードの両外側とフランジとの間で縦壁に接合され、さらにドアアウタパネルに接合される2つの連結部材とを備えるとよい。これにより、ラッチ台座の取付点を介して入力された荷重は、第1ビードからフランジに伝わるだけでなく、連結部を介してドアアウタパネルにも伝わる。このため、入力された荷重は、縦壁の接合点により集中し難くなる。
上記の2つの連結部材の各々は、車両上下方向の高さがラッチ台座の後縁と等しく車両前後方向に延びる第2ビードを有するとよい。ここで、ラッチ台座の後縁から下方に縦壁が延びているため、ラッチ台座の後縁付近は屈曲していて剛性が高く、荷重が集中し易い。上記構成では、ラッチ台座の取付点を介して入力された荷重が、ラッチ台座の後縁付近から連結部材に伝わり、さらに車両上下方向の高さが後縁と等しく剛性の高い第2ビードに伝わり易い。第2ビードに伝わった荷重は、第2ビードが車両前後方向に延びているため、さらに車両前後方向に分散される。よって、入力された荷重は、縦壁の接合点により集中し難くなる。
本発明によれば、バックドアの開閉操作を繰り返しても、補強部材がドアインナパネルから剥離したり、補強部材やドアインナパネルに亀裂あるいは変形が生じたりすることを防止できる車両用ドア構造を提供することができる。
本発明の第1の実施形態における車両用ドア構造を示す図である。 図1(b)の車両用ドア構造のB矢視図である。 本発明の第1の実施形態における車両用ドア構造でのバックドアの開閉操作に伴う応力分布を示す図である。 比較例の車両用ドア構造でのバックドアの開閉操作に伴う応力分布を示す図である。 本発明の第2の実施形態における車両用ドア構造を示す図である。 図5の車両用ドア構造のG矢視図である。 図6の車両用ドア構造のH−H断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の第1の実施形態における車両用ドア構造100を示す図である。図1(a)は、車両のバックドア102の外面を見た様子を概略的に示している。なおバックドア102の外面は、ドアアウタパネル104によって構成されている。図1(b)は、図1(a)のドアアウタパネル104のA領域を省略し、バックドア102の内部を拡大して示す図である。図2は、図1(b)の車両用ドア構造100のB矢視図である。ただし、図2ではドアラッチ106を省略して示している。以下、各図に示す矢印Xは車両前方を示し、矢印L、Rはそれぞれ車両左右方向を示している。
車両用ドア構造100は、図1(b)に示すように、バックドア102の内面を構成するドアインナパネル108と、補強部材110と、ドアラッチ106とを備える。ドアインナパネル108は、下端部112が車両後方へ向けられていて、開口114(図2参照)が形成されている。またドアインナパネル108は、下端部112の後縁112aから下方に延びる後壁116をさらに含む。なおドアインナパネル108の後壁116の下縁116aは、例えば図1(a)に示すドアアウタパネル104の下縁104aに結合されている。
補強部材110は、図2に示すように、ドアインナパネル108の下端部112の上面に開口114を取り巻くように取り付けられている。ドアラッチ106は、図1(b)に示すように、補強部材110に開口114を塞ぐようにラッチベース118を介して取付けられている。ドアラッチ106は、車体に固定された不図示のストライカに開口114を介して係合されることで、バックドア102を閉状態に保つ。
補強部材110は、図2に示すように、ドアラッチ106が載置されるラッチ台座120と、ラッチ台座120の後縁120aから下方に延びる縦壁122と、2つの第1ビード(以下、ビード124、126)とを有する。ラッチ台座120は、ドアインナパネル108の下端部112の上面に沿った台座であり、車幅方向に間隔をおいて車両上下方向に挿通された2つのボルト128、130による2つの取付点132、134を含む。ドアラッチ106は、ラッチベース118およびラッチ台座120を介して、ドアインナパネル108の下端部112に2つの取付点132、134で取付けられている。なお本実施形態では2つのビード124、126と2つの取付点132、134とを示すが、ビードおよび取付点の数は2つに限定されるものではない。3つ以上のビードおよび取付点に上記のビード124、126および取付点132、134が含まれる構成としてもよい。
補強部材110の縦壁122は、ドアインナパネル108の後壁116に沿っていて、例えばスポット溶接などにより3つの接合点136a、136b、136cで後壁116に接合されている。2つのビード124、126は、ラッチ台座120および縦壁122から膨出した形状を有し、図2に示すように、2つの取付点132、134の車両後方から縦壁122まで連続している。さらに、2つのビード124、126は、車幅方向において2つの取付点132、134の間であって接合点136a、136b、136cの両外側に形成されている。
