JP6318448B2 - 透過投映スクリーン - Google Patents

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Description

本発明は透過投映スクリーン用の樹脂製シートに関するものであり、特にスクリーン背面からスクリーン裏面にプロジェクター投映した画像をスクリーンの表面に透過投映させるデジタルディスプレイ及びデジタルサイネージにおいて、明るい環境での透過投映像の発色鮮明性(高いコントラスト効果)とホットスポット抑止効果に優れ、しかも遮熱性を有するもので、特にショーウインドー用の投映スクリーン兼遮熱ブラインドに関する。
デジタルデータをコンピュータ経由で画像表示、動画表示するデジタルサイネージ(電子看板)が普及している。デジタルサイネージはポスターや看板などの具現物を必要としないため、リアルタイムかつ低コストで自由自在の演出表現が可能である。この一形態に、スクリ−ンの背面からプロジェクター投映する方法があり、特にショーウインドーのような大型ヴィジュアルメディアに適している。このような投映スクリーンには適度な透光性と光拡散性を兼備する透過型スクリーンを用いることで、プロジェクター光源を隠蔽しながらの鮮明な大画面映像や動画の表示を可能とする。
このような透過型スクリーンで、背面に設置したプロジェクターの光源位置が透けて見えず、かつプロジェクターからの映像を鮮明に写すスクリーンの具体例として、プラスチックフィルムを支持体として、これに光拡散性粒子(無機顔料)を含む光拡散層を設けてなるヘーズ80%以上、全光線透過率60%以上、鏡面光沢度10%以下である透過型スクリーン(特許文献1)、光拡散体を通して光源を見たときに光源光の色調がシフトすることを抑え、光拡散体を通したときに白色光源が着色して見えることをなくすようなスクリーンとして、透明樹脂と、透明樹脂とは屈折率の異なる特定条件を満たす球状微粒子とから形成される透過型スクリーン(特許文献2)、ホットスポット(プロジェクター光源の映り込み)の発生を防止しつつ、十分なコントラストおよび輝度を得ることができるスクリーンとして、ヘーズが65%以上である前方散乱性フィルム上に、平均粒子径6μm超〜12μmの黒色ビーズとバインダー樹脂とを含む黒色層を有してなる透過型スクリーン(特許文献3)などが開示されている。
昨今では大型ヴィジュアルメディアを活用し、より人目を惹く広告演出や集客効果を得るために、特許文献1〜3のようなスクリーンをショーウインドーのガラス内側に貼着して通行人に向けて動画などをプロジェクター投映するデジタルディスプレイやデジタルサイネージが注目されている。この手段に適する大型ショーウインドーは、繁華街、地下街、ショッピングモール、アミューズメント施設、イベント会場、駅舎や空港など屋内外を問わないが、特に昼間の繁華街ではショーウインドーに直射日光が射して眩く反射したり、プロジェクター投映画像の階調に白飛びを起こしたりするなど、夜間に効果を発揮する特許文献1や2のスクリーンも昼間の環境では発色鮮明性に精彩を欠くものであった。また、大型ショーウインドーでは夏場の強い陽射しが店内温度を上昇させる難点があるが、特許文献1や2のスクリーンは遮熱効果を有するものではなく、特許文献3のスクリーンでは黒色ビーズを含む黒色層を有することでショーウインドー自体が蓄熱して余計に店内の冷房効率を悪くすることがあった。また特許文献1〜3のようなスクリーンは帯電防止性能を有さないため、静電気で埃や塵がスクリーン表面に付着することでキラキラした乱反射を起こし、至近距離での観察で画像のチラつきが目障りとなることがある。
従って、明るい環境での透過投映像の発色鮮明性と、ホットスポット抑止効果に優れ、さらに遮熱性を有し、必要に応じて帯電防止性を有する背面投映用スクリーンが存在すれば、それを大型ショーウインドーに使用することで、昼夜を問わずプロジェクター投映による画像や映像を通行人に安定発信するデジタルディスプレイやデジタルサイネージが可能となり、特に夏場の昼間において、大型ショーウインドーに射し込む日射熱を効果的に反射できれば店内冷房の効率の改善が期待できる。このようなデジタルディスプレイやデジタルサイネージによれば、ショーウインドー以外でも天井面や壁面にも映像や動画を投映するビジュアル演出も可能とする。またドーム状膜構造物の一部または全部を、織物を基材として含む透過型スクリーンで構成し、多数のプロジェクターを使用することでドーム状膜構造物内部壁面に映像や動画を360°全方向投映し、さらに透過画像や動画をドーム状膜構造物外部壁面にも同時現出させるようなデジタルディスプレイ及びデジタルサイネージを可能とする。
特開2005−024942号公報 特開2007−249185号公報 特開2010−250288号公報
