JP6323000B2 - 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート - Google Patents

仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート Download PDF

Info

Publication number
JP6323000B2
JP6323000B2 JP2013268903A JP2013268903A JP6323000B2 JP 6323000 B2 JP6323000 B2 JP 6323000B2 JP 2013268903 A JP2013268903 A JP 2013268903A JP 2013268903 A JP2013268903 A JP 2013268903A JP 6323000 B2 JP6323000 B2 JP 6323000B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temporary fixing
film
semiconductor wafer
meth
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013268903A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015124270A (ja
Inventor
竜也 牧野
竜也 牧野
崇司 川守
崇司 川守
省吾 祖父江
省吾 祖父江
松崎 隆行
隆行 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2013268903A priority Critical patent/JP6323000B2/ja
Publication of JP2015124270A publication Critical patent/JP2015124270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6323000B2 publication Critical patent/JP6323000B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Dicing (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)

Description

本発明は、半導体ウェハを加工する際に使用される仮固定用樹脂組成物及び仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシートに関する。
半導体装置の分野では、複数の半導体素子を積み重ねたSIP(System in Package)と呼ばれるパッケージに関する技術の成長が著しい。SIP型のパッケージでは半導体素子を多数積層するため、半導体素子はできるだけ厚さの薄いものが要求される。かかる半導体素子は、例えば、一定の厚みを有する半導体ウェハに集積回路を組み込んだ後、半導体ウェハの裏面を研削することによって薄化した半導体ウェハを個片化することにより作製される。半導体ウェハの加工は、仮固定材によって半導体ウェハを支持体に仮固定して行われる(例えば、特許文献1を参照)。
半導体素子の接続に関しては、従来ワイヤボンディング法が主流であったが、近年ではTSV(シリコン貫通電極)と呼ばれる接続方法が注目を集め、盛んに検討されている。貫通電極を有する半導体素子を作製する場合、半導体ウェハの薄化後に更に貫通電極を形成する加工が施される。この場合、半導体ウェハを300℃程度まで加熱する高温プロセスを伴う。
国際公開第2008/045669号パンフレット
そのため、上記の製造工程で使用される仮固定材に対しては、半導体ウェハの研削等の際に支持体と半導体ウェハとを強固に固定する接着性と、高温プロセスにおける耐熱性とが求められる。その一方で、仮固定材には、加工後の半導体ウェハを支持体から容易に分離できる剥離性が要求されている。特に、半導体チップへのダメージ及び反りの問題が生じないようになるべく低温で半導体ウェハと支持体とを分離でき、しかも半導体ウェハには仮固定材が残らないことが求められている。
特許文献1に記載の仮固定材は、半導体ウェハに貫通電極を形成するときの高温プロセス、及び貫通電極を形成した半導体ウェハ同士の接続を行うときの高温プロセスに対する耐熱性が十分でない傾向がある。仮固定材の耐熱性が不十分であると、高温プロセス中に仮固定材が熱分解して半導体ウェハが支持体から剥がれるといった不具合が生じやすい。
高いガラス転移温度(Tg)を有するポリイミド等の一般的な耐熱性に優れた樹脂の使用が考えられる。しかし、加工時における平坦性を確保しやすくするために仮固定材をフィルム状にする場合、樹脂のガラス転移温度が高いため、半導体ウェハと支持体とを十分固定するには高温で貼り合せを行わなければならず、半導体ウェハにダメージを与える可能性がある。そのため、フィルム状の仮固定材には、低温で貼りあわせても半導体ウェハと支持体とを十分固定することができる低温貼付性が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた低温貼付性及び十分な耐熱性を有し、半導体ウェハを支持体に十分固定することができ、なおかつ加工後の半導体ウェハを支持体及び仮固定材から容易に分離することができるフィルム状の仮固定材の形成を可能とする仮固定用樹脂組成物、並びに、該仮固定用樹脂組成物を用いた仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシートを提供することを目的とする。
本発明は、半導体ウェハを支持体にフィルム状の仮固定材を介して仮固定する仮固定工程と、前記支持体に仮固定された前記半導体ウェハを加工する加工工程と、加工された前記半導体ウェハを前記支持体及び前記フィルム状の仮固定材から分離する分離工程と、を備える半導体ウェハの加工方法に用いられる前記フィルム状の仮固定材を形成するための仮固定用樹脂組成物であって、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体及び(B)エポキシ硬化剤を含み、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体が共重合成分としてエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマを、共重合成分全量を基準として7〜50質量%含む仮固定用樹脂組成物を提供する。
本発明に係る仮固定用樹脂組成物によれば、優れた低温貼付性及び十分な耐熱性を有し、半導体ウェハを支持体に十分固定することができるフィルム状の仮固定材を形成することができる。このフィルム状の仮固定材は、加工後の半導体ウェハを支持体から容易に分離することができるとともに加工後の半導体ウェハから容易に剥離することができるため、加工後の半導体ウェハを支持体及び仮固定材から容易に分離することが可能となる。
速硬化性、耐熱性及び剥離性の観点から、上記(B)エポキシ硬化剤がイミダゾール系硬化剤であることが好ましい。
本発明に係る仮固定用樹脂組成物は、形成するフィルム状の仮固定材の剥離性を向上させる観点から、(C)シリコーン化合物を更に含むことができる。この場合、溶剤を用いることなく加工後の半導体ウェハを支持体及び仮固定材から容易に分離することが可能となる。
(A)成分との相溶性並びに形成するフィルム状の仮固定材の耐熱性及び剥離性を向上させる観点から、上記(C)シリコーン化合物がシリコーン変性アルキド樹脂であることが好ましい。
耐熱性を向上させる観点から、本発明に係る仮固定用樹脂組成物は、(D)無機フィラーを更に含むことができる。
本発明はまた、本発明に係る仮固定用樹脂組成物をフィルム状に形成してなる仮固定用樹脂フィルムを提供するこのような仮固定用樹脂フィルムを用いることで、半導体ウェハを効率よく加工することができる。これにより、SIP型のパッケージに好適な半導体素子を効率よく製造することができ、更には係る半導体素子を備える半導体装置を効率よく製造することができる。
本発明はまた、離型性を有する支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、本発明に係る仮固定用樹脂フィルムとを備える仮固定用樹脂フィルムシートを提供する。本発明に係る仮固定用樹脂フィルムシートによれば、半導体ウェハ或いは支持体に本発明に係る仮固定用樹脂フィルムを容易に転写することができ、半導体ウェハを効率よく加工することができる。
本発明によれば、優れた低温貼付性及び十分な耐熱性を有し、半導体ウェハを支持体に十分固定することができ、なおかつ加工後の半導体ウェハを支持体及び仮固定材から容易に分離することができるフィルム状の仮固定材の形成を可能とする仮固定用樹脂組成物、並びに、該仮固定用樹脂組成物を用いた仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシートを提供することができる。