補強部材110は、フランジ138、140をさらに有する。フランジ138、140は、ラッチ台座120から縦壁122にわたる車幅方向の縁142a、142bに沿って立ち上がっている。また補強部材110では、2つのビード124、126の各々からフランジ138、140までの車幅方向の距離La、Lbが、ラッチ台座120の2つの取付点132、134の各々からフランジ138、140までの車幅方向の距離Lc、Ldより小さくなっている。
補強部材110には、屈曲部144、146が設けられている。屈曲部144、146は、補強部材110の車幅方向、すなわち矢印L、Rで示す左右方向にわたる寸法が、ラッチ台座120の2つの取付点132、134から後縁120aに向かうにしたがって小さくなるように屈曲した部分である。また補強部材110では、2つのビード124、126の各々が、2つの取付点132、134各々と各々のビード124、126に最も近い接合点136a、136bとを結んだ直線C、Dを横切っている。
ところで、車両用ドア構造100においてバックドア102の開閉操作を行うと、開閉操作に伴う衝撃がドアラッチ106から補強部材110に入力される。この開閉操作が繰り返し行われ、仮に、補強部材110とドアインナパネル108との接合点136a、136b、136cに荷重が集中してしまうと、補強部材110がドアインナパネル108から剥離したり、補強部材110やドアインナパネル108に亀裂あるいは変形が生じたりする場合がある。
そこで本実施形態では、応力が剛性の高い部分に集中するという傾向に着目し、補強部材110の縦壁122の接合点136a、136b、136cに荷重が集中することを回避する構成を採用した。すなわち補強部材110では、車幅方向において縦壁122の接合点136a、136b、136cの両外側であって、ラッチ台座120の2つの取付点132、134の間に2つのビード124、126を形成している。
このため、バックドア102の開閉操作に伴ってドアラッチ106から補強部材110に入力された荷重は、ラッチ台座120の2つの取付点132、134を介して、剛性の高い2つのビード124、126の車外側に伝わる。また、2つのビード124、126の車外側は、ラッチ台座120から縦壁122にわたる縁142a、142bに沿って立ち上がったフランジ138、140により高い剛性が確保されている。このため、ラッチ台座120の取付点132、134を介して入力された荷重は、フランジ138、140に引き寄せられ、ビード124、126の車外側にさらに伝わり易くなる。
ここでビード124、126とフランジ138、140との間の面が変形すると、入力された荷重がビード124、126の車外側に伝わり難くなる。そこで補強部材110では、上記のように、車幅方向におけるビード124、126とフランジ138、140との間の距離La、Lbを、取付点132、134とフランジ138、140との間の距離Lc、Ldよりも小さくしている。これにより、ビード124、126とフランジ138、140との間の面を小さくして、変形し難くしている。よって、補強部材110では、入力された荷重がビード124、126からフランジ138、140により伝わり易くなる。
また、補強部材110は、屈曲部144、146を設けることで、ラッチ台座120の2つの取付点132、134から後縁120aに向かうにしたがって車幅方向の寸法が小さくなっている。このように、補強部材110のうち、車幅方向の寸法が徐々に小さくなっている屈曲部144、146では、高い剛性を確保できる。これにより、入力された荷重は、屈曲部144、146に伝わり易くなる。
このように、補強部材110において、ラッチ台座120の取付点132、134を介して入力された荷重は、ビード124、126の車外側に伝わるため、縦壁122の接合点136a、136b、136cに荷重が集中することを回避できる。さらに補強部材110では、ラッチ台座120の取付点132、134と縦壁122の接合点136a、136bとを結んだ直線C、Dをビード124、126が横切っているので、入力された荷重が、接合点136a、136bに直接伝わることを防止できる。
図3は、本発明の第1の実施形態における車両用ドア構造100でのバックドア102の開閉操作に伴う応力分布(図中、領域E)を示す図である。ただし、ここでの車両用ドア構造100は、上記の屈曲部144、146を設けていない。
