JP6322963B2 - 卵黄含有液及び卵黄含有食品の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、卵黄含有液及び卵黄含有食品の製造方法に関し、特に卵黄が多く配合されるプリン、ムース、カスタードクリームなどに代表される洋菓子の素材として好適に使用される卵黄含有液を製造する方法、及び当該卵黄含有液を主要成分として含有する卵黄含有食品の製造方法に関するものである。
卵黄はその特有の嗜好性の高い風味やコク味を有するとともに、乳化性や熱凝固性のような物理的性状を有する素材であることより、従来よりプリン、ムース、マヨネーズ、カスタードクリームなどの各種加工食品の原料として広く使用されている。
しかし、卵黄は加熱に対する耐性が比較的弱く、上記各種加工食品の製造工程における加熱処理や加熱殺菌処理工程において、その特有の風味が損なわれたり、熱凝集により食感がざらついたり、ボソボソしたりするという問題を有する。かかる風味や食感の変化があると、最終的な卵黄含有加工食品の品質低下の原因となる。
前記問題点を解決するべく、卵黄を各種卵黄含有加工食品の製造工程に供する前段階での前処理法が提案されている。
特許文献1は、卵黄液を65℃以上70℃未満の温度で5分間以上保持して加熱半変性卵黄を得る方法であるが、本方法で得られる加熱半変性卵黄は乳化力の向上に主眼が置かれたものであり、卵黄のコク味が十分なものではなかった。
特許文献2は、卵黄に澱粉及び水を加えて得た懸濁液を加熱して凝固せしめた後、微細化処理する方法であるが、本方法による卵黄食品用原料は食感は滑らかではあるが、加工卵黄含有物は卵黄のコク味にやや乏しいという問題があった。
特許文献3は、卵黄含有原料を酸性化し、加熱下にせん断力をかけることを特徴とする加工卵黄含有物の製造方法である。本方法の加工卵黄含有物は、卵黄含有食品の原料として使用しても製品にザラツキ感がなく、殺菌工程における焦げ付きやスケールの発生もないものであるが、やはり卵黄のコク味にやや乏しいものであった。
本発明の目的は、加熱処理されているにもかかわらず優れた卵黄の風味、コク味を有する卵黄含有液の製造方法、及びこの卵黄含有液を用いて製造される卵黄の風味、コク味に優れた卵黄含有食品の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を重ねた結果、卵黄類、油脂及び水を混合した乳化液を60℃未満の温度域から60〜80℃から選択される最高加熱温度まで昇温させ、該最高加熱昇温での5分未満の保持により得られる卵黄含有液が優れた卵黄の風味、コク味を呈すること、該卵黄含有液を配合した卵黄含有食品も同様に優れた卵黄の風味、コク味を呈することを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、卵黄類5〜60重量%、食用油脂10〜30重量%及び水を混合した乳化液を、60℃未満の温度から0.05℃〜6℃/分の昇温速度で60〜80℃の中から選択される最高加熱温度まで加熱処理し、該最高加熱温度での保持時間を5分未満とすることを特徴とする卵黄含有液の製造方法である。第2は、卵黄類が生卵黄、凍結卵黄、全卵から選択されるいずれか1種以上である、第1記載の卵黄含有液の製造方法である。第3は、最高加熱温度が65〜70℃から選択される、第1または第2記載の卵黄含有液の製造方法である。第4は、第1〜第3のいずれか1記載の卵黄含有液を20〜80重量%含有する卵黄含有食品の製造方法である。第5は、卵黄含有食品が香料を含有しない第4記載の卵黄含有食品の製造方法である。
