JP6321927B2 - 空間光変調器 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気光学効果により入射光を変調する光変調素子を具備した空間光変調器に係り、特に、ホログラフィ立体像を表示するための光変調に用いる空間光変調器に関する。
光の位相や振幅を空間的に変調する光学素子は、ホログラフィ等の画像露光装置に応用され、ディスプレイ技術や記録技術等の分野で広く利用されている。また、2次元で並列に光情報を処理することができるため、光情報処理技術等への応用も研究されている。
代表的な空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)として液晶パネルを用いたものが挙げられるが、液晶パネルによるSLMは、ピクセルサイズ数μm以下の微細化は困難であり、応答時間も数十μs程度と非常に遅い。
液晶パネルによるSLMの微細化の問題と応答速度の問題を解決する手法として、従来、例えば2つのアプローチが知られている。第1のアプローチは、液晶パネルの代わりに磁性ガーネット膜のような磁性膜を利用し、X側とY側の駆動電流によって発生する合成磁界により各画素の磁化方向を個別に制御する方式(磁界印加方式)の空間光変調器とするものである(例えば特許文献1参照)。なお、この空間光変調器における各画素は、1個1個完全に独立した個別の素子ではなく、実際には、LPE(liquid phase epitaxy)法等によって基板上の全面に磁性膜を育成し、その磁性膜を多数の画素に磁気的に区画した状態としたものである。特許文献1に記載された空間光変調器は、X側とY側の駆動ラインによって各画素をその中心を除いて「井」の字状に囲むように配線されている。この空間光変調器は、このような配線が設けられているので、数μm以下の微細な画素を形成することは困難であり、また、電流による合成磁界を利用するために、さらなる画素の微細化を行うと隣の画素へのクロストークが大きくなるという問題がある。
第2のアプローチは、本願発明者らが提案しており、液晶パネルの代わりにスピン注入型磁化反転素子を備えた空間光変調器を利用するものである(例えば特許文献2参照)。なお、非特許文献1には、スピン注入磁化反転素子を複数個並べて画素アレイを形成し、極カー効果を測定することによって電流パルスによる光変調動作を検証する実験が報告されている。
特許文献2や非特許文献1に記載の技術では、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)の分野に適用されているスピン注入磁化反転素子が、光変調素子として用いられている。スピン注入磁化反転素子は、例えば、CPP−GMR(Current Perpendicular to Plane Giant MagnetoResistance:垂直通電型巨大磁気抵抗効果)素子や、TMR(Tunnel MagnetoResistance:トンネル磁気抵抗効果)素子等である。
ここで、スピン注入磁化反転を利用すると共に、反射光の偏光を検出する磁気カー効果を利用した光変調素子(スピン注入型光変調素子)の概要について図7を参照して説明する。図7に示す光変調素子30は、一例として磁化固定層31、中間層32、磁化自由層33によって構成されている。光変調素子30の上部には、IZOやITO等からなる透明電極材料で形成された上部電極50が配置される。光変調素子30の下部にはCu等からなる下部電極20が配置される。このように配置することで、光変調素子30に流す電流(例えばパルス電流)の大きさと向きにより磁化自由層33の磁化の向きを制御することができる。この場合、磁化自由層33の磁化の向きは、電流源81からのパルス電流を流す向きによって制御することができるため、パルス電流によって光の偏光面を制御する光変調素子として動作させることができる。
図7に示すように、レーザ光源90から照射された光は、様々な偏光成分を含んでいるが、偏光フィルタ91によって、ある方向の偏光成分だけを含むようにフィルタリングされる。そして、偏光フィルタ91とハーフミラー93からなる偏光ビームスプリッタ(PBS)を通過したレーザ光は、磁化自由層33の磁化の向きや大きさにより偏光面が回転する。例えば、磁化自由層33の磁化の向きが下向きであるときに反射したレーザ光の偏光面が、光変調によって、図7(a)のように例えば時計回りにθkだけ(+θk)回転する場合は、この反射光は偏光フィルタ92を通過するので「明状態」となる。一方、磁化自由層33の磁化の向きが上向きであるときに反射したレーザ光の偏光面が、光変調によって、図7(b)のように例えば反時計回りにθk(−θk)だけ回転する場合は、この反射光は偏光フィルタ92を通過しないので「暗状態」となる。
特許第4596468号公報 特開2008−83686号公報