本発明は、特にスクリーン背面からスクリーン裏面にプロジェクター投映した画像をスクリーンの表面に透過投映させるデジタルディスプレイ及びデジタルサイネージにおいて、明るい環境での透過投映像の発色鮮明性(高いコントラスト効果)とホットスポット抑止効果に優れ、しかも遮熱性を有するもので、必要に応じて帯電防止性が付与され、特にショーウインドー用に適する投映スクリーン兼遮熱ブラインドを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明者らが検討を行った結果、熱可塑性樹脂中に光拡散性粒子を含有する光透過性樹脂シートにおいて、光透過性樹脂シートが、特定の波長域において特定の平均反射率を示す金属複合酸化物を含み、マンセル明度0〜4(マンセル表色系)に着色されることで近赤外線反射性を発現し、特に明るい使用環境での透過投映像の発色鮮明性(高いコントラスト効果)と、ホットスポット抑止効果に優れ、デジタルディスプレイ及びデジタルサイネージに適した透過投映スクリーンが得られ、しかも近赤外線反射性が発現されるので、特にショーウインドー用に適する投映スクリーン兼遮熱ブラインドが得られることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の透過投映スクリーンは、熱可塑性樹脂中に平均粒子径5〜30μmの光拡散性粒子を含有する光透過性樹脂シートであって、前記光透過性樹脂シートが金属複合酸化物を含み、マンセル明度0〜4(マンセル表色系)に着色され、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)10%以下、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)25%以上を発現することが好ましい。これによって特に明るい使用環境での透過投映像の発色鮮明性と、ホットスポット抑止効果に優れ、デジタルディスプレイ及びデジタルサイネージに適した透過投映スクリーンが得られ、特にショーウインドー用に適する投映スクリーン兼遮熱ブラインドを得ることができる。
本発明の透過投映スクリーンは、前記金属複合酸化物が、鉄−クロム複合酸化物、鉄−クロム−コバルト複合酸化物、鉄−クロム−コバルト−マンガン複合酸化物、銅−クロム複合酸化物、銅−マグネシウム複合酸化物、銅−クロム−マンガン複合酸化物、銅−ビスマス複合酸化物、マンガン−ビスマス複合酸化物から選ばれた1種以上であることが好ましい。これによって特に明るい使用環境での透過投映像の発色鮮明性と、ホットスポット抑止効果に優れ、デジタルディスプレイ及びデジタルサイネージに適した透過投映スクリーンが得られ、特にショーウインドー用に適する投映スクリーン兼遮熱ブラインドを得ることができる。
本発明の透過投映スクリーンは、前記光拡散性樹脂シートが光透過性織布を含むことが好ましい。これによってドーム状膜構造物の一部または全部を、織物を基材として含む透過型スクリーンで構成することで建築構造物としての強度及び耐久性を満足し、多数のプロジェクターを使用することでドーム状膜構造物内部壁面に映像や動画を360°全方向投映し、さらに透過画像や動画をドーム状膜構造物外部壁面にも同時現出させるようなデジタルディスプレイ及びデジタルサイネージを可能とする。
本発明の透過投映スクリーンは、前記光透過性樹脂シートが積層構造を有し、前記光拡散性粒子を含有する層と、前記着色剤を含有する層とに分れていることが好ましい。これによって特に明るい使用環境での透過投映像の発色鮮明性と、ホットスポット抑止効果により優れ、デジタルディスプレイ及びデジタルサイネージに適した透過投映スクリーンが得られ、特にショーウインドー用に適する投映スクリーン兼遮熱ブラインドを得ることができる。
本発明の透過投映スクリーンは、前記光透過性樹脂シートの表面抵抗値(測定方法:JIS K6911、測定条件:湿度30%RH−温度23℃)が、1.0E+12Ω未満であることが好ましい。これによって透過投映スクリーンに帯電防止性を付与し、塵や埃の表面付着によるキラキラした乱反射を抑止し、美麗な投映画像を常時維持することを可能とする。
本発明によれば、明るい環境での透過投映像の発色鮮明性(高いコントラスト効果)とホットスポット抑止効果に優れ、しかも遮熱性を有し、必要に応じて帯電防止性が付与され、特にショーウインドー用に適する投映スクリーン兼遮熱ブラインドを得ることができるので、本発明による透過投映スクリーンをショーウインドーのガラス面に装着し、リアプロジェクター投映するだけで、容易にデジタルディスプレイやデジタルサイネージなどの表現を可能とし、しかも夏場の強い陽射しにも拘らず、店内温度の上昇を抑止することで冷房効率を改善できるので、ウインドーディスプレイやPOP広告看板などの商業的利用を始め、特に遮熱性を有することで、アミューズメント施設、屋外イベント会場などでの映画やアニメーションの投映、音楽プロモーションビデオやライブ映像などの投映などにも利用できる。また、インターネット通信との連動によるデジタルサイネージの利用として、ニュース速報、暴風雨警戒警報、災害時の緊急避難誘導のリアルタイム表示も期待できる。
本発明の透過投映スクリーンの断面の一例を示す図 本発明の透過投映スクリーンの断面の一例を示す図 本発明の透過投映スクリーンの断面の一例を示す図 本発明の透過投映スクリーンの断面の一例を示す図 本発明の透過投映スクリーンの断面の一例を示す図 本発明の透過投映スクリーンの断面の一例を示す図
本発明の透過投映スクリーンにおいて、光透過性樹脂シートは、単層もしくは積層構造である。積層構造とは光拡散性粒子を含有する熱可塑性樹脂層と、着色剤を含有する熱可塑性樹脂層とに分れる態様で、さらに積層構造には光透過性織布を芯材に含む態様も含む。積層構造の具体例は、「光拡散性粒子含有層/着色剤含有層」、「光拡散性粒子含有層/着色剤含有層/光拡散性粒子含有層」、「光拡散性粒子含有層/着色剤含有層/光透過性織布」、「光拡散性粒子含有層/光透過性織布/着色剤含有層」、「光拡散性粒子含有層/着色剤含有層/光透過性織布/光拡散性粒子含有層」、「単層/光透過性織布」などの構成である。光透過性樹脂シートを形成する熱可塑性樹脂として、特に環状オレフィンコポリマーを用いることが光学的透明性に優れて好ましい。