本発明により、加熱処理されているにもかかわらず優れた卵黄の風味、コク味を有する卵黄含有液の製造が可能となり、この卵黄含有液を用いることにより卵黄の風味、コク味に優れた卵黄含有食品の製造が可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いる卵黄類は、生卵黄、凍結卵黄、全卵から選択されるいずれか1種以上であるのが好ましい。乾燥卵黄や加糖加熱卵黄、酵素処理卵黄を用いることも可能であるが、概して卵黄の風味、コク味の点にやや乏しい傾向にあるため、原料としてはあまり好ましくない。
本発明に用いる食用油脂とは、特に限定されず、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂(融点15〜40℃程度のもの)が例示できる。本発明においては、卵黄の風味、コク味発現を阻害しないような淡白な風味を有する融点
10〜40℃の植物性油脂の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油脂の使用がより好ましい。
本発明の卵黄含有液は、前記卵黄類5〜60重量%、加熱融解した食用油脂10〜30重量%及び水を含有するのが好ましい。卵黄類の含有量が5重量%未満であると、卵黄の風味、コク味が不十分となり好ましくない。逆に60重量%以上であると、加熱による卵黄風味の劣化や凝集物が発生しやすくなる。また、食用油脂の含有量が10重量%未満であると、加熱による凝集物の発生が起こりやすくなり、逆に30重量%を超えると卵黄の風味、コク味が不十分となり好ましくない。
本発明の卵黄含有液は、例えば、以下の手順で製造することができる。前記卵黄類5〜60重量%、加熱融解した食用油脂10〜30重量%及び水又は温水を混合して乳化液を調製する。卵黄類は、卵黄、凍結卵黄または全卵から選択される1種以上であり、食用油脂はあらかじめ40〜60℃で加熱融解したものを用いるのが好ましい。混合は撹拌装置が付属された調合タンクの利用が好ましく、撹拌はプロペラ撹拌またはホモゲナイザー撹拌のいずれでもよい。上記により、必要に応じて加温して、品温40〜60℃未満の乳化液を得る。
次いで、上記乳化液を加熱処理する。加熱処理は、品温60℃未満の乳化液を60〜80℃の中から選択される最高加熱温度まで0.05〜6℃/分、さらに好ましくは0.5〜5℃/分、最も好ましくは1〜4℃/分の昇温速度で加熱し、加熱した乳化液を当該最高加熱温度に5分間未満保持して、本発明の卵黄含有液を得る。最高加熱温度が60℃未満であると、卵黄の風味、コク味の発現が不十分となり、逆に80℃を超えると卵黄風味の劣化や加熱による凝集物の発生が起こりやすくなる。最高加熱温度は、65〜70℃であるのがより好ましく、最も優れた卵黄の風味、コク味を有する卵黄含有液を得ることができる。
加熱の昇温速度が0.05℃/分未満では緩慢すぎて能率が悪く、腐敗する危険性もあるので好ましくない。逆に、6℃/分を超えると加熱による凝集物が発生しやすくなる。
当該最高加熱温度に昇温後は、当該最高加熱温度での保持は5分間未満とするのが望ましく、その後に加熱処理済の卵黄含有液を連続して卵黄含有食品の製造工程に供しない場合は、当該最高加熱温度到達後は速やかに冷却して、冷蔵保存するのが好ましい。当該加熱処理済の卵黄含有液を連続して卵黄含有食品の製造工程に供する場合は、当該最高加熱温度での保持5分間未満に次の卵黄含有食品の原材料として、卵黄含有食品の調合及び製造工程に供するのが好ましい。当該最高加熱温度での保持が5分間以上であると、卵黄の風味、コク味の発現がやや低下して行く傾向がある。
本発明の乳化液の加熱方法としては、バッチ式、連続式、直接加熱、間接加熱、マイクロ波、高周波、通電加熱等の限定は特になく、どの方式を使用してもよいが、温水や蒸気による加熱ジャケット及びプロペラなどの撹拌装置の付属されたバッチ式の調合タンクの利用が簡便である。
