JP6547221B2 - ダイ接着用接着剤 - Google Patents

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Description

本発明は、熱硬化性成分を含有するダイ接着用接着剤に関する。
一般に、半導体パッケージを製造する際は、目的に応じた大きさのチップに個片化されるとともに、回路面とは反対側の裏面にダイ接着用のフィルム状接着剤が貼付された半導体チップを、この接着剤によってリードフレームや基板にダイボンディングする。また、場合によっては、上記のダイボンディングされた半導体チップの回路面に、さらに半導体チップを積層した後、半導体チップの電極部とリードフレームや基板上の導体等との間を金属ワイヤで接続して、これらを電気的に接続するワイヤボンディングを行う。そして、この積層物全体を樹脂で覆い、加圧及び加熱して封止することにより、半導体パッケージとする。この封止時に、フィルム状接着剤の硬化が完了する。
上記の各工程のうち、ダイボンディングを行う際には、通常、フィルム状接着剤と、その接着先である基板等との間に、接着力を低下させる原因の一つとなり得る空隙部(以下、「ボイド」と称する)が生じる。このボイドは、樹脂によって半導体チップを封止する際に適切な工程管理を行うことにより、上記の加圧及び加熱によって消失する。
しかしながら、例えば、上記のダイボンディングやワイヤボンディングを行う工程において加熱時間が長くなると、封止後もフィルム状接着剤と基板等との間のボイドが消失せずに残存してしまう。これは、各ボンディング工程において、フィルム状接着剤が長時間にわたって高温に晒され、熱履歴が過大となることから、フィルム状接着剤の硬化が許容範囲を超えて進行してしまい、封止前の段階でフィルム状接着剤が既に硬くなっており、基板等の接着面への追従性が低くなってしまうことが原因であると推測される。このようなボイドが残存した半導体パッケージは、湿熱条件下においてクラックが発生するなど、信頼性が低下するという問題がある。
特に、上記のように半導体チップを積層する場合には、ワイヤボンディングを行う工程において、さらなる熱履歴が付与される。この際、半導体チップには、概ね175℃の温度で、チップ積層数に応じた工程時間の熱履歴が付与されるが、この時間は、一般に1段あたり10分程度であり、例えば、積層数を16段とした場合には約160分で熱履歴が付与される。近年、半導体パッケージにおいては、チップ積層数の増加に伴い、ワイヤボンディングを行う工程時間も増大する傾向にあり、また、積層数が多くなるほど熱履歴も増大することから、この熱履歴に対する信頼性をより高めることが求められている。
ここで、基材上に粘着剤層及び接着剤層がこの順に積層されてなる、半導体パッケージの製造に用いるダイボンディングフィルムにおいて、高温に長時間晒された際に、ダイボンディングフィルムと被着体との境界でボイドが成長するのを抑制し、半導体チップと接着剤層との接着信頼性を向上させたものが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載のダイボンディングフィルムは、接着剤層が、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂を含有するとともに、重量平均分子量10万以上のアクリル樹脂を含有し、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との合計重量をXとアクリル樹脂の重量Yとの比(X/Y)が0.07〜0.7とされ、且つ、175℃で1時間加熱処理した後の、加熱処理前を基準としたエポキシ基の減少率が60%以下とされている。また、特許文献1においては、ダイボンディングフィルムは熱硬化触媒を含有しないことが、エポキシ樹脂の重合反応の進行が抑えられ、ダイボンディングフィルムと被着体との境界におけるボイドの成長をより抑制することができるということが記載されている。
また、半導体パッケージの製造に用いるダイボンディングフィルムとして、ダイボンディング後に高温で長時間の熱処理を行った場合にも、半導体パッケージ内において被着体との間で剥離やボイドが発生するのを防止し、耐湿リフロー性を向上させたものが開示されている(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2に記載のダイボンディングフィルムは、少なくともエポキシ樹脂、フェノール樹脂、重量平均分子量が30万〜200万のカルボキシル基含有アクリル共重合体及びフィラーにより形成され、酸価が1〜3.5の範囲内とされている。
特開2011−116897号公報 特許第5328631号公報
しかしながら、特許文献1、2で開示されているボンディングフィルムを用いて得られた半導体パッケージは、上述のようなダイボンディングやワイヤボンディングを行う工程において、加熱時間が長くなった場合に、半導体チップと接着剤層との接着信頼性が高いかどうかは明らかではない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、例えば、ダイボンディングやワイヤボンディング等、封止以外の工程における加熱時間が長くなり、熱履歴が増大した場合であっても、信頼性に優れた半導体パッケージを製造することが可能なダイ接着用接着剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意実験検討を積み重ねた。この結果、樹脂封止前の熱履歴によってダイ接着用接着剤の硬化が進行するのを抑制することで、樹脂封止を行う工程におけるボイドの消失作用が維持されることを知見した。そして、本発明者等は、ダイ接着用接着剤に含有される硬化触媒の組成を適正化することにより、ダイ接着用接着剤の硬化が進行するのを調整することで、熱履歴時間が長くなった場合でも、接着信頼性を維持できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、前記硬化触媒がホスフィン系硬化触媒であり、前記エポキシ系熱硬化性成分が、エポキシ樹脂に加えてフェノール樹脂を含有し、且つ、前記エポキシ樹脂及びフェノール樹脂が、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有し、さらに、前記エポキシ系熱硬化性成分に該当しない重合体成分としてアクリル重合体を含有し、「前記アクリル重合体の含有量:前記エポキシ系熱硬化性成分の含有量」の質量比率が、70:30〜99:1であることを特徴とするダイ接着用接着剤を提供する。
本発明のダイ接着用接着剤は、上記構成において、前記ホスフィン系硬化触媒が、トリオルトトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及びトリパラトリルホスフィンのうちの何れかであることが好ましい。
また、本発明のダイ接着用接着剤は、「前記重合体成分の含有量:前記エポキシ系熱硬化性成分の含有量」の質量比率が上記範囲とされた構成において、成分中にフィラーを含有しない構成とすることができる
本発明のダイ接着用接着剤によれば、上述のように、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、硬化触媒がホスフィン系硬化触媒である構成を採用することで、ダイ接着用接着剤の硬化が進行するのを抑制でき、樹脂封止を行う工程におけるボイドの消失作用が維持される。これにより、例えば、樹脂封止以外の工程における加熱時間が長くなり、熱履歴が増大した場合であっても、信頼性に優れた半導体パッケージを製造することが可能なダイ接着用接着剤を提供することができる。
以下、本発明に係るダイ接着用接着剤の実施の形態について詳しく説明する。
<<ダイ接着用接着剤>>
本発明に係るダイ接着用接着剤(以下、「接着剤」と略称することがある)は、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、前記硬化触媒がホスフィン系硬化触媒であることを特徴としている。
本発明に係る接着剤は、通常、支持シート上に塗工されることでフィルム状に設けられ、フィルム状接着剤として用いられる。上記の支持シートとしては、基材又は基材上に粘着剤層を備えたものを用いることができ、粘着剤層を備えた支持シートを用いる場合には、粘着剤層上にフィルム状の接着剤からなる層を設ける。そして、このフィルム状の接着剤は、半導体チップの回路面とは反対側の裏面に貼付され、リードフレームや基板にダイボンディングするのに用いられ、ワイヤボンディング後に樹脂で封止して半導体パッケージとする際の加熱により、硬化が完了する。
本発明に係る接着剤は、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、前記硬化触媒がホスフィン系硬化触媒であることで、半導体パッケージの製造に用いた場合に、ダイボンディングやワイヤボンディングを行う工程等の、封止以外の工程における加熱時間が長くなった場合でも、接着剤と基板等の接着対象との間での剥離が抑制されて、クラックの発生が抑制される。このように、本発明に係る接着剤を用いることで、信頼性が高い半導体パッケージが得られる。
上述のように、封止以外の工程における加熱時間が長くなった場合でも、接着剤と基板等との間で剥離が抑制される理由は、以下のように推測される。
即ち、本発明に係る接着剤は、封止以前の工程における加熱時に硬化するのが抑制されることで、基板等の接着面への追従性が高い状態が維持される。その結果、封止時に接着剤の硬化が完了した段階においては、封止以外の工程における加熱時間が短かった場合と同様に、接着剤と基板等との間のボイドが消失しているためであると推測される。このように、封止以外の工程における加熱時に接着剤の硬化が抑制されるのは、硬化触媒として反応活性化能力が低いホスフィン系硬化触媒を用いることで、硬化反応の進行が緩やかになるためではないかと推測される。
本発明に係る接着剤は、加熱硬化性を有するものであり、さらに感圧接着性を有するものが好ましい。このような、感圧接着性及び加熱硬化性を共に有する接着剤は、未硬化状態では各種被着体に軽く押圧することで貼付できる。
また、本発明に係る接着剤は、加熱して軟化させることで各種被着体に貼付できるものであってもよい。このような接着剤は、熱硬化を経て最終的には耐衝撃性が高い硬化物となり、かかる硬化物はせん断強度にも優れ、厳しい高温・高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
<接着剤組成物>
本発明に係る接着剤は、エポキシ系熱硬化性成分等の接着剤を構成するための成分を含有する接着剤組成物を用いて製造できる。接着剤組成物中の非揮発性成分同士の含有量の比率は、接着剤においても同じとなる。以下、各成分について説明する。
[硬化触媒(d))]
まず、本発明に係る接着剤組成物に含有される、接着剤組成物の硬化速度を調整するための硬化触媒(d)について説明する。
本発明に係る接着剤においては、硬化触媒(d)としてホスフィン系硬化触媒を用いる。これは、ホスフィン系硬化触媒は、例えばイミダゾール系硬化触媒等に比べて、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の反応を活性化させる作用が穏やかであるためである。
本発明において硬化触媒(d)として用いられる好ましいホスフィン系硬化触媒としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(I)で表されるトリオルトトリルホスフィン、下記一般式(II)で表されるトリフェニルホスフィン、及び、下記一般式(III)で表されるトリパラトリルホスフィン等が挙げられる。
