JP6319480B2 - 皮膚外用剤のぬり心地評価方法 - Google Patents

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本発明は、皮膚外用剤を皮膚へ塗布した後の「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」を客観的に評価することに基づいて提供される皮膚外用剤に関する。
皮膚外用剤において、ぬり心地は消費者の嗜好に大きな影響を及ぼす。そのため、皮膚外用剤のぬり心地である塗布後の「肌なじみ感」や「浸透感」などの使用感を向上させるための、また、「べたつき感」を低減させるための皮膚外用剤について、数多くの発明が開示されている。
特許文献1では、ビタミンA類を安定に配合した、使用性(「肌なじみ感」、「塗布後の効果実感」)、基剤の経時安定性(乳化安定性)に優れる水中油型乳化皮膚化粧料について開示している。
特許文献2では、肌への「のび感」と「なじみ感」が良好で、「べたつき感」がなく、「みずみずしさ」、「浸透感」、「エモリエント感」、「はり感」等の使用感に極めて優れた水中油型乳化皮膚化粧料について開示している。
特許文献3では、グリセリン10%以上という高配合を行うことなく、「のびの軽さ感」、「べたつき感のなさ」、「浸透感」に優れる水中油型乳化化粧料について開示している。また、非特許文献1では、グリセリンへの選択性が高いポリマーを用いて疎水的な膜を形成させ、グリセリンの極性基の露出を効果的に抑制することで、「べたつき感」が有意に抑制されることについて報告している。
特開2010−18536号公報 特開2013−63935号公報 特開2011−144130号公報
工藤大樹, 井柳宏一,吉沢賢一, 大倉さゆり, 中前勝彦,J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn.,40巻,3号,195−200(2006)
従来の「肌なじみ感」や「浸透感」に優れる、または、「べたつき感」の小さい皮膚外用剤の製造における、「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」の評価方法は主観的な方法であり、「肌なじみ感」と「浸透感」に優れる、または、「べたつき感」の小さい皮膚外用剤の製造に多くの被験者と時間を要していた。
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」を数値化することによる客観的な評価に基づく皮膚外用剤の製造方法を提供することにある。
本発明者らが被験者を用いて種々の皮膚外用剤のぬり心地を主観評価した結果、実際に人が皮膚外用剤を塗布した後に感じる「肌なじみ感」は、肌への「浸透感」が大きいほど、大きく感じる傾向がみられ、「肌なじみ感」と「浸透感」は高い正の相関を示した。また、「べたつき感」は「肌なじみ感」「浸透感」と高い負の相関関係を示した。そこで、「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」をワンセットに考えることができることを見出した。
「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」は人の感覚的な表現であるため、数値化できる指標に変換する必要がある。
本発明者らが、「べたつき感」を客観的に評価する方法を種々検討し、圧縮試験機を用いた皮膚外用剤の剥離力測定と、熱重量分析(TGA)による残存率測定が「べたつき感」に対応していることを見出した。特に120秒後の剥離力と残存率が大きいほど「べたつき感」が大きく感じるという相関が得られた。
そこで、「肌なじみ感」と「浸透感」と圧縮試験機による120秒後の剥離力及び熱重量分析による残存率の対応関係を検討した結果、「肌なじみ感」と「浸透感」は、120秒後の剥離力と残存率が小さいほど、大きく感じることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記に代表される構成からなる。
(1)窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の熱重量分析(TGA)における残存率が25%以下、かつ、圧縮試験機における120秒後の剥離力が100gf/cm以下に調製することを特徴とする皮膚外用剤の製造方法。
(2)窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の熱重量分析(TGA)における残存率が25%以下、かつ、圧縮試験機における120秒後の剥離力が100gf/cm以下であるスキンケア用化粧品。
