JP6320832B2 - 冷却凝固金属作製装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却凝固金属作製装置に関し、例えば、アークの熱エネルギーにより溶解された金属材料を冷却凝固機構(鋳型)の中空部に流し込むことにより、所望の形態の金属固体が得られる冷却凝固金属作製装置に関する。
例えば棒状の金属バルク材を製造するものとして、アーク溶解により金属材料を溶融状態とし、これを水冷鋳型に瞬時に鋳込んで成形品を得る差圧鋳造式の鋳造装置(冷却凝固金属作製装置)が知られている。
特許文献1には、前記水冷鋳型として、図10に断面で示すように左右に分離可能な鋳型50が開示されている。この鋳型50は、対向配置された一対の第1構成部材50aと第2構成部材50bとからなり、相互に対向する面側に鋳型面50cが形成され、両部材が合体することにより中空部S1が形成されるようになっている。
前記鋳型50は、ハース保持部材60に保持されたハース部材61の直下において昇降可能に配置される。具体的には、前記鋳型50は、図11に示す昇降装置70によって、前記ハース部材61に対して昇降可能に設けられ、下降することにより前記一対の第1構成部材50aと第2構成部材50bとが左右に分離し、上昇することにより第1構成部材50aと第2構成部材50bとが合体するようになっている。
より詳しくは、図10に示すように、前記ハース部材61は、その上面側に窪み62(凹部)が形成され、下面側には、上方に凹む凹部61bが形成されている。前記窪み62の底部及び前記凹部61bの頂部には、所定径の貫通孔61aが上下方向に貫通して設けられている。
また、前記凹部61bには、図示するように鋳型50の上端部が収容可能となされている。具体的には、鋳型50の周りにフランジ50dが設けられ、鋳型50がハース部材61に向けて上昇移動すると、フランジ50dがハース部材61下端に係止し、鋳型50の上端部のみが凹部61bに挿入されるようになっている(挿着状態となる)。尚、ハース部材61の下端にはOリング65が設けられ、前記鋳型50のフランジ50dが係止すると、凹部61b内は密閉される。
また、ハース部材61下端に鋳型50のフランジ50dが係止した状態で、鋳型50の上部とハース部材61の凹部61bとの間には間隙S2が形成される。この間隙S2は、ハース部材61の貫通孔61aと鋳型50の中空部S1とに連通する。また、図示するように鋳型50の第1構成部材50aの内部には、ガス流路である吸引路65が形成され、この吸引路65は前記間隙S2に連通している。また、前記吸引路65は、第1構成部材50aの下部外周面側に設けられた吸引孔65aに連通している。
即ち、前記吸引孔65aから、吸引ポンプなどの吸引手段(図示せず)により吸引すると、吸引路65及び間隙S2を介して鋳型50の中空部S1及びハース部材61の貫通孔61aが減圧され、チャンバ50の気圧よりも負圧になるように構成されている。このように、鋳型50に吸引口を特別に設けるのでなく、鋳型50がハース部材61に向けて上昇移動し、鋳型50の上端部が凹部61bに挿入されると(挿着状態となると)自動的に吸引経路が形成されるようになっている。
このように構成された鋳型装置においては、ハース部材61の窪み62に溶融固化した金属Mが設置され、ハース部材61の上方のアーク溶解用電極(図示せず)の先端からアーク放電を生じさせ金属Mを溶解する。尚、ハース部材61の窪み62には貫通孔61aが形成されているが、ハース部材61と鋳型50とが分離されているため、窪み62側の気圧と貫通孔61a側の気圧とが等しく、溶融金属Mは、その表面張力により貫通孔61aから下方に流れ落ちることがない。
ハース部材61の窪み62に充分に溶解された溶融金属Mが形成されると、図11に示す昇降装置70において、シリンダ71の駆動により(一対の)ピストンロッド72が上昇される。
これにより垂直スライド部材73が支柱74に形成されたガイド溝74aに沿って上昇しつつ、水平スライド部材75が内側に水平移動する。このため、第1構成部材50aと第2構成部材50bとが接近して合体し、図11に示すように鋳型50を形成する。
また、鋳型50が上昇すると、図10に示すように鋳型50のフランジ50dがハース部材61の下端に当接し、鋳型50の上端部が凹部61bに収容された状態で密閉される(鋳型50がハース部材61の裏面側に装着された状態となる)。