特に、蒸気等の熱媒体を使用して加熱する場合、乳化液の加熱速度と加熱に用いる熱媒体との温度差が重要であり、接触面での過加熱による凝集物発生や焦げ付きが発生しないように、熱媒体温度は乳化液温度より8℃未満高い温度となるよう、熱媒体の温度を調整するのが好ましい。なお、マイクロ波、高周波、通電加熱を採用する場合には、昇温速度が重要であって熱媒体と乳化液の温度差を考慮する必要はない。
本発明の卵黄含有液は優れた卵黄の風味、コク味を有するものであり、かつ十分な卵黄量が含まれるため、プリン、ムース、カスタードクリームなどの卵黄含有食品の原材料として使用することができる。卵黄含有食品中の卵黄含有液の含有量は20〜80重量%であるのが好ましい。卵黄含有液の含有量が20重量%未満であると、卵黄含有食品の卵黄風味及びコク味が不十分となり、逆に80重量%を超えると卵黄風味及びコク味は豊かであるが加熱による凝集物の発生が起こりやすくなる。
本発明の卵黄含有食品は、風味調整のため香料を添加することもできるが、香料無添加でも自然で豊かな卵黄風味及びコク味を有するため、例えば、プリン風味やカスタード風味香料を添加することなく、卵黄風味に優れたプリンやカスタードクリームを製造することができる。
本発明の卵黄含有食品には、卵黄含有液以外の原材料として、食用油脂、生クリーム、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエーパウダー、乳清蛋白などの乳製品、各種澱粉類、糖類、卵白、カゼイン、分離大豆蛋白、小麦グルテンなどの各種蛋白質含有素材、増粘多糖類、ガム類、乳化剤、塩類、色素、抗菌剤などを目的、用途に応じて適宜配合することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、各例中の部及び%はいずれも重量基準である。
各例中の卵黄含有液及び卵黄含有食品の風味及び食感の評価は、10名のパネラーによる官能評価の平均点で評価した。評価基準は以下の通りである。
(卵黄風味)
非常に良好:5点 、良好 :4点 、やや物足りない:3点
物足りない:2点 、異臭あり不良:1点
(コク味)
非常に良好:5点 、良好 :4点 、やや物足りない:3点
物足りない:2点 、淡白すぎる:1点
(食感)
非常に滑らか:5点 、滑らか:4点 、やや粗い:3点 、
ややザラツキあり:2点 、ざらつきあり:1点
実施例1
50℃、30分以上で加熱融解した精製パーム油(融点36℃、不二製油株式会社製)8.2部、精製パーム低融点部(融点10℃、不二製油株式会社製)11.3部及び50℃温水38.2部を調合タンクに投入し、撹拌しながら全卵29.4部、生卵黄12.9部、順次添加混合して、卵黄を含有した乳化液を調製した。乳化液の温度を45℃に加温して10分間調合後、軽く撹拌しながら45℃から最高加熱温度65℃まで1℃/分の昇温速度にて、乳化液の温度上昇に伴って乳化液温度より+3℃高い温度に温度調整した温水を熱媒体として用いて加熱した。最高加熱温度65℃に到達後、当該温度で保持することなく加熱済の乳化液を速やかに10℃冷水を用いて冷却し、卵黄含有液を得た。
実施例2
実施例1の最高加熱温度65℃までの加熱を、最高加熱温度68℃までの加熱に変更して、実施例1同様に卵黄含有液を得た。
実施例3
実施例1の最高加熱温度65℃までの加熱を最高加熱温度70℃までの加熱に変更して、実施例1同様に卵黄含有液を得た。
比較例1
実施例1の45℃から最高加熱温度65℃までの加熱を行うことなく、実施例1同様に冷却し、卵黄含有液を得た。
比較例2
実施例1において、最高加熱温度65℃までの加熱後、65℃で10分間保持してから実施例1同様に冷却して、卵黄含有液を得た。