本発明により、「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」を客観的に評価することができ、「肌なじみ感」と「浸透感」に優れ、「べたつき感」の小さい皮膚外用剤を効率的に製造することができる。
製造例1−14における浸透感と肌なじみ感を示す。 製造例1−14における浸透感とべたつき感のなさを示す。 製造例1−14における剥離力と残存率を示す。
本発明は、窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の残存率が25%以下であり、かつ、120秒後の剥離力が100gf/cm以下であるように皮膚外用剤を調製することを特徴とする。この範囲に調製すれば、すうっと肌になじんでべたつきがなく、肌にすばやく浸透した感覚となる皮膚外用剤を得ることができる。残存率が好ましくは24%以下、より好ましくは23%であることが望ましい。また、120秒後の剥離力が好ましくは90gf/cm以下、より好ましくは80gf/cm以下であることが望ましい。窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の残存率が25%より大きく、かつ、120秒後の剥離力が100gf/cmより大きい皮膚外用剤はぬり心地がべたつくと感じる傾向があり、「肌なじみ感」や「浸透感」を損なう結果となる。
前記剥離力は、ハンディー圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)を用い、試料台に皮膚外用剤を塗布後、皮膚外用剤のある状態で加圧子と試料台との圧縮を120秒間繰り返し、120秒後の加圧子と試料台が離れる時の剥離力を示す。
剥離力測定の条件を以下に記す。
温度:25℃
湿度:50%RH
試料台:フィルム
加圧子:10mm角の前記フィルムにスポンジを貼り付け、スポンジ側を加圧板に貼り付けた。
荷重:1000gf/cm
速度:10mm/sec
試料台と加圧子の距離:2mm
塗布量:6μl
剥離力測定で用いるフィルムは、皮膚外用剤の剥離力が測定できるフィルムあれば特に制限されないが、例えばポリエステル系フィルム、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルムなどが挙げられる。また、セロハンテープやポリエステル系テープ、ポリエチレン系テープ、ポリイミド系テープなどの粘着テープでもかまわない。剥離力測定で用いるスポンジは、皮膚の柔軟性を再現できる材料であれば特に制限されないが、例えばウレタン系スポンジ、メラミン系スポンジ、ゴム系スポンジなどが挙げられる。また、シリコーン系シートなどでもかまわない。
本発明における剥離力の数値は、ハンディー圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)を用い、試料台に皮膚外用剤を6μl塗布後、皮膚外用剤のある状態で加圧子と試料台との圧縮を120秒間繰り返し、加圧子と試料台が離れる時の120秒後の剥離力を計測して得られた数値である。測定環境は温度25℃、湿度50%RHとし、試料台にはポリエステルフィルムであるクリスパー(東洋紡(株)製)を、加圧子には10mm角の前記フィルムにウレタン製スポンジを貼り付け、スポンジ側を加圧板に貼り付けた。荷重1000gf/cm、速度10mm/sec、加圧子と試料台の距離2mmとした。
前記残存率は、熱重量分析装置 TGA2950(TA Instrument社製)を用いて、皮膚外用剤10mgを窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の重量を計測し、初期重量と35℃、30分間放置後重量から算出した。残存率は式(1)にて算出される。
残存率(%)=100−(W−W)/W×100 ・・・(式1)

:初期重量(g)
:35℃、30分間放置後重量(g)
剥離力及び残存率を本発明の範囲に調整するため、本発明のための製造において、水溶性高分子、バイオサーファクタント、ポリアミンを好適に用いることができる。
水溶性高分子として、例えば、ポリ−γ−L−グルタミン酸、及び/又は、その塩、カルボキシアルキルキチン、キトサン、ヒドロキシアルキルキチン、低分子キトサン、キトサン塩、硫酸化キチン、リン酸化キチンアラビアガム、グアーガム、クインスシードガム、マルメロ、寒天、キサンタンガム、フルクタン、プルラン、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマーおよびその変性物、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合物および共重合可能なモノマーとの共重合物、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