本願発明者らは、液晶パネルによるSLMの微細化の問題と応答速度の問題を解決し、例えばホログラフィ立体像を表示するために、スピン注入型の光変調素子による光変調度を高くするための技術をこれまで提案してきた。このスピン注入型の光変調素子を2次元配列する空間光変調器には、微細化の問題や応答速度の問題以外にも、改良の余地があった。例えば特許文献2に記載されているように、スピン注入磁化反転素子を光変調素子として用いた空間光変調器を構成する場合、2次元配列する各光変調素子を個別に電気的に駆動させるために、当然ながら光変調素子同士を互いに分離して絶縁するための絶縁体が設けられる。
このようなスピン注入型の光変調素子を用いた空間光変調器では、光変調素子の光変調度を高くしたとしても、入射光が、各光変調素子だけに当たるのではなく、光変調素子間の絶縁体にも当たってしまう。そして、このような絶縁体からの反射光は、偏光面が回転していない。よって、図7(a)の「明状態」となることはなく、かつ、図7(b)の「暗状態」ともならずに明・暗の中間状態となってしまう。つまり、光変調素子間の絶縁体からの反射光は、出射側の偏光フィルタでは完全には取り除くことができない。そのため、例えばホログラフィ立体像として表示される再生像のノイズ成分となって、コントラストが低下してしまう。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、高コントラストなホログラフィ立体像を表示するための空間光変調器を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る空間光変調器は、磁化の向きが一方向に固定された磁化固定層と、前記磁化固定層よりも容易に磁化の向きを回転することができる磁化自由層と、前記磁化固定層と磁化自由層との間の中間層とを少なくとも有する光変調素子の磁気光学効果により前記磁化自由層側からの入射光を変調する空間光変調器において、複数の前記光変調素子が2次元配列され当該光変調素子間に絶縁体を備える階層と、前記光変調素子同士の間に対応する領域であって前記絶縁体の光入射側の一面を被覆するように設けられた素子間磁性層と、前記光変調素子と前記素子間磁性層との間を絶縁する絶縁体の層と、を備え、前記素子間磁性層は、磁化の向きが前記磁化固定層における磁化の向きと同一方向または方向に固定されており、前記素子間磁性層は、そのカー回転角が、前記光変調素子の磁化自由層のカー回転角とほぼ同等となるように構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、空間光変調器は、光変調素子と光変調素子との間、つまり、画素間で空いているところの絶縁体に、磁化の向きが一定の方向に固定されている素子間磁性層を上乗せされて構成される。したがって、本発明に係る空間光変調器で光変調させるための入射光のうち、光変調素子と光変調素子との間の絶縁体の上に積層された素子間磁性層で反射した反射光は、出力光側に配置される偏光フィルタで遮光されるように偏光フィルタを設定することができる。そのため、例えばホログラフィ立体像として表示される再生像のノイズ成分を低減することができる。一方、本発明に係る空間光変調器で光変調させるための入射光のうち、光変調素子で反射した反射光は、磁化自由層の磁化の向きや大きさにより偏光面が回転し、出力光側の偏光フィルタで遮光されるか、または透過する。そのため、高コントラストなホログラフィ立体像を表示することができる。
また、かかる構成によれば、空間光変調器は、光変調させるための入射光のうち、素子間磁性層で反射した反射光における偏光面の回転角と、光変調素子の入射光側に配置された磁化自由層で反射した反射光における偏光面の回転角とがほぼ同等となる。したがって、出力光側に配置される偏光フィルタで遮光される暗状態に対応した磁化自由層の磁化の向きのときに入射して、本発明に係る空間光変調器で反射する光では、素子間磁性層の反射光は、光変調素子の反射光と同等の暗状態となる。
また、本発明の請求項2に係る空間光変調器は、請求項1に記載の空間光変調器において、前記光変調素子と前記素子間磁性層との間を絶縁する絶縁体の層は、前記光変調素子および当該光変調素子間を被覆するように設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、空間光変調器は、絶縁体が光変調素子と光変調素子との間に設けられると共に、絶縁体が光変調素子および当該光変調素子間を被覆するよう素子間磁性層側にも設けられている。したがって、本発明に係る空間光変調器では、素子間磁性層側に設けられた絶縁体によって、素子間磁性層と、光変調素子との電気的な短絡を防止することができる。
また、本発明の請求項3に係る空間光変調器は、請求項1に記載の空間光変調器において、前記光変調素子と前記素子間磁性層との間を絶縁する絶縁体の層は、前記光変調素子同士の間に対応する領域を被覆するように設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、空間光変調器は、絶縁体が光変調素子と光変調素子との間に設けられると共に、絶縁体が素子間磁性層側において光変調素子同士の間に対応する領域にも設けられている。したがって、本発明に係る空間光変調器では、素子間磁性層側に設けられた絶縁体によって、素子間磁性層と、光変調素子との電気的な短絡を防止することができる。