Figure 0006547221
Figure 0006547221
Figure 0006547221
本発明において、接着剤組成物中に含有される硬化触媒(d)としては、上記のホスフィン系硬化触媒の中でも、特に、上記一般式(I)で表されるトリオルトトリルホスフィンを用いることが、接着剤に熱履歴が付与された際の硬化反応を緩やかにする観点からより好ましい。これは、トリオルトトリルホスフィンは、トリル基におけるメチル基の位置がリン元素に近いため、立体障害により、エポキシ系熱硬化性成分の反応を活性化する能力が抑制されるためと考えられる。
本発明に係る接着剤においては、上述のような硬化反応の活性化能力が低めの組成物からなる硬化触媒(d)を用いることで、熱履歴に伴う接着剤の硬化反応の進行が抑制される。その結果、例えば、半導体パッケージの製造工程において半導体チップを多層で積層することにより、ダイボンディングやワイヤボンディング等で長時間の熱履歴が付与された場合であっても、接着剤の硬化反応の進行が緩やかなので、その後の樹脂による封止工程における加圧及び加熱により、比較的軟質な状態の接着剤中から効果的にボイドが排出される。これにより、半導体パッケージを実装した後の接着信頼性が向上する効果が得られる。
ここで、上述したように、半導体パッケージを製造する工程において、半導体チップを多層とし、例えば16層で積層した場合には、10(分)×16で、合計160(分)、概ね3時間弱もの熱履歴が付与されることになる。本発明に係る接着剤によれば、上述のような組成を有する硬化触媒(d)を含有することで、熱履歴による硬化反応速度が緩やかなものとなり、ダイボンディングやワイヤボンディング等の工程が終了した後も、幾分軟質な状態を維持している。そして、樹脂による封止工程における加圧及び加熱により、ボイドが接着剤中、及び、接着剤と基板等との間から排出され、消失する。
本発明に係る接着剤によれば、上記作用により、例えば、ワイヤボンディング工程を想定した175℃×4時間の熱履歴を封止工程前に付与したとしても、実装後の半導体パッケージの信頼性を維持することが可能となる。
接着剤組成物(接着剤)中における硬化触媒(d)の含有量は、特に限定されないが、上述のような適度な硬化反応速度を実現するためには、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。硬化触媒(d)の含有量がこのような範囲であることで、接着剤は、上述のような、硬化反応の進行が適度に緩やかとなる作用が得られるとともに、高温・高湿度条件下でも優れた接着特性を維持することができるので、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても、高い接着信頼性を備える半導体パッケージを製造することが可能となる。硬化触媒(d)の含有量が少な過ぎると、硬化触媒(d)を用いることによる接着剤の硬化作用が十分に得られない場合がある。また、硬化触媒(d)の含有量が過剰であると、上述のような、硬化反応の進行が緩やかとなる作用が得られ難くなるおそれがあるとともに、高極性の硬化触媒(d)は、高温・高湿度条件下でフィルム状接着剤中において被着体との接着界面側に移動して偏析することから、半導体パッケージの信頼性が低下する。
硬化触媒(d)は、接着剤組成物中に添加することで、上述のように、エポキシ系熱硬化性成分(エポキシ系熱硬化性樹脂(b))の硬化反応を活性化させる作用を有する。一方、例えば、接着剤組成物中に硬化触媒成分が含まれていない場合には、ワイヤボンディング時に付与される熱履歴の有無にかかわらず、接着剤の硬化が不十分となり、せん断強度が不十分となることがあることから、接着信頼性が低くなる傾向がある。
なお、接着剤には、硬化触媒(d)に用いられる上記のホスフィン系硬化触媒に加えて、さらに、ホスフィン系硬化触媒以外の硬化触媒を含んでいてもよい。このようなホスフィン系硬化触媒以外の硬化触媒としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール)等が例示できる。
また、硬化触媒(d)は、例えば、上記のホスフィン系硬化触媒を1種単独で用いてもよいし、必要に応じて、上記のホスフィン系硬化触媒以外の硬化触媒も含めて、2種以上を併用してもよい。
本発明に係る接着剤によれば、硬化反応に対する活性化能力が低い硬化触媒(d)を含有していることで、接着剤による接着性の低下、及び、それに起因した接着信頼性の低下が抑制され、半導体パッケージの高い信頼性を維持することが可能となる。さらに、本発明に係る接着剤によれば、特定の硬化触媒(d)の選択により、熱履歴による接着剤の硬化反応の進行を緩やかにし、樹脂封止工程における被着体と基板との間のボイドが消失し易くなり、熱履歴に対する信頼性が向上した半導体パッケージを製造できる。
[エポキシ系熱硬化性成分(エポキシ系熱硬化性樹脂(b))]
本発明に係る接着剤に含有されるエポキシ系熱硬化性成分は、エポキシ系熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の少なくとも一方を含有することが好ましい。さらに、当該接着剤においては、エポキシ系熱硬化性成分であるエポキシ樹脂及びフェノール樹脂が、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有することがより好ましい。
以下、本明細書においては、「置換基を有していてもよいビフェニレン基を有するエポキシ樹脂」を「エポキシ樹脂(b1)」と称し、「置換基を有していてもよいビフェニレン基を有するフェノール樹脂」を「フェノール樹脂(b2)」と称することがある。また、これらエポキシ樹脂(b1)及びフェノール樹脂(b2)の少なくとも一方を含有するエポキシ系熱硬化性樹脂を「エポキシ系熱硬化性樹脂(b)」と称することがある。
なお、本発明に係る接着剤に含有されるエポキシ系熱硬化性樹脂(b)としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(エポキシ樹脂(b1))
エポキシ樹脂(b1)は、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有する、ビフェニル型エポキシ樹脂である。ここで「ビフェニレン基」とは、ビフェニル(ジフェニル、C−C)から2個の水素原子が除かれてなる2価の基を意味し、ジフェニレン基と称することもあり、通常は1個のベンゼン環骨格から1個ずつ水素原子が除かれてなるもの(−C−C−)である。
エポキシ樹脂(b1)が有するビフェニレン基は、その遊離原子価の位置は特に限定されないが、4,4’−ビフェニレン基であることが好ましい。
本明細書において説明する「置換基を有するビフェニレン基」とは、1〜8個の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されているビフェニレン基を意味し、置換基の数は1〜8個であれば特に限定されない。例えば、置換基の数が2個以上である場合には、これら2個以上の置換基は、全て同一であってもよいし、全て異なっていてもよく、あるいは、一部のみ同一であってもよい。また、置換基の結合位置も特に限定されない。
エポキシ樹脂(b1)は、ビフェニレン基と、エポキシ基を有する基(以下、「エポキシ基含有基」と略称することがある)を、主鎖中に必須の構成単位として有し、ビフェニレン基と前記エポキシ基含有基の両方を側鎖中にも有していてもよいし、あるいは有していなくてもよい。
エポキシ樹脂(b1)におけるエポキシ基を有する構成単位は、水酸基、好ましくはフェノール性水酸基の水素原子が、連結基を介するか又は介さずにエポキシ基で置換された構造を有するものが好ましい。上記の連結基としては、アルキレン基等の二価の基が例示できる。例えば、水酸基の水素原子が、メチレン基を介してエポキシ基で置換された構造、換言すると、水酸基の水素原子が、連結基を介さずにグリシジル基で直接置換された構造を有する構成単位は、上記の水酸基にエピクロロヒドリン(2−クロロメチルオキシラン)を反応させる工程を有する方法によって得られる。
エポキシ樹脂(b1)は、重量平均分子量が300〜1000000の範囲であることが好ましく、300〜20000の範囲であることがより好ましい。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に指定のない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって測定されるポリスチレン換算値のことをいう。
エポキシ樹脂(b1)は、エポキシ当量が180〜350g/eqであることが好ましく、230〜320g/eqであることがより好ましい。
エポキシ樹脂(b1)は、軟化点が50〜100℃であることが好ましく、60〜85℃であることがより好ましい。
エポキシ樹脂(b1)で好ましいものとしては、下記一般式(IV)で表されるものが例示できる。このエポキシ樹脂(b1)は、ビフェニル骨格(置換基を有していてもよいビフェニレン基)と、ベンゼン環骨格(置換基としてグリシジルオキシ基を有し、他に置換基を有してもよいフェニレン基)とが、メチレン基で結合された構造を繰り返し単位として有するものである。ここで、「置換基を有するフェニレン基」とは、1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されているフェニレン基(−C−)を意味する。
Figure 0006547221
ここで、上記(IV)式中、X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17は、それぞれ独立に水素原子以外の基であり;m11は0以上の整数であり;n11、n12、n13、n15、n16及びn17は、それぞれ独立に0〜4の整数であり、n14は0〜3の整数であり、m11個のn12の値は互いに同一でも異なっていてもよく、m11個のn13の値は互いに同一でも異なっていてもよく、m11個のn14の値は互いに同一でも異なっていてもよく;n11が2以上である場合、複数個のX11は互いに同一でも異なっていてもよく、m11が2以上であるか又はn12が2以上である場合、複数個のX12は互いに同一でも異なっていてもよく、m11が2以上であるか又はn13が2以上である場合、複数個のX13は互いに同一でも異なっていてもよく、m11が2以上であるか又はn14が2以上である場合、複数個のX14は互いに同一でも異なっていてもよく、n15が2以上である場合、複数個のX15は互いに同一でも異なっていてもよく、n16が2以上である場合、複数個のX16は互いに同一でも異なっていてもよく、n17が2以上である場合、複数個のX17は互いに同一でも異なっていてもよく;n11が2以上である場合、複数個のX11は互いに結合して環を形成していてもよく、n12が2以上である場合、複数個のX12は互いに結合して環を形成していてもよく、n13が2以上である場合、複数個のX13は互いに結合して環を形成していてもよく、n14が2以上である場合、複数個のX14は互いに結合して環を形成していてもよく、n15が2以上である場合、複数個のX15は互いに結合して環を形成していてもよく、n16が2以上である場合、複数個のX16は互いに結合して環を形成していてもよく、n17が2以上である場合、複数個のX17は互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(IV)中、X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17は、それぞれ独立に水素原子以外の基である。