図1(A)は、本発明に係る仮固定用樹脂フィルムシートの一実施形態を示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)のI−I線に沿った模式断面図である。 図2(A)は、本発明に係る仮固定用樹脂フィルムシートの他の実施形態を示す上面図であり、図2(B)は、図2(A)のII−II線に沿った模式断面図である。 図3(A)、図3(B)及び図3(C)は、半導体ウェハの加工方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3(D)は、加工後の半導体ウェハを示す上面図である。 図4は、加工された半導体ウェハを支持体及びフィルム状の仮固定材から分離する分離工程の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 図5は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
[仮固定用樹脂組成物]
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物は、半導体ウェハを支持体にフィルム状の仮固定材を介して仮固定する仮固定工程と、支持体に仮固定された半導体ウェハを加工する加工工程と、加工された半導体ウェハを支持体及びフィルム状の仮固定材から分離する分離工程と、を備える半導体ウェハの加工方法に用いられる仮固定用フィルムを形成するための仮固定用樹脂組成物であって、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体及び(B)エポキシ硬化剤を含むことを特徴とする。本実施形態の仮固定用樹脂組成物は、加熱によって硬化させることができる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルのいずれかの意味で用いられる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体は、共重合成分としてエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマを、共重合体全量を基準として7〜50質量%含むことが好ましく、10〜40質量%含むことがより好ましく、15〜30質量%含むことが更に好ましい。エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマの含有量が7質量%以上であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性及び剥離性を良好にすることができ、50質量%以下であれば、仮固定用樹脂組成物の保存中にエポキシ基同士の反応を抑制することができるため、十分な保存安定性を得ることができる。
(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体としては、例えば、エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマと、エポキシ基を有さない(メタ)アクリルモノマと、必要に応じて更に(メタ)アクリルモノマ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物との共重合により得られる共重合体が挙げられる。
エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、グリシジル(メタ)クリレートであることが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基を有さない(メタ)アクリルモノマとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどの脂肪族(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートなどの脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの芳香族(メタ)アクリル酸エステル;2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドなどの複素環式(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び剥離性の観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートであることが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ基を有さない(メタ)アクリルモノマの配合量は、共重合成分全量を基準として50〜93質量%が好ましく、60〜90質量%がより好ましく、70〜85質量%が更に好ましい。
また、エポキシ基を有さない(メタ)アクリルモノマとしてブチルアクリレートを用いる場合、ブチルアクリレートの配合量は、共重合成分全量を基準として10〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、30〜80質量%が更に好ましい。
(メタ)アクリルモノマ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物としては、例えば、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、ビニルシクロヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、(メタ)アクリロニトリル、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドであることが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリルモノマ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物の配合量は、共重合成分全量を基準として0〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
また、(メタ)アクリルモノマ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物としてアクリロニトリルを用いる場合、アクリロニトリルの配合量は、共重合成分全量を基準として、0〜40質量%が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%が更に好ましい。
(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体の合成方法として、特に制限はないが、例えば、上記のエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマと上記のエポキシ基を有さない(メタ)アクリルモノマ、必要に応じて更に上記の(メタ)アクリルモノマ以外のエチレン性不飽和基を有する化合物とを、適切な熱ラジカル重合開始剤を用いて、加熱しながら共重合させることにより得ることができる。重合方法として、特に制限はないが、例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法が挙げられる。また、必要に応じて適切な連鎖移動剤などと組み合わせて重合することもできる。
(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体は、エポキシ当量が200〜2,000g/eqであることが好ましい。200g/eq以上であれば、仮固定用樹脂組成物の保存中にエポキシ基同士の反応を抑制することができるため、保存安定性が良好となり、2,000g/eq以下であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性及び剥離性を良好とすることができる。同様の観点から、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体のエポキシ当量は、300〜1,500g/eqであることが更に好ましく、400〜1,000g/eqであることが特に好ましい。なお、エポキシ当量は、JIS K 7206:2001に準拠した方法によって測定した値である。
(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度は、−50〜50℃であることが好ましい。ガラス転移温度が−50℃以上であれば、仮固定用樹脂組成物の流動性及び粘着性が高くなりすぎることがないため、形成されるフィルム状の仮固定材の取扱性及び剥離性が良好となり、50℃以下であると、仮固定用樹脂組成物の流動性及び粘着性を確保できるため、形成されるフィルム状の仮固定材の低温貼付性及び半導体ウェハ表面にバンプがある場合のバンプ埋込性を良好にすることができる。同様の観点から、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度は、−40〜40℃であることが更に好ましく、−30〜30℃であることが特に好ましい。
(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定した中間点ガラス転移温度である。具体的には、昇温速度10℃/分、測定温度:−80〜80℃の条件で熱量変化を測定し、JIS K 7121:1987に準拠した方法によって算出した中間点ガラス転移温度である。