また、本発明の請求項に係る空間光変調器は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の空間光変調器において、前記素子間磁性層は、その保磁力が、前記光変調素子の磁化自由層の保磁力よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、空間光変調器は、光変調素子において、磁化自由層の保磁力は磁化固定層よりも容易に磁化の向きを回転することができる程度の保磁力であり、一方、素子間磁性層の保磁力は、磁化自由層の保磁力よりも大きい。つまり、本発明に係る空間光変調器は、光変調素子の磁化反転動作等にかかわらず、素子間磁性層の磁化が一方向に固定される。そのため、磁化反転動作等にかかわらず、素子間磁性層から出射した光の偏光の向きが一方向のままであり、高コントラストなホログラフィ立体像を安定に表示することができる。
本発明によれば、高コントラストなホログラフィ立体像を表示することができる。
本発明の実施形態に係る空間光変調器を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る空間光変調器を模式的に示す部分断面図であって、(a)は図1に仮想線で示す画素単位のA−A線矢視における断面図、(b)は明状態における素子の磁化の向きを模式的に示す(a)の略図、(c)は暗状態における素子の磁化の向きを模式的に示す(a)の略図を示している。 本発明の第1実施形態に係る空間光変調器の素子間磁性層を模式的に示す部分断面図であって、図1のA−A線矢視における断面図を示している。 本発明の第2実施形態に係る空間光変調器を模式的に示す部分断面図であって、(a)は図1に仮想線で示す画素単位のA−A線矢視における断面図、(b)は明状態における素子の磁化の向きを模式的に示す(a)の略図、(c)は暗状態における素子の磁化の向きを模式的に示す(a)の略図を示している。 本発明の第2実施形態に係る空間光変調器の素子間磁性層を模式的に示す部分断面図であって、図1のA−A線矢視における断面図を示している。 本発明の実施形態に係る空間光変調器に適用できる磁性膜の物理特性の測定例を示すグラフであって、(a)は磁化自由層に用いる磁性膜、(b)は素子間磁性層に用いる磁性膜を示している。 従来のスピン注入による磁化反転を用いた光変調を示す模式図であって、(a)は明状態における素子の磁化の向き、(b)は暗状態における素子の磁化の向きを示している。 比較例に係る空間光変調器を模式的に示す平面図である。 比較例に係る空間光変調器を模式的に示す部分断面図であって、(a)は図8に仮想線で示す画素単位のD−D線矢視における断面図、(b)は明状態における素子の磁化の向きを模式的に示す(a)の略図、(c)は暗状態における素子の磁化の向きを模式的に示す(a)の略図を示している。 比較例に係る空間光変調器を模式的に示す部分断面図であって、図8のD−D線矢視における断面図を示している。
以下、本発明の空間光変調器について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面で示す部材の膜厚や大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
(第1実施形態)
[1.空間光変調器の構成の概要]
本発明の第1実施形態に係る空間光変調器1の構成の概要について図1、図2および図3を参照して説明する。
図1に示すように、空間光変調器1は、主として、基板10と、下部電極20と、光変調素子30と、絶縁層40と、上部電極50と、素子間磁性層70とを備えている。
空間光変調器1は、次の階層構造となっている。
ここでは、一例として、基板10の上には、下部電極20として、行方向に4本の電極21,22,23,24が形成されている。特に区別しない場合、下部電極20と表記する。下部電極20間には絶縁層40が形成されている。
下部電極20の上には、複数の光変調素子30が2次元配列されている。光変調素子30間には絶縁層40が形成されている。
光変調素子30の上には、透明な上部電極50として、列方向に3本の電極51,52,53が形成されている。特に区別しない場合、上部電極50と表記する。上部電極50間には絶縁層40が形成されている。
上部電極50の上には、絶縁層40を介して素子間磁性層70が形成されている。
空間光変調器1は、上方から入射する光を、光変調素子30の磁気光学効果により入射変調して反射する反射型の空間光変調器である。
図1に仮想線で示す画素単位2のA−A線矢視における断面図を図2(a)に示し、図1のA−A線矢視における断面図を図3に示す。