表1に、実施例1〜3及び比較例1〜2の卵黄含有液の風味、食感の評価結果を示した。
表1
表1に示す通り、45℃から最高加熱温度65〜70℃まで加熱処理し、当該最高加熱温度での保持を行わなかった実施例1〜実施例3は、加熱処理を行っていない比較例1に比べて、優れた卵黄風味とコク味を有しており、食感も滑らかなものであった。加熱処理後に、最高加熱温度で10分間の保持を行った比較例2では、卵黄風味、コク味とも低下傾向であった。
実施例4
50℃、30分以上で加熱融解した精製パーム油(融点36℃、不二製油株式会社製)8.2部、精製パーム低融点部(融点10℃、不二製油株式会社製)11.3部及び50℃温水75.5部を調合タンクに投入し、撹拌しながら、生卵黄5部、順次添加混合して、卵黄を含有した乳化液を調製した。乳化液の温度を45℃に加温して10分間調合後、軽く撹拌しながら45℃から最高加熱温度60℃まで2℃/分の昇温速度にて、乳化液の温度上昇に伴って乳化液温度より+6℃高い温度に温度調整した温水を熱媒体として用いて加熱した。最高加熱温度60℃に到達後、60℃で保持することなく加熱済の乳化液を速やかに10℃冷水を用いて冷却し、卵黄含有液を得た。
実施例5
実施例4の最高加熱温度60℃までの加熱を、最高加熱温度70℃までの加熱に変更して、実施例4同様に卵黄含有液を得た。
実施例6
実施例4の最高加熱温度60℃までの加熱を、最高加熱温度80℃までの加熱に変更して、実施例4同様に卵黄含有液を得た。
比較例3
実施例4の最高加熱温度60℃までの加熱を、最高加熱温度55℃までの加熱に変更して、実施例4同様に卵黄含有液を得た。
比較例4
実施例4の最高加熱温度60℃までの加熱を、最高加熱温度85℃までの加熱に変更して、実施例4同様に卵黄含有液を得た。
表2に、実施例4〜6及び比較例3〜4の卵黄含有液の風味、食感の評価結果を示した。
表2
表2に示す通り、45℃から最高加熱温度60〜80℃まで加熱処理し当該最高加熱温度で保持しなかった実施例4〜実施例6は、最高加熱温度が55℃と低い比較例3や逆に最高加熱温度が85℃と高い比較例4に比べて、優れた卵黄風味とコク味を有しており、食感も滑らかなものであった。
実施例7
実施例1で調製した冷水冷却前の最高加熱温度65℃到達直後の卵黄含有液48.7部に対し、脱脂粉乳0.9部、ホエーパウダー5部、砂糖9.1部、マルトース(商品名:マルスター720)8部、澱粉(コーンスターチの化工澱粉)5.9部、水22.4部を58℃で10分間調合した後、PHが5.9になるように炭酸Naにて調製を行い、さらに60Kg/cm2の圧力下に均質化した後、ニーダーを用いて83℃まで撹拌しながら加熱し、83℃で1分間保持して澱粉をα化して糊状とした。その後、速やかに冷水を用いて冷却し、カスタード風味のフラワーペーストを得た。
実施例8
実施例7の卵黄含有液を実施例2の卵黄含有液に置き換えて、実施例7同様にカスタード風味のフラワーペーストを得た。
実施例9
実施例7の卵黄含有液を実施例3の卵黄含有液に置き換えて、実施例7同様にカスタード風味のフラワーペーストを得た。
比較例5
実施例7の卵黄含有液を比較例1の卵黄含有液に置き換えて、実施例7同様にカスタード風味のフラワーペーストを得た。
比較例6
実施例7の卵黄含有液を比較例2の卵黄含有液に置き換えて、実施例7同様にカスタード風味のフラワーペーストを得た。
表3に、実施例7〜9及び比較例5〜6のカスタード風味のフラワーペーストの風味、食感の評価結果を示す。
表3
表3に示す通り、45℃から最高加熱温度65〜70℃まで加熱処理し該最高加熱温度で保持しなかった実施例1〜実施例3の卵黄含有液を配合した実施例7〜9は、加熱処理を行っていない比較例1の卵黄含有液を配合した比較例5に比べて、優れた卵黄風味とコク味を有しており、食感も滑らかなものであった。加熱処理後に、最高加熱温度65℃で10分間の保持を行った比較例2の卵黄含有液を配合した比較例6では、卵黄風味、コク味とも低下傾向であった。