n12が0ではない場合、X12は、ビフェニレン基を構成する一方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。n13が0ではない場合、X13は、ビフェニレン基を構成する他方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。
同様に、n15が0ではない場合、X15は、ビフェニレン基を構成する一方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。n16が0ではない場合、X16は、ビフェニレン基を構成する他方のフェニレン基(ベンゼン環骨格)に結合しており、その結合位置は特に限定されない。
n11が0ではない場合、X11のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
同様に、n14が0ではない場合、X14のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
同様に、n17が0ではない場合、X17のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
上記の水素原子以外の基(置換基)は、特に限定されず、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルケニルオキシ基、ヘテロ環式基、ハロゲン原子、水酸基等が例示できるが、これらには限定されない。
上記のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れでもよく、環状である場合、単環状及び多環状の何れでもよい。そして、上記のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が例示できる。
上記のアルケニル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れでもよく、環状である場合、単環状及び多環状の何れでもよい。
上記のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、シクロヘキセニル基等、前記アルキル基中の、炭素原子間の1個の単結合(C−C)が二重結合(C=C)で置換されてなる基が例示できる。そして、前記アルケニル基は、炭素数が2〜5であることが好ましい。
上記のアリール基は、単環状及び多環状の何れでもよく、炭素数が6〜12であることが好ましく、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基(ジメチルフェニル基)等が例示できるが、これらに限定されない。
上記のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基等、前記アルキル基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。
上記のアリールオキシ基としては、フェニルオキシ基(フェノキシ基)、1−ナフチルオキシ基等、前記アリール基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。
上記のアルケニルオキシ基としては、エテニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基等、前記アルケニル基が酸素原子に結合してなる1価の基が例示できる。
上記のヘテロ環式基は、環骨格を構成する原子として、1個以上のヘテロ原子を有していればよく、芳香族環式基(ヘテロアリール基)及び脂肪族環式基の何れでもよく、単環状及び多環状の何れでもよい。
前記ヘテロ環式基が有するヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が例示できる。
前記ヘテロ環式基が2個以上のヘテロ原子を有する場合、これらヘテロ原子は互いに同一でも異なっていてもよい。即ち、2個以上のヘテロ原子は、全て同一であってもよいし、全て異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記ヘテロ環式基としては、前記環状のアルキル基又はアリール基において、1個以上の炭素原子が単独で又は炭素原子がこれに結合している水素原子と共に、ヘテロ原子で置換されてなるものが例示できる。
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が例示できる。
12が複数個である場合、即ち、m11が2以上であるか又はn12が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX12は互いに同一でも異なっていてもよい。即ち、全てのX12が同一であってもよいし、全てのX12が異なっていてもよく、一部のX12のみが同一であってもよい。
同様に、X13が複数個である場合、即ち、m11が2以上であるか又はn13が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX13は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X14が複数個である場合、即ち、m11が2以上であるか又はn14が2以上(2又は3)である場合、これら複数個のX14は互いに同一でも異なっていてもよい。
11が複数個である場合、即ち、n11が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX11は互いに同一でも異なっていてもよい。即ち、全てのX11が同一であってもよいし、全てのX11が異なっていてもよく、一部のX11のみが同一であってもよい。
同様に、X15が複数個である場合、即ち、n15が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX15は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X16が複数個である場合、即ち、n16が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX16は互いに同一でも異なっていてもよい。
同様に、X17が複数個である場合、即ち、n17が2以上(2、3又は4)である場合、これら複数個のX17は互いに同一でも異なっていてもよい。
n11が2以上(2、3又は4)である場合、複数個のX11は互いに結合して、これらX11が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよく、この場合に形成している環は、単環状及び多環状の何れでもよく、芳香族環及び脂肪族環の何れでもよい。
n12が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX12は互いに結合して、これらX12が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n13が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX13は互いに結合して、これらX13が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n14が2以上(2又は3)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX14は互いに結合して、これらX14が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n15が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX15は互いに結合して、これらX15が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n16が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX16は互いに結合して、これらX16が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n17が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX11の場合と同様に、複数個のX17は互いに結合して、これらX17が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
上記の一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂(b1)において、ビフェニル骨格(置換基を有していてもよいビフェニレン基)に結合しているメチレン基の、ベンゼン環骨格(置換基としてグリシジルオキシ基を有し、他に置換基を有してもよいフェニレン基)への結合位置は、特に限定されず、全てのベンゼン環骨格で同じであってもよいし、全てのベンゼン環骨格で異なっていてもよく、一部のベンゼン環骨格のみで同じであってもよい。
上記の一般式(IV)で表されるエポキシ樹脂(b1)は、n11、n12、n13、n14、n15、n16及びn17が、何れも0であるものが好ましい。
m11は0以上の整数であればよく、その上限値は特に限定されない。
エポキシ樹脂(b1)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂(b1)は、その構成単位を誘導するモノマーを、公知の方法で反応させることで得られ、市販品をエポキシ樹脂(b1)として用いてもよい。
(フェノール樹脂(b2))
フェノール樹脂(b2)は、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能する。
フェノール樹脂(b2)は、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有する、ビフェニル型フェノール樹脂である。ここで「置換基を有していてもよいビフェニレン基」とは、エポキシ樹脂(b1)の場合と同様のものである。
フェノール樹脂(b2)は、ビフェニレン基と、フェノール類から誘導される基(以下、「フェノール類誘導基」と略称することがある)を、主鎖中に必須の構成単位として有し、ビフェニレン基と前記フェノール類誘導基を何れも、側鎖中にも有していてもよいし、有していなくてもよい。
なお、上記の「フェノール類」とは、フェノールと、水酸基を構成している水素原子以外の1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されているフェノールと、の両方を包含する概念とする。
フェノール樹脂(b2)は、重量平均分子量が400〜1000000の範囲であることが好ましく、400〜20000の範囲であることがより好ましい。
フェノール樹脂(b2)は、水酸基当量が140〜310g/eqであることが好ましく、190〜280g/eqであることがより好ましい。
フェノール樹脂(b2)は、軟化点が90〜140℃であることが好ましく、110〜130℃であることがより好ましい。
フェノール樹脂(b2)で好ましいものとしては、下記一般式(V)で表されるものが例示できる。このフェノール樹脂(b2)は、ビフェニル骨格(置換基を有していてもよいビフェニレン基)と、フェノール骨格(置換基を有していてもよいフェノールジイル基)とが、メチレン基で結合された構造を繰り返し単位として有するものである。ここで、「置換基を有するフェノールジイル基」とは、1個以上の水素原子が水素原子以外の基(置換基)で置換されているフェノールジイル基(−C(−OH)−)を意味する。