次いで、吸引ポンプなどの吸引手段(図示せず)により吸引孔65aから吸引し、ハース部材61の貫通孔61a及び鋳型面50cの空間S1をチャンバ(図示せず)の気圧よりも負圧とする。これにより、窪み62の溶融金属Mは、貫通孔61aから鋳型50の空間S1に鋳込まれ(注湯され)、冷却されて成形品とされる。
鋳型50内に成形品が形成されると、図11に示す状態からシリンダ71の駆動により一対のピストンロッド72が下降される。
これにより図12に示すように垂直スライド部材73がガイド溝74aに沿って下降しつつ、水平スライド部材75が外側に水平移動する。そして、鋳型50の第1構成部材50aと第2構成部材50bとが左右に分離する。
このとき、図12に示す成形品Nが自重により落下して装置下方に排出されれば、それで成形品Nが得られることになるが、図示するように第1構成部材50aと第2構成部材50bのいずれか一方に密着したままの場合もある(図12では第1構成部材50aに密着している)。
さらにピストンロッド72が下降して垂直スライド部材73がガイド溝74aに沿って下降すると、図13に示すようにガイド部材76の有する押しピン76aの先端がピン支持板77に当接し、第1構成部材50aが後退するため、イジェクトピン78先端が鋳型面50cから突出する。これによりイジェクトピン78先端が成形品Nの側面を押圧して、成形品Nを鋳型面50cから分離させる。
そして、図13に示すように垂直スライド部材73が最も下降すると、成形品Nの底部に立設ピン80の上端が当接し、イジェクトピン78と成形品Nとが分離される。これにより成形品Nはその自重により下方に落下して排出され、成形品Nが得られることになる。
このように特許文献1に開示された鋳造装置によれば、鋳型50が第1構成部材50aと第2構成部材50bとに分離可能であるため、メンテナンスが容易であり、また、鋳型50で成形された成形品Nをイジェクトピン78で押し出すことができるため、成形品を確実に取り出すことができる。
特開2014−39936号公報
しかしながら、特許文献1に開示された構成にあっては、鋳型50において成形品を形成後、成形品を取り出すために、イジェクトピン78で押し出す必要があり、鋳型50を構成する第1構成部材50aと第2構成部材50bとを分離し、イジェクトピン78を押し出すための複雑な機構を有する昇降装置70を用いて分離しなければならなかった。
そのため、1つの成形品の取り出し作業に時間を要し、効率が悪いため量産に適さないという課題があった。また、昇降装置70が複雑な構造を有するため、装置に掛かるコストが高くなるという課題があった。
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、冷却凝固金属作製装置において、冷却凝固機構に形成された成形品を容易に取り出して効率的に成形品を量産することができ、且つ装置に掛かるコストを低く抑えることのできる冷却凝固金属作製装置を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係る冷却凝固金属作製装置は、溶融材料が流し込まれる冷却凝固機構を備え、前記冷却凝固機構の鋳型面により金属固体が得られる冷却凝固金属作製装置であって、前記冷却凝固機構は、第1型部材と、前記第1型部材の内面側に互いに隣接して対称配置され、前記第1型部材に対し観音開き式に開閉可能に設けられた一対の第2型部材と、前記第1型部材に対し前記一対の第2型部材が閉じた状態で、該一対の第2型部材の対向する先端の前記第1型部材側の所定領域と該所定領域に対向する前記第1型部材の内面側の所定領域とにより3つに分割された鋳型面とを有し、
前記一対の第2型部材における前記分割された鋳型面は断面円弧状に形成され、その円弧の中心角が90°以上に形成されていることに特徴を有する。
このように構成することにより、鋳型面に成形品を形成後、前記一対の第2型部材を開いた際に、分割された鋳型面の縁部(エッジ)に成形品を引っ掛け、容易に取り出すことができる。
また、成形品の排出にイジェクトピンによる成形品を鋳型から押し出す動作を必要とせずに、3つに分割された鋳型の開閉動作により成形品を排出できるので、複雑な機構が必要ないため、装置に掛かるコストを低く抑えることができる。