(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は、100,000〜3,000,000であることが好ましい。100,000以上であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性及び剥離性を良好にすることができ、3,000,000以下であれば、仮固定用樹脂組成物の流動性を確保できるため、半導体ウェハ表面にバンプがある場合もバンプ埋込性を良好にすることができる。同様の観点から、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量は、150,000〜2,000,000であることがより好ましく、200,000〜1,000,000であることが更に好ましい。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
本実施形態で用いる(B)エポキシ硬化剤としては、(A)成分のエポキシ基と反応し得るものであればよく、例えば、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、イミダゾリン系硬化剤、トリアジン系硬化剤及びホスフィン系硬化剤などが挙げられる。これらの中でも、速硬化性、耐熱性及び剥離性の観点から、工程時間の短縮及び作業性の向上が期待できるイミダゾール系硬化剤であることが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾール イソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロリドなどが挙げられる。これらの中でも、仮固定用樹脂組成物の保存安定性の観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールであることが好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物における(B)エポキシ硬化剤の配合量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、0.01〜50質量部であることが好ましい。配合量が0.01質量部であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の硬化性及び耐熱性を良好にすることができるため工程時間の短縮及び作業性の向上が期待でき、50質量部以下であれば、仮固定用樹脂組成物の保存安定性を良好にすることができる。同様の観点から、(B)エポキシ硬化剤の含有量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、0.05〜30質量部であることが更に好ましく、0.1〜10質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体及び(B)エポキシ硬化剤以外に、必要に応じて、(C)シリコーン化合物、(D)無機フィラー及びその他の成分を含有することができる。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物が(C)シリコーン化合物を含むことで、形成されるフィルム状の仮固定材を半導体ウェハ又は支持体から剥離する際、100℃以下の低温で溶剤を用いることなく容易に剥離することが可能となる。
(C)シリコーン化合物としては、シロキサン部位を有する化合物であればよく、例えば、反応性官能基を有さないオルガノポリシロキサン、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン、シリコーン変性ポリイミド樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミド樹脂、シリコーン変性アルキド樹脂、ストレートシリコーンオイル、非反応性の変性シリコーンオイル、反応性の変性シリコーンオイル等などが挙げられる。これらの中でも、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性、剥離性及び(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体との相溶性の観点から、シリコーン変性アルキド樹脂が好ましい。これらの化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
シリコーン変性アルキド樹脂としては、例えば、多価アルコール、脂肪酸、多塩基酸などを反応させる際に、水酸基を有するオルガノポリシロキサンをアルコール成分として同時に反応させて得られるシリコーン変性アルキド樹脂、あらかじめ合成された一般のアルキド樹脂に反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンを反応させて得られるシリコーン変性アルキド樹脂などが挙げられる。
アルキド樹脂の原料として用いられる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニット、ソルビット等の四価以上の多価アルコールが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキド樹脂の原料として用いられる多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水トリメット酸等の芳香族多塩基酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水シトラコン酸等の脂肪族不飽和多塩基酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、テルペン−無水マレイン酸付加物、ロジン−無水マレイン酸付加物等のディールズ・アルダー反応による多塩基酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルキド樹脂は、変性剤又は架橋剤を更に含有していてもよい。
変性剤としては、例えばオクチル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エレオステアリン酸、リシノレイン酸、脱水リシノレイン酸、あるいはヤシ油、アマニ油、キリ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、大豆油、サフラワー油及びこれらの脂肪酸などを用いることができる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物がシリコーン変性アルキド樹脂を含有する場合、シリコーン変性アルキド樹脂を熱架橋できる架橋剤、又は架橋剤及び触媒を更に含むことが好ましい。係る架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂が挙げられる。この場合、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性及び剥離性を更に向上させることができる。
架橋剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂を例示することができる。これらの中でも、アミノ樹脂を用いた場合、アミノ樹脂により架橋されたアミノアルキド樹脂が得られ好ましい。このようなシリコーン変性アルキド樹脂としては、例えば、テスファイン319、TA31−209E(以上、日立化成ポリマー株式会社製、商品名)が挙げられる。架橋剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコーン変性アルキド樹脂においては、硬化触媒として酸性触媒を用いることができる。酸性触媒としては、特に制限はなく、アルキド樹脂の架橋反応触媒として公知の酸性触媒の中から適宜選択して用いることができる。このような酸性触媒としては、例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機系の酸性触媒が好適である。酸性触媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、酸性触媒の配合量は、アルキド樹脂と架橋剤との合計100質量部に対し、通常0.1〜40質量部、好ましくは0.5〜30質量部、より好ましくは1〜20質量部の範囲で選定される。
シリコーン変性アルキド樹脂の表面自由エネルギーが15〜30mN/mであることが好ましい。シリコーン変性アルキド樹脂の表面自由エネルギーがこのような範囲にある時、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性と剥離性とを両立させることができる。更に、仮固定用樹脂組成物は、耐熱性の観点から、表面自由エネルギーが15〜27mN/mであるシリコーン変性アルキド樹脂を含むことがより好ましく、15〜24mN/mであるシリコーン変性アルキド樹脂を含むことが更に好ましい。なお、表面自由エネルギーは、シリコーン変性アルキド樹脂をPETフィルム上に塗布後、150℃で30秒乾燥して得られた厚み0.3μmの膜に対して、接触角計(協和界面科学株式会社製CA−X型)を用いて、水、エチレングリコール、及びヨウ化メチルの接触角を測定し、表面自由エネルギー解析ソフト(協和界面科学株式会社製EG−2)により、算出した。