水溶性高分子を用いる場合、平均分子量が好ましくは80万以上、より好ましくは100万以上であるのが、剥離力及び残存率の観点から好ましい。なお、本発明の平均分子量とはプルラン標準物質の分子量換算にて算出した数平均分子量(Mn)のことを指す。
好適に使用できる一例として、ポリ−γ−グルタミン酸及び/又はその塩が挙げられる。ポリ−γ−グルタミン酸とは、グルタミン酸のみからなるホモポリマ−である。ポリ−γ−グルタミン酸は市販品を購入することができ、例えば、日本ポリグル社、味の素社、ヤクルト薬品工業社、東洋紡社、一丸ファルコス社等から入手可能である。また、Bacillus属の微生物やNatrialba属の微生物を培養することにより入手することもできる。
バイオサーファクタントとは、生物によって生み出される界面活性能力や乳化能力を有する物質の総称であり、優れた界面活性や、高い生分解性を示すばかりでなく、様々な生理作用を有していることから合成界面活性剤とは異なる挙動・機能を発現する可能性がある。
バイオサーファクタントとしては、マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)、セロビオースリピッド、ラムノリピッド、トレハロースリピッド、ソホロリピッド、サーファクチンなどが挙げられる。MEL以外のマンノシルアルジトールリピッド(MAL)としては、マンノシルマンニトールリピッド(MML)、マンノシルソルビトールリピッド(MSL)、マンノシルアラビトールリピッド(MAraL)、マンノシルリビトールリピッド(MRL)などが挙げられ、なかでも、ラメラ構造又は/及びベシクルを形成するバイオサーファクタントを利用するのが好ましく、MELが特に好ましい。MELは市販品を購入することができ、例えば、東洋紡社から入手可能である。また、Pseudozyma antarctica、Pseudozyma sp.等の微生物を培養することにより入手することもできる。
ポリアミンとは、第1級アミノ基を2つ以上もつ脂肪族炭化水素の総称で生体内に普遍的に存在する天然物であり、20種類以上のポリアミンが見いだされている。例えば、1,3−ジアミノプロパン、プトレシン、カダベリン、カルジン、スペルミジン、ホモスペルミジン、アミノプロピルカダベリン、テルミン、スペルミン、テルモスペルミン、カナバルミン、アミノペンチルノルスペルミジン、N,N−ビス(アミノプロピル)カダベリン、ホモスペルミン、カルドペンタミン、ホモカルドペンタミン、カルドヘキサミン、ホモカルドヘキサミンなどが挙げられる。代表的なポリアミンとしてはプトレシン、スペルミジン、スペルミンがある。ポリアミンは市販品を購入することができ、例えば、東洋紡社から入手可能である。また、植物及び/又は植物抽出物に含まれていたポリアミンを酸溶液中(液体画分)に抽出することにより入手することもできる。
本発明の皮膚外用剤とは、化粧品、医薬部外品および医薬品を含み、通常の整肌、栄養化粧水の他、アストリンゼントローション、シェーブローション、ボディローション、液状パック料等の水系皮膚外用剤等の化粧用ローションおよび栄養乳液、ボディ乳液、ネック乳液、ハンド乳液等の乳液類、パック類などが主なものであり、好ましくはスキンケア用化粧品である。
本発明に係る皮膚外用剤の製造方法において、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品に使用される成分や添加剤を併用して配合することができる。例えば、油脂類、ロウ類、鉱物油、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、金属セッケン類、ガム質および水溶性高分子化合物類、界面活性剤類、ビタミン類、アミノ酸類、美白剤、保湿剤、育毛剤、動物あるいは植物、生薬の抽出物やエキス、微生物培養代謝物、α−ヒドロキシ酸類、無機顔料、紫外線吸収剤、収斂剤、抗酸化剤、抗炎症剤、殺菌・消毒薬、頭髪用剤、香料、色素・着色剤、甘味料、栄養強化剤、ホルモン類、金属イオン封鎖剤、pH調整剤、キレート剤、防腐・防バイ剤、清涼剤、安定化剤、乳化剤、動・植物性蛋白質およびその分解物、動・植物性多糖類およびその分解物、動・植物性糖蛋白質およびその分解物、血流促進剤、消炎剤・抗アレルギー剤、細胞賦活剤、角質溶解剤、創傷治療剤、増泡剤、増粘剤、口腔用剤、消臭・脱臭剤、苦味料、調味料、酵素などが挙げられる。
本発明は上記皮膚外用剤の製造方法に加え、さらに窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の残存率が25%以下であり、かつ、120秒後の剥離力が100gf/cm以下であるように調製された皮膚外用剤を含む。
以下に製造例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記製造例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。以下において、含有量ないし使用量を表す「%」は、特記しないかぎり質量基準である。