このような環状オレフィンコポリマーは、エチレン及び/又は炭素数3〜20のα−オレフィン化合物(例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなど)のモノマーと、ノルボルネン、テトラシクロドデセンなどのシクロオレフィンモノマーとの共重合体による非結晶性ポリマー(シクロオレフィンモノマー含有量60〜85質量%)である。また、上記モノマーに加え、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルフェナンスレン、ビニルフルオランテン、ビニルピレンなどの第3成分モノマーを含むコポリマーであってもよい。また、光透過性樹脂シートを構成するに好ましい熱可塑性樹脂としては、軟質〜半硬質塩化ビニル樹脂、塩化ビニル系共重合体樹脂、オレフィン樹脂(PE,PPなど)、オレフィン系共重合体樹脂(EVA,EMMAなど)、ウレタン樹脂、ウレタン系共重合体樹脂、アクリル樹脂、アクリル系共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル系共重合体樹脂、スチレン樹脂、スチレン系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂(PET,PEN,PBTなど)、ポリエステル系共重合体樹脂、フッ素含有共重合体樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルなどが挙げられる。透過投映スクリーンに難燃性が要求される場合には、特に軟質塩化ビニル樹脂、フッ素含有共重合体樹脂を用いることができる。
光拡散性粒子は、ガラスビーズ、ガラス中空ビーズ、ガラスパウダー、シリカビーズ、シリカ中空ビーズ、シリコーンレジンビーズ、シリコーンゴムビーズ、アクリル樹脂ビーズ、架橋アクリル樹脂ビーズ、スチレン樹脂ビーズ、架橋スチレン樹脂ビーズ、メラミン樹脂ビーズ、及びこれらの表面処理ビーズなどから選ばれた1種以上で、平均粒子径は5〜30μm、特に5〜20μmのものである。表面処理ビーズとは、上記ビーズの表面をシランカップリング剤やチタンカップリング剤の反応物、加水分解物で被覆したもの、シリカ微粒子で被覆したもの、ビーズ構成樹脂と異種の樹脂で被覆したものなどが挙げられる。これら光拡散性粒子の均粒子径が30μmを超え、例えば50μm程度であっても投映画像に特段の悪影響をもたらすことはないが、至近距離での観察で画質を粗くしたり、画像がハレーションを起こすことがある。また平均粒子径が5μm未満だと光拡散効果が不十分となり投映画像の明度と彩度が不十分となることがある。光拡散性粒子の含有量は熱可塑性樹脂100質量部に対して5〜30質量部、特に7.5〜20質量部であることが好ましい。光拡散性粒子の含有量が5質量部未満だと光拡散効果が不十分となり投映画像にプロジェクターの光源(ホットスポット)が映り込むなどの不具合を生じることがある。また光拡散性粒子の含有量が30質量部を越えると画像がハレーションを起し易く、光透過性樹脂シート(透過投映スクリーン)本体の折曲げ強度を脆くしてチョークマークを生じることがある。光拡散性粒子の形状は球形が最も好ましいが、歪んだ球状、じゃが芋状、碁石状、ラグビーボール状など、定型、無定型を問わない。上記熱可塑性樹脂の屈折率と光拡散性粒子の屈折率とは屈折率差0.01以上、特に0.05以上を有する条件で光拡散性粒子の光拡散効果を十分に確保することができる。屈折率差が0.05以上であれば、熱可塑性樹脂の屈折率と光拡散性粒子の屈折率の何れ側が高い値であってもよい。屈折率はD線を光源とするアッベ屈折率計により求めた値を適用する。
また光拡散性粒子には、平均粒子径5〜30μmの光半透過性黒色粒子が使用できる。このような光半透過性黒色粒子は黒色色素を含有する樹脂粒子、またはガラス粒子で、可視光透過率(JIS Z8722)が25〜65%である。黒色色素には、カーボンブラック顔料、複合酸化物系黒色顔料、酸化鉄ブラック顔料、酸化チタン系黒色顔料、アゾメチンアゾ系黒色顔料、ペリレン系黒色顔料などを0.01〜1質量%濃度で使用する。平均粒子径5〜30μmの黒色粒子の可視光透過率が25%未満だと、背面からの投映画像情報の一部を遮断して解像度を低くしたり、あるいは黒色粒子が影となって画面輝度を下げたりすることがある。また、可視光透過率が65%を越えると、コントラスト引締効果に劣り画質を白ぼけすることがある。樹脂粒子の種類はアクリル樹脂ビーズ、架橋アクリル樹脂ビーズ、スチレン樹脂ビーズ、架橋スチレン樹脂ビーズ、メラミン樹脂ビーズ、及びこれらをシランカップリング剤で処理したビーズなどから選ばれた1種以上で、平均粒子径は5〜30μm、特に5〜20μmのものである。ガラス粒子は中実、中空のいずれであってもよく、粒子の形状は球形が最も好ましいが、歪んだ球状、じゃが芋状、碁石状、ラグビーボール状など、更には無定型であってもよい。