Figure 0006547221
ここで、上記(V)式中、X21、X22、X23、X24、X25、X26及びX27は、それぞれ独立に水素原子以外の基であり;m21は0以上の整数であり;n21、n22、n23、n25、n26及びn27は、それぞれ独立に0〜4の整数であり、n24は0〜3の整数であり、m21個のn22の値は互いに同一でも異なっていてもよく、m21個のn23の値は互いに同一でも異なっていてもよく、m21個のn24の値は互いに同一でも異なっていてもよく;n21が2以上である場合、複数個のX21は互いに同一でも異なっていてもよく、m21が2以上であるか又はn22が2以上である場合、複数個のX22は互いに同一でも異なっていてもよく、m21が2以上であるか又はn23が2以上である場合、複数個のX23は互いに同一でも異なっていてもよく、m21が2以上であるか又はn24が2以上である場合、複数個のX24は互いに同一でも異なっていてもよく、n25が2以上である場合、複数個のX25は互いに同一でも異なっていてもよく、n26が2以上である場合、複数個のX26は互いに同一でも異なっていてもよく、n27が2以上である場合、複数個のX27は互いに同一でも異なっていてもよく;n21が2以上である場合、複数個のX21は互いに結合して環を形成していてもよく、n22が2以上である場合、複数個のX22は互いに結合して環を形成していてもよく、n23が2以上である場合、複数個のX23は互いに結合して環を形成していてもよく、n24が2以上である場合、複数個のX24は互いに結合して環を形成していてもよく、n25が2以上である場合、複数個のX25は互いに結合して環を形成していてもよく、n26が2以上である場合、複数個のX26は互いに結合して環を形成していてもよく、n27が2以上である場合、複数個のX27は互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(V)におけるX21、X22、X23、X24、X25、X26及びX27は、前記一般式(IV)におけるX11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17と同様のものである。
一般式(V)におけるm21は、前記一般式(IV)におけるm11と同様のものである。
一般式(V)におけるn21、n22、n23、n25、n26及びn27は、前記一般式(IV)におけるn11、n12、n13、n15、n16及びn17と同様のものであり、一般式(V)におけるn24は、前記一般式(IV)におけるn14と同様のものである。
従って、例えば、n21が2以上(2、3又は4)である場合、複数個のX21は互いに結合して、これらX21が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよく、この場合に形成している環は、単環状及び多環状の何れでもよく、芳香族環及び脂肪族環の何れでもよい。
n22が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX22は互いに結合して、これらX22が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n23が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX23は互いに結合して、これらX23が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n24が2以上(2又は3)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX24は互いに結合して、これらX24が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n25が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX25は互いに結合して、これらX25が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n26が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX26は互いに結合して、これらX26が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
n27が2以上(2、3又は4)である場合、上述のX21の場合と同様に、複数個のX27は互いに結合して、これらX27が結合している炭素原子と共に環を形成していてもよい。
上記の一般式(V)で表されるフェノール樹脂(b2)において、ビフェニル骨格(置換基を有していてもよいビフェニレン基)に結合しているメチレン基の、フェノール骨格(置換基を有していてもよいフェノールジイル基)への結合位置は、特に限定されず、全てのフェノール骨格で同じであってもよいし、全てのフェノール骨格で異なっていてもよく、一部のフェノール骨格のみで同じであってもよい。
上記の一般式(V)で表されるフェノール樹脂(b2)は、n21、n22、n23、n24、n25、n26及びn27が、何れも0であるものが好ましい。
m21は0以上の整数であればよく、その上限値は特に限定されない。
フェノール樹脂(b2)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
フェノール樹脂(b2)は、その構成単位を誘導するモノマーを、公知の方法で反応させることで得られ、市販品をフェノール樹脂(b2)として用いてもよい。
なお、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)で好ましいものとしては、含有するエポキシ樹脂(b1)が、併用するフェノール樹脂(b2)と同じものにエポキシ基が連結基を介するか又は介さずに結合した構造を有するものが好ましく、併用するフェノール樹脂(b2)と同じもののフェノール性水酸基の水素原子が、連結基を介するか又は介さずにエポキシ基で置換された構造を有するものがより好ましく、併用するフェノール樹脂(b2)と同じもののフェノール性水酸基の水素原子が、連結基を介さずにグリシジル基で置換された構造を有するものが特に好ましい。ここで説明する連結基とは、先に説明したものと同じである。
前記エポキシ樹脂(b1)は、上述のように、併用するフェノール樹脂(b2)と同じもののフェノール性水酸基の水素原子が、連結基を介するか又は介さずにエポキシ基で置換された構造を有する場合、このエポキシ基で水素原子が置換された水酸基の数の割合は、水酸基の総数に対して80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることがさらに好ましく、100%であってもよい。
上記の接着剤組成物が、後述する重合体成分(a)を含有しない場合、接着剤組成物の固形分の総含有量に対するエポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量(エポキシ樹脂(b1)及びフェノール樹脂(b2)の総含有量)の割合(前記接着剤のエポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量)は、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましい。
また、接着剤組成物が後述する重合体成分(a)を含有する場合、接着剤組成物(前記接着剤)中のエポキシ系熱硬化性成分であるエポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量(エポキシ樹脂(b1)及びフェノール樹脂(b2)の総含有量)の割合は、重合体成分(a)の含有量100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、1.5〜85質量部であることがより好ましく、2〜70質量部であることが特に好ましい。エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量がこのような範囲であることで、硬化前の接着剤層の硬さが維持される傾向があり、未硬化又は半硬化の状態における接着剤層のワイヤボンディング適性が向上する。また、半導体チップの易ピックアップ性が向上する。
上記の接着剤組成物(接着剤)におけるフェノール樹脂(b2)の含有量の割合は、エポキシ樹脂(b1)の含有量100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。フェノール樹脂(b2)の含有量が少な過ぎると硬化不足で接着性が得られないことがあり、フェノール樹脂(b2)の含有量が過剰であると接着剤の吸湿率が高まって、半導体パッケージの信頼性が低下することがある。
また、上記の接着剤は、さらに、エポキシ樹脂(b1)及びフェノール樹脂(b2)に該当しない重合体成分(a)を含有するものが好ましい。即ち、接着剤組成物は、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)及び重合体成分(a)を含有するものが好ましい。
本発明に係る接着剤においては、エポキシ系熱硬化性成分として、上記のような、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有する、エポキシ樹脂(b1)又はフェノール樹脂(b2)の少なくとも一方、あるいは両方を含有するエポキシ系熱硬化性樹脂(b)を用いることで、接着剤が加熱硬化する際の反応がより緩やかとなる。これにより、上述したような組成を有する硬化触媒(d)の添加によって得られる、半導体パッケージを製造する際の熱履歴による硬化反応の進行が抑制され、その後の樹脂による封止工程においてボイドが抜けやすくなり、半導体パッケージを実装した後の接着信頼性が向上するという本発明の効果がより高められる。このような作用・効果が得られるメカニズムとしては、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂が何れも置換基を有していてもよいビフェニレン基を有することで、これら樹脂の分子が比較的剛直であり、硬化反応が進行しにくくなっているからではないかと推測される。
[重合体成分(a)]
本発明に係る接着剤には、さらに、上述したエポキシ系熱硬化性樹脂(b)中の成分に該当しない重合体成分(a)を含有することができる。重合体成分(a)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、半導体チップ等の接着対象への接着性(貼付性)を向上させるための重合体化合物である。
このような重合体成分(a)としては、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合体成分(a)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー、フェノキシ樹脂等を用いることができ、これらの中でもアクリル系樹脂が好ましい。
上記のアクリル系樹脂としては、従来公知のアクリル重合体を用いるこができる。
アクリル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。アクリル系樹脂の重量平均分子量が小さ過ぎると、接着剤と後述する粘着剤層との接着力が高くなって、半導体チップのピックアップ不良が生じることがある。また、アクリル系樹脂の重量平均分子量が大き過ぎると、被着体の凹凸面へフィルム状接着剤が追従できないことがあり、ボイド等の発生要因になることがある。