図2(a)に示すように、光変調素子30の下には紙面の横方向(行方向)に延設された下部電極21が配置され、また、光変調素子30の上には紙面に垂直な方向(列方向)に延設された上部電極52が配置されている。ここで、上部電極52は透明電極部材で構成されており、図2(a)の断面図ではハッチングを省略した。なお、図4(a)および図9(b)も同様な趣旨で一部のハッチングを省略している。
図2(a)に示すように、光変調素子30は、基板10側から順に、磁化固定層31と、中間層32と、磁化自由層33と、を備えている。
磁化固定層31は、磁化の向きが一方向に固定された磁性層である。
すべての光変調素子30において磁化固定層31は、例えば、磁化の向きが上向きに固定されている(図3参照)。
磁化自由層33は、磁化固定層31よりも容易に磁化の向きを回転することができる磁性層である。
中間層32は、磁化固定層31と磁化自由層33との間に設けられた非磁性層である。
なお、図2(a)および図3の例では、磁化自由層33の上に保護層34を備えているが、これはオプションである。
絶縁層40は、絶縁体からなる。以下では、絶縁層40を、基板10側から順に、絶縁層41と、絶縁層42と、に形式的に2つの層に区別して説明するが、絶縁層41と絶縁層42とは、同じ材料で一体的に形成されている。
図3に示すように、空間光変調器1は、複数の光変調素子30が2次元配列され当該光変調素子30,30間に絶縁層41を備える階層と、光変調素子30同士の間に対応する領域であって絶縁層41の光入射側の一面を被覆するように設けられた素子間磁性層70と、光変調素子30と素子間磁性層70との間を絶縁する絶縁層42と、を備えている。
図3には、説明のため、空間光変調器1への入射光を模式的に示す矢印と、空間光変調器1からの反射光を模式的に示す矢印と、光変調素子30および素子間磁性層70の磁化の向きを模式的に示す白抜き矢印とが記載されている。それらの模式的な矢印を見易くするため、図3では、絶縁層41,42等の一部の断面のハッチングを省略している。なお、図5および図10も同様な趣旨で一部のハッチングを省略している。
素子間磁性層70は、磁化の向きが一方向に固定された磁性層である。
素子間磁性層70は、例えば、磁化の向きが上向きに固定されている(図3参照)。
なお、図2(a)および図3の例では、素子間磁性層70の上に保護層71を備えているが、これはオプションであり、図1では省略している。
図2(b)は、図2(a)の略図であって、明状態における光変調素子30の磁化の向きを模式的に示す図である。
図2(c)は、図2(a)の略図であって、暗状態における光変調素子30の磁化の向きを模式的に示す図である。
図3に示すように、空間光変調器1において、絶縁層41は、例えば、電極51の下に配置された光変調素子30と、電極52の下に配置された光変調素子30との間に設けられている。一方で、図1では、空間光変調器1において、絶縁層41は、例えば、電極21の上に配置された光変調素子30と、電極22の上に配置された光変調素子30との間にも設けられている。つまり、平面視では、絶縁層41の膜の中に、複数の光変調素子30が絶縁体による縦横の仕切線で分離されて2次元配列されている。
図3に示すように、空間光変調器1において、絶縁層42は、例えば、電極51と電極52との間に絶縁体が設けられている下側の階層と、全面に絶縁体が形成された上側の階層とを備えている。これを、図1の平面図にあてはめると、絶縁層42の下側の膜の中では、複数の上部電極50が絶縁体による縦の仕切り線で分離されていることになる。
また、絶縁層42の上側の膜は、各光変調素子30および光変調素子30,30間を被覆するように、平面全面に形成されている(図2(a)および図3参照)。
絶縁層42は、その上下に設けられている素子間磁性層70と光変調素子30とを絶縁するために設けられている。
[2.空間光変調器の各構成要素の詳細]
<基板>
基板10は、下部電極20を形成するために設けられている。基板10の材料は、公知の基板材料が適用できる。本実施形態では、基板10として、例えば、シリコン基板の表面を熱酸化した酸化膜付シリコン基板を用いる。
<電極>
≪下部電極≫
下部電極20は、一般的な電極材料で構成されている。このような材料として、例えば、導電性のよいCu,Al,Au,Ag,Ta,Cr等の金属やその合金を挙げることができる。本実施形態では、一例として、下部電極20には、Cuを用いることとした。
下部電極20の形成方法としては、例えばスパッタリング法等の公知の方法により電極材料を成膜し、フォトリソグラフィ工程と、エッチングまたはリフトオフ法等の工程とを用いることができる。
≪上部電極≫
上部電極50は、入射光が透過し易いような電極材料で構成されている。このような材料として、例えばインジウム−スズ酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:IZO)等の公知の透明電極材料を挙げることができる。本実施形態では、一例として、上部電極50には、IZOを用いることとした。