本発明の透過投映スクリーンは、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)10%以下、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)25%以上を発現する。光透過性樹脂シート(積層構造の場合は、着色剤を含有する層)には金属複合酸化物を含み、マンセル明度0〜4(マンセル表色系)に着色することで透過投映画像のコントラスト効果を強調することができ、しかも同時に近赤外線反射性を発現する。このような金属複合酸化物は、銅、マンガン、鉄、コバルト、クロム及びニッケルから選択される二種類以上の金属元素を含む焼成顔料が例示され、これらは具体的に、鉄−クロム複合酸化物、鉄−クロム−コバルト複合酸化物、鉄−クロム−コバルト−マンガン複合酸化物、銅−クロム複合酸化物、銅−マグネシウム複合酸化物、銅−クロム−マンガン複合酸化物、銅−ビスマス複合酸化物、マンガン−ビスマス複合酸化物から選ばれた1種以上の黒色系着色剤で、特に一次粒子径が5nm以上500nm以下のものが好ましい。本発明の透過投映スクリーンが、これらの金属複合酸化物を含み、マンセル明度0〜4(マンセル表色系)に着色される範囲内であれば、赤色系の着色性を有する金属複合酸化物、青色系の着色性を有する金属複合酸化物、黄色系の着色性を有する金属複合酸化物などを併用することができる。例えば、赤色系の着色性を有する金属複合酸化物として、亜鉛−鉄−クロム複合酸化物、亜鉛−鉄−クロム−アルミニウム複合酸化物などの焼成顔料、青色系の着色性を有する金属複合酸化物として、コバルト−アルミニウム複合酸化物、コバルト−アルミニウム−クロム複合酸化物、コバルト−アルミニウム−マグネシウム複合酸化物、コバルト−アルミニウム−亜鉛複合酸化物、コバルト−錫複合酸化物、コバルト−ニッケル−亜鉛複合酸化物、コバルト−ニッケル−チタン−亜鉛複合酸化物、コバルト−亜鉛−マグネシウム複合酸化物、コバルト−亜鉛−クロム−チタン複合酸化物、コバルト−亜鉛−ニッケル−チタン複合酸化物などの焼成顔料、黄色系の着色性を有する金属複合酸化物として、ビスマス−バナジウム−アルミニウム複合酸化物、ニッケル−バリウム−チタン複合酸化物、ニッケル−チタン複合酸化物、ニッケル−アンチモン−チタン複合酸化物、クロム−アンチモン−チタン複合酸化物、鉛−アンチモン−チタン複合酸化物などの焼成顔料が例示できる。また公知の有機顔料や染料を任意で併用することもできる。
本発明の透過投映スクリーンは、マンセル明度0〜4の光透過性樹脂シートの可視光透過率(JIS Z8722)が30〜70%であることが好ましい。可視光透過率が30%未満であると背面から投映した映像が暗く充分な輝度が得られないことがあり、また70%を超えると投映映像のコントラスト不足や色相の再現性が不充分となる不具合のみならず、プロジェクターの光源が映像に映り込み、映像を白飛びさせることがある。またマンセル明度0〜4、及び可視光透過率30〜70%を満たせば光透過性樹脂シートの厚さに特に制限は無いが、0.1mm〜3mmの範囲、特に0.5mm〜1.5mmの範囲が好適である。
本発明の透過投映スクリーンにおいて、光拡散性樹脂シートは光透過性織布を芯材に含んでいるものであってもよい。これらの態様として、光透過性樹脂層/光透過性織布、光透過性樹脂層/光透過性織布/光透過性樹脂層、光透過性樹脂層/光透過性織布/他の樹脂シート、などが挙げられる。これら光透過性織布を含む透過投映スクリーンは、マンセル明度0〜4の光透過性樹脂シート(光透過性織布を含む)の可視光透過率(JIS Z8722)が20〜50%であることが好ましい。可視光透過率が20%未満であると背面から投映した映像が暗く充分な輝度が得られないことがあり、また50%を超えると投映映像のコントラスト不足や色相の再現性が不充分となる不具合のみならず、プロジェクターの光源が映像に映り込み、映像を白飛びさせることがある。またマンセル明度0〜4、及び可視光透過率20〜50%を満たせば透過投映スクリーンの厚さに特に制限は無いが、0.1mm〜3mmの範囲、特に0.5mm〜1.5mmの範囲が好適である。光透過性織布を含む態様において本発明の透過投映スクリーンは、その表裏何れの面をプロジェクターに対向させてもよい。
光透過性織布としては、平織、綾織、繻子織、模紗織など公知の織布が挙げられるが、特に平織織布が得られる透過投映スクリーンの経緯物性バランスに優れて好ましい。ラッセル編の緯糸挿入トリコットを使用することもできる。これら光透過性織布は、糸間間隔を均等において平行に多数配置した経糸条、及び糸間間隔を均等において平行に多数配置した緯糸条を含んで構成された粗目状織物(空隙率10〜50%)で、糸条自体の光透過性及び、糸条間の間隙で形成された空隙部による光透過性によるもの、もしくは非粗目状織物(空隙率10%未満)で、主に糸条自体の光透過性に依存するものである。中でも、補強効果、光拡散効果の均一性などの点から、経緯糸条の交絡間に形成される空隙率が0〜5%の高密度織物が特に好ましく用いられる。これらの光透過性織布には公知の防炎処理、難燃加工、帯電防止処理、接着剤処理などを施したものでも良い。
光透過性織布を構成する繊維としては、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維など、合成繊維による長繊維糸条、ジアセテート繊維、トリアセテート繊維など、半合成繊維による長繊維、レーヨン繊維、ポリノジック繊維などの再生繊維糸条、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維など、無機繊維による長繊維糸条などであり、これらは単独使用または混用、混紡であってもよい。繊維の混用、混紡については双糸、三子撚糸、芯鞘糸、長繊維に短繊維を絡めた糸など、公知の複合糸を用いることができる。また、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維などはモノフィラメント糸条や延伸テープ糸条の形態であってもよい。本発明において、光透過性織布を構成する糸条はマルチフィラメント糸条が好ましく、特にフィラメント数10〜300本、繊度138〜2223dtex(デシテックス)、特に277〜1112dtexのマルチフィラメント糸条が好ましい。