アクリル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−60〜70℃であることが好ましく、−30〜50℃であることがより好ましい。アクリル系樹脂のTgが低過ぎると、接着剤と後述する粘着剤層との剥離力が大きくなって、半導体チップのピックアップ不良が起こることがある。また、アクリル系樹脂のTgが高過ぎると、半導体ウェハを固定するための接着力が不充分となるおそれがある。
アクリル系樹脂を構成するモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート(ラウリル(メタ)アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート(ミリスチル(メタ)アクリレート)、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート(パルミチル(メタ)アクリレート)、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート(ステアリル(メタ)アクリレート)等の、アルキル基が鎖状で炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;シクロアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート等の環状骨格を有する(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが例示できる。
また、アクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、N−メチロールアクリルアミド等のモノマーが共重合されたものでもよい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念とする。
アクリル系樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
アクリル系樹脂は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。他の化合物との結合は、後述する架橋剤(f)を介して行われてもよいし、又は架橋剤(f)を介さずに官能基が他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル系樹脂がこれら官能基により他の化合物と結合することで、半導体パッケージの信頼性が向上する傾向がある。
上記の接着剤組成物の固形分の総含有量に対するアクリル系樹脂の含有量の割合(接着剤におけるアクリル系樹脂の含有量)は、50〜94質量%であることが好ましい。
本発明においては、後述する粘着剤層のフィルム状接着剤からの剥離性を向上させて、易ピックアップ性を向上させたり、被着体の凹凸面へのフィルム状接着剤の追従によってボイド等の発生を抑制することを目的として、重合体成分(a)として、アクリル系樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略称することがある)を単独で用いてもよいし、アクリル系樹脂と併用してもよい。
上記の熱可塑性樹脂は、重量平均分子量が1000〜10万のものが好ましく、3000〜8万のものがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜150℃であることが好ましく、−20〜120℃であることがより好ましい。
また、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が例示できる。
さらに、熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の熱可塑性樹脂の使用により、上述のような効果が得られる一方、硬化前のフィルム状接着剤が高温に晒された際の硬さが低下し、未硬化又は半硬化の状態におけるフィルム状接着剤のワイヤボンディング適性が低下する懸念がある。そこで、接着剤組成物のアクリル系樹脂の含有量は、このような影響を考慮した上で設定することが好ましい。
上述のように、封止以外の工程における加熱時間が長くなっても、硬化反応速度が緩やかになり、信頼性が高い半導体パッケージが得られる効果がより高くなる点から、前記接着剤組成物における「重合体成分(a)の含有量(質量):エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量(質量)」の質量比率は、70:30〜99:1であることが好ましく、70:30〜95:5であることがより好ましい。
また、本発明に係る接着剤においては、上記の重合体成分(a)を含有したうえで、「重合体成分(a)の含有量:エポキシ系熱硬化性成分(エポキシ系熱硬化性(b))の含有量」の質量比率が上記範囲であることにより、成分中にフィラーを含有しない構成とすることができる。一般に、接着剤としての濡れ性を向上させることを目的として、接着剤組成物中にフィラーを含有させる場合もある。しかしながら、本発明に係る接着剤においては、「重合体成分(a)の含有量(質量):エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量(質量)」の質量比率を上記範囲に調整することで、被着体への濡れ性が向上するので、フィラーの添加を省略することが可能となる。
ここで、接着剤は、フィルム状とされてチップの回路面上にボンディングされることから、接着剤組成物中にフィラーを含有していると回路面を傷つけてしまい、半導体パッケージの実装後に不具合が発生するという懸念がある。本発明に係る接着剤においては、上述のように、「重合体成分(a)の含有量(質量):エポキシ系熱硬化性樹脂(b)の含有量(質量)」の質量比率を適正化し、フィラーを含有しない構成を採用することで、上述したような、フィラーが回路面を傷つけたりする不具合を回避することが可能となる。
[接着剤組成物中におけるその他の成分]
本発明に係る接着剤としては、その各種物性を改良するために、重合体成分(a)及びエポキシ系熱硬化性樹脂(b)以外に、さらに必要に応じて、これらに該当しない他の成分を含有していてもよい。
また、接着剤が含有する他の成分で好ましいものとしては、無機充填材(c)、硬化触媒(d)、カップリング剤(e)、架橋剤(f)、エポキシ樹脂に該当しないその他の熱硬化性樹脂(g)、汎用添加剤(h)等が例示できる。
(無機充填材(c))
本発明に係る接着剤においては、例えば、上記の重合体成分(a)を含有しない場合に、無機充填材(c)を含有させることで、半導体チップ等の接着対象への接着性(貼付性)を向上させることが可能となる。また、接着剤は、無機充填材(c)を含有することにより、その熱膨張係数の調整が容易となり、半導体チップや金属又は有機基板に対して、硬化後のフィルム状接着剤の熱膨張係数を最適化することで、半導体パッケージの信頼性を向上させることができる。
また、接着剤組成物(接着剤)は、さらに無機充填材(c)を含有することにより、硬化後のフィルム状接着剤の吸湿率を低減することも可能となる。
好ましい無機充填材(c)としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これらシリカ等を球形化したビーズ;これらシリカ等の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
これらの中でも、無機充填材(c)は、シリカフィラー又はアルミナフィラーであることが好ましい。
また、無機充填材(c)は、上記のうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機充填材(c)を用いる場合、接着剤組成物の固形分の総含有量に対する無機充填材(c)の含有量の割合(前記接着剤の無機充填材(c)の含有量)は、5〜80質量%であることが好ましく、7〜60質量%であることがより好ましい。無機充填材(c)の含有量がこのような範囲であることで、上記の接着対象への接着性や、熱膨張係数の調整等の効果を得ることがより容易となる。
(カップリング剤(e))
本発明に係る接着剤は、さらに、カップリング剤(e)を含有することが好ましい。このようなカップリング剤(e)として、無機化合物と反応する官能基及び有機官能基と反応する官能基を有するものを用いることにより、フィルム状とされた接着剤の被着体に対する接着性及び密着性を向上させることができる。また、カップリング剤(e)を用いることで、フィルム状とされた接着剤を硬化して得られる硬化物について、その耐熱性を損なうことなく、耐水性を向上させることができる。
カップリング剤(e)は、重合体成分(a)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)等が有する官能基と反応する官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることが望ましい。
好ましい前記シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン等が例示できる。
カップリング剤(e)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カップリング剤(e)を用いる場合、接着剤組成物(接着剤)におけるカップリング剤(e)の含有量の割合は、特に限定されないが、例えば、重合体成分(a)及びエポキシ系熱硬化性樹脂(b)の総含有量100質量部に対して、0.03〜20質量部であることが好ましく、0.05〜10質量部であることがより好ましく、0.1〜5質量部であることが特に好ましい。カップリング剤(e)の含有量が少な過ぎると、カップリング剤(e)を用いることによる上述の効果が得られないことがあり、一方、カップリング剤(e)の含有量が多過ぎると、アウトガスが発生する可能性がある。
(架橋剤(f))
本発明に係る接着剤は、さらに、架橋剤(f)を含有することが好ましい。ここで、重合体成分(a)として、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有するものを用いる場合、この官能基を他の化合物と結合させて架橋するために架橋剤(f)を用いることができる。架橋剤(f)を用いて架橋することにより、フィルム状接着剤の初期接着力及び凝集力を調節できる。
架橋剤(f)としては、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物等が例示できる。
上記の有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物並びにこれら化合物の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体(エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物、例えば、トリメチロールプロパンアダクトキシリレンジイソシアネート等)や、有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が例示できる。
上記の有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、トリメチロールプロパン等のポリオールの全て又は一部の水酸基にトリレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートを付加した化合物、リジンジイソシアネート等が例示できる。