(C)シリコーン化合物の配合量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましい。配合量が0.1質量部以上であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の剥離性を良好にすることができ、50質量部以下であれば、半導体ウェハと支持体とを強固に固定することができ、半導体ウェハの研削などの際に剥離することを抑制できる。同様の観点から、(C)シリコーン化合物の配合量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、0.5〜40質量部であることが更に好ましく、1〜30質量部であることが特に好ましい。
(D)無機フィラーとしては、例えば、絶縁性微粒子、ウィスカーなどが挙げられる。絶縁性微粒子としては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素などが挙げられる。これらの中では、取扱性の観点から、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素が更に好ましい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素などが挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記無機フィラーは表面に有機基を有するものが好ましい。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されていることにより、仮固定用樹脂組成物を調製するときの有機溶剤への分散性、並びに仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の密着性及び耐熱性を向上させることが容易となる。
表面に有機基を有する無機フィラーは、例えば、下記一般式(B−1)で表されるシランカップリング剤と無機フィラーとを混合し、30℃以上の温度で攪拌することにより得ることができる。無機フィラーの表面が有機基によって修飾されたことは、UV測定、IR測定、XPS測定等で確認することが可能である。
Figure 0006323000
式(B−1)中、Xは、フェニル基、グリシドキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メルカプト基、アミノ基、ビニル基、イソシアネート基及びメタクリロキシ基からなる群より選択される有機基を示し、sは0又は1〜10の整数を示し、R11、R12及びR13は各々独立に、炭素数1〜10のアルキル基を示す。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。入手が容易である点で、メチル基、エチル基及びペンチル基が好ましい。Xとしては、耐熱性の観点から、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基及びイソシアネート基が好ましく、グリシドキシ基及びメルカプト基がより好ましい。式(B−1)中のsは、高熱時のフィルム流動性を抑制し、耐熱性を向上させる観点から、0〜5が好ましく、0〜4がより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、トリメトキシフェニルシラン、ジメチルジメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3―ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N,N’―ビス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、ポリオキシエチレンプロピルトリアルコキシシラン、ポリエトキシジメチルシロキサン等が挙げられる。これらの中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが好ましく、トリメトキシフェニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランがより好ましい。シランカップリング剤は1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記カップリング剤の使用量は、耐熱性を向上させる効果と保存安定性とのバランスを図る観点から、無機フィラー100質量部に対して、0.01〜50質量部が好ましく、0.05質量部〜20質量部がより好ましく、耐熱性向上の観点から、0.5〜10質量部がさらにより好ましい。
(D)無機フィラーの平均粒径としては、0.01〜10μmが好ましい。平均粒径が0.01μm以上であると、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の流動性を確保できるため、半導体ウェハ表面にバンプがある場合のバンプ埋込性を良好にすることができ、10μm以下であると、仮固定用樹脂組成物中で無機フィラーが沈降することを抑制することができる。同様の観点から、(D)無機フィラーの平均粒径は、0.05〜5μmであることが更に好ましく、0.1〜3μmであることが特に好ましい。
(D)無機フィラーの配合量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましい。配合量が1質量部以上であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の耐熱性を良好にすることができ、100質量部以下であれば、仮固定用樹脂組成物から形成されるフィルム状の仮固定材の流動性を確保できるため、半導体ウェハ表面にバンプがある場合のバンプ埋込性を良好にすることができる。同様の観点から、(D)無機フィラーの配合量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対して、3〜70質量部であることが更に好ましく、5〜50質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物には、更に有機フィラーを配合することができる。有機フィラーとしては、例えば、カーボン、ゴム系フィラー、シリコーン系微粒子、ポリアミド微粒子、ポリイミド微粒子等が挙げられる。有機フィラーの配合量は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体100質量部に対し、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらにより好ましい。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物には、必要に応じて更に酸化防止剤、黄変防止剤、着色剤、可塑剤、安定剤などのいわゆる添加剤を本発明の効果に悪影響を与えない割合で添加してもよい。
本実施形態の仮固定用樹脂組成物は、必要に応じて更に有機溶剤を用いて希釈してもよい。有機溶剤として、該樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に制限はないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、などのケトン系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル系有機溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどの多価アルコールアルキルエーテル系有機溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの多価アルコールアルキルエーテルアセテート;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系有機溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、一種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物の固形分濃度は、10〜80質量%であることが好ましい。
本実施形態の仮固定用樹脂組成物は、(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体及び(B)エポキシ硬化剤、並びに必要に応じて(C)シリコーン化合物、(D)無機フィラー、有機溶剤、及びその他の成分を混合、混練することによって調製することができる。混合及び混練は、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ビーズミルなどの分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
[仮固定用樹脂フィルム]
本実施形態に係る仮固定用樹脂フィルムは、上記本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物をフィルム状に形成してなるものである。