車両用ドア構造100では、領域Eに示すように、ラッチ台座120の取付点132、134を介して入力された荷重がビード124、126の車外側からドアインナパネル108に伝わっている。このため、車両用ドア構造100では、縦壁122の接合点136a、136b、136cに荷重が集中することが回避されている。
図4は、比較例の車両用ドア構造100Aでのバックドア102Aの開閉操作に伴う応力分布(図中、領域F)を示す図である。比較例の車両用ドア構造100Aは、ラッチ台座120Aおよび縦壁122Aに上記のビード124、126が形成されていない点で、図3に示す車両用ドア構造100と異なる。
比較例の車両用ドア構造100Aでは、領域Fに示すように、取付点132A、134Aを介して入力された荷重が補強部材110Aの縦壁122Aの接合点150a、150b、150cに集中している。このため、比較例の車両用ドア構造100Aでは、バックドア102Aの開閉操作が繰り返し行われると、補強部材110Aがドアインナパネル108から剥離したり、補強部材110Aやドアインナパネル108に亀裂あるいは変形が生じたりする場合がある。
これに対して本実施形態の車両用ドア構造100では、ラッチ台座120の取付点132、134を介して入力された荷重が縦壁122の接合点136a、136b、136cに荷重が集中することを回避できる。したがって、本実施形態によれば、バックドア102の開閉操作を繰り返しても、補強部材110がドアインナパネル108から剥離したり、補強部材110やドアインナパネル108に亀裂あるいは変形が生じたりすることを防止できる。
図5は、本発明の第2の実施形態における車両用ドア構造200を示す図である。図6は、図5の車両用ドア構造200のG矢視図である。図7は、図6の車両用ドア構造200のH−H断面図である。
車両用ドア構造200は、2つの連結部材202、204を備えている点で第1の実施形態における車両用ドア構造100と主に異なる。また車両用ドア構造200は、一例として図5に示すように、補強部材206の縦壁208が4つの接合点210a、210b、210c、210dでドアインナパネル108の後壁116に接合されていて、上記の屈曲部144、146を設けていない。
さらに車両用ドア構造200では、図6に示すように、補強部材206が溶接点212a、212bにおいてバックドアアウターリンフォース214、216とともにドアインナパネル108に溶接されている。例えばバックドアアウターリンフォース214は、図7に示すように、溶接点212aで補強部材206に溶接され、さらに車両後側すなわちドアアウタパネル104に向かって延びていて、例えばその端部214aにてドアアウタパネル104に接着されている。
2つの連結部材202、204は、補強部材206とドアアウタパネル104とを連結する部材であって、それぞれ一端部220、222、他端部224、226および中間部228、230を有する。連結部材202、204の一端部220、222は、補強部材206の2つの第1ビード(以下、ビード232、234)の両外側とフランジ236a、236bとの間で、図6に示すように溶接点238a、238bにて縦壁208に溶接されている。
中間部228、230は、一端部220、222のフランジ236a、236b側の側縁240a、240bから車両後側に屈曲し延びていて(図7参照)、一端部220、222と他端部224、226とをつなぐ壁面を形成している。他端部224、226は、中間部228、230の車両後側の縁242a、242bから車外側に屈曲し延びていて、図6に示す接着点244a、244bにてドアアウタパネル104に接着されている。
このように車両用ドア構造200では、連結部材202、204によって補強部材206とドアアウタパネル104とが連結されている。このため、ラッチ台座246の取付点248a、248bを介して入力された荷重は、ビード232、234からフランジ236a、236bに伝わるだけでなく、連結部202、204を介してドアアウタパネル104にも伝わる。
また2つの連結部材202、204には、第2ビード(以下、ビード250a、250b)が形成されている。ビード250a、250bは、中間部228、230と他端部224、226とを跨いでいて、さらに車両前後方向に延びている。またビード250a、250bは、車両上下方向の高さがラッチ台座246の後縁252と等しい。ここでラッチ台座246の後縁252から下方に縦壁208が延びているため、ラッチ台座246の後縁252付近は屈曲していて剛性が高く、本来、荷重が集中し易い。
これに対して車両用ドア構造200では、ラッチ台座246の取付点248a、248bを介して入力された荷重が、ラッチ台座246の後縁252付近から連結部材202、204に伝わり、さらに車両上下方向の高さが後縁252と等しく剛性の高いビード250a、250bに伝わり易い。ビード250a、250bに伝わった荷重は、ビード250a、250bが車両前後方向に延びているため、さらに車両前後方向に分散される。