(製造例1〜4)
表1に記載の組成に従い皮膚外用剤を製造した。
(製造例5、6)
表2に記載の組成に従い皮膚外用剤を製造した。
(製造例7、8)
表3に記載の組成に従い皮膚外用剤を製造した。
(製造例9〜11)
表4に記載の組成に従い皮膚外用剤を製造した。
(製造例12)
下記の組成からなる皮膚外用剤を製造した。
水、グリセリン、(PEG-240/デシルテトラデセス-20/HDI)コポリマー、BG、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、セラミド3、セラミド6II、水溶性コラーゲン、加水分解コラーゲン、ヘマトコッカスプルビアリス油、アセチルヒドロキシプロリン、加水分解シロバナルーピンタンパク、トコフェロール、エチルヘキシルグリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、オレイン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸スクロース、レシチン、ダマスクバラ花油、ラウリルカルパミン酸イヌリン、オレイン酸、リン酸Na、リン酸2Na、水酸化Na、香料、フェノキシエタノール、メチルパラベンからなるゼリー状美容液。
(製造例13)
下記の組成からなる皮膚外用剤を製造した。
水、グリセリン、BG、ジグリセリン、PEG−30、PPG−24グリセレス−24、ポリメタクリル酸メチル、アルゲエキス、ヒアルロン酸ジメチルシラノール、トレハロース硫酸Na、オリゴペプチド−6、ヒアルロン酸クロスポリマーNa、加水分解クラゲエキス、ラフィノース、セリン、グリシン、アラニン、アルギン酸Na、アクリル酸Naグラフトデンプン、ソルビトール、ペンチレングリコール、PEG−150、ベントナイト、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマー、カルボマー、キサンタンガム、水酸化K、フェノキシエタノール、メチルパラベンからなるゲル状保湿液。
(製造例14)
下記組成ならなる皮膚外用剤を製造した。
α―オレフィンオリゴマー、濃グリセリン、BG、DPG、SEステアリン酸グリセリル、ワセリン、オリーブ油、ステアリン酸、コレステロール、ジメチコン、フェノキシエタノール、イソステアリン酸ソルビタン、キサンタンガム、ベントナイト、水酸化k、クロルフェネシン、ベヘニルアルコール、エデト酸塩、エタノール、無水エタノール、水からなる保湿用乳液。
(実施例1)
製造例1〜14の剥離力測定と残存率測定を実施した。
(剥離力測定方法)
ハンディー圧縮試験機KES−G5(カトーテック株式会社製)を用い、試料台に皮膚外用剤を6μl塗布後、皮膚外用剤のある状態で加圧子と試料台との圧縮を120秒間繰り返し、加圧子と試料台が離れる時の120秒後の剥離力を計測した。測定環境は温度25℃、湿度50%RHとし、試料台にはポリエステルフィルム(東洋紡(株)製クリスパーK2379 厚さ188μm)、加圧子には10mm角の前記フィルムにオイルオフスポンジ(株式会社シャンティ製)を貼り付け、スポンジ側を加圧板に貼り付けたものを用いた。荷重1000gf/cm、速度10mm/sec、加圧子と試料台の距離2mmとした。
(残存率測定方法)
熱重量分析装置 TGA2950(TA Instrument社製)を用い、皮膚外用剤10mgを窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の重量を計測した。初期重量と35℃、30分放置後重量から残存率を式(1)にて算出した。
表5に製造例1〜14の剥離力と残存率を示した。
(実施例2)
モニターによる一対比較評価を実施した。
(モニターによる乾燥後の「肌なじみ感」、「浸透感」、「べたつき感の無さ」の一対比較評価)
20〜30代女性20名により、試料の塗布3分後の「肌なじみ感」、「浸透感」、「べたつき感の無さ」を一対比較法により判定した。
23℃、50%RHの恒温恒湿室内でモニターの左右の頬に、製造例1〜14からなる皮膚外用剤から選ばれた2種類の試料を各々30μl塗布して、指で伸ばし広げた。そして、塗布3分後の頬を指で触った時の「肌なじみ感」、「浸透感」、「べたつき感の無さ」を、左右どちらの試料がより肌になじんで、浸透して、べたつきがないかについて判定した。全試料の組合せにて一対比較判定後、中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法に準拠し、「肌なじみ感」、「浸透感」、「べたつき感の無さ」をー2〜+2点で得点化した。