上記の有機多価イミン化合物としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が例示できる。
架橋剤(f)としてイソシアネート系架橋剤を用いる場合、重合体成分(a)としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(f)がイソシアネート基を有し、重合体成分(a)が水酸基を有する場合、架橋剤(f)と重合体成分(a)との反応によって、接着剤に架橋構造を簡便に導入できる。
架橋剤(f)を用いる場合、接着剤組成物(前記接着剤)における架橋剤(f)の含有量の割合は、重合体成分(a)の含有量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、0.5〜5質量部であることが特に好ましい。
(その他の熱硬化性樹脂(g))
その他の熱硬化性樹脂(g)としては、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂に該当しないものであればよく、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
(汎用添加剤(h))
汎用添加剤(h)としては、例えば、公知の可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、顔料、染料、ゲッタリング剤等が挙げられる。
(溶媒)
接着剤組成物は、さらに溶媒を含有することで、希釈によって取り扱い性が良好となる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
接着剤組成物が含有する溶媒は、上記のうちの1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
また、接着剤組成物が含有する溶媒は、接着剤組成物で用いる各成分を均一に混合する点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
[その他のエポキシ系熱硬化性樹脂(z)]
本発明に係る接着剤は、本発明の効果を損なわない範囲内において、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)に該当しないその他のエポキシ系熱硬化性樹脂(z)、即ち、エポキシ樹脂(b1)に該当しないその他のエポキシ樹脂(z1)(以下、「エポキシ樹脂(z1)」と略称することがある)、及びフェノール樹脂(b2)に該当しないその他の熱硬化剤(z2)(以下、「熱硬化剤(z2)」と略称することがある)を含有していてもよい。
(エポキシ樹脂(z1))
エポキシ樹脂(z1)としては、従来公知のものが挙げられ、具体的には、多官能系エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)等、2官能以上のエポキシ化合物等が例示できる。
また、エポキシ樹脂(z1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ樹脂の一部が不飽和炭化水素基を含む基に変換されてなる化合物が例示できる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へアクリル酸を付加反応させることにより製造できる。また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物等が例示できる。不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、具体的には、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基等が例示でき、アクリロイル基が好ましい。
不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりもアクリル系樹脂との相溶性が高い。このため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を含む接着剤組成物を用いることで、半導体パッケージの信頼性が向上する。
また、エポキシ樹脂(z1)は、易ピックアップ性が向上する点から、軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
エポキシ樹脂(z1)の数平均分子量は、特に限定されないが、前記接着剤の硬化性や硬化後の強度及び耐熱性の観点から、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
また、エポキシ樹脂(z1)のエポキシ当量は、100〜1000g/eqであることが好ましく、300〜800g/eqであることがより好ましい。
また、エポキシ樹脂(z1)は、上記のうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂(z1)を用いる場合、接着剤組成物(前記接着剤)におけるエポキシ樹脂(z1)の含有量の割合は、エポキシ樹脂(b1)の含有量100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることが特に好ましい。
(熱硬化剤(z2))
熱硬化剤(z2)は、少なくともエポキシ樹脂(z1)に対する硬化剤として機能し、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能することもある。
熱硬化剤(z2)としては、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が例示できる。このような官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、酸基が無水物化された基等が例示でき、フェノール性水酸基、アミノ基、酸基が無水物化された基であることが好ましく、フェノール性水酸基、アミノ基であることがより好ましく、フェノール性水酸基であることが特に好ましい。
熱硬化剤(z2)のうち、フェノール系硬化剤(フェノール性水酸基を有する硬化剤)としては、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂等が例示できる。
熱硬化剤(z2)のうち、アミン系硬化剤(アミノ基を有する硬化剤)としては、DICY(ジシアンジアミド)等が例示できる。
熱硬化剤(z2)は、不飽和炭化水素基を有するものであってもよい。
不飽和炭化水素基を有する熱硬化剤(z2)としては、フェノール樹脂の水酸基の一部を、不飽和炭化水素基を含む基で置換してなる化合物、フェノール樹脂の芳香環に不飽和炭化水素基を含む基が直接結合した化合物等が例示できる。熱硬化剤における不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様のものである。
また、熱硬化剤(z2)は、易ピックアップ性が向上する点から、軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
熱硬化剤(z2)の数平均分子量は、300〜30000であることが好ましく、400〜10000であることがより好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
熱硬化剤(z2)は、上記のうちの1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
熱硬化剤(z2)を用いる場合、接着剤組成物(接着剤)における熱硬化剤(z2)の含有量の割合は、フェノール樹脂(b2)の含有量100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることが特に好ましい。
[接着剤組成物の製造方法]
接着剤組成物は、エポキシ系熱硬化性樹脂(b)等、本発明に係る接着剤を構成するための上述の各成分を配合することで得られる。
上記の各成分の配合時における添加順序は、特に限定されず、例えば、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、この溶媒を、溶媒以外の何れかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外の何れかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
また、配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、例えば、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、従来公知の方法から適宜選択すればよい。
また、各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り、特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
<<ダイ接着用複合シート>>
本発明に係る接着剤を支持シート上にフィルム状に設けて、フィルム状接着剤としたものは、ダイボンディングシート、ダイシングダイボンディングシート等のダイ接着用複合シートとして用いることができる。
<支持シート>
上記の支持シートとしては、基材又は基材上に粘着剤層を備えたものを用いることができる。粘着剤層を備えた支持シートを用いる場合には、粘着剤層上にフィルム状接着剤を設ける。
[基材]
基材の材質としては、各種樹脂であることが好ましく、具体的には、ポリエチレン(低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE等))、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニルフィル、塩化ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリイミド、エチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素樹脂、これらの何れかの樹脂の水添加物、変性物、架橋物又は共重合物等が例示できる。
また、基材は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよく、複数層からなる場合、各層の材質は全て同じでもよいし、全て異なっていてもよく、一部のみ同じであってもよい。
基材の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、50〜300μmの範囲であることが好ましく、60〜100μmの範囲であることがより好ましい。
基材は、その上に粘着剤層を設ける場合、粘着剤層との接着性を向上させるために、その表面に、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が施されたものでもよい。また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものでもよい。
基材は、上記の中でも、ダイシング時のブレードの摩擦による基材の断片の発生が抑制される点から、特に表面が電子線照射処理を施されたものが好ましい。
[粘着剤層]
上記の粘着剤層としては、従来公知のものを適宜使用できる。
粘着剤層は、これを構成するための各種成分を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。粘着剤組成物中の非揮発性成分同士の含有量の比率は、粘着剤層においても同じとなる。