尚、ここで金属固体としては、純金属のみでなく、合金であってもよく、また加熱により溶融された材料を用意することができれば、非金属材料と金属との合金であってもよい。さらに例えばSiのような半金属であってもよい。
また、前記対称配置される一対の第2型部材において、対称配置とは、一対の第2型部材が完全に対称配置されているものだけでなく、対称軸を挟んで上下左右方向に多少位置がずれているものも含む。
また、先端が所定方向に向けられた一対の型割棒と、少なくとも前記冷却凝固機構と前記一対の型割棒とのいずれかを移動させ、相互の相対位置を変更する移動手段とを備え、 前記第1型部材には前記一対の型割棒を挿通可能な一対の貫通孔が形成され、前記移動手段により、前記一対の型割棒の先端が前記第1型部材の一対の貫通孔に挿通されて前記一対の第2型部材を下面側から押し開くことが望ましい。
或いは、所定方向に向けられた一対の型割棒と、前記観音開き式に開閉する一対の第2型部材に設けられ、それぞれの回転軸よりも外方に延設された一対の係合部材と、少なくとも前記冷却凝固機構と前記一対の型割棒とのいずれかを移動させ、相互の相対位置を変更する移動手段とを備え、前記移動手段により、前記一対の型割棒に対し前記一対の係合部材が当接し、前記一対の第2型部材を回動させて開くようにしてもよい。
或いは、所定方向に向けられた一対の型割棒と、前記観音開き式に開閉する一対の第2型部材に設けられ、それぞれの回転軸よりも外方に延設された一対の係合部材と、前記冷却凝固機構を所定方向に回転させる回転駆動手段とを備え、前記回転駆動手段が前記冷却凝固機構を回転させることにより、前記一対の型割棒に対し前記一対の係合部材が当接し、前記一対の第2型部材を回動させて開くようにしてもよい。
尚、前記第1型部材の両側側面に対し前記一対の第2型部材の外側側面が、所定方向に付勢力を有する蝶番により連結され、前記蝶番により前記一対の第2型部材は前記第1型部材に対し閉じる方向に付勢されていることが望ましい。
このように鋳型を回転させることにより、第1型部材に対する一対の第2型部材の開閉を自動的に行うことができるため、連続的に効率よく成形品を量産することができる。
冷却凝固金属作製装置において、冷却凝固機構に形成された成形品を容易に取り出して効率的に成形品を量産することができ、且つ装置に掛かるコストを低く抑えることのできる冷却凝固金属作製装置を得ることができる。
図1は、本発明に係る冷却凝固金属作製装置の主要部を示す平面図である。 図2は、図1の冷却凝固金属作製装置の正面図である。 図3は、図1の冷却凝固金属作製装置が有する冷却凝固機構の平面図である。 図4は、図3の冷却凝固機構の背面図である。 図5(a)は、図3のA−A矢視断面図であり、図5(b)は、図3の冷却凝固機構の側面図である。 図6(a)、図6(b)は、それぞれ状態の異なる冷却凝固機構の正面図である。 図7は、冷却凝固機構の回転範囲を示す側面図である。 図8は、型割ピンにより冷却凝固機構の上型部材を押し開く状態を示す正面図である。 図9(a)、図9(b)は、冷却凝固機構の変形例であって、それぞれ状態の異なる冷却凝固機構の正面図である。 図10は、従来の冷却凝固機構の構成を示す断面図である。 図11は、図10の冷却凝固機構に金属材料を流し込む状態を示す断面図である。 図12は、図10の冷却凝固機構を分割する状態を示す断面図である。 図13は、図10の冷却凝固機構から成形品を取り出す状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明に係る冷却凝固金属作製装置(以下、鋳造装置と呼ぶ)の主要部を示す平面図であり、図2はその正面図である。図1に示す鋳造装置1(冷却凝固金属作製装置)は、所定の不活性ガス(アルゴンガスなど)が充填される真空のチャンバ2(壁部のみ部分的に示す)内に配置され使用される。
この鋳造装置1は、金属材料を溶解するためのハース部材3と、ハース部材3で溶解された溶融金属から鋳造するための鋳型10(冷却凝固機構)とを備えている。尚、本発明に係る鋳造装置1に用いる金属材料は、純金属のみでなく、合金であってもよく、また加熱により溶融状態となるならば、非金属材料と金属との合金であってもよい。さらに例えばSiのような半金属であってもよい。