本実施形態に係る仮固定用樹脂フィルムは、例えば、仮固定用樹脂組成物を支持フィルムに塗布することにより容易に製造することができる。また、仮固定用樹脂組成物が有機溶剤で希釈されている場合、該樹脂組成物を支持フィルムに塗布し、有機溶剤を加熱乾燥により除去することにより製造することができる。
支持フィルム上に設けられた仮固定用樹脂フィルムは、必要に応じて保護フィルムを貼り付けることができる。この場合、後述する、支持フィルム、仮固定用樹脂フィルム及び保護フィルムからなる3層構造を有する仮固定用樹脂フィルムシートを得ることができる。
このようにして得られた仮固定用樹脂フィルムシートは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に保存することができる。また、ロール状のフィルムを好適なサイズに切り出して、シート状にして保存することもできる。
図1(A)は、本実施形態の仮固定用樹脂フィルムシートの一実施形態を示す上面図であり、図1(B)は図1(A)のI−I線に沿った模式断面図である。
図1に示す仮固定用樹脂フィルムシート1は、離型性を有する支持フィルム10と、支持フィルム10上に設けられた仮固定用樹脂フィルム20と、仮固定用樹脂フィルム20の支持フィルム10とは反対側に設けられた保護フィルム30とを備える。
支持フィルム10としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミドであることが好ましい。また、仮固定用樹脂フィルム(樹脂層)との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、フッ素系化合物などにより離型処理が施されたフィルムを支持フィルムとして用いることが好ましい。
支持フィルム10の厚みは、目的とする柔軟性により適宜変えてよいが、3〜250μmであることが好ましい。3μm以上であれば、フィルム強度が十分であり、250μm以下であれば、十分な柔軟性が得られる。このような観点から、支持フィルム10の厚みは、5〜200μmであることが更に好ましく、7〜150μmであることが特に好ましい。
本実施形態の仮固定用樹脂フィルム20の厚みについては、特に限定されないが、乾燥後の厚みで、5〜300μmであることが好ましい。5μm以上であれば、厚みが十分であるためフィルム又はフィルムの硬化物の強度が十分であり、300μm以下であれば、十分な乾燥によりフィルム中の残留溶剤量を低減することが容易となり、フィルムの硬化物を加熱したときに発泡することを少なくできる。
厚膜のフィルムを製造する場合は、予め形成した厚み100μm以下のフィルムを貼り合せてもよい。このように貼り合せたフィルムを用いることで、厚膜化フィルムを作製したときの残存溶剤を低下させることができる。
保護フィルム30としては、特に制限はないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。これらの中で、柔軟性及び強靭性の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンであることが好ましい。また、仮固定用樹脂フィルム(樹脂層)との剥離性向上の観点から、シリコーン系化合物、フッ素系化合物などにより離型処理が施されたフィルムを保護フィルムとして用いることが好ましい。
保護フィルム30の厚みは、目的とする柔軟性により適宜設定することができるが、10〜250μmであることが好ましい。10μm以上であれば、フィルム強度が十分であり、250μm以下であれば、十分な柔軟性が得られる。このような観点から、保護フィルム30の厚みは、15〜200μmであることが更に好ましく、20〜150μmであることが特に好ましい。
図2(A)は、本発明に係る仮固定用樹脂フィルムシートの他の実施形態を示す上面図であり、図2(B)は図2(A)のII−II線に沿った模式断面図である。
図2に示す仮固定用樹脂フィルムシート2は、仮固定する部材の形状に合わせて仮固定用樹脂フィルム20及び保護フィルム30が予め裁断されていること以外は、仮固定用樹脂フィルムシート1と同様の構成を有する。なお、図2では、裁断された仮固定用樹脂フィルム20及び保護フィルム30の外縁部が除去されているが、仮固定する部材の形状に合わせて仮固定用樹脂フィルム及び保護フィルムに切れ込みが設けられ、外縁部が残されていてもよい。
[半導体ウェハ加工方法]
本実施形態に係る半導体ウェハの加工方法は、大きく分けて以下の4工程からなる。(a)半導体ウェハと支持体とをフィルム状の仮固定材を介して仮固定する仮固定工程と、(b)支持体に仮固定された半導体ウェハを加工する加工工程と、(c)加工された半導体ウェハを支持体及びフィルム状の仮固定材から分離する分離工程と、(d)半導体ウェハに残渣がある場合に洗浄する洗浄工程とからなる。
図3(A)、図3(B)及び図3(C)は、半導体ウェハの加工方法の一実施形態を説明するための模式断面図であり、図3(D)は、加工後の半導体ウェハを示す上面図である。
<(a)仮固定工程>
図3の(A)は、支持体50及び半導体ウェハ60の間に、本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物又は仮固定用樹脂フィルムから形成されるフィルム状の仮固定材40を介在させ、支持体50に半導体ウェハ60を仮固定する工程を示す。
半導体ウェハ60の厚みは、特に制限はないが、600〜800μmとすることができる。
仮固定用樹脂組成物を用いる場合、スピンコートなどの方法により半導体ウェハ60の素子形成面上又は支持体上にフィルム状の仮固定材40を形成することができる。仮固定用樹脂組成物が有機溶剤で希釈されている場合、スピンコート後、その溶剤の揮発条件に応じて、加熱乾燥により有機溶剤を加熱乾燥により除去し、フィルム状の仮固定材40を形成する。
仮固定用樹脂フィルム20を用いる場合、ロールラミネーター、真空ラミネーターなどを用いて、半導体ウェハ60の素子形成面上又は支持体上に仮固定用樹脂フィルム20をラミネートすることによりフィルム状の仮固定材40を設けることができる。
次に、ウェハ接合装置又は真空ラミネーター上に、フィルム状の仮固定材40を形成した半導体ウェハ60をセットし、支持体50をプレスで押圧して貼り付ける。なお、支持体50側にフィルム状の仮固定材40を形成した場合には、ウェハ接合装置又は真空ラミネーター上に、フィルム状の仮固定材40を設けた支持体50をセットし、半導体ウェハ60をプレスで押圧して貼り付ける。
ウェハ接合装置を用いる場合は、例えばEVG社製真空プレス機EVG520IS(商品名)を用いて、気圧1hPa以下、圧着圧力1MPa、圧着温度60℃〜200℃、保持時間100秒〜300秒で、半導体ウェハ60と支持体50とをフィルム状の仮固定材40を介して仮固定する。
真空ラミネーターを用いる場合は、例えば株式会社エヌ・ピー・シー製真空ラミネーターLM−50×50−S(商品名)、ニチゴーモートン株式会社製真空ラミネーターV130(商品名)を用い、気圧1hPa以下、圧着温度40℃〜180℃、好ましくは60℃〜150℃、ラミネート圧力0.01〜0.5MPa、好ましくは0.1〜0.5MPa、保持時間1秒〜600秒、好ましくは30秒〜300秒で、半導体ウェハ60と支持体50とをフィルム状の仮固定材40を介して仮固定する。
半導体ウェハ60と支持体50とをフィルム状の仮固定材40を介して仮固定した後、100〜200℃で5〜120分加熱することにより、フィルム状の仮固定材40の熱硬化を行う。
本実施形態の支持体の材質は特に選ばないが、シリコンウェハ、ガラスウェハ、石英ウェハなどの基板が使用可能である。
本実施形態の支持体には剥離処理を行ってもよく、図3(A)のように支持体50表面の全部、又は一部を剥離処理することで、剥離層52を形成する。剥離処理に使用される剥離剤は特に限定されないが、例えば、フッ素元素を有する表面改質剤、ポリオレフィン系ワックス及びシリコーンオイル、エポキシ基を含有するシリコーンオイル、シリコーン変性アルキド樹脂が剥離性に優れるため好ましい。
以上説明したような構成のフィルム状の仮固定材を用いると、支持体を用いた高温での半導体ウェハの加工が可能で、加工後に室温で仮固定用樹脂組成物を半導体ウェハ及び支持体から糊残りなく剥離することができる。
<(b)加工工程>
加工工程には、ウェハレベルで用いられる研削、電極形成、金属配線形成、保護膜形成などが含まれる。研削方式には特に制限はなく、公知の研削方式が利用できる。研削は半導体ウェハと砥石(ダイヤモンドなど)とに水をかけて冷却しながら行うことが好ましい。
例えば、図3(B)に示すように、グラインダー90によって半導体ウェハ80の裏面、すなわち半導体ウェハ80のフィルム状の仮固定材70と接する側とは反対側の面を研削し、例えば700μm程度の厚みを100μm以下にまで薄化する。
研削加工する装置としては、例えばDISCO株式会社製DGP−8761(商品名)等が挙げられ、この場合の切削条件は所望の半導体ウェハの厚み及び研削状態に応じて任意に選ぶことができる。