上記の粘着剤層が、エネルギー線の照射により重合する成分を含んでいる場合には、エネルギー線を照射してその粘着性を低下させることで、半導体チップのピックアップが可能となる。このような粘着剤層は、例えば、エネルギー線の照射により重合する、エネルギー線重合性のアクリル重合体を含有する各種の粘着剤組成物を用いて形成できる。
上記の粘着剤組成物で好ましいものとしては、アクリル重合体とエネルギー線重合性化合物とを含有するもの(粘着剤組成物(i))、水酸基を有し、且つ重合性基を側鎖に有するアクリル重合体(例えば、水酸基を有し、且つウレタン結合を介して重合性基を側鎖に有するもの)と、イソシアネート系架橋剤と、を含有するもの(粘着剤組成物(ii))が例示でき、さらに溶媒を含有するものが好ましい。
また、粘着剤組成物としては、上述の成分以外に、さらに、光重合開始剤や、染料、顔料、劣化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、シリコーン化合物、連鎖移動剤等の各種添加剤の何れかを含有するものであってもよい。
粘着剤層の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、1〜60μmであることがより好ましく、1〜30μmであることが特に好ましい。
粘着剤組成物は、アクリル重合体等、粘着剤層を構成するための各成分を配合することで得られ、例えば、配合成分が異なる点以外は、上述の接着剤組成物の場合と同様の方法で得られる。
粘着剤層は、上記の基材の表面に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させることで形成できる。このとき、必要に応じて、例えば、塗布した粘着剤組成物を加熱することで架橋してもよい。この際の加熱条件としては、例えば、100〜130℃で1〜5分とすることができるが、これには限定されない。また、剥離材の剥離層表面に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させることで形成した粘着剤層を、基材の表面に貼り合わせ、前記剥離材を取り除く方法によっても、基材上に粘着剤層を形成できる。
粘着剤組成物の基材の表面又は剥離材の剥離層表面への塗布は、従来公知の方法で行えばよく、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が例示できる。
<フィルム状接着剤>
上記のフィルム状接着剤の厚さは、目的に応じて適宜選択できるが、1〜100μmであることが好ましく、5〜75μmであることがより好ましく、5〜50μmであることが特に好ましい。
ダイ接着用複合シートは、上記の支持シート上にフィルム状接着剤を形成することで製造できる。
支持シートが上記の基材である場合、フィルム状接着剤は、粘着剤組成物に代えて上記の接着剤組成物を用いる点以外は、上述のように基材上に粘着剤層を形成する場合と同様の方法で、基材上に形成できる。
支持シートが基材上に粘着剤層を備えたものである場合には、通常は、粘着剤層上に接着剤組成物を直接塗布することは困難である。そこで、この場合には、例えば、剥離材の剥離層表面に接着剤組成物を塗布し、乾燥させることでフィルム状接着剤を形成した後、このフィルム状接着剤の剥離材が設けられていない側の露出面を粘着剤層の表面に貼り合わせ、上記の剥離材を取り除くなど、フィルム状接着剤を別途形成しておき、これを粘着剤層の表面に貼り合わせる方法で、フィルム状接着剤を基材上に形成することが好ましい。
また、粘着剤層を備えたダイ接着用複合シートは、上述の方法以外にも、例えば、粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成し、接着剤組成物を用いてフィルム状接着剤を形成した後、これら粘着剤層及びフィルム状接着剤を貼り合わせて積層体とし、この積層体の粘着剤層の表面に基材を貼り合わせることによって製造することも可能である。この場合の粘着剤層及びフィルム状接着剤の形成条件は、上述の方法と同じである。
上記のダイ接着用複合シートは、従来のダイボンディングシート、ダイシングダイボンディングシート等のダイ接着用複合シートと同様に用いることで、半導体パッケージを製造できる。
<<作用効果>>
以上説明したように、本発明に係るダイ接着用接着剤によれば、エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、硬化触媒がホスフィン系硬化触媒である構成を採用することで、ダイ接着用接着剤の硬化が進行するのを抑制でき、樹脂封止を行う工程におけるボイドの消失作用が維持される。これにより、例えば、樹脂封止以外の工程における加熱時間が長くなり、熱履歴が増大した場合であっても、信頼性に優れた半導体パッケージを製造することが可能なダイ接着用接着剤を提供することができる。
さらに、本発明に係るダイ接着用接着剤を支持シート上にフィルム状に設けてフィルム状接着剤とし、ダイボンディングシート、ダイシングダイボンディングシート等のダイ接着用複合シートとして用いた場合においても、上記同様、信頼性に優れた半導体パッケージを製造することが可能となる。
次に、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は、本実施例によってその範囲が制限されるものではなく、本発明に係るダイ接着用接着剤は、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
<ダイ接着用接着剤及びダイシングダイボンディングシートの製造>
[実施例1〜3、比較例1〜2]
(接着剤組成物の製造)
表1に示す量で各成分を配合し、さらにメチルエチルケトンで希釈して、接着剤組成物を得た。
なお、表1中の各成分の略号は、それぞれ以下の意味を有する。
・重合体成分(a):
アクリル系樹脂(ナガセケムテックス社製「テイサンレジンSG−P3」)
・エポキシ樹脂(b1):
下記一般式(VI)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(エポキシ当量280〜298g/eq、軟化点63〜75℃、重量平均分子量1.4×10
・フェノール樹脂(b2):
下記一般式(VII)で表されるビフェニル型フェノール樹脂(水酸基当量237g/eq、軟化点122.4℃、重量平均分子量7.5×10
・カップリング剤(e):
シランカップリング剤(信越化学工業社製「KBM−402」)
・硬化触媒(d)
(d)−1:下記一般式(I)で表されるトリオルトフェニルホスフィン(北興化学工業社製)
(d)−2:下記一般式(II)で表されるトリパラフェニルホスフィン(北興化学工業社製)
(d)−3:下記一般式(III)で表されるトリフェニルホスフィン(北興化学工業社製)
(d)−4:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製)
Figure 0006547221
Figure 0006547221
Figure 0006547221
Figure 0006547221
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なお、上記一般式(VI)中、m11は上記一般式(IV)中のm11と同じであり、上記一般式(VII)中、m21は上記一般式(V)中のm21と同じである。
(ダイ接着用接着剤及びダイシングダイボンディングシートの製造)
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面が剥離処理された剥離シートの前記剥離処理面に、上記で得られた接着剤組成物を塗布し、120℃で3分間乾燥させることで、厚さが20μmのフィルム状接着剤(ダイ接着用接着剤)を形成した。さらに、上記と同じ剥離シートをフィルム状接着剤に貼合して、ノンキャリアフィルムを作製した。
次いで、このノンキャリアフィルムの一方の剥離シートを剥離し、基材上に粘着剤層を備えたダイシングテープ(リンテック社製「G−562」)の粘着剤層上にフィルム状接着剤を転写して、ダイシングダイボンディングシートを得た。
<半導体パッケージの熱履歴に対する信頼性の評価>
上記で得られたダイシングダイボンディングシートを用いて、下記方法により、半導体パッケージの熱履歴に対する信頼性を評価した。
まず、テープマウンター(リンテック社製「Adwill RAD2500」)を用いて、ドライポリッシュ仕上げシリコンウェハ(150mm径、厚さ75μm)の研磨面に、各実施例及び各比較例のダイシングダイボンディングシートを、そのフィルム状接着剤を介して貼付し、このシリコンウェハをウェハダイシング用リングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD651」)を用いて、8mm×8mmのサイズにシリコンウェハをダイシング(50mm/秒、30000rpm)して、チップを得た。このダイシングのとき、基材を表面から20μmだけ切り込むようにした。
次いで、ダイシングダイボンディングシートが貼付された上記のチップを、ダイシングダイボンディングシートのフィルム状接着剤と共に基材からピックアップした。そして、銅箔張り積層板(三菱ガス化学社製「CCL−HL830」)の銅箔(厚さ18μm)に回路パターンが形成され、この回路パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ社製「PSR−4000 AUS303」)が積層された基板(ちの技研社製「LN001E−001 PCB(Au)AUS303」)を用い、この基板上に、上記のフィルム状接着剤付きチップを、そのフィルム状接着剤を介して120℃、2.45N(250gf)、0.5秒間の条件で圧着した。このような、基板とフィルム状接着剤付きチップとの積層物について、そのままのもの、及び、175℃で10分、1時間、4時間、5時間、6時間の各時間で加熱したものを、それぞれ各実施例及び比較例ごとに作製した。
次いで、これら各積層物を、封止樹脂(京セラケミカル社製「KE−G1250」)を用いて、封止厚が400μmとなるように封止し、175℃で5時間加熱することで封止樹脂を硬化させた。次いで、この封止された積層物をダイシングテープ(リンテック社製「Adwill D−510T」)に貼付し、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD651」)を用いて、15mm×15mmのサイズにダイシングして、信頼性評価用の半導体パッケージを得た。
次いで、得られた半導体パッケージを、85℃、相対湿度60%の条件下で168時間放置することで吸湿させた後、最高加熱温度260℃、加熱時間1分の条件でIRリフローを3回行った。そして、このIRリフローを行った半導体パッケージについて、走査型超音波探傷装置(日立建機ファインテック社製「Hye−Focus」)を用いて、基板及び半導体チップの接合部における浮き・剥がれ(剥離)の発生の有無、並びに、パッケージクラックの発生の有無を観察した。上記の剥離については、接合部に0.5mm以上の剥離が観察された場合に、剥離していると判断した。このような評価を、各実施例及び比較例ごとに6個の半導体パッケージで行い、6個のうちの何れかにおいて、剥離・パッケージクラックが生じるまでの熱履歴時間(基板とフィルム状接着剤付きチップとの積層物に対する175℃での加熱時間)を確認し、熱履歴に対する半導体パッケージの信頼性を調べた。そして、上記結果について、下記表2中における「175℃での熱履歴に対するパッケージクラックの発生数(個)」並びに「熱履歴に対する信頼性評価」の欄に示した。なお、表2中において、例えば、「0/6」との記載は、6個の半導体パッケージについて評価を行い、6個のうち0個で前記接合部における剥離又はパッケージクラックの発生が観察されたこと、すなわち、前記剥離又はクラックの発生が観察された半導体パッケージはなかったことを意味する。