モニターによる乾燥後の「肌なじみ感」、「浸透感」、「べたつき感の無さ」の中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法による主観評価結果を表6に示した。−2以上−1より小さな得点の場合は×、−1以上0より小さな得点の場合は△、0以上+1より小さな得点の場合は○、+1以上+2以下の得点の場合は◎で示した。
「浸透感」と「肌なじみ感」の分布図を図1に示す。「浸透感」と「肌なじみ感」は正の相関関係であり、化粧品が浸透した感覚が大きいほど、肌になじんだ感覚も大きくなる傾向がみられた。
「浸透感」と「べたつき感の無さ」の分布図を図2に示す。「浸透感」と「べたつき感の無さ」は正の相関関係であり、化粧品が浸透して、肌になじんだ感覚が小さいほど、べたつかない感覚が小さくなる、つまり、「べたつき感」が大きくなる傾向がみられた。
剥離力と残存率の分布図を図3に示した。図3より、剥離力と残存率が小さいほど、中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法に準拠して得点化した製造例1〜14の「浸透感」「肌なじみ感」「べたつき感の無さ」が大きくなる傾向がみられた。一方、製造例1〜14の剥離力と残存率が大きいほど、中屋の変法を用いたシェッフェの一対比較法に準拠して得点化した「べたつき感の無さ」が小さくなる傾向がみられ、「べたつき感」が大きくなる傾向がみられた。
また図3より、残存率が25%より大きく、かつ、120秒後の剥離力が100gf/cmより大きい製造例9〜14は「浸透感」と「肌なじみ感」が小さく、「べたつき感」が大きな傾向がみられた。
残存率が25%より大きく、かつ、剥離力が100gf/cmより大きい皮膚外用剤は「べたつき感」が大きく、剥離力と残存率が小さいほど「浸透感」と「肌なじみ感」は大きく感じる傾向があることから、本発明の皮膚外用剤の製造方法を用いることで、客観的・効率的にぬり心地を評価できた。
本発明により、「肌なじみ感」と「浸透感」、「べたつき感」を数値化することによる客観的な評価に基づき、皮膚外用剤、とりわけスキンケア用化粧料を製造することができることから、産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (10)

  1. 皮膚外用剤を塗布した際の肌なじみ感、浸透感及び/又はべたつき感を、剥離力及び残存率を計測することにより評価する、皮膚外用剤のぬり心地評価方法。
  2. 前記剥離力は圧縮試験機を用いて計測する、請求項1に記載のぬり心地評価方法。
  3. 前記圧縮試験機の加圧子にスポンジ及びフィルムを貼付し、試料台にフィルムを貼付して、試料台のフィルム上に塗布した皮膚外用剤の剥離力を計測する、請求項1又は2に記載のぬり心地評価方法。
  4. 前記スポンジが、ウレタン系スポンジ、メラミン系スポンジ、ゴム系スポンジ又はシリコーン系シートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のぬり心地評価方法。
  5. 前記フィルムが、ポリエステル系フィルム、ポチエチレン系フィルム、ポリプロピレン系フィルム、セロハンテープ、ポリエステル系テープ、ポリエチレン系テープ又はポリイミド系テープである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のぬり心地評価方法。
  6. 皮膚外用剤を塗布後、120秒後に剥離力を計測する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のぬり心地評価方法。
  7. 前記残存率は熱重量分析装置を用いて計測する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のぬり心地評価方法。
  8. 前記残存率を、皮膚外用剤の初期重量と皮膚外用剤を窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の重量から算出する、請求項7に記載のぬり心地評価方法。
  9. 窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の熱重量分析(TGA)における残存率が25%以下、かつ、圧縮試験機における120秒後の剥離力が100gf/cm 以下であるときに、「肌なじみ感」及び「浸透感」に優れ、「べたつき感」が小さいと評価する、皮膚外用剤のぬり心地評価方法。
  10. 窒素雰囲気下で35℃、30分間放置した時の熱重量分析(TGA)における残存率が25%より大きく、かつ、圧縮試験機における120秒後の剥離力が100gf/cm より大きいときに、「肌なじみ感」及び「浸透感」が小さく、「べたつき感」が大きいと評価する、皮膚外用剤のぬり心地評価方法。
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