その他の工程は具体的には、電極などの形成のための金属スパッタリング、金属スパッタリング層をエッチングするウェットエッチング、金属配線形成のマスクするためのレジストの塗布、露光・現像によるパターンの形成、レジストの剥離、ドライエッチング、金属めっきの形成、TSV形成のためのシリコンエッチング、シリコン表面の酸化膜形成など、公知のプロセスが挙げられる。
図3(C)は、薄化した半導体ウェハ80の裏面側にドライイオンエッチング又はボッシュプロセス等の加工を行い、貫通孔を形成した後、銅めっきなどの処理を行い、貫通電極82を形成した例を示している。
こうして半導体ウェハ80に所定の加工が施される。図3(D)は、加工後の半導体ウェハ80の上面図である。
<(c)分離工程>
図4は、加工された半導体ウェハを支持体及びフィルム状の仮固定材から分離する分離工程の一実施形態を説明するための模式断面図である。本実施形態に係る分離工程は、支持体から半導体ウェハを剥離する第一の剥離工程と、半導体ウェハからフィルム状の仮固定材を剥離する第二の剥離工程と、を含む。第一の剥離工程は、加工工程で加工を施した半導体ウェハを支持体から剥離する工程、即ち、薄型化した半導体ウェハに様々な加工を施した後、ダイシングする前に支持体から剥離する工程である。剥離方法としては、主に半導体ウェハと支持体とを加熱(好ましくは200〜250℃)しながら、水平方向に沿って反対方向にスライドさせることにより両者を分離する方法、支持体の半導体ウェハ又は支持体の一方を水平に固定しておき、他方を水平方向から一定の角度を付けて持ち上げる方法、及び、研削された半導体ウェハの研削面に保護フィルムを貼り、半導体ウェハと保護フィルムとをピール方式で支持体から剥離する方法等が挙げられるが、特に制限なく採用することができる。
本実施形態には、これらの剥離方法すべてに適用可能であるが、図4(A)に示されるような支持体の半導体ウェハ80又は支持体50の一方を水平に固定しておき、他方を水平方向から一定の角度を付けて持ち上げる方法、及び、研削された半導体ウェハの研削面に保護フィルムを貼り、半導体ウェハと保護フィルムとをピール方式で剥離する方法等がより適している。これらの剥離方法は、通常、室温で実施されるが、40〜100℃程度の半導体ウェハにダメージのない温度下で実施してもよい。機械的に分解する際は、例えばEVG社製De−Bonding装置EVG805EZDを用いる。
第二の剥離工程では、例えば、図4(B)に示されるように、半導体ウェハ80を水平に固定しておき、フィルム状の仮固定材70の端を水平方向から一定の角度をつけて持ち上げることで、フィルム状の仮固定材が剥離された半導体ウェハ80を得ることができる(図4(C)を参照)。本実施形態においては、本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物を用いてフィルム状の仮固定材が形成されていることにより、糊残りなどの残渣が十分低減された加工済み半導体ウェハを容易に得ることができる。
本実施形態においては、第一の剥離工程で、半導体ウェハと、フィルム状の仮固定材との間で分離を行ってもよい。
<(d)洗浄工程>
半導体ウェハの回路形成面は仮固定材の一部が残存しやすい。剥離した半導体ウェハの回路形成面に仮固定材が一部残存した場合、これを除去するための洗浄工程を設けることができる。仮固定材の除去は、例えば、半導体ウェハを洗浄することにより行うことができる。
用いる洗浄液には、一部残存した仮固定材を除去できるような洗浄液であれば、特に制限はなく、例えば、仮固定用樹脂組成物の希釈に用いることができる上記有機溶剤が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、残存した仮固定材が除去しにくい場合は、有機溶剤に塩基類、酸類を添加してもよい。塩基類の例としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、アンモニアなどのアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモニウム塩類が使用可能である。酸類としては、酢酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの有機酸が使用可能である。添加量は、洗浄液中濃度で、0.01〜10質量%が好ましい。また、残存物の除去性を向上させるため、既存の界面活性剤を添加してもよい。
洗浄方法として、特に制限はないが、例えば、上記洗浄液を用いてパドルでの洗浄を行う方法、スプレー噴霧での洗浄方法、洗浄液槽に浸漬する方法が挙げられる。温度は10〜80℃、好ましくは15〜65℃が好適であり、最終的に水洗又はアルコール洗浄を行い、乾燥処理させて、薄型の半導体ウェハ80が得られる。
なお、本実施形態に係る仮固定用樹脂組成物によれば、糊残りなどの残渣を十分低減することができるため、洗浄工程を省略することが可能となる。
加工された半導体ウェハ80は、上記と同様にして貫通電極82が形成され、さらにダイシングライン84に沿ったダイシングによって半導体素子に個片化される。
本実施形態においては、得られた半導体素子を他の半導体素子又は半導体素子搭載用基板に接続することにより半導体装置を製造することができる。
図5は、半導体装置の製造方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。まず、上述した方法により、貫通電極86が形成され、個片化された半導体素子100を用意する(図5(A))。そして、半導体素子100を配線基板110上に複数積層することにより半導体装置120を得ることができる(図5(B))。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
[(メタ)アクリルポリマーA−1の合成]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、イオン交換水を200質量部加え、攪拌しながら、ブチルアクリレート65質量部、アクリロニトリル10質量部、グリシジルメタクリレート25質量部、ラウロイルパーオキシド0.2質量部及びn−オクチルメルカプタン0.03質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を上昇させ、60℃で6時間、次いで85℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で12時間乾燥することによって、(メタ)アクリルポリマーA−1を得た。
[重量平均分子量の測定]
A−1の重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)を、GPC(東ソー株式会社製、SD−8022/DP−8020/RI−8020)を用いて測定した結果、54.9×10であった。なお、溶離液はテトラヒドロフランを、カラムは日立化成株式会社製Gelpack GL−A150−S/GL−A160−Sを使用した。重量平均分子量は、標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
[エポキシ当量の測定]
A−1のエポキシ当量を、自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM−1600)を用いて、JIS K 7206:2001に準拠した電位差測定方法によって測定した結果、541g/eqであった。
[ガラス転移温度の測定]
A−1のガラス転移温度を、DSC(株式会社リガク社製、DSC8230)を用いて、昇温速度10℃/分、測定温度:−80〜80℃の条件で測定した結果、−18℃であった。なお、この場合のガラス転移温度とは、熱量変化からJIS K 7121:1987に準拠した方法によって算出した中間点ガラス転移温度のことである。
(合成例2)
[(メタ)アクリルポリマーA−2の合成]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、イオン交換水を200質量部加え、攪拌しながら、メチルメタクリレート40質量部、ブチルアクリレート40質量部、グリシジルメタクリレート20質量部、ラウロイルパーオキシド0.2質量部及びn−オクチルメルカプタン0.03質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を上昇させ、60℃で6時間、次いで85℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で12時間乾燥することによって、(メタ)アクリルポリマーA−2を得た。
合成例1と同様の方法で、A−2の重量平均分子量、エポキシ当量及びガラス転移温度を測定した結果、それぞれ62.3×10、697g/eq、23℃であった。
(合成例3)
[(メタ)アクリルポリマーA−3の合成]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、イオン交換水を200質量部加え、攪拌しながら、ブチルアクリレート60質量部、アクリロニトリル25質量部、グリシジルメタクリレート15質量部、ラウロイルパーオキシド0.2質量部及びn−オクチルメルカプタン0.03質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を上昇させ、60℃で6時間、次いで85℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で12時間乾燥することによって、(メタ)アクリルポリマーA−3を得た。