<せん断接着強度の評価>
次に、上記で得られたダイシングダイボンディングシートを用いて、せん断接着強度を測定した。
まず、テープマウンター(リンテック社製「Adwill RAD2500」)を用いて、ドライポリッシュ(♯2000)が施されたシリコンウェハ(150mm径、厚さ350μm)の研磨面に、各実施例及び各比較例のダイシングダイボンディングシートを、そのフィルム状接着剤を介して、60℃に加熱しながら貼付した。次いで、このシリコンウェハを、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD651」)を用いて、2mm×2mmのサイズにダイシング(50mm/秒、30000rpm)して、チップを得た。
次いで、ダイシングダイボンディングシートが貼付された上記のチップを、CMP研磨(Chemical Mechanical Polishing)が施されたシリコンウェハ(150mm径、厚さ350μm)のCMP研磨面側に、150℃、0.98N(100gf)、1秒間の条件で圧着した。そして、このウェハを、加熱オーブンを用いて175℃、5時間の条件で加熱することで、ダイシングダイボンディングシートのフィルム状接着剤を熱硬化させた後、ボンドテスター(Dage社製「ボンドテスターdage4000シリーズ」)を用いて、常温にてせん断接着強度を測定し、結果を下記表2中に示した。
<基板とフィルム状接着剤との間のボイド面積の測定>
次に、上記で得られたダイシングダイボンディングシートを用いて、下記方法により、シリコンウェハ(基板)とフィルム状接着剤との間のボイド面積を測定した。
(ボンディング後のボイド面積の測定用サンプルの作製)
まず、上記同様、テープマウンター(リンテック社製「Adwill RAD2500」)を用いて、ドライポリッシュ仕上げシリコンウェハ(150mm径、厚さ75μm)の研磨面に、各実施例及び各比較例のダイシングダイボンディングシートを、そのフィルム状接着剤を介して貼付し、このシリコンウェハをウェハダイシング用リングフレームに固定した。次いで、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD651」)を用いて、8mm×8mmのサイズにシリコンウェハをダイシング(50mm/秒、30000rpm)して、チップを得た。このダイシングのとき、基材を表面から20μmだけ切り込むようにした。
次いで、ダイシングダイボンディングシートが貼付された上記のチップを、ダイシングダイボンディングシートのフィルム状接着剤と共に基材からピックアップした。そして、銅箔張り積層板(三菱ガス化学社製「CCL−HL830」)の銅箔(厚さ18μm)に回路パターンが形成され、この回路パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ社製「PSR−4000 AUS303」)が積層された基板(ちの技研社製「LN001E−001 PCB(Au)AUS303」)を用い、この基板上に、上記のフィルム状接着剤付きチップを、そのフィルム状接着剤を介して120℃、2.45N(250gf)、0.5秒間の条件で圧着して、ボンディング後の基板とフィルム状接着剤との間のボイド面積の測定用サンプルを得た。
(樹脂封止後のボイド面積の測定用サンプルの作製)
次に、上記のボンディング後のボイド面積の測定用サンプルの作製と同じ条件及び手順により、樹脂封止後のボイド面積の測定用サンプルに供するチップを得た。
次いで、上記と同様にして、ダイシングダイボンディングシートが貼付された上記のチップを、ダイシングダイボンディングシートのフィルム状接着剤と共に基材からピックアップした。そして、銅箔張り積層板(三菱ガス化学社製「CCL−HL830」)の銅箔(厚さ18μm)に回路パターンが形成され、この回路パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ社製「PSR−4000 AUS303」)が積層された基板(ちの技研社製「LN001E−001 PCB(Au)AUS303」)を用い、この基板上に、上記のフィルム状接着剤付きチップを、そのフィルム状接着剤を介して120℃、2.45N(250gf)、0.5秒間の条件で圧着した。そして、このような基板とフィルム状接着剤付きチップとの積層物について、そのままのもの、及び、175℃で10分、1時間、4時間、5時間、6時間の各時間で加熱したものを、それぞれ各実施例及び比較例ごとに作製した。
次いで、これら各積層物を、封止樹脂(京セラケミカル社製「KE−G1250」)を用いて、封止厚が400μmとなるように封止し、175℃で5時間加熱することで封止樹脂を硬化させた。次いで、この封止された積層物をダイシングテープ(リンテック社製「Adwill D−510T」)に貼付し、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD651」)を用いて、15mm×15mmのサイズにダイシングして、樹脂封止後の基板とフィルム状接着剤との間のボイド面積の測定用サンプルを得た。
(基板とフィルム状接着剤との間のボイド面積の測定方法)
上記で得られた、ボンディング後のボイド面積の測定用サンプル、及び、樹脂封止後のボイド面積の測定用サンプルについて、まず、研磨機(リファインテック社製「リファインポリッシャーHV」)を用い、基板側から研磨することにより、基板の厚さが20μmになるまで平面研磨した。次いで、デジタル顕微鏡を用いて、基板側から、(基板)/(フィルム状接着剤)の界面を撮影し、撮影した画像から、基板とフィルム状接着剤との間においてボイドが占める面積比率を算出し、その結果を下記表3に示した。
Figure 0006547221
Figure 0006547221
Figure 0006547221
<評価結果>
表1に示すように、実施例1〜3及び比較例1、2は、重合体成分(a)、エポキシ系熱硬化性樹脂(b){エポキシ樹脂(b1)及びフェノール樹脂(b2)}、シランカップリング剤(e)の組成が同じものである。さらに、実施例1〜3は、それぞれ、ホスフィン系の硬化触媒(d)として、トリオルトトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、又はトリパラトリルホスフィンのうちの1種を、それぞれ、同じ質量比率で含有している。一方、比較例1においては、イミダゾール系の硬化触媒を、各実施例における硬化触媒(d)と同じ質量比率で含有しており、また、比較例においては、硬化触媒が添加されていないものである。
そして、表2に示す評価結果でも明らかなように、ホスフィン系硬化触媒を用いた実施例1〜3においては、イミダゾール系の硬化触媒を用いた比較例1の接着剤に比べて、長時間の熱履歴における接着信頼性が高いことがわかる。ここで、比較例1においては、せん断接着強度は52N/2mm□(スクエア)と、高い特性を示しており、175℃、10分の熱履歴までは剥離並びにクラックが発生せず、信頼性を有していたものの、それを超える時間では剥離又はクラックが生じた。これに対して、実施例1〜3においては、175℃、4時間の熱履歴までは剥離並びにクラックが生じず信頼性が確保され、特に、硬化触媒(d)としてトリオルトトリルホスフィンを用いた実施例1においては、175℃、5時間まで剥離並びにクラックが生じず、高い信頼性を確保できた。これは、実施例1において用いられているトリオルトトリルホスフィンは、オルト位にメチル基が存在することからリン元素に近く、立体障害によって硬化反応性が緩やかとなり、熱履歴による接着剤の硬化が実施例2、3に比べて抑制され、樹脂封止の際に、ボンディング時に噛み込んだボイドが抜け易くなり、信頼性が向上したものと考えられる。
なお、硬化触媒を含まない比較例2においては、175℃、1時間の熱履歴までは剥離並びにクラックが生じなかったものの、それを超える時間では剥離又はクラックが生じ、実施例1〜3に比べて信頼性が低いものとなった。また、比較例2におけるせん断接着強度は、実施例1〜3及び比較例1に比べて著しく低いことから、この比較例2は、硬化触媒を含有していないために、接着されたダイのせん断強度が十分でなく、信頼性が低くなったものと考えられる。
上記の結果より、硬化触媒(d)にホスフィン系硬化触媒を用いることで、ダイ接着用接着剤の熱履歴に対する信頼性が向上し、中でも、トリオルトトリルホスフィンを用いることで、熱履歴による接着剤の硬化反応の進行を抑制できることが確認できた。その結果、長時間の熱履歴を付与した場合であっても、樹脂封止にボイドが抜け易くなり、半導体パッケージを実装した後の接着信頼性が大幅に向上することが明らかとなった。
ここで、表3には、上述したような、硬化触媒(d)にホスフィン系硬化触媒を用いることで、樹脂封止時にボイドが抜け易くなる作用が得られることを実証するため、ボンディング後及び樹脂封止後の、基板とフィルム状接着剤との間のボイドが、接着面積に対して占める面積比率を示している。表3に示すように、ボンディング直後のボイドの面積比率は、実施例1〜3及び比較例1、2の全てにおいて大きな差は見られない。一方、樹脂封止後においては、ホスフィン系硬化触媒を用いた実施例1〜3では、熱履歴が10分の場合はボイドの面積比率が0%であり、6時間の熱履歴を付与した場合においても、ボイドの面積比率は全て20%以下であった。これに対し、イミダゾール系の硬化触媒を用いた比較例1では、熱履歴が10分の場合はボイドの面積比率が9%であるものの、6時間の場合には面積比率が74%と、著しく大きい結果となった。このように、基板とフィルム状接着剤の間に存在するボイドの面積比率が大きい場合には、接着信頼性が低下し、半導体パッケージを実装した後の信頼性も低下すると考えられる。
以上説明した実施例の結果より、本発明で規定するように、ダイ接着用接着剤の接着剤組成物として、ホスフィン系硬化触媒を含有するものと用いることにより、樹脂封止前の熱履歴によってダイ接着用接着剤の硬化が進行するのを抑制でき、熱履歴時間が長くなった場合でも、樹脂封止時のボイドの消失作用を維持できることから、半導体パッケージの製造に適用した場合には、その実装後の信頼性が向上することが明らかである。
本発明のダイ接着用接着剤は、熱履歴が増大した場合でも、優れた接着信頼性を確保できることから、半導体パッケージの製造に適用することで、信頼性の高い半導体パッケージを製造することが可能となる。

Claims (3)

  1. エポキシ系熱硬化性成分及び硬化触媒を含有し、前記硬化触媒がホスフィン系硬化触媒であり、
    前記エポキシ系熱硬化性成分が、エポキシ樹脂に加えてフェノール樹脂を含有し、且つ、前記エポキシ樹脂及びフェノール樹脂が、置換基を有していてもよいビフェニレン基を有し、
    さらに、前記エポキシ系熱硬化性成分に該当しない重合体成分としてアクリル重合体を含有し、「前記アクリル重合体の含有量:前記エポキシ系熱硬化性成分の含有量」の質量比率が、70:30〜99:1であることを特徴とするダイ接着用接着剤。
  2. 前記ホスフィン系硬化触媒が、トリオルトトリルホスフィン、トリフェニルホスフィン、及びトリパラトリルホスフィンのうちの何れかであることを特徴とする請求項1に記載のダイ接着用接着剤。
  3. 成分中にフィラーを含有しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のダイ接着用接着剤。
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