本発明の実施において光透過性樹脂シートは、平均粒子径5〜30μmの光拡散性粒子(または光半透過性黒色粒子)、黒色系着色剤(金属複合酸化物)を含み、マンセル明度0〜4(マンセル表色系)に調整された熱可塑性樹脂(例えば環状オレフィンコポリマー、難燃性が必要な場合は軟質塩化ビニル樹脂またはフッ素系共重合体樹脂を用いる)をカレンダー成型機またはTダイス押出成型機などの公知のフィルム・シート製造機により、厚さ0.1mm〜3.0mmの範囲内で製造されたものである。また本発明の実施において光透過性織布(厚さ0.1〜1.0mm)を含む光透過性樹脂シートは、ポリエステル繊維織布やガラス織布などの片面、または両面に対し、厚さ0.1mm〜2.9mmの上記フィルムまたはシートを積層した厚さ0.5mm〜3.0mmの範囲の透過投映スクリーンである。
本発明の透過投映スクリーンには、表面の傷つきを防止し、付着汚れの除去性を向上する目的で、上述の光拡散透過性シートが、その一方の面もしくは両面上に防汚層兼帯電防止層を有していてもよい。防汚層兼帯電防止層は防汚性を有する樹脂層であることが好ましく、これらは例えばアクリル系樹脂、フッ素系共重合樹脂、アクリル−シリコン共重合樹脂、アクリルーフッ素共重合樹脂、アクリル−ウレタン共重合樹脂、アクリル系樹脂とフッ素系共重合樹脂とのブレンド、及びこれらにシリカ微粒子、コロイダルシリカ、オルガノシリケートを含んでなる樹脂層である。このような防汚層兼帯電防止層の形成例としては、防汚コーティング剤の塗工による被膜形成及びフッ素含有樹脂またはフッ素含有共重合体樹脂フィルムを積層する方法が挙げられる。防汚層兼帯電防止層には帯電防止剤、紫外線吸収剤、抗菌剤、防黴剤などを含むことができる。また、本発明の透過投映スクリーンには更に、光触媒性無機材料(例えば光触媒性酸化チタン・光触媒性酸化タングステン)を含む防汚層を設けることができ、これによって付着汚れの水洗い除去性を向上させることができる。
防汚層兼帯電防止層に帯電防止性を付与するには、防汚層兼帯電防止層に無機コロイド物質を含むことが好ましい。無機コロイド物質は例えば1次粒子径3〜150nmの、シリカ(酸化ケイ素)ゾル、アルミナ(酸化アルミニウム)ゾル、ジルコニア(酸化ジルコニウム)ゾル、セリア(酸化セリウム)ゾル、酸化スズゾル(リン酸ドープ)及び複合酸化物(酸化亜鉛−五酸化アンチモン複合または酸化スズ−五酸化アンチモン複合)ゾルなどで、防汚層兼帯電防止層の質量に対して1〜15質量%の含有量である。これによって防汚層兼帯電防止層の表面抵抗値(測定方法:JIS K6911、測定条件:湿度30%RH−温度23℃)が、1.0E+12Ω未満の帯電防止性が付与され、スクリーン表面に塵や埃が静電付着することを抑止し、それによって塵や埃の乱反射が起こり難いことで美麗な投映画面が常時維持されるようになる。
また光透過性樹脂シートまたは防汚層兼帯電防止層には界面活性剤を含むことができ、これによって得られるスクリーンの表面抵抗値(測定方法:JIS K6911、測定条件:湿度30%RH−温度23℃)に、1.0E+12Ω未満の帯電防止性が付与され、スクリーン表面に塵や埃が静電付着することを抑止し、それによって塵や埃の乱反射が起こり難いことで美麗な投映画面が常時維持されるようになる。用いる界面活性剤は、アニオン界面活性剤(カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アミン塩型、第4級アンモニウム型)、両性界面活性剤(アミノ酸型、ベタイン型)、非イオン界面活性剤(ポリエチレングリコール型、多価アルコール型)などが使用でき、光透過性樹脂シートまたは防汚層兼帯電防止層の質量に対して1〜5質量%の含有量である。また高分子型帯電防止剤として、四級アンモニウム塩を側鎖に1個以上有するモノマーAを共重合成分に含む共重合体で、例えば、ポリビニルベンジル型、ポリ(メタ)アクリレート型、スチレン−(メタ)アクリレート共重合体型、スチレン−マレイミド共重合体型、メタクリレート−メタクリルイミド共重合体型などの四級アンモニウム塩型ポリマーが使用できる。これら高分子型帯電防止剤は段落〔0026〕に記載した無機コロイド物質と併用し、質量比3:1〜1:3で使用することが好ましい。
本発明の透過投映スクリーンの用例において、映像投映装置は、スライド投映機、フィルム投映機、プラネタリウム投映機、レーザー投映機、オーバーヘッドプロジェクター及びビデオプロジェクターなどの映像投映装置を用いることができるが、特にビデオプロジェクターが好ましい。ビデオプロジェクターはコンピュータと連動し、コンピュータ内(ハードディスク)に保存されたPOP広告や動画、または無線やインターネット回線を通じて入手した情報、画像や動画をコンピュータ制御により効果的に投映する。これらの映像投映装置は透過投映スクリーン背面中央に配置することが好ましいが、奥行が狭い空間では反射ミラーを併用して斜目投映することもできる。また、本発明の透過投映スクリーンには、スピーカー、平面スピーカー、電子音声装置などの音響装置を付帯することが効果的である。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例で作成した透過投映スクリーンについて以下の評価を行った。透過投映スクリーンのサイズはたて1.5m×よこ2.0mとして、背面に映像投映装置として液晶式ビデオプロジェクター(セイコーエプソン社製EH−TW500S)を使用した。
<プロジェクター光源の視認性:ホットスポットの有無>