合成例1と同様の方法で、A−3の重量平均分子量、エポキシ当量及びガラス転移温度を測定した結果、それぞれ51.7×10、858g/eq、−4℃であった。
(合成例4)
[(メタ)アクリルポリマーA−4の合成]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、イオン交換水を200質量部加え、攪拌しながら、ブチルアクリレート70質量部、アクリロニトリル20質量部、グリシジルメタクリレート10質量部、ラウロイルパーオキシド0.2質量部及びn−オクチルメルカプタン0.03質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を上昇させ、60℃で6時間、次いで85℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で12時間乾燥することによって、(メタ)アクリルポリマーA−4を得た。
合成例1と同様の方法で、A−4の重量平均分子量、エポキシ当量及びガラス転移温度を測定した結果、それぞれ51.2×10、1316g/eq、−16℃であった。
(合成例5)
[(メタ)アクリルポリマーA−5の合成]
撹拌機、冷却器、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、ポリビニルアルコールを0.04質量部、イオン交換水を200質量部加え、攪拌しながら、ブチルアクリレート70質量部、アクリロニトリル25質量部、グリシジルメタクリレート5質量部、ラウロイルパーオキシド0.2質量部及びn−オクチルメルカプタン0.03質量部の混合物を加えた。窒素ガスを導入しながら、液温を上昇させ、60℃で6時間、次いで85℃で2時間重合させ、樹脂粒子を得た。この樹脂粒子を濾別し、イオン交換水で洗浄した後、真空乾燥機を用いて40℃で12時間乾燥することによって、(メタ)アクリルポリマーA−5を得た。
合成例1と同様の方法で、A−5の重量平均分子量、エポキシ当量及びガラス転移温度を測定した結果、それぞれ53.7×10、2524g/eq、−13℃であった。
(実施例1〜7、比較例1及び2)
[ワニス(仮固定用樹脂組成物)の調製]
表1に示す配合比に従って(A)(メタ)アクリルポリマー、(B)エポキシ硬化剤、(C)シリコーン化合物、(D)無機フィラー及び有機溶剤を配合し、ワニスV−1〜V−9を調製した。
[仮固定用樹脂フィルムの作製]
表1に示す配合比で調製したワニスV−1〜V−9を、離型PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、A31、厚み38μm)の離型処理面上に塗布し、90℃で5分及び140℃で5分乾燥して、仮固定用樹脂フィルムF−1〜F−9を得た。このとき樹脂層の厚みは、任意に調節可能であるが、本実施例では乾燥後の膜厚が、30μmとなるように調節した。
Figure 0006323000


表中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・2PZ−CN:イミダゾール系エポキシ硬化剤(四国化成工業株式会社製)
・TA31−209E:シリコーン変性アルキド樹脂(日立化成ポリマー株式会社製)
・SE2050−SEJ:表面処理シリカフィラー(アドマテックス株式会社製)
以下で説明する手順で、上記で得られた仮固定用樹脂フィルムの各種評価を行った。評価結果を表2に示す。
[半導体ウェハへのフィルムラミネート]
真空ラミネーター(ニチゴーモートン株式会社製、V130)を用い、気圧1hPa以下、圧着温度80℃、ラミネート圧力0.5MPa、保持時間60秒の条件で、仮固定用樹脂フィルムを半導体ウェハの素子形成面上にラミネートした。その後、支持フィルム(A31)を除去して、仮固定用樹脂フィルム付き半導体ウェハを得た。
[支持体への圧着]
真空ラミネーター(ニチゴーモートン株式会社製、V130)を用い、気圧1hPa以下、圧着温度100℃、ラミネート圧力0.5MPa、保持時間100秒の条件で、上記仮固定用樹脂フィルム付き半導体ウェハと支持体(シリコンウェハ)とを圧着することよって、上記半導体ウェハと支持体とを仮固定用樹脂フィルムを介して仮固定した積層サンプルを得た。その後、110℃で30分間、次いで170℃で1時間加熱して、仮固定用樹脂フィルムの熱硬化を行った。
[バックグラインド性評価]
フルオートマチックグラインダ/ポリッシャ(株式会社ディスコ社製、DGP−8761)を用いて、積層サンプルにおける半導体ウェハの仮固定用樹脂フィルムと接する側とは反対側の面を研削した。ホイールには、1軸:GF01−SDC320−BT300−50、2軸:IF−01−1−4/6−B・K09、3軸:DPEG−GA0001をそれぞれ用いた。チャックテーブル回転数を300rpm、ホイール回転数を1軸:3,200rpm、2軸:3,400rpm、3軸:1,400rpmとし、クロスフィード方式で研削を行った。1軸で142μm厚になるまで研削後、2軸で102μm厚になるまで、3軸で100μm厚になるまで研削した。研削終了時点で割れなどが発生しなかったサンプルをA、割れなどが発生したサンプルをBと評価した。
[耐熱性評価]
超音波顕微鏡(インサイト株式会社製、Insight−300)を用いて、積層サンプルにおける仮固定用樹脂フィルムの状態を確認した。その後、積層サンプルを200℃で2時間、次いで260℃で20分間加熱して、再度超音波顕微鏡を用いて仮固定用樹脂フィルムの状態を確認した。加熱処理しても仮固定用樹脂フィルムの剥離が生じなかったサンプルをA、剥離が生じたサンプルをBと評価した。
[支持体からの剥離性評価]
積層サンプルの支持体と仮固定用樹脂フィルムとの間に先端が鋭利な状態のピンセットを差し入れ、外縁に沿ってピンセットを動かした。このとき、半導体ウェハが割れることなく支持体を剥離できたサンプルをA、剥離できなかったサンプルをBと評価した。
[半導体ウェハからの剥離試験]
支持体からの剥離性評価において評点がAであった積層サンプルについて、半導体ウェハに貼付されている仮固定用フィルムの端部をピンセットにて持ち上げた。このとき、半導体ウェハから仮固定用樹脂層を剥離できたサンプルをA、剥離できなかったサンプルをBと評価した。なお、[支持体からの剥離性評価]で支持体から半導体ウェハを剥離できなかったものについては、測定不可とした。

Figure 0006323000


F−1〜F−7の仮固定用樹脂フィルムによれば、160℃以下の条件で半導体ウェハに貼り付けた場合であっても良好なバックグラインド性を得ることができる十分な低温貼付性と平坦性とを有しているとともに、耐熱性及び剥離性に優れていることが確認された。
1…仮固定用樹脂フィルムシート、2…仮固定用樹脂フィルムシート、10…支持フィルム、20…仮固定用樹脂フィルム、30…保護フィルム、40…仮固定材、50…支持体、52…剥離層、60…半導体ウェハ、70…仮固定材、80…半導体ウェハ、82…貫通電極、84…ダイシングライン、86…貫通電極、100…半導体素子、110…配線基板、120…半導体装置。

Claims (9)

  1. 半導体ウェハを支持体にフィルム状の仮固定材を介して仮固定する仮固定工程と、前記支持体に仮固定された前記半導体ウェハを加工する加工工程と、加工された前記半導体ウェハを前記支持体及び前記フィルム状の仮固定材から分離する分離工程と、を備える半導体ウェハの加工方法に用いられる前記フィルム状の仮固定材を形成するための仮固定用樹脂組成物であって、
    (A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体及び(B)エポキシ硬化剤を含み、前記(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体が共重合成分としてエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマを、共重合成分全量を基準として7〜50質量%含み、前記(B)エポキシ硬化剤がイミダゾール系硬化剤である、仮固定用樹脂組成物。
  2. (C)シリコーン化合物を更に含む、請求項1に記載の仮固定用樹脂組成物。
  3. 前記(C)シリコーン化合物がシリコーン変性アルキド樹脂である、請求項に記載の仮固定用樹脂組成物。
  4. 半導体ウェハを支持体にフィルム状の仮固定材を介して仮固定する仮固定工程と、前記支持体に仮固定された前記半導体ウェハを加工する加工工程と、加工された前記半導体ウェハを前記支持体及び前記フィルム状の仮固定材から分離する分離工程と、を備える半導体ウェハの加工方法に用いられる前記フィルム状の仮固定材を形成するための仮固定用樹脂組成物であって、
    (A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体、(B)エポキシ硬化剤及び(C)シリコーン化合物を含み、前記(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体が共重合成分としてエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマを、共重合成分全量を基準として7〜50質量%含み、前記(C)シリコーン化合物がシリコーン変性アルキド樹脂である、仮固定用樹脂組成物。