実施例10
実施例4で調製した冷水冷却後冷蔵保管していた卵黄含有液48.7部に対し、脱脂粉乳0.9部、ホエーパウダー5部、砂糖9.1部、マルトース(商品名:マルスター720)8部、澱粉(コーンスターチの化工澱粉)5.9部、水22.4部を58℃で10分間調合した後、PHが5.9になるように炭酸Naにて調製を行い、さらに60Kg/cm2の圧力下に均質化した後、ニーダーを用いて83℃まで撹拌しながら加熱し、83℃で1分間保持して澱粉をα化して糊状とした。その後、速やかに冷水を用いて冷却し、カスタード的なコクのあるミルク風味のフラワーペーストを得た。
実施例11
実施例10の卵黄含有液を実施例5の卵黄含有液に置き換えて、実施例10同様にミルク風味のフラワーペーストを得た。
実施例12
実施例10の卵黄含有液を実施例6の卵黄含有液に置き換えて、実施例10同様にミルク風味のフラワーペーストを得た。
比較例7
実施例10の卵黄含有液を比較例3の卵黄含有液に置き換えて、実施例10同様にミルク風味のフラワーペーストを得た。
比較例8
実施例10の卵黄含有液を比較例4の卵黄含有液に置き換えて、実施例10同様にミルク風味のフラワーペーストを得た。
表4に、実施例10〜12及び比較例7〜8のミルク風味のフラワーペーストの風味、食感の評価結果を示す。
表4
表4に示す通り、45℃から最高加熱温度60〜80℃まで加熱処理し該最高加熱温度で保持しなかった実施例4〜実施例6の卵黄含有液を配合した実施例10〜12は、最高加熱温度が55℃と低い比較例3やが逆に最高加熱温度が85℃と高い比較例4の卵黄含有液を配合した比較例7〜8に比べて、優れた卵黄風味とコク味を有しており、食感も滑らかなものであった。
実施例13
実施例1の全卵29.4部、生卵黄12.9部を全卵の一種であるヨード卵(商品名:ヨード卵光)42.3部に置き換えて、実施例1同様に卵黄含有液を得た。得られた卵黄含有液の卵黄風味評価は4.9点、コク味評価は4.8点、食感評価は4.5点で、風味、食感とも非常に優れたものであった。
実施例14
実施例7の卵黄含有液を実施例13の卵黄含有液に置き換えて、実施例7同様にカスタード風味のフラワーペーストを得た。得られたカスタード風味のフラワーペーストの卵黄風味評価は4.6点、コク味評価は4.5点、食感評価は4.2点で、風味、食感とも非常に優れたものであった。
本発明は、加熱処理されているにもかかわらず優れた卵黄の風味、コク味を有する卵黄含有液の製造方法、及びこの卵黄含有液を用いて製造される卵黄の風味、コク味に優れた卵黄含有食品の製造方法に関するものである。
Claims (4)
- 生卵黄、凍結卵黄、全卵から選択されるいずれか1種以上である卵黄類5〜60重量%、食用油脂10〜30重量%及び水を混合した乳化液を、40〜60℃未満の温度から1℃〜4℃/分の昇温速度で60〜80℃の中から選択される最高加熱温度まで加熱処理し、該最高加熱温度での保持時間を5分未満とすることを特徴とする卵黄含有液の製造方法。
- 最高加熱温度が65〜70℃の中から選択される、請求項1記載の卵黄含有液の製造方法。
- 卵黄含有食品の製造において、卵黄含有食品に対して請求項1または請求項2に記載された卵黄含有液20〜80重量%を原材料として用いることを特徴とする、卵黄含有食品の製造方法。
- 卵黄含有食品の製造において、卵黄含有食品に香料を添加しないことを特徴とする、請求項3記載の卵黄含有食品の製造方法。
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