前記ハース部材3は、金属材料を溶解し溶融金属(溶湯、溶融材料)とするための窪み11(凹部)を有している。この窪み11の開口縁部の一部分は、図1に示すようにハース部材3の上面の一辺に交差しており、そこに溶融金属を鋳型10に流し移すための注ぎ口11aが形成されている。
また、窪み11の左右斜め上方には、水冷された棒状のアーク溶解用電極15、16が、下方に先端(放電電極)を向けた状態で配置されている。ハース部材3において、窪み11の左右両側には、アーク溶解用電極15、16の先端部が挿入可能な待機部12、13が設けられ、そこにアーク溶解用電極15、16の先端部が挿入された状態で準備工程としてのアーク放電が行われるようになっている。
また、前記アーク溶解用電極15、16は、窪み11内の溶融金属との距離(放電距離)を調節し、かつ、万遍に加熱できるように、例えばステッピングモータを用いた移動機構(図示せず)により上下移動及び前後左右に首振り可能となされている。
また、ハース部材3に対し鋳型10が例えばボルト結合により一体的に連結されており、ハース部材3の窪み11の注ぎ口11aが鋳型10側に接するように配置されている。
また、前記注ぎ口11aが隣接する鋳型10は、その上面高さが注ぎ口11aの高さよりも高いために、連結部が段差状となっており、鋳型10側に段差壁面10aが形成されている。
図1,図2に示すように、前記段差壁面10aには平面視でV字状に凹む溶湯受け部10bとそのV字先端に設けられた湯口20が形成されている。また、湯口20と前記注ぎ口11aとの間には、湯口20に向かってテーパ状に凹み形成された流路17が形成されている。尚、図3に示すように溶湯受け部10bのV字の開き角θ1は、望ましくは120°以上となされる。
また、図1、図2に示すように、チャンバ2内にはチャンバ底部から立設された一対の支柱45、46が左右対称に配置され、これら支柱45,46の間に前記ハース部材3及び鋳型10が支持される。具体的には、支柱45とチャンバ2壁部との間に軸棒47が回転自在に貫装され、支柱46とチャンバ2壁部との間であって前記軸棒47と同軸上に軸棒48が回転自在に貫装され、前記軸棒47、48の先端にハース部材3の左右側面側が支持されている。
これによりハース部材3及び鋳型10は、前記軸棒47、48を軸に回転自在となされ、鋳型10がハース部材3の下方となるよう所定角度回転させることにより、ハース部材3の窪み11に形成された溶融金属を鋳型10の湯口20から流し込むことができるようになっている。
尚、前記軸棒47、48のいずれかには、これを軸周りに所望の角度回転させるためのステッピングモータなどの回転駆動手段(図示せず)がチャンバ2外に設けられている。
続いて、鋳型10の構造について、より詳しく説明する。図3は、鋳型10の平面図であり、図4は鋳型10の背面図である。また、図5(a)は図3のA−A矢視断面図であり、図5(b)は鋳型10の側面図である。また、図6(a)、(b)は、それぞれ状態の異なる鋳型10の正面図である。
図3、図4に示すように鋳型10は、大きくは3つの部材によって構成される。即ち、鋳型10はベースとなる略方形板状の下型部材30(第1型部材)と、下型部材30の上(内面側)に互いに隣接して対称配置される一対の第1上型部材31及び第2上型部材32(一対の第2型部材)とにより構成される。尚、ここで前記対称配置とは、前記一対の第1上型部材31と第2上型部材32とが、完全に対称配置されているものだけでなく、対称軸を挟んで上下左右方向に多少位置がずれているものも含む。
前記第1上型部材31の外側側面と下型部材30の一側面には図3に示すようにバネ蝶番41、42が取り付けられ、下型部材30に対して第1上型部材31がバネ蝶番41,42を軸に回動可能となされている。尚、バネ蝶番41,42は、下型部材30に対して第1上型部材31が閉じる方向に付勢しているため、例えば第1上型部材31に外力を加えることによって、下型部材30に対して第1上型部材31を開くことができる。
一方、第2上型部材32の外側側面と下型部材30の一側面には、図3、図5(b)に示すようにバネ蝶番43,44が取り付けられ、下型部材30に対して第2上型部材32がバネ蝶番43,44を軸に回動可能となされている。尚、バネ蝶番43,44は、下型部材30に対して第2上型部材32が閉じる方向に付勢しているため、例えば第2上型部材32に外力を加えることによって、下型部材30に対して第2上型部材32を開くことができる。