上部電極50の形成方法は、下部電極20と同様である。なお、透明電極材料の成膜方法は、スパッタリング法の他に、真空蒸着法、塗布法等を用いることもできる。
<絶縁体>
絶縁層40を形成する絶縁体は、一般的な絶縁体材料で構成されている。このような材料として、例えばSiO2やAl23等の酸化膜や、Si34やMgF2等を挙げることができる。本実施形態では、一例として、絶縁層40は、SiO2で構成されていることとした。
<光変調素子>
光変調素子30は、スピン注入型光変調素子であり、例えばCPP−GMR素子やTMR素子で構成される。本実施形態では、一例として、光変調素子30は、CPP−GMR素子で構成されていることとした。
≪磁化自由層≫
磁化自由層33の材料としては、磁気光学効果の大きい材料を用いることができる。
磁化自由層33の材料は、例えばCPP−GMR素子やTMR素子に用いられる公知の磁性材料を用いることができる。このような磁性材料は、垂直磁気異方性材料または面内磁気異方性材料であり、例えば、CoFeB、CoFe、Co、Fe、CoFeSi、CoFeGe等遷移金属系材料を主に用いることができる。
また、(遷移金属/貴金属)多層膜、Co/Pt多層膜、Co/Pd多層膜、Fe/Pd多層膜、CoFe/Pd多層膜、Fe/Pt多層膜等を挙げることができる。
または、希土類金属と遷移金属の合金(RE−TM合金)、GdFe合金、GdCoFe合金、GdCo合金、TaFeCo合金、Tb−Fe−Co合金等を挙げることができる。さらに、L10系の規則合金としたFePt,FePd等を挙げることができる。
本実施形態では、一例として、磁化自由層33は、垂直磁気異方性材料のGdFe合金で構成されていることとした。
≪中間層≫
中間層32は、光変調素子30が例えばCPP−GMR素子なのかTMR素子なのかに応じて、材料が異なる。
本実施形態のように光変調素子30がCPP−GMR素子で構成されている場合、中間層32は、例えば、Cu、Al、Au、Ag等の金属からなり、その厚さは1〜10nmとすることが好ましい。以下では、一例として中間層32はAgで構成されているものとする。なお、光変調素子30がTMR素子であれば、中間層32は、絶縁体の層で構成される。このような絶縁体の層は、例えばAl23、MgOのような絶縁体や、Mg/MgO/Mgのような絶縁体を含む積層膜からなり、その厚さは0.1〜2nmとすることが好ましい。
≪磁化固定層≫
磁化固定層31は、磁化自由層33と同様に、CPP−GMR素子やTMR素子に用いられる公知の磁性材料にて構成することができる。ただし、磁化固定層31は磁化が固定されるように、磁化自由層33よりも保磁力が大きくなるように、磁性材料や厚さが選択される。本実施形態では、一例として、磁化固定層31は、垂直磁気異方性材料のTb−Fe−Co合金で構成されていることとした。
<素子間磁性層>
素子間磁性層70は、光変調素子30の磁化自由層33と同様に、CPP−GMR素子やTMR素子に用いられる公知の磁性材料にて構成することができる。
本実施形態では、素子間磁性層70は、そのカー回転角(以下、θk2と表記する)が、光変調素子30の磁化自由層33のカー回転角(以下、θk1と表記する)とほぼ同等となるように構成されている。ここで、素子間磁性層70のカー回転角θk2と、磁化自由層33のカー回転角θk1とがほぼ同等とは、素子間磁性層70のカー回転角の絶対値|θk2|と、磁化自由層33のカー回転角の絶対値|θk2|とが同じオーダーで、その誤差が例えば20%以内であることを意味する。さらに、その誤差が10%以内であることが好ましく、|θk2|と|θk1|とが等しいことが望ましい。
また、本実施形態では、素子間磁性層70は、その保磁力が、光変調素子30の磁化自由層33の保磁力よりも大きくなるように構成されている。
ここで、素子間磁性層70の保磁力が、磁化自由層33の保磁力よりも大きいとは、それぞれの保磁力の絶対値が同じオーダーではなく、桁が違うことを意味する。さらに、その違いは十数倍以上であることが好ましく、違いが100倍以上であることが望ましい。
本実施形態では、素子間磁性層70は、その保磁力が磁化自由層33の保磁力より大きく、かつ、素子間磁性層70のカー回転角の絶対値|θk2|は、磁化自由層33のカー回転角の絶対値|θk1|と同程度で収まる範囲の磁性材料で構成されていることとした。
このような磁性材料を用いた磁性膜の物理特性の一例について図6(a)および図6(b)を参照して説明する。前提として、空間光変調器1の光変調素子30を構成する磁化自由層33に用いたものと同様の条件でGdFe合金膜を作製した。また、空間光変調器1の素子間磁性層70に用いたものと同様の条件でTb−Fe−Co合金膜を、前記GdFe合金の磁性膜と同じ形状で形成した。なお、2つの磁性膜は、成膜条件は同じであるが、材料が異なるので当然に膜厚が異なる。
そして、波長780nmのレーザ光源を用いて、各磁性膜に対して印加する印加磁界の大きさおよび向きを変化させたときのカー回転角を測定した。