たて1.5m×よこ2.0mの透過投映スクリーンの裏面2mの距離にビデオプロジェクターを配置した。投映映像をシート真正面から観察し、以下の基準で評価した。
1:ホットスポット無:プロジェクター光源位置が認知できない
2:軽微なホットスポットを認める:おぼろにプロジェクター光源位置が認知できる
3:ホットスポット有:プロジェクター光源位置がはっきりと認知できる
<映像の発色鮮明性(コントラスト性)>
1:輝度が高く鮮明
2:輝度が高く不鮮明
3:輝度が低く不鮮明
<可視光透過率>
透過投映スクリーンの可視光透過率を、分光側色計CM−3600d(コニカミノルタ社製)を使用しJIS Z8722に従って測定した。
<マンセル明度>
透過投映スクリーンのマンセル明度(JIS Z8721)をMUNSELL BOOK OF COLOR 標準色見本に照合させた。
<熱線反射効果>
室内でASTM D4803-97法による250W赤外線ランプ照射による昇温曲線を30分間測定し、30分後の温度を求めた。
<遮熱効果>
幅100cm×高さ100cm×奥ゆき100cmの立方体の骨組みをアルミ製L型アングル(幅35mm)で組み立て、立方体骨組の底面を除く全面に透過投映スクリーンを貼付固定し試験箱体を作製した。この試験箱体を正午〜13時の太陽光が直射される環境(埼玉県草加市5月:晴天:気温28℃)での試験箱体内部温度を温度センサー(試験箱体内部中心に温度センサーを床上50cmに宙吊固定)で測定した。
[実施例1]
環状オレフィンコポリマーとして、エチレンとノルボルネンとの共重合体(ノルボルネン含有率78質量%):商標「TOPAS」:品番6015:ポリプラスチックス社製:屈折率1.53(ISO489):光線透過率(2mmt)91(ISO13468−2)、光拡散性粒子として、架橋ポリメタクリル酸メチル球状粒子(平均粒子径20μm):商標「テクポリマー」:品番MBX−20:積水化成品工業社製:屈折率1.49を用いた。また、黒色系着色剤として、鉄−クロム複合酸化物及び銅−クロム−マンガン複合酸化物を用い、下記配合1により、165℃の熱ロール条件でカレンダー成形を行い、厚さ0.2mm、可視光透過率50%、マンセル明度3.0、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)7%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)43%を発現するシートを得た。
<配合1>
環状オレフィンコポリマー 100質量部
光拡散性粒子(架橋ポリメタクリル酸メチル球状粒子:20μm) 15質量部
黒色系着色剤(鉄−クロム複合酸化物) 0.4質量部
黒色系着色剤(銅−クロム−マンガン複合酸化物) 0.4質量部
[実施例2]
実施例1の配合1を下記配合2に変更し、鉄−クロム−コバルト複合酸化物及び
銅−クロム複合酸化物を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.2mm、可視光透過率46%、マンセル明度3.0、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)7%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)45%を発現するシートを得た。
<配合2>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
ステアリン酸バリウム(滑剤) 0.2質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
光拡散性粒子(架橋ポリメタクリル酸メチル球状粒子:20μm) 15質量部
黒色系着色剤(鉄−クロム−コバルト複合酸化物) 0.4質量部
黒色系着色剤(銅−クロム複合酸化物) 0.4質量部
[実施例3]
実施例1で用いた環状オレフィンコポリマー、黒色系着色剤として鉄−クロム複合酸化物及び銅−クロム−マンガン複合酸化物を用い、下記配合3により、165℃の熱ロール条件でカレンダー成形を行い、厚さ0.2mmのシートを得た。
<配合3>
環状オレフィンコポリマー 100質量部
黒色系着色剤(鉄−クロム複合酸化物) 0.4質量部
黒色系着色剤(銅−クロム−マンガン複合酸化物) 0.4質量部
次に、実施例1で用いた環状オレフィンコポリマー、実施例1で用いた光拡散性粒子を用い、下記配合4により、165℃の熱ロール条件でカレンダー成形を行い厚さ0.1mmのシートを作成し、165℃の熱ロールを有するラミネーターを用いて上記配合3による0.2mmのシートの片面に積層し、総厚0.3mm、可視光透過率45%、マンセル明度3.5、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)6%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)40%を発現するシートを得た。
<配合4>
環状オレフィンコポリマー 100質量部
光拡散性粒子(架橋ポリメタクリル酸メチル球状粒子:20μm) 15質量部
[実施例4]
実施例2で用いた軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物、黒色系着色剤として鉄−クロム−コバルト複合酸化物及び銅−クロム複合酸化物を用い、下記配合5により、165℃の熱ロール条件でカレンダー成形を行い、厚さ0.2mmのシートを得た。