即ち、図6(a)に示す閉じた状態から、例えば第1上型部材31と第2上型部材32とに対し同時に外力を加えることによって、図6(b)に示すように、第1上型部材31と第2上型部材32とが観音開き式に開くように構成されている。
また、下型部材30に対して第1上型部材31と第2上型部材32とを閉じた際、それら3部材が集合して最も近接する位置、即ち、図3乃至図6に示すように前記一対の上型部材31,32の対向する先端下部(下型部材30側)の所定領域と、その所定領域に対向する下型部材30の上面(内面側)の所定領域とにより3つに分割された鋳型面33が形成されている。
具体的には、前記鋳型面33は円柱状の成形体を形成するための形状を有し、図6(a)、図6(b)に示すように下型部材30には鋳型面33aが形成され、第1上型部材31には鋳型面33bが形成され、第2上型部材32には鋳型面33cが形成されている。前記鋳型面33a,33b,33cは、それぞれ断面円弧状であり、すべてが合わさった際には図6(a)のように鋳型面33の断面が円形をなすように形成されている。
また、図6(b)に示すように、少なくとも鋳型面33b、33cに形成された円弧の中心角θ2は90°以上であり、好ましくは120°に設定されている。これは、円弧の中心角θ2が90°より小さいと、鋳型面33aの角度が180°以上となり、成形品を割り面から取り出せないためである。そのため、円弧の中心角θ2を120°に分割することで、すべての鋳型面33a,33b,33cに均等に成形品が接するため、成形品がどの鋳型面からも離形しやすい。且つ、鋳型面33b、33cの成形品に引っ掛かる縁部も適切に確保されるため、成形品Nを鋳型面33aから取り外しやすくなる。
このように円弧の中心角を有する鋳型面33b、33cとすることにより、鋳型面33に形成された成形品を取り出す際、第1上型部材31と第2上型部材32とを観音開き状に開くと、前記鋳型面33b、33cが下型部材30の鋳型面33aから離れると共に、それらの縁部(エッジ)が円柱状の成形品Nの周面を引っ掛け、成形品Nを鋳型面33aから確実に取り外すことができる。
また、図3、図4に示すように下型部材30には、上下方向に貫通する貫通孔30a、30bが設けられている。貫通孔30aは、第1上型部材31が閉じた状態で、この第1上型部材31の下面直下に位置するように配置されている。また、貫通孔30bは、第2上型部材32が閉じた状態で、この第2上型部材32の下面直下に位置するように配置されている。
これらの貫通孔30a、30bには、チャンバ2内の空間に水平方向に設けられた直棒である2本の型割棒35、36がそれぞれ挿通可能な大きさに形成されている。
このため、軸棒47、48が所定角度回転してハース部材3から鋳型10へ溶融金属を流し込み鋳込んだ後、さらにステッピングモータなどの駆動部(図示せず)により図7の矢印の方向に回転させると、型割棒35、36が下型部材30の貫通孔30a、30bに挿入され、さらに図8に示すように型割棒35、36が第1上型部材31、第2上型部材32にそれぞれ当接して突き上げ、それらを開くようになっている。
また、第1上型部材31及び第2上型部材32が開くことにより、前記したように鋳型面33b、33cの縁部が成形品に引っ掛かり、成形品が鋳型10から取り出されるようになっている。
続いて、このように構成された鋳造装置1による鋳造工程の一連の流れについて説明する。
先ず、鋳型装置1において、チャンバ2内に不活性ガスが充填され、チャンバ2内が真空状態まで減圧されて所定の雰囲気が形成される。
ハース部材3の窪み11には、固体状の金属材料Mが収容され、ハース部材3の上方に配置されたアーク溶解用電極15,16の先端からアーク放電を生じさせ金属材料Mが溶解される。
前記ハース部材3の窪み11に溶融金属Mが形成されると、図示しない回転駆動手段により軸棒47、48が所定角度回転され、窪み11の注ぎ口11aから流路17及び溶湯受け部10bを介して鋳型10の湯口20に溶融金属Mが流し込まれる。