したがって、車両用ドア構造200では、ビード250a、250bが形成された連結部材202、204によって、ラッチ台座246の取付点248a、248bを介して入力された荷重がより分散され易くなり、縦壁208の接合点210a、210b、210c、210dにより集中し難くなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両のバックドアの内面を構成するドアインナパネルを備えた車両用ドア構造に利用することができる。
100、200…車両用ドア構造、102…バックドア、104…ドアアウタパネル、106…ドアラッチ、108…ドアインナパネル、110、206…補強部材、112…下端部、114…開口、116…後壁、118…ラッチベース、120、246…ラッチ台座、120a、252…後縁、122、208…縦壁、124、126、232、234、250a、250b…ビード、128、130…ボルト、132、134、248a、248b…取付点、136a、136b、136c、210a、210b、210c、210d…接合点、138、140、236a、236b…フランジ、142a、142b…縁、144、146…屈曲部、202、204…連結部材、212a、212b…溶接点、214、216…バックドアアウターリンフォース、220、222…一端部、224、226…他端部、228、230…中間部、244a、244b…接着点

Claims (7)

  1. 車両のバックドアの内面を構成するドアインナパネルを備え、該ドアインナパネルの下端部が車両後方へ向けられ該下端部に開口が形成されている車両用ドア構造において、
    当該車両用ドア構造はさらに、
    前記ドアインナパネルの下端部の上面に前記開口を取り巻くように取り付けられた補強部材と、
    前記補強部材に前記開口を塞ぐように取付けられ該開口を介して車体に係合されることで前記バックドアを閉状態に保つドアラッチとを備え、
    前記補強部材は、
    前記ドアインナパネルの下端部の上面に沿っていて前記ドアラッチが載置されるラッチ台座であって、該ラッチ台座を介して前記ドアラッチが前記ドアインナパネルの下端部に、車幅方向に間隔をおいた2つの取付点で取付けられているラッチ台座と、
    前記ラッチ台座の後縁から下方に延びる縦壁であって、前記ドアインナパネルに所定の接合点で接合されている縦壁と、
    前記ラッチ台座および前記縦壁から膨出した2つの第1ビードとを有し、
    前記2つの第1ビードは、
    前記2つの取付点の車両後方から前記縦壁まで連続していて、車幅方向において前記2つの取付点の間であって前記接合点の両外側に形成されていることを特徴とする車両用ドア構造。
  2. 前記補強部材は、前記ラッチ台座から前記縦壁にわたる縁に沿って立ち上がったフランジをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の車両用ドア構造。
  3. 前記2つの第1ビードの各々から前記フランジまでの車幅方向の距離が、前記ラッチ台座の2つの取付点の各々から前記フランジまでの車幅方向の距離より小さいことを特徴とする請求項2に記載の車両用ドア構造。
  4. 前記補強部材の車幅方向の寸法は、前記ラッチ台座の2つの取付点から前記後縁に向かうにしたがって小さくなっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用ドア構造。
  5. 前記2つの第1ビードの各々は、前記2つの取付点各々と、各々の第1ビードに最も近い接合点とを結んだ直線を横切っていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両用ドア構造。
  6. 当該車両用ドア構造はさらに、
    車両のバックドアの外面を構成するドアアウタパネルと、
    前記ドアアウタパネルと前記補強部材とを連結する連結部材であって、前記2つの第1ビードの両外側と前記フランジとの間で前記縦壁に接合され、さらに前記ドアアウタパネルに接合される2つの連結部材とを備えることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の車両用ドア構造。
  7. 前記2つの連結部材の各々は、車両上下方向の高さが前記ラッチ台座の後縁と等しく車両前後方向に延びる第2ビードを有することを特徴とする請求項6に記載の車両用ドア構造。
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