このときにGdFe合金膜(磁化自由層33に対応)について測定された、印加磁界−カー回転角特性の一例を図6(a)に示す。また、このときにTb−Fe−Co合金膜(素子間磁性層70に対応)について測定された、印加磁界−カー回転角特性の一例を図6(b)に示す。なお、保磁力の単位については、1[Oe]=79.577[A/m]で換算可能である。
図6(a)および図6(b)において、横軸は、磁性膜に印加した磁界(印加磁界)を示し、縦軸はカー回転角を示す。ただし、図6(a)の横軸の目盛りは図6(b)の横軸の目盛りよりも1桁小さい。
図6(a)に示すように、GdFe合金膜(磁化自由層33に対応)の場合、保磁力Hcは60Oeであり、カー回転角の絶対値|θk1|は0.14度であった。
図6(b)に示すように、Tb−Fe−Co合金膜(素子間磁性層70に対応)の場合、保磁力Hcは8kOeであり、カー回転角の絶対値|θk2|は0.13度であった。
図6(a)および図6(b)の結果を比較すると、GdFe合金膜(磁化自由層33に対応)のカー回転角の絶対値|θk1|を基準にしたとき、Tb−Fe−Co合金膜(素子間磁性層70に対応)のカー回転角の絶対値|θk2|との誤差は約7%であることが分かる。
また、GdFe合金膜(磁化自由層33に対応)の保磁力Hcを基準にしたとき、Tb−Fe−Co合金膜(素子間磁性層70に対応)の保磁力Hcは、その約133倍であることが分かる。なお、保磁力については、磁化自由層33の磁化の向きが容易に反転する範囲で素子間磁性層70の磁化が一方向に固定できていれば、素子間磁性層70の保磁力は素子間磁性層70の10倍程度でもよい。つまり、この例の場合、Tb−Fe−Co合金膜(素子間磁性層に対応)の保磁力Hcは、測定値よりも1桁小さい800Oe程度であってもよい。
再び図1〜図3を参照して空間光変調器1の各構成要素の詳細について説明する。
<オプション>
≪保護層≫
保護層34は、光変調素子30の磁化自由層33を保護するものである。また、特に磁化自由層33が酸化し易いRE−TM合金を含む場合、表面(上面)の酸化を防止するために必要に応じて設けられる。保護層34は、例えば、Ta,Ru,Cuの単層で形成される。または、磁化自由層33の側から順にCu/Taの2層の金属膜や、Cu/Ruの2層の金属膜で形成される。本実施形態では、一例として、保護層34は、Ru単層で構成されていることとした。
保護層71は、素子間磁性層70を保護するものであり、保護層34と同様の材料で構成される。
≪下地層≫
光変調素子30の磁化固定層31と下部電極20との間に、密着性を良好にするための下地層(図示省略)を設けてもよい。
≪金属膜≫
透明な上部電極50と光変調素子30との間に、接触抵抗を低減させて応答速度を上げるための金属膜(図示省略)を介在させてもよい。
≪電流供給及び画素選択装置≫
図1に示す電流供給及び画素選択装置80は、図1に模式的にパルス波形を示したように例えばパルス電流を流す電流源81(図7参照)を備え、マトリクススイッチ等により2次元配列された光変調素子30を選択して電流を供給する公知の電流供給及び画素選択装置で構成されている。このために、電流供給及び画素選択装置80は、下部電極20(21,22,23,24)を選択する機能と、上部電極50(51,52,53,54)を選択する機能と、選択された下部電極20と上部電極50の間に電流を供給する機能とを備える。図1において縦に延設された上部電極50と、図1において横に延設された下部電極20と、の交点として選択された光変調素子30の磁化自由層33の磁化の向きは、電流源81からのパルス電流を流す向きによって制御される。
電流供給及び画素選択装置80は、空間光変調器1において明状態にすべき光変調素子30をターゲット画素として選択し、磁化自由層33の磁化の向きを、磁化固定層31とは異なる向きに反転する制御を行い、暗状態にすべき光変調素子30の磁化自由層33の磁化の向きを、磁化固定層31と同じ向きにする制御を行う機構である。なお、初期状態では、磁化自由層33の磁化の向きは、磁化固定層31と同じように上向きとしている。
≪光照射機構≫
空間光変調器1と、電流供給及び画素選択装置80に加えて、さらに、光照射機構を設けることで、ホログラフィ表示装置を構成することができる。前記光照射機構は、例えばレーザ光源90(図7参照)と、偏光フィルタ91(図3参照)と、偏光フィルタ92(図3参照)とを備える。
[3.空間光変調器の作製方法]
図1〜図3に示す空間光変調器1の作製方法の一例を以下に示す。
なお、本実施形態では、前記したように、磁化固定層31および素子間磁性層70の材料にTb−Fe−Co、中間層32の材料にAg、磁化自由層33の材料にGdFe合金、保護層34の材料にRuをそれぞれ用いている。
<製膜工程:S1>
まず、基板10として酸化膜付シリコン基板を用意し、下部電極20を形成する。この下部電極20を形成した酸化膜付シリコン基板上に、磁化固定層31、中間層32、磁化自由層33、保護層34の順に真空中で一貫して成膜する。成膜には、スパッタリング法等公知の技術を用いる。