鋳型10に溶融金属Mが鋳込まれ、冷却されて鋳型面33により成形品Nが形成されると、図7の矢印に示す方向に、更に前記軸棒47、48が回転され、鋳型10が略直立した状態で停止される。
このとき図8に示すようにチャンバ2内に設置された型割棒35、36が、下型部材30の貫通孔30a、30bにそれぞれ挿通され、先端部が第1上型部材31と第2上型部材32とをそれらの下面側から押し開く。即ち、第1上型部材31と第2上型部材32とは、下型部材30に対して観音開き状に開く。
これにより、第1上型部材31における断面円弧状の鋳型面33bの縁部(エッジ)と、第2上型部材32における断面円弧状の鋳型面33cの縁部(エッジ)とが、円柱状の成形品Nの周面に引っ掛かり、成形品Nが鋳型面33から取り外される。尚、鋳型10の下方に、回収容器(図示せず)を配置しておくことにより、鋳型10から取り外された成形品は、前記回収容器内に回収される。
その後、軸棒47、48が反対方向に回転されることにより、型割棒35、36が貫通孔30a,30bから引き抜かれ、第1上型部材31と第2上型部材32とは、下型部材30に対してバネ蝶番41、42、43、44の付勢力により閉じられ、鋳型10は再び水平状態に戻される。
以上のように、本発明に係る実施の形態によれば、下型部材30に対して一対の第1上型部材31と第2上型部材32とが観音開き状に開閉し、それら3部材が対向する所定領域により鋳型面33a,33b,33cの3つに分割された鋳型面33が形成される。
また、第1上型部材31の断面円弧状の鋳型面33bと第2上型部材32の断面円弧状の鋳型面33cとにおいて、円弧の中心角を90°以上に形成することにより、鋳型10に成形品Nを形成後、第1上型部材31と第2上型部材32とを開いた際に、鋳型面33b、33cの縁部(エッジ)に成形品Nを引っ掛け、容易に取り出すことができる。
さらに、鋳型10を回転させることにより、下型部材30に対する第1上型部材31と第2上型部材32との開閉を自動的に行うことができるため、連続的に効率よく成形品Nを量産することができる。
また、特許文献1に開示の構成のように成形品の排出にイジェクトピンによる成形品を鋳型から押し出す動作を必要とせずに、3つに分割された鋳型の開閉動作により成形品を排出できるので、複雑な機構が必要なく、装置に掛かるコストを低く抑えることができる。
尚、前記実施の形態においては、鋳型10の回転に伴い、型割棒35、36により一対の上型部材31、32の下面を突き上げ、それら一対の上型部材31,32を開くよう構成したが、本発明における前記一対の上型部材31,32の開閉機構は、その構成に限定されるものではない。
例えば、図9(a)、(b)に示すように構成してもよい。即ち、第1上型部材31にバネ蝶番41よりも外側に突出するように延設された係合部材31aを設け、第2上型部材32にバネ蝶番43よりも外側に突出するよう延設された係合部材32aを設ける。
また、チャンバ2内に例えば水平方向に延びる一対の型割棒37、38を配置する。
そして、図示しない回転駆動手段により鋳型10を回転させ、図9(b)に示すように前記一対の上型部材31,32の係合部材31a、32aが前記一対の型割棒37,38に当接し、前記一対の上型部材31,32を回動させて開くように構成してもよい。
また、前記実施の形態においては、チャンバ2内に固定された型割棒35、36(37,38)に対して鋳型10が回転し、前記型割棒35、36(37、38)により一対の上型部材31、32を押し開く構成としたが、その構成に限定されるものではない。
例えば、図7、図8において図示しない移動手段により、型割棒35、36を回転移動させ、前記型割棒35,36を下型部材30の貫通孔30a、30bに挿通させ、型割棒35、36の先端により前記一対の上型部材31、32を押し開くように構成してもよい。或いは、図示しないが、型割棒35、36を下型部材30の貫通孔30a,30bの延長線上に沿って配置し、型割棒35、36と鋳型10のいずれかを直線上に移動させ、型割棒35、36を前記貫通孔30a,30bに挿入させて、その先端で前記一対の上型部材31、32を押し開くように構成してもよい。