<配合5>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
ステアリン酸バリウム(滑剤) 0.2質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
黒色系着色剤(鉄−クロム−コバルト複合酸化物) 0.4質量部
黒色系着色剤(銅−クロム複合酸化物) 0.4質量部
次に、実施例2で用いた軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物、実施例2で用いた光拡散性粒子を用い、下記配合6により、165℃の熱ロール条件でカレンダー成形を行い厚さ0.1mmのシートを作成し、165℃の熱ロールを有するラミネーターを用いて上記配合5による0.2mmのシートの片面に積層し、総厚0.3mm、可視光透過率42%、マンセル明度3.5、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)6%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)41%を発現するシートを得た。
<配合6>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
ステアリン酸バリウム(滑剤) 0.2質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
光拡散性粒子(架橋ポリメタクリル酸メチル球状粒子:20μm) 15質量部
[実施例5]
実施例3の配合4を下記配合7に変更した以外は、実施例3と同様として、総厚0.3mm、可視光透過率35%、マンセル明度2.5、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)6%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)40%を発現するシートを得た。
<配合7>
環状オレフィンコポリマー 100質量部
光拡散性粒子(光半透過性黒色粒子) 15質量部
※黒色色素C.I. Pigment Black7をメタクリル酸メチル樹脂に対して0.3質量%濃
度で含有する可視光透過率が40%の、平均粒子径20μmの光半透過性黒色粒子で、
コントラスト引締効果に寄与する
[実施例6]
実施例4の配合6を下記配合8に変更した以外は、実施例4と同様として、総厚0.3mm、可視光透過率33%、マンセル明度2.5、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)6%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)41%を発現するシートを得た。
<配合8>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2質量部
Ba−Zn系複合安定剤 1.5質量部
ステアリン酸バリウム(滑剤) 0.2質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 0.3質量部
光拡散性粒子(光半透過性黒色粒子) 15質量部
※黒色色素C.I. Pigment Black7をメタクリル酸メチル樹脂に対して0.3質量%濃
度で含有する可視光透過率が40%の、平均粒子径20μmの光半透過性黒色粒子で、
コントラスト引締効果に寄与する
[実施例7〜12]
実施例1〜6のシートと下記ガラス織布とを熱ラミネート法で積層し、ガラス織布の片面に光透過性樹脂シートを有し、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)5〜7%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)40〜45%を発現する各種スクリーンを得た。
<ガラス織布>
375dtexのEガラス(屈折率1.558)無撚扁平マルチフィラメント糸条を経糸及び緯糸として、経糸打込密度32本/inch、緯糸打込密度32本/inchで平織してなる空隙率1.0%未満、質量100g/mのガラス織布(シランカップリング処理)
[実施例13〜24]
実施例1〜12のスクリーンに下記配合9による塗液組成物を100メッシュグラビアロールで塗布し、これを乾燥し数日養生してゾルゲル硬化を完了させ防汚層兼帯電防止層を形成し、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)5〜7%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)40〜45%を発現する各種スクリーンを得た。
<配合9>防汚層兼帯電防止層
シリカゾル(粒子径20〜30nm:固形分48質量%の無機コロイド)100質量部
ビニルトリエトキシシラン(シランカップリング剤) 50質量部
ベンゾトリアゾール化合物(紫外線吸収剤) 1質量部
ポリエチレングリコール型非イオン活性剤(帯電防止剤) 1質量部
希釈剤(水) 100質量部
実施例1〜12の透過投映スクリーンは、何れも明るい環境での透過投映像の発色鮮明性とホットスポット抑止効果に優れ、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)5〜7%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)40〜45%を発現するなど遮熱性を有していた。また実施例13〜24の防汚層兼帯電防止層を設け、帯電防止効果を付与した透過投映スクリーンは、手垢汚れなどが付着しても、ペーパータオルやワイピングクロスなどによる拭取で汚れの除去が容易であり、1.0E+9Ω〜10Ωの帯電防止効果を有し、静電気による埃や粉塵などの付着が極めて少ないことで、プロジェクター投映画像が埃や粉塵の存在で乱反射を起こし難いものであった。