<絶縁層形成工程:S2>
保護層34上に、画素サイズのレジストを形成した後、Arイオン等によるイオンビームミリング法によって下部電極20までミリング加工し、絶縁層41を堆積する。
<素子間磁性層形成工程:S3>
レジストを剥離した後に上部電極50を形成する。そして、上部電極50の上から全面に絶縁層42を形成し、再度、画素サイズのレジストを形成し、素子間磁性層70を堆積する。最後に、レジストをリフトオフすることで、光変調素子30以外のエリアに素子間磁性層70が形成された空間光変調器1が完成する。
[4.空間光変調器による光変調動作例]
図1〜図3に示す空間光変調器1の光変調動作例について、図8〜図10に示すような空間光変調器101と対比させながら説明する。図8〜図10は図1〜図3にそれぞれ対応している。空間光変調器101は、図8〜図10に示すように、素子間磁性層70を備えておらず、絶縁層42が、例えば、電極51と電極52との間に設けられているものの、全面には形成されていない点が、第1実施形態に係る空間光変調器1と相違している。
この比較例の空間光変調器101において、空間光変調器1と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図8に仮想線で示す画素単位102のD−D線矢視における断面図を図9(a)に示し、図8のD−D線矢視における断面図を図10に示す。
なお、図9(b)は、図9(a)の略図であって、画素単位102に配置された光変調素子30の明状態における磁化の向きを模式的に示す図である。
また、図9(c)は、図9(a)の略図であって、画素単位102に配置された光変調素子30の暗状態における磁化の向きを模式的に示す図である。
図10において、電極51の下に配置された光変調素子30の磁化自由層33は、磁化の向きが下向きになっている。そのため、偏光フィルタ91を通過した光であって、この磁化自由層33で反射した光は、偏光フィルタ92を通過する。すなわち、明状態となる(図9(b)参照)。
図10において、電極52の下に配置された光変調素子30の磁化自由層33は、磁化の向きが上向きになっている。そのため、偏光フィルタ91を通過した光であって、この磁化自由層33で反射した光は、偏光フィルタ92でカットされる。すなわち、暗状態となる(図9(c)参照)。
なお、以上の2つの動作は、第1実施形態に係る空間光変調器1も同様である。
しかしながら、図10に示すように、比較例の空間光変調器101では、素子間磁性層70を備えていない。そのため、図10において、偏光フィルタ91を通過した光であって、電極51と電極52との間に配置された絶縁層42で反射した光は、偏光面が回転していない。よって、絶縁層42で反射した光は、図9(b)の「明状態」となることはなく、かつ、図9(b)の「暗状態」ともならずに明・暗の中間状態となってしまう。つまり、比較例の空間光変調器101では、光変調素子30,30間の絶縁層42からの反射光は、偏光フィルタ92では完全には取り除くことができない。そのため、例えばホログラフィ立体像として表示される再生像のノイズ成分となって、コントラストが低下してしまう。
これに対して、図3に示すように、第1実施形態に係る空間光変調器1では、光変調素子30,30間の絶縁層41の上方であって、全面に形成された絶縁層42の上方に、磁化の向きが上向きに固定された素子間磁性層70を備えている。そのため、図3において、電極51の下に配置された光変調素子30と、電極52の下に配置された光変調素子30と、の間に対応する領域の上方に設けられた素子間磁性層70に光が入射した場合、暗状態となる。
さらに、本実施形態の空間光変調器1では、素子間磁性層70は、そのカー回転角が、光変調素子30の磁化自由層33のカー回転角とほぼ同等となるように構成されている。
したがって、例えば、光変調素子30の磁化自由層33の磁化の向きが上向きの場合、すなわち暗状態の場合、図3に示すように、磁化自由層33からの反射光の偏光状態と、素子間磁性層70からの反射光の偏光状態とが同等であるため、磁化自由層33からの反射光と、素子間磁性層70からの反射光とは、偏光フィルタ92で同等に遮蔽される。一方、光変調素子30の磁化自由層33の磁化の向きが下向きの場合、すなわち明状態の場合、磁化自由層33からの反射光のみが、偏光フィルタ92を透過する。そのため、空間光変調器1では、高コントラストなホログラフィ立体像を表示することができる。
空間光変調器1にレーザ光を照射したときに再生されるホログラフィ立体像の視域角Ψは、下記式(1)で表される。式(1)において、Pは空間光変調器1の画素ピッチ(図3参照)、λは入射した光の波長、φは空間光変調器の最大回折角を示す。
Figure 0006321927
(第2実施形態)
図4および図5は、第2実施形態に係る空間光変調器1Bを模式的に示す図である。