また、図9において図示しない移動手段により、型割棒37、38を鋳型10側に回転移動させ、前記型割棒37,38を上型部材31,32の係合部材31a、32aに当接させ、前記一対の上型部材31、32を回動させて開くように構成してもよい。或いは、型割棒37、38と鋳型10のいずれかを直線上に移動させ、前記型割棒37,38を上型部材31,32の係合部材31a、32aに当接させる構成としてもよい。
また、前記実施の形態において、第1型部材を下型部材30とし、第2型部材を一対の上型部材31,32として説明したが、本発明において、第1型部材と第2型部材の上下方向の配置関係は限定されるものではない。
1 鋳造装置(冷却凝固金属作製装置)
2 チャンバ
3 ハース部材
10 鋳型(冷却凝固機構)
10a 段差面
10b 溶湯受け部
11 窪み
12 待機部
13 待機部
15 アーク溶解用電極
16 アーク溶解用電極
20 湯口
30 下型部材(第1型部材)
30a 貫通孔
30b 貫通孔
31 第1上型部材(第2型部材)
31a 係合部材
32 第2上型部材(第2型部材)
32a 係合部材
33 鋳型面
33a 鋳型面
33b 鋳型面
33c 鋳型面
35 型割棒
36 型割棒
37 型割棒
38 型割棒
41 バネ蝶番
42 バネ蝶番
43 バネ蝶番
44 バネ蝶番
45 支柱
46 支柱
47 軸棒
48 軸棒
M 金属材料(溶融材料)、溶融金属
N 成形品

Claims (6)

  1. 溶融材料が流し込まれる冷却凝固機構を備え、前記冷却凝固機構の鋳型面により金属固体が得られる冷却凝固金属作製装置であって、
    前記冷却凝固機構は、
    第1型部材と、前記第1型部材の内面側に互いに隣接して対称配置され、前記第1型部材に対し観音開き式に開閉可能に設けられた一対の第2型部材と、前記第1型部材に対し前記一対の第2型部材が閉じた状態で、該一対の第2型部材の対向する先端の前記第1型部材側の所定領域と該所定領域に対向する前記第1型部材の内面側の所定領域とにより3つに分割された鋳型面とを有し、
    前記一対の第2型部材における前記分割された鋳型面は断面円弧状に形成され、その円弧の中心角が90°以上に形成されていることを特徴とする冷却凝固金属作製装置。
  2. 先端が所定方向に向けられた一対の型割棒と、
    少なくとも前記冷却凝固機構と前記一対の型割棒とのいずれかを移動させ、相互の相対位置を変更する移動手段とを備え、
    前記第1型部材には前記一対の型割棒を挿通可能な一対の貫通孔が形成され、
    前記移動手段により、前記一対の型割棒の先端が前記第1型部材の一対の貫通孔に挿通されて前記一対の第2型部材を下面側から押し開くことを特徴とする請求項1に記載された冷却凝固金属作製装置。
  3. 所定方向に向けられた一対の型割棒と、
    前記観音開き式に開閉する一対の第2型部材に設けられ、それぞれの回転軸よりも外方に延設された一対の係合部材と、
    少なくとも前記冷却凝固機構と前記一対の型割棒とのいずれかを移動させ、相互の相対位置を変更する移動手段とを備え、
    前記移動手段により、前記一対の型割棒に対し前記一対の係合部材が当接し、前記一対の第2型部材を回動させて開くことを特徴とする請求項1に記載された冷却凝固金属作製装置。
  4. 所定方向に向けられた一対の型割棒と、
    前記観音開き式に開閉する一対の第2型部材に設けられ、それぞれの回転軸よりも外方に延設された一対の係合部材と、
    前記冷却凝固機構を所定方向に回転させる回転駆動手段とを備え、
    前記回転駆動手段が前記冷却凝固機構を回転させることにより、前記一対の型割棒に対し前記一対の係合部材が当接し、前記一対の第2型部材を回動させて開くことを特徴とする請求項1に記載された冷却凝固金属作製装置。
  5. 前記第1型部材の両側側面に対し前記一対の第2型部材の外側側面が、所定方向に付勢力を有する蝶番により連結され、
    前記蝶番により前記一対の第2型部材は前記第1型部材に対し閉じる方向に付勢されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された冷却凝固金属作製装置。
  6. アーク溶解炉であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された冷却凝固金属作製装置。
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