  5. (D)無機フィラーを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の仮固定用樹脂組成物。
  6. 半導体ウェハを支持体にフィルム状の仮固定材を介して仮固定する仮固定工程と、前記支持体に仮固定された前記半導体ウェハを加工する加工工程と、加工された前記半導体ウェハを前記支持体及び前記フィルム状の仮固定材から分離する分離工程と、を備える半導体ウェハの加工方法に用いられる前記フィルム状の仮固定材を形成するための仮固定用樹脂組成物であって、
    (A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体、(B)エポキシ硬化剤及び(D)無機フィラーを含み、前記(A)エポキシ基を有する(メタ)アクリル共重合体が共重合成分としてエポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマを、共重合成分全量を基準として7〜50質量%含む、仮固定用樹脂組成物。
  7. (C)シリコーン化合物を更に含む、請求項6に記載の仮固定用樹脂組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の仮固定用樹脂組成物をフィルム状に形成してなる、仮固定用樹脂フィルム。
  9. 離型性を有する支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、請求項に記載の仮固定用樹脂フィルムと、を備える、仮固定用樹脂フィルムシート。
JP2013268903A 2013-12-26 2013-12-26 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート Active JP6323000B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013268903A JP6323000B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013268903A JP6323000B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015124270A JP2015124270A (ja) 2015-07-06
JP6323000B2 true JP6323000B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=53535227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013268903A Active JP6323000B2 (ja) 2013-12-26 2013-12-26 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6323000B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6897569B2 (ja) * 2015-11-26 2021-06-30 昭和電工マテリアルズ株式会社 電子部品の製造方法、仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP7334117B2 (ja) * 2018-06-06 2023-08-28 積水化学工業株式会社 粘着テープ

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08283686A (ja) * 1995-04-13 1996-10-29 Sekisui Chem Co Ltd アクリル系粘着剤組成物
JPH09186121A (ja) * 1995-12-28 1997-07-15 Mitsui Toatsu Chem Inc 半導体ウエハの裏面研削方法
JP5201768B2 (ja) * 1999-06-14 2013-06-05 日東電工株式会社 再剥離型粘着剤及び再剥離型粘着シート
JP3888309B2 (ja) * 2002-02-07 2007-02-28 住友化学株式会社 接着性フィルムおよびその製造方法、並びに、積層体およびその製造方法
JP5032231B2 (ja) * 2007-07-23 2012-09-26 リンテック株式会社 半導体装置の製造方法
JP5550371B2 (ja) * 2010-02-05 2014-07-16 リンテック株式会社 接着剤組成物および接着シート
JP2012244115A (ja) * 2011-05-24 2012-12-10 Sekisui Chem Co Ltd バックグラインド−アンダーフィル一体型テープ、及び、半導体チップの実装方法
JP6060479B2 (ja) * 2011-11-24 2017-01-18 Jsr株式会社 基材の処理方法、半導体装置および仮固定用組成物
JP2013231159A (ja) * 2012-04-06 2013-11-14 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤組成物、粘着テープ、及び、ウエハの処理方法
WO2013172328A1 (ja) * 2012-05-14 2013-11-21 リンテック株式会社 接着性樹脂層付シートおよび半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015124270A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108292590B (zh) 电子部件的制造方法、暂时固定用树脂组合物、暂时固定用树脂膜及暂时固定用树脂膜片材
JP6287190B2 (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP5477144B2 (ja) 回路部材接続用接着剤シート及び半導体装置の製造方法
JP2020161823A (ja) 電子部品の加工方法
WO2015098949A1 (ja) 仮固定用フィルム、仮固定用フィルムシート及び半導体装置
JP6627255B2 (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
WO2016035821A1 (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム、仮固定用樹脂フィルムシート及び半導体ウェハの加工方法
JP6323000B2 (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP7147163B2 (ja) 仮固定用樹脂フィルム、仮固定用樹脂フィルムシート、及び半導体装置の製造方法
JP6578633B2 (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP2016039176A (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム、仮固定用樹脂フィルムシート及び半導体ウェハの加工方法
JP6520323B2 (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP2017203139A (ja) 電子部品支持部材
JP2017048266A (ja) 半導体ウェハの仮固定用樹脂組成物及び半導体ウェハの加工方法
JP2016033953A (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP2018078199A (ja) 仮固定用樹脂組成物、仮固定用樹脂フィルム及び仮固定用樹脂フィルムシート
JP2017204612A (ja) 電子部品支持部材
JP2016219512A (ja) 半導体ウェハの加工方法及び半導体装置の製造方法
JP6547221B2 (ja) ダイ接着用接着剤
TWI814968B (zh) 暫時固定用樹脂組成物、暫時固定用樹脂膜及暫時固定用片、以及半導體裝置的製造方法
JP2013067726A (ja) 電子材料用接着剤組成物
JP2022100229A (ja) 仮固定用樹脂組成物及び仮固定用樹脂フィルムシート
KR20210007688A (ko) 웨이퍼 다이싱 가공용 보호 유기 코팅제 조성물 및 이를 포함하는 보호 코팅제
JP2016181612A (ja) 電子部品実装用接着剤及びフリップチップ実装用接着フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161026

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180326

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6323000

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350