空間光変調器1Bは、絶縁層42が光変調素子30,30の間に対応する領域を被覆するように設けられている点が、第1実施形態の空間光変調器1と相違する。そのため、空間光変調器1Bの平面図は図1と同様なので省略する。また、図4および図5は、図2および図3にそれぞれ対応している。空間光変調器1Bにおいて、空間光変調器1と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の空間光変調器1Bにおいて、絶縁層42は、例えば、電極51と電極52との間に絶縁体が設けられている下側の階層と、その上側の階層であって素子間磁性層70の下に配置された絶縁体の膜の階層とを備えている。つまり、空間光変調器1Bでは、光変調素子30の上には絶縁体を設けていない(図4(a)参照)。
光変調素子30の上に絶縁体を設けると、その絶縁体の層が透明であったとしても、その絶縁体の層を往復して通過する光のエネルギーロスがどうしても生じてしまう。つまり、回折効率が低減してしまう。これに対して、空間光変調器1Bは、このような光の利用効率が低減する事態を防止する効果がある。
この空間光変調器1Bの作製方法は、空間光変調器1と同様に、前記した製膜工程(S1)、前記した絶縁層形成工程(S2)を行った後、素子間磁性層形成工程(S3B)として、以下の工程を行えばよい。すなわち、S2に続いて、レジストを剥離した後に上部電極50を形成する。そして、上部電極50の上に、再度、画素サイズのレジストを形成し、全面に絶縁層42を形成し、素子間磁性層70を堆積する。最後に、レジストをリフトオフすることで、光変調素子30以外のエリアに素子間磁性層70が形成された空間光変調器1Bが完成する。
以上、実施形態に基づいて本発明に係る空間光変調器について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、磁化固定層31および素子間磁性層70は、磁化の向きが上向きに固定されているものとしたが(図3参照)、下向きに固定してもよい。この場合には、偏光フィルタ92の設定を変更して、磁化自由層33の磁化の向きが上向きであるときに「明状態」となるようにすればよい。
また、すべての光変調素子30において磁化固定層31が一方向に固定されていれば、その方向は、素子間磁性層70と反対の向きであってもよい。この場合、初期状態では、磁化自由層33の磁化の向きは、磁化固定層31とは反対の向き(素子間磁性層70と同じ向き)とすればよい。
また、磁化自由層33のカー回転角と、素子間磁性層70のカー回転角とがほぼ同等となる組み合わせとしてGdFe合金膜と、Tb−Fe−Co合金膜との組み合わせを説明したが、組み合わせはこれに限定されるものではない。
また、本実施形態では、磁化固定層31および素子間磁性層70の材料を同じものとしたが、異なる材料を用いてもよい。
1,1B,101 空間光変調器
2,2B,102 画素単位
10 基板
20(21,22,23,24) 下部電極
30 光変調素子
31 磁化固定層
32 中間層
33 磁化自由層
34 保護層
40(41,42) 絶縁層
50(51,52,53) 上部電極
70 素子間磁性層
71 保護層
80 電流供給及び画素選択装置
81 電流源
90 レーザ光源
91,92 偏光フィルタ
93 ハーフミラー

Claims (4)

  1. 磁化の向きが一方向に固定された磁化固定層と、前記磁化固定層よりも容易に磁化の向きを回転することができる磁化自由層と、前記磁化固定層と磁化自由層との間の中間層とを少なくとも有する光変調素子の磁気光学効果により前記磁化自由層側からの入射光を変調する空間光変調器において、
    複数の前記光変調素子が2次元配列され当該光変調素子間に絶縁体を備える階層と、
    前記光変調素子同士の間に対応する領域であって前記絶縁体の光入射側の一面を被覆するように設けられた素子間磁性層と、
    前記光変調素子と前記素子間磁性層との間を絶縁する絶縁体の層と、を備え、
    前記素子間磁性層は、磁化の向きが前記磁化固定層における磁化の向きと同一方向または方向に固定されており、
    前記素子間磁性層は、そのカー回転角が、前記光変調素子の磁化自由層のカー回転角とほぼ同等となるように構成されていることを特徴とする空間光変調器。
  2. 前記光変調素子と前記素子間磁性層との間を絶縁する絶縁体の層は、前記光変調素子および当該光変調素子間を被覆するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空間光変調器。
  3. 前記光変調素子と前記素子間磁性層との間を絶縁する絶縁体の層は、前記光変調素子同士の間に対応する領域を被覆するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空間光変調器。
  4. 前記素子間磁性層は、その保磁力が、前記光変調素子の磁化自由層の保磁力よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空間光変調器。
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