[比較例1]
実施例1において、光拡散性粒子の配合を省略した以外は実施例1と同様として、厚さ0.2mm、可視光透過率56%、マンセル明度2.5、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)7%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)45%を発現するシートを得た。
[比較例2]
実施例1において、黒色系着色剤(鉄−クロム複合酸化物)0.4質量部、及び黒色系着色剤(銅−クロム−マンガン複合酸化物)0.4質量部の配合を省略した以外は実施例1と同様として、厚さ0.2mm、可視光透過率79%、マンセル明度8.5、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)5%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)4%のシートを得た。
[比較例3]
実施例1において、黒色系着色剤(鉄−クロム複合酸化物)0.4質量部、及び黒色系着色剤(銅−クロム−マンガン複合酸化物)0.4質量部の配合を、黒色系着色剤(カーボンブラック:C.I. Pigment Black7)0.8質量部に置換した以外は実施例1と同様として、厚さ0.2mm、可視光透過率44%、マンセル明度3.0、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)6%、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)8%のシートを得た。
比較例1のスクリーンは光拡散効果が不足して、プロジェクターの光源(ホットスポット)が露わとなり、光源が投映画像に映り込む不具合を生じ実用性の無いものであった。比較例2のスクリーンは、プロジェクター光源が投映画像に映り込む不具合と、投映画像が白飛びしてコントラストを不鮮明とするなど実用には不適切であった。比較例3のスクリーンは投映画像のコントラストが鮮明で色彩再現性も良好であったが、遮熱効果を有さないものであった。
本発明の透過投映スクリーンは、特に明るい使用環境での透過投映像の発色鮮明性(高いコントラスト引締効果)と、ホットスポット抑止効果に優れ、さらに遮熱性とを有し、デジタル投映機用に適した透過投映用のスクリーンを得ることができるので、本発明による透過投映スクリーンをショーウインドーのガラス面などに貼着し、リアプロジェクター投映するだけで、容易にデジタルディスプレイやデジタルサイネージなどの表現演出を自在とする遮熱ブラインドとなる。特に夏季におけるウインドーディスプレイやデジタルサイネージにおいて、直射日光や西日による店舗内の気温上昇を効果的に抑止する。また本発明の透過投映スクリーンはショーウインドー以外にも、アミューズメント施設、屋外イベント会場などでの映画やアニメーションの投映、音楽プロモーションビデオやライブ映像などの投映などにも利用でき、さらにインターネット通信との連動によるデジタルサイネージの活用として、ニュース速報、交通情報、災害時の緊急避難誘導などのリアルタイム表示も可能とする。
1:透過投映スクリーン(光拡散透過性シート)
2:熱可塑性樹脂
3:光拡散性粒子
3−1:光半透過性黒色粒子
4:黒色系着色剤(金属複合酸化物)
4−1:黒色系着色剤(カーボンブラック)
5:光透過性織布

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂中に平均粒子径5〜30μmの光拡散性粒子を含有する光透過性樹脂シートであって、前記光透過性樹脂シートが金属複合酸化物を含み、マンセル明度0〜4(マンセル表色系)に着色されることで、400〜750nmの可視光波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)10%以下、750〜1200nmの近赤外線波長域における平均反射率(JIS R3106準拠)25%以上を発現することを特徴とする透過投映スクリーン。
  2. 前記金属複合酸化物が、鉄−クロム複合酸化物、鉄−クロム−コバルト複合酸化物、鉄−クロム−コバルト−マンガン複合酸化物、銅−クロム複合酸化物、銅−マグネシウム複合酸化物、銅−クロム−マンガン複合酸化物、銅−ビスマス複合酸化物、マンガン−ビスマス複合酸化物から選ばれた1種以上である請求項1に記載の透過投映スクリーン。
  3. 前記光拡散性樹脂シートが光透過性織布を芯材に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の透過投映スクリーン。
  4. 前記光透過性樹脂シートが積層構造を有し、前記光拡散性粒子を含有する層と、前記着色剤を含有する層とに分れている請求項1〜3のいずれか1項に記載の透過投映スクリーン。
  5. 前記光透過性樹脂シートの表面抵抗値(測定方法:JIS K6911、測定条件:湿度30%RH−温度23℃)が、1.0E+12Ω未満である請求項1〜4のいずれか1項に記載の透過投映